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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125676
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】スプール弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20240911BHJP
   F15B 9/09 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
F16K31/04 K
F15B9/09 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033653
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成田 慎治
(72)【発明者】
【氏名】過能 健太
(72)【発明者】
【氏名】田中 英紀
【テーマコード(参考)】
3H001
3H062
【Fターム(参考)】
3H001AA01
3H001AA03
3H001AB04
3H001AC02
3H001AC03
3H001AD04
3H001AE14
3H001AE23
3H062AA06
3H062BB10
3H062CC01
3H062CC15
3H062DD01
3H062EE06
3H062FF07
3H062HH03
(57)【要約】
【課題】応答特性を容易に切り替えることができるスプール弁装置を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るスプール弁装置1は、スプール21を含むスプール弁2と、モータ5、およびモータ5の回転運動をスプール21の直線運動に変換する直動機構4を含む電動アクチュエータ3と、モータ5を制御する制御装置6を含む。制御装置6は、モータ5に対する位置指令に基づいてモータ5への電流指令を決定するPI制御において使用するゲインとして複数の値を記憶し、前記ゲインを前記複数の値の間で切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプールを含むスプール弁と、
モータ、および前記モータの回転運動を前記スプールの直線運動に変換する直動機構を含む電動アクチュエータと、
前記モータを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記モータに対する位置指令に基づいて前記モータへの電流指令を決定するPI制御において使用するゲインとして複数の値を記憶し、前記ゲインを前記複数の値の間で切り替える、スプール弁装置。
【請求項2】
前記複数の値のうちの1つの選択を受け付ける入力装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記ゲインを前記入力装置で選択された値に設定する、請求項1に記載のスプール弁装置。
【請求項3】
前記スプール弁を介して液圧ポンプから液圧アクチュエータへ作動液が供給され、
前記制御装置は、前記作動液の圧力もしくは流量、または前記液圧アクチュエータの作動位置を検出する検出器の検出値に基づいて前記ゲインを前記複数の値の間で切り換える、請求項1に記載のスプール弁装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記位置指令に基づいて前記ゲインを前記複数の値の間で切り換える、請求項1に記載のスプール弁装置。
【請求項5】
前記ゲインは、前記モータに対する位置指令に基づいて速度指令を決定する位置制御ループにおいて使用するPゲインおよびIゲイン、ならびに前記速度指令に基づいて前記モータへの電流指令を決定する速度制御ループにおいて使用するPゲインおよびIゲインの少なくとも1つである、請求項1乃至4の何れか一項に記載のスプール弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スプール弁を含むスプール弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スプール弁を電動アクチュエータで駆動するスプール弁装置が知られている。電動アクチュエータは、モータと、前記モータの回転運動を前記スプール弁のスプールの直線運動に変換する直動機構を含む。
【0003】
例えば、特許文献1には、そのようなスプール弁装置として、スプール弁および電動アクチュエータに加え、電動アクチュエータのモータを制御する制御装置を含むスプール弁装置が開示されている。なお、特許文献1では、制御装置が「駆動制御部」と呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-49336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、スプール弁装置の制御装置は、モータに対する位置指令に基づいてモータへの電流指令を決定するPI制御を行う。PI制御では複数のゲインが使用され、それらのゲインによってスプール弁装置の応答特性が決定される。例えば、応答特性は、スプールをより早く目標位置へ移動させる応答性重視か、スプールをぴったりと目標位置へ移動させる制御性重視かである。
【0006】
しかしながら、制御装置には各ゲインが固定値として記憶されるため、スプール弁装置を用途に応じて使い分けることができない。従って、応答特性の異なるスプール弁装置を準備するために応答特性と同数のスプール弁装置が必要である。あるいは、固定値として制御装置に記憶されている制御パラメータを書き換えることで、一つのスプール弁装置で応答特性を切り替えることも考えられる。しかし、このような作業はエンドユーザにとって難易度が高い作業である。
【0007】
そこで、本開示は、応答特性を容易に切り替えることができるスプール弁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、スプールを含むスプール弁と、モータ、および前記モータの回転運動を前記スプールの直線運動に変換する直動機構を含む電動アクチュエータと、前記モータを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記モータに対する位置指令に基づいて前記モータへの電流指令を決定するPI制御において使用するゲインとして複数の値を記憶し、前記ゲインを前記複数の値の間で切り替える、スプール弁装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、応答特性を容易に切り替えることができるスプール弁装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るスプール弁装置の概略構成図である。
図2】前記スプール弁装置の制御装置のブロック図である。
図3】スプールの位置の経時変化を示すグラフである。
図4】第2実施形態に係るスプール弁装置の概略構成図である。
図5】前記スプール弁装置の制御装置のブロック図である。
図6】第3実施形態に係るスプール弁装置の制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1に、第1実施形態に係るスプール弁装置1Aを示す。スプール弁装置1Aは、スプール弁2と、スプール弁2を駆動する電動アクチュエータ3と、制御装置6を含む。
【0012】
スプール弁2は、液圧回路では液圧ポンプ11と液圧アクチュエータ12の間に介在する。つまり、スプール弁2を介して液圧ポンプ11から液圧アクチュエータ12へ作動液が供給される。
【0013】
本実施形態では、液圧アクチュエータ12が複動シリンダであり、スプール弁2が三位置弁である。ただし、液圧アクチュエータ12は液圧モータであってもよい。あるいは、液圧アクチュエータ12が単動シリンダであり、スプール弁2が二位置弁であってもよい。
【0014】
スプール弁2は、スプール穴を有するハウジング22と、前記スプール穴に摺動可能に挿入されたスプール21を含む。ハウジング22には、ポンプ通路23、タンク通路24、一対の給排通路25,26が形成されている。スプール21は、中立位置ではポンプ通路23、タンク通路24および給排通路25,26の全てをブロックし、中立位置から軸方向の一方または他方に移動するとポンプ通路23を給排通路25,26の一方と連通するとともに給排通路25,26の他方をタンク通路24と連通する。
【0015】
電動アクチュエータ3は、モータ5と、モータ5の回転運動をスプール21の直線運動に変換する直動機構4を含む。モータ5は例えばサーボモータである。直動機構4は、モータ5の出力軸に連結されたネジ軸と、前記ネジ軸と螺合するナットと、前記ナットが固定されるとともにスプール21と連結されたピストンと、ハウジング22に取り付けられて前記ピストンをスプール21の軸方向に摺動可能に保持するホルダを含む。モータ5は前記ホルダを介してハウジング22に取り付けられる。
【0016】
モータ5には、当該モータ5の角度位置を検出する角度位置検出器7が設けられている。角度位置検出器7は、例えばロータリエンコーダである。モータ5は、制御装置6により制御される。
【0017】
制御装置6に関し、本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウエアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウエアである。ハードウエアは、本明細書に開示されているハードウエアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウエアであってもよい。ハードウエアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウエアとソフトウエアの組み合わせであり、ソフトウエアはハードウエアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0018】
制御装置6には、モータ5に対する位置指令が入力される。制御装置6にモータ5に対する位置指令が入力される代わりに、制御装置6にスプール21に対する位置指令が入力され、制御装置6がスプール21に対する位置指令をモータ5に対する位置指令に変換してもよい。
【0019】
制御装置6は、上述した角度位置検出器7と電気的に接続されている。制御装置6は、モータ5に対する位置指令に基づいてモータ5への電流指令を決定するPI制御を行う。本実施形態では、図2に示すように、PI制御が、モータ5に対する位置指令および角度位置検出器7の検出結果である位置実績に基づいてモータ5への速度指令を決定する位置制御ループと、前記速度指令および角度位置検出器7の検出結果を微分した速度実績に基づいてモータ5への電流指令を決定する速度制御ループを含む。
【0020】
より詳しくは、位置制御ループでは、制御装置6が、位置指令と位置実績との偏差にPゲインKpを乗算した比例項と、前記比例項を積分したものにIゲインKiを乗算した積分項とを加算して速度指令を決定する。速度制御ループでは、制御装置6が、速度指令と速度実績との偏差にPゲインKvpを乗算した比例項と、前記比例項を積分したものにIゲインKviを乗算した積分項とを加算して電流指令を決定する。ただし、位置制御ループの積分項は位置指令と位置実績との偏差を積分したものにIゲインKiを乗算したものであってもよいし、速度制御ループの積分項は速度指令と速度実績との偏差を積分したものにIゲインKviを乗算したものであってもよい。
【0021】
本実施形態では、制御装置6が、位置制御ループで使用するPゲインKpとして複数の値を記憶する。制御装置6は、PゲインKpを前記複数の値の間で切り替える。複数の値の数は、大小の2つであってもよいし、大中小の3つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0022】
例えば、PゲインKpは、応答特性を、図3中に実線で示すようにスプール21をより早く目標位置へ移動させる応答性重視とするための値αと、応答特性を、図3中に破線で示すようにスプール21をぴったりと目標位置へ移動させる制御性重視とするための、値αよりも小さな値βとの間で切り替えられる。応答性重視の場合はオーバーシュートが発生し易く、制御性重視の場合はオーバーシュートが発生し難い。
【0023】
本実施形態では、制御装置6が入力装置8とも電気的に接続されている。入力装置8は、PゲインKpとして制御装置6に記憶された複数の値のうちの1つの選択を受け付ける。例えば、入力装置8は、切替スイッチであってもよいし、タッチスクリーンであってもよい。
【0024】
入力装置8でPゲインKpの値が選択されると、その値に応じた切替フラグが制御装置6に入力され、制御装置6は、PゲインKpを入力装置8で選択された値に設定する。
【0025】
以上説明したように、本実施形態では、制御装置6に位置制御ループで使用されるPゲインKpとして複数の値が記憶されているので、応答特性を容易に切り替えることができる。しかも、本実施形態では入力装置8が採用されているので、ユーザが応答特性を選択することができる。
【0026】
<変形例>
PゲインKpとして制御装置6に記憶される複数の値は、スプール21をより早く目標位置へ移動させるかぴったりと目標位置へ移動させるかの観点からではなく、スプール弁2を通過する作動液の流量をより早く目標流量に到達させるかぴったりと目標流量に到達させるかの観点から決定されてもよい。
【0027】
また、前記実施形態では、制御装置6が、位置制御ループで使用するPゲインKpとして複数の値を記憶し、PゲインKpを複数の値の間で切り替えたが、制御装置6は、位置制御ループで使用するIゲインKiとして複数の値を記憶し、IゲインKiを複数の値の間で切り替えてもよい。または、制御装置6が、速度制御ループで使用するPゲインKvpとして複数の値を記憶し、PゲインKvpを複数の値の間で切り替えてもよいし、速度制御ループで使用するIゲインKviとして複数の値を記憶し、IゲインKviを複数の値の間で切り替えてもよい。あるいは、制御装置6は、位置制御ループで使用するPゲインKpおよびIゲインKiならびに速度制御ループで使用するPゲインKvpおよびIゲインKviのうちのいくつかまたは全てを複数の値の間で切り替えてもよい。
【0028】
上記の変形例は後述する第2実施形態および第3実施形態にも適用可能である。
【0029】
<第2実施形態>
図4に、第2実施形態に係るスプール弁装置1Bを示す。なお、本実施形態および後述する第3実施形態において、第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0030】
本実施形態では、図1に示す入力装置8の代わりに、作動液の圧力を検出する圧力センサである検出器9が採用されている。図例では、検出器9が液圧ポンプ11とスプール弁2の間のポンプラインに設けられているが、検出器9はスプール弁2と液圧アクチュエータ12の間の給排ラインの一方または双方に設けられてもよい。
【0031】
第1実施形態と同様に、制御装置6は、位置速度ループで使用するPゲインKpとして複数の値を記憶する。ただし、本実施形態では、図5に示すように、制御装置6が、検出器9の検出値に基づいてPゲインKpを前記複数の値の間で切り替える。
【0032】
例えば、第1実施形態で説明したように、制御装置6が応答性重視の値αと制御性重視の値βを記憶する場合、検出器9で検出される圧力が所定値よりも小さければ、液圧アクチュエータ12により行われる作業が副次的な作業であると考えられるため、制御装置6がPゲインKpを応答性重視の値αに設定する。一方、検出器9で検出される圧力が前記所定値よりも大きければ、液圧アクチュエータ12により行われる作業が主要な作業であると考えられるため、制御装置6がPゲインKpを制御性重視の値βに設定する。
【0033】
例えば、液圧アクチュエータ12がプレス装置の型を昇降させるものである場合、型のプレス位置までの下降工程および型の上昇工程において検出器9で検出される圧力が所定値よりも小さくなり、型を前記プレス位置からさらに下降させる加圧工程において検出器9で検出される圧力が前記所定値よりも大きくなる。
【0034】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、制御装置6に位置制御ループで使用されるPゲインKpとして複数の値が記憶されているので、応答特性を容易に切り替えることができる。しかも、本実施形態では、ユーザによる応答特性の選択が不要である一方、PゲインKpを運転状態に応じて適切に切り替えることができる。
【0035】
<変形例>
検出器9は、必ずしも圧力センサである必要はなく、作動液の流量を検出する流量計であってもよい。この場合、流量計は、ポンプラインに設けられてもよいし、給排ラインの一方または双方に設けられてもよい。検出器9が流量計である場合、検出器9で検出される流量が所定値よりも大きければ、液圧アクチュエータ12に対する高精度な位置決め制御は不要であると考えられるため、制御装置6はPゲインKpを応答性重視の値αに設定してもよい。一方、検出器9で検出される流量が前記所定値よりも小さければ、液圧アクチュエータ12に対する高精度な位置決め制御が必要であると考えられるため、制御装置6はPゲインKpを制御性重視の値βに設定してもよい。
【0036】
あるいは、検出器9は、液圧アクチュエータ12の作動位置を検出してもよい。例えば、液圧アクチュエータ12が液圧シリンダである場合は検出器9がストロークセンサであってもよいし、液圧アクチュエータ12が液圧モータである場合は検出器9がロータリエンコーダであってもよい。
【0037】
<第3実施形態>
図6を参照して、第3実施形態に係るスプール弁装置1Cを説明する。本実施形態でも、第1実施形態と同様に、制御装置6が位置速度ループで使用するPゲインKpとして複数の値を記憶する。
【0038】
本実施形態では、図1に示す入力装置8も図4に示す検出器9も採用されておらず、制御装置6がモータ5に対する位置指令に基づいてPゲインKpを前記複数の値の間で切り替える。
【0039】
例えば、第1実施形態で説明したように、制御装置6が応答性重視の値αと制御性重視の値βを記憶する場合、位置指令の変化率が所定値よりも小さければ、オーバーシュートが発生し難いので、制御装置6はPゲインKpを応答性重視の値αに設定してもよい。逆に、位置指令の変化率が所定値よりも大きければ、オーバーシュートが発生し易いので、制御装置6はPゲインKpを制御性重視の値βに設定してもよい。
【0040】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、制御装置6に位置制御ループで使用されるPゲインKpとして複数の値が記憶されているので、応答特性を容易に切り替えることができる。しかも、本実施形態では、ユーザによる応答特性の選択が不要である一方、PゲインKpを位置指令に応じて適切に切り替えることができる。
【0041】
<その他の実施形態>
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0042】
<まとめ>
第1の態様として、本開示は、スプールを含むスプール弁と、モータ、および前記モータの回転運動を前記スプールの直線運動に変換する直動機構を含む電動アクチュエータと、前記モータを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記モータに対する位置指令に基づいて前記モータへの電流指令を決定するPI制御において使用するゲインとして複数の値を記憶し、前記ゲインを前記複数の値の間で切り替える、スプール弁装置を提供する。
【0043】
上記の構成によれば、制御装置にゲインとして複数の値が記憶されているので、応答特性を容易に切り替えることができる。
【0044】
第2の態様として、第1の態様において、上記のスプール弁装置は、前記複数の値のうちの1つの選択を受け付ける入力装置をさらに備え、前記制御装置は、前記ゲインを前記入力装置で選択された値に設定してもよい。この構成によれば、ユーザが応答特性を選択することができる。
【0045】
第3の態様として、第1の態様において、前記スプール弁を介して液圧ポンプから液圧アクチュエータへ作動液が供給され、前記制御装置は、前記作動液の圧力もしくは流量、または前記液圧アクチュエータの作動位置を検出する検出器の検出値に基づいて前記ゲインを前記複数の値の間で切り換えてもよい。この構成によれば、ユーザによる応答特性の選択が不要である一方、ゲインを運転状態に応じて適切に切り替えることができる。
【0046】
第4の態様として、第1の態様において、前記制御装置は、前記位置指令に基づいて前記ゲインを前記複数の値の間で切り換えてもよい。この構成によれば、ユーザによる応答特性の選択が不要である一方、ゲインを位置指令に応じて適切に切り替えることができる。
【0047】
第5の態様として、第1乃至第4の態様の何れかにおいて、例えば、前記ゲインは、前記モータに対する位置指令に基づいて速度指令を決定する位置制御ループにおいて使用するPゲインおよびIゲイン、ならびに前記速度指令に基づいて前記モータへの電流指令を決定する速度制御ループにおいて使用するPゲインおよびIゲインの少なくとも1つであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1A,1B,1C スプール弁装置
2 スプール弁
21 スプール
3 電動アクチュエータ
4 直動機構
5 モータ
6 制御装置
8 入力装置
9 検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6