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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125752
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】配線基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/16 20060101AFI20240911BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H05K3/16
H05K3/18 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033794
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122622
【弁理士】
【氏名又は名称】森 徳久
(72)【発明者】
【氏名】古谷 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】吉川 恭平
(72)【発明者】
【氏名】伊西 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】酒井 純
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA26
5E343BB24
5E343BB28
5E343DD25
5E343DD33
5E343DD43
5E343GG01
(57)【要約】
【課題】高い品質を有する配線基板の提供。
【解決手段】実施形態の配線基板は、ガラス製の基板と前記基板を貫通する貫通孔と前記貫通孔内に形成されているスルーホール導体とを有するコア基板と、前記コア基板上に形成されていて、第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第1導体層と、前記樹脂絶縁層を貫通し、前記スルーホール導体と電気的に繋がっているビア導体、とを有する。前記第1導体層と前記ビア導体は、シード層と前記シード層上に形成される電解めっき層によって形成されている。前記シード層はスパッタリングによって形成されており、銅とアルミニウムと特定金属を含有する合金からなり、前記特定金属はニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムのうちの少なくとも1つである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製の基板と前記基板を貫通する貫通孔と前記貫通孔内に形成されているスルーホール導体とを有するコア基板と、
前記コア基板上に形成されていて、第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する樹脂絶縁層と、
前記樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第1導体層と、
前記樹脂絶縁層を貫通し、前記スルーホール導体と電気的に繋がっているビア導体、とを有する配線基板であって、
前記第1導体層と前記ビア導体は、シード層と前記シード層上に形成される電解めっき層によって形成されており、
前記シード層はスパッタリングによって形成されており、銅とアルミニウムと特定金属を含有する合金からなり、前記特定金属はニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムのうちの少なくとも1つである。
【請求項2】
請求項1の配線基板であって、前記特定金属はケイ素である。
【請求項3】
請求項2の配線基板であって、前記合金中のケイ素の含有量は0.5at%以上10.0at%以下である。
【請求項4】
請求項1の配線基板であって、前記合金中のアルミニウムの含有量は1.0at%以上15.0at%以下である。
【請求項5】
請求項1の配線基板であって、前記合金はさらに炭素を含む。
【請求項6】
請求項5の配線基板であって、前記合金中の炭素の含有量は50ppm以下である。
【請求項7】
請求項1の配線基板であって、前記合金はさらに酸素を含む。
【請求項8】
請求項7の配線基板であって、前記合金中の酸素の含有量は100ppm以下である。
【請求項9】
請求項1の配線基板であって、前記基板は表面と前記表面と反対側の裏面を有し、前記表面と前記第2面は対向していて、前記表面上に導体回路は形成されておらず、前記表面と前記第2面は接している。
【請求項10】
請求項9の配線基板であって、前記樹脂絶縁層は前記ビア導体用の開口を有し、前記スルーホール導体は前記表面から露出する上端を有し、前記表面と前記第2面は対向していて、前記表面上に導体回路は形成されておらず、前記表面と前記第2面は接して、前記開口は前記上端と前記表面を露出し、前記シード層は前記上端と前記表面の両方に接する。
【請求項11】
請求項10の配線基板であって、前記特定金属はケイ素である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はガラス材質のコアを有する多層基板を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-133473号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献1の課題]
特許文献1はガラス材質からなる第1絶縁層の光透過率を制御している。光透過率の制御方法の例として、特許文献1は第1絶縁層内に着色剤が含有されると述べている。ガラス材質からなる第1絶縁層が着色剤を均一に含有することは難しいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配線基板は、ガラス製の基板と前記基板を貫通する貫通孔と前記貫通孔内に形成されているスルーホール導体とを有するコア基板と、前記コア基板上に形成されていて、第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第1導体層と、前記樹脂絶縁層を貫通し、前記スルーホール導体と電気的に繋がっているビア導体、とを有する。前記第1導体層と前記ビア導体は、シード層と前記シード層上に形成される電解めっき層によって形成されている。前記シード層はスパッタリングによって形成されており、銅とアルミニウムと特定金属を含有する合金からなり、前記特定金属はニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムのうちの少なくとも1つである。
【0006】
本発明の実施形態の配線基板では、コア基板はガラス製の基板を含む。ガラス製の基板は平坦性に優れる。そのため樹脂絶縁層の第1面は平坦性に優れる。第1面は平滑性に優れる。樹脂絶縁層の第1面上に微細な信号配線を形成することができる。本発明の実施形態の配線基板では、シード層は銅とアルミニウムと特定金属を含有する合金によって形成されている。アルミニウムは高い延性と高い展性を有する。樹脂絶縁層とシード層間の密着力が高い。ガラス製のコア基板の熱膨張率と樹脂絶縁層の熱膨張率は大きく異なるため、配線基板がヒートサイクルを受けると樹脂絶縁層とシード層間にストレスが働く。ヒートサイクルにより樹脂絶縁層が伸縮したとしても、アルミニウムを含むシード層がその伸縮に追従することができると考えられる。シード層は樹脂絶縁層から剥がれ難い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の配線基板を模式的に示す断面図。
図2A】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2B】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2C】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2D】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2E】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2F】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2G】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2H】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2I】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図2J】実施形態の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3】改変例の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
図4】改変例の配線基板の製造方法を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
図1は実施形態の配線基板2を示す断面図である。図1に示されるように、配線基板2は、コア基板3と表側ビルドアップ層300Fと裏側ビルドアップ層300Bとを有する。
【0009】
コア基板3は基板4と貫通孔6とスルーホール導体8を有する。基板4は表面5Fと表面5Fと反対側の裏面5Bを有する。基板4はガラス製である。貫通孔6は基板4を貫通する。貫通孔6の形状は略円柱である。貫通孔6の径はほぼ一定である。貫通孔6の形状は略円錐台であってもよい。貫通孔6の形状は2つの略円錐を繋げることで得られる形状でもよい。2つの円錐は表面側の円錐と裏面側の円錐である。表面側の円錐の底面は表面5Fに位置し、裏面側の円錐の底面は裏面5Bに位置する。この場合、貫通孔6の側面は表面5Fから裏面5Bに向かってテーパーしている面と裏面5Bから表面5Fに向かってテーパーしている面で形成される。
【0010】
スルーホール導体8は貫通孔6内に形成されている。スルーホール導体8は主に銅によって形成されている。スルーホール導体8は、貫通孔6の内壁面上に形成されるシード層10aとシード層10a上に形成される電解めっき層10bを含む。電解めっき層10bは貫通孔6を充填する。シード層10aは無電解めっきによって形成される。スルーホール導体8は上端8Fと下端8Bを有する。上端8Fの面と表面5Fは実質的に同一な平面を形成する。下端8Bの面と裏面5Bは実質的に同一な平面を形成する。上端8Fは表面5Fから露出する。下端8Bは裏面5Bから露出する。
【0011】
表側ビルドアップ層300Fは基板4の表面5F上に形成されている。表側ビルドアップ層300Fは、表側の樹脂絶縁層と表側の導体層と表側の樹脂絶縁層を貫通する表側のビア導体を有する。表側の導体層と表側のビア導体はスルーホール導体8に電気的に繋がっている。表側の樹脂絶縁層と表側の導体層は交互に積層されている。図1中の表側の樹脂絶縁層は、第1樹脂絶縁層20Fと第2樹脂絶縁層120Fである。表側の導体層は第1導体層30Fと第2導体層130Fである。表側のビア導体は第1ビア導体40Fと第2ビア導体140Fである。
【0012】
第1樹脂絶縁層20Fは第1面22Fと第1面22Fと反対側の第2面24Fを有する。第2面24Fと表面5Fが対向するように、第1樹脂絶縁層20Fは基板4の表面5F上に形成されている。図1の例では、第2面24Fは表面5Fに接している。第2面24Fは上端8Fの一部と接している。表面5Fと第2面24Fとの間に導体回路は存在しない。表面5F上に導体回路は形成されていない。第1樹脂絶縁層20Fはスルーホール導体8の上端8Fに至る第1開口26Fを有する。第1開口26Fは第1面22F上の開口(トップ開口)と第2面24F上の開口(ボトム開口)を有する。トップ開口とボトム開口の形状はほぼ円である。ボトム開口は上端8Fと表面5Fを同時に露出することができる。この場合、上端8Fの周りの表面5Fが露出される。ボトム開口は上端8Fの一部とその一部の周りの表面5Fを露出しても良い(第1例)。ボトム開口は上端8Fの全てと上端8Fの周りの表面5Fを露出しても良い(第2例)。図1に示されるように、ボトム開口は上端8Fのみを露出することができる(第3例)。第1例と第2例と第3例の内、2つの例が混在しても良い。第1例と第2例と第3例の全てが混在しても良い。第1例と第3例が混在することが好ましい。この場合、いくつかのスルーホール導体8の上端8Fは第1例の開口で露出され、残りのスルーホール導体8の上端8Fは第3例の開口で露出される。第1樹脂絶縁層20Fは樹脂と樹脂内に分散されている多数の無機粒子で形成されている。樹脂はエポキシ系樹脂である。樹脂の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子はガラス粒子である。無機粒子はアルミナであってもよい。第1樹脂絶縁層20F中の無機粒子の含有量は75wt%以上である。
【0013】
第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fは樹脂のみで形成されている。第1面22Fから無機粒子は露出しない。第1面22Fは無機粒子の表面を含まない。第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fには凹凸が形成されていない。第1面22Fは荒らされていない。第1面22Fは平滑に形成されている。
【0014】
第1導体層30Fは第1樹脂絶縁層20Fの第1面22F上に形成されている。第1導体層30Fは第1信号配線32Fと第2信号配線34Fとランド36Fとを含む。図に示されていないが、第1導体層30Fは第1信号配線32Fと第2信号配線34Fとランド36F以外の導体回路も含んでいる。第1信号配線32Fと第2信号配線34Fはペア配線を形成している。第1導体層30Fは主に銅によって形成される。第1導体層30Fは、シード層30Faとシード層30Fa上の電解めっき層30Fbで形成されている。シード層30Faはスパッタリングによって形成されている。シード層30Faは第1面22F上の第1層31Faと第1層31Fa上の第2層31Fbで形成されている。第1層31Faは第1面22Fに接している。第2層31Fbは必須ではない。
【0015】
第1層31Faは銅とアルミニウムと特定金属を含有する合金からなる。特定金属の例は、ニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムである。合金は1種類の特定金属、または、2種類の特定金属、または、3種類の特定金属を含むことが好ましい。合金中のアルミニウムの含有量は1.0at%以上15.0at%以下である。特定金属の例はケイ素である。合金中の特定金属の含有量は0.5at%以上10.0at%以下である。第1層31Faは不純物を含んでも良い。不純物の例は酸素と炭素である。第1層31Faは酸素、または、炭素を含むことができる。第1層31Faは酸素と炭素を含むことができる。実施形態では、合金はさらに炭素を含有している。合金中の炭素の含有量は50ppm以下である。合金はさらに酸素を含有している。合金中の酸素の含有量は100ppm以下である。上記各元素の含有量の値は一例である。第1層31Faを形成する元素の中で銅の量が最も大きい。次いで、アルミニウムの量が大きい。特定金属の量はアルミニウムの量より小さい。従って、銅は主の金属であり、アルミニウムは第1の副の金属であり、特定金属は第2の副の金属である。不純物の量は特定金属の量より小さい。
【0016】
第2層31Fbは銅で形成されている。第2層31Fbを形成している銅の含有量は99.9at%以上である。第2層31Fb中の銅の含有量は99.95at%以上であることが好ましい。電解めっき層30Fbは銅で形成されている。電解めっき層30Fbを形成している銅の含有量は99.9at%以上である。電解めっき層30Fb中の銅の含有量は99.95at%以上であることが好ましい。
【0017】
第1樹脂絶縁層20Fはガラス製の基板4上に形成される。ガラスは平坦性に優れるので、第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fも平坦性に優れる。表面5Fと第1樹脂絶縁層20F間に導体回路が形成されないと、第1面22Fが表面5Fに追従することができる。第1面22Fは表面5Fと同等な平坦性を有することができる。実施形態は第1面22F上に微細な配線を形成することができる。例えば、第1導体層30Fは1.5μm以上、3.5μm以下の幅を有する配線を有することができる。隣接する配線間のスペースの幅は1.5μm以上、3.5μm以下である。
【0018】
第1ビア導体40Fは第1開口26F内に形成されている。第1ビア導体40Fはスルーホール導体8と第1導体層30Fを電気的に接続する。第1ビア導体40Fはスルーホール導体8と第1ビア導体40Fのランド36Fを電気的に接続する。第1ビア導体40Fはシード層30Faとシード層30Fa上の電解めっき層30Fbで形成されている。第1ビア導体40Fを形成するシード層30Faと第1導体層30Fを形成するシード層30Faは共通である。第1ビア導体40Fを形成する電解めっき層30Fbと第1導体層30Fを形成する電解めっき層30Fbは共通である。第1ビア導体40Fを形成するシード層30Faは、第1開口26Fの内壁面27F上と第1開口26Fから露出するスルーホール導体8の上端8F上に形成されている第1層31Faと第1層31Fa上の第2層31Fbで形成されている。図1では第1ビア導体40Fは上端8Fに繋がっている。第1層31Faはスルーホール導体8の上端8Fと内壁面27Fに接している。第1ビア導体40Fは上端8Fの直上に形成されている。
【0019】
ビア導体用の開口が表面5Fを露出する場合、第1層31Faはガラス製の基板4に接する。第1例の開口と第2例の開口は表面5Fを露出する。さらに、第1例の開口と第2例の開口は上端8Fを露出する。第1層31Faがアルミニウムを含み、ガラスが酸素を含むので、第1層31Faと基板4間の接合強度が増すと考えられる。さらに、第1層31Faがケイ素を含むと、第1層31Faと基板4は同じ元素(ケイ素)を含む。さらに、第1層31Faと基板4間の接合強度が増すと考えられる。ビア導体を形成するシード層の一部がガラス製の基板4に接すると、配線基板2が熱衝撃を受けてもビア導体がスルーホール導体8から剥がれ難い。上端8Fに接しているビア導体を形成するシード層(例えば、第1層31Fa)は上端8Fと表面5Fの両方に接することが好ましい。同様に、下端8Bに接しているビア導体を形成するシード層(例えば、第1層)は下端8Bと裏面5Bの両方に接することが好ましい。表面5Fと第2面24Fの間に第1樹脂絶縁層20Fなどの樹脂絶縁層と基板4を接着するための接着層が配置される場合、接着層は樹脂絶縁層の一部であってもよい。接着層は樹脂絶縁層に含まれる。接着層は有機製接着層と無機製接着層を含む。接着層は絶縁材料で形成される。
【0020】
第2樹脂絶縁層120Fは第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fと第1導体層30F上に形成されている。第2樹脂絶縁層120Fと第1樹脂絶縁層20Fとの間に第1導体層30Fが形成されている。第2樹脂絶縁層120Fは第1面122Fと第1面122Fと反対側の第2面124Fを有する。第2樹脂絶縁層120Fの第2面124Fは第1導体層30Fと対向する。第2樹脂絶縁層120Fは第1樹脂絶縁層20Fと同様に樹脂と無機粒子で形成されている。従って、第2樹脂絶縁層120Fの材質と第1樹脂絶縁層20Fの材質は同様である。第2樹脂絶縁層120Fの第1面122Fと第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fは同様である。
【0021】
第2樹脂絶縁層120Fは第1導体層30Fを露出する第2開口126Fを有している。第2開口126Fはランド36Fを露出している。第2開口126Fは内壁面127Fを有する。第1開口26Fと第2開口126Fは同様である。従って、第1開口26Fの内壁面27Fと第2開口126Fの内壁面127Fは同様である。
【0022】
第2導体層130Fは第2樹脂絶縁層120Fの第1面122F上に形成されている。第2導体層130Fは第1信号配線132Fと第2信号配線134Fとランド136Fとを含む。図に示されていないが、第2導体層130Fは第1信号配線132Fと第2信号配線134Fとランド136F以外の導体回路も含んでいる。第1信号配線132Fと第2信号配線134Fはペア配線を形成している。第2導体層130Fと第1導体層30Fは同様である。従って、第2導体層130Fは、シード層130Faとシード層130Fa上の電解めっき層130Fbで形成されている。シード層130Faは第1層131Faと第1層131Fa上の第2層131Fbで形成されている。第2導体層130Fを形成する第1層131Faと第1導体層30Fを形成する第1層31Faは同様である。第2導体層130Fを形成する第2層131Fbと第1導体層30Fを形成する第2層31Fbは同様である。第2導体層130Fを形成する電解めっき層130Fbと第1導体層30Fを形成する電解めっき層30Fbは同様である。
【0023】
第2ビア導体140Fは第2開口126F内に形成されている。第2ビア導体140Fは第1導体層30Fと第2導体層130Fを電気的に接続する。図1では第2ビア導体140Fはランド36Fとランド136Fを電気的に接続する。第2ビア導体140Fと第1ビア導体40Fは同様である。従って、第2ビア導体140Fはシード層130Faとシード層130Fa上の電解めっき層130Fbで形成されている。シード層130Faは第1層131Faと第1層131Fa上の第2層131Fbで形成されている。第2ビア導体140Fを形成する第1層131Faと第2導体層130Fを形成する第1層131Faは共通である。第2ビア導体140Fを形成する第2層131Fbと第2導体層130Fを形成する第2層131Fbは共通である。第2ビア導体140Fを形成する電解めっき層130Fbと第2導体層130Fを形成する電解めっき層130Fbは共通である。
【0024】
裏側ビルドアップ層300Bは、裏側の樹脂絶縁層と裏側の導体層と裏側の樹脂絶縁層を貫通する裏側のビア導体を有する。裏側の樹脂絶縁層と裏側の導体層は交互に積層されている。裏側の導体層と裏側のビア導体はスルーホール導体8に電気的に繋がっている。図1中の裏側の樹脂絶縁層は、第1面22Bと第2面24Bを有する第1樹脂絶縁層20Bと第1面122Bと第2面124Bを有する第2樹脂絶縁層120Bである。裏側の導体層は第1導体層30Bと第2導体層130Bである。第1導体層30Bと第2導体層130Bは第1信号配線32B、132Bと第2信号配線34B、134Bを含む。裏側のビア導体は第1ビア導体40Bと第2ビア導体140Bである。
【0025】
表側ビルドアップ層300Fと裏側ビルドアップ層300Bは同様である。従って、表側ビルドアップ層300Fを形成する表側の樹脂絶縁層と裏側ビルドアップ層300Bを形成する裏側の樹脂絶縁層は同様である。各裏側の樹脂絶縁層は樹脂と無機粒子で形成される。各樹脂絶縁層の第1面は樹脂のみで形成されている。表側の導体層と裏側の導体層は同様である。表側のビア導体用の開口と裏側のビア導体用の開口は同様である。表側のビア導体と裏側のビア導体は同様である。
【0026】
図に示されないが、配線基板2の各辺の長さは50mm以上である。各辺の長さは100mm以上であることが好ましい。各辺の長さは250mm以下である。実施形態によって形成される信号配線の長さは5mm以上である。信号配線の長さは10mm以上、20mm以下であってもよい。
【0027】
[実施形態の配線基板2の製造方法]
図2A図2Jは実施形態の配線基板2の製造方法を示す。図2A図2Jは断面図である。図2Aはガラス製の基板4を示す。基板4は表面5Fと裏面5Bを有する。図2Bに示されるように、表面5Fから裏面5Bに至る貫通孔6が形成される。貫通孔6は基板4を貫通する。基板4の表面5F側からレーザ光が照射される。その後、基板4はフッ酸に浸漬される。貫通孔6が形成される。
【0028】
図2Cに示されるようにシード層10aが形成される。シード層10aは無電解めっきによって形成される。シード層10aは貫通孔6の内壁面上と表面5F上と裏面5B上に形成される。
【0029】
図2Dに示されるように電解めっき層10bが形成される。電解めっき層10bはシード層10a上に形成される。電解めっき層10bは貫通孔6内を充填する。
【0030】
図2Eに示されるように、表面5F上の電解めっき層10bとシード層10aが研磨で除去される。裏面5B上の電解めっき層10bとシード層10aが研磨で除去される。基板4の表面5Fと裏面5Bが露出する。貫通孔6の内壁面上のシード層10aとシード層10a上の電解めっき層10bによってスルーホール導体8が形成される。スルーホール導体8の上端8Fは表面5Fから露出する。スルーホール導体8の下端8Bは裏面5Bから露出する。上端8Fを形成する面と表面5Fは同一平面を形成する。下端8Bを形成する面と裏面5Bは同一平面を形成する。コア基板3(図1)が形成される。図1のコア基板3は表面5F上に導体回路を有していない。図1のコア基板3は裏面5B上に導体回路を有していない。
【0031】
コア基板3上に表側ビルドアップ層300Fと裏側ビルドアップ層300Bは同様な方法で形成される。表側ビルドアップ層300Fの形成方法が以下に示される。図には裏側ビルドアップ層300Bも描かれている。
【0032】
図2Fに示されるように、基板4の表面5Fと上端8F上に第1樹脂絶縁層20Fと保護膜50Fが形成される。第1樹脂絶縁層20Fの第2面24Fが基板4の表面5Fと対向している。第1樹脂絶縁層20Fの第1面22F上に保護膜50Fが形成されている。第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fは樹脂のみで形成されている。第1面22Fから無機粒子は露出しない。第1面22Fは無機粒子の表面を含まない。第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fには凹凸が形成されていない。第1樹脂絶縁層20Fは表面5Fと上端8Fで形成される平面上に形成される。そのため、第1面22Fは実質的な平面で形成される。表面5Fと第1面22Fはほぼ平行である。
【0033】
図2Gに示されるように、保護膜50Fの上からレーザ光Lが照射される。レーザ光Lは保護膜50Fと第1樹脂絶縁層20Fを同時に貫通する。スルーホール導体8の上端8Fに至るビア導体用の第1開口26Fが形成される。レーザ光Lは例えばUVレーザ光、CO2レーザ光である。第1開口26Fによりスルーホール導体8の上端8Fが露出する。第1開口26Fが形成される時、第1面22Fは保護膜50Fで覆われている。第1開口26Fが形成される時、樹脂が飛散しても、第1面22Fに樹脂が付着することが抑制される。
【0034】
第1面22Fが平坦性に優れる。レーザ光Lが第1面22Fに照射されるとき、レーザ光Lが乱反射しがたい。各第1開口26Fが形成される時、レーザ光Lの焦点の位置が一致しやすい。小さな径を有するビア導体用の開口を形成することができる。各ビア導体用の開口の径がほぼ等しい。例えば、15μm以上、35μm以下の径を有するビア導体用の開口を形成することができる。径の大きさは第1面22F上で測定される。
【0035】
第1開口26F内が洗浄される。第1開口26F内を洗浄することにより、第1開口26F形成時に発生する樹脂残渣が除去される。第1開口26F内の洗浄はプラズマによって行われる。即ち洗浄はドライプロセスで行われる。洗浄はデスミア処理を含む。プラズマにより、樹脂が選択的に除去される。プラズマは無機粒子より樹脂を早く除去する。第1開口26Fの内壁面27Fはプラズマで荒らされる。
【0036】
第1開口26F内を洗浄することにより、第1開口26Fの内壁面27Fに無機粒子が露出する。第1開口26Fの内壁面27Fは無機粒子の表面を含む。一方、第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fは保護膜50Fで覆われている。第1面22Fはプラズマの影響を受けない。第1面22Fは樹脂のみで形成されている。第1面22Fから無機粒子は露出しない。第1面22Fは無機粒子の表面を含まない。第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fは凹凸を有さない。第1面22Fは平滑に形成されている。
【0037】
図2Hに示されるように、第1樹脂絶縁層20Fから保護膜50Fが除去される。保護膜50F除去後、第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fを荒らすことは行われない。
【0038】
図2Iに示されるように、第1樹脂絶縁層20Fの第1面22F上にシード層30Faが形成される。シード層30Faはスパッタリングによって形成される。シード層30Faの形成はドライプロセスで行われる。シード層30Faは第1開口26Fから露出するスルーホール導体8の上端8Fと第1開口26Fの内壁面27Fにも形成される。第1層31Faが第1面22F上にスパッタリングで形成される。第1開口26Fから露出する内壁面27Fとスルーホール導体8の上端8F上に第1層31Faがスパッタリングで形成される。第2層31Fbが第1層31Fa上にスパッタリングで形成される。
【0039】
シード層30Faの第1層31Faは銅とアルミニウムとケイ素を含有する合金によって形成されている。アルミニウムは高い延性と高い展性を有する。そのため、第1樹脂絶縁層20Fと第1層31Fa間の密着力が高い。ヒートサイクルにより第1樹脂絶縁層20Fが伸縮したとしても、アルミニウムを含むシード層30Faがその伸縮に追従することができると考えられる。第1面22Fが平滑であっても、シード層30Faは第1樹脂絶縁層20Fから剥がれ難い。アルミニウムは酸化しやすいと考えられる。第1開口26Fの内壁面27F上に形成される第1層31Faは内壁面27Fを形成する無機粒子(例えば、ガラス粒子)内の酸素を介して無機粒子に密着すると考えられる。第1層31Faと内壁面27Fが強く接合される。第1開口26Fの内壁面27Fと第1層31Fa間の密着力を高くすることができる。シード層30Faは内壁面27Fから剥がれ難い。内壁面27Fを形成する無機粒子は酸素を含むことが好ましい。
【0040】
第1面22Fは平坦性に優れる。スパッタリングを用いて第1面22F上にシード層30Faが形成されるとき、ターゲットと第1面22F間の距離がほぼ一定である。ほぼ均一な厚みを有するシード層30Faを形成することができる。
【0041】
シード層30Fa上にめっきレジストが形成される。めっきレジストは、第1信号配線32Fと第2信号配線34Fとランド36F(図1)を形成するための開口を有する。
【0042】
めっきレジストから露出するシード層30Fa上に電解めっき層30Fbが形成される。電解めっき層30Fbは第1開口26Fを充填する。第1面22F上のシード層30Faと電解めっき層30Fbによって、第1信号配線32Fと第2信号配線34Fとランド36F(図1)が形成される。第1導体層30Fが形成される。第1開口26F内のシード層30Faと電解めっき層30Fbによって、第1ビア導体40F(図1)が形成される。第1ビア導体40Fは、スルーホール導体8とランド36Fを接続する。第1信号配線32Fと第2信号配線34Fはペア配線を形成する。
【0043】
めっきレジストが除去される。電解めっき層30Fbから露出するシード層30Faが除去される。図2Jに示されるように、第1導体層30Fと第1ビア導体40Fが同時に形成される。
【0044】
第2樹脂絶縁層120Fが第1樹脂絶縁層20Fの第1面22Fと第1導体層30F上に形成される。第2導体層130Fが第2樹脂絶縁層120Fの第1面122F上に形成される。第2ビア導体140Fが第2樹脂絶縁層120Fの第2開口126F内に形成される。第2樹脂絶縁層120Fは第1樹脂絶縁層20Fと同様の手法で形成される。第2導体層130Fは第1導体層30Fと同様の手法で形成される。第2ビア導体140Fは第1ビア導体40Fと同様の手法で形成される。実施形態の配線基板2(図1)が得られる。
【0045】
実施形態の配線基板2(図1)のコア基板3はガラス製の基板4を含む。ガラス製の基板4は平坦性に優れる。第1樹脂絶縁層20F、20Bの第1面22F、22Bは平坦性と平滑性に優れる。第1樹脂絶縁層20F、20Bの第1面22F、22B上に微細な信号配線32F、32B、34F、34Bを形成することができる。第2樹脂絶縁層120F、120Bの第1面122F、122Bも第1樹脂絶縁層20F、20Bの第1面22F、22Bと同様である。そのため第2樹脂絶縁層120F、120Bの第1面122F、122B上に微細な信号配線132F、132B、134F、134Bを形成することができる。実施形態によって形成される信号配線のL/Sは例えば5μm/5μm未満である。信号配線のL/Sは1.5μm/1.5μm以上3.5μm/3.5μm以下であることが好ましい。Lは信号配線の幅を意味し、Sは隣接する信号配線間のスペースの幅を意味する。
【0046】
実施形態の配線基板2(図1)では第1樹脂絶縁層20F、20Bの第1面22F、22Bは平坦性と平滑性に優れる。第1樹脂絶縁層20F、20Bの第1面22F、22B近傍部分の比誘電率の標準偏差が大きくなることが抑制される。第1面22F、22Bの比誘電率は場所によって大きく変わらない。第1信号配線32F、32Bと第2信号配線34F、34Bが第1面22F、22Bに接していても、第1信号配線32F、32Bと第2信号配線34F、34B間の電気信号の伝搬速度の差を小さくすることができる。そのため、実施形態の配線基板2ではノイズが抑制される。実施形態の配線基板2にロジックICが実装されても、第1信号配線32F、32Bで伝達されるデータと第2信号配線34F、34Bで伝達されるデータがロジックICにほぼ遅延なく到達する。ロジックICの誤動作を抑制することができる。第1信号配線32F、32Bの長さと第2信号配線34F、34Bの長さが5mm以上であっても、両者の伝搬速度の差を小さくすることができる。第1信号配線32F、32Bの長さと第2信号配線34F、34Bの長さが10mm以上、20mm以下であっても、ロジックICの誤動作を抑制することができる。第2樹脂絶縁層120F、120Bの第1面122F、122Bも第1樹脂絶縁層20F、20Bの第1面22F、22Bと同様である。そのため第1信号配線132F、132Bと第2信号配線134F、134Bも第1信号配線32F、32Bと第2信号配線34F、34Bと同様の効果を有する。高い品質を有する配線基板2が提供される。
【0047】
[実施形態の別例1]
実施形態の別例1では、シード層30Fa、130Faの第1層31Fa、131Faを形成する合金に含まれる特定金属は、ニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムのうちの少なくとも1つである。
【0048】
[実施形態の別例2]
実施形態の別例2では、シード層30Fa、130Faの第1層31Fa、131Faを形成する合金は炭素を含有していない。
【0049】
[実施形態の別例3]
実施形態の別例3では、シード層30Fa、130Faの第1層31Fa、131Faを形成する合金は酸素を含有していない。
【0050】
[実施形態の改変例]
改変例の配線基板は実施形態と同様にコア基板3と表側ビルドアップ層300Fと裏側ビルドアップ層300Bを有する。実施形態のコア基板3と改変例のコア基板3は異なる。実施形態の表側ビルドアップ層300Fと改変例の表側ビルドアップ層300Fは同様である。実施形態の裏側ビルドアップ層300Bと改変例の裏側ビルドアップ層300Bは同様である。改変例のコア基板3の断面が図3図4に示される。図3図4に示されるように、改変例のコア基板3はガラス製の基板4の表面5F上に導体層10F、11Fを有する。導体層10F、11Fはスルーホール導体8の上端8Fを覆うランド14Fを含む。さらに、改変例のコア基板3は基板4の裏面5B上に導体層10B、11Bを有する。導体層10B、11Bはスルーホール導体8の下端8Bを覆うランド14Bを含む。ランド14Fとランド14Bはスルーホール導体8によって電気的に接続されている。実施形態のコア基板3は表面5F上の導体層と裏面5B上の導体層を有していない。
【0051】
改変例では、表側ビルドアップ層300Fを形成する表側の樹脂絶縁層(コア基板直上の樹脂絶縁層)は導体層10F、11Fと表面5F上に形成される。コア基板直上の樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層20F)はランド14Fに至るビア導体用の開口(第1開口26F)を有する。ビア導体用の開口内に実施形態と同様なビア導体(第1ビア導体40F)が形成されている。コア基板直上の樹脂絶縁層を貫通するビア導体はランド14Fに至るので、そのビア導体を形成するシード層(第1層31Fa)はランド14Fの上面と開口の内壁面に接している。コア基板直上の樹脂絶縁層を貫通するビア導体はランド14Fを介しスルーホール導体8に電気的に繋がっている。
【0052】
改変例では、裏側ビルドアップ層300Bを形成する裏側の樹脂絶縁層(コア基板直下の樹脂絶縁層)は導体層10B、11Bと裏面5B上に形成される。コア基板直下の樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層20B)はランド14Bに至るビア導体用の開口(第1開口)を有する。ビア導体用の開口内に実施形態と同様なビア導体(第1ビア導体40B)が形成されている。コア基板直下の樹脂絶縁層を貫通するビア導体はランド14Bに至るので、そのビア導体を形成するシード層はランド14Bの上面と開口の内壁面に接している。コア基板直下の樹脂絶縁層を貫通するビア導体はランド14Bを介しスルーホール導体8に電気的に繋がっている。
【0053】
[改変例の配線基板の製造方法]
図3に示されるコア基板3は第1例のコア基板3である。第1例のコア基板3の製造方法が次に示される。図2Dに示される途中基板が準備される。サブトラクティブ法によって、表面5F上に導体層10Fが形成される。裏面5B上に導体層10Bが形成される。改変例の第1例にかかるコア基板3が得られる。
【0054】
導体層10Fはシード層10aとシード層10a上の電解めっき層10bで形成されている。導体層10Bはシード層10aとシード層10a上の電解めっき層10bで形成されている。シード層10aは無電解めっきによって形成される。導体層10Fを形成するシード層10aと導体層10Bを形成するシード層10aとスルーホール導体8を形成するシード層10aは共通である。導体層10Fを形成する電解めっき層10bと導体層10Bを形成する電解めっき層10bとスルーホール導体8を形成する電解めっき層10bは共通である。導体層10F、10Bとスルーホール導体8は同時に形成されている。スルーホール導体8とランド14F、14Bは同時に形成される。スルーホール導体8とランド14F、14Bは一体的に形成される。上端8Fとランド14F間にシード層が存在しない。下端8Bとランド14B間にシード層が存在しない。
【0055】
図4に示されるコア基板3は第2例のコア基板3である。第2例のコア基板3の製造方法が次に示される。図2Eに示される途中基板が準備される。表面5F上と裏面5B上にシード層11Fa、11Baが形成される。シード層11Fa、11Baは無電解めっきによって形成される。シード層11Fa、11Baはスパッタリングで形成されてもよい。シード層11Faは基板4の表面5Fとスルーホール導体8の上端8Fを覆う。シード層11Baは基板4の裏面5Bとスルーホール導体8の下端8Bを覆う。シード層11Fa、11Ba上に電解めっき層11Fb、11Bbが形成される。その後、サブトラクティブ法によって導体層11F、11Bが形成される。改変例の第2例にかかるコア基板3が得られる。
【0056】
導体層11Fはシード層11Faとシード層11Fa上の電解めっき層11Fbで形成されている。導体層11Bはシード層11Baとシード層11Ba上の電解めっき層11Bbで形成されている。シード層11Faは基板4の表面5F上に形成されている。シード層11Faはスルーホール導体8の上端8Fを覆っている。シード層11Baは基板4の裏面5B上に形成されている。シード層11Baはスルーホール導体8の下端8Bを覆っている。シード層11Fa、11Baは無電解めっきによって形成される。シード層11Fa、11Baはスパッタリングによって形成されてもよい。導体層11F、11Bを形成するシード層11Fa、11Baとスルーホール導体8を形成するシード層10aは異なる。導体層11F、11Bを形成する電解めっき層11Fb、11Bbとスルーホール導体8を形成する電解めっき層10bは異なる。導体層11F、11Bとスルーホール導体8は別々に形成されている。第2例では、上端8Fを形成する電解めっき層10bとランド14Fを形成する電解めっき層11Fb間にランド14Fを形成するシード層11Faが存在する。下端8Bを形成する電解めっき層10bとランド14Bを形成する電解めっき層11Bb間にランド14Bを形成するシード層11Baが存在する。それに対し、第1例(図3)では、上端8Fを形成する電解めっき層10bとランド14Fを形成する電解めっき層10bが連続している。下端8Bを形成する電解めっき層10bとランド14Bを形成する電解めっき層10bが連続している。
【0057】
改変例のコア基板3上に実施形態と同様な方法で表側ビルドアップ層300Fと裏側ビルドアップ層300Bが形成される。
【符号の説明】
【0058】
2:配線基板
3:コア基板
4:基板
5F:表面
5B:裏面
6:貫通孔
8:スルーホール導体
10F、10B:導体層
11F、11B:導体層
14F、14B:ランド
20F、20B:第1樹脂絶縁層
22F、22B:第1面
24F、24B:第2面
26F:第1開口
27F:内壁面
30F、30B:第1導体層
30Fa:シード層
30Fb:電解めっき層
32F、32B:第1信号配線
34F、34B:第2信号配線
36F:ランド
40F、40B:第1ビア導体
120F、120B:第2樹脂絶縁層
122F、122B:第1面
124F、124B:第2面
126F:第2開口
127F:内壁面
130F、130B:第2導体層
130Fa:シード層
130Fb:電解めっき層
132F、132B:第1信号配線
134F、134B:第2信号配線
136F:ランド
140F、140B:第2ビア導体
300F:表側ビルドアップ層
300B:裏側ビルドアップ層
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図3
図4