(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125733
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】土構造物の乾燥密度の測定方法
(51)【国際特許分類】
E02D 1/04 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
E02D1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033752
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】593089046
【氏名又は名称】青木あすなろ建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100218062
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 悠樹
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】落合 裕正
(72)【発明者】
【氏名】高尾 智仁
(72)【発明者】
【氏名】湊 太郎
(72)【発明者】
【氏名】後藤 佳子
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AA01
2D043AC05
(57)【要約】
【課題】土構造物の施工において、容易に測定可能な比抵抗値と体積含水率に着目し、それらと乾燥密度の関係を表す関係式を規定することにより、対象とする土構造物の乾燥密度を容易に把握することが可能な土構造物の乾燥密度の測定方法を提供すること。
【解決手段】土構造物の比抵抗値(ρ)と体積含水率(θ)を計測し、土構造物が有する構造特性値(Γ)を算出する工程と、前記比抵抗値(ρ)と前記構造特性値(Γ)により、土構造物の乾燥密度(γd)を算出する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土構造物の比抵抗値(ρ)と体積含水率(θ)を計測し、下記式(1)により土構造物が有する構造特性値(Γ)を算出する工程と、前記比抵抗値(ρ)と前記構造特性値(Γ)を下記式(2)に代入することにより、土構造物の乾燥密度(γd)を算出する工程とを有することを特徴とする土構造物の乾燥密度の測定方法。
【数1】
(式中、Rは測定機器が形成する電場の形状によって決定される形状係数を表す)
【数2】
(式中、α、βは、複数の土質を用いて実施した室内試験の結果から得られた定数を表す)
【請求項2】
前記比抵抗値(ρ)が、気層、液層、固層からなる地盤の3相構造モデルから導出される下記式(3)を用いて求められることを特徴とする請求項1に記載の土構造物の乾燥密度の測定方法。
【数3】
(式中、Vは固相の体積、Vwは液相の体積、ρ
waは液相の比抵抗値、Fは電気の流れる方向に対して並列部分と直列部分に分けた構造係数を表す)
【請求項3】
前記形状係数(R)が、比抵抗値を測定する地盤材料に電気が流れる際の断面の形状を表す形状係数であり、2電極法、4電極法、地盤貫入4電極法を用いて下記(4-1)~(4-3)の何れかにより求められることを特徴とする請求項1に記載の土構造物の乾燥密度の測定方法。
【数4】
(式中、rは電極間隔(m)、dは貫入ロッドの半径(m)を表す)
【請求項4】
前記式(2)により求めた土構造物の乾燥密度(γd)を、下記式(5)、(6)を用いて補正する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の土構造物の乾燥密度の測定方法。
【数5】
(式中、γdcは補正後の乾燥密度である)
【数6】
(式中、a、b、cは複数の土質を用いて実施した現場測定及び室内試験の結果から得られた定数である)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土構造物の乾燥密度の測定方法に関し、詳しくは、盛土の締固め管理に用いる土構造物の乾燥密度の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土構造物は、土又は岩石などを材料として構築された構造物及びこれに接する小構造物の総称である。土構造物で取り扱う地盤材料は、岩から粘土まで時間とともに変化する密度や強度変形特性を有する。
【0003】
現在、土構造物の施工において盛土を造成する場合には、土の締固め等について品質管理を行う必要がある。この品質管理の指標としては、JIS A 1210:2020「突き固めによる土の締固め試験」に準拠して実施される室内試験から得られる最大乾燥密度と、施工現場で実際に測定される乾燥密度の比である土の密度比が多く用いられている。施工現場で実施される具体的な密度測定方法としては、古くから砂置換法、突き砂法、水置換法、コアカッター法が知られている。
【0004】
このうち、砂置換法及び突き砂法は、対象とする土構造物から土を取り除いて穴を空け、取り除いた土の重量及び含水比測定を行い、空いた穴に密度が既知である砂を入れることで、入れた砂の量から穴の体積を測定する方法である。水置換法は、対象とする土構造物から土を取り除いて穴を空け、取り除いた土の重量及び含水比測定を行い、空いた穴に非透水性のシートを被せてその上に水を入れ、入れた水の量から穴の体積を測定する方法である。また、コアカッター法は、コアカッターを用いて一定体積の土構造物を抜き取り、重量を測定する方法である。
【0005】
このように、施工現場で実施される密度試験は何れも測定地点の土構造物を掘り起こすなどの作業が必要となり、測定に時間とコストがかかり、特に夏季における測定作業が重労働となる。
【0006】
このため、近年では、ラジオアイソトープ(RI)計測器を用いたRI法が多く用いられている(例えば、特許文献1、2)。このRI法では、先端に放射線源を備えた線源棒を土構造物に打込み、放射線源から放射される放射線を地表に設置した検出器で測定し、放射線のエネルギー減少率から土構造物の密度と含水比などを算出して求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-115114号公報
【特許文献2】特開2018-096824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このRI法を用いた従来の提案においても、RI機器を設置する工程と、放射線を測定する工程の2工程が必要であり、測定には時間を要し、短時間で多数地点の計測データを収集することができないという問題があった。また、対象とする土構造物の品質を一つの測定地点を代表として管理することになるため、多様な土質から構成される土構造物全体を適切に管理できないという問題もあった。
【0009】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、土構造物の施工において、容易に測定可能な比抵抗値と体積含水率に着目し、それらと乾燥密度の関係を表す関係式を規定することにより、対象とする土構造物の乾燥密度を容易に把握することが可能な土構造物の乾燥密度の測定方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の土構造物の乾燥密度の測定方法は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、以下のことを特徴としている。
【0011】
第1に、本発明の土構造物の乾燥密度の測定方法は、土構造物の比抵抗値(ρ)と体積含水率(θ)を計測し、下記式(1)により土構造物が有する構造特性値(Γ)を算出する工程と、前記比抵抗値(ρ)と前記構造特性値(Γ)を下記式(2)に代入することにより、土構造物の乾燥密度(γd)を算出する工程とを有することを特徴とする。
【数1】
(式中、Rは測定機器が形成する電場の形状によって決定される形状係数を表す)
【数2】
(式中、α、βは、複数の土質を用いて実施した室内試験の結果から得られた定数を表す)
第2に、上記第1の発明の土構造物の乾燥密度の測定方法において、前記比抵抗値(ρ)が、気層、液層、固層からなる地盤の3相構造モデルから導出される下記式(3)を用いて求められることが好ましい。
【数3】
(式中、Vは固相の体積、Vwは液相の体積、ρ
waは液相の比抵抗値、Fは電気の流れる方向に対して並列部分と直列部分に分けた構造係数を表す)
第3に、上記第1又は第2の発明の土構造物の乾燥密度の測定方法において、前記形状係数(R)が、比抵抗値を測定する地盤材料に電気が流れる際の断面の形状を表す形状係数であり、2電極法、4電極法、地盤貫入4電極法を用いて下記(4-1)~(4-3)の何れかにより求められることが好ましい。
【数4】
(式中、rは電極間隔(m)、dは貫入ロッドの半径(m)を表す)
第4に、上記第1から第3の発明の土構造物の乾燥密度の測定方法において、前記式(2)により求めた土構造物の乾燥密度(γd)を、下記式(5)、(6)を用いて補正する工程を有することが好ましい。
【数5】
(式中、γdcは補正後の乾燥密度である)
【数6】
(式中、a、b、cは複数の土質を用いて実施した現場測定及び室内試験の結果から得られた定数である)
【発明の効果】
【0012】
本発明の土構造物の乾燥密度の測定方法によれば、対象とする土構造物の比抵抗値と含水比又は体積含水率に基づいて土構造物の乾燥密度を算出することにより、土構造物を掘り起こす必要がなく、RI測定のように放射線を扱うなどの危険性もなく、土構造物の管理作業にかかる時間及び労力を軽減し、作業者の安全性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る土構造物の乾燥密度の測定方法の一実施形態を示すフロー図である。
【
図2】土を構成する空気、水、土粒子の3要素に、電流の流れに対して並列になる部分と直列になる部分に分けた土の3相モデル図である。
【
図3】表1に示す土質1~7に対して、JIS A 1210:2020「突き固めによる土の締固め試験方法」及び比抵抗値の測定を行い、得られた乾燥密度γd、比抵抗値ρ及び構造特性値Γの関係を表す関係式(4)を示すグラフである。
【
図4】測定を行った各測点の乾燥密度差率とその時の体積含水率θの関係を表す補正式(5)及び(6)を示すグラフである。
【
図5】補正式(5)及び(6)の適用前後の乾燥密度差率を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る土構造物の乾燥密度の測定方法の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る土構造物の乾燥密度の測定方法の一実施形態を示すフロー図である。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
本実施形態の土構造物の乾燥密度の測定方法は、造成盛土や道路の路床、路体、河川堤防といった土構造物に用いられる土の乾燥密度を把握する方法であり、土構造物の比抵抗値(ρ)と体積含水率(θ)を計測する工程と、これらを用いて土構造物が有する構造特性値(Γ)を算出する工程と、計測した比抵抗値(ρ)と算出した構造特性値(Γ)を関係式に代入することにより、土構造物の乾燥密度(γd)を算出する工程を有している。
【0016】
図1に示す実施形態では、まず、対象とする土構造物の比抵抗値(ρ)と体積含水率(θ)をそれぞれ測定器等を用いて測定する。本発明における比抵抗値(ρ)の測定は、土質に通電する電流値と土質に生じる電位差を測定することで求めることができる。
【0017】
[土の3相モデル]
ここで、本発明においては、土構造物の構造特性を定量的に評価するために、
図2に示す気層11、液層12、固層13からなる地盤の3相構造モデル1を適用する。この3相構造モデル1では、気層11(空隙)及び固層13(土粒子)に流れる電気は、液層12(間隙水)に流れる電気に対して極めて小さいため、液層12(間隙水)にのみ電気が流れると考える。また、電気の流れる方向に対して並列部分2と直列部分3に分け、構造係数(F)を定義する。
【0018】
この3相構造モデル1において、並列部分2と直列部分3の割合は同等と考えるのが自然であり、上下方向の電気の流れを考えたとき、土構造物の比抵抗値(ρ)を求める式として式(3)を用いることができる。
【数7】
【0019】
ここで、(ρ)は比抵抗値(Ω・m)、(θ)は体積含水率(%)、(V)は土の体積、(Vw)は水の体積、(ρwa)は間隙水の比抵抗値、(F)は不飽和状態において地盤中を電気が流れる場合の構造係数(m)、(Γ)は間隙水の比抵抗値(ρwa)と構造係数(F)に関するパラメータを示す値である。
【0020】
[含水比及び体積含水率の測定方法]
本発明における含水比w及び体積含水率θの測定は、施工性の面から、可能な限り現地で行うことが好ましく、具体的には、対象とする土質を一定質量又は一定体積採取し、一定質量又は一定体積のグリセリンと混合し、そのグリセリンと土質の混合物の屈折率の変化を測定することで、含水比w及び体積含水率θを推定することができる。また、この他にも、室内試験として、採取した土質を炉乾燥し減量を水分量として求める方法などがあるが、これらに限定されるものではない。また、含水比及び体積含水率の測定は、対象とする土構造物において、比抵抗値の測定を行った土質を用いて実施することが好ましい。
【0021】
[比抵抗値の測定方法]
また、形状係数(R)を比抵抗値(ρ)の測定に用いた機器によって決定する。(R)は比抵抗値を測定する測定器が形成する電場の形状により決定される供試体の形状係数である。具体的な測定器による測定は、電流電極と電位電極を共通とした2電極法や、一対の電極から電流を流し、もう一対の電極で電位を測定する4電極法を利用した測定機器を用いた測定が一般的であるが、これらに限定されるものではない。また、比抵抗値の測定箇所は対象とする土構造物の任意の点を中心に、少なくともその周囲の3点以上を測定し、これらの平均値を求めることが好ましい。形状係数(R)は、主な測定方法である2電極法、4電極法、地盤貫入4電極法における、下記式(4-1)~(4-3)の何れかにより求めることができる。
【数8】
ここで、rは電極間隔(m)、dは貫入ロッドの半径(m)を表す値である。
【0022】
そして、上記式(3)から求めた比抵抗値(ρ)及び体積含水率(θ)と、上記式(4-1)~(4-3)の何れかで求めた形状係数(R)を下記式(1)に代入することにより、その土構造物の構造によって決定される構造特性値(Γ)を算出する。
【数9】
ここで、Rは測定機器が形成する電場の形状によって決定される形状係数を表す。
【0023】
[乾燥密度の算出]
次に、測定した比抵抗値(ρ)と算出した構造特性値(Γ)用いて、乾燥密度(γd)を算出する。
【0024】
本発明者らは、現在までに土質を用いた室内試験において転圧毎の比抵抗値ρ、構造係数Fと体積含水率θに関するパラメータである構造特性値Γ、乾燥密度γ
dの測定を行い、これらの間に高い相関性があることを見出しており、これらの知見から以下の関係式(2)を得た。
【数10】
【0025】
ここで、式中のα、βは、現場にて採取した土について、室内試験においてJIS A 1210:2020「突き固めによる土の締固め試験方法」を実施し、得られた乾燥密度とその供試体を用いて測定した比抵抗値とそのときの構造特性値Γの関係のグラフ(
図3)に基づいて求めた定数であり、全ての点を包括し得る範囲を考慮した場合、1≦α≦100、0.5≦β≦1.5の範囲である。
【0026】
上記式(2)を用いることにより、土構造物の乾燥密度を求める際に、従来の密度試験を行う必要がなく、比抵抗値と体積含水率から容易に乾燥密度を算出することが可能となる。
【0027】
[乾燥密度の補正]
本発明においては、対象とする土構造物を測定し得られた比抵抗値と体積含水率を、上記式(2)に代入して求めた乾燥密度について、求めた乾燥密度の値が一般的な乾燥密度の値から外れている場合、下記補正式(5)及び(6)を用いて補正を行うことが好ましい。
【数11】
式中、γdcは補正後の乾燥密度である。
【数12】
【0028】
ここで、式中のa、b、cは、測定によって得られた比抵抗値と体積含水率を、式(2)に代入して得られた乾燥密度(算出乾燥密度)と、実際の盛土に対してRI測定を行い得られた乾燥密度(実測乾燥密度)から、それらの差を実測乾燥密度で除して100掛けた値を乾燥密度差率Xとして求め、その際の体積含水率の関係を示したグラフ(
図4)に基づいて求めた定数であり、ほぼ全ての点を包括し得る範囲を考慮した場合、-50≦a≦50、-1500≦b≦-700、-30≦c≦-10の範囲である。
本実施形態においては、上記一連の工程により乾燥密度の算出を完了することができる。
【実施例0029】
以下、本発明の土構造物の乾燥密度の測定方法を実施例を挙げてより詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0030】
[乾燥密度の関係式の導出]
以下、実施例として、表1に示す土質1~7を用いて各土質の性状について測定を行った。
【0031】
(土質性状)
各々の土質1~7について、JIS A 1202:2020「土粒子の密度試験方法」、JIS A 1203:2020「土の含水比試験方法」、JIS A 1204:2020「土の粒度試験方法」、JIS A 1205:2020「土の液性限界・塑性限界試験方法」、JIS A 1210:2020「突き固めによる土の締固め試験方法」に準拠し測定を行った。
【0032】
なお、土質1は珪砂と粘土をある割合で混合した混合土であり、土質2~7はある施工現場にて採取した現場土である。
【0033】
(測定結果)
それぞれの土質について、JIS A 1210:2020「突き固めによる土の締固め試験方法」を行い、それぞれ含水比wを調整した試料について、乾燥密度γd、飽和度Srを得た。さらに、JIS A 1210:2020「突き固めによる土の締固め試験方法」に基づいて作製した供試体に対して、比抵抗値の測定を行い比抵抗値ρを得た。また、これらの測定結果から、乾燥密度γdを比抵抗値ρで除した値γd/ρを求めた。これらの結果を表1に示す。
【0034】
【0035】
土質1~7の土質の測定結果から、飽和度Srが85%以上かつ95%未満の際の、乾燥密度γdを比抵抗値ρで除した値γd/ρと、値構造係数Fと、体積含水率θに関するパラメータである構造特性値Γとの間に、高い相関性があることを確認し、上記式(2)が適切であることを確認した。γd/ρとΓ値の関係を
図3に示す。ここで、α、βは土質1~7を用いて実施した室内試験の結果から得られた定数であり、1≦α≦100、0.5≦β≦1.5という結果を得ている。
【0036】
これらに高い相関性が見られた理由として、関係式(2)を得た、飽和度Srが85%以上かつ95%未満の範囲は、一般的な土質における最大乾燥密度のときの飽和度である最適飽和度付近であるため、この範囲の飽和度の試料を用いた供試体が、JIS A 1210:2020「突き固めによる土の締固め試験方法」によって密実に締め固められたため、安定した比抵抗値を得られたと考えられる。
【0037】
(補正式について)
以下、補正式(5)及び(6)について説明する。
関係式(2)から算出した乾燥密度(算出乾燥密度)は、実際に盛土について測定して得られた乾燥密度(実測乾燥密度)と値が異なる場合がある。そこで、算出乾燥密度と実測乾燥密度の差を実測乾燥密度で除して100を掛けた値を乾燥密度差率として求めた。
【0038】
求めた乾燥密度差率とその体積含水率θの関係を
図4に示す。また、
図4にプロットした点から補正式(5)及び(6)を求め、補正した乾燥密度(補正乾燥密度)の算出を行った。補正式(6)中のa、b、cはそれぞれ-50≦a≦50、-1500≦b≦-700、-30≦c≦-10という値を得ている。
【0039】
ここで、補正式の適用範囲を算出乾燥密度が1.5g/cm
3以上に限定した際に、測定した各種土質について、補正乾燥密度と実測乾燥密度の差を実測乾燥密度で除し、100を掛けた値を補正乾燥密度差率として求めたところ、補正乾燥密度差率の絶対値が小さくなり、最も良好な結果となった。その結果を
図5及び下記表2に示す。
図5は乾燥密度差率と補正乾燥密度差率を表した図であり、表2は
図5中から抜粋したものである。
【0040】