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特開2024-125702健康補助装置、健康補助システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125702
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】健康補助装置、健康補助システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
A61H23/02 340
A61H23/02 360
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033700
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】512269546
【氏名又は名称】株式会社カドー
(71)【出願人】
【識別番号】517134515
【氏名又は名称】トップアスリート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喜内 一彰
(72)【発明者】
【氏名】古賀 宣行
(72)【発明者】
【氏名】末武 信宏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA05
4C074BB05
4C074CC01
4C074EE01
4C074FF01
4C074GG11
4C074HH05
(57)【要約】
【課題】 ユーザに高いリラックス効果を与えることが可能な健康補助装置を提供する。
【解決手段】 健康補助装置は、ユーザの自律神経に刺激を与える振動を発生する振動発生部を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの自律神経に刺激を与える振動を発生する振動発生部を備える、
健康補助装置。
【請求項2】
前記ユーザと接触する接触部を有し、前記ユーザに装着される装着部をさらに備え、
前記振動発生部は、接触部を振動させ、
前記接触部は、前記ユーザの自律神経に振動による刺激を与える、
請求項1に記載の健康補助装置。
【請求項3】
前記接触部は、前記ユーザの首部および耳部と接触可能に前記装着部に設けられる、
請求項2に記載の健康補助装置。
【請求項4】
前記振動発生部は、前記ユーザの自律神経に刺激を与えるために振動するとともに、前記ユーザが聴取することができる音を再生する、
請求項3に記載の健康補助装置。
【請求項5】
前記接触部は、第1接触部と、前記第1接触部と向かい合う第2接触部と、を有し、
前記振動発生部は、前記第1接触部に位置する第1触覚デバイスと、前記第2接触部に位置する第2触覚デバイスと、を有する、
請求項4に記載の健康補助装置。
【請求項6】
前記装着部は、前記ユーザの首部に沿う形状を有するアーム部と、調整機構と、をさらに有し、
前記第1接触部は、前記アーム部の一端に設けられ、
前記第2接触部は、前記アーム部の他端に設けられ、
前記調整機構は、前記第1接触部および前記第2接触部が前記アーム部に最も近づいた第1位置と、前記第1接触部および前記第2接触部が前記アーム部から最も離れた第2位置との間において前記第1接触部および前記第2接触部の位置を調整する、
請求項5に記載の健康補助装置。
【請求項7】
前記装着部は、前記ユーザの首部に沿う形状を有するアーム部と、前記アーム部に設けられ、前記ユーザの首部と接触するパット部と、を有し、
前記パット部は、前記パット部が前記アーム部に最も近づいた第3位置と前記パット部が前記アーム部から最も離れた第4位置との間において、前記アーム部に対する位置を調整可能に設けられる、
請求項5に記載の健康補助装置。
【請求項8】
前記装着部に設けられ、前記ユーザに熱を与える加温部をさらに備える、
請求項2に記載の健康補助装置。
【請求項9】
前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部をさらに備え、
前記接触部は、前記生体情報取得部によって取得された情報に基づく振動による刺激を前記ユーザに与える、
請求項2に記載の健康補助装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の健康補助装置と、
前記健康補助装置を制御する制御装置と、を備える、
健康補助システム。
【請求項11】
ユーザの自律神経に刺激を与える振動を発生する振動発生部を備える健康補助装置を制御するコンピュータを、
前記ユーザの自律神経に振動による刺激を与えるように前記振動発生部を制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
前記制御手段は、前記ユーザが選択した音源データに基づいて自律神経に刺激を与えるための振動データを生成し、前記振動データに基づいて前記振動発生部を制御する、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記健康補助装置は、前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部をさらに備え、
前記制御手段は、前記生体情報取得部によって取得された生体情報に基づいて前記振動発生部を制御する、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記健康補助装置は、加温部をさらに備え、
前記制御手段は、前記生体情報取得部によって取得された生体情報に基づいて前記加温部を制御する、
請求項13に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康補助装置、健康補助システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マッサージすることを目的として、ユーザの身体に刺激を与える装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、骨伝導機能を有するマッサージ器が開示されている。このマッサージ器は、マッサージ器の外形をなすケースと、前記ケースの人体皮膚と接触するマッサージ部の周辺に隣接して設置される骨伝導スピーカーと、前記骨伝導スピーカーを通じて出力するための音ファイルの再生部とを含むことを特徴している。特許文献2には、骨伝導スピーカーを吸盤もしくは貼付剤もしくは装着具で固定して使う音波治療器が開示されている。
【0004】
特許文献3には、首もみマッサージ機が開示されている。この首もみマッサージ機は、基台部と、前記基台部に設けられた回転駆動軸と、前記回転駆動軸に取り付けられていて前記回転駆動軸の軸心と直交する面に対して傾いた上面を有する傾斜板部と、前記傾斜板部の上面における前記回転駆動軸との偏心位置に軸心を有して立設された円柱軸部と、前記円柱軸部に回動自在に軸支される軸受孔、および少なくとも肩甲挙筋を揉むために設けられた第1揉み玉を有する揺動体と、前記基台部に設けられた第1係合部と、前記揺動体に設けられるとともに前記基台部の第1係合部と遊動自在に係合して前記揺動体の前記円柱軸部回りの回転を阻止する第2係合部と、を備えて成ることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2015-501161号公報
【特許文献2】特開2012-101018号公報
【特許文献3】実用新案登録第3224538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1乃至特許文献3に開示されたマッサージ器などを踏まえても、ユーザに対するリラックス効果を高めるためには種々の改善の余地がある。そこで、本発明は、ユーザに高いリラックス効果を与えることが可能な健康補助装置、健康補助システムおよびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る健康補助装置は、ユーザの自律神経に刺激を与える振動を発生する振動発生部を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る健康補助システムは、前記健康補助装置と、前記健康補助装置を制御する制御装置と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、ユーザの自律神経に刺激を与える振動を発生する振動発生部を備える健康補助装置を制御するコンピュータを、前記ユーザの自律神経に振動による刺激を与えるように前記振動発生部を制御する制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザに高いリラックス効果を与えることが可能な健康補助装置、健康補助システムおよびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る健康補助システムの概略的な斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る健康補助システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る健康補助システムが備える健康補助装置の概略的な正面図である。
図4図4は、図3に示された第1接触部および第2接触部を概略的に示す図である。
図5図5は、振動周波数の一例を説明するための図である。
図6図6は、ユーザの迷走神経および胸鎖乳突筋の位置を説明するための図である。
図7図7は、ユーザが健康補助装置を装着した状態の一例を示す図である。
図8図8は、ユーザが健康補助装置を装着した状態の他の例を示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る健康補助システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、ユーザが選択した音源データに対応する振動の一例を説明するための図である。
図11図11は、ユーザが選択した音源データに対応する振動の他の例を説明するための図である。
図12図12は、音声ガイダンスの一例を説明するための図である。
図13図13は、第1実施形態に係る健康補助システムによるユーザの状態を監視する際の処理の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、心拍変動をスペクトル解析した一例を説明するための図である。
図15図15は、第1実施形態に係る健康補助システムによるユーザの状態を監視する際の処理の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第2実施形態における健康補助装置の概略的な斜視図である。
図17図17は、第2実施形態における健康補助装置の概略的な平面図である。
図18図18は、ユーザが健康補助装置を装着した状態の一例を示す図である。
図19図19は、ユーザが健康補助装置を装着した状態の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照しながら、本発明の各実施形態について説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0013】
各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る健康補助システム100の概略的な斜視図である。図2は、本実施形態に係る健康補助システム100の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態においては、ユーザの首部、耳部に位置する自律神経に振動による刺激を与える健康補助システム100を開示する。ただし、健康補助システム100は、ユーザの首部、耳部以外の自律神経に振動による刺激を与えるように構成されてもよい。
【0015】
健康補助システム100は、図1に示すように、健康補助装置1と、健康補助装置1を制御する制御装置2と、を備える。健康補助装置1は、図1および図2に示すように、装着部3と、制御部4と、振動発生部5と、加温部6と、生体情報取得部7と、電源部8と、を備える。制御部4、振動発生部5、加温部6、生体情報取得部7、および電源部8は、図1に示す例において、装着部3に収容されている。
【0016】
制御部4は、振動発生部5、加温部6、生体情報取得部7、および電源部8とそれぞれ電気的に接続されている。制御部4は、制御装置2からの制御信号に基づいて、振動発生部5、加温部6、生体情報取得部7、および電源部8をそれぞれ制御する。制御部4は、制御装置2との信号の送受信をするための通信部を含む。
【0017】
制御装置2は、制御部4と通信可能に接続される。制御装置2は、制御部4と無線により接続されてもよいし、制御部4と有線により接続されてもよい。制御装置2は、一例では、Bluetooth(登録商標)によって、制御部4と通信可能に接続される。
【0018】
制御装置2は、健康補助装置1を制御する。制御装置2は、半導体集積回路、電子部品、回路基板などの組み合わせである。制御装置2は、各種データおよび各種プログラムを記憶している記憶装置20と、これらプログラムを実行するプロセッサとを有する。制御装置2は、一例ではスマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチまたはパーソナルコンピュータであるが、この例に限られない。
【0019】
制御装置2は、入力モジュール21と、認識モジュール22と、制御モジュール23と、を含む。制御装置2は、例えば、上記プロセッサが記憶装置20に記憶されているプログラムを実行することにより入力モジュール21、認識モジュール22、制御モジュール23、その他の各種機能を実現する。
【0020】
入力モジュール21は、例えば、タッチパネルなどの入力デバイスに対するユーザの操作に応じた入力を受け付け、ユーザの操作内容を示す入力データを認識モジュール22に出力する。ユーザは、例えば、振動振幅、振動周波数、波形、音源データ、ユーザの状態を監視するか否か、動作パターンなどの指定を行うことができる。また、入力モジュール21は、生体情報取得部7で取得された生体情報に応じた入力を受け付け、生体情報を示す入力データを認識モジュール22に出力する。
【0021】
認識モジュール22は、入力モジュール21から受け付けた入力データの示す操作内容(ユーザの指定内容)を認識する。ユーザの指定内容は、例えば、振動振幅、振動周波数、波形、音源データ、ユーザの状態を監視するか否か、動作パターンなどである。認識モジュール22は、さらに、入力モジュール21から受け付けた入力データの示す生体情報を認識する。
【0022】
制御モジュール23は、振動発生部5および加温部6を制御する制御手段として機能する。さらに、制御モジュール23は、生体情報取得部7によって取得された生体情報に基づいて振動発生部5および加温部6を制御する制御手段として機能してもよい。具体的には、制御モジュール23は、認識モジュール22の認識結果に基づいて、健康補助装置1をどのように制御するかを決定する。
【0023】
健康補助システム100は、図1および図2に示した構成要素以外の他の要素を含むものとして定義されてもよい。例えば、健康補助装置1は、操作ボタンなどをさらに備えてもよい。
【0024】
続いて、図3および図4を用いて、健康補助装置1について説明する。
【0025】
図3は、本実施形態に係る健康補助システム100が備える健康補助装置1の概略的な正面図である。図4は、図3に示された第1接触部41および第2接触部42を概略的に示す図である。健康補助装置1は、図1を用いて説明したように、装着部3、制御部4、振動発生部5、加温部6、生体情報取得部7および電源部8を備える。
【0026】
以下では、図3および図4に示すように、上方向U、下方向D、左方向L、右方向R、前方向F、および後方向Bをそれぞれ定義する。上方向Uおよび下方向Dを合わせて上下方向と呼び、左方向Lおよび右方向Rを合わせて左右方向と呼び、前方向Fおよび後方向Bを合わせて前後方向と呼ぶ場合がある。
【0027】
上下方向、左右方向、および前後方向は互いに直交するが、90°以外の角度で交差してもよい。上下方向、左右方向、および前後方向は、健康補助装置1の使用時の上下方向、左右方向、および前後方向と一致していなくてもよい。また、上方向Uと下方向Dとは入れ替わってもよいし、左方向Lと右方向Rとは入れ替わってもよいし、前方向Fと後方向Bとは入れ替わってもよい。
【0028】
装着部3は、ユーザが装着可能な形状を有する。本実施形態において、装着部3は、ユーザの首部に装着することができる。健康補助装置1をユーザが装着した状態については、後述の図7および図8を用いて説明する。
【0029】
装着部3は、例えば、主に樹脂材料によって形成することができる。ただし、装着部3は、金属材料によって形成される部分を含んでもよい。装着部3は、図3に示すように、アーム部31と、接触部40と、を有する。アーム部31は、例えば、すべりにくい材料によって形成される。
【0030】
アーム部31は、ユーザの首部の外周に沿う形状を有している。具体的には、アーム部31は、例えば、略U字型形状を有する。アーム部31の形状はこの例に限られず、アーム部31は、左右方向に延びる直線状の部分や、上下方向に延びる直線状の部分を含んでもよい。アーム部31は、例えば、前後方向に所定の幅を有する。
【0031】
アーム部31は、端部31aと、端部31aと反対側に位置する端部31bと、対向面32と、を有する。端部31aはアーム部31の周方向θ(図3に示す)の一端に位置し、端部31bはアーム部31の周方向θの他端に位置する。言い換えると、図3に示す例において、端部31aはアーム部31の右側の端部に相当し、端部31bはアーム部31の左側の端部に相当する。
【0032】
対向面32は、ユーザの首部と向かい合う面である。対向面32は、図3に示す例において、端部31aから端部31bにわたり形成される。対向面32は、抵抗面を含む。抵抗面34は、健康補助装置1を装着した際にユーザと接触し、アーム部31の位置ずれを抑制する。
【0033】
図3においては、抵抗面34が形成されている領域を領域A34で示す。抵抗面34は、対向面32の全体に設けられてもよいし、対向面32の一部に設けられてもよい。抵抗面34は、例えば、装着部3を形成する材料とは異なる材料で形成することによって形成されてもよいし、対向面32の表面処理とは異なる処理をすることによって形成されてもよい。
【0034】
接触部40は、ユーザの身体の一部と接触する。具体的には、接触部40は、ユーザの耳部または首部と接触する。言い換えると、接触部40は、ユーザの首部および耳部と接触可能に装着部3に設けられる。接触部40は、ユーザの首部および耳部において、ユーザの自律神経に振動による刺激を与える。接触部40は、第1接触部41と、第2接触部42と、を有する。
【0035】
第1接触部41は端部31aに設けられ、第2接触部42は端部31bに設けられる。第2接触部42は、第1接触部41と向かい合う。第1接触部41および第2接触部42は、図4に示す例において、略円形状を有する。第1接触部41および第2接触部42の直径は、例えば、約10mm~60mmである。第1接触部41および第2接触部42の直径は、一例では、約40mmである。
【0036】
なお、第1接触部41および第2接触部42が有する形状は、この例に限られない。第1接触部41および第2接触部42は、例えば、略長方形状を有してもよいし、楕円形状を有してもよいし、他の形状を有してもよい。
【0037】
第1接触部41は第2接触部42と向かい合う第1面411を有し、第2接触部42は第1接触部41と向かい合う第2面421を有する。第1面411および第2面421は、健康補助装置1を装着した際、ユーザの皮膚と接触する面に相当する。
【0038】
第1面411および第2面421は、図3に示す例において、緩やかな凸形状を有する。他の観点からは、第1面411および第2面421は、ユーザに向けて突出するように形成される。第1面411および第2面421がこのように形成されることによって、振動を与えたい部分に第1接触部41および第2接触部42を接触させやすくなる。第1面411および第2面421は、この例に限られず、他の形状を有してもよい。
【0039】
アーム部31は、弾性(ばね性)を有する。これにより、第1接触部41と第2接触部42とが離れる方向にアーム部31に力を加えると、第1接触部41と第2接触部42との左右方向の距離は大きくなる。また、アーム部31に加えた力を取り除くと、第1接触部41および第2接触部42は、元の位置に戻る。そのため、ユーザは、容易に健康補助装置1を装着したり、外したりすることができる。
【0040】
装着部3は、調整機構をさらに有してもよい。調整機構は、図3に示す例において、第1接触部41の位置を調整する第1調整機構36と、第2接触部42の位置を調整する第2調整機構37と、を有する。第1調整機構36はアーム部31の端部31aに設けられ、第2調整機構37はアーム部31の端部31bに設けられる。
【0041】
第1調整機構36および第2調整機構37は、アーム部31に対する第1接触部41および第2接触部42の位置を矢印の方向D1,D2(図3に示す)にそれぞれ調整することができる。例えば、第1接触部41および第2接触部42がアーム部31に最も近づいた位置を位置P1(第1位置)とし、第1接触部41および第2接触部42がアーム部31から最も離れた位置を位置P2(第2位置)とする。
【0042】
図3においては、位置P1に位置する第1接触部41および第2接触部42をそれぞれ実線で示し、位置P2に位置する第1接触部41および第2接触部42をそれぞれ破線で示す。第1調整機構36および第2調整機構37は、位置P1と位置P2との間において、第1接触部41および第2接触部42の位置を調整する。
【0043】
第1調整機構36および第2調整機構37を有する装着部3であれば、ユーザごとに異なる首の太さや頭の大きさに対応することができる。言い換えると、ユーザは、第1調整機構36および第2調整機構37によって、振動を与えたい位置に応じて、第1接触部41および第2接触部42の位置を調整することができる。
【0044】
装着部3の長さは、一例では、第1調整機構36および第2調整機構37によって、約1.5倍以上に伸びる。装着部3の長さは、他の例では、第1調整機構36および第2調整機構37によって、約80mmに伸びる。第1調整機構36および第2調整機構37は、さらに他の例では、装着部3を多段階に分けて伸ばすように構成されてもよい。
【0045】
ただし、第1調整機構36および第2調整機構37が設けられる位置は、この例に限られない。調整機構には、種々の機構を適用することができる。
【0046】
振動発生部5は、ユーザの自律神経に刺激を与える振動を発生する。振動発生部5は、第1接触部41および第2接触部42を振動させる。これにより、第1接触部41および第2接触部42は、振動発生部5から出力される振動によりユーザの自律神経に振動による刺激を与えることができる。
【0047】
振動発生部5は、図4に示すように、第1触覚デバイス51と、第2触覚デバイス52と、を有する。第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52は、一例では、電磁素子であるリニア共振アクチュエータであるが、この例に限られない。
【0048】
第1接触部41は第1触覚デバイス51によって振動し、第2接触部42は第2触覚デバイス52によって振動する。図4に示す例において、第1触覚デバイス51は第1接触部41に位置し、第2触覚デバイス52は第2接触部42に位置する。第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52は、第1接触部41および第2接触部42を振動させるために適切な位置に配置される。
【0049】
ここで、振動発生部5の振動周波数について説明する。
図5は、振動周波数の一例を説明するための図である。図5において、横軸は周波数(Hz)を示し、縦軸はレベル(dB)を示す。図5には、低周波数域ALに位置する曲線W1と、可聴域AHに位置する曲線W2と、を示す。可聴域AHは、例えば、周波数が約20Hzから約20kHzである。
【0050】
低周波数域ALの周波数は、ユーザの自律神経に刺激を与えることに適した周波数域である。低周波数域ALの周波数は、例えば、100Hz以下である。ユーザの自律神経に刺激を与えるための振動周波数は、例えば、60Hz~80Hzの周波数で構成されることが好ましい。他の観点からは、低周波数域ALは、例えば、可聴域AHには含まれない周波数が20Hz以下を含んでもよい。
【0051】
振動発生部5は、所望の振動周波数に基づく振動を出力することができる。第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52は、低周波数域ALの周波数に基づいて振動し、ユーザの自律神経に刺激を与える。
【0052】
言い換えると、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52は、低周波数域ALの周波数において、ユーザの自律神経に刺激を与える強度で振動する。これにより、健康補助装置1は、第1接触部41および第2接触部42を介して、ユーザの自律神経に刺激を与えることができる。
【0053】
第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52は、さらに、可聴域AHの周波数に基づいて振動することで、ユーザが聴取することができる音を再生する。ここで、音とは、音楽、音声ガイダンス、警告音などを含む。健康補助装置1は、例えば、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52によって、ユーザの自律神経に刺激を与えながら、ユーザが聴取する音を再生する。
【0054】
加温部6は、ユーザの首部や耳部に熱を与える。すなわち、健康補助装置1は、ユーザの身体の一部を温めることができる。加温部6は、装着部3の少なくとも一部に設けられる。加温部6は、一例では、第1接触部41に設けられた熱源61と、第2接触部42に設けられた熱源62と、アーム部31に設けられた熱源63と、を有する。
【0055】
熱源63は、図3に示す例において、アーム部31の周方向θの略中央部に位置する。熱源63の位置は、この例に限られない。アーム部31には、複数の熱源63が設けられてもよい。
【0056】
熱源61,62,63は、一例では、フィルムヒータや抵抗器であるが、この例に限られない。加温部6は、制御装置2によって、複数(例えば、3段階)の温度に調整することができてもよいし、所定の温度範囲において任意の温度に調整することができてもよい。
【0057】
電源部8は、装着部3を除く健康補助装置1を構成する各部に電力を供給する。電源部8は、バッテリ81を有する。バッテリ81は、装着部3の所望の位置に設けられる。バッテリ81は、一例では、第1接触部41に設けられるが、この例に限られない。
【0058】
装着部3は、例えば、バッテリを充電するための充電ポート(図示しない)をさらに有する。電源部8がバッテリ81によって電力を供給する場合、コードレスで健康補助装置1を使用することができる。なお、電源部8は、バッテリ81以外の他種の電源を有してもよい。
【0059】
続いて、生体情報取得部7について説明する。
生体情報取得部7は、ユーザの生体情報を取得する。ここで、ユーザの生体情報とは、ユーザの姿勢、ユーザが発する音、心拍変動、体温などの各種情報を含む。生体情報取得部7で取得されたユーザの生体情報を示す信号は、制御部4を介して、制御装置2に送信される。
【0060】
生体情報取得部7は、一例では、ジャイロセンサを有する。これにより、生体情報取得部7は、ユーザの姿勢に関する情報を取得することができる。生体情報取得部7は、ジャイロセンサ以外のセンサを有することによって、ユーザの姿勢に関する情報を取得してもよい。
【0061】
生体情報取得部7は、一例では、脈波センサを有する。これにより、生体情報取得部7は、ユーザの心拍変動に関する情報を取得することができる。生体情報取得部7は、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52の少なくとも1つによって、ユーザの心拍変動に関する情報を取得してもよい。脈波センサと、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52の少なくとも1つとを組み合わせることによって、ユーザの心拍変動に関する情報を取得してもよい。
【0062】
これらを組み合わせることによって、精度よくユーザの心拍変動に関する情報を取得することができる。生体情報取得部7は、脈波センサ以外のセンサ(例えば、感圧センサ)を有することによって、ユーザの心拍変動に関する情報を取得してもよい。
【0063】
生体情報取得部7は、一例では、マイクを有する。これにより、生体情報取得部7は、ユーザが発する音に関する情報を取得することができる。ユーザが発する音とは、例えば、いびきや呼吸音などである。生体情報取得部7は、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52の少なくとも1つによって、ユーザが発する音に関する情報を取得してもよい。
【0064】
生体情報取得部7は、上記の少なくとも一つの生体情報を取得するように構成されてもよいし、複数または全ての生体情報を取得するように構成されてもよい。生体情報を取得するためのジャイロセンサ、脈波センサおよびマイクは、健康補助装置1の所望の位置にそれぞれ設けられる。
【0065】
制御部4は、図示しない回路基板などを有する。制御部4を構成する各部材は、健康補助装置1の所望の位置にそれぞれ設けられる。
【0066】
続いて、ユーザが健康補助装置1を装着した状態について説明する。
【0067】
図6は、ユーザUSの迷走神経N1,N2および胸鎖乳突筋M1の位置を説明するための図である。図6は、ユーザUSを左方向Lに見ている。図6には、ユーザUSの首部91の左側の側部に位置する第1領域A1と、ユーザUSの耳部92のうち左耳に位置する第2領域A2と、をそれぞれ示す。図示されていないが、第1領域A1はユーザUSの首部91の右側の側部にも位置し、第2領域A2はユーザUSの耳部92のうち右耳にも位置する。
【0068】
第1領域A1および第2領域A2には、迷走神経N1,N2がそれぞれ位置する。自律神経は、交感神経および副交感神経で構成される。迷走神経N1,N2は、交感神経として機能したり、副交感神経として機能したりする。迷走神経N1,N2は、自律神経を構成する神経の1つである。第1領域A1には、さらに、胸鎖乳突筋M1が位置する。
【0069】
図7および図8は、ユーザUSが健康補助装置1を装着した状態の一例を示す図である。図7において、アーム部31は、ユーザの首部91の外周に沿うように位置する。アーム部31は、図7に示す例において、ユーザUSの首部91の付け根(ユーザUSの頭部側)に位置する。第1接触部41はユーザUSの左側の第1領域A1において首部91と接触し、第2接触部42はユーザUSの右側の第1領域A1において首部91と接触する。
【0070】
第1触覚デバイス51が振動すると、第1接触部41を介して、左側の第1領域A1およびその近傍に位置する迷走神経N1(自律神経)に振動による刺激を与えることができる。
【0071】
同様に、第2触覚デバイス52が振動すると、第2接触部42を介して、右側の第1領域A1およびその近傍に位置する迷走神経N1(自律神経)に振動による刺激を与えることができる。
【0072】
第1領域A1には、胸鎖乳突筋M1が位置している。そのため、第1触覚デバイス51が振動すると、第1接触部41を介して、左側の第1領域A1およびその近傍に位置する胸鎖乳突筋M1に振動による刺激を与えることができる。
【0073】
同様に、第2触覚デバイス52が振動すると、第2接触部42を介して、右側の第1領域A1およびその近傍に位置する胸鎖乳突筋M1に振動による刺激を与えることができる。
【0074】
ユーザUSは、例えば、調整機構によって、胸鎖乳突筋M1のうち、上部(頭側)に刺激を与えたり、下部(胸側)に刺激を与えたり調整することができる。さらに、図7に示す例において、加温部6は、首部91を温める。
【0075】
図8において、第1接触部41はユーザUSの左側の第2領域A2において左耳と接触し、第2接触部42はユーザUSの右側の第2領域A2において右耳と接触する。アーム部31は、図7と同様に、ユーザの首部91に位置する。ユーザUSは、例えば、首部91の付け根に設けられたアーム部31を支点として、第1接触部41および第2接触部42の位置を変更することができる。
【0076】
第1触覚デバイス51が振動すると、第1接触部41を介して、左側の第2領域A2およびその近傍に位置する迷走神経N2(自律神経)に振動による刺激を与えることができる。
【0077】
同様に、第2触覚デバイス52が振動すると、第2接触部42を介して、右側の第2領域A2およびその近傍に位置する迷走神経N2(自律神経)に振動による刺激を与えることができる。
【0078】
さらに、図8に示す例において、加温部6は左耳および右耳を温める。図8に示す例においては、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52が音を再生する場合、その音を聴取することができる。
【0079】
装着部3のアーム部31は、ユーザUSの首部91に沿う形状を有している。そのため、例えば、睡眠中にユーザUSが健康補助装置1を装着した状態であっても、邪魔になりにくい。
【0080】
続いて、健康補助システム100の処理の一例を説明する。制御装置2は、記憶装置20に記憶されたプログラムを実行することにより、各フローチャートに示す動作を行う。図9は、本実施形態に係る健康補助システム100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0081】
ステップST101において、入力モジュール21がユーザの操作に応じた入力を受け付け、ユーザの操作内容を示す入力データを認識モジュール22に出力する。
【0082】
ステップST102において、認識モジュール22が入力モジュール21から入力データを受け付け、受け付けた入力データの示す内容を認識する。
【0083】
ステップST103において、制御モジュール23が認識モジュール22での認識結果に基づいて、健康補助装置1をどのように動作させるかを決定する。
【0084】
ステップST104において、制御装置2が制御信号を健康補助装置1の制御部4に送信する。当該制御信号は、例えば、制御モジュール23がステップST103の決定結果に基づいて出力する。
【0085】
ステップST104において、制御モジュール23は、例えば、ユーザの自律神経に刺激を与えるために振動発生部5を振動させる制御信号と、ユーザが聴取する音を再生するために振動発生部5を振動させる制御信号と、を出力する。これにより、健康補助装置1は、第1接触部41および第2接触部42を介して、ユーザの自律神経に振動による刺激を与えるとともに、ユーザが聴取する音を再生することができる。
【0086】
制御モジュール23は、ユーザが選択した音源データに基づいて、自律神経に刺激を与えるように振動する新たな振動データを生成し、当該振動データに基づく制御信号を出力してもよい。これにより、健康補助装置1は、ユーザが選択した音源データに対応した振動による刺激を自律神経に与えることができる。その結果、健康補助装置1は、ユーザにより高いリラックス効果を提供することができる。
【0087】
図10および図11は、ユーザが選択した音源データに対応する振動の一例を説明するための図である。図10および図11において、横軸は時間を示す。制御モジュール23は、一例では、ユーザが選択した音源データの波形MD1からBPM(Beats Per Minites)を抽出する。BPMは、テンポと呼ばれる場合もある。BPMは、例えば、波形MD1から音圧のピークPKを抽出し、ピークPKとピークPKとの間隔を算出することによって抽出する。BPMの抽出方法は、この例に限られない。
【0088】
制御モジュール23は、抽出したBPMに合わせて振動による刺激を与えるような新たな振動データを生成し、振動データに基づく制御信号を出力する。図10には、振動データに含まれる自立律神経に刺激を与える振動の出力FD1を示す。これにより、第1触覚デバイス51と第2触覚デバイス52は、図10に示す例のように、ユーザが選択した音源データのBPMに合わせて振動する。制御モジュール23は、音源データの波形に対して、自律神経に刺激を与える振動を重ね合わせた振動データを新たに生成する。
【0089】
制御モジュール23は、他の例では、ユーザが選択した音源データの波形MD2のレベルLV1(音圧)を抽出する。制御モジュール23は、抽出したレベルLV1の変化に合わせて、振動のレベルLV2(強度)が変化するような新たな振動データを生成し、振動データに基づく制御信号を出力する。図11には、振動データに含まれる自立律神経に刺激を与える振動の出力FD2を示す。
【0090】
これにより、第1触覚デバイス51と第2触覚デバイス52は、図11に示す例のように、ユーザが選択した音源データのレベルLV1の変化に合わせて振動のレベルLV2が変化するように振動する。
【0091】
制御モジュール23は、他の例では、ユーザが選択した音源データの波形から100Hz以下の周波数域を抽出する。制御モジュール23は、抽出した周波数域をイコライザにより強調した新たな振動データを生成し、当該振動データに基づく制御信号を出力する。イコライザにより強調した100Hz以下の周波数に基づく振動は、ユーザの自律神経に刺激を与える振動となる。
【0092】
制御モジュール23は、他の例では、第1触覚デバイス51と第2触覚デバイス52とが異なる周波数に基づいて振動するような制御信号を出力してもよい。制御モジュール23は、さらに他の例として、1/fのゆらぎに基づいて振動するような制御信号を出力してもよい。
【0093】
具体的には、自律神経に刺激を与えるための振動が1/fのゆらぎとなるように制御されてもよいし、再生される音が1/fのゆらぎとなるように制御されてもよいし、自律神経に刺激を与えるための振動および再生される音が1/fのゆらぎとなるように制御されてもよい。
【0094】
制御モジュール23は、さらに他の例では、ユーザの深い呼吸を誘導するような制御信号を出力してもよい。制御モジュール23によって、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52は、例えば、自律神経に刺激を与えるように振動するとともに、音声ガイダンスを再生する。
【0095】
図12は、音声ガイダンスの一例を説明するための図である。図12において、横軸は時間を示し、縦軸は振幅を示す。音声ガイダンスは、例えば、所定の間隔で、複数の音声が繰り返し再生される。一例では、「鼻から息を吸って」(3秒間)、「口から息を吐いて」(5秒間)、「大きく息を吸って」(3秒間)、「おなかを凹まして吐き切って」(5秒間)との音声がこの順で繰り返し再生される。
【0096】
自律神経に刺激を与える振動は、例えば、再生される音声に応じて振幅を変化させてもよい。音声に合わせてユーザに与える振動が変化することによって、ユーザの深い呼吸を誘導しやすくなる。なお、自律神経に刺激を与える振動は、例えば、再生される音声に応じて振幅および周波数がそれぞれ変化してもよい。
【0097】
ステップST105において、健康補助装置1の振動発生部5(第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52)が制御装置2から受信した制御信号に従って、振動する。
【0098】
図13は、本実施形態に係る健康補助システム100によるユーザの状態を監視する際の処理の一例を示すフローチャートである。例えば、ステップST103(図9に示す)において制御モジュール23がユーザの状態を監視すると認識した場合、ステップST104(図9に示す)において、制御装置2が生体情報取得部7を制御するための制御信号を健康補助装置1に送信する。そして、以下の各工程が実行される。
【0099】
ステップST201において、入力モジュール21が生体情報取得部7で取得された生体情報に応じた入力を受け付け、生体情報を示す入力データを認識モジュール22に出力する。
【0100】
ステップST202において、認識モジュール22が入力モジュール21から入力データを受け付け、受け付けた入力データの示す内容を認識する。
【0101】
ステップST203において、制御モジュール23が認識モジュール22での認識結果に基づいて、ユーザの状態を判定する。制御モジュール23がユーザの状態を判定するために必要なデータなどは、例えば、予め記憶装置20に記憶される。
【0102】
ステップST204において、制御モジュール23がステップST203の判定結果に基づいて、ユーザに振動による刺激を与えるか否かをさらに判定する。ユーザに振動による刺激を与える必要がないと判定した場合(ステップST204のNo)、ステップST201に戻り、ユーザの状態の監視を続ける。
【0103】
ユーザに振動による刺激を与える必要があると判定した場合(ステップST204のYes)、ステップST205において、制御装置2が制御信号を健康補助装置1の制御部4に送信する。当該制御信号は、例えば、制御モジュール23が判定結果に基づいて出力する。
【0104】
ステップST206において、健康補助装置1の振動発生部5(第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52)が制御装置2から受信した制御信号に従って、振動する。
【0105】
これにより、第1接触部41および第2接触部42は、生体情報取得部7によって取得された情報に基づく振動による刺激をユーザに与えることができる。その後、ステップST201に戻り、ユーザの状態の監視を続ける。健康補助システム100は、例えば、ステップST201からステップST205の各工程を繰り返すことによって、ユーザの状態を監視する。
【0106】
ステップST206において、振動発生部5が振動する際に、振動発生部5は音声ガイダンスを再生してもよい。言い換えると、ステップST205において出力される制御信号は、音声ガイダンスの情報を含んでもよい。
【0107】
ここで、図13に示すフローチャートに沿って、ユーザの状態を監視する場合について説明する。
【0108】
まず、ユーザの状態の一例として、ユーザの姿勢を監視する例を開示する。この場合、生体情報取得部7は、例えば、ジャイロセンサを有する。
【0109】
ステップST201において、入力モジュール21が生体情報取得部7で取得されたユーザの姿勢に関する入力を受け付け、ユーザの姿勢に関する入力データを認識モジュール22に出力する。
【0110】
ステップST202において、認識モジュール22が入力モジュール21から入力データを受け付け、受け付けた入力データの示す内容を認識する。
【0111】
ステップST203において、制御モジュール23が認識結果に基づいて、ユーザの姿勢が正しい位置にあるか否かを判定する。
【0112】
例えば、ユーザの姿勢がスマホ首(ストレートネック)に該当する場合、制御モジュール23がユーザの姿勢が正しい位置にないと判定する。ここで、スマホ首とは、頚椎の湾曲がなくなり、真っすぐになった状態である。ユーザの姿勢が正しい位置にあるか否かを判定する基準は、この例に限られない。
【0113】
ユーザの姿勢が正しい位置にあると判定した場合、ステップST204において、制御モジュール23がユーザに振動による刺激を与える必要がないと判定する(ステップST204のNo)。一方、ユーザの姿勢が正しい位置にないと判定した場合、制御モジュール23がユーザに振動による刺激を与える必要があると判定する(ステップST204のYes)。
【0114】
ステップST205において、制御装置2が制御信号を健康補助装置1の制御部4に送信する。ステップST206において、健康補助装置1の振動発生部5が制御装置2から受信した制御信号に従って、振動する。
【0115】
健康補助装置1が首部91(図6に示す)に装着されている場合、例えば、ユーザの姿勢を正しい位置に誘導するために、制御モジュール23が振動による刺激を胸鎖乳突筋に与える制御信号を出力する。ステップST206では、例えば、「姿勢が悪くなっています」などの音声ガイダンスがさらに再生されてもよい。
【0116】
続いて、ユーザの状態の他の例として、図13に示すフローチャートに沿って、ユーザの心拍変動を監視する例を開示する。この場合、生体情報取得部7は、例えば、脈波センサまたは感圧センサを有する。
【0117】
ステップST201において、入力モジュール21が生体情報取得部7で取得されたユーザの心拍変動に関する入力を受け付け、ユーザの心拍変動に関する入力データを認識モジュール22に出力する。
【0118】
ステップST202において、認識モジュール22が入力モジュール21から入力データを受け付け、受け付けた入力データの示す内容を認識する。
【0119】
ステップST203において、制御モジュール23が認識結果に基づいて、ユーザの自律神経の活性度を判定する。
【0120】
図14は、心拍変動をスペクトル解析した一例を説明するための図である。図14において、横軸は周波数(Hz)を示し、縦軸はパワー(msec/Hz)を示す。
【0121】
例えば、心拍変動をスペクトル解析することによって得られる0~0.4Hzの周波数から、LF成分およびHF成分のパワースペクトルの強度を算出することができる。LF成分およびHF成分のパワースペクトルの強度から、交感神経の活性度、副交感神経の活性度、交感神経と副交感神経のバランスなどを算出することができる。制御モジュール23は、記憶装置20に予め記憶された判定基準に基づいて、LF成分およびHF成分のパワースペクトルの強度から自律神経の活性度を判定する。
【0122】
ここで、LF成分のパワースペクトルの強度SP1(図14に示す)とは、周波数が0.05Hzから0.15Hzまでのパワースペクトルの合計値であり、HF成分のパワースペクトルの強度SP2(図14に示す)とは、周波数が0.15Hzから0.4Hzまでのパワースペクトルの合計値である。
【0123】
例えば、LF成分のパワースペクトルの強度SP1およびHF成分のパワースペクトルの強度SP2の比(SP1/SP2)が高い場合には交感神経が優位であり、低い場合には副交感神経が優位である。言い換えると、HF成分のパワースペクトルの強度SP2がLF成分のパワースペクトルの強度SP1よりも高い場合は副交感神経の活性度が高く、HF成分のパワースペクトルの強度SP2がLF成分のパワースペクトルの強度SP1よりも低い場合は交感神経の活性度が高い。
【0124】
自律神経の活性度が大きいと判定した場合、ステップST204において、制御モジュール23がユーザに振動による刺激を与える必要がないと判定する(ステップST204のNo)。一方、自律神経の活性度が小さいと判定した場合、制御モジュール23がユーザに振動による刺激を与える必要があると判定する(ステップST204のYes)。
【0125】
ステップST205において、制御装置2が制御信号を健康補助装置1の制御部4に送信する。ステップST206において、健康補助装置1の振動発生部5が制御装置2から受信した制御信号に従って、振動する。制御モジュール23は、例えば、自律神経の活性度を大きくする振動を発生させるための制御信号を出力する。
【0126】
続いて、例えば生体情報取得部7が、マイクを含む例を開示する。これにより、生体情報取得部7は、ユーザが発する音(いびき、呼吸音)に関する情報を取得することができる。
【0127】
まず、ユーザの状態の他の例として、図13に示すフローチャートに沿って、ユーザのいびきを監視する例を開示する。
【0128】
ステップST201において、入力モジュール21が生体情報取得部7で取得された音に関する入力を受け付け、音に関する入力データを認識モジュール22に出力する。
【0129】
ステップST202において、認識モジュール22が入力モジュール21から入力データを受け付け、受け付けた入力データの示す内容を認識する。
【0130】
ステップST203において、制御モジュール23が認識結果に基づいて、ユーザがいびきをかいているか否かを判定する。
【0131】
ユーザがいびきをかいていないと判定した場合、ステップST204において、制御モジュール23がユーザに振動による刺激を与える必要がないと判定する(ステップST204のNo)。一方、ユーザがいびきをかいていると判定した場合、制御モジュール23がユーザに振動による刺激を与える必要があると判定する(ステップST204のYes)。
【0132】
ステップST205において、制御装置2が制御信号を健康補助装置1の制御部4に送信する。ステップST206において、健康補助装置1の振動発生部5が制御装置2から受信した制御信号に従って、振動する。制御モジュール23は、例えば、ユーザの睡眠を阻害せず、いびきの抑制効果が高まるような振動を発生させるための制御信号を出力する。
【0133】
ユーザの状態の他の例として、図13に示すフローチャートに沿って、ユーザの呼吸を監視する例を開示する。
【0134】
ステップST201において、入力モジュール21が生体情報取得部7で取得された音に関する入力を受け付け、音に関する入力データを認識モジュール22に出力する。
【0135】
ステップST202において、認識モジュール22が入力モジュール21から入力データを受け付け、受け付けた入力データの示す内容を認識する。
【0136】
ステップST203において、制御モジュール23が認識結果に基づいて、ユーザが呼吸をしているか否かを判定する。
【0137】
ユーザが呼吸をしていると判定した場合、ステップST204において、制御モジュール23がユーザに振動による刺激を与える必要がないと判定する(ステップST204のNo)。一方、ユーザが呼吸をしていない(無呼吸)と判定した場合、制御モジュール23がユーザに振動による刺激を与える必要があると判定する(ステップST204のYes)。
【0138】
ステップST205において、制御装置2が制御信号を健康補助装置1の制御部4に送信する。ステップST206において、健康補助装置1の振動発生部5が制御装置2から受信した制御信号に従って、振動する。制御モジュール23は、例えば、ユーザの睡眠を阻害せず、呼吸への誘導効果が高まるような振動を発生させるための制御信号を出力する。
【0139】
ここでは、健康補助システム100によって、ユーザのいびきと呼吸とを監視する例をそれぞれ開示するが、健康補助システム100は、ユーザのいびきと呼吸とを同時に監視するように構成されてもよい。
【0140】
さらに、健康補助システム100は、例えば、生体情報取得部7によって、ユーザの睡眠前後および睡眠中の状態を監視してもよい。これにより、健康補助装置1をユーザの入眠への誘導や起床への誘導をする際に使用することもできる。
【0141】
健康補助装置1は、生体情報取得部7によって取得された情報に基づいて、さらにユーザに熱を与えてもよい。図15は、本実施形態に係る健康補助システム100によるユーザの状態を監視する際の処理の一例を示すフローチャートである。ステップST201からステップST206においては、図13を用いて説明したとおりである。
【0142】
ステップST206の後、ステップST207において、制御モジュール23が認識モジュール22での認識結果に基づいて、ユーザを加温するか否かをさらに判定する。ステップST207における判定基準は、ステップST204のおける判定基準と同じであってもよいし、異なってもよい。ユーザを加温する必要がないと判定した場合(ステップST207のNo)、ステップST201に戻り、ユーザの状態の監視を続ける。
【0143】
ユーザを加温する必要があると判定した場合(ステップST207のYes)、ステップST208において、制御装置2が制御信号を健康補助装置1の制御部4に送信する。当該制御信号は、例えば、制御モジュール23が判定結果に基づいて出力する。ステップST209において、健康補助装置1の加温部6が制御装置2から受信した制御信号に従って、動作する。
【0144】
これにより、第1接触部41および第2接触部42は、生体情報取得部7によって取得された情報に基づいて振動による刺激をユーザに与えたり、生体情報取得部7によって取得された情報に基づいてユーザに熱を与えたりすることができる。
【0145】
その後、ステップST201に戻り、ユーザの状態の監視を続ける。健康補助システム100は、例えば、ステップST201からステップST209の各工程を繰り返すことによって、ユーザの状態を監視する。
【0146】
例えば、ユーザの心拍変動を監視する場合、自律神経の活性度が小さいと判定した場合、ステップST207において、制御モジュール23がユーザを加温する必要があると判定してもよい。
【0147】
健康補助装置1は、ユーザが選択した動作パターンに基づいて振動するように制御されてもよい。動作パターンには、例えば、監視状態に応じた動作パターン、使用シーンに応じた動作パターンなどがある。これらの動作パターンは、予め記憶装置20に記憶される。
【0148】
監視状態に応じた動作パターンとは、例えば、ユーザが緊張状態にあると判定された場合における自律神経のバランスを調整するための動作パターンである。緊張状態とは、交感神経が優位な状態や心拍数が増加している状態などをいう。なお、監視状態に応じた動作パターンは、この例に限られない。
【0149】
使用シーンとは、例えば、就寝前などのリラックスしたい場面、プレゼンや試合前などの集中したい場面、朝昼晩における健康推進補助が必要な場面などである。なお、使用シーンは、これらの例に限られない。使用シーンに応じた動作パターンとは、これらの使用シーンに応じて予め設定された動作パターンである。
【0150】
一例では、図9を用いて説明したステップST103において、制御モジュール23がユーザの選択した使用シーンを認識した場合を想定する。この場合、制御モジュール23は、選択された使用シーンに応じてユーザにリコメンドする複数の動作パターンを選択し、制御装置2の表示部(例えば、タッチパネル)などを介して、複数の動作パターンをユーザに提示する。
【0151】
これにより、ユーザは、提示された複数の動作パターンから所望の動作パターンを選択することができる。ユーザが動作パターンを選択すると、ステップST105において、選択された動作パターンに応じて動作するように健康補助装置1が制御される。
【0152】
他の例では、図13を用いて説明したステップST204において、制御モジュール23が振動による刺激を与える必要があると判定した場合を想定する。この場合、制御モジュール23は、監視状態に応じてユーザにリコメンドする複数の動作パターンを選択し、制御装置2の表示部などを介して、複数の動作パターンユーザに提示する。
【0153】
これにより、ユーザは、提示された複数の動作パターンから所望の動作パターンを選択することができる。ユーザが動作パターンを選択すると、ステップST206において、選択された動作パターンに応じて動作するように、健康補助装置1が制御される。
【0154】
ここでは、制御モジュール23が判定結果に基づいてユーザにリコメンドする複数の動作パターンを選択する例を開示するが、ユーザへの動作パターンの提示は、ユーザが状態を監視するか否かを選択する際に提示するように制御されてもよい。
【0155】
以上のように構成された健康補助装置1を備える健康補助システム100であれば、ユーザに高いリラックス効果を与えることが可能である。具体的には、本実施形態に係る健康補助システム100は、健康補助装置1と、健康補助装置1を制御する制御装置2と、を備える。
【0156】
より具体的には、健康補助装置1は、ユーザの自律神経に刺激を与える振動を発生する振動発生部5を備える。振動発生部5から出力される振動によって、ユーザは自律神経に刺激を与えることができる。
【0157】
比較例として、例えば、もみ玉と、もみ玉を駆動させるモータと、を備えるマッサージ器などがある。このようなマッサージ器では、自律神経を整えるための振動による刺激を与えることができない。他の比較例として、例えば、電流による刺激を与える装置がある。このような装置は、電気による刺激をユーザが不快に感じる場合があるため、自律神経を整えるための刺激を与える装置として不向きである。
【0158】
本実施形態であれば、健康補助装置1によって、ユーザが不快に感じにくい振動による刺激を迷走神経に与え、自律神経を整えることができる。その結果、健康補助装置1であれば、上述の比較例よりも、ユーザに高いリラックス効果を与えることが可能である。
【0159】
本実施形態において、健康補助装置1は、ユーザに装着される装着部3をさらに備える。装着部3は、ユーザの首部91および耳部92の少なくとも一方と接触する接触部40を有する。接触部40は、振動発生部5の振動により振動する。接触部40は、第1接触部41および第2接触部42を有する。
【0160】
これにより、ユーザが健康補助装置1を装着することによって、第1接触部41および第2接触部42は、ユーザの首部91または耳部92において、迷走神経に振動による刺激を与えることができる。振動発生部5は、低周波数域ALの周波数に基づいて振動することができる。具体的には、振動発生部5は、所望の周波数で振動することができる、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52を有する。
【0161】
第1接触部41および第2接触部42が低周波数域ALの周波数に基づく振動による刺激を迷走神経に与えことによって副交感神経が活性化される。その結果、健康補助装置1は、自律神経を整えることができる。
【0162】
さらに、自律神経を整えることにより、睡眠改善、免疫改善、血流改善(例えば、高血圧、肩こり、冷え性などの改善)、ダイエット効果、緊張緩和、うつ改善、認知症予防、腸内環境改善(例えば、便秘解消)などの効果を得ることができる。
【0163】
また、自律神経を整える方法としては、努力性呼吸を定期的に行う方法がある。言い換えると、ユーザは、自律神経を整えるために、意識的に深い呼吸をする必要がある。しかし、ユーザが深い呼吸を継続して行うことは困難である。
【0164】
図6を用いて説明したように、首部91には胸鎖乳突筋M1が位置している。健康補助装置1を首部91に装着した場合、第1接触部41および第2接触部42は、左側および右側に位置する第1領域A1とそれぞれ接触する。
【0165】
第1接触部41および第2接触部42が振動することにより、胸鎖乳突筋M1および胸鎖乳突筋M1につながる健をほぐし、ユーザの姿勢を正しい位置へ誘導することができる。ユーザの姿勢を正しい位置に戻すことで、胸部が広がり、深い呼吸をサポートすることができる。
【0166】
胸鎖乳突筋M1は、重要な呼吸筋群の1つであり、主に吸気のときに働く。胸鎖乳突筋M1がほぐれることによって、呼吸時の吸気量は増加しやすくなる。第1領域A1の近傍には、他の呼吸筋群の一つである斜角筋等の複数の呼吸筋群が位置している。第1接触部41および第2接触部42が振動することにより、胸鎖乳突筋M1に加え、複数の呼吸筋群にも振動などの刺激を与えることができる。これにより、ユーザの深い呼吸をサポートすることができる。その結果、健康補助装置1であれば、ユーザによる呼吸を浅い呼吸から深い呼吸へと誘導し、自律神経を整えることができる。
【0167】
本実施形態において、振動発生部5は、ユーザの自律神経に刺激を与えるための振動を出力するとともに、ユーザが聴取することができる音を再生することができる。これにより、健康補助装置1であれば、ユーザに振動と音によるリラックスヒーリング体験を提供し、ユーザに対するリラックス効果を促進することができる。
【0168】
本実施形態において、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52は、ユーザが聴取することができる音を再生するため、音を再生するためのスピーカなどを別途設ける必要がない。そのため、装着部3をコンパクトに形成することができる。
【0169】
本実施形態において、第1触覚デバイス51が第2触覚デバイス52と異なる周波数に基づいて振動する場合、第1接触部41は、第2接触部42とは異なる周波数に基づく振動による刺激をユーザに与えることができる。第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52によって音を再生する場合には、ステレオ音声を再生することができる。
【0170】
本実施形態において、健康補助装置1の装着部3は、調整機構を備える。これにより、ユーザの体格などに応じて、第1接触部41および第2接触部42を適した位置に接触させることができる。言い換えると、多数のユーザに対応可能な装着部3を備える健康補助装置1を提供することができる。
【0171】
本実施形態において、健康補助装置1は、加温部6を備える。これにより、健康補助装置1は、ユーザの身体を温めながら迷走神経に振動による刺激を与えることができる。その結果、ユーザに対するリラックス効果を促進することができる。
【0172】
本実施形態において、健康補助装置1は、生体情報取得部7を備える。これにより、健康補助装置1を使用しているユーザの状態を監視することができる。その結果、図13を用いて説明したように、ユーザの状態に応じて振動を与えることができる。
【0173】
以上のように、本実施形態の構成によれば、ユーザに高いリラックス効果を与えることが可能な健康補助装置1、健康補助システム100およびプログラムを提供することができる。その他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0174】
なお、本実施形態において、健康補助装置1が加温部6および生体情報取得部7を備える例を開示するが、健康補助装置1は加温部6および生体情報取得部7の少なくとも一方を備えなくてもよい。
【0175】
本実施形態において、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52が低周波数域ALの周波数に基づいて振動するとともに、ユーザが聴取することができる音を再生する例を開示するが、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52が低周波数域ALの周波数に基づいてのみ振動してもよい。
【0176】
本実施形態において、生体情報取得部7に基づく刺激として、一例では振動による刺激を与える例を開示するが、振動による刺激の代わりに、他の種類の刺激を与えてもよい。
【0177】
本実施形態において、制御装置2は健康補助装置1とは分離している例を開示するが、制御装置2は健康補助装置1に組み込まれてもよい。
【0178】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0179】
図16は、本実施形態における健康補助装置10の概略的な斜視図である。図17は、本実施形態における健康補助装置10の概略的な平面図である。健康補助装置10は、図16および図17に示すように、装着部30を備える。装着部30は、ユーザが装着可能な形状を有する。健康補助装置10をユーザが装着した状態については、後述の図18および図19を用いて説明する。
【0180】
装着部30は、例えば、主に樹脂材料によって形成することができる。ただし、装着部30は、金属材料によって形成される部分を含んでもよい。装着部30は、アーム部80と、接触部40と、パット部90と、を有する。アーム部80は、例えば、すべりにくい材料によって形成される。
【0181】
アーム部80は、本体部分82と、一対の延出部分83,84と、を有する。本体部分82および一対の延出部分83,84は、例えば、一体で形成される。本体部分82は、ユーザの首部の外周に沿う形状を有している。具体的には、本体部分82は、略U字型形状を有する。
【0182】
本体部分82は、端部82aと、端部82aと反対側に位置する端部82bと、対向面85と、を有する。対向面85は、ユーザの首部と向かい合う面である。本体部分82には、前後方向の幅が他の部分よりも広い幅広部821が形成される。延出部分83,84は、本体部分82の端部82a,82bからそれぞれ延出する。
【0183】
アーム部80には、延出部分83,84と本体部分82とによって屈曲部分86,87が形成される。屈曲部分86,87は、例えば、延出部分83,84と本体部分82によって鋭角に形成される。言い換えると、延出部分83,84と本体部分82との距離は、延出部分83,84の先端に向かうに従い大きくなる。
【0184】
接触部40は、第1接触部43と、第2接触部44と、を有する。第1接触部43は延出部分83の先端部に設けられ、第2接触部44は延出部分84の先端部に設けられる。第2接触部44は、第1接触部43と向かい合う。
【0185】
第1接触部43および第2接触部44は、例えば、延出部分83,84が延出する方向に長尺な略小判形状(オーバル形状)を有する。第1接触部43および第2接触部44は、具体的には、略平行な直線部分の両端が円弧でつながれている。
【0186】
第1接触部43は第1面431を有し、第2接触部44は第2面441を有する。第1面431および第2面441は、健康補助装置10を装着した際、ユーザの皮膚と接触する面に相当する。第1面431および第2面441は、本実施形態において、平たんな形状を有するが、緩やかな凸形状を有してもよい。第1接触部43には振動発生部5の第1触覚デバイス51および加温部6の熱源61が設けられ、第2接触部44には振動発生部5の第2触覚デバイス52および加温部6の熱源62が設けられる。
【0187】
アーム部80は、弾性を有する。これにより、第1接触部43と第2接触部44とが離れる方向に本体部分82に力を加えると、第1接触部43と第2接触部44との左右方向の距離は大きくなる。また、アーム部80に加えた力を取り除くと、第1接触部43および第2接触部44は、元の位置に戻る。そのため、ユーザは、容易に健康補助装置10を装着したり、外したりすることができる。
【0188】
パット部90は、ユーザが健康補助装置10を装着した際に、ユーザの首部と接触する。パット部90は、本体部分82の幅広部821の対向面85側に設けられる。パット部90は、本体部分82に沿って形成される。パット部90は、例えば、略円弧形状を有する。パット部90は、クッション性を有する材料によって形成される。当該材料は、例えば、シリコーン系ゴム、発泡体などである。
【0189】
パット部90は、本体部分82に対する位置を調整可能にアーム部80に設けられる。例えば、パット部90が本体部分82に最も近づいた位置を位置P3(第3位置)とし、パット部90が本体部分82から最も離れた位置を位置P4(第4位置)とする。
【0190】
図17においては、位置P3に位置するパット部90を実線で示し、位置P4に位置するパット部90を破線で示す。パット部90は、位置P3と位置P4との間において、矢印で示すように、本体部分82に対する位置を調整することが可能である。パット部90の移動量は、一例では、約20mmである。
【0191】
ユーザが健康補助装置10を装着した場合、パット部90によってユーザとの位置を調整可能であるため、ユーザごとに異なる首の太さなどに対応することができる。さらに、屈曲部分86,87は、ユーザを左右方向から挟む。屈曲部分86,87およびパット部90がユーザと接触することで、アーム部80の位置ずれが起こりにくく、装着した際における装着度合いを向上することができる。
【0192】
パット部90には、加温部6の熱源63が設けられる。これにより、ユーザの首部を温めることが可能である。パット部90の内部には、図示されていないが、例えば、バッテリ、回路基板、充電口などが設けられる。生体情報取得部7を構成するセンサなどは、図示されていないが、健康補助装置10の所望の位置にそれぞれ設けられる。
【0193】
図18および図19は、ユーザUSが健康補助装置10を装着した状態の一例を示す図である。図18において、第1接触部43はユーザUSの左側の第1領域A1において首部91と接触し、第2接触部44はユーザUSの右側の第1領域A1において首部91と接触する。本体部分82は、ユーザUSの首部91の外周に沿うように位置する。
【0194】
この場合、第1触覚デバイス51が振動すると、第1接触部43を介して、左側の第1領域A1およびその近傍に位置する迷走神経N1に振動による刺激を与えることができる。同様に、第2触覚デバイス52が振動すると、第2接触部44を介して、右側の第1領域A1およびその近傍に位置する迷走神経N1に振動による刺激を与えることができる。
【0195】
第1領域A1には、胸鎖乳突筋M1が位置している。そのため、第1触覚デバイス51および第2触覚デバイス52が振動すると、第1接触部43および第2接触部44を介して、第1領域A1およびその近傍に位置する胸鎖乳突筋M1に振動による刺激を与えることができる。
【0196】
図19において、第1接触部43はユーザUSの左側の第2領域A2において左耳と接触し、第2接触部44はユーザUSの右側の第2領域A2において右耳と接触する。本体部分82は、ユーザUSの首部91の付け根に位置する。具体的には、本体部分82は、ユーザの首部91の外周に沿うように位置する。
【0197】
この場合、第1触覚デバイス51が振動すると、第1接触部43を介して、左側の第2領域A2およびその近傍に位置する迷走神経N2に振動による刺激を与えることができる。同様に、第2触覚デバイス52が振動すると、第2接触部44を介して、右側の第2領域A2およびその近傍に位置する迷走神経N2に振動による刺激を与えることができる。
【0198】
図19に示すように、耳部92に装着した際に、屈曲部分86,87によって第1接触部43および第2接触部44は、耳介の外周部を潰しにくい。これにより、第1接触部43および第2接触部44が安定して耳部92に接触するとともに、装着した際における不快感を低減することができる。
【0199】
本実施形態の構成においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。本実施形態におけるパット部90は、第1実施形態においても適用することができる。本実施形態における装着部30は、第1実施形態において説明した第1調整機構36および第2調整機構37を備えてもよい。
【0200】
なお、本願発明は、上記の各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削減してもよい。
【符号の説明】
【0201】
100…健康補助システム、1…健康補助装置、2…制御装置、20…記憶装置、21…入力モジュール、22…認識モジュール、23…制御モジュール、3…装着部、4…制御部、5…振動発生部、51…第1触覚デバイス、52…第2触覚デバイス、6…加温部、7…生体情報取得部、8…電源部、31…アーム部、36…第1調整機構、37…第2調整機構、40…接触部、41…第1接触部、42…第2接触部、90…パット部、91…首部、92…耳部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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