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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125652
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】磁気検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/07 20060101AFI20240911BHJP
   H10N 52/00 20230101ALI20240911BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240911BHJP
   H10N 52/80 20230101ALI20240911BHJP
   G01R 33/025 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
G01R33/07
H10N52/00 Z
H01L27/04 D
H10N52/80 Z
G01R33/025
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033612
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】北出 哲也
【テーマコード(参考)】
2G017
5F038
5F092
【Fターム(参考)】
2G017AA02
2G017AB01
2G017AB07
2G017AC02
2G017AC06
2G017AD53
2G017AD57
2G017AD58
2G017AD61
2G017AD62
5F038AZ07
5F038CA02
5F038CA05
5F038CA06
5F038CA10
5F038CD02
5F038CD16
5F038CD18
5F038EZ01
5F038EZ02
5F038EZ14
5F038EZ20
5F092AA15
5F092AB01
5F092AC02
5F092BA02
5F092BA12
5F092BA15
5F092BA37
5F092DA01
5F092EA01
5F092EA05
5F092EA06
(57)【要約】
【課題】磁気検出素子に対する磁界の影響を低減すること。
【解決手段】磁気検出装置は、基板表面を有する基板20と、基板表面に設けられた磁気検出素子30と、基板表面上において磁気検出素子30から離隔した位置に配置された第1端子81および第2端子82と、基板表面上に形成されており、第1端子81と第2端子82とを電気的に接続する表面配線70と、を備える。表面配線70は、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって磁気検出素子30に対してZ方向に沿う第1方向成分を含む磁界を付与する第1配線部71と、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって磁気検出素子30に対して第1方向成分とは反対方向である第2方向成分を含む磁界を付与する第2配線部72と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面を有する基板と、
前記基板表面に設けられた磁気検出素子と、
前記基板表面上において前記磁気検出素子から離隔した位置に配置された第1端子および第2端子と、
前記基板表面上に形成されており、前記第1端子と前記第2端子とを電気的に接続する表面配線と、
を備え、
前記表面配線は、
前記第1端子から前記第2端子に電流が流れることによって前記磁気検出素子に対して前記基板の厚さ方向に沿う第1方向成分を含む磁界を付与する第1配線部と、
前記第1端子から前記第2端子に電流が流れることによって前記磁気検出素子に対して前記第1方向成分とは反対方向である第2方向成分を含む磁界を付与する第2配線部と、
を含む、磁気検出装置。
【請求項2】
前記第1配線部および前記第2配線部は、前記磁気検出素子の両側に対向配置されている
請求項1に記載の磁気検出装置。
【請求項3】
前記第1端子および前記第2端子は、前記磁気検出素子に対して第3方向の両側に分散して配置されており、
前記第1配線部および前記第2配線部は、前記基板の厚さ方向から視て、前記磁気検出素子に対して前記第3方向と直交する第4方向の両側に対向配置されている
請求項2に記載の磁気検出装置。
【請求項4】
前記基板の厚さ方向から視て、前記第1配線部と前記磁気検出素子との前記第4方向の間の距離は、前記第2配線部と前記磁気検出素子との前記第4方向の間の距離と等しい
請求項3に記載の磁気検出装置。
【請求項5】
前記第1配線部の幅寸法と前記第2配線部の幅寸法とは互いに等しい
請求項1に記載の磁気検出装置。
【請求項6】
前記表面配線は、
前記第1端子に電気的に接続された第1接続配線部と、
前記第2端子に電気的に接続された第2接続配線部と、
前記第1接続配線部から分岐して前記第1配線部に接続された第1分岐配線部と、
前記第1接続配線部から分岐して前記第2配線部に接続された第2分岐配線部と、
前記第2接続配線部から分岐して前記第1配線部に接続された第3分岐配線部と、
前記第2接続配線部から分岐して前記第2配線部に接続された第4分岐配線部と、
を含む
請求項1に記載の磁気検出装置。
【請求項7】
前記第1端子から前記表面配線に供給される電流を制御するトランジスタを備え、
前記第1端子と前記第1接続配線部とは、前記トランジスタを介して電気的に接続されている
請求項6に記載の磁気検出装置。
【請求項8】
前記基板の厚さ方向から視て、前記第1配線部、前記第2配線部、前記第1分岐配線部、前記第2分岐配線部、前記第3分岐配線部、および前記第4分岐配線部は、前記磁気検出素子の全周を囲むように形成されている
請求項6に記載の磁気検出装置。
【請求項9】
前記第1分岐配線部の幅寸法と前記第4分岐配線部の幅寸法とは互いに等しい
請求項6に記載の磁気検出装置。
【請求項10】
前記第2分岐配線部の幅寸法と前記第3分岐配線部の幅寸法とは互いに等しい
請求項6に記載の磁気検出装置。
【請求項11】
前記第1分岐配線部および前記第2分岐配線部と、前記第3分岐配線部および前記第4分岐配線部とは、前記基板の厚さ方向から視て、前記磁気検出素子に対して第3方向の両側に対向配置されており、
前記第1配線部および前記第2配線部は、前記基板の厚さ方向から視て、前記磁気検出素子に対して前記第3方向と直交する第4方向の両側に対向配置されており、
前記第1分岐配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離、前記第2分岐配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離、前記第3分岐配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離、および前記第4分岐配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離の各々は、前記第1配線部と前記磁気検出素子との前記第4方向の間の距離および前記第2配線部と前記磁気検出素子との前記第4方向の間の距離の双方よりも大きい
請求項6に記載の磁気検出装置。
【請求項12】
前記第1分岐配線部および前記第2分岐配線部と、前記第3分岐配線部および前記第4分岐配線部とは、前記基板の厚さ方向から視て、前記磁気検出素子に対して第3方向の両側に対向配置されており、
前記第1配線部および前記第2配線部は、前記基板の厚さ方向から視て、前記磁気検出素子に対して前記第3方向と直交する第4方向の両側に対向配置されており、
前記第1分岐配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離、前記第2分岐配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離、前記第3分岐配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離、および前記第4分岐配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離の各々は、前記第1配線部と前記磁気検出素子との前記第4方向の間の距離および前記第2配線部と前記磁気検出素子との前記第4方向の間の距離の双方よりも小さい
請求項6に記載の磁気検出装置。
【請求項13】
前記表面配線は、
前記第1端子から前記第2端子に電流が流れることによって前記磁気検出素子に対して前記第1方向成分または前記第2方向成分を含む磁界を付与する第3配線部と、
前記第1端子から前記第2端子に電流が流れることによって前記磁気検出素子に対して前記第3配線部が前記磁気検出素子に磁界を付与する前記第1方向成分または前記第2方向成分とは反対方向の磁界を付与する第4配線部と、
を含み、
前記第3配線部および前記第4配線部の双方は、前記基板の厚さ方向から視て、前記第1配線部および前記第2配線部の双方が延びる方向とは異なる方向に延びている
請求項1に記載の磁気検出装置。
【請求項14】
前記第3配線部は、前記第1配線部および前記第2配線部の双方の第1端部同士を接続し、
前記第4配線部は、前記第1配線部および前記第2配線部の双方の第2端部同士を接続し、
前記表面配線は、
前記第1端子に電気的に接続され、前記第1配線部の前記第1端部に接続された第1接続配線部と、
前記第2端子に電気的に接続され、前記第2配線部の前記第2端部に接続された第2接続配線部と、
を含む
請求項13に記載の磁気検出装置。
【請求項15】
前記基板の厚さ方向から視て、前記第1配線部、前記第2配線部、前記第3配線部、および前記第4配線部は、前記磁気検出素子の全周を囲むように形成されている
請求項13に記載の磁気検出装置。
【請求項16】
前記第1端子および前記第2端子は、前記磁気検出素子に対して第3方向の両側に分散して配置されており、
前記第1配線部および前記第2配線部は、前記基板の厚さ方向から視て、前記磁気検出素子に対して前記第3方向と直交する第4方向の両側に対向配置されており、
前記第3配線部および前記第4配線部は、前記基板の厚さ方向から視て、前記磁気検出素子に対して前記第3方向の両側に対向配置されている
請求項13に記載の磁気検出装置。
【請求項17】
前記第1配線部と前記磁気検出素子との前記第4方向の間の距離は、前記第2配線部と前記磁気検出素子との前記第4方向の間の距離と等しく、
前記第3配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離は、前記第4配線部と前記磁気検出素子との前記第3方向の間の距離と等しい
請求項16に記載の磁気検出装置。
【請求項18】
前記第3配線部の幅寸法および前記第4配線部の幅寸法は互いに等しい
請求項13に記載の磁気検出装置。
【請求項19】
前記基板は、半導体基板であり、
前記基板表面には、絶縁層が形成されており、
前記磁気検出素子は、前記半導体基板に設けられており、
前記表面配線は、前記絶縁層上に形成されている
請求項1~18のいずれか一項に記載の磁気検出装置。
【請求項20】
前記磁気検出素子は、半導体チップとして形成され、前記基板表面に実装されている
請求項1~18のいずれか一項に記載の磁気検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁気検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気検出装置の一例として、基板と、基板に設けられた磁気検出素子とを備えた構成が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-144037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、磁気検出装置に設けられた配線に電流が流れることに起因して磁界が発生する。この磁界の磁気検出素子に対する影響を低減することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する磁気検出装置は、基板表面を有する基板と、前記基板表面に設けられた磁気検出素子と、前記基板表面上において前記磁気検出素子から離隔した位置に配置された第1端子および第2端子と、前記基板表面上に形成されており、前記第1端子と前記第2端子とを電気的に接続する表面配線と、を備え、前記表面配線は、前記第1端子から前記第2端子に電流が流れることによって前記磁気検出素子に対して前記基板の厚さ方向に沿う第1方向成分を含む磁界を付与する第1配線部と、前記第1端子から前記第2端子に電流が流れることによって前記磁気検出素子に対して前記第1方向成分とは反対方向である第2方向成分を含む磁界を付与する第2配線部と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
上記磁気検出装置によれば、磁気検出素子に対する磁界の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の磁気検出装置の概略平面図である。
図2図2は、図1の磁気検出装置の概略回路図である。
図3図3は、図1のF3-F3線で磁気検出装置を切断した概略断面図である。
図4図4は、図1の磁気検出素子、表面配線、第1端子、および第2端子を拡大した平面図である。
図5図5は、図4のF5-F5線で磁気検出装置を切断した概略断面構造であって、第1配線部および第2配線部の磁界と磁気検出素子との関係を示す断面図である。
図6図6は、比較例の磁気検出装置の概略平面図である。
図7図7は、第2実施形態の磁気検出装置の概略平面図である。
図8図8は、図7の磁気検出素子、表面配線、第1端子、および第2端子を拡大した平面図である。
図9図9は、図8のF9-F9線で磁気検出装置を切断した概略断面図である。
図10図10は、第3実施形態の磁気検出装置の概略平面図である。
図11図11は、第4実施形態の磁気検出装置の概略平面図である。
図12図12は、図11のF12-F12線で磁気検出装置を切断した概略断面図である。
図13図13は、変更例の磁気検出装置について、磁気検出素子、表面配線、第1端子、および第2端子を拡大した平面図である。
図14図14は、変更例の磁気検出装置について、磁気検出素子、表面配線、第1端子、および第2端子を拡大した平面図である。
図15図15は、変更例の磁気検出装置について、磁気検出素子、表面配線、第1端子、および第2端子を拡大した平面図である。
図16図16は、変更例の磁気検出装置の概略平面図である。
図17図17は、変更例の磁気検出装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本開示における磁気検出装置のいくつかの実施形態について説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするため、図面に示される構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするため、断面図ではハッチング線が省略されている場合がある。添付図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0009】
以下の詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0010】
以下の説明において、「A部品の幅寸法はB部品の幅寸法と等しい」、または「A部品の幅寸法とB部品の幅寸法とは互いに等しい」との記載は、A部品の幅寸法とB部品の幅寸法との差の絶対値が例えばA部品の幅寸法の10%以内であることを意味する。また、「A部品の長さ寸法はB部品の長さ寸法と等しい」、または「A部品の長さ寸法とB部品の長さ寸法とは互いに等しい」との記載は、A部品の長さ寸法とB部品の長さ寸法との差の絶対値が例えばA部品の長さ寸法の10%以内であることを意味する。また、「距離Aは距離Bと等しい」、または「距離Aと距離Bとは互いに等しい」との記載は、距離Aと距離Bとの差の絶対値が例えば距離Aの10%以内であることを意味する。
【0011】
<第1実施形態>
[磁気検出装置の全体構成]
図1および図2を参照して、第1実施形態の磁気検出装置10の全体構成について説明する。図1は、磁気検出装置10の概略的な平面構造を示している。図2は、磁気検出装置10の概略的な回路構成を示している。
【0012】
なお、本開示において使用される「平面視」という用語は、図1に示される互いに直交するXYZ軸のZ方向に磁気検出装置10を視ることをいう。特に断りが無い場合、「平面視」とは磁気検出装置10をZ軸に沿って上方から視ることを指す。
【0013】
図1に示すように、磁気検出装置10は、基板20、磁気検出素子30、表面配線70、および第1~第3端子81~83を備える。磁気検出装置10は、例えば半導体チップとして設けられている。磁気検出装置10は、図示していないが、基板20を支持するダイパッドと、基板20の周囲に配置されたリードフレームと、基板20およびリードフレームを封止する封止樹脂と、を備えてよい。この場合、リードフレームの一部は、封止樹脂から露出している。また、基板20とリードフレームとは、ワイヤによって接続されていてよい。
【0014】
基板20は、例えばZ方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。一例では、基板20は、平面視においてX方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状である。基板20は、Z方向において互いに反対側を向く基板表面21および基板裏面22と、基板表面21と基板裏面22とを繋ぐ第1~第4基板側面23~26と、を有する。第1基板側面23および第2基板側面24は基板20のX方向の両端面を構成し、第3基板側面25および第4基板側面26は基板20のY方向の両端面を構成している。なお、平面視における基板20の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における基板20の形状は正方形であってもよい。
【0015】
磁気検出素子30は、例えば基板20のX方向の中央かつY方向の中央に位置している。磁気検出素子30は、この素子をZ方向に通過する磁界の磁束密度に応じた電圧を出力するように構成されている。磁気検出素子30の一例は、ホール素子である。平面視において、磁気検出素子30は矩形状に形成されている。一例では、平面視における磁気検出素子30の形状は正方形である。
【0016】
図示していないが、基板20には、磁気検出素子30に電気的に接続された処理回路と、処理回路と電気的に接続された外部端子である素子用端子と、が形成されている。処理回路は、磁気検出素子30が磁気検出した信号のノイズの除去等の信号処理を行う回路である。信号処理された後の信号は、出力信号として素子用端子に出力される。
【0017】
第1~第3端子81~83は、基板表面21上において磁気検出素子30から離隔した位置に配置されている。第1~第3端子81~83は、磁気検出素子30に対してX方向に離隔して配置されている。つまり、第1~第3端子81~83は、磁気検出素子30に対して基板20の長手方向に離隔して配置されている。ここで、X方向は「第3方向」に対応している。第1端子81は、磁気検出素子30に対して第3方向に離隔して配置され、第2端子82は、磁気検出素子30に対して第3方向と逆方向に離隔して配置されている。つまり、第1端子81および第2端子82は、磁気検出素子30を挟んで両側に配置されている。このため、第1端子81および第2端子82(第3端子83)は、磁気検出素子30に対して第3方向の両側に分散して配置されているといえる。
【0018】
なお、第3方向と直交する方向から視て、第3方向において、第1端子81と第2端子82との間に磁気検出素子30が配置されていれば、第1端子81および第2端子82が磁気検出素子30に対して第3方向の両側に分散して配置されているといえる。また、第3方向は、X方向に限られず、平面視においてX方向とは異なる任意の方向であってもよい。
【0019】
第1端子81は、平面視において磁気検出素子30と第1基板側面23との間に配置されている。一例では、第1端子81は、平面視において第1基板側面23と隣り合う位置に配置されている。つまり、第1端子81は、基板20のX方向(長手方向)の両端部のうち第1基板側面23に近い方の端部に配置されている。また、第1端子81は、Y方向において磁気検出素子30と揃った位置に配置されている。
【0020】
第2端子82および第3端子83は、平面視において磁気検出素子30と第2基板側面24との間に配置されている。一例では、第2端子82および第3端子83は、平面視において第2基板側面24と隣り合う位置に配置されている。つまり、第2端子82および第3端子83は、基板20のX方向の両端部のうち第2基板側面24に近い方の端部に配置されている。また、第2端子82は、Y方向において磁気検出素子30と揃った位置に配置されている。第2端子82は、Y方向において第1端子81と揃った位置に配置されている。
【0021】
第2端子82および第3端子83は、X方向において互いに同じ位置であってY方向において互いに離隔して配列されている。第3端子83は、第2端子82と第4基板側面26との間に配置されている。第3端子83は、Y方向において第4基板側面26と隣り合う位置に配置されている。このため、第3端子83は、Y方向において磁気検出素子30よりも第4基板側面26寄りの位置に配置されている。
【0022】
第1端子81は、磁気検出装置10の外部に設けられた直流電源DV(図2)から例えば数mA~数十mAの電流が供給される端子である。このため、第1端子81は、大電流印加端子と称してもよい。一例では、第1端子81には、10mA以上50mA以下の電流が供給されてよい。第2端子82は接地(GND)端子であり、第3端子83は電源端子である。第2端子82および第3端子83は、磁気検出装置10に搭載された回路素子に電源電圧VDDを供給するための端子である。回路素子は、例えば磁気検出素子30が接続された検出回路、ドライバ素子41の駆動回路等を構成する素子を含む。第1~第3端子81~83は、例えばTi(チタン)、TiN(窒化チタン)、Ta(タンタル)、TaN(窒化タンタル)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Pd(パラジウム)、およびW(タングステン)のうち1つまたは複数が適宜選択される。
【0023】
表面配線70は、基板表面21上に形成されている。表面配線70は、第1端子81と第2端子82とを電気的に接続している。表面配線70は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Pd、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。一例では、表面配線70は、Alを含む材料によって形成されている。
【0024】
一例では、磁気検出装置10は、ドライバ素子41および保護素子42を備える。
ドライバ素子41は、表面配線70に流れる電流を制御する素子である。ドライバ素子41は、トランジスタによって構成されている。トランジスタとしては、例えばMOSFETが用いられている。一例では、ドライバ素子41がオン状態において第1端子81から表面配線70に電流が流れる。このように、ドライバ素子41は「トランジスタ」に対応している。
【0025】
ドライバ素子41は、平面視において磁気検出素子30と第1基板側面23との間に配置されている。ドライバ素子41は、平面視において例えば第1基板側面23と隣り合う位置に設けられている。ドライバ素子41は、例えばY方向において基板20の略全体にわたり形成されている。第1端子81は、平面視においてドライバ素子41と重なる位置に配置されている。
【0026】
保護素子42は、例えば静電気に起因して第3端子83に電源電圧VDDよりも高い電圧が印加されたときに第3端子83に接続された回路素子を保護する素子である。保護素子42としては、例えばダイオードが用いられる。ダイオードとしての保護素子42は、そのアノードが第2端子82に電気的に接続されており、そのカソードが第3端子83に電気的に接続されている。
【0027】
保護素子42は、第2端子82および第3端子83の近傍に配置されている。保護素子42は、平面視において磁気検出素子30と第2基板側面24との間に配置されている。保護素子42は、平面視において例えば第2基板側面24と隣り合う位置に設けられている。保護素子42は、例えばY方向において基板20の略全体にわたり形成されている。第2端子82および第3端子83の双方は、平面視において保護素子42と重なる位置に配置されている。
【0028】
図2に示すように、第1端子81は、ドライバ素子41としてのMOSFETのドレインに電気的に接続されている。ドライバ素子41のゲートは、図示していない制御端子に電気的に接続されている。ドライバ素子41のソースは、表面配線70を介して第2端子82に電気的に接続されている。第2端子82は、保護素子42のアノードと電気的に接続されている。第3端子83は、保護素子42のカソードと電気的に接続されている。
【0029】
磁気検出装置10には、例えば直流電源DVが電気的に接続される。直流電源DVの正極は、例えば第1端子81に電気的に接続される。このため、直流電源DVからの電流は、第1端子81、ドライバ素子41、および表面配線70の順を経て第2端子82に流れる。
【0030】
[磁気検出装置の断面構造]
図3を参照して、磁気検出装置10の断面構造について説明する。図3は、図1のF3-F3線で磁気検出装置10を切断した概略的な断面構造を示している。図3では、図面を容易に理解するため、後述するドライバ素子41および保護素子42が形成される領域はドットを付している。
【0031】
図3に示すように、基板20は、半導体基板27と、半導体基板27上に設けられた半導体層40と、を含む。
半導体基板27は、Z方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。半導体基板27は、例えばSi(シリコン)を含む材料によって形成されている。なお、半導体基板27は、ワイドバンドギャップ半導体または化合物半導体が用いられていてもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、2.0eV以上のバンドギャップを有する半導体基板である。ワイドバンドギャップ半導体は、SiC(炭化シリコン)であってもよい。化合物半導体は、III-V族化合物半導体であってもよい。化合物半導体は、AlN(窒化アルミニウム)、InN(窒化インジウム)、GaN(窒化ガリウム)、およびGaAs(ヒ化ガリウム)のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0032】
半導体層40は、Z方向を厚さ方向となるエピタキシャル層によって形成されている。一例では、エピタキシャル層としての半導体層40はn型不純物を含む。n型不純物濃度は、例えば1×1014cm-3以上1×1016cm-3以下である。
【0033】
第1実施形態では、磁気検出素子30、ドライバ素子41、および保護素子42の各々は、基板20に設けられている。より詳細には、磁気検出素子30、ドライバ素子41、および保護素子42の各々は、半導体層40に設けられている。半導体層40の表面40Aは、基板表面21を構成している。磁気検出素子30、ドライバ素子41、および保護素子42の各々は、半導体層40の表層(半導体層40の表面40Aを含む領域)に設けられている。このため、磁気検出素子30、ドライバ素子41、および保護素子42の各々は、基板表面21に設けられているといえる。
【0034】
半導体層40上には、絶縁層50および配線層60がこの順に積層されている。つまり、磁気検出装置10は、半導体層40上に設けられた絶縁層50と、絶縁層50上に設けられた配線層60と、を備える。
【0035】
絶縁層50は、基板表面21の全体にわたり形成されている。絶縁層50は、例えばSiN(窒化シリコン)およびSiO(酸化シリコン)の少なくとも一方を含む材料によって構成されている。絶縁層50は、SiN層およびSiO層の積層構造であってもよい。
【0036】
絶縁層50のうち平面視においてドライバ素子41と重なる位置には、ドライバ素子41のソースと電気的に接続された第1コンタクト51および第2コンタクト52が設けられている。第1コンタクト51は、絶縁層50をZ方向に貫通することによってドライバ素子41と接している。第2コンタクト52は、絶縁層50をZ方向に貫通することによって保護素子42と接している。第1コンタクト51および第2コンタクト52の各々は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Pd、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。
【0037】
配線層60は、第1端子81と第2端子82との間の導電経路の一部を形成する層である。配線層60は、配線絶縁膜61および表面配線70を含む。
表面配線70は、絶縁層50の表面50A上に配置されている。一例では、平面視において表面配線70は、第1端子81と部分的に重なる位置に配置されている。また一例では、平面視において表面配線70は、第2端子82と少なくとも部分的に重なる位置に配置されている。
【0038】
配線層60が絶縁層50上に設けられているため、配線層60は、Z方向において磁気検出素子30とは異なる位置に配置されている。換言すると、表面配線70は、Z方向において磁気検出素子30とは異なる位置に配置されている。表面配線70は、Z方向において磁気検出素子30に対して半導体基板27とは反対側に配置されている。
【0039】
配線絶縁膜61は、表面配線70と、表面配線70から露出した絶縁層50の表面50Aとの双方を覆っている。配線絶縁膜61は、層間絶縁膜であり、例えばSiOを含む材料によって形成されている。
【0040】
配線層60には、第3コンタクト62および第4コンタクト63が設けられている。第3コンタクト62は、第1端子81とドライバ素子41のドレインとを電気的に接続している。第4コンタクト63は、第2端子82と表面配線70とを電気的に接続している。
【0041】
第3コンタクト62は、平面視において表面配線70とは異なる位置に配置されている。一例では、第3コンタクト62は、表面配線70と第1基板側面23とのX方向の間に設けられている。第3コンタクト62は、平面視において第1端子81と重なる位置に配置されている。第3コンタクト62は、配線絶縁膜61および絶縁層50の双方をZ方向に貫通している。これにより、第3コンタクト62は、第1端子81とドライバ素子41との双方に接している。
【0042】
第4コンタクト63は、平面視において第2端子82と表面配線70との双方と重なる位置に配置されている。第4コンタクト63は、配線絶縁膜61のうち表面配線70を覆う部分をZ方向に貫通している。これにより、第4コンタクト63は、第2端子82と表面配線70との双方に接している。
【0043】
図示していないが、配線層60には、第5コンタクトが設けられている。第5コンタクトは、第3端子83(図1参照)と保護素子42のカソードとを電気的に接続している。第5コンタクトは、平面視において保護素子42および第3端子83の双方と重なる位置に配置されている。
【0044】
第3コンタクト62、第4コンタクト63、および第5コンタクトの各々は、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Pd、およびWのうち1つまたは複数が適宜選択される。
【0045】
第1~第3端子81~83は、配線層60上に設けられている。なお、図3では、第1端子81および第2端子82を示している。第1端子81は、第3コンタクト62を介してドライバ素子41のドレインと電気的に接続されている。ドライバ素子41のソースが第1コンタクト51を介して表面配線70と電気的に接続されているため、第1端子81は、ドライバ素子41を介して表面配線70と電気的に接続されているといえる。
【0046】
[表面配線の構成および磁気検出素子と表面配線との関係]
図4を参照して、表面配線70の構成および磁気検出素子30と表面配線70との関係について説明する。
【0047】
表面配線70は、第1配線部71、第2配線部72、第1接続配線部73、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第2接続配線部76、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78を含む。一例では、これら配線部71~78は一体に形成されている。なお、図4では、便宜上、これら配線部71~78を破線によって区画している。また、図3の絶縁層50の表面50Aに表面配線70が設けられているため、第1配線部71、第2配線部72、第1接続配線部73、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第2接続配線部76、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78は、Z方向において互いに同じ位置に配置されている。
【0048】
第1配線部71および第2配線部72は、磁気検出素子30の両側に対向配置されている。一例では、第1配線部71および第2配線部72は、平面視において磁気検出素子30のY方向の両側に対向配置されている。ここで、Y方向は「第4方向」に対応している。第1配線部71および第2配線部72の双方は、Z方向において磁気検出素子30に対して半導体基板27(図3参照)とは反対側に配置されている。
【0049】
第1配線部71および第2配線部72の双方は、X方向に延びている。このため、平面視において、第1配線部71および第2配線部72は互いに平行であるといえる。一例では、第1配線部71の長さ寸法L1および第2配線部72の長さ寸法L2の双方は、磁気検出素子30のX方向の寸法よりも大きい。第1配線部71の長さ寸法L1と第2配線部72の長さ寸法L2とは互いに等しくてよい。
【0050】
ここで、第1配線部71の長さ寸法L1は、平面視において第1配線部71が延びる方向の寸法である。一例では、第1配線部71の長さ寸法L1は、第1配線部71のX方向の寸法である。第2配線部72の長さ寸法L2は、平面視において第2配線部72が延びる方向の寸法である。一例では、第2配線部72の長さ寸法L2は、第2配線部72のX方向の寸法である。
【0051】
第1配線部71の幅寸法W1と第2配線部72の幅寸法W2とは互いに等しくてよい。
ここで、第1配線部71の幅寸法W1は、平面視において第1配線部71が延びる方向と直交する方向の寸法である。一例では、第1配線部71の幅寸法W1は、第1配線部71のY方向の寸法である。第2配線部72の幅寸法W2は、平面視において第2配線部72が延びる方向と直交する方向の寸法である。一例では、第2配線部72の幅寸法W2は、第2配線部72のY方向の寸法である。
【0052】
第1接続配線部73は、X方向に延びている。第1接続配線部73は、X方向において磁気検出素子30よりも第1端子81寄りに配置されている。平面視において、第1接続配線部73のY方向の位置は、第1端子81のY方向の位置と同じである。第1接続配線部73は、表面配線70のうち第1端子81に最も近い部分である。
【0053】
第1接続配線部73は、第1端子81と電気的に接続されている。より詳細には、第1端子81と第1接続配線部73とは、トランジスタであるドライバ素子41(図3参照)を介して電気的に接続されている。第1接続配線部73は、ドライバ素子41のソースと電気的に接続されている。具体的には、ドライバ素子41のソースに接続された第1コンタクト51(図3参照)に第1接続配線部73が接続されている。
【0054】
第1接続配線部73の幅寸法W3は、第1配線部71の幅寸法W1と等しくてよい。ここで、第1接続配線部73の幅寸法W3は、平面視において第1接続配線部73が延びる方向と直交する方向の寸法である。一例では、第1接続配線部73の幅寸法W3は、第1接続配線部73のY方向の寸法である。また、第1接続配線部73の幅寸法W3は、第2配線部72の幅寸法W2と等しくてよい。
【0055】
第1分岐配線部74は、第1接続配線部73から分岐して第1配線部71に接続されている。第1分岐配線部74は、X方向において磁気検出素子30よりも第1端子81寄りに配置されている。第1分岐配線部74は、Y方向に延びている。
【0056】
第1分岐配線部74の幅寸法W4は、第1配線部71の幅寸法W1と等しくてよい。ここで、第1分岐配線部74の幅寸法W4は、平面視において第1分岐配線部74が延びる方向と直交する方向の寸法である。一例では、第1分岐配線部74の幅寸法W4は、第1分岐配線部74のX方向の寸法である。また、第1分岐配線部74の幅寸法W4は、第2配線部72の幅寸法W2と等しくてよい。
【0057】
第2分岐配線部75は、第1接続配線部73から分岐して第2配線部72に接続されている。第2分岐配線部75は、X方向において磁気検出素子30よりも第1端子81寄りに配置されている。第2分岐配線部75のX方向の位置は、第1分岐配線部74のX方向の位置と同じである。第2分岐配線部75は、Y方向において第1接続配線部73に対して第1分岐配線部74とは反対側に配置されている。第2分岐配線部75は、Y方向に延びている。
【0058】
第2分岐配線部75の幅寸法W5は、第1分岐配線部74の幅寸法W4と等しくてよい。ここで、第2分岐配線部75の幅寸法W5は、平面視において第2分岐配線部75が延びる方向と直交する方向の寸法である。
【0059】
第2分岐配線部75の長さ寸法L5は、第1分岐配線部74の長さ寸法L4と等しくてよい。ここで、第2分岐配線部75の長さ寸法L5は、第2分岐配線部75が延びる方向の寸法である。一例では、第2分岐配線部75の長さ寸法L5は、第2分岐配線部75のY方向の寸法である。第1分岐配線部74の長さ寸法L4は、第1分岐配線部74が延びる方向の寸法である。一例では、第1分岐配線部74の長さ寸法L4は、第1分岐配線部74のY方向の寸法である。
【0060】
第2接続配線部76は、X方向に延びている。第2接続配線部76は、X方向において第1配線部71および第2配線部72の双方よりも第2端子82寄りに配置されている。平面視において、第2接続配線部76のY方向の位置は、第2端子82のY方向の位置と同じである。第2接続配線部76は、表面配線70のうち第2端子82に最も近い部分である。
【0061】
第2接続配線部76は、第2端子82と電気的に接続されている。より詳細には、第2端子82と第2接続配線部76とは、第4コンタクト63(図3参照)を介して電気的に接続されている。
【0062】
第2接続配線部76の幅寸法W6は、第1配線部71の幅寸法W1と等しくてよい。ここで、第2接続配線部76の幅寸法W6は、平面視において第2接続配線部76が延びる方向と直交する方向の寸法である。一例では、第2接続配線部76の幅寸法W6は、第2接続配線部76のY方向の寸法である。また、第2接続配線部76の幅寸法W6は、第2配線部72の幅寸法W2と等しくてよい。また、第2接続配線部76の幅寸法W6は、第1接続配線部73の幅寸法W3と等しくてよい。
【0063】
第3分岐配線部77は、第2接続配線部76から分岐して第1配線部71に接続されている。第3分岐配線部77は、X方向において磁気検出素子30よりも第2端子82寄りに配置されている。第3分岐配線部77のY方向の位置は、第1分岐配線部74のY方向の位置と等しい。このため、第3分岐配線部77および第1分岐配線部74は、X方向において磁気検出素子30の両側に対向配置されている。第3分岐配線部77は、Y方向に延びている。また、第3分岐配線部77および第2分岐配線部75は、X方向において磁気検出素子30の両側に配置されている。
【0064】
第3分岐配線部77の幅寸法W7は、第1配線部71の幅寸法W1と等しくてよい。ここで、第3分岐配線部77の幅寸法W7は、平面視において第3分岐配線部77が延びる方向と直交する方向の寸法である。一例では、第3分岐配線部77の幅寸法W7は、第3分岐配線部77のX方向の寸法である。第3分岐配線部77の幅寸法W7は、第1分岐配線部74の幅寸法W4と等しくてよい。
【0065】
第3分岐配線部77の幅寸法W7と第2分岐配線部75の幅寸法W5とは互いに等しくてよい。また、第3分岐配線部77の幅寸法W7と第1分岐配線部74の幅寸法W4とは互いに等しくてよい。
【0066】
第3分岐配線部77の長さ寸法L7と第2分岐配線部75の長さ寸法L5とは互いに等しくてよい。ここで、第3分岐配線部77の長さ寸法L7は、平面視において第3分岐配線部77が延びる方向の寸法である。一例では、第3分岐配線部77の長さ寸法L7は、第3分岐配線部77のY方向の寸法である。また、第3分岐配線部77の長さ寸法L7は、第1分岐配線部74の長さ寸法L4と等しくてよい。
【0067】
第4分岐配線部78は、第2接続配線部76から分岐して第2配線部72に接続されている。第4分岐配線部78は、X方向において磁気検出素子30よりも第2端子82寄りに配置されている。第4分岐配線部78のX方向の位置は、第3分岐配線部77のX方向の位置と同じである。第4分岐配線部78は、Y方向において第2接続配線部76に対して第3分岐配線部77とは反対側に配置されている。このため、第4分岐配線部78および第2分岐配線部75は、X方向において磁気検出素子30の両側に対向配置されている。第4分岐配線部78は、Y方向に延びている。また、第4分岐配線部78および第1分岐配線部74は、X方向において磁気検出素子30の両側に配置されている。
【0068】
第4分岐配線部78の幅寸法W8は、第1分岐配線部74の幅寸法W4と等しくてよい。ここで、第4分岐配線部78の幅寸法W8は、平面視において第4分岐配線部78が延びる方向と直交する方向の寸法である。
【0069】
第4分岐配線部78の長さ寸法L8は、第1分岐配線部74の長さ寸法L4と等しくてよい。ここで、第4分岐配線部78の長さ寸法L8は、第4分岐配線部78が延びる方向の寸法である。一例では、第4分岐配線部78の長さ寸法L8は、第4分岐配線部78のY方向の寸法である。
【0070】
なお、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78の各々は、Z方向において磁気検出素子30に対して半導体基板27とは反対側に配置されている。
【0071】
第1配線部71、第2配線部72、第1接続配線部73、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第2接続配線部76、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78の各々の厚さは互いに等しくてよい。
【0072】
このため、第1配線部71をYZ平面で切断した断面の面積である第1面積は、第2配線部72をYZ平面で切断した断面の面積である第2面積と等しくてよい。ここで、第1面積と第2面積との差が例えば第1面積の10%以内であれば、第1面積が第2面積と等しいといえる。
【0073】
また、第1接続配線部73をYZ平面で切断した断面の面積である第3面積は、第1面積(第2面積)と等しくてよい。ここで、第3面積と第1面積(第2面積)との差が例えば第3面積の10%以内であれば、第3面積が第1面積(第2面積)と等しいといえる。
【0074】
また、第2接続配線部76をYZ平面で切断した断面の面積である第6面積は、第3面積と等しくてよい。ここで、第6面積と第3面積との差が例えば第6面積の10%以内であれば、第6面積が第3面積と等しいといえる。
【0075】
また、第1分岐配線部74をXZ平面で切断した断面の面積である第4面積は、第4分岐配線部78をXZ平面で切断した断面の面積である第8面積と等しくてよい。ここで、第4面積と第8面積との差が例えば第4面積の10%以内であれば、第4面積が第8面積と等しいといえる。
【0076】
また、第2分岐配線部75をXZ平面で切断した断面の面積である第5面積は、第3分岐配線部77をXZ平面で切断した断面の面積である第7面積と等しくてよい。ここで、第5面積と第7面積との差が例えば第5面積の10%以内であれば、第5面積が第7面積と等しいといえる。
【0077】
第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第1分岐配線部74、第1配線部71、および第4分岐配線部78の順に流れる電流量と、第2分岐配線部75、第2配線部72、および第3分岐配線部77の順に流れる電流量とが互いに同じになるように、表面配線70の各配線部71,72,74,75,77,78の幅寸法、長さ寸法、および厚さが設定されている。一例では、上述したとおり、第1分岐配線部74の幅寸法W4および長さ寸法L4と第2分岐配線部75の幅寸法W5および長さ寸法L5とが互いに等しく、第1配線部71の幅寸法W1および長さ寸法L1と第2配線部72の幅寸法W2および長さ寸法L2とが互いに等しく、第3分岐配線部77の幅寸法W7および長さ寸法L7と第4分岐配線部78の幅寸法W8および長さ寸法L8とが互いに等しい。そして、表面配線70の厚さが一定である。これにより、第1分岐配線部74、第1配線部71、および第4分岐配線部78における抵抗値と、第2分岐配線部75、第2配線部72、および第3分岐配線部77における抵抗値とが等しくなるため、第1分岐配線部74、第1配線部71、および第4分岐配線部78の順に流れる電流量と、第2分岐配線部75、第2配線部72、および第3分岐配線部77の順に流れる電流量とが互いに同じになる。
【0078】
一例では、各配線部71,72,74,75,77,78の幅寸法は、数十μm(例えば30μm)である。なお、各配線部71,72,74,75,77,78の幅寸法は、例えば第1端子81から第2端子82に流れる電流量に応じて設定される。
【0079】
なお、第1分岐配線部74、第1配線部71、および第4分岐配線部78の順に流れる電流量と、第2分岐配線部75、第2配線部72、および第3分岐配線部77の順に流れる電流量とが互いに同じにできれば、表面配線70の各配線部71,72,74,75,77,78の幅寸法、長さ寸法、および厚さの各々は適宜変更可能である。
【0080】
図4に示すとおり、平面視において、第1配線部71、第2配線部72、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78は、磁気検出素子30の全周を囲むように形成されている。平面視において、第1配線部71、第2配線部72、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78は、矩形枠状を構成している。
【0081】
第1配線部71、第2配線部72、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78は、平面視において、磁気検出素子30と隣り合うように設けられている。より詳細には、平面視で正方形状の磁気検出素子30は、第1~第4辺31~34を含む。第1辺31および第2辺32は、磁気検出素子30のY方向の両端面を構成している。第3辺33および第4辺34は、磁気検出素子30のX方向の両端面を構成している。第1辺31は平面視において第1配線部71とY方向に隣り合う位置に設けられ、第2辺32は平面視において第2配線部72とY方向に隣り合う位置に設けられている。第3辺33は平面視において第1分岐配線部74および第2分岐配線部75とX方向に隣り合う位置に設けられ、第4辺34は平面視において第3分岐配線部77および第4分岐配線部78とX方向に隣り合う位置に設けられている。
【0082】
第1辺31および第2辺32は、平面視においてY方向に延びている。第3辺33および第4辺34は、平面視においてX方向に延びている。つまり、平面視において第1配線部71と隣り合う第1辺31は、第1配線部71と平行となる。平面視において第2配線部72と隣り合う第2辺32は、第2配線部72と平行となる。平面視において第1分岐配線部74および第2分岐配線部75と隣り合う第3辺33は、第1分岐配線部74および第2分岐配線部75と平行となる。平面視において第3分岐配線部77および第4分岐配線部78と隣り合う第4辺34は、第3分岐配線部77および第4分岐配線部78と平行となる。
【0083】
第1実施形態では、第1配線部71と磁気検出素子30とのY方向の間の距離D1は、第2配線部72と磁気検出素子30とのY方向の間の距離D2と等しくてよい。
また、第1分岐配線部74と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D4は、第4分岐配線部78と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D8と等しくてよい。
【0084】
また、第2分岐配線部75と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D5は、第3分岐配線部77と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D7と等しくてよい。
また、距離D4は、距離D5と等しくてよい。距離D7は、距離D8と等しくてよい。距離D1は、距離D4と等しくてよい。距離D1は、距離D7と等しくてよい。距離D2は、距離D8と等しくてよい。距離D2は、距離D5と等しくてよい。図4に示す例では、距離D1,D2,D4,D5,D7,D8は、互いに等しい。
【0085】
[作用]
図5および図6を参照して、第1実施形態の磁気検出装置10の作用について説明する。図6は、比較例の磁気検出装置10Xの平面構造を示している。比較例の磁気検出装置10Xは、表面配線70Xの構成が異なる。このため、比較例の磁気検出装置10Xでは、表面配線70X以外の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
図6に示すように、比較例の磁気検出装置10Xでは、表面配線70Xが磁気検出素子30に対してY方向に離隔するように配置されている。より詳細には、表面配線70Xは、基板20の第3基板側面25とY方向に隣り合う位置に配置されている。これにより、第1端子81から第2端子82に向けて表面配線70Xを介して電流が供給されるとき、表面配線70Xが発生する磁界の磁気検出素子30への影響を低減している。
【0087】
しかし、比較例の磁気検出装置10Xは半導体チップであるため、表面配線70Xと磁気検出素子30とのY方向の間の距離を大きくとることには限界がある。これにより、表面配線70Xが発生する磁界の磁気検出素子30への影響を十分に低減することは困難である。
【0088】
この点、図5に示すように、第1実施形態の磁気検出装置10においては、第1配線部71および第2配線部72は、磁気検出素子30のY方向の両側に配置され、かつ第1端子81から第2端子82に電流が流れる場合に第1配線部71および第2配線部72に同じ方向に電流が流れる。これにより、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって第1配線部71には、第1磁気方向M1の第1磁界E1が発生する。そして、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって第2配線部72には、第1磁気方向M1と同じ方向の第2磁気方向M2の第2磁界E2が発生する。第1配線部71および第2配線部72は、磁気検出素子30のY方向の両側に配置されるため、第1磁界E1および第2磁界E2は、磁気検出素子30において第1磁気方向M1および第2磁気方向M2が互いに交差する方向となる。
【0089】
そして、第1磁界E1のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う第1方向成分MZ1は、第2磁界E2のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う第2方向成分MZ2と反対方向になる。つまり、第1方向成分MZ1と第2方向成分MZ2とが互いに弱め合うことによって、第1磁界E1および第2磁界E2の磁気検出素子30への影響を低減することができる。
【0090】
ここで、磁気検出素子30はZ方向の磁気を検出するように構成されているため、第1方向成分MZ1および第2方向成分MZ2が互いに弱め合うことによって、磁気検出素子30の磁気検出方向における第1磁界E1および第2磁界E2による影響を低減することができる。
【0091】
また、第1分岐配線部74および第4分岐配線部78は、磁気検出素子30のX方向の両側に配置され、かつ第1端子81から第2端子82に電流が流れる場合、第1分岐配線部74および第4分岐配線部78に同じ方向に電流が流れる。このため、第1分岐配線部74が発生する磁界の向き(磁気方向)と第4分岐配線部78が発生する磁界の向き(磁気方向)とが磁気検出素子30において互いに交差する方向となる。これにより、第1分岐配線部74の磁界のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う成分は、第4分岐配線部78の磁界のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う成分と反対方向になる。つまり、これら成分は互いに弱め合うことによって、第1分岐配線部74の磁界および第4分岐配線部78の磁界の磁気検出素子30への影響を低減することができる。
【0092】
また、第2分岐配線部75および第3分岐配線部77は、磁気検出素子30のX方向の両側に配置され、かつ第1端子81から第2端子82に電流が流れる場合、第2分岐配線部75および第3分岐配線部77に同じ方向に電流が流れる。このため、第2分岐配線部75が発生する磁界の向き(磁気方向)と第3分岐配線部77が発生する磁界の向き(磁気方向)とが磁気検出素子30において互いに交差する方向となる。これにより、第2分岐配線部75の磁界のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う成分は、第3分岐配線部77の磁界のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う成分と反対方向になる。つまり、これら成分は互いに弱め合うことによって、第2分岐配線部75の磁界および第3分岐配線部77の磁界の磁気検出素子30への影響を低減することができる。
【0093】
[効果]
第1実施形態の磁気検出装置10によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)磁気検出装置10は、基板表面21を有する基板20と、基板表面21に設けられた磁気検出素子30と、基板表面21上において磁気検出素子30から離隔した位置に配置された第1端子81および第2端子82と、基板表面21上に形成されており、第1端子81と第2端子82とを電気的に接続する表面配線70と、を備える。表面配線70は、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって磁気検出素子30に対してZ方向に沿う第1方向成分MZ1を含む磁界を付与する第1配線部71と、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって磁気検出素子30に対して第1方向成分MZ1とは反対方向である第2方向成分MZ2を含む磁界を付与する第2配線部72と、を含む。
【0094】
この構成によれば、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第1配線部71に発生する磁界の第1方向成分MZ1と、第2配線部72に発生する磁界の第2方向成分MZ2とが磁気検出素子30において互いに反対方向になることによって、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響を低減できる。したがって、磁気検出素子30の検出精度の低下を抑制できる。
【0095】
(1-2)第1配線部71および第2配線部72は、磁気検出素子30の両側に対向配置されている。
この構成によれば、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第1配線部71および第2配線部72の電流が流れる方向が同じになる。そして、第1配線部71および第2配線部72が磁気検出素子30の両側に対向配置されるため、第1配線部71に発生する磁界の第1方向成分MZ1と、第2配線部72に発生する磁界の第2方向成分MZ2とが磁気検出素子30において互いに反対方向になる。したがって、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響を低減できる。
【0096】
(1-3)平面視において、第1配線部71と磁気検出素子30とのY方向の間の距離D1は、第2配線部72と磁気検出素子30とのY方向の間の距離D2と等しい。
この構成によれば、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第1配線部71に発生する磁界の第1方向成分MZ1の大きさと、第2配線部72に発生する磁界の第2方向成分MZ2の大きさとが互いに近づく。これにより、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0097】
(1-4)第1配線部71の幅寸法W1と第2配線部72の幅寸法W2とは互いに等しい。
この構成によれば、第1配線部71および第2配線部72における電気抵抗を互いに近づけることができるため、第1配線部71に流れる電流の大きさおよび第2配線部72に流れる電流の大きさを互いに近づけることができる。これにより、第1配線部71に発生する磁界の第1方向成分MZ1の大きさと、第2配線部72に発生する磁界の第2方向成分MZ2の大きさとが互いに近づく。したがって、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0098】
(1-5)表面配線70は、第1端子81に電気的に接続された第1接続配線部73と、第2端子82に電気的に接続された第2接続配線部76と、第1接続配線部73から分岐して第1配線部71に接続された第1分岐配線部74と、第1接続配線部73から分岐して第2配線部72に接続された第2分岐配線部75と、第2接続配線部76から分岐して第1配線部71に接続された第3分岐配線部77と、第2接続配線部76から分岐して第2配線部72に接続された第4分岐配線部78と、を含む。平面視において、第1配線部71、第2配線部72、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78は、磁気検出素子30の全周を囲むように形成されている。
【0099】
この構成によれば、平面視において第1分岐配線部74に流れる電流の方向と第4分岐配線部78に流れる電流の方向とが互いに等しく、かつ第1分岐配線部74および第4分岐配線部78は磁気検出素子30の両側に配置されている。このため、第1分岐配線部74に発生する磁界のうちのZ方向成分と、第4分岐配線部78に発生する磁界のうちのZ方向成分とが磁気検出素子30において互いに反対方向になる。
【0100】
また、平面視において第2分岐配線部75に流れる電流の方向と第3分岐配線部77に流れる電流の方向とが互いに等しく、かつ第2分岐配線部75および第3分岐配線部77は磁気検出素子30の両側に配置されている。このため、第2分岐配線部75に発生する磁界のうちのZ方向成分と、第3分岐配線部77に発生する磁界のうちのZ方向成分とが磁気検出素子30において互いに反対方向となる。したがって、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響を低減できる。
【0101】
(1-6)第1分岐配線部74の幅寸法W4と第4分岐配線部78の幅寸法W8とは互いに等しい。
この構成によれば、第1分岐配線部74および第4分岐配線部78における電気抵抗を互いに近づけることができるため、第1分岐配線部74に流れる電流の大きさおよび第4分岐配線部78に流れる電流の大きさを互いに近づけることができる。これにより、第1分岐配線部74に発生する磁界のZ方向成分の大きさと、第4分岐配線部78に発生する磁界のZ方向成分の大きさとが互いに近づく。したがって、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0102】
(1-7)第2分岐配線部75の幅寸法W5と第3分岐配線部77の幅寸法W7とは互いに等しい。
この構成によれば、第2分岐配線部75および第3分岐配線部77における電気抵抗を互いに近づけることができるため、第2分岐配線部75に流れる電流の大きさおよび第3分岐配線部77に流れる電流の大きさを互いに近づけることができる。これにより、第2分岐配線部75に発生する磁界のZ方向成分の大きさと、第3分岐配線部77に発生する磁界のZ方向成分の大きさとが互いに近づく。したがって、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0103】
(1-8)第1分岐配線部74と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D4と、第4分岐配線部78と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D8とは互いに等しい。
この構成によれば、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第1分岐配線部74に発生する磁界のZ方向成分の大きさと、第4分岐配線部78に発生する磁界のZ方向成分の大きさとが互いに近づく。これにより、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0104】
(1-9)第2分岐配線部75と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D5と第3分岐配線部77と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D7とは互いに等しい。
この構成によれば、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第2分岐配線部75に発生する磁界のZ方向成分の大きさと、第3分岐配線部77に発生する磁界のZ方向成分の大きさとが互いに近づく。これにより、表面配線70に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0105】
(1-10)第1配線部71、第2配線部72、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78は、平面視において、磁気検出素子30と隣り合うように設けられている。
【0106】
この構成によれば、平面視において第1配線部71、第2配線部72、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78によって形成された矩形状の面積が小さくなる。これにより、平面視において基板20における第1配線部71、第2配線部72、第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78によって形成された矩形状以外のスペースを大きくとることができる。したがって、表面配線70以外の配線パターンの設計の自由度の向上を図ることができる。
【0107】
<第2実施形態>
図7図9を参照して、第2実施形態の磁気検出装置10について説明する。第2実施形態の磁気検出装置10では、第1実施形態の磁気検出装置10と比較して、表面配線90の構成と、第1端子81および第2端子82の位置関係とが異なる。以下の説明では、第1実施形態と共通する構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0108】
図7は、第2実施形態の磁気検出装置10の平面構造を示している。図8は、図7の磁気検出素子30、表面配線90、第1端子81、および第2端子82を抜き出した図である。図9は、図8のF9-F9線で磁気検出装置10を切断した断面図であり、後述する第3配線部93および第4配線部94と磁気検出素子30との磁界の関係を示している。
【0109】
図7に示すように、第2実施形態の第1端子81および第2端子82は、第1実施形態と同様に、磁気検出素子30に対してX方向の両側に分散して配置されている。ここで、X方向は「第3方向」に対応している。
【0110】
第2実施形態の第1端子81および第2端子82は、第1実施形態と比較して、Y方向の位置が異なるように配置されている。第1端子81のY方向の位置および第2端子82のY方向の位置は互いに異なる。より詳細には、第1端子81は、Y方向において磁気検出素子30に対して第4基板側面26寄りに配置されている。第2端子82は、Y方向において磁気検出素子30に対して第3基板側面25寄りに配置されている。
【0111】
図8に示すように、表面配線90は、第1配線部91、第2配線部92、第3配線部93、第4配線部94、第1接続配線部95、および第2接続配線部96を含む。一例では、これら配線部91~96は一体に形成されている。なお、表面配線90は、第1実施形態の表面配線70と同じ材料によって形成されている。また、図8では、便宜上、これら配線部91~96を破線によって区画している。
【0112】
第1配線部91および第2配線部92の磁気検出素子30に対する位置関係は、第1実施形態の第1配線部71および第2配線部72と同じである。つまり、第1配線部91および第2配線部92は、平面視において、磁気検出素子30に対してY方向の両側に対向配置されている。ここで、Y方向は「第4方向」に対応している。
【0113】
また、第1配線部91および第2配線部92の幅寸法WA1,WA2および長さ寸法LA1,LA2の関係は、第1実施形態の第1配線部71のおよび第2配線部72の各々の幅寸法W1,W2および長さ寸法L1,L2(ともに図4参照)と同じである。なお、図8に示す表面配線90の区分の仕方では、第1配線部91の長さ寸法LA1は、第1配線部71の長さ寸法L1よりも大きい。第2配線部92の長さ寸法LA2は、第2配線部72の長さ寸法L2よりも大きい。
【0114】
第1配線部91は、X方向の両端部として第1端部91Aおよび第2端部91Bを含む。第1配線部91の第1端部91Aは、第1配線部91のX方向の両端部のうち第1端子81に近い方の端部である。第1配線部91の第2端部91Bは、第1配線部91のX方向の両端部のうち第1端子81から遠い方の端部である。
【0115】
第2配線部92は、X方向の両端部として第1端部92Aおよび第2端部92Bを含む。第2配線部92の第1端部92Aは、第2配線部92のX方向の両端部のうち第1端子81に近い方の端部である。第2配線部92の第2端部92Bは、第2配線部92のX方向の両端部のうち第1端子81から遠い方の端部である。第2配線部92の第1端部92AのX方向の位置は、第1配線部91の第1端部91AのX方向の位置と同じである。第2配線部92の第2端部92BのX方向の位置は、第1配線部91の第2端部91BのX方向の位置と同じである。
【0116】
第3配線部93および第4配線部94は、平面視において第1配線部91および第2配線部92の双方が延びる方向(X方向)とは異なる方向に延びている。第2実施形態では、第3配線部93および第4配線部94の双方は、平面視において第1配線部91および第2配線部92の双方が延びる方向と直交する方向(Y方向)に延びている。このように、第3配線部93および第4配線部94は、互いに平行である。
【0117】
第3配線部93は、X方向において磁気検出素子30に対して第1端子81寄りに配置されている。第4配線部94は、X方向において磁気検出素子30に対して第2端子82寄りに配置されている。このように、第3配線部93および第4配線部94は、X方向において磁気検出素子30の両側に対向配置されている。
【0118】
第3配線部93は、第1配線部91および第2配線部92の第1端部91A,92A同士を接続している。第4配線部94は、第1配線部91および第2配線部92の第2端部91B,92B同士を接続している。図7に示すとおり、平面視において、第1配線部91、第2配線部92、第3配線部93、および第4配線部94は、磁気検出素子30を囲むように形成されている。
【0119】
第3配線部93の幅寸法WA3は、第1配線部91の幅寸法WA1と等しくてよい。第3配線部93の幅寸法WA3は、第2配線部92の幅寸法WA2と等しくてよい。第4配線部94の幅寸法WA4は、第1配線部91の幅寸法WA1と等しくてよい。第4配線部94の幅寸法WA4は、第2配線部92の幅寸法WA2と等しくてよい。このため、第3配線部93の幅寸法WA3および第4配線部94の幅寸法WA4は互いに等しくてよい。また、第3配線部93の長さ寸法LA3および第4配線部94の長さ寸法LA4は互いに等しくてよい。
【0120】
第1接続配線部95は、第1端子81に電気的に接続されている。第1接続配線部95と第1端子81との電気的な接続構造は、例えば第1実施形態の第1接続配線部73と第1端子81との電気的な接続構造と同じである。
【0121】
第1接続配線部95は、第1配線部91の第1端部91Aに接続されている。このように、第1配線部91の第1端部91Aには、第1接続配線部95および第3配線部93が接続されている。第1接続配線部95は、第1配線部91の第1端部91AからX方向に延びている。
【0122】
第1接続配線部95の幅寸法WA5は、第1配線部91の幅寸法WA1と等しくてよい。第1接続配線部95の幅寸法WA5は、第2配線部92の幅寸法WA2と等しくてよい。第1接続配線部95の幅寸法WA5は、第3配線部93の幅寸法WA3と等しくてよい。
【0123】
第2接続配線部96は、第2端子82に電気的に接続されている。第2接続配線部96と第2端子82との電気的な接続構造は、例えば第1実施形態の第2接続配線部76と第2端子82との電気的な接続構造と同じである。
【0124】
第2接続配線部96は、第2配線部92の第2端部92Bに接続されている。このように、第2配線部92の第2端部92Bには、第2接続配線部96および第4配線部94が接続されている。第2接続配線部96は、第2配線部92の第2端部92BからX方向に延びている。
【0125】
第2接続配線部96の幅寸法WA6は、第1配線部91の幅寸法WA1と等しくてよい。第2接続配線部96の幅寸法WA6は、第2配線部92の幅寸法WA2と等しくてよい。第2接続配線部96の幅寸法WA6は、第4配線部94の幅寸法WA4と等しくてよい。第2接続配線部96の幅寸法WA6は、第1接続配線部95の幅寸法WA5と等しくてよい。
【0126】
第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第1配線部91および第4配線部94の順に流れる電流量と、第3配線部93および第2配線部92の順に流れる電流量とが互いに同じになるように、表面配線90の第1~第4配線部91~94の幅寸法、長さ寸法、および厚さが設定されている。一例では、上述したとおり、第1配線部91の幅寸法WA1および長さ寸法LA1と第2配線部92の幅寸法WA2および長さ寸法LA2とが互いに等しく、第3配線部93の幅寸法WA3および長さ寸法LA3と第4配線部94の幅寸法WA4および長さ寸法LA4とが互いに等しい。そして、表面配線90の厚さが一定である。これにより、第1配線部91および第4配線部94における抵抗値と、第3配線部93および第2配線部92における抵抗値とが等しくなるため、第1配線部91および第4配線部94の順に流れる電流量と、第3配線部93および第2配線部92の順に流れる電流量とが互いに同じになる。
【0127】
一例では、各配線部91~94の幅寸法は、数十μm(例えば30μm)である。なお、各配線部91~94の幅寸法は、例えば第1端子81から第2端子82に流れる電流量に応じて設定される。
【0128】
なお、第1配線部91および第4配線部94の順に流れる電流量と、第3配線部93および第2配線部92の順に流れる電流量とが互いに同じにできれば、表面配線90の第1~第4配線部91~94の幅寸法、長さ寸法、および厚さの各々は適宜変更可能である。
【0129】
磁気検出素子30と表面配線90との位置関係は、次のとおりである。
磁気検出素子30と第1配線部91とのY方向の間の距離DA1は、磁気検出素子30と第2配線部92とのY方向の間の距離DA2と等しくてよい。
【0130】
磁気検出素子30と第3配線部93とのX方向の間の距離DA3は、磁気検出素子30と第4配線部94とのX方向の間の距離DA4と等しくてよい。
距離DA1は距離DA3と等しくてよい。一例では、距離DA1は距離DA4と等しくてよい。
【0131】
距離DA2は距離DA3と等しくてよい。距離DA2は距離DA4と等しくてよい。図8の例では、距離DA1~DA4は、互いに等しい。
次に、磁気検出素子30に対する表面配線90の磁界の関係について説明する。
【0132】
図示していないが、第1実施形態と同様に、第1配線部91および第2配線部92は、磁気検出素子30のY方向の両側に配置され、かつ第1端子81から第2端子82に電流が流れる場合に第1配線部91および第2配線部92に同じ方向に電流が流れる。このため、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって第1配線部91には、第1磁気方向M1の磁界が発生する。そして、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって第2配線部92には、第1磁気方向M1と同じ方向の第2磁気方向M2の磁界が発生する。第1配線部91および第2配線部92は、磁気検出素子30のY方向の両側に配置されるため、第1配線部91の磁界および第2配線部92の磁界は、磁気検出素子30において第1磁気方向M1および第2磁気方向M2が互いに交差する方向となる。
【0133】
これにより、第1配線部91の磁界のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う第1方向成分MZ1は、第2配線部92の磁界のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う第2方向成分MZ2と反対方向になる。つまり、第1方向成分MZ1と第2方向成分MZ2とが互いに弱め合うことによって、第1配線部91の磁界および第2配線部92の磁界の磁気検出素子30への影響を低減することができる。
【0134】
図9に示すように、第3配線部93および第4配線部94は、磁気検出素子30のX方向の両側に配置され、かつ第1端子81から第2端子82に電流が流れる場合に第3配線部93および第4配線部94に同じ方向に電流が流れる。このため、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって第3配線部93には、第3磁気方向M3の第3磁界E3が発生する。そして、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって第4配線部94には、第3磁気方向M3と同じ方向の第4磁気方向M4の第4磁界E4が発生する。第3配線部93および第4配線部94は、磁気検出素子30のX方向の両側に配置されるため、第3磁界E3および第4磁界E4は、磁気検出素子30において第3磁気方向M3および第4磁気方向M4が互いに交差する方向となる。
【0135】
これにより、第3磁界E3のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う成分は、図9の上向きとなるので第2方向成分MZ2となる。一方、第4磁界E4のうち磁気検出素子30を通過する磁界におけるZ方向に沿う成分は、図9の下向きとなるので第1方向成分MZ1となる。つまり、互いに反対方向となる第1方向成分MZ1と第2方向成分MZ2とが互いに弱め合うことによって、第3磁界E3および第4磁界E4の磁気検出素子30への影響を低減することができる。
【0136】
[効果]
第2実施形態の磁気検出装置10によれば、以下の効果が得られる。
(2-1)表面配線90は、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって磁気検出素子30に対してZ方向に沿う第1方向成分MZ1を含む磁界を付与する第1配線部91と、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって磁気検出素子30に対して第1方向成分MZ1とは反対方向である第2方向成分MZ2を含む磁界を付与する第2配線部92と、を含む。
【0137】
この構成によれば、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第1配線部91に発生する磁界の第1方向成分MZ1と、第2配線部92に発生する磁界の第2方向成分MZ2とが磁気検出素子30において互いに反対方向になることによって、表面配線90に起因する磁気検出素子30への磁界の影響を低減できる。したがって、磁気検出素子30の検出精度の低下を抑制できる。
【0138】
(2-2)表面配線90は、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって磁気検出素子30に対して第2方向成分MZ2を含む第3磁界E3を付与する第3配線部93と、第1端子81から第2端子82に電流が流れることによって磁気検出素子30に対して第2方向成分MZ2とは反対方向である第1方向成分MZ1の第4磁界E4を付与する第4配線部94と、を含む。第3配線部93および第4配線部94の双方は、平面視において、第1配線部91および第2配線部92の双方が延びる方向とは異なる方向に延びている。
【0139】
この構成によれば、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第3磁界E3の第2方向成分MZ2と、第4磁界E4の第1方向成分MZ1とが磁気検出素子30において互いに反対方向になることによって、表面配線90に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。したがって、磁気検出素子30の検出精度の低下をさらに抑制できる。
【0140】
(2-3)第1配線部91と磁気検出素子30とのY方向の間の距離DA1は、第2配線部92と磁気検出素子30とのY方向の間の距離DA2と等しい。第3配線部93と磁気検出素子30とのX方向の間の距離DA3は、第4配線部94と磁気検出素子30とのX方向の間の距離DA4と等しい。
【0141】
この構成によれば、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第1配線部91に発生する磁界の第1方向成分MZ1の大きさと、第2配線部92に発生する磁界の第2方向成分MZ2の大きさとが互いに近づく。これにより、表面配線90に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。また、第1端子81から第2端子82に電流が流れるとき、第3配線部93に発生する磁界の第2方向成分MZ2の大きさと、第4配線部94に発生する磁界の第1方向成分MZ1の大きさとが互いに近づく。これにより、表面配線90に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0142】
(2-4)第3配線部93の幅寸法WA3および第4配線部94の幅寸法WA4は互いに等しい。
この構成によれば、第3配線部93および第4配線部94における電気抵抗を互いに近づけることができるため、第3配線部93に流れる電流の大きさおよび第4配線部94に流れる電流の大きさを互いに近づけることができる。これにより、第3磁界E3の第2方向成分MZ2の大きさと、第4磁界E4の第1方向成分MZ1の大きさとが互いに近づく。したがって、表面配線90に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0143】
(2-5)第1配線部91の幅寸法WA1および第2配線部92の幅寸法WA2は互いに等しい。
この構成によれば、第1配線部91および第2配線部92における電気抵抗を互いに近づけることができるため、第1配線部91に流れる電流の大きさおよび第2配線部92に流れる電流の大きさを互いに近づけることができる。これにより、第1配線部91に発生する磁界の第1方向成分MZ1の大きさと、第2配線部92に発生する磁界の第2方向成分MZ2の大きさとが互いに近づく。したがって、表面配線90に起因する磁気検出素子30への磁界の影響をさらに低減できる。
【0144】
<第3実施形態>
図10を参照して、第3実施形態の磁気検出装置10について説明する。第3実施形態の磁気検出装置10では、第1実施形態の磁気検出装置10と比較して、表面配線100の構成が異なる。以下の説明では、第1実施形態と共通する構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0145】
図10に示すように、表面配線100は、第1配線部101、第2配線部102、第1端部接続部103、第2端部接続部104、第3端部接続部105、および第4端部接続部106を含む。一例では、これら配線部101,102およびこれら接続部103~106は一体に形成されている。なお、表面配線100は、第1実施形態の表面配線70と同じ材料によって形成されている。また、図10では、便宜上、これら配線部101,102および接続部103~106を破線で区画している。
【0146】
第1配線部101および第2配線部102の磁気検出素子30に対する位置関係は、第1実施形態の第1配線部71および第2配線部72と同じである。つまり、第1配線部101および第2配線部102は、平面視において、磁気検出素子30に対してY方向の両側に対向配置されている。ここで、Y方向は「第4方向」に対応している。
【0147】
また、第1配線部101および第2配線部102の幅寸法WB1,WB2の関係は、第1実施形態の第1配線部71のおよび第2配線部72の各々の幅寸法W1,W2と同じである。
【0148】
第1配線部101および第2配線部102の双方は、X方向において第1端子81から第2端子82までにわたりX方向に延びている。このため、第1配線部101および第2配線部102の長さ寸法LB1,LB2は、第1実施形態の第1配線部71および第2配線部72の長さ寸法L1,L2よりも長い。第1配線部101の長さ寸法LB1および第2配線部102の長さ寸法LB2は互いに等しくてよい。磁気検出素子30と第1配線部101とのY方向の間の距離DB1は、磁気検出素子30と第2配線部102とのY方向の間の距離DB2と等しくてよい。
【0149】
第1端部接続部103は、第1端子81に電気的に接続されている。第1端部接続部103と第1端子81との電気的な接続構造は、第1実施形態の第1接続配線部73と第1端子81との電気的な接続構造と同じである。
【0150】
第1端部接続部103は、第1配線部101のX方向の両端部のうち第1端子81に近い方の端部に接続されている。第1端部接続部103は、第1配線部101の第1端子81に近い方の端部からY方向に延びている。
【0151】
第2端部接続部104は、第2端子82に電気的に接続されている。第2端部接続部104と第2端子82との電気的な接続構造は、第1実施形態の第2接続配線部76と第2端子82との電気的な接続構造と同じである。
【0152】
第2端部接続部104は、第1配線部101のX方向の両端部のうち第2端子82に近い方の端部に接続されている。第2端部接続部104は、第1配線部101の第2端子82に近い方の端部からY方向に延びている。
【0153】
第3端部接続部105は、第1端子81に電気的に接続されている。第3端部接続部105と第1端子81との電気的な接続構造は、第1実施形態の第1接続配線部73と第1端子81との電気的な接続構造と同じである。
【0154】
第3端部接続部105は、第2配線部102のX方向の両端部のうち第1端子81に近い方の端部に接続されている。第3端部接続部105は、第2配線部102の第1端子81に近い方の端部からY方向に延びている。
【0155】
第4端部接続部106は、第2端子82に電気的に接続されている。第4端部接続部106と第2端子82との電気的な接続構造は、第1実施形態の第2接続配線部76と第2端子82との電気的な接続構造と同じである。
【0156】
第4端部接続部106は、第2配線部102のX方向の両端部のうち第2端子82に近い方の端部に接続されている。第4端部接続部106は、第2配線部102の第2端子82に近い方の端部からY方向に延びている。なお、第3実施形態の磁気検出装置10によれば、第1実施形態の(1-1)~(1-4)の効果と同様の効果が得られる。
【0157】
<第4実施形態>
図11および図12を参照して、第4実施形態の磁気検出装置10について説明する。第4実施形態の磁気検出装置10では、第1実施形態の磁気検出装置10と比較して、基板110、磁気検出素子120、および表面配線130の構成が異なる。以下の説明では、第1実施形態と共通する構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0158】
図11に示すように、第4実施形態の磁気検出装置10は、例えばガラスエポキシ樹脂によって形成された基板110を備える。基板110には、ドライバ素子41および保護素子42(図1参照)が設けられていない。基板110は、Z方向において互いに反対側を向く基板表面111および基板裏面112(図12参照)を含む。
【0159】
磁気検出素子120は、半導体チップとして形成されている。磁気検出素子120は、例えばホール素子である。図12に示すように、磁気検出素子120は、基板110の基板表面111に設けられた実装パターン113に接合材SDによって接合されている。実装パターン113は、例えば金属層によって形成されている。金属層としては、例えばCuを含む材料によって形成されている。このように、磁気検出素子120は、基板表面111に実装されている。
【0160】
図12に示すように、表面配線130は、基板表面111上に形成されている。図11に示すように、平面視における表面配線130の形状は、第1実施形態の平面視における表面配線70(図1参照)の形状と同じである。表面配線130は、例えばCuを含む材料によって形成されている。一例では、表面配線130は銅箔によって形成されている。
【0161】
表面配線130は、第1配線部131、第2配線部132、第1接続配線部133、第1分岐配線部134、第2分岐配線部135、第2接続配線部136、第3分岐配線部137、および第4分岐配線部138を含む。第1配線部131は第1実施形態の表面配線70の第1配線部71と対応し、第2配線部132は表面配線70の第2配線部72と対応している。第1接続配線部133は表面配線70の第1接続配線部73に対応し、第1分岐配線部134は表面配線70の第1分岐配線部74に対応し、第2分岐配線部135は表面配線70の第2分岐配線部75に対応している。第2接続配線部136は表面配線70の第2接続配線部76に対応し、第3分岐配線部137は表面配線70の第3分岐配線部77に対応し、第4分岐配線部138は表面配線70の第4分岐配線部78に対応している。
【0162】
図12に示すように、Z方向において、表面配線130は、磁気検出素子120に対してずれて配置されている。より詳細には、Z方向において、表面配線130は、磁気検出素子120よりも基板110寄りに配置されている。なお、第4実施形態の磁気検出装置10によれば、第1実施形態の(1-1)~(1-9)の効果と同様の効果が得られる。
【0163】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。以下の変更例は、技術的に矛盾が生じない限り、互いに組み合わせることができる。また、第1~第4実施形態は、技術的に矛盾が生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0164】
・第1実施形態において、表面配線70における第1分岐配線部74、第2分岐配線部75、第3分岐配線部77、および第4分岐配線部78の各々のX方向の位置は任意に変更可能である。一例では、図13に示すように、第1分岐配線部74と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D4、第2分岐配線部75と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D5、第3分岐配線部77と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D7、および第4分岐配線部78と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D8の各々は、第1配線部71と磁気検出素子30とのY方向の間の距離D1および第2配線部72と磁気検出素子30とのY方向の間の距離D2の双方よりも大きい。この場合、距離D1は距離D2と等しくてよい。距離D4は距離D8と等しくてよい。距離D5は距離D7と等しくてよい。距離D4は距離D5と等しくてよい。距離D7は距離D8と等しくてよい。また、図示していないが、距離D4,D5,D7,D8の各々は、距離D1,D2よりも小さくてもよい。換言すると、距離D1,D2は、距離D4,D5,D7,D8よりも大きくてもよい。
【0165】
・各実施形態において、平面視における表面配線70,90,100のうち磁気検出素子30を囲む部分の形状は任意に変更可能である。
一例では、図14に示すように、第1配線部91および第2配線部92の双方は、平面視においてZ方向と直交する方向のうちX方向およびY方向の双方と交差する方向(第5方向)に延びていてもよい。この場合、第1配線部91および第2配線部92は、平面視において第5方向と直交する第6方向に配列されていてもよい。つまり、第1配線部91および第2配線部92は、第6方向において磁気検出素子30の両側に対向配置されている。
【0166】
第3配線部93および第4配線部94は、平面視においてZ方向と直交する方向のうちX方向、Y方向、および第5方向と交差する方向(第7方向)に延びていてもよい。この場合、第3配線部93および第4配線部94は、平面視において第7方向と直交する第8方向に配列されていてもよい。つまり、第3配線部93および第4配線部94は、第8方向において磁気検出素子30の両側に対向配置されている。図14に示す例では、第5方向と第7方向とが直交している。このため、第7方向は第6方向と一致し、第8方向は第5方向と一致している。
【0167】
磁気検出素子30の第1~第4辺31~34のうち第1辺31および第2辺32は、平面視において第5方向に延びていてもよい。第3辺33および第4辺34は、平面視において第6方向に延びていてもよい。つまり、平面視において第1配線部91と隣り合う第1辺31は、第1配線部91と平行となる。平面視において第2配線部92と隣り合う第2辺32は、第2配線部92と平行となる。平面視において第3配線部93と隣り合う第3辺33は、第3配線部93と平行となる。平面視において第4配線部94と隣り合う第4辺34は、第4配線部94と平行となる。
【0168】
なお、図15に示すように、磁気検出素子30の第1~第4辺31~34と、第1配線部91、第2配線部92、第3配線部93、および第4配線部94とが平行でなくてもよい。図15に示す例では、平面視において第1配線部91および第2配線部92の配列方向である第6方向と、第3配線部93および第4配線部94の配列方向である第8方向とは、交差しているが直交していない。このため、第5方向および第7方向も交差しているが直交していない。
【0169】
・第1および第4実施形態において、表面配線70は図16に示すように変更してもよい。具体的には、第1配線部71と第1分岐配線部74との接続部分に湾曲部141が形成されている。第1配線部71と第3分岐配線部77との接続部分に湾曲部142が形成されている。第2配線部72と第2分岐配線部75との接続部分に湾曲部143が形成されている。第2配線部72と第4分岐配線部78との接続部分に湾曲部144が形成されている。
【0170】
また、第1接続配線部73と第1分岐配線部74および第2分岐配線部75との接続部分に湾曲部145が形成されている。第2接続配線部76と第3分岐配線部77および第4分岐配線部78との接続部分に湾曲部146が形成されている。
【0171】
・第1および第4実施形態において、表面配線70は図17に示すように変更してもよい。具体的には、第1配線部71と第1分岐配線部74との接続部分に傾斜部151が形成されている。第1配線部71と第3分岐配線部77との接続部分に傾斜部152が形成されている。第2配線部72と第2分岐配線部75との接続部分に傾斜部153が形成されている。第2配線部72と第4分岐配線部78との接続部分に傾斜部154が形成されている。
【0172】
また、第1接続配線部73と第1分岐配線部74および第2分岐配線部75との接続部分に傾斜部155が形成されている。第2接続配線部76と第3分岐配線部77および第4分岐配線部78との接続部分に傾斜部156が形成されている。
【0173】
なお、第2実施形態の表面配線90における第1配線部91と第3配線部93との接続部分、第1配線部91と第4配線部94との接続部分、第2配線部92と第3配線部93との接続部分、および第2配線部92と第4配線部94との接続部分も同様に変更してもよい。また、表面配線90における第1接続配線部95と第3配線部93との接続部分および第2接続配線部96と第4配線部94との接続部分も同様に変更してもよい。
【0174】
また、第3実施形態の表面配線100における第1配線部101と第1端部接続部103との接続部分、第1配線部101と第2端部接続部104との接続部分、第2配線部102と第3端部接続部105との接続部分、および第2配線部102と第4端部接続部106との接続部分も同様に変更してもよい。
【0175】
・第1および第4実施形態において、第1配線部71および第2配線部72の幅寸法W1,W2は、第1分岐配線部74および第4分岐配線部78の幅寸法W4,W8および第2分岐配線部75および第3分岐配線部77の幅寸法W5,W7の少なくとも一方と異なっていてもよい。
【0176】
・第1および第4実施形態において、第1分岐配線部74および第4分岐配線部78の幅寸法W4,W8は、第2分岐配線部75および第3分岐配線部77の幅寸法W5,W7と異なっていてもよい。
【0177】
・第1および第4実施形態において、第1接続配線部73の幅寸法W3は、第1配線部71の幅寸法W1および第2配線部72の幅寸法W2と異なっていてもよい。一例では、第1接続配線部73の幅寸法W3は、第1配線部71の幅寸法W1および第2配線部72の幅寸法W2の双方よりも大きくてもよい。
【0178】
・第1および第4実施形態において、第1配線部71の幅寸法W1と第2配線部72の幅寸法W2とは互いに異なっていてもよい。
・第1および第4実施形態において、第1分岐配線部74の幅寸法W4と第4分岐配線部78の幅寸法W8とは互いに異なっていてもよい。
【0179】
・第1および第4実施形態において、第2分岐配線部75の幅寸法W5と第3分岐配線部77の幅寸法W7とは互いに異なっていてもよい。
・第1および第4実施形態において、第1接続配線部73および第2接続配線部76の幅寸法W3,W6は、各配線部71,72,74,75,77,78の幅寸法以上であってもよい。
【0180】
・第1および第4実施形態において、第1配線部71と磁気検出素子30とのY方向の間の距離D1と第2配線部72と磁気検出素子30とのY方向の間の距離D2とが互いに異なっていてもよい。
【0181】
・第1および第4実施形態において、第1分岐配線部74と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D4と第4分岐配線部78と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D8とが互いに異なっていてもよい。
【0182】
・第1および第4実施形態において、第2分岐配線部75と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D5と第3分岐配線部77と磁気検出素子30とのX方向の間の距離D7とが互いに異なっていてもよい。
【0183】
・第2実施形態において、第1接続配線部95の幅寸法WA3は、第1配線部91の幅寸法WA1および第2配線部92の幅寸法WA2と異なっていてもよい。一例では、第1接続配線部95の幅寸法WA3は、第1配線部91の幅寸法WA1および第2配線部92の幅寸法WA2の双方よりも大きくてもよい。
【0184】
・第2実施形態において、第1配線部91および第2配線部92の幅寸法WA1,WA2と、第3配線部93および第4配線部94の幅寸法WA3,WA4とは互いに異なっていてもよい。
【0185】
・第2実施形態において、第1配線部91の幅寸法WA1と第2配線部92の幅寸法WA2とは互いに異なっていてもよい。
・第2実施形態において、第3配線部93の幅寸法WA3と第4配線部94の幅寸法WA4とは互いに異なっていてもよい。
【0186】
・第2実施形態において、第1配線部91と磁気検出素子30とのY方向の間の距離DA1と第2配線部92と磁気検出素子30とのY方向の間の距離DA2とが互いに異なっていてもよい。
【0187】
・第2実施形態において、第3配線部93と磁気検出素子30とのX方向の間の距離DA3と第4配線部94と磁気検出素子30とのX方向の間の距離DA4とは互いに異なっていてもよい。
【0188】
・第1および第2実施形態において、第1端子81および第2端子82の配置位置は任意に変更可能である。一例では、第1端子81および第2端子82は、Y方向において磁気検出素子30に対して分散して配置されていてもよい。この場合、第1接続配線部73(95)は、平面視において例えば第1配線部71(91)と交差する方向あるいは直交する方向に延びている。第2接続配線部76(96)は、平面視において例えば第2配線部72(92)と交差する方向あるいは直交する方向に延びている。
【0189】
・第3実施形態において、第1配線部101の幅寸法WB1と第2配線部102の幅寸法WB2とは互いに異なっていてもよい。
・第3実施形態において、第1配線部101と磁気検出素子30とのY方向の間の距離DB1と第2配線部102と磁気検出素子30とのY方向の間の距離DB2とが互いに異なっていてもよい。
【0190】
・第4実施形態において、平面視における表面配線130の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における表面配線130の形状は、第2実施形態の表面配線90の形状であってもよい。この場合、第1端子81および第2端子82の配置位置は、第2実施形態の第1端子81および第2端子82の配置位置と同じである。一例では、平面視における表面配線130の形状は、第3実施形態の表面配線100の形状であってもよい。
【0191】
・第1~第3実施形態において、保護素子42を省略してもよい。
・第1~第3実施形態において、ドライバ素子41を省略してもよい。この場合、第1端子81は、コンタクトによって第1配線部71,91,101と電気的に接続されている。コンタクトは、配線層60の配線絶縁膜61をZ方向に貫通している。コンタクトは、第1端子81と第1配線部71,91,101との双方に接している。
【0192】
・各実施形態において、第3端子83を省略してもよい。
本明細書に記載の様々な例のうち1つまたは複数を、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0193】
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、例えば「第1要素が第2要素上に実装される」という表現は、或る実施形態では第1要素が第2要素に接触して第2要素上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1要素が第2要素に接触することなく第2要素の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1要素と第2要素との間に他の要素が形成される構造を排除しない。
【0194】
<付記>
上記各実施形態および各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、各付記に記載された構成要素に対応する実施形態の構成要素の符号を括弧書きで示す。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0195】
[付記1]
基板表面(21)を有する基板(20)と、
前記基板表面(21)に設けられた磁気検出素子(30)と、
前記基板表面(21)上において前記磁気検出素子(30)から離隔した位置に配置された第1端子(81)および第2端子(82)と、
前記基板表面(21)上に形成されており、前記第1端子(81)と前記第2端子(82)とを電気的に接続する表面配線(70)と、
を備え、
前記表面配線(70)は、
前記第1端子(81)から前記第2端子(82)に電流が流れることによって前記磁気検出素子(30)に対して前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)に沿う第1方向成分(MZ1)を含む磁界を付与する第1配線部(71)と、
前記第1端子(81)から前記第2端子(82)に電流が流れることによって前記磁気検出素子(30)に対して前記第1方向成分(MZ1)とは反対方向である第2方向成分(MZ2)を含む磁界を付与する第2配線部(72)と、
を含む、磁気検出装置(10)。
【0196】
[付記2]
前記第1配線部(71)および前記第2配線部(72)は、前記磁気検出素子(30)の両側に対向配置されている
付記1に記載の磁気検出装置。
【0197】
[付記3]
前記第1端子(81)および前記第2端子(82)は、前記磁気検出素子(30)に対して第3方向(X方向)の両側に分散して配置されており、
前記第1配線部(71)および前記第2配線部(72)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して前記第3方向(X方向)と直交する第4方向(Y方向)の両側に対向配置されている
付記2に記載の磁気検出装置。
【0198】
[付記4]
前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記第1配線部(71)と前記磁気検出素子(30)との前記第4方向(Y方向)の間の距離(D1)は、前記第2配線部(72)と前記磁気検出素子(30)との前記第4方向(Y方向)の間の距離(D2)と等しい
付記3に記載の磁気検出装置。
【0199】
[付記5]
前記第1配線部(71)の幅寸法(W1)と前記第2配線部(72)の幅寸法(W2)とは互いに等しい
付記1~4のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0200】
[付記6]
前記表面配線(70)は、
前記第1端子(81)に電気的に接続された第1接続配線部(73)と、
前記第2端子(82)に電気的に接続された第2接続配線部(76)と、
前記第1接続配線部(73)から分岐して前記第1配線部(71)に接続された第1分岐配線部(74)と、
前記第1接続配線部(73)から分岐して前記第2配線部(72)に接続された第2分岐配線部(75)と、
前記第2接続配線部(76)から分岐して前記第1配線部(71)に接続された第3分岐配線部(77)と、
前記第2接続配線部(76)から分岐して前記第2配線部(72)に接続された第4分岐配線部(78)と、
を含む、付記1~5のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0201】
[付記7]
前記第1端子(81)から前記表面配線(70)に供給される電流を制御するトランジスタ(41)を備え、
前記第1端子(81)と前記第1接続配線部(73)とは、前記トランジスタ(41)を介して電気的に接続されている
付記6に記載の磁気検出装置。
【0202】
[付記8]
前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記第1配線部(71)、前記第2配線部(72)、前記第1分岐配線部(74)、前記第2分岐配線部(75)、前記第3分岐配線部(77)、および前記第4分岐配線部(78)は、前記磁気検出素子(30)の全周を囲むように形成されている
付記6または7に記載の磁気検出装置。
【0203】
[付記9]
前記第1分岐配線部(74)の幅寸法(W4)と前記第4分岐配線部(78)の幅寸法(W8)とは互いに等しい
付記6~8のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0204】
[付記10]
前記第2分岐配線部(75)の幅寸法(W5)と前記第3分岐配線部(77)の幅寸法(W7)とは互いに等しい
付記6~9のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0205】
[付記11]
前記第1分岐配線部(74)および前記第2分岐配線部(75)と、前記第3分岐配線部(77)および前記第4分岐配線部(78)とは、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して第3方向(X方向)の両側に対向配置されており、
前記第1配線部(71)および前記第2配線部(72)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して前記第3方向(X方向)と直交する第4方向(Y方向)の両側に対向配置されており、
前記第1分岐配線部(74)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D4)、前記第2分岐配線部(75)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D5)、前記第3分岐配線部(77)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D7)、および前記第4分岐配線部(78)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D8)の各々は、前記第1配線部(71)と前記磁気検出素子(30)との前記第4方向(Y方向)の間の距離(D1)および前記第2配線部(72)と前記磁気検出素子(30)との前記第4方向(Y方向)の間の距離(D2)の双方よりも大きい
付記6~10のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0206】
[付記12]
前記第1分岐配線部(74)および前記第2分岐配線部(75)と、前記第3分岐配線部(77)および前記第4分岐配線部(78)とは、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して第3方向(X方向)の両側に対向配置されており、
前記第1配線部(71)および前記第2配線部(72)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して前記第3方向(X方向)と直交する第4方向(Y方向)の両側に対向配置されており、
前記第1分岐配線部(74)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D4)、前記第2分岐配線部(75)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D5)、前記第3分岐配線部(77)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D7)、および前記第4分岐配線部(78)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D8)の各々は、前記第1配線部(71)と前記磁気検出素子(30)との前記第4方向(Y方向)の間の距離(D1)および前記第2配線部(72)と前記磁気検出素子(30)との前記第4方向(Y方向)の間の距離(D2)の双方よりも小さい
付記6~10のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0207】
[付記13]
前記表面配線(90)は、
前記第1端子(81)から前記第2端子(82)に電流が流れることによって前記磁気検出素子(30)に対して前記第1方向成分(MZ1)または前記第2方向成分(MZ2)を含む磁界を付与する第3配線部(93)と、
前記第1端子(81)から前記第2端子(82)に電流が流れることによって前記磁気検出素子(30)に対して前記第3配線部(93)が前記磁気検出素子(30)に磁界を付与する前記第1方向成分(MZ1)または前記第2方向成分(MZ2)とは反対方向の磁界を付与する第4配線部(94)と、
を含み、
前記第3配線部(93)および前記第4配線部(94)の双方は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記第1配線部(91)および前記第2配線部(92)の双方が延びる方向とは異なる方向に延びている
付記1~5のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0208】
[付記14]
前記第3配線部(93)は、前記第1配線部(91)および前記第2配線部(92)の双方の第1端部(91A,92A)同士を接続し、
前記第4配線部(94)は、前記第1配線部(91)および前記第2配線部(92)の双方の第2端部(91B,92B)同士を接続し、
前記表面配線(90)は、
前記第1端子(81)に電気的に接続され、前記第1配線部(91)の前記第1端部(91A)に接続された第1接続配線部(95)と、
前記第2端子(82)に電気的に接続され、前記第2配線部(92)の前記第2端部(92B)に接続された第2接続配線部(96)と、
を含む、付記13に記載の磁気検出装置。
【0209】
[付記15]
前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記第1配線部(91)、前記第2配線部(92)、前記第3配線部(93)、および前記第4配線部(94)は、前記磁気検出素子(30)の全周を囲むように形成されている
付記13または14に記載の磁気検出装置。
【0210】
[付記16]
前記第1端子(81)および前記第2端子(82)は、前記磁気検出素子(30)に対して第3方向(X方向)の両側に分散して配置されており、
前記第1配線部(91)および前記第2配線部(92)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して前記第3方向(X方向)と直交する第4方向(Y方向)の両側に対向配置されており、
前記第3配線部(93)および前記第4配線部(94)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して前記第3方向(X方向)の両側に対向配置されている
付記13~15のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0211】
[付記17]
前記第1配線部(91)と前記磁気検出素子(30)との前記第4方向(Y方向)の間の距離(DA1)は、前記第2配線部(92)と前記磁気検出素子(30)との前記第4方向(Y方向)の間の距離(DA2)と等しく、
前記第3配線部(93)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(DA3)は、前記第4配線部(94)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(DA4)と等しい
付記16に記載の磁気検出装置。
【0212】
[付記18]
前記第3配線部(93)の幅寸法(WA3)および前記第4配線部(94)の幅寸法(WA4)は互いに等しい
付記13~17のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0213】
[付記19]
前記基板(20)は、半導体基板であり、
前記基板表面(21)には、絶縁層(50)が形成されており、
前記磁気検出素子(30)は、前記半導体基板(20)に設けられており、
前記表面配線(70)は、前記絶縁層(50)上に形成されている
付記1~18のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0214】
[付記20]
前記磁気検出素子(30)は、半導体チップとして形成され、前記基板表面(21)に実装されている
付記1~18のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0215】
[付記21]
前記第3配線部(93)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(DA3)は、前記第4配線部(94)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(DA4)と等しい
付記16または17に記載の磁気検出装置。
【0216】
[付記22]
前記第1分岐配線部(74)および前記第2分岐配線部(75)と、前記第3分岐配線部(77)および前記第4分岐配線部(78)とは、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して第3方向(X方向)の両側に対向配置されており、
前記第1配線部(71)および前記第2配線部(72)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して第3方向(X方向)と直交する第4方向(Y方向)の両側に対向配置されており、
前記第1分岐配線部(74)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D4)は、前記第4分岐配線部(78)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D8)と等しい
付記6~10のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0217】
[付記23]
前記第1分岐配線部(74)および前記第2分岐配線部(75)と、前記第3分岐配線部(77)および前記第4分岐配線部(78)とは、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して第3方向(X方向)の両側に対向配置されており、
前記第1配線部(71)および前記第2配線部(72)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記磁気検出素子(30)に対して第3方向(X方向)と直交する第4方向(Y方向)の両側に対向配置されており、
前記第2分岐配線部(75)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D5)は、前記第3分岐配線部(77)と前記磁気検出素子(30)との前記第3方向(X方向)の間の距離(D7)と等しい
付記6~10のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0218】
[付記24]
前記第1配線部(71)および前記第2配線部(72)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、互いに平行である
付記1~10のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0219】
[付記25]
前記第1分岐配線部(74)および前記第4分岐配線部(78)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、互いに平行である
付記6~10のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0220】
[付記26]
前記第2分岐配線部(75)および前記第3分岐配線部(77)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、互いに平行である
付記6~10のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0221】
[付記27]
前記第3配線部(93)および前記第4配線部(94)は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、互いに平行である
付記12~15のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0222】
[付記28]
前記第1配線部(71)および前記第2配線部(72)の双方は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)において互いに同じ位置に配置され、かつ前記磁気検出素子(30)とは異なる位置に配置されている
付記1~19のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0223】
[付記29]
前記第1分岐配線部(74)および前記第4分岐配線部(78)の双方は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)において互いに同じ位置に配置され、かつ前記磁気検出素子(30)とは異なる位置に配置されている
付記6~12のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0224】
[付記30]
前記第2分岐配線部(75)および前記第3分岐配線部(77)の双方は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)において互いに同じ位置に配置され、かつ前記磁気検出素子(30)とは異なる位置に配置されている
付記6~12のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0225】
[付記31]
前記第3配線部(93)および前記第4配線部(94)の双方は、前記基板(20)の厚さ方向(Z方向)において互いに同じ位置に配置され、かつ前記磁気検出素子(30)とは異なる位置に配置されている
付記13~18のいずれか1つに記載の磁気検出装置。
【0226】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0227】
10…磁気検出装置
10X…比較例の磁気検出装置
20…基板
21…基板表面
22…基板裏面
23~26…第1~第4基板側面
27…半導体基板
30…磁気検出素子
31~34…第1~第4辺
40…半導体層
40A…表面
41…ドライバ素子
42…保護素子
50…絶縁層
50A…表面
51…第1コンタクト
52…第2コンタクト
60…配線層
61…配線絶縁膜
62…第3コンタクト
63…第4コンタクト
70…表面配線
70X…比較例の表面配線
71…第1配線部
72…第2配線部
73…第1接続配線部
74…第1分岐配線部
75…第2分岐配線部
76…第2接続配線部
77…第3分岐配線部
78…第4分岐配線部
81…第1端子
82…第2端子
83…第3端子
90…表面配線
91…第1配線部
91A…第1端部
91B…第2端部
92…第2配線部
92A…第1端部
92B…第2端部
93…第3配線部
94…第4配線部
95…第1接続配線部
96…第2接続配線部
100…表面配線
101…第1配線部
102…第2配線部
103…第1端部接続部
104…第2端部接続部
105…第3端部接続部
106…第4端部接続部
110…基板
111…基板表面
112…基板裏面
113…実装パターン
120…磁気検出素子
130…表面配線
131…第1配線部
132…第2配線部
133…第1接続配線部
134…第1分岐配線部
135…第2分岐配線部
136…第2接続配線部
137…第3分岐配線部
138…第4分岐配線部
141~146…湾曲部
151~156…傾斜部
SD…接合材
DV…直流電源
E1…第1磁界
E2…第2磁界
E3…第3磁界
E4…第4磁界
M1…第1磁気方向
M2…第2磁気方向
MZ1…第1方向成分
MZ2…第2方向成分
L1…第1配線部の長さ寸法
L2…第2配線部の長さ寸法
L4…第1分岐配線部の長さ寸法
L5…第2分岐配線部の長さ寸法
L7…第3分岐配線部の長さ寸法
L8…第4分岐配線部の長さ寸法
W1…第1配線部の幅寸法
W2…第2配線部の幅寸法
W3…第1接続配線部の幅寸法
W4…第1分岐配線部の幅寸法
W5…第2分岐配線部の幅寸法
W6…第2接続配線部の幅寸法
W7…第3分岐配線部の幅寸法
W8…第4分岐配線部の幅寸法
D1…第1配線部と磁気検出素子との間の距離
D2…第2配線部と磁気検出素子との間の距離
D4…第1分岐配線部と磁気検出素子との間の距離
D5…第2分岐配線部と磁気検出素子との間の距離
D7…第3分岐配線部と磁気検出素子との間の距離
D8…第4分岐配線部と磁気検出素子との間の距離
LA1…第1配線部の長さ寸法
LA2…第2配線部の長さ寸法
LA3…第3配線部の長さ寸法
LA4…第4配線部の長さ寸法
WA1…第1配線部の幅寸法
WA2…第2配線部の幅寸法
WA3…第3配線部の幅寸法
WA4…第4配線部の幅寸法
WA5…第1接続配線部の幅寸法
WA6…第2接続配線部の幅寸法
DA1…第1配線部と磁気検出素子との間の距離
DA2…第2配線部と磁気検出素子との間の距離
DA3…第3配線部と磁気検出素子との間の距離
DA4…第4配線部と磁気検出素子との間の距離
LB1…第1配線部の長さ寸法
LB2…第2配線部の長さ寸法
WB1…第1配線部の幅寸法
WB2…第2配線部の幅寸法
DB1…第1配線部と磁気検出素子との間の距離
DB2…第2配線部と磁気検出素子との間の距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17