(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012573
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】リンク伝送方法、端末機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 76/14 20180101AFI20240123BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240123BHJP
H04W 72/563 20230101ALI20240123BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20240123BHJP
H04W 76/16 20180101ALI20240123BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W92/18
H04W72/563
H04W4/40
H04W76/16
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192600
(22)【出願日】2023-11-10
(62)【分割の表示】P 2021570838の分割
【原出願日】2019-05-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.FRAM
3.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ルー、チエンシー
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、チェンシャン
(72)【発明者】
【氏名】リン、ホエイ-ミン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のリンク伝送タイプが共存する場合、優先的に伝送されるリンク伝送タイプを決定することができるリンク伝送方法、端末機器及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】方法は、第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができない場合、端末機器が、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンク伝送方法であって、
第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができない場合、端末機器は、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することを含み、前記第1種類伝送は上りリンク伝送又はサイドリンク伝送であり、前記第2種類伝送は上りリンク伝送又はサイドリンク伝送であり、前記第1種類伝送と前記第2種類伝送は異なり、
前記第1種類伝送は、異なるアクセス種類の第1種類伝送を含み、
前記アクセス種類は、無線アクセス技術(RAT)を含み、前記RATはLTE又はNRであり、
前記端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、
第1タイプの第1種類伝送が存在する場合、前記第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することを含み、
前記端末機器が前記第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、
論理チャネルの属性に基づいて、少なくとも1つの前記第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することを含み、前記第1タイプはネットワーク機器から送信される構成によって設定されるものであり、前記構成は論理チャネルの属性に基づく構成を含み、前記論理チャネルの属性は、論理チャネルの優先度を含み、前記少なくとも1つの前記第1タイプの第1種類伝送の論理チャネルの優先度は所定閾値より高いものである、リンク伝送方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記端末機器は、前記少なくとも1つの第1種類伝送と少なくとも1つの第2種類伝送を比較することをさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2種類伝送は、異なるアクセス種類に基づいて選択された少なくとも1つの第2種類伝送を含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第2種類伝送は、前記少なくとも1つの第1種類伝送と同一のアクセス種類を有する第2種類伝送を含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記端末は、前記少なくとも1つの第1種類伝送を、異なるアクセス種類の第1種類伝送及び/又は異なるアクセス種類の第2種類伝送と比較することをさらに含むことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2種類伝送が第2タイプの第2種類アクセス伝送である場合、前記少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送し、
前記第2タイプは、ネットワーク機器により構成されるものであることを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記端末機器は、第1タイプの第1種類伝送が存在するかどうかを判断することをさらに含み、
前記端末機器が第1タイプの第1種類伝送が存在するかどうかを判断するための根拠は、異なるシーンを含み、
前記異なるシーンは、
端末機器がクロスRAT構成をサポートするかどうか、
ネットワーク機器がクロスRAT構成をサポートするかどうか、
端末機器が異なるPC5 RATの間で時分割多重化(TDM)切り替え伝送を行うことをサポートするかどうか、
及び端末機器が複数のRATのPC5伝送をサポートするかどうかのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする
請求項1から6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記端末機器は、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定することをさらに含むことを特徴とする
請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記端末機器が前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定することは、
前記端末機器は、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送を伝送することを決定することを含むことを特徴とする
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、少なくとも1つの第1種類伝送のメディアアクセス制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)が生成された後に行われることを特徴とする
請求項1から9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、
前記端末機器のメディアアクセス制御(MAC)層エンティティが物理(PHY)層エンティティに情報を送信することと、
前記PHY層エンティティが前記情報に基づいて、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することと、を含み、
前記情報は、
データ優先度と、論理チャネル優先度と、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする
請求項1から10のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1種類伝送は、サイドリンク伝送であり、前記第2種類伝送は、上りリンク伝送であることを特徴とする
請求項1から11のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1種類伝送と前記第2種類伝送はいずれも、
データチャネルを含むことを特徴とする
請求項1から12のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
端末機器であって、前記端末機器は請求項1から13のうちいずれか一項に記載のリンク伝送方法を実行するように構成される、
端末機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術分野に関し、特にリンク伝送方法、端末機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5th Generation:5G)の新しい無線(New Radio:NR)システムのビークルツーエブリシング(Vehicle to Everything:V2X)において、上りリンク(Up Link:UL)伝送とサイドリンク(Side Link:SL)伝送がいずれも存在するシーンでは、UL伝送とSL伝送を同時に伝送することができない場合、優先的に伝送するリンク伝送のタイプを如何に決定するかは、現在では、有効な解決手段がない。
【発明の概要】
【0003】
上記技術的課題を解決するために、複数のリンク伝送タイプが共存する場合、優先的に伝送されるリンク伝送タイプを決定することができるリンク伝送方法、端末機器及び記憶媒体を提供する。
【0004】
第1態様によれば、本発明の実施例は、リンク伝送方法を提供する。前記方法は、第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができない場合、端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することを含む。
【0005】
第2態様によれば、本発明の実施例は、端末機器を提供する。前記端末機器は、
第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができない場合、端末機器が、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定するように構成される処理ユニットを備える。
【0006】
第3態様によれば、本発明の実施例は、端末機器を提供する。前記端末機器は、プロセッサと、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するためのメモリとを備え、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時、上記リンク伝送方法のステップを実行するように構成される。
【0007】
第4態様によれば、本発明の実施例は、記憶媒体を提供する。前記記憶媒体には、実行可能なプログラムが記憶されており、前記実行可能なプログラムがプロセッサにより実行される時、上記リンク伝送方法を実現させる。
【0008】
本発明の実施例によるリンク伝送方法、端末機器及び記憶媒体において、第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができない場合、端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することができる。第1種類伝送の送信と第2種類伝送の送信が衝突する場合、どちらの伝送タイプを送信するかを決定できないという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明によるモード3のデータ伝送の処理フローチャートである。
【
図2】本発明によるモード4のデータ伝送に対する処理フローチャートである。
【
図3】本発明によるスロット構造を示す概略図である。
【
図4】本発明による別のスロット構造を示す概略図である。
【
図5】本発明の実施例による通信システムの構造を示す概略図である。
【
図6】本発明の実施例によるリンク伝送方法の選択可能な処理フローチャートである。
【
図7】本発明の実施例による端末機器の構造を示す概略図である。
【
図8】本発明の実施例による端末機器のハードウェア構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例の特徴及び技術的要旨をより完全に理解するために、以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例の実現を詳細に説明し、添付される図面は、参照のためのものに過ぎず、本発明の実施例を限定するものではない。
【0011】
本発明の実施例を詳しく説明する前に、まず、車のインターネットシステムを簡単に説明する。
【0012】
車のインターネットシステムは、端末間(Device to Device:D2D)通信に基づくSL伝送技術であり、LTEシステムにおいて通信データが基地局を介して受信又は送信するという従来の方式と異なり、車のインターネットシステムにおいて、通信データが端末間の直接通信の方式を用いるため、より高いスペクトル効率及びより低い伝送遅延を有する。
【0013】
3GPP Rel-14において、V2Xに対して標準化しており、モード3及びモード4という2つの伝送モードが定義されている。
【0014】
モード3において、データ伝送のフローは、
図1に示す通りである。車載端末のサイドリンク伝送リソースは、基地局により割り当てられる。車載端末は、基地局により割り当てられるリソースに基づいてサイドリンクでデータの送信を行う。基地局は、端末に対して、一回分で伝送するリソースを割り当ててもよく、端末に対して、半静的に伝送するリソースを割り当ててもよい。
【0015】
モード4において、データ伝送のフローは、
図2に示す通りである。車載端末は、センシング(sensing)+予約(reservation)の伝送方式を用いる。車載端末は、リソースプールから、センシングの方式で、利用可能な伝送リソース集合を取得する。端末は、該集合から、1つのリソースをランダムに選択してサイドリンクデータの伝送を行う。車のインターネットシステムにおけるトラフィックが周期的特徴を有するため、端末は、一般的に、半静的伝送の方式を用いる。即ち、端末は、1つの伝送リソースを選択した後、複数の伝送周期において、該リソースを持続的に用いる。それにより、リソース再選択及びリソース衝突の確率を低減させる。端末は、今回で伝送される制御情報に次回の伝送リソースの情報を含ませて予約する。それにより、他の端末は、該ユーザの制御情報を検出することによって、該リソースが該ユーザにより予約して使用されているか否かを判断することができ、リソース衝突の低減の目的を達成することができる。
【0016】
LTE-V2Xにおいて、SL伝送は、専用キャリアを用いるか又はULとキャリアを共有することができる。SLとULがキャリアを共有する場合、SL伝送は、上りリンク伝送リソースのみを用いることができる。例えば、時分割複信(Time Division Duplexing:TDD)システムの上りリンクサブフレーム、又は周波数分割複信(Frequency Division Duplexing:FDD)システムの上りリンクキャリアを用いる。UL伝送は、端末に対する干渉を避けるために、下りリンクリソースを使用できない。
【0017】
NRシステムにおいて、セル内では、異なるスロット構造をサポートする。即ち、1つのスロット内に、下りリンクシンボルと、上りリンクシンボルと、フレキシブルシンボルと、のうちの少なくとも1つが含まれてもよく、そして、下りリンクシンボル、上りリンクシンボル及びフレキシブルシンボルの数はいずれも構成可能である。ここで、フレキシブルシンボルは、伝送方向が未決定であることを表す。
図3に示すスロット構造概略図において、1つのスロットは、4個の下りリンクシンボルと、2個の上りリンクシンボルと、8個のフレキシブルシンボルとを含む。
図4に示す別のスロット構造概略図において、一つのスロットは、7個の下りリンクシンボルと、4個の上りリンクシンボルと、3個のフレキシブルシンボルとを含む。
【0018】
実際の応用において、構成情報又は下りリンク制御情報(Downlink Control Information:DCI)により、フレキシブルシンボルで表される伝送方向を変更することができる。例えば、DCIにより、フレキシブルシンボルを下りリンクシンボルに変更し、又は、DCIにより、フレキシブルシンボルを上りリンクシンボルに変更する。また例えば、構成情報により、伝送方向を暗黙的に決定する。例えば、フレキシブルシンボルに同期信号ブロック(Synchronization Signal Block:SSB)の伝送を構成し、その場合、該フレキシブルシンボルが下りリンク伝送を表すと決定することができる。
【0019】
NR-V2Xシステムにおいて、ネットワーク機器は、フレキシブルシンボルをSL伝送に用いるように構成することができ、フレキシブルシンボルをUL伝送に用いるように構成することもでき、更に、フレキシブルシンボルを下りリンク(Down Link:DL)伝送に用いるように構成することもできる。1つの伝送リソースがSL伝送だけでなく、UL伝送にも用いられる場合、該伝送リソースがSLとULとのうちのどちらかに用いられるかを如何に決定するかは、現在では、有効な解決手段がない。
【0020】
更に、異なる無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)におけるULとSLが同時に存在する場合、及び異なるセルグループにおけるULとSLが同時に存在する場合、該上りリンクリソースでUL伝送を伝送するか又は該上りリンクリソースでSL伝送を伝送することを如何に決定するかは、現在では、有効な解決手段がない。
【0021】
上記問題に基づき、本発明は、伝送方法を提供する。本願の実施例の伝送方法は、例えばグローバルモバイル通信(Global System of Mobile Communication:GSM)システム、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access:WCDMA)システム、汎用パケット無線サービス(General Packer Radio Service:GPRS)、長期的進化(Long Term Evolution:LTE)システム、LTE周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)システム、LTE時分割複信(Time Division Duplex:TDD)システム、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System:UMTS)、ワイマックス(Worldwide Interoperability for Microwave Access:WiMAX)通信システム又は5Gシステムなどの種々の通信システムに適用されてもよい。
【0022】
例示的に、本願の実施例が適用するシステム100は、
図5に示す通りである。該通信システム100は、ネットワーク機器110を備えてもよい。ネットワーク機器110は端末機器120(又は、通信端末、端末と呼ばれる)と通信を行う機器であってもよい。ネットワーク機器110は、特定の地理的エリアに対して通信カバレッジを提供し、且つ該カバレッジ内に位置する端末機器と通信を行うことができる。選択的に、該ネットワーク機器110は、GSMシステム又はCDMAシステムにおける基地局(Base Transceiver Station:BTS)であってもよいし、WCDMAシステムにおける基地局(NodeB:NB)であってもよく、また、LTEシステムにおける進化型基地局(Evolutional NodeB:eNB又はeNodeB)であってもよく、又は、クラウド無線アクセスネットワーク(Cloud Radio Access Network:CRAN)における無線コントローラであってもよい。又は、該ネットワーク機器は、モバイルスイッチングセンタ、中継局、アクセスポイント、車載機器、ウェアラブル機器、ハブ、スイッチ、ブリッジ、ルータ、5Gシステムにおけるネットワーク側機器又は将来の進化型公衆地上移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network:PLMN)におけるネットワーク機器等であってもよい。
【0023】
該通信システム100は、ネットワーク機器110のカバレッジ範囲内に位置する少なくとも1つの端末機器120を更に備える。ここで使用される「端末機器」は、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks:PSTN)、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)、デジタルケーブル、直接ケーブルのような有線回線を経由して接続される装置、及び/又は別のデータ接続/ネットワークを経由して接続される装置、及び/又はセルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network:WLAN)、DVB-H ネットワークのようなデジタルテレビジョンネットワーク、衛星ネットワーク、AM-FM放送送信機のような無線インタフェースを経由して接続される装置、及び/又は別の端末機器における、通信信号を受信/送信するように構成される装置、及び/又はモノのインターネット(Internet of Things:IoT)機器を含むが、これらに限定されない。無線通信インタフェースを経由して通信を行うように構成される端末機器は、「無線通信端末」、「無線端末」、又は「携帯端末」と呼ばれてもよい。携帯端末の例は、衛星電話またはセルラー電話、セルラー無線電話とデータ処理、ファクシミリ及びデータ通信能力とを組み合わせることができるパーソナル通信システム(Personal Communications System:PCS)端末、無線電話、ページング装置、インターネット/イントラネットアクセス、Webブラウザ、メモ帳、カレンダ及び/又は全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)受信機を含むPDA、及び従来のラップトップ及び/又はパームトップ受信機又は無線電話送受信機を含む他の電子機器を含むが、これらに限定されない。端末機器は、アクセス端末、ユーザ機器(User Equipment:UE)、ユーザユニット、ユーザ局、移動ステーション、移動局、遠隔局、遠隔端末、移動機器、ユーザ端末、端末、無線通信機器、ユーザエージェント又はユーザ装置であってもよい。アクセス端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol:SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(Wireless Local Loop:WLL)局、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant:PDA)、無線通信機能を有するハンドヘルド機器、コンピューティング機器又は無線モデムに接続される他の処理機器、車載機器、ウェアラブル機器、5Gシステムにおける端末機器又は将来の進化型PLMNにおける端末機器等であってもよい。
【0024】
選択的に、端末機器120同士は、端末間(Device to Device:D2D)での通信を行うことができる。
【0025】
選択的に、5Gシステム又は5Gネットワークは、新しい無線(New Radio:NR)システム又はNRネットワークと呼ばれてもよい。
【0026】
図5は、1つのネットワーク機器及び2つの端末機器を例示的に示す。選択的に、該通信システム100は、複数のネットワーク機器を備えてもよく、また各ネットワーク機器のカバレッジに、他の数の端末機器が含まれてもよく、本願の実施例はこれを限定するものではない。
【0027】
選択的に、該通信システム100は、ネットワークコントローラ、移動管理エンティティ等の他のネットワークエンティティを備えてもよく、本願の実施例はこれを限定するものではない。
【0028】
本出願の実施例のネットワーク/システムにおける通信機能を有する機器は、通信機器と呼ばれてもよいことが理解されるべきである。
図5に示す通信システム100を例として、通信機器は、通信機能を有するネットワーク機器110及び端末機器120を備えてもよく、ネットワーク機器110及び端末機器120は、上述した具体的な機器であってもよく、ここで詳細な説明を省略する。通信機器は、ネットワークコントローラ、移動管理エンティティ等の他のネットワークエンティティのような、通信システム100における他の機器を備えてもよく、本願の実施例はこれを限定するものではない。
【0029】
本発明の実施例によるリンク伝送方法の1つの選択可能な処理フローは、
図6に示すように、下記ステップを含む。
【0030】
ステップS201において、第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができない場合、端末機器が、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定する。
【0031】
ここで、第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができないことは、第1種類伝送と第2種類伝送が、同じ又は衝突する時間領域リソースを用いることと、端末機器の電力が足りないことと、端末機器が第1種類伝送と第2種類伝送に対応する帯域の組み合わせをサポートできないことと、端末機器の切り替え時間が足りないことと、のうちの少なくとも1つを含むが、それらに限らない。
【0032】
ここで、第1種類伝送は、異なるアクセス種類の第1種類伝送を含み、第2種類伝送は、異なるアクセス種類の第2種類伝送を含む。アクセス種類は、無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)と、セルグループと、のうちの1つを含む。例えば、RATは、LTE又はNRであり、セルグループは、プライマリセルグループ又はセカンダリセルグループである。従って、第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができないことは、異なるRATの第1種類伝送と、異なるRATの第2種類伝送と、異なるセルグループの第1種類伝送と、異なるセルグループの第2種類伝送と、のうちの少なくとも2つを同時に伝送することができないことを含んでもよい。
【0033】
具体的に実施する場合、端末機器は、第1タイプの第1種類伝送が存在するかどうかを判断する。第1タイプの第1種類伝送が存在する場合、端末機器は、第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送する。ここで、端末機器が第1タイプの第1種類伝送が存在するかどうかを判断するための根拠は、異なるシーンを含む。前記異なるシーンは、端末機器がクロスRAT構成をサポートするかどうか、ネットワーク機器がクロスRAT構成をサポートするかどうか、端末機器が異なるPC5 RATの間での時分割多重化(Time Division Multiplexing:TDM)切り替え伝送をサポートするかどうか、及び端末機器が複数のRATにおけるPC5伝送をサポートするかどうかのうちの少なくとも1つを含む。例えば、端末機器がクロスRAT構成をサポートしないことと、ネットワーク機器がクロスRAT構成をサポートしないことと、端末機器が異なるPC5 RATの間でのTDM切り替え伝送をサポートしないことと、ネットワーク機器が異なるPC5 RATの間でのTDM切り替え伝送をサポートしないことと、のうちの少なくとも1つを満たす場合、LTEサイドリンクとNR上りリンクについて、端末機器が上りリンクでRACH MSG1/MSG3、及びemergency PDU connectionを有しない場合、端末機器は、PC5の優先度のみを、サイドリンク伝送を優先的に伝送するための根拠とする。例えば、端末機器は、PC5の優先度が所定の閾値よりも高いか又は低いかに基づいて、サイドリンク伝送を優先的に伝送するかを決定する。対応的に、端末機器がクロスRAT構成をサポートすることと、ネットワーク機器がクロスRAT構成をサポートすることと、端末機器が異なるPC5 RATの間でのTDM切り替え伝送をサポートすることと、ネットワーク機器が異なるPC5 RATの間でのTDM切り替え伝送をサポートすることと、のうちの少なくとも1つを満たす場合、端末機器は、上りリンク伝送の優先度が所定の閾値よりも高いか又は低いかどうか、優先度がサイドリンク伝送よりも高いか又は低い上りリンク伝送が存在するかどうか、及び上りリンク伝送がネットワークで構成される以外の優先的に伝送すべきな伝送タイプを有することのうちの少なくとも1つに基づいて、サイドリンク伝送を優先的に伝送するかどうかを決定する。
【0034】
いくつかの実施例において、いずれか1つのアクセス種類の第1タイプの第1種類伝送が存在すれば、端末機器は、第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送する。即ち、第1タイプの第1種類伝送のアクセス種類(例えばRAT又はセルグループ)が何であるかに関わらず、端末機器は、第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送する。選択的に、第1タイプは、事前に構成されるものであるか又はネットワークにより構成されたものである。異なるアクセス種類は、第1タイプに対して事前に構成されるもの又はネットワークによって構成されるものは、同じであっても異なってもよい。例えば、プライマリセルグループの第1タイプとセカンダリセルグループの第1タイプは同じであっても異なってもよい。ここで、ネットワークによって構成されるものは、ネットワーク機器から端末機器に送信された構成であり、ネットワークによって構成されるものは、論理チャネル属性に基づく構成及び/又は論理チャネル識別子に基づく構成を含む。論理チャネル属性は、伝送タイプ及び/又は論理チャネル優先度を含んでもよい。例えば、伝送タイプは、ランダムアクセス(Random Access Channel:RACH)であり、又は、伝送タイプは、emergencyなどである。伝送タイプに基づいて構成される第1タイプは、特定の伝送タイプを有する第1種類伝送が第1タイプの第1種類伝送であることを指している。論理チャネル優先度に基づいて構成される第1タイプは、優先度が特定値よりも高い論理チャネルが第1タイプの第1種類伝送であることを指している。論理チャネルの識別子に基づいて構成される第1タイプは、特定の論理チャネルが第1タイプである第1種類伝送であることを指している。
【0035】
別のいくつかの実施例において、異なるアクセス種類の第1タイプの第1種類伝送が存在する場合、論理チャネルの属性に基づいて、少なくとも1つの前記第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定する。例えば、RATがLTEとNRである第1タイプの第1種類伝送、及びプライマリセルグループとセカンダリセルグループの第1タイプの第1種類伝送が存在し、端末機器は、論理チャネルの属性に基づいて、異なるアクセス種類の第1タイプの第1種類伝送を比較し、異なるアクセス種類の第1タイプの第1種類伝送から、少なくとも1つの第1タイプの第1種類伝送を選択して優先的な伝送を行う。ここで、論理チャネルの属性は、論理チャネルの優先度を含み、即ち、論理チャネルの優先度が高い第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送する。
【0036】
説明すべきことは、端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、少なくとも1つの第1種類伝送のメディアアクセス制御(Media Access Control:MAC)プロトコルデータユニット(Protocol Data Unit:PDU)が生成された後に行われるか又は少なくとも1つの第1種類伝送のMAC PDUが生成される前に行われる。例えば、端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、少なくとも1つの第1種類伝送のMAC PDUが既にハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat ReQuest:HARQ)キャッシュメモリに記憶されている場合に行われる。又は、端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、第1処理時間の前に行われる。前記第1処理時間は、端末機器の物理層エンティティが、対応する少なくとも1つの第1種類伝送を遂行することができる時間であり、前記第1処理時間は、サブキャリア間隔、シンボル長さなどのパラメータに関わる。従って、サイドリンク伝送に対する第1処理時間と上りリンク伝送に対する第1処理時間は異なる。
【0037】
本発明の実施例において、端末機器が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定する場合、前記端末機器のMAC層エンティティは、物理(Physic:PHY)層エンティティに情報を送信し、前記PHY層エンティティは、前記情報に基づいて、前記少なくとも1つの第1種類伝送を伝送するかどうかを決定する。ここで、前記情報は、データ属性と、論理チャネル属性と、データ優先度と、論理チャネル優先度と、のうちの少なくとも1つを含む。又は、前記情報は、優先的に伝送される第1種類伝送を含む。前記情報が優先的に伝送される第1種類伝送を含む場合、PHY層エンティティは、前記情報に基づいて、前記情報に含まれる第1種類伝送を優先的に伝送することを直接的に決定する。
【0038】
ステップS201を実行する前に、前記方法は、以下をさらに含む。
【0039】
ステップS200において、端末機器が、前記少なくとも1つの第1種類伝送と少なくとも1つの第2種類伝送を比較する。
【0040】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つの第2種類伝送は、異なるアクセス種類に基づいて選択された少なくとも1つの第2種類伝送を含む。例えば、第2種類伝送がSL伝送であり、アクセス種類がRATである場合、異なるRATの第2種類伝送において、優先度の降順に従って、端末機器のサポートする、優先度が所定の閾値よりも高い第2種類伝送を選択する。端末機器は、前記少なくとも1つの第1種類伝送と選択された第2種類伝送を比較する。
【0041】
別のいくつかの実施例において、前記少なくとも1つの第2種類伝送は、前記少なくとも1つの第1種類伝送と同一のアクセス種類を有する第2種類伝送を含む。例えば、前記少なくとも1つの第1種類伝送がプライマリセルグループの第1種類伝送である場合、前記少なくとも1つの第2種類伝送もプライマリセルグループの第2種類伝送である。対応的に、端末機器は、同一のアクセス種類の第1種類伝送と第2種類伝送を比較した後、さらに、少なくとも1つの第1種類伝送を、異なるアクセス種類の第1種類伝送及び/又は異なるアクセス種類の第2種類伝送と比較する。依然として、少なくとも1つの第1種類伝送がプライマリセルグループの伝送であることを例として、端末機器は、プライマリセルグループの第1種類伝送をプライマリセルグループの第2種類伝送と比較した後、さらに、プライマリセルグループの第1種類伝送をセカンダリセルグループの第1種類伝送及び/又はセカンダリセルグループの第2種類伝送と比較する。
【0042】
またいくつかの実施例において、前記少なくとも1つの第2種類伝送が第2タイプの第2種類アクセス伝送である場合、前記少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送する。即ち、前記少なくとも1つの第2種類伝送が第2タイプの第2種類アクセス伝送である場合、第1種類伝送と第2種類伝送を比較することなく、少なくとも1つの第1種類伝送を直接的に優先的に伝送する。ここで、第2タイプは、事前に構成されるものであるか又はネットワークにより構成されたものである。異なるアクセス種類について、第2タイプに対して事前に構成されるもの又はネットワークによって構成されるものは、同じであっても異なってもよい。例えば、プライマリセルグループの第2タイプとセカンダリセルグループの第2タイプは同じであっても異なってもよい。ここで、ネットワークによって構成されるものは、ネットワーク機器から端末機器にリアルタイムに送信された構成であり、ネットワークによって構成されるものは、論理チャネル属性に基づく構成及び/又は論理チャネル識別子に基づく構成を含む。論理チャネル属性は、伝送タイプ及び/又は論理チャネル優先度を含んでもよい。例えば、伝送タイプは、ランダムアクセス(Random Access Channel:RACH)であり、又は、伝送タイプは、emergencyなどである。伝送タイプに基づいて構成される第2タイプは、特定の伝送タイプを有する第2種類伝送が第2タイプの第2種類伝送であることである。論理チャネル優先度に基づいて構成される第2タイプは、優先度が特定値より低い論理チャネルが第2タイプの第2種類伝送であることを指している。論理チャネルの識別子に基づいて構成される第2タイプは、特定の論理チャネルが第2タイプである第2種類伝送であるを指している。
【0043】
ステップS201を実行した後、前記方法は、以下をさらに含む。
【0044】
ステップS202において、端末機器が、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定する。
【0045】
具体的に実施する場合、端末機器は、まず、前記少なくとも1つの第1種類伝送と少なくとも1つの第2種類伝送を同時に伝送することをサポートするかどうかを決定する。前記少なくとも1つの第1種類伝送と少なくとも1つの第2種類伝送を同時に伝送することをサポートすることを決定した後、端末機器は、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定する。
【0046】
いくつかの実施例において、前記端末機器は、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送及び/又は第2種類伝送を伝送しないことを決定する。即ち、端末機器は、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送した後、他の第1種類伝送及び/又は第2種類伝送を伝送しない。
【0047】
別のいくつかの実施例において、前記端末機器は、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送を伝送することを決定する。即ち、端末機器は、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送した後、他の第1種類伝送をさらに伝送する。具体的に実施する時、端末機器により伝送される他の第1種類伝送のアクセス種類は、優先的に伝送される少なくとも1つの第1種類伝送のアクセス種類と同じである。又は、端末機器により伝送される他の第1種類伝送のアクセス種類は、優先的に伝送される少なくとも1つの第1種類伝送のアクセス種類と異なる。又は、端末機器により伝送される他の第1種類伝送は、前記優先的に伝送される第1種類伝送以外の全ての第1種類伝送である。
【0048】
またいくつかの実施例において、前記端末機器は、少なくとも1つの第2種類伝送を伝送することを決定する。即ち、端末機器は、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送した後、少なくとも1つの第2種類伝送をさらに伝送する。具体的に実施する時、端末機器により伝送される少なくとも1つの第2種類伝送のアクセス種類は、優先的に伝送される少なくとも1つの第1種類伝送のアクセス種類と同じである。又は、端末機器により伝送される少なくとも1つの第2種類伝送のアクセス種類は、優先的に伝送される少なくとも1つの第1種類伝送のアクセス種類と異なる。
【0049】
説明すべきことは、端末機器が前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定することは、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送のMAC PDU及び/又は第2種類伝送のMAC PDUが生成された後に行われるか、又は前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送のMAC PDU及び/又は第2種類伝送のMAC PDUが生成される前に行われる。例えば、端末機器が前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送を伝送することを決定することは、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送のMAC PDUが既にHARQキャッシュメモリに記憶されている場合に行われる。又は、端末機器が第2種類伝送を伝送することを決定することは、第2処理時間の前に行われる。前記第2処理時間は、端末機器の物理層エンティティが、対応する第2種類伝送を遂行することができる時間であり、前記第2処理時間は、サブキャリア間隔、シンボル長さなどのパラメータに関係する。従って、サイドリンク伝送に対する第2処理時間と上りリンク伝送に対する第2処理時間は異なる。
【0050】
本発明の実施例において、端末機器が前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定する場合、前記端末機器のMAC層エンティティは、PHY層エンティティに情報を送信し、前記PHY層エンティティは、前記情報に基づいて、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定する。ここで、前記情報は、データ属性と、論理チャネル属性と、データ優先度と、論理チャネル優先度と、のうちの少なくとも1つを含む。又は、前記情報は、優先的に伝送される第1種類伝送と第2種類伝送とのうちの少なくとも1つを含む。前記情報が優先的に伝送される第1種類伝送と第2種類伝送とのうちの少なくとも1つを含む場合、PHY層エンティティは、前記情報に基づいて、第1種類伝送及び/又は第2種類伝送を優先的に伝送することを直接的に決定する。
【0051】
本発明の上記実施例において、前記第1種類伝送は、上りリンク伝送であり、前記第2種類伝送は、サイドリンク伝送である。又は、前記第1種類伝送は、サイドリンク伝送であり、前記第2種類伝送は、上りリンク伝送である。ここで、前記第1種類伝送は、データチャネルと制御チャネルとのうちの少なくとも1つを含み、前記第2種類伝送は、データチャネルと制御チャネルとのうちの少なくとも1つを含む。例えば、データチャネルは、物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)と物理サイドリンク共有チャネル(Physical Sidelink Shared Channel:PSSCH)を含み、制御チャネルは、物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)、物理サイドリンク制御チャネル(Physical Sidelink Control Channel:PSCCH)及びPSFCHを含む。
【0052】
上記リンク伝送方法を実現させるために、本発明の実施例は、端末機器をさらに提供する。前記端末機器300の構造概略図は、
図7に示す通りである。それは、
第1種類伝送と第2種類伝送を同時に伝送することができない場合、端末機器が、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定するように構成される処理ユニット301を備える。
【0053】
本発明の実施例において、第1種類伝送は、異なるアクセス種類の第1種類伝送を含み、及び/又は、前記第2種類伝送は、異なるアクセス種類の第2種類伝送を含む。ここで、アクセス種類は少なくとも、RATと、セルグループと、のうちの1つを含む。
【0054】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301は、第1タイプの第1種類伝送が存在する場合、前記第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定するように構成される。
【0055】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301は、論理チャネルの属性に基づいて、少なくとも1つの第1タイプの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定するように構成される。
【0056】
ここで、前記第1タイプは、事前に構成されるものであり、又は、前記第1タイプは、ネットワークにより構成されたものである。
【0057】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301はさらに、前記少なくとも1つの第1種類伝送と少なくとも1つの第2種類伝送を比較するように構成される。
【0058】
本発明の実施例において、前記少なくとも1つの第2種類伝送は、異なるアクセス種類に基づいて選択された少なくとも1つの第2種類伝送を含む。又は、前記少なくとも1つの第2種類伝送は、前記少なくとも1つの第1種類伝送と同一のアクセス種類を有する第2種類伝送を含む。
【0059】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301はさらに、前記少なくとも1つの第1種類伝送を、異なるアクセス種類の第1種類伝送及び/又は異なるアクセス種類の第2種類伝送と比較するように構成される。
【0060】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301は、前記少なくとも1つの第2種類伝送が第2タイプの第2種類アクセス伝送である場合、前記少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送するように構成される。
【0061】
ここで、前記第2タイプは、事前に構成されるものであり、又は、前記第2タイプは、ネットワークにより構成されたものである。
【0062】
本発明の実施例において、前記ネットワーク機器によって構成されることは、論理チャネル属性に基づく構成及び/又は論理チャネル識別子に基づく構成を含む。
【0063】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301はさらに、第1タイプの第1種類伝送が存在するかどうかを判断するように構成される。
【0064】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301が第1タイプの第1種類伝送が存在するかどうかを判断するための根拠は、異なるシーンを含む。
【0065】
ここで、前記異なるシーンは、端末機器がクロスRAT構成をサポートするかどうか、ネットワーク機器がクロスRAT構成をサポートするかどうか、端末機器が異なるPC5 RATの間でのTDM切り替え伝送をサポートするかどうか、及び端末機器が複数のRATのPC5伝送をサポートするかどうかのうちの少なくとも1つを含む。
【0066】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301はさらに、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定するように構成される。
【0067】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301は、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送及び/又は第2種類伝送を伝送しないことを決定するように構成される。
【0068】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301は、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送を伝送することを決定するように構成される。
【0069】
本発明の実施例において、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送は、 前記少なくとも1つの第1種類伝送のアクセス種類と同じである第1種類伝送、
又は、前記少なくとも1つの第1種類伝送のアクセス種類と異なる第1種類伝送、
又は、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の全ての第1種類伝送を含む。
【0070】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301は、少なくとも1つの第2種類伝送を伝送することを決定するように構成される。ここで、前記少なくとも1つの第1種類伝送のアクセス種類と前記少なくとも1つの第2種類伝送のアクセス種類は、同じであるか又は異なる。
【0071】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、少なくとも1つの第1種類伝送のMAC PDUが生成された後、又は少なくとも1つの第1種類伝送のMAC PDUが生成される前に行われる。前記少なくとも1つの第1種類伝送のMAC PDUは、既にHARQキャッシュメモリに記憶されている。
【0072】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301が少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定することは、第1処理時間の前に行われる。
【0073】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301が前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定することは、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送のMAC PDU及び/又は第2種類伝送のMAC PDUが生成された後に行われるか又は前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送のMAC PDU及び/又は第2種類伝送のMAC PDUが生成される前に行われる。
【0074】
本発明の実施例において、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送のMAC PDU及び/又は第2種類伝送のMAC PDUは、既にHARQキャッシュメモリに記憶されている。
【0075】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301が前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定することは、第2処理時間の前に行われる。
【0076】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301は、MAC層エンティティに位置する第1サブ処理ユニット3011と、PHY層エンティティに位置する第2サブ処理ユニット3012とを備え、
前記第1サブ処理ユニット3011は、第2サブ処理ユニットに情報を送信するように構成され、
前記第2サブ処理ユニット3012は、前記情報に基づいて、少なくとも1つの第1種類伝送を優先的に伝送することを決定するように構成される。
【0077】
本発明の実施例において、前記処理ユニット301は、MAC層エンティティに位置する第1サブ処理ユニット3011と、PHY層エンティティに位置する第2サブ処理ユニット3012とを備え、
前記第1サブ処理ユニット3011は、第2サブ処理ユニットに情報を送信するように構成され、
前記第2サブ処理ユニット3012は、前記情報に基づいて、前記少なくとも1つの第1種類伝送以外の第1種類伝送と第2種類伝送を伝送するかどうかを決定するように構成される。
【0078】
本発明の実施例において、前記情報は、データ属性と、論理チャネル属性と、データ優先度と、論理チャネル優先度と、のうちの少なくとも1つを含む。又は、前記情報は、優先的に伝送される第1種類伝送と第2種類伝送とのうちの少なくとも1つを含む。
【0079】
本発明の実施例において、前記第1種類伝送は、上りリンク伝送であり、前記第2種類伝送は、サイドリンク伝送である。
【0080】
本発明の実施例において、前記第1種類伝送は、サイドリンク伝送であり、前記第2種類伝送は、上りリンク伝送である。
【0081】
本発明の実施例において、前記第1種類伝送と前記第2種類伝送はいずれも、データチャネルと制御チャネルとのうちの少なくとも1つを含む。
【0082】
本発明の実施例は、端末機器をさらに提供する。前記端末機器は、プロセッサと、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するためのメモリとを備え、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時、上記リンク伝送方法のステップを実行するように構成される。
【0083】
図8は、本発明の実施例による端末機器のハードウェア構造を示す概略図である。端末機器700は、少なくとも1つのプロセッサ701と、メモリ702と、少なくとも1つのネットワークインタフェース704とを備える。端末機器700における各ユニットはバスシステム705によって結合される。バスシステム705は、これらの部材間の接続及び通信を実現するためのものであることが理解されるべきである。バスシステム705はデータバスを含む以外、電源バス、制御バス及び状態信号バスを含む。しかしながら、明確に説明するために、
図8において、全てのバスをバスシステム705とする。
【0084】
理解すべき点として、メモリ702は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよいし、揮発性メモリと不揮発性メモリの両方であってもよい。ここで、不揮発性メモリは、ROM、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM:Programmable Read-Only Memory)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read-Only Memory)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、磁気ランダムアクセスメモリ(FRAM:ferromagnetic random access memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、磁気面メモリ、光ディスク、又は読み出し専用型光ディスク(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)であってもよい。磁気面メモリは、磁気ディスクメモリ又は磁気テープメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュとして用いられるランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)であってもよい。非限定的な例証として、RAMは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、同期スタティックランダムアクセスメモリ(SSRAM:Synchronous Static Random Access Memory)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM:Synchronous Dynamic Random Access Memory)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(DDRSDRAM:Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)、エンハンスト同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(ESDRAM:Enhanced Synchronous Dynamic Random Access Memory)、同期リンクダイナミックランダムアクセスメモリ(SLDRAM:Synchlink Dynamic Random Access Memory)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(DRRAM:Direct Rambus Random Access Memory)などの多数の形態で使用可能である。本発明の実施例に記載されているメモリ702は、これら及び任意の他の適切な形態のメモリを含むが、これらに限定されないことに留意されたい。
【0085】
本発明の実施例におけるメモリ702は、様々なタイプのデータを記憶することで、端末機器700による操作をサポートする。これらのデータは、アプリケーションプログラム7022のような、端末機器700で操作される如何なるコンピュータプログラムを含む。本発明の実施例の方法を実現させるためのプログラムは、アプリケーションプログラム7022に含まれてもよい。
【0086】
上記本発明の実施例に開示された方法はプロセッサ701に適用されるか、又はプロセッサ701により実現される。プロセッサ701は、信号を処理する能力を有する集積回路チップであり得る。上記方法の各ステップは、実現する過程において、プロセッサ701におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェアの形の指令により完成することができる。上記プロセッサ701は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネント等であってもよい。プロセッサ701は、本発明の実施例に開示されている各方法、ステップ及び論理的ブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいし、該プロセッサは如何なる従来のプロセッサ等であってもよい。本発明の実施例に開示されている方法のステップに合わせて、ハードウェア解読プロセッサによって完成し、又は解読プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせで実行して完成するように示す。ソフトウェアモジュールは、記憶媒体内に存在してもよい。該記憶媒体は、メモリ702内に位置し、プロセッサ701はメモリ702中の情報を読み取り、そのハードウェアと共に上記方法のステップを完了する。
【0087】
例示的な実施例において、端末機器700は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Intergrated Circuit)、DSP、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、FPGA、汎用プロセッサ、コントローラ、MCU、MPU又は他の電子素子により実現され、前記方法を実行するために用いられる。
【0088】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するための記憶媒体を更に提供する。
【0089】
選択的に、該記憶媒体は、本願の実施例における端末機器に適用可能である。また、該コンピュータプログラムは、コンピュータに、本願の実施例の各方法におけるプロセスを実行させる。簡潔化のために、ここで詳細な説明を省略する。
【0090】
本発明は、本発明の実施例に基づく方法、機器(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明されたものである。コンピュータプログラム命令によりフローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロックの組み合わせを実現することができることが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋め込みプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサへ提供することで機器を構成する。それによって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサによって実行する命令が、フローチャートにおける1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現させるための装置を構成する。
【0091】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を所定の方式で動作させるように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく。これにより該コンピュータ可読メモリに記憶されている命令により、命令装置を備える製品を構成し、該命令装置は、フローチャートにおける1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現させる。
【0092】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器にインストールされてもよい。これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器上で一連の操作を実行してコンピュータにより実行される処理を生成する。これによりコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器上で実行される指令により、フローチャートにおける1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現させるための工程を提供する。
【0093】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神及び原則の範囲内で行われる如何なる修正、同等な置換え及び改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。