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特開2024-125724画像処理装置、制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125724
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】画像処理装置、制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240911BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20240911BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240911BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0482
B41J29/42 F
B41J29/38 701
B41J29/38 202
B41J29/38 801
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033736
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩之
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ24
2C061CQ30
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HL01
2C061HM01
2C061HN04
2C061HN19
2C061HN20
2C061HN21
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AE07
5C062AF00
5E555AA04
5E555BA02
5E555BA27
5E555BB02
5E555BB27
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB33
5E555CB42
5E555CC02
5E555DB05
5E555DB16
5E555DC09
5E555DC13
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】画像処理装置において、設定項目ごとに、設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを行えるようにする。
【解決手段】画像処理装置1は、表示部5aと、表示部5aに複数の設定項目を含む操作画面G1を表示する表示制御部21と、操作画面G1に対するユーザーの操作に基づき設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する設定部22と、を備える。設定部22は、ユーザーの操作に基づき、設定項目ごとの設定値を個別に初期化、アンドゥ又はリドゥすることが可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に、複数の設定項目を含む操作画面を表示する表示制御部と、
前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する設定部と、
を備え、
前記設定部は、ユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に初期化、アンドゥ又はリドゥすることが可能であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、ユーザーによって指定された設定値を所定の表示態様で表示し、前記設定部によって初期化、アンドゥ又はリドゥされた設定値を前記所定の表示態様とは異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記設定部によって初期化された設定値を第1の表示態様で表示し、前記設定部によってアンドゥされた設定値を前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示し、前記設定部によってリドゥされた設定値を前記第1及び第2の表示態様とは異なる第3の表示態様で表示することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記設定項目ごとの設定値の変更履歴を履歴情報に記録して管理する履歴管理部、
を更に備え、
前記設定部は、前記履歴情報に基づいて前記設定項目ごとの設定値をアンドゥ又はリドゥすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記操作画面の前記設定項目ごとに、初期化、アンドゥ又はリドゥを行うための操作ボタンを表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記操作画面に設定値を初期化する初期化ボタンを表示し、
前記設定部は、前記複数の設定項目のうちの一の設定項目がユーザーによって操作された後、前記初期化ボタンがユーザーによって操作された場合に、前記一の設定項目の設定値を初期化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記操作画面に、前記設定項目ごとに設定値を初期化する初期化ボタンを表示し、
前記設定部は、前記初期化ボタンがユーザーによって操作された後、前記複数の設定項目のうちの一の設定項目がユーザーによって操作された場合に、前記一の設定項目の設定値を初期化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記操作画面に設定値を初期化する初期化ボタンを表示し、前記初期化ボタンがユーザーによって操作された場合に、前記複数の設定項目の全ての設定値を初期化する第1の初期化ボタンと、前記設定項目ごとに設定値を初期化する第2の初期化ボタンとを更に表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記設定部は、前記第2の初期化ボタンがユーザーによって操作された後、前記複数の設定項目のうちの一の設定項目がユーザーによって操作された場合に、前記一の設定項目の設定値を初期化することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記操作画面に設定値を初期化する初期化ボタンを表示し、
前記設定部は、前記初期化ボタンがユーザーによって1回操作された後、前記複数の設定項目のうちの一の設定項目がユーザーによって操作された場合に、前記一の設定項目の設定値を初期化し、前記初期化ボタンがユーザーによって2回操作された場合に、前記複数の設定項目の全ての設定値を初期化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記設定部は、前記複数の設定項目のうちの2以上の設定項目の設定値をユーザーによって指定された設定値に変更した後に、前記2以上の設定項目のうちの一の設定項目の設定値を初期化、アンドゥ又はリドゥすることがユーザーによって指示されたとき、前記2以上の設定項目の中から前記一の設定項目と関連性を有する設定項目を抽出し、前記一の設定項目の設定値と、前記一の設定項目と関連性を有する設定項目の設定値とを、同時に、初期化、アンドゥ又はリドゥすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記設定部は、前記複数の設定項目のうちの2以上の設定項目の設定値をユーザーによって指定された設定値に変更した後に、前記2以上の設定項目のうちの一の設定項目の設定値を初期化、アンドゥ又はリドゥすることがユーザーによって指示されたとき、前記2以上の設定項目の中から前記一の設定項目と関連性を有する設定項目を抽出し、抽出した設定項目の優先順位と前記一の設定項目の優先順位とを比較し、前記一の設定項目の優先順位が高い場合、前記一の設定項目の設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを禁止することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御するジョブ制御部、
を更に備え、
前記ジョブ制御部は、前記設定部によって設定された設定値を反映させて前記ジョブの実行を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
表示部を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記表示部に、複数の設定項目を含む操作画面を表示する第1ステップと、
前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する第2ステップと、
前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に初期化、アンドゥ又はリドゥする第3ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
表示部を有する画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、
前記表示部に、複数の設定項目を含む操作画面を表示する第1ステップと、
前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する第2ステップと、
前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に初期化、アンドゥ又はリドゥする第3ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral)などの画像処理装置は、コピージョブ、スキャンジョブ、プリントジョブなどの複数のジョブを実行可能であり、ユーザーによって指定されたジョブを実行する。画像処理装置は、ユーザーが操作可能な操作パネルを備えており、操作パネルにジョブの設定操作を行うための操作画面を表示し、ユーザーによるジョブの設定操作を受け付ける。操作画面は、複数の操作項目を含んでいる。そのため、ユーザーは、それら複数の操作項目のそれぞれに対して所望の設定値を設定する操作を行っていく必要がある。
【0003】
従来、上記のような画像処理装置において、ユーザーが複数の操作項目に対する設定操作を続けて行った場合にどのような設定操作を行ったかを確認することができない問題や、前に行った操作を訂正したい場合に目的となる設定項目を見付けにくいといった問題を解決するため、操作パネル上に、操作画面と共に操作履歴画面を表示することが提案されている(例えば特許文献1)。また、ユーザーによる設定変更がなされた場合に、当該変更の内容を示す変更情報を操作パネルに表示する画像処理装置も提案されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-86146号公報
【特許文献2】特開2018-23163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、複数の設定項目のうち、ユーザーが設定変更を行った設定項目の設定値を、簡単な操作で初期化したり、1つ前の設定値に戻したりすることができない。
【0006】
例えば、従来の画像処理装置は、ユーザーによって設定変更された全ての設定値を一括的に初期化して初期値に戻すためのリセットボタンを備えているものの、1つの設定項目の設定値だけを初期値に戻すためのボタンを備えていない。そのため、ユーザーは、複数の設定項目に対する設定操作を行った後に1つの設定項目の設定値だけを初期化したいときには、初期化したい設定項目を選択し、選択した設定項目の設定値群の中から初期値に対応する設定値を選択し直さなければならず、操作性が悪いという問題がある。
【0007】
また、従来の画像処理装置は、複数の設定項目のうちの1つの設定項目の設定値を1つ前の設定値に戻したり、或いは、1つ前の設定値を再び元の設定値に戻したりする操作を簡単に行うことができない。そのため、例えば複数の設定項目に対する設定操作を行った後に1つの設定項目の設定値だけを1つ前の設定値に戻したいとき、ユーザーは、設定値を戻したい設定項目を選択し、選択した設定項目の設定値群の中から1つ前の設定値を選択し直さなければならず、操作性が悪いという問題がある。また、1つ前の設定値を再び元の設定値に戻す場合も、同様である。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、設定項目ごとに、設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを行えるようにした画像処理装置、制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像処理装置であって、表示部と、前記表示部に、複数の設定項目を含む操作画面を表示する表示制御部と、前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する設定部と、を備え、前記設定部は、ユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に初期化、アンドゥ又はリドゥすることが可能であることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記表示制御部は、ユーザーによって指定された設定値を所定の表示態様で表示し、前記設定部によって初期化、アンドゥ又はリドゥされた設定値を前記所定の表示態様とは異なる表示態様で表示することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2の画像処理装置において、前記表示制御部は、前記設定部によって初期化された設定値を第1の表示態様で表示し、前記設定部によってアンドゥされた設定値を前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示し、前記設定部によってリドゥされた設定値を前記第1及び第2の表示態様とは異なる第3の表示態様で表示することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記設定項目ごとの設定値の変更履歴を履歴情報に記録して管理する履歴管理部、を更に備え、前記設定部は、前記履歴情報に基づいて前記設定項目ごとの設定値をアンドゥ又はリドゥすることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像処理装置において、前記表示制御部は、前記操作画面の前記設定項目ごとに、初期化、アンドゥ又はリドゥを行うための操作ボタンを表示することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像処理装置において、前記表示制御部は、前記操作画面に設定値を初期化する初期化ボタンを表示し、前記設定部は、前記複数の設定項目のうちの一の設定項目がユーザーによって操作された後、前記初期化ボタンがユーザーによって操作された場合に、前記一の設定項目の設定値を初期化することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像処理装置において、前記表示制御部は、前記操作画面に、前記設定項目ごとに設定値を初期化する初期化ボタンを表示し、前記設定部は、前記初期化ボタンがユーザーによって操作された後、前記複数の設定項目のうちの一の設定項目がユーザーによって操作された場合に、前記一の設定項目の設定値を初期化することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像処理装置において、前記表示制御部は、前記操作画面に設定値を初期化する初期化ボタンを表示し、前記初期化ボタンがユーザーによって操作された場合に、前記複数の設定項目の全ての設定値を初期化する第1の初期化ボタンと、前記設定項目ごとに設定値を初期化する第2の初期化ボタンとを更に表示することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項8の画像処理装置において、前記設定部は、前記第2の初期化ボタンがユーザーによって操作された後、前記複数の設定項目のうちの一の設定項目がユーザーによって操作された場合に、前記一の設定項目の設定値を初期化することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像処理装置において、前記表示制御部は、前記操作画面に設定値を初期化する初期化ボタンを表示し、前記設定部は、前記初期化ボタンがユーザーによって1回操作された後、前記複数の設定項目のうちの一の設定項目がユーザーによって操作された場合に、前記一の設定項目の設定値を初期化し、前記初期化ボタンがユーザーによって2回操作された場合に、前記複数の設定項目の全ての設定値を初期化することを特徴とする構成である。;
【0019】
請求項11に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像処理装置において、前記設定部は、前記複数の設定項目のうちの2以上の設定項目の設定値をユーザーによって指定された設定値に変更した後に、前記2以上の設定項目のうちの一の設定項目の設定値を初期化、アンドゥ又はリドゥすることがユーザーによって指示されたとき、前記2以上の設定項目の中から前記一の設定項目と関連性を有する設定項目を抽出し、前記一の設定項目の設定値と、前記一の設定項目と関連性を有する設定項目の設定値とを、同時に、初期化、アンドゥ又はリドゥすることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項12に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像処理装置において、前記設定部は、前記複数の設定項目のうちの2以上の設定項目の設定値をユーザーによって指定された設定値に変更した後に、前記2以上の設定項目のうちの一の設定項目の設定値を初期化、アンドゥ又はリドゥすることがユーザーによって指示されたとき、前記2以上の設定項目の中から前記一の設定項目と関連性を有する設定項目を抽出し、抽出した設定項目の優先順位と前記一の設定項目の優先順位とを比較し、前記一の設定項目の優先順位が高い場合、前記一の設定項目の設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを禁止することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項13に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像処理装置において、ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御するジョブ制御部、を更に備え、前記ジョブ制御部は、前記設定部によって設定された設定値を反映させて前記ジョブの実行を制御することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項14に係る発明は、表示部を有する画像処理装置の制御方法であって、前記表示部に、複数の設定項目を含む操作画面を表示する第1ステップと、前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する第2ステップと、前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に初期化、アンドゥ又はリドゥする第3ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項15に係る発明は、表示部を有する画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、前記表示部に、複数の設定項目を含む操作画面を表示する第1ステップと、前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する第2ステップと、前記操作画面に対するユーザーの操作に基づき、前記設定項目ごとの設定値を個別に初期化、アンドゥ又はリドゥする第3ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、画像処理装置において、設定項目ごとに、設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】画像処理装置の一構成例を示す図である。
図2】画像処理装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】操作画面の例を示す図である。
図4】操作画面の例を示す図である。
図5】履歴情報の一例を示す図である。
図6】操作画面の変化の例を示す図である。
図7】操作画面の変化の例を示す図である。
図8】操作画面の変化の例を示す図である。
図9】操作ボタンの表示態様の変化の例を示す図である。
図10】画像処理装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】画像処理装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】操作画面の一例を示す図である。
図13】設定部が1つの設定項目の設定値を初期化する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】操作画面の他の例を示す図である。
図15】操作画面の他の例を示す図である。
図16】リセットボタンの変化の例を示す図である。
図17】操作画面の他の例を示す図である。
図18】画像処理装置のハードウェア構成及び機能構成の他の例を示すブロック図である。
図19】設定部による処理手順の例を示すフローチャートである。
図20】設定部による処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0027】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態における画像処理装置1の一構成例を示す図である。画像処理装置1は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、FAX機能などの複数の機能を備えたMFPとして構成され、コピージョブやスキャンジョブなどのユーザーによって指定されたジョブを実行する。この画像処理装置1は、装置本体の上部にスキャナ部2を有し、装置本体の下部にプリンタ部3を有している。また、画像処理装置1は、装置本体の前面側にユーザーが操作可能な操作パネル5を備えている。
【0028】
スキャナ部2は、画像読取部2aと、自動原稿搬送部2bとを備えている。画像読取部2aは、ユーザーによってセットされる原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。自動原稿搬送部2bは、その上面に原稿載置部2cを有し、原稿載置部2cにセットされる原稿束から原稿を1枚ずつ取り出して画像読取部2aによる画像読み取り位置へ自動搬送する。画像読取部2aは、自動原稿搬送部2bの原稿搬送動作に同期して画像の読み取り動作を行うことにより、複数枚の原稿の連続自動読み取りを行うことができる。
【0029】
プリンタ部3は、画像形成部3aと、給紙部3bとを備えている。画像形成部3aは、印刷対象となる画像データに基づき印刷用紙などのシートに画像形成を行って出力する。給紙部3bは、複数枚のシートから成るシート束を収容し、そのシート束からシートを1枚ずつ取り出して画像形成部3aによる画像形成位置へ搬送する。画像形成部3aは、給紙部3bによるシートの搬送動作に同期して画像形成動作を行うことにより、シートに画像を形成する。画像形成部3aによって画像が形成されたシートは、プリンタ部3の上部に設けられた排出トレイ3cに排出される。
【0030】
操作パネル5は、ユーザーが画像処理装置1を使用する際のユーザーインタフェースであり、ユーザーの操作を受け付ける。ユーザーは、操作パネル5に対する操作を行うことで、ジョブの設定操作を行うことができる。また、ユーザーは、操作パネル5に対する操作を行うことで、画像処理装置1にジョブの実行指示を与えることができる。
【0031】
図2は、画像処理装置1のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置1は、そのハードウェア構成として、スキャナ部2と、プリンタ部3と、FAX部4と、操作パネル5と、通信インタフェース6と、記憶部7と、制御部8とを備えている。FAX部4は、図示を省略する公衆電話回線を介してFAXデータの送受信を行う。通信インタフェース6は、画像処理装置1をLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続し、外部機器と通信を行うインタフェースである。
【0032】
操作パネル5は、表示部5aと、操作部5bとを備えている。表示部5aは、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザーが操作可能な操作画面を表示する。操作部5bは、表示部5aの画面上に配置されるタッチパネルキーなどで構成され、操作画面に対するユーザーのタッチ操作など検知する。尚、操作部5bは、タッチパネルキーの他に、表示部5aの周囲に配置される押しボタンキーなどを含んでいても良い。尚、操作パネル5は、画像処理装置1の装置本体に固定されているものに限られず、装置本体に対して着脱可能なものであっても構わない。
【0033】
記憶部7は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶デバイスである。記憶部7には、制御部8のプロセッサーによって実行されるコンピュータ読み取り可能なプログラム10が記憶される。また、記憶部7には、ユーザーの操作履歴を記録した履歴情報11が記憶される。
【0034】
制御部8は、画像処理装置1の動作を統括的に制御する。制御部8は、図示を省略するプロセッサーとメモリとを備えている。プロセッサーが記憶部7に記憶されているプログラム10を読み出して実行することにより、制御部8は、表示制御部21、設定部22、履歴管理部23、及び、ジョブ制御部24として機能する。
【0035】
表示制御部21は、操作パネル5の表示部5aに、ユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示する。例えば、表示制御部21は、ユーザーが画像処理装置1を使用していないとき、表示部5aにログイン画面を表示する。ログイン画面は、ユーザーにログイン操作を促す画面である。ユーザーがログイン画面に対してログイン操作を行い、画像処理装置1がログイン状態へ移行すると、表示制御部21は、各種ジョブの設定のための操作画面を表示部5aに表示する。各種ジョブの設定のための操作画面には複数の設定項目が含まれる。表示制御部21は、ログイン状態へ移行した直後に操作画面を表示するとき、各設定項目の設定値を予め指定された初期値(デフォルト値)で表示する。ユーザーは、操作画面に含まれる複数の設定項目のそれぞれに対し、初期値を所望の設定値に変更する操作を行うことで、ジョブの設定操作を行う。
【0036】
設定部22は、ジョブの実行時に適用されるジョブの設定を行う。設定部22は、表示制御部21によって各種ジョブの設定のための操作画面が表示部5aに表示されているとき、操作部5bによって検知されるユーザーの操作に基づき、操作画面に含まれる設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する。すなわち、設定部22は、ユーザーによって指定された設定項目の設定値を、初期値からユーザーによって指定された設定値に変更する。
【0037】
設定部22によって操作画面に含まれる設定項目の設定値が変更されると、表示制御部21は、表示部5aに表示している操作画面を更新する。すなわち、表示制御部21は、操作画面に含まれる複数の設定項目のうち、ユーザーによって設定変更された設定項目の設定値を変更して表示する。
【0038】
履歴管理部23は、設定項目ごとの設定値の変更履歴を履歴情報11に記録して管理する。すなわち、履歴管理部23は、画像処理装置1がログイン状態へ移行した後、ユーザーの操作に基づいて各設定項目の設定値が変更される度に、変更後の設定値を履歴情報11に記録する。
【0039】
ジョブ制御部24は、画像処理装置1におけるジョブの実行を制御する。例えば、ユーザーによってジョブの実行が指示された場合、ジョブ制御部24は、設定部22によるジョブの設定を反映させた状態で、スキャナ部2、プリンタ部3、及び、FAX部4のそれぞれを動作させることにより、ユーザーによって指定されたジョブを実行する。
【0040】
次に、表示部5aに表示される操作画面の例について説明する。尚、以下に説明する操作画面の表示内容の変更は、表示制御部21によって制御される。
【0041】
図3及び図4は、表示部5aに表示される操作画面G1の例を示す図である。まず図3(a)は、画像処理装置1がログイン状態へ移行したときに表示される操作画面G1の初期状態を示している。この操作画面G1は、コピージョブに関する設定操作を行うための画面である。操作画面G1は、部数を設定する部数設定欄30と、複数の設定項目のそれぞれに対応する操作ボタン31~38と、ジョブの実行を指示するためのスタートキーとなる操作ボタン39とを含んでいる。各設定項目に対応する操作ボタン31~38には、現在選択されている設定値が表示される。操作画面G1が初期状態であるとき、各操作ボタン31~38には、各設定項目の初期値が表示される。尚、図3では、操作画面G1に8つの設定項目が表示されている例を示しているが、操作画面G1には更に多くの設定項目が含まれていても良い。その場合、例えば操作画面G1は左右方向又は上下方向にスクロール可能な態様で表示され、操作画面G1をスクロールさせることにより、他の設定項目を表示部5aに表示させることができる。
【0042】
部数設定欄30は、それ自体が操作ボタンとしての機能を有している。例えば、ユーザーは、部数設定を変更したいとき、部数設定欄30をタッチ操作すると、操作画面G1上にテンキーなどが表示され、部数の設定を変更することができる。
【0043】
操作ボタン31は、「原稿画質」の設定項目に対応するボタンであり、ボタン中央には初期値である「文字/写真」が表示されている。操作ボタン32は、「カラー」の設定項目に対応するボタンであり、ボタン中央には初期値である「オートカラー」が表示されている。操作ボタン33は、「濃度」の設定項目に対応するボタンであり、ボタン中央には初期値である「ふつう」が表示されている。操作ボタン34は、「用紙」の設定項目に対応するボタンであり、ボタン中央には初期値である「自動」が表示されている。操作ボタン35は、「倍率」の設定項目に対応するボタンであり、ボタン中央には初期値である「100.0%」が表示されている。操作ボタン36は、「出力」の設定項目に対応するボタンであり、ボタン中央には初期値である「片面>片面」が表示されている。操作ボタン37は、「ページ集約」の設定項目に対応するボタンであり、ボタン中央には初期値である「しない」が表示されている。操作ボタン38は、「仕上り」の設定項目に対応するボタンであり、ボタン中央には初期値である「ステープルしない」が表示されている。
【0044】
図3(a)に示す操作画面G1が表示部5aに表示されているとき、ユーザーが「原稿画質」の設定項目の設定値を変更するために操作ボタン31を操作すると、図3(b)に示すように操作画面G1には「原稿画質」に関する詳細設定画面40が表示される。この詳細設定画面40は、「原稿画質」の設定項目に関する詳細設定を行うための専用画面である。詳細設定画面40には、設定値選択領域41と、設定値復元領域42とが含まれる。
【0045】
設定値選択領域41には、当該設定項目においてユーザーが設定可能な複数の設定値のそれぞれに対応する複数の操作ボタン43が表示される。例えば「原稿画質」の詳細設定画面40では、図3(b)に示すように、「文字/写真」、「文字」、「写真」、「地図」のそれぞれに対応する操作ボタン43が設定値選択領域41に表示される。例えば、表示制御部21は、詳細設定画面40を表示するとき、設定値選択領域41において現在の設定状態である操作ボタン43を他の非設定状態である操作ボタン43とは異なる表示態様で表示する。これにより、詳細設定画面40が表示されたとき、ユーザーは、現在の設定値がどの設定値であるかを容易に把握することができる。また、ユーザーは、設定値選択領域41において表示される複数の操作ボタン43のうちから所望の設定値に対応する操作ボタン43を選択して操作することにより、選択した設定項目における設定値を変更することができる。すなわち、設定部22は、設定値選択領域41に対するユーザーの操作に基づき、ユーザーによって指定された設定値を設定する。
【0046】
設定値復元領域42には、リセットボタン44と、アンドゥボタン45と、リドゥボタン46とが表示される。リセットボタン44、アンドゥボタン45及びリドゥボタン46はいずれも当該設定項目の設定値をそれ以前の設定値に戻して復元するためのボタンである。
【0047】
リセットボタン44は、当該設定項目の設定値を初期化して初期値に戻すためのボタン(初期化ボタン)である。リセットボタン44は、ユーザーによって当該設定項目の設定値が少なくとも1回変更された後にユーザーが操作可能となるボタンである。そのため、ユーザーによって当該設定項目の設定値が初期値から変更されていないとき、リセットボタン44は、図3(b)に示すようにグレーダウンした表示態様となり、ユーザーが操作することができない状態となる。
【0048】
アンドゥボタン45は、当該設定項目の設定値を1つ前の設定値に戻すためのボタンである。アンドゥボタン45は、ユーザーによって当該設定項目の設定値が少なくとも1回変更された後にユーザーが操作可能となるボタンである。そのため、ユーザーによって当該設定項目の設定値が初期値から変更されていないとき、アンドゥボタン45は、図3(b)に示すようにグレーダウンした表示態様となり、ユーザーが操作することができない状態となる。
【0049】
リドゥボタン46は、当該設定項目の設定値をアンドゥされる前の元の設定値に戻すためのボタンである。リドゥボタン46は、ユーザーによってアンドゥボタン45が操作された後にユーザーが操作可能となるボタンである。そのため、ユーザーによってアンドゥボタン45が操作されていないとき、リドゥボタン46は、図3(b)に示すようにグレーダウンした表示態様となり、ユーザーが操作することができない状態となる。
【0050】
例えば図3(b)に示すような詳細設定画面40が表示されているとき、ユーザーが「原稿画質」の設定項目に対して「文字」の設定値を選択すると、表示部5aに表示される操作画面G1は、図4(a)に示す状態に更新される。すなわち、「原稿画質」の設定項目に対応する操作ボタン31のボタン中央にはユーザーによって指定された設定値である「文字」が表示される。このとき、表示制御部21は、ユーザーによって設定値が変更された操作ボタン31の表示態様を初期状態とは異なる表示態様として表示する。例えば、表示制御部21は、ユーザーによって設定値が変更された操作ボタン31の表示色を初期状態の表示色とは異なる色で表示する。これにより、ユーザーは、自身で設定変更を行った操作ボタン31を簡単に見つけ出すことができ、その操作ボタン31の中央に所望の設定値が表示されているか否かを速やかに確認することができる。
【0051】
図4(a)に示す操作画面G1を確認した結果、操作ボタン31の設定値が所望の設定値ではなかった場合、ユーザーは、再度操作ボタン31を操作する。ユーザーによって操作ボタン31が再度操作されると、表示部5aに表示される操作画面G1は、図4(b)に示す状態に更新される。すなわち、操作画面G1には、図4(b)に示すように「原稿画質」に関する詳細設定画面40が再び表示される。このとき、ユーザーによって当該設定項目の設定値が少なくとも1回変更されているため、リセットボタン44とアンドゥボタン45とが通常の表示態様で表示されている。そのため、ユーザーは、リセットボタン44又はアンドゥボタン45を操作することが可能である。
【0052】
表示制御部21は、上記のように操作画面G1に対するユーザーの操作が行われる度に,操作画面G1の表示内容を更新する。また、設定部22は、上記のような操作画面G1に対して行われるユーザーの操作に基づき、操作画面G1に含まれる複数の設定項目のうち、ユーザーによって選択された設定項目ごとに設定値を変更していく。更に、設定部22による設定が進行していくことに伴い、履歴管理部23によって履歴情報11が逐次更新されていく。
【0053】
図5は、履歴情報11の一例を示す図である。図5に示すように、履歴情報11には、操作画面G1に含まれる複数の設定項目ごとに、ユーザーによって指定された設定値が順に記録されていく。図5に示す履歴情報11を参照すれば、「原稿画質」の設定項目の設定値を、ユーザーが初期値である「文字/写真」から「文字」に変更し、その後、「文字」から「写真」に変更していることがわかる。また、「カラー」の設定項目の設定値を、ユーザーが初期値である「オートカラー」から「モノクロ」に変更し、その後、「モノクロ」から「カラー」に変更していることがわかる。このように履歴情報11は、画像処理装置1がログイン状態へ移行してから、ユーザーによって各設定項目の設定値が初期値からどのように変更されたかを設定項目ごとに記録した情報である。
【0054】
図6乃至図8は、設定項目ごとに設定値を初期化、アンドゥ又はリドゥする際の操作画面G1の変化を示す図である。まず図6(a)は、図5に示す履歴情報11が記憶部7に記憶されているときに、表示部5aに表示される操作画面G1を示している。図5に示す履歴情報11では、「原稿画質」、「カラー」、「用紙」及び「出力」の4つの設定項目の設定値がユーザーによって初期値から変更されている。そのため、図6(a)に示す操作画面G1では、操作ボタン31,32,34,36の表示態様が初期状態とは異なる表示態様で表示されている。
【0055】
図6(a)に示す操作画面G1が表示されているとき、ユーザーが操作ボタン31を操作すると、表示部5aに表示される操作画面G1は、図6(b)に示す状態に更新される。すなわち、操作画面G1には、図6(b)に示すように「原稿画質」に関する詳細設定画面40が表示される。この詳細設定画面40の設定値復元領域42では、リセットボタン44及びアンドゥボタン45がユーザーの操作可能なボタンとして表示され、リドゥボタン46がユーザーの操作不可能なボタンとして表示される。
【0056】
図6(b)に示す詳細設定画面40に対し、ユーザーがリセットボタン44を操作すると、表示部5aに表示される操作画面G1は、図7(a)に示す状態に更新される。すなわち、ユーザーによってリセットボタン44が操作されたことに伴い、設定部22は、「原稿画質」に対応する設定項目の設定値を「文字/写真」に初期化する。また、表示制御部21は、「原稿画質」に対応する設定項目の操作ボタン31の中央に、初期値である「文字/写真」を表示する。
【0057】
また、ユーザーによってリセットボタン44が操作され、当該設定項目の設定値が初期値にリセットされると、表示制御部21は、設定値がリセットされた操作ボタン31の表示態様を変化させる。例えば、表示制御部21は、設定値が初期値にリセットされたことを示す表示態様(第1の表示態様)で操作ボタン31を表示する。これにより、ユーザーは、操作ボタン31の表示態様を見れば、設定値が初期値にリセットされたことを把握することができる。
【0058】
一方、図6(b)に示す詳細設定画面40に対し、ユーザーがアンドゥボタン45を操作すると、表示部5aに表示される操作画面G1は、図7(b)に示す状態に更新される。すなわち、ユーザーによってアンドゥボタン45が操作されたことに伴い、設定部22は、「原稿画質」に対応する設定項目の設定値を1つ前の設定値である「文字」に戻す。このとき、設定部22は、履歴管理部23によって管理されている履歴情報11を読み出し、履歴情報11を参照することにより、当該設定項目における現在の設定値の1つの前の設定値を特定し、アンドゥ後の設定値として設定する。また、表示制御部21は、設定部22によって設定値のアンドゥが行われることにより、「原稿画質」に対応する設定項目の操作ボタン31の中央に、アンドゥ後の設定値である「文字」を表示する。
【0059】
また、ユーザーによってアンドゥボタン45が操作され、当該設定項目の設定値が1つ前の設定値に戻されると、表示制御部21は、アンドゥによって設定値が変更された操作ボタン31の表示態様を変化させる。例えば、表示制御部21は、設定値がアンドゥされたことを示す表示態様(第2の表示態様)で操作ボタン31を表示する。これにより、ユーザーは、操作ボタン31の表示態様を見れば、設定値が1つの前の設定値に戻ったことを把握することができる。
【0060】
ユーザーの操作によって設定値がアンドゥされた後、ユーザーが再び操作ボタン31を操作すると、表示部5aに表示される操作画面G1は、図8(a)に示す状態に更新される。すなわち、操作画面G1には、図8(a)に示すように「原稿画質」に関する詳細設定画面40が表示される。この詳細設定画面40の設定値復元領域42では、リセットボタン44、アンドゥボタン45及びリドゥボタン46がユーザーの操作可能なボタンとして表示される。
【0061】
図8(a)に示す詳細設定画面40に対し、ユーザーがリドゥボタン46を操作すると、表示部5aに表示される操作画面G1は、図8(b)に示す状態に更新される。すなわち、ユーザーによってリドゥボタン46が操作されたことに伴い、設定部22は、「原稿画質」に対応する設定項目の設定値を、アンドゥされる前の元の設定値である「写真」に戻す。また、表示制御部21は、「原稿画質」に対応する設定項目の操作ボタン31の中央に、リドゥ後の設定値である「写真」を表示する。
【0062】
また、ユーザーによってリドゥボタン46が操作され、当該設定項目の設定値がアンドゥされる前の設定値に戻されると、表示制御部21は、図8(b)に示すように、設定値がリドゥされた操作ボタン31の表示態様を変化させる。例えば、表示制御部21は、設定値がリドゥされたことを示す表示態様(第3の表示態様)で操作ボタン31を表示する。これにより、ユーザーは、操作ボタン31の表示態様を見れば、設定値がリドゥされた設定値であることを把握することができる。
【0063】
図9は、操作ボタン31の表示態様の変化の例を示す図である。図9(a)は、操作ボタン31の初期状態を示している。操作ボタン31が初期状態であるとき、操作ボタン31の中央には、初期値である「文字/写真」が表示されている。初期状態の操作ボタン31がユーザーによって操作され、設定値が「文字」に変更されると、操作ボタン31の表示態様は、図9(b)に示すように変化する。図9(b)に示す操作ボタン31が再びユーザーによって操作され、設定値が「写真」に変更されると、操作ボタン31の表示態様は、図9(c)に示すように変化する。図9(c)に示す状態の操作ボタン31が再びユーザーによって操作され、詳細設定画面40においてリセットボタン44が操作されると、設定値が初期化され、操作ボタン31の表示態様が図9(d)に示す第1の表示態様に変化する。また、図9(c)に示す状態の操作ボタン31が再びユーザーによって操作され、詳細設定画面40においてアンドゥボタン45が操作されると、設定値が1つ前の設定値に戻り、操作ボタン31の表示態様が図9(e)に示す第2の表示態様に変化する。更に、図9(e)に示す状態の操作ボタン31が再びユーザーによって操作され、詳細設定画面40においてリドゥボタン46が操作されると、設定値がアンドゥ前の設定値に戻り、操作ボタン31の表示態様が図9(f)に示す第3の表示態様に変化する。
【0064】
したがって、ユーザーは、複数の操作ボタン31~38の表示態様を視認することにより、操作画面G1に含まれる複数の設定項目のうち、自身で設定値を変更した設定項目を簡単に見つけ出すことができる。特に、設定値を初期化、アンドゥ又はリドゥした場合には、操作ボタン31~38の表示態様が第1乃至第3の表示態様のいずれかに変化する。そのため、ユーザーは、設定値のリセット、アンドゥ又はリドゥした場合に簡単にその設定項目の設定値を確認することができる。
【0065】
次に、図10及び図11は、画像処理装置1の制御部8によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、制御部8のプロセッサーがプログラム10を実行することにより行われる。まず図10に示すように、制御部8は、この処理を開始すると、操作パネル5の表示部5aにログイン画面を表示する(ステップS10)。そのログイン画面に対するユーザーのログイン操作に基づき、制御部8は、画像処理装置1がログイン状態へ移行するか否かを判断する(ステップS11)。画像処理装置1がユーザーによるログイン状態へ移行する場合(ステップS11でYES)、制御部8は、ユーザーが操作可能な操作画面G1を表示部5aに表示する(ステップS12)。これにより、ユーザーは、ジョブの設定操作を行うことができるようになる。
【0066】
操作画面G1を表示した後、制御部8は、ユーザーの操作を検知すると(ステップS13)、ユーザーの操作がジョブの実行指示であるか否かを判断する(ステップS14)。ジョブの実行指示ではない場合(ステップS14でNO)、ユーザーによるジョブの設定操作が行われたことになる。この場合、制御部8による処理は、図11のフローチャートに進む。
【0067】
図11のフローチャートに進むと、制御部8は、複数の設定項目のうちからユーザーによって指定された設定項目を特定する(ステップS20)。設定項目を特定すると、制御部8は、ユーザーによって複数の操作ボタン43のうちのいずれかが操作され、設定値が指定されたか否かを判断する(ステップS21)。ユーザーによって設定値が指定された場合(ステップS21でYES)、制御部8は、特定した設定項目の設定値をユーザーによって指定された設定値に変更する(ステップS22)。また、制御部8は、履歴情報11にユーザーによって指定された設定値を記録し、履歴情報11を更新する(ステップS23)。
【0068】
ユーザーの操作が設定値を指定する操作ではなかった場合(ステップS21でNO)、制御部8は、リセットボタン44が操作されたか否かを判断する(ステップS24)。リセットボタン44が操作された場合(ステップS24)、制御部8は、ユーザーによって指定された設定項目の設定値を初期値に戻す(ステップS25)。
【0069】
また、ユーザーの操作がリセットボタン44の操作でない場合(ステップS24でNO)、制御部8は、アンドゥボタン45が操作されたか否かを判断する(ステップS26)。アンドゥボタン45が操作された場合(ステップS26でYES)、制御部8は、履歴情報11を参照し、ユーザーによって指定された設定項目の設定値を1つ前の設定値に戻す(ステップS27)。
【0070】
更に、ユーザーの操作がアンドゥボタン45の操作でない場合(ステップS26でNO)、制御部8は、リドゥボタン46が操作されたか否かを判断する(ステップS28)。リドゥボタン46が操作された場合(ステップS28でYES)、制御部8は、履歴情報11を参照し、ユーザーによって指定された設定項目の設定値を、アンドゥ操作が行われる前の設定値(1つ後の設定値)に戻す(ステップS29)。
【0071】
制御部8は、表示部5aに表示している操作画面G1をユーザーの操作が反映された画面に更新する(ステップS30)。その後、制御部8による処理は、図10のステップS13に戻る。
【0072】
制御部8は、ユーザーによるジョブの実行指示を検知すると(ステップS14でYES)、複数の設定項目のそれぞれの設定値を反映し(ステップS15)、ジョブの実行を開始する(ステップS16)。以上で、画像処理装置1の制御部8による処理が終了する。
【0073】
以上のように本実施形態の画像処理装置1は、複数の設定項目を含む操作画面G1に対するユーザーの操作に基づき、設定項目ごとの設定値を個別に設定変更する設定部22を備えている。この設定部22は、ユーザーの操作に基づき、設定項目ごとの設定値を個別に初期化、アンドゥ又はリドゥすることが可能である。そのため、ユーザーは、操作画面G1に対するジョブの設定操作を行った後、特定の設定項目の設定値が所望の設定値になっていないことを把握したときには、その特定の設定項目の設定値だけを、初期化、アンドゥ又はリドゥすることができる。例えば、ユーザーは、複数の設定項目に対する設定操作を行った後に1つの設定項目の設定値だけを初期化したいときには、その1つの設定項目のリセットボタン44を操作すれば良く、初期化したい設定項目の設定値群の中から初期値に対応する設定値を選択し直す必要はない。また、ユーザーが複数の設定項目に対する設定操作を行った後に1つの設定項目の設定値だけを1つ前の設定値に戻したいときには、設定値を戻したい設定項目のアンドゥボタン45を操作すれば良く、1つ前の設定値に戻したい設定項目の設定値群の中から1つ前の設定値を選択し直す必要はない。また、1つ前の設定値に戻した後、再び元の設定値に戻す場合にも、ユーザーはリドゥボタン46を操作すれば良く、当該設定項目の設定値群の中から1つ前の設定値を選択し直す必要はない。それ故、画像処理装置1の操作性は、従来よりも著しく向上する。
【0074】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態で説明した詳細設定画面40ではなく、操作画面G1に設定値を初期化するためのリセットボタンを表示する例を説明する。尚、本実施形態における画像処理装置1の構成は第1実施形態で説明したものと同様である。
【0075】
図12は、本実施形態において表示部5aに表示される操作画面G1の一例を示す図である。図12(a)に示す操作画面G1には、複数の設定項目の設定値を一括して初期化するためのリセットボタン50が表示されている。このリセットボタン50は、ユーザーが少なくとも1つの設定項目の設定値を初期値から変更した場合にユーザーが操作可能な状態となる。例えば図12(a)に示すように、ユーザーが「原稿画質」、「カラー」、「用紙」及び「出力」の4つの設定項目の設定値を変更した後、リセットボタン50を操作すると、それら4つの設定項目の設定値が一括して初期値に戻る。
【0076】
本実施形態の設定部22は、図12(a)に示す操作画面G1が表示されているとき、リセットボタン50に対するユーザーの操作順序に基づき、複数の設定項目の設定値を一括して初期化する処理と、ユーザーによって指定された1つの設定項目の設定値だけを初期化する処理とを切り替える。例えば図12(b)に示すように、4つの設定項目の設定値が変更された状態で、ユーザーによって設定変更された1つの設定項目の操作ボタン31が選択された後に、リセットボタン50が操作される場合、設定部22は、先に操作された操作ボタン31に対応する設定項目を初期化対象として特定し、その特定した設定項目の設定値だけを初期化する。
【0077】
つまり、本実施形態の画像処理装置1は、操作画面G1に1つのリセットボタン50を表示し、ユーザーがリセットボタン50を操作する前に複数の設定項目のうちから1つの設定項目を指定する操作を行っていれば、ユーザーによって指定された設定項目の設定値だけを初期化する。これに対し、ユーザーがリセットボタン50を操作する前に複数の設定項目のうちから1つの設定項目を指定する操作を行っていない場合、画像処理装置1は、リセットボタン50が操作されたことに伴い、複数の設定項目の全ての設定値を同時に初期化する。
【0078】
図13は、設定部22が1つの設定項目の設定値を初期化する処理手順の一例を示すフローチャートである。設定部22は、ユーザーによる設定項目選択操作を検知する(ステップS40)。すなわち、設定部22は、操作画面G1に含まれる複数の設定項目のうちから1つの設定項目がユーザーによって選択されたことを検知する。設定部22は、ユーザーの操作を検知すると、ユーザーによって指定された設定項目を特定する(ステップS41)。その後、設定部22は、ユーザーによってリセットボタン50が操作されたか否かを判断し(ステップS42)、リセットボタン50が操作されると(ステップS42でYES)、特定した設定項目の設定値を初期化する(ステップS43)。尚、リセットボタン50が操作されなかった場合には、設定値の初期化を行わず、第1実施形態で説明したようにユーザーによるジョブの設定操作を受け付ければ良い。
【0079】
このように本実施形態の画像処理装置1は、操作画面G1に設定値を初期化するリセットボタン50を表示する。設定部22は、複数の設定項目のうちの1つの設定項目がユーザーによって操作された後、リセットボタン50がユーザーによって操作された場合に、ユーザーによって指定された1つの設定項目の設定値を初期化する。したがって、本実施形態においても設定部22は、ユーザーの操作に基づき、設定項目ごとの設定値を個別に初期化することが可能である。
【0080】
図14は、本実施形態において表示部5aに表示される操作画面G1の他の例を示す図である。図14に示す操作画面G1には、上述したリセットボタン50の他に、アンドゥボタン51と、リドゥボタン52とが表示されている。そのため、ユーザーは、操作画面G1に含まれる複数の設定項目のうち、1つの設定項目の設定値を初期化するだけでなく、アンドゥ又はリドゥすることが可能である。
【0081】
例えば、1つの設定項目の設定値をアンドゥする場合、ユーザーは、複数の設定項目のうちからアンドゥ対象となる1つの設定項目を選択した後、アンドゥボタン51を操作すれば良い。また、1つの設定項目の設定値をリドゥする場合、ユーザーは、複数の設定項目のうちからリドゥ対象となる1つの設定項目を選択した後、リドゥボタン52を操作すれば良い。つまり、ユーザーは、1つの設定項目の設定値を初期化する操作と同様の操作で、1つの設定項目の設定値をアンドゥ又はリドゥすることができる。
【0082】
尚、本実施形態において上述した点以外の構成及び動作は、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0083】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、操作画面G1に、1つの設定項目ごとに設定値を初期化するためのリセットボタンを表示する例を説明する。尚、本実施形態における画像処理装置1の構成は第1実施形態で説明したものと同様である。
【0084】
図15は、本実施形態において表示部5aに表示される操作画面G1の一例を示す図である。図15(a)に示す操作画面G1には、設定値ごとに設定値を初期化するためのリセットボタン53が表示されている。このリセットボタン53は、ユーザーが少なくとも1つの設定項目の設定値を初期値から変更した場合にユーザーが操作可能な状態となる。
【0085】
本実施形態の設定部22は、少なくとも1つの設定項目の設定値が初期値から変更されている状態で、図15(b)に示すように、ユーザーによってリセットボタン53が操作された後に、設定値が変更されている操作ボタン31が操作されると、操作ボタン31に対応する設定項目を初期化対象として特定し、その特定した設定項目の設定値だけを初期化する。したがって、本実施形態においても設定部22は、ユーザーの操作に基づき、設定項目ごとの設定値を個別に初期化することが可能である。
【0086】
また、表示制御部21は、ユーザーによって設定値ごとに設定値を初期化するためのリセットボタン53が操作されたとき、図16に示すように、操作画面G1に表示しているリセットボタン53を、複数の設定項目の全ての設定値を一括して初期値に戻すためのリセットボタン54に変化させるようにしても良い。この場合、設定部22は、ユーザーによってリセットボタン53が操作された後に1つの設定項目が選択された場合に、その選択された1つの設定項目の設定値だけを初期化する。また、設定部22は、ユーザーによってリセットボタン53が操作された後に、表示内容が変化したリセットボタン54が操作された場合に、複数の設定項目の全ての設定値を同時に初期化する。したがって、この場合は、設定項目ごとの設定値の初期化する処理と、複数の設定項目の設定値を一括して初期化する処理とをユーザーが選択的に行うことが可能である。
【0087】
尚、本実施形態において上述した点以外の構成及び動作は、第1又は第2実施形態で説明したものと同様である。
【0088】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図17は、本実施形態において表示部5aに表示される操作画面G1の一例を示す図である。図17に示す操作画面G1には、設定値を初期化するためのリセットボタン50が表示されている。ユーザーによってリセットボタン50が操作されると、表示制御部21は、操作画面G1内にサブ画面55を表示する。このサブ画面55には、複数の設定項目の全ての設定値を一括して初期値に戻すための第1のリセットボタン54と、設定項目ごとに設定値を初期値に戻すための第2のリセットボタン53とが表示される。したがって、ユーザーが第1のリセットボタン54を操作すると、設定部22によって複数の設定項目の全ての設定値が初期化される。また、ユーザーが第2のリセットボタン53を操作した場合、設定部22は、その後にユーザーによって複数の設定項目のうちの1つの設定項目の選択操作を受け付ける。第2のリセットボタン53が操作された後にユーザーによって1つの設定項目が選択されると、設定部22は、ユーザーによって指定された設定項目の設定値だけを初期化する。
【0089】
したがって、本実施形態においても設定部22は、ユーザーの操作に基づき、設定項目ごとの設定値を個別に初期化することが可能である。
【0090】
尚、本実施形態において上述した点以外の構成及び動作は、第1乃至第3実施形態のいずれかで説明したものと同様である。
【0091】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図18は、本実施形態における画像処理装置1のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。図18に示す画像処理装置1が図2と異なる点は、記憶部7に設定項目情報12が記憶されている点である。設定項目情報12は、操作画面G1に含まれる複数の設定項目の関連性の有無が記述された情報である。
【0092】
例えば、「用紙」の設定項目と「倍率」の設定項目は、互いに関連性を有する設定項目である。ユーザーによって用紙のサイズが変更されると、倍率の設定に影響を与えるからである。
【0093】
また例えば、「カラー」の設定項目と「カラーバランス」の設定項目も、互いに関連性を有する設定項目である。ユーザーによって「カラー」の設定項目の設定値として「カラー」が設定されているとき、「カラーバランス」の設定項目においてY(イエロー)の調整値(設定値)が「+3」に設定されていたとする。その後、ユーザーによって「カラー」の設定項目の設定値が「カラー」から「モノクロ」に変更されたとき、「カラーバランス」の設定項目においてYの調整値が「+3」のままで保持されると、モノクロ画像の再現性が低下してしまう。そのため、「カラー」の設定項目と「カラーバランス」の設定項目は、互いに影響を与える関係にある。
【0094】
ユーザーは、ジョブの設定操作を行っているとき、互いに関連性を有する2以上の設定項目の設定値を所望の設定値に変更することがある。その場合、設定値の変更された2以上の設定項目のうちの1つの設定項目の設定値がユーザーによって初期化、アンドゥ又はリドゥされた場合、ユーザーによって指定された設定項目の設定値だけを初期化、アンドゥ又はリドゥしてしまうと、関連性を有する他の設定項目の設定値との整合性がなくなる。
【0095】
そこで、本実施形態の設定部22は、複数の設定項目のうちの2以上の設定項目の設定値をユーザーによって指定された設定値に変更した後に、それら2以上の設定項目のうちの一の設定項目の設定値を初期化、アンドゥ又はリドゥすることがユーザーによって指示されたとき、2以上の設定項目の中からユーザーによって指定された一の設定項目と関連性を有する設定項目を抽出し、ユーザーによって指定された一の設定項目の設定値と、一の設定項目と関連性を有する設定項目の設定値とを、同時に、初期化、アンドゥ又はリドゥする。これにより、互いに関連性を有する複数の設定項目の設定値が互いに整合しなくなることを未然に防ぐことができる。
【0096】
図19は、設定部22による処理手順の一例を示すフローチャートである。設定部22は、ユーザーによって設定項目ごとの設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥが指示されたか否かを判断する(ステップS50)。設定項目ごとの設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥが指示された場合(ステップS50でYES)、設定部22は、ユーザーによって指定された設定項目を特定する(ステップS51)。
【0097】
続いて、設定部22は、ユーザーによって設定変更された全ての設定項目を抽出し(ステップS52)、2以上の設定項目の設定値がユーザーによって設定変更されているか否かを判断する(ステップS53)。
【0098】
2以上の設定項目の設定値がユーザーによって設定変更されている場合(ステップS53でYES)、設定部22は、設定項目情報12を参照し、ユーザーによって設定変更された設定項目の中に、ステップS51で特定した設定項目と関連性を有する設定項目があるか否かを判断する(ステップS54)。ステップS51で特定した設定項目と関連性を有する設定項目の設定値が設定変更されている場合(ステップS54でYES)、設定部22は、関連性を有する設定項目を特定し(ステップS56)、ユーザーによって指定された設定項目の設定値と、関連性を有する設定項目の設定値とを同時に初期化、アンドゥ又はリドゥする(ステップS56)。この場合、画像処理装置1は、設定項目ごとに、設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを行うことができると共に、他の設定項目の設定値との整合性を確保することができる。
【0099】
一方、2以上の設定項目の設定値がユーザーによって設定変更されていない場合(ステップS53でNO)、又は、ステップS51で特定した設定項目と関連性を有する設定項目の設定値が設定変更されていない場合(ステップS54でNO)、設定部22は、ユーザーによって指定された設定項目の設定値だけを初期化、アンドゥ又はリドゥする(ステップS57)。この場合、画像処理装置1は、設定項目ごとに、設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを行うことができる。
【0100】
また、設定項目情報12は、互いに関連する複数の設定項目に対して優先順位を定義した情報であっても良い。例えば、複数の設定項目の間には、上位の設定項目と下位の設定項目といった上下関係があることがある。具体例を挙げると、「カラーバランス」の設定項目は、「カラー」の設定項目の設定値が「カラー」である場合にユーザーによる設定変更が可能となる設定項目であり、「カラー」の設定項目の下位項目となる。そのため、設定項目情報12において定義される優先順位は、「カラー」の設定項目が「カラーバランス」の設定項目よりも高くなる。
【0101】
設定項目情報12に優先順位が定義されている場合、設定部22は、優先順位に基づく処理を行う。例えば、「カラー」の設定項目の設定値として「カラー」が設定されているとき、「カラーバランス」の設定項目においてY(イエロー)の調整値(設定値)が「+3」に設定されていたとする。このとき、ユーザーによって「カラー」の設定項目の初期化、アンドゥ又はリドゥが指示されると、設定部22は、「カラー」の設定項目の設定値だけを初期化、アンドゥ又はリドゥしてしまうと、「カラーバランス」の設定項目の設定値との間で整合性をなくしてしまう。
【0102】
そこで、設定部22は、ユーザーによって初期化、アンドゥ又はリドゥが指示された設定項目の優先順位と、関連性を有する設定項目の優先順位とを比較し、ユーザーによって指定された設定項目の優先順位が高いときには、設定項目ごとの初期化、アンドゥ又はリドゥを禁止する。これにより、優先順位の高い設定項目の設定値だけが変わり、優先順位の低い設定項目の設定値がそのまま保持されてしまうことを防止することができる。
【0103】
図20は、優先順位を判断する処理手順の一例を示すフローチャートである。設定部22は、ユーザーによって設定項目ごとの設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥが指示されたか否かを判断する(ステップS60)。設定項目ごとの設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥが指示された場合(ステップS60でYES)、設定部22は、ユーザーによって指定された設定項目を特定する(ステップS61)。
【0104】
続いて、設定部22は、ユーザーによって設定変更された全ての設定項目を抽出し(ステップS62)、2以上の設定項目の設定値がユーザーによって設定変更されているか否かを判断する(ステップS63)。
【0105】
2以上の設定項目の設定値がユーザーによって設定変更されている場合(ステップS63でYES)、設定部22は、設定項目情報12を参照し、ユーザーによって設定変更された設定項目の中に、ステップS61で特定した設定項目と関連性を有する設定項目があるか否かを判断する(ステップS64)。ステップS61で特定した設定項目と関連性を有する設定項目の設定値が設定変更されている場合(ステップS64でYES)、設定部22は、関連性を有する設定項目を特定し(ステップS66)、優先順位を判定する(ステップS66)。そして、設定部22は、ユーザーによって指定された設定項目の優先順位が関連性を有する他の設定項目の優先順位よりも高いか否かを判断する(ステップS67)。ユーザーによって指定された設定項目の優先順位が関連性を有する他の設定項目の優先順位よりも高い場合(ステップS67でYES)、設定部22は、ユーザーによって指定された設定項目の設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを禁止する(ステップS68)。
【0106】
一方、2以上の設定項目の設定値がユーザーによって設定変更されていない場合(ステップS63でNO)、ステップS61で特定した設定項目と関連性を有する設定項目の設定値が設定変更されていない場合(ステップS64でNO)、又は、ユーザーによって指定された設定項目の優先順位が関連性を有する他の設定項目の優先順位よりも低い場合(ステップS67でNO)設定部22は、ユーザーによって指定された設定項目の設定値だけを初期化、アンドゥ又はリドゥする(ステップS69)。この場合、画像処理装置1は、設定項目ごとに、設定値の初期化、アンドゥ又はリドゥを行うことができる。
【0107】
(変形例)
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0108】
例えば上記各実施形態では、画像処理装置1がMFPとして構成される場合を例示したが、これに限られるものではない。例えば、画像処理装置1は、コピー専用機、スキャナ、プリンタ、FAX専用機などの単機能機として構成される装置であっても構わない。また、画像処理装置1は、上記以外の他の装置として構成されるものであっても良い。
【0109】
また、上記実施形態では、画像処理装置1で実行されるプログラム10が予め記憶部7に記憶されている例を説明した。しかし、プログラム10は、画像処理装置1に予め記憶されているものに限られない。すなわち、画像処理装置1において実行されるプログラム10は、それ単体で取引の対象となるものであっても構わない。この場合、プログラム10は、インターネットなどのネットワークを介してダウンロード可能な態様で提供されるものであっても良いし、またCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されるものであっても良い。
【符号の説明】
【0110】
1 画像処理装置
5 操作パネル
5a 表示部
7 記憶部
8 制御部
10 プログラム
11 履歴情報
21 表示制御部
22 設定部
23 履歴管理部
24 ジョブ制御部
G1 操作画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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図19
図20