IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社ダイキンアプライドシステムズの特許一覧 ▶ クリーンメカニカル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-送液装置及び送液システム 図1
  • 特開-送液装置及び送液システム 図2
  • 特開-送液装置及び送液システム 図3
  • 特開-送液装置及び送液システム 図4
  • 特開-送液装置及び送液システム 図5
  • 特開-送液装置及び送液システム 図6
  • 特開-送液装置及び送液システム 図7
  • 特開-送液装置及び送液システム 図8
  • 特開-送液装置及び送液システム 図9
  • 特開-送液装置及び送液システム 図10
  • 特開-送液装置及び送液システム 図11
  • 特開-送液装置及び送液システム 図12
  • 特開-送液装置及び送液システム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125753
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】送液装置及び送液システム
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/28 20060101AFI20240911BHJP
   B67C 3/00 20060101ALN20240911BHJP
【FI】
B67C3/28
B67C3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033799
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000108890
【氏名又は名称】株式会社ダイキンアプライドシステムズ
(71)【出願人】
【識別番号】502231029
【氏名又は名称】クリーンメカニカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 洋允
(72)【発明者】
【氏名】丹 誠一
【テーマコード(参考)】
3E079
【Fターム(参考)】
3E079AA06
3E079EE01
3E079EE13
(57)【要約】
【課題】連続してタンクから所定量の薬液を充填装置に搬送できる送液装置を提供する。
【解決手段】送液装置は、少なくとも2つの前記タンク(11,12,13)から、充填対象となる1つの充填装置(21,22)へ所定量毎に順に薬液を搬送する搬送運転を実行する制御部(C)と、薬液の搬送を切り換える切り換え機構(K)とを備え、制御部(C)は、搬送運転において、1つのタンク(11,12,13)から充填対象となる1つの充填装置(21,22)に、所定量の薬液が搬送された後、他の充填対象となる1つの充填装置(21,22)に、所定量の薬液が搬送されるように切り換え機構(K)を制御する搬送運転を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の薬液を貯留する複数のタンク(11,12,13)と、前記タンク(11,12,13)から搬送された前記薬液を所定の容器に充填する複数の充填装置(21,22)との間で、前記薬液を搬送する送液装置であって、
前記複数のタンク(11,12,13)は、前記所定量毎に前記薬液の搬送と貯留とが繰り返され、
前記薬液を搬送する搬送装置(P)と、
前記薬液の搬送を切り換える切り換え機構(K)と、
少なくとも2つの前記タンク(11,12,13)から順に、充填対象となる1つの前記充填装置(21,22)へ前記所定量毎に前記薬液を搬送する搬送運転を実行する制御部(C)とを備え、
前記制御部(C)は、前記搬送運転において、1つの前記タンク(11,12,13)から充填対象となる1つの前記充填装置(21,22)に、前記所定量の前記薬液が搬送された後、充填対象となる他の1つの前記充填装置(21,22)に、前記所定量の前記薬液が搬送されるように、前記切り換え機構(K)を制御する第1動作を実行する
送液装置。
【請求項2】
前記第1動作は、
1つの前記タンク(11,12,13)から1つの充填対象となる前記充填装置(21,22)へ前記所定量の前記薬液を搬送する第1送液動作と、
前記第1送液動作後に、充填対象となる他の1つの前記充填装置(21,22)へ前記所定量の前記薬液を搬送する第2送液動作とを含み、
前記制御部(C)は、
前記第1送液動作と前記第2送液動作との間に、前記第1送液動作の対象の前記充填装置(21,22)に対して、他の前記タンク(11,12,13)から前記所定量の前記薬液を搬送する第3送液動作を実行する
請求項1に記載の送液装置。
【請求項3】
前記切り換え機構(K)は、前記タンク(11,12,13)のそれぞれに繋がる送液管(40)と、該送液管(40)を開閉する開閉弁(51,52)とを備え、
前記送液管(40)は、
一端が各前記タンク(11,12,13)に接続される第1送液管(41)と、
一端が前記第1送液管(41)の他端に接続され、他端が前記充填装置(21,22)のそれぞれに接続する複数の第2送液管(42)とを有し、
前記開閉弁(51,52)は、前記第2送液管(42)のそれぞれに接続される第1開閉弁(51A,51B)を有し、
前記制御部(C)は、各前記第1開閉弁(51A,51B)の開閉を制御することで前記第1動作を実行する
請求項1または2に記載の送液装置。
【請求項4】
前記タンク(11,12,13)は、洗浄液が供給されることで洗浄され、
前記送液管(40)は、一端が前記第1送液管(41)の他端に接続され、他端が外部へ連通する第3送液管(43)を有し、
前記開閉弁(51,52)は、前記第3送液管(43)に接続される第2開閉弁(52)を有し、
前記制御部(C)は、前記第2開閉弁(52)の開閉を制御することで、前記タンク(11,12,13)内に供給された前記洗浄液を外部へ排出する排出運転を実行する
請求項3に記載の送液装置。
【請求項5】
前記充填装置(21,22)は、洗浄液が供給されることで洗浄され、
前記制御部(C)は、
洗浄対象の前記充填装置(21,22)に繋がる前記第2送液管(42)の前記第1開閉弁(51A,51B)を開放することで、前記タンク(11,12,13)内に供給された洗浄液を前記充填装置(21,22)へ搬送する洗浄運転を実行する
請求項3に記載の送液装置。
【請求項6】
前記制御部(C)は、各前記第1開閉弁(51A,51B)の開閉を制御することで、2つの前記充填装置(21,22)に前記薬液が並行して搬送されるように前記第1動作を実行する
請求項3に記載の送液装置。
【請求項7】
前記第1開閉弁(51A,51B)は、前記第1送液管(41)と前記第2送液管(42)との接続部分から前記送液管(40)の直径の3倍の長さ以内に配置され、かつ、
前記第2開閉弁(52)は、前記第1送液管(41)と前記第3送液管(43)との接続部分から前記送液管(40)の直径の3倍の長さ以内に配置される
請求項4に記載の送液装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の送液装置と、
第1タンク(11)、第2タンク(12)及び第3タンク(13)と、
第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)と
を備える送液システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送液装置及び送液システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体医薬品の製造プラントに設けられる液体処理システムが開示されている。液体処理システムは、調合タンク、殺菌器、貯留タンク、及び充填機を備える。調合タンクで調合された薬液は、殺菌器、貯留タンク、充填機へ順に搬送される。充填機では、貯留タンクから搬送された殺菌済みの薬液が包装用容器に分注、充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7100752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような医薬品の製造において、定期的に充填機内を洗浄する必要があるが、充填機の洗浄中は、該充填機は稼働できないため連続して医薬品を製造できないという問題があった。
【0005】
本開示の目的は、連続してタンクから所定量の薬液を充填装置に搬送可能な送液装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、
所定量の薬液を貯留する複数のタンク(11,12,13)と、前記タンク(11,12,13)から搬送された前記薬液を所定の容器に充填する複数の充填装置(21,22)との間で、前記薬液を搬送する送液装置である。前記複数のタンク(11,12,13)は、前記所定量毎に前記薬液の搬送と貯留とが繰り返される。
【0007】
送液装置は、前記薬液を搬送する搬送装置(P)と、
前記薬液の搬送を切り換える切り換え機構(K)と、
少なくとも2つの前記タンク(11,12,13)から順に、充填対象となる1つの前記充填装置(21,22)へ前記所定量毎に前記薬液を搬送する搬送運転を実行する制御部(C)とを備え、
前記制御部(C)は、前記搬送運転において、1つの前記タンク(11,12,13)から充填対象となる1つの前記充填装置(21,22)に、前記所定量の前記薬液が搬送された後、充填対象となる他の1つの前記充填装置(21,22)に、前記所定量の前記薬液が搬送されるように前記切り換え機構(K)を制御する第1動作を実行する。
【0008】
第1の態様では、切り換え機構(K)を制御することで、複数の充填装置(21,22)に連続して順に薬液を搬送できる。これにより、送液装置(1)の運転中は、いずれかの充填装置(21,22)が稼働しているため連続して製品を製造できる。
【0009】
加えて、1台のタンク(11,12,13)は複数の充填装置(21,22)に繋ぎ換え可能であるため、各充填装置専用のタンクを設ける必要がない。すなわち、1台のタンク(11,12,13)が兼用して複数の充填装置(21,22)に送液されるため、設置するタンク(11,12,13)の数も抑えることができる。
【0010】
第2の態様は、第1の態様において、
前記第1動作は、
1つの前記タンク(11,12,13)から1つの充填対象となる前記充填装置(21,22)へ前記所定量の前記薬液を搬送する第1送液動作と、
前記第1送液動作後に、充填対象となる他の1つの前記充填装置(21,22)へ前記所定量の前記薬液を搬送する第2送液動作とを含み、
前記制御部(C)は、前記第1送液動作と前記第2送液動作との間に、前記第1送液動作の対象の前記充填装置(21,22)に対して、他の前記タンク(11,12,13)から前記所定量の前記薬液を搬送する第3送液動作を実行する。
【0011】
第2の態様では、第1動作において、第1送液動作終了後のタンク(11,12,13)には所定量の薬液が供給される。すなわち、第1送液動作が終了してから第2送液動作が開始される間は、該タンク(11,12,13)に所定量の薬液が貯留されるまで時間を要するが、この間に他のタンク(11,12,13)から第1送液動作の対象となった充填装置(21,22)へ薬液が搬送されることで、1つの充填装置(21,22)から他の充填装置(21,22)に連続して所定量の薬液を搬送できる。
【0012】
第3の態様は、第1または第2の態様において、
前記切り換え機構(K)は、前記タンク(11,12,13)のそれぞれに繋がる送液管(40)と、該送液管(40)を開閉する開閉弁(51,52)とを備え、
前記送液管(40)は、
一端が各前記タンク(11,12,13)に接続される第1送液管(41)と、
一端が前記第1送液管(41)の他端に接続され、他端が前記充填装置(21,22)のそれぞれに接続する複数の第2送液管(42)とを有し、
前記開閉弁(51,52)は、前記第2送液管(42)のそれぞれに接続される第1開閉弁(51A,51B)を有し、
前記制御部(C)は、各前記第1開閉弁(51A,51B)の開閉を制御することで、前記第1動作を実行する。
【0013】
第3の態様では、各第1開閉弁(51A,51B)の開閉を切り換えることで、第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)に連続して送液できる。このように、第1開閉弁(51A,51B)の開閉の切り換えを繰り返すことで、送液装置(1)の稼働中はいずれかの充填装置(21,22)に対して搬送運転が実行される。これにより、薬液の送液を止めることなく連続して製品を製造できる。
【0014】
第4の態様は、第3の態様において、
前記タンク(11,12,13)は、洗浄液が供給されることで洗浄され、
前記送液管(40)は、一端が前記第1送液管(41)の他端に接続され、他端が外部へ連通する第3送液管(43)を有し、
前記開閉弁(51,52)は、前記第3送液管(43)に接続される第2開閉弁(52)を有し、
前記制御部(C)は、前記第2開閉弁(52)の開閉を制御することで、前記タンク(11,12,13)内に供給された前記洗浄液を外部へ排出する排出運転を実行する。
【0015】
第4の態様では、一部の充填装置(21,22)に薬液を搬送しつつ、一部のタンク(11,12,13)を洗浄できる。このように、タンク(11,12,13)からの薬液の搬送とタンク(11,12,13)からの洗浄液の排出とを切り換えることで、送液装置(1)の稼働中はいずれかのタンク(11,12,13)から常に薬液を充填装置(21,22)に搬送できる。
【0016】
第5の態様は、第2~第4の態様のいずれか1つにおいて、
前記充填装置(21,22)は、洗浄液が供給されることで洗浄され、
前記制御部(C)は、
洗浄対象の前記充填装置(21,22)に繋がる第2送液管(42)の前記第1開閉弁(51A,51B)を開放することで、前記タンク(11,12,13)内に供給された洗浄液を充填装置(21,22)へ搬送する洗浄運転を実行する。
【0017】
第5の態様では、タンク(11,12,13)及び充填装置(21,22)を洗浄できる。タンク(11,12,13)を洗浄した洗浄液を充填装置(21,22)に使用することで洗浄運転を簡便化できる。
【0018】
第6の態様は、第2~第5の態様のいずれか1つにおいて、
前記制御部(C)は、
前記制御部(C)は、各前記第1開閉弁(51A,51B)の開閉を制御することで、2つの前記充填装置(21,22)に前記薬液が並行して搬送されるように前記第1動作を実行する。
【0019】
第6の態様では、複数の充填装置(21,22)に対して同時に充填運転を行うことができる。そのため、製品の生産速度を向上できる。
【0020】
第7の態様は、第2~第6の態様のいずれか1つにおいて、
前記第1開閉弁(51A,51B)は、前記第1送液管(41)と前記第2送液管(42)との接続部分から前記送液管(40)の直径の3倍の長さ以内に配置され、かつ、
前記第2開閉弁(52)は、前記第1送液管(41)と前記第3送液管(43)との接続部分から前記送液管(40)の直径の3倍の長さ以内に配置される。
【0021】
第7の態様では、2つの第2送液管(42)及び第3送液管(43)の合流部分から各開閉弁(51,52)までに滞留する薬液量を抑えることができる。これにより、充填装置(21,22)へ搬送される薬液量のロスを抑えることができる。
【0022】
第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか1つの送液装置と、
第1タンク(11)、第2タンク(12)及び第3タンク(13)と、
第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)と
を備える送液システムである。
【0023】
第8の態様では、2台の充填装置に対して最小限のタンク数で請求項1の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本実施形態の充填装置が適用される送液システムの構成を示す配管系統図である。
図2図2は、充填装置の制御部と各種の装置との関係を示すブロック図である。
図3図3は、充填運転時の薬液の流れの一例を示す図である。(A)は第1タンクから第1充填装置への薬液の流れを示す。(B)は第2タンクから第1充填装置への薬液の流れを示す。
図4図4は、排出運転時の洗浄液の流れの一例を示す図である。
図5図5は、洗浄運転時の洗浄液の流れの一例を示す図である。
図6図6は、各タンクの薬液の貯留及び充填装置への薬液搬送のタイムチャートである。
図7図7は、制御部の動作を示すフローチャートである。
図8図8は、変形例に係る図6に相当するタイムチャートである。
図9図9は、制御部の動作を示すフローチャートである。
図10図10は、その他の実施形態に係る図6に相当するタイムチャートである。
図11図11は、その他の実施形態における図1に相当する配管系統図である。
図12図12は、図11の配管系統図において、洗浄液を流れの一例を示す図である。
図13図13は、図11の配管系統図において、洗浄液を流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において、組み合わせたり、一部を置換したりできる。
【0026】
(1)送液システムの全体構成
図1及び図2に示すように、送液システム(F)は、3台のタンク(11,12,13)、2台の充填装置(21,22)、3つの薬液供給装置(61,62,63)、1つの洗浄液供給装置(30)、送液装置(1)を備える。送液システム(F)は、医薬品の製造に用いられる。送液システム(F)は、比較的大型のタンク(11,12,13)内に貯留される薬液を充填装置(21,22)へ搬送すると共に、タンク(11,12,13)及び充填装置(21,22)を洗浄する。
【0027】
(1-1)タンク
3つのタンク(11,12,13)は、第1タンク(11)、第2タンク(12)及び第3タンク(13)である。3つのタンク(11,12,13)は、所定量の薬液を貯留する。具体的に、各タンク(11,12,13)のそれぞれには薬液供給装置(61,62,63)から所定量の薬液が供給される。これにより、各タンク(11,12,13)には同一量(所定量)の薬液が貯留される。また、各タンク(11,12,13)が貯留する薬液は、同一である。
【0028】
各タンク(11,12,13)は、所定量毎に薬液の貯留と流出とを連続して繰り返す。具体的に、タンク(11,12,13)から所定量の薬液が流出した後、連続して該タンク(11,12,13)に再び該所定量の薬液が供給される。
【0029】
以下の説明において、各タンク(11,12,13)に所定量の薬液が供給される工程を貯留工程と呼び、各タンク(11,12,13)から所定量の薬液を流出する工程を送液工程と呼ぶ。詳細は後述するが、送液工程では、所定量の薬液が充填装置(21,22)に向かって搬送される。また、特に断りのない限り、「送液」は、所定量の薬液を搬送することを意味する。
【0030】
各タンク(11,12,13)において貯留工程と送液工程とが順に行われる。すなわち、貯留工程が終了するまで送液工程は開始されない。また、同一タンク(11,12,13)において、貯留工程中に送液工程は開始されず、送液工程中に貯留工程は開始されない。
【0031】
貯留工程において、各タンク(11,12,13)に流入する薬液の流速は同一に制御される。言い換えると、各タンク(11,12,13)の貯留工程の開始から終了までの薬液の供給時間は同一である。
【0032】
送液工程において、各タンク(11,12,13)から流出する薬液の流速は同一に制御される。言い換えると、送液工程の開始から終了までの薬液の送液時間は、各タンク(11,12,13)において同一である。供給時間は、送液時間と同じまたは送液時間よりも短い。
【0033】
(1-2)充填装置
2つの充填装置(21,22)は、第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)である。2つの充填装置(21,22)は、タンク(11,12,13)から搬送された薬液を所定の包装用容器に充填する。各充填装置(21,22)に流入する薬液の流入速度は同一に制御される。各充填装置(21,22)に流入する薬液の流入速度は、後述する制御部(C)により制御される。
【0034】
(1-3)洗浄液供給装置
洗浄液供給装置(30)は、タンク(11,12,13)及び充填装置(21,22)を洗浄する洗浄液を貯留する。本実施形態の洗浄液は水である。送液システム(F)は、洗浄液供給装置(30)から3つタンク(11,12,13)のそれぞれに送液可能な第4送液管(44)と該第4送液管(44)を開閉する第3開閉弁(53)を有する。
【0035】
第4送液管(44)は、一端が洗浄液供給装置(30)に接続され、他端は3つに分岐して3つのタンク(11,12,13)のそれぞれに接続される。第3開閉弁(53)は、分岐した第4送液管(44)のそれぞれに接続される。すなわち、3つの第3開閉弁(53)が第4送液管(44)に設けられる。
【0036】
洗浄液供給装置(30)は、後述する制御部(C)と連動、または独立して第3開閉弁(53)の開閉、送液する。これにより、洗浄対象のタンク(11,12,13)に洗浄液が供給される。タンク(11,12,13)内は供給された洗浄液により洗浄される。
【0037】
(1-4)薬液供給装置
薬液供給装置(61,62,63)は、第1薬液供給装置(61)、第2薬液供給装置(62)及び第3薬液供給装置(63)である。第1薬液供給装置(61)は、第1タンク(11)に薬液を所定量毎に供給する。第2薬液供給装置(62)は、第2タンク(12)に薬液を所定量毎に供給する。第3薬液供給装置(63)は、第3タンク(13)に薬液を所定量毎に供給する。
【0038】
具体的に、送液システム(F)は、3つの第5送液管(45)を有する。第1薬液供給装置(61)及び第1タンク(11)、第2薬液供給装置(62)及び第2タンク(12)、第3薬液供給装置(63)及び第3タンク(13)は、それぞれ第5送液管(45)により接続される。各薬液供給装置(61,62,63)は、後述する制御部(C)と連動、または独立して薬液を搬送する。
【0039】
(1-5)送液装置
送液装置(1)は、第1~第3タンク(11~13)と、第1~第2充填装置(21,22)との間で薬液または洗浄液を搬送する。送液装置(1)は、切り換え機構(K)と、ポンプ(P)と、制御部(C)とを備える。
【0040】
(1-5-1)切り換え機構
切り換え機構(K)は、薬液および洗浄液の搬送を切り換える。具体的に、切り換え機構(K)は、薬液または洗浄液を搬送する送液管(40)と、該送液管(40)を開閉する開閉弁(51,52)とを備える。
【0041】
(1-5-1-1)送液管
1つのタンク(11,12,13)につき1つの送液管(40)が接続される。すなわち、送液装置(1)は3つの送液管(40)を有する。各送液管(40)は、第1送液管(41)、第2送液管(42)及び第3送液管(43)を含む。第1~第3送液管(41~43)の内径は同一である。以下では、第1~第3送液管(41~43)の内径を単に「送液管(40)の内径」と呼ぶ場合がある。3つの送液管(40)はいずれも同じ構成であるため、以下の説明では、断りのない限り第1タンク(11)に接続される送液管(40)について説明し、他の送液管(40)については説明を省略する。また、以下の説明において、「繋がる」の意味は、モノとモノとが直接接続される意味に限られず、所定の部材または装置を介して接続される意味も含む。例えば、送液管(40)とタンク(11,12,13)とは、直接接続されてもよいし、所定の部材または装置を介して接続されてもよい。
【0042】
第1送液管(41)は、一端が第1タンク(11)に繋がる。
【0043】
第2送液管(42)は、一端が第1送液管(41)の他端に繋がり、他端が第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)のそれぞれに繋がる。すなわち、第2送液管(42)には、第1充填装置(21)に繋がる第2送液管(42)と、第2充填装置(22)に繋がる第2送液管(42)とがある。
【0044】
本実施形態では、第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)のそれぞれに接続される第2送液管(42)は1つである。具体的に説明すると、第3タンク(13)に繋がる第2送液管(42)に、第1タンク(11)に繋がる第2送液管(42)と、第2タンク(12)に繋がる第2送液管(42)とが接続される。
【0045】
より具体的に、第1充填装置(21)と第3タンク(13)とを繋ぐ第2送液管(42)には、第1充填装置(21)と第1タンク(11)とを繋ぐ第2送液管(42)と、第1充填装置(21)と第2タンク(12)とを繋ぐ第2送液管(42)とが接続される。第2充填装置(22)と第3タンク(13)とを繋ぐ第2送液管(42)には、第2充填装置(22)と第1タンク(11)とを繋ぐ第2送液管(42)と、第2充填装置(22)と第2タンク(12)とを繋ぐ第2送液管(42)とが接続される。
【0046】
このように、第3タンク(13)に繋がる第2送液管(42)が、第1タンク(11)に繋がる第2送液管(42)と第2タンク(12)に繋がる第2送液管(42)とを兼用する。
【0047】
第3送液管(43)は、一端が第1送液管(41)の他端に繋がり、他端が外部へ連通する。このように、第1送液管(41)の他端には、2つの第2送液管(42)と第3送液管(43)とが接続される。
【0048】
(1-5-1-2)開閉弁
開閉弁(51,52)は、第1開閉弁(51A,51B)と第2開閉弁(52)とを有する。
【0049】
第1開閉弁(51A,51B)は、第2送液管(42)に接続される。第1開閉弁(51A,51B)は、第2送液管(42)を開閉する。第1開閉弁(51A,51B)は、第1送液管(41)と第2送液管(42)との接続部分から送液管(40)の内径の3倍の長さ以内に配置される。具体的に、第1開閉弁(51A,51B)は、第1開閉弁A(51A)と第1開閉弁B(51B)とを有する。第1開閉弁A(51A)は、第1充填装置(21)に接続される第2送液管(42)に設けられる。第1開閉弁B(51B)は、第2充填装置(22)に接続される第2送液管(42)に設けられる。
【0050】
第2開閉弁(52)は、第3送液管(43)に接続される。第2開閉弁(52)は、第3送液管(43)を開閉する。第2開閉弁(52)は、第1送液管(41)と第3送液管(43)との接続部分から送液管(40)の内径の3倍の長さ以内に配置される。
【0051】
(1-5-2)ポンプ
ポンプ(P)は、送液管(40)内の薬剤および洗浄液を搬送する。ポンプ(P)は、搬送装置(P)の一例である。具体的に、ポンプ(P)は、送液管(40)内の薬液または洗浄液をタンク(11,12,13)から充填装置(21,22)へ搬送する。ポンプ(P)は、洗浄液をタンク(11,12,13)から外部へ排出する。
【0052】
ポンプ(P)は、送液管(40)内の液体の搬送速度や搬送方向を調節する。これにより、タンク(11,12,13)からの薬液または洗浄液の流出速度、充填装置(21,22)への薬液または洗浄液の流入速度、薬液や洗浄液の搬送方向が制御される。
【0053】
(1-5-3)制御部
制御部(C)は、ポンプ(P)と、各送液管(40)に接続される第1開閉弁(51A,51B)及び第2開閉弁(52)とを制御する。制御部(C)には、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。制御部(C)は、以下に説明する搬送運転、排出運転、及び洗浄運転を実行する。
【0054】
(2)搬送運転
制御部(C)は、少なくとも2つのタンク(11,12,13)から順に、充填対象となる1つの充填装置(21,22)へ所定量毎に順に薬液を搬送する搬送運転を実行する。
【0055】
図3を用いて、搬送運転の一例について説明する。図3では、薬液供給装置(61,62,63)及び洗浄液供給装置(30)とそれに繋がる送液管等は省略されている。第1タンク(11)及び第2タンク(12)から充填対象の第1充填装置(21)に送液される場合、制御部(C)は、第1タンク(11)が送液工程を行うように、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、他方の第1開閉弁B(51B)を閉鎖する。同時に、制御部(C)は、第2タンク(12)が貯留工程を行うように、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の2つの第1開閉弁(51A,51B)を閉鎖する(図3(A))。制御部(C)は、第1タンク(11)の送液工程が終了すると、次に第2タンク(12)が送液工程を行うように、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、他方の第1開閉弁B(51B)を閉鎖する(図3(B))。この時、制御部(C)は、第1タンク(11)が貯留工程を行うように、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の2つの第2開閉弁(52)を閉じてもよい。これにより、第1タンク(11)及び第2タンク(12)から交互に連続して薬液を第1充填装置(21)に搬送できる。なお、第1タンク(11)及び第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第2開閉弁(52)は閉鎖されている。
【0056】
(3)排出運転
制御部(C)は、第2開閉弁(52)の開閉を制御することで、洗浄液供給装置(30)から供給される洗浄液でタンク(11,12,13)内を洗浄すると共に、洗浄済みの該タンク(11,12,13)内の洗浄液を外部へ排出する排出運転を実行する。
【0057】
図4を用いて、排出運転の一例について説明する。洗浄液供給装置(30)から第3タンク(13)へ洗浄液が供給されるように第3開閉弁(53)が開放されると、第3タンク(13)内に洗浄液が流入し、第3タンク(13)内が洗浄される。制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の第2開閉弁(52)を開放し、かつ、2つの第1開閉弁(51A,51B)を閉鎖する。これにより、第3タンク(13)の洗浄液は、第3送液管(43)を通過して外部へ排出される。このように、排出運転では、洗浄対象のタンク(11,12,13)内を洗浄した後の洗浄液が外部へ放出される。
【0058】
(4)洗浄運転
制御部(C)は、洗浄対象となる充填装置(21,22)に対し、洗浄液を搬送する洗浄運転を実行する。本実施形態の洗浄運転は、洗浄対象のタンク(11,12,13)内の洗浄後の洗浄液を洗浄対象の充填装置(21,22)へ搬送する。これにより、タンク(11,12,13)及び充填装置(21,22)が洗浄される。
【0059】
図5を用いて、洗浄運転の一例について説明する。第3タンク(13)が洗浄された後、制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、かつ、第1開閉弁A(51A)及び第2開閉弁(52)を閉鎖する。これにより、第3タンク(13)から、第2充填装置(22)へ洗浄液が搬送される。これにより、第2充填装置(22)が洗浄される。
【0060】
(5)第1動作
制御部(C)は、搬送運転において、切り換え機構(K)を制御することで第1動作を実行する。第1動作では、1つのタンク(11,12,13)から充填対象となる1つの充填装置(21,22)に、所定量の薬液が搬送された後、充填対象となる他の1つの充填装置(21,22)に、所定量の薬液が搬送される。
【0061】
具体的に、第1動作は、1つのタンク(11,12,13)から1つの充填対象となる充填装置(21,22)へ所定量の薬液を搬送する第1送液動作と、第1送液動作終了後に該1つのタンク(11,12,13)から他の充填対象となる充填装置(21,22)へ所定量の薬液を搬送する第2送液動作とを含む。第1動作において、制御部(C)は、第1送液動作から第2送液動作との間に、第1送液動作の対象の充填装置(21,22)に対して、他のタンク(11,12,13)から所定量の前記薬液を搬送する第3送液動作を実行する。
【0062】
例えば、第1タンク(11)から第1充填装置(21)へ送液する動作を第1送液動作とし、第1送液動作終了後に第1タンク(11)から第2充填装置(22)へ送液する動作を第2送液動作としたときに、第1送液動作の終了から第2送液動作の開始の間に第1タンク(11)には貯留工程が実行される。この第1タンク(11)の貯留工程中に、制御部(C)により、貯留済みの第2タンク(12)から第1充填装置(21)へ送液される第3送液動作が実行される。これにより、第1タンク(11)からの送液が第1充填装置(21)から第2充填装置(22)に切り換わっても、第1充填装置(21)および第2充填装置(22)へ連続して送液できる。
【0063】
(6)送液装置の運転
以下、本実施例の送液装置(1)の運転の一例について説明する。制御部(C)は、第1開閉弁(51A,51B)および第2開閉弁(52)の開閉を制御することで、各充填装置(21,22)に対して搬送運転及び洗浄運転を切り換える。
【0064】
図6に示すように、搬送運転では、2つのタンク(11,12,13)が1つの充填装置(21,22)に対して交互に2回ずつ送液工程を実行する。言い換えると、1回の搬送運転につき4回の送液工程が連続して実行される。図6に示すタイムチャートでは、第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)の搬送運転の期間の一部が重複する。具体的に、第1充填装置(21)の4回目送液工程(送液工程4)と、第2充填装置(22)の1回目の送液工程(送液工程5)との期間が重複する。言い換えると、2つの搬送運転の期間が一部重複する。以下、制御部(C)の動作について図6及び図7を参照しながら説明する。なお、以下のステップS11において予め第1タンク(11)には薬液を貯留している(貯留工程1)。
【0065】
ステップS11では、制御部(C)は、第1充填装置(21)に対して搬送運転を開始する。制御部(C)は、薬液を貯留した第1タンク(11)から第1充填装置(21)に対して送液する(送液工程1)。具体的に、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。また、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第2タンク(12)には薬液が供給される(貯留工程2)。なお、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)は閉鎖された状態である。
【0066】
ステップS12では、制御部(C)は、第2タンク(12)から第1充填装置(21)に対して送液する(送液工程2)。具体的に、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。また、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第1タンク(11)には薬液が供給される(貯留工程3)。
【0067】
ステップS13では、制御部(C)は、第1タンク(11)から第1充填装置(21)に対して送液する(送液工程3)。具体的に、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、かつ、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。また、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第2タンク(12)には薬液が供給される(貯留工程4)。同時に、第3タンク(13)には薬液が供給される(貯留工程5)。
【0068】
ステップS14では、制御部(C)は、第2タンク(12)から第1充填装置(21)に対して送液する(送液工程4)。具体的に、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、かつ、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。また、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第1タンク(11)には薬液が供給される(貯留工程6)。送液工程4終了後、第1充填装置(21)に対する搬送運転は終了する。
【0069】
同時に、制御部(C)は、第2充填装置(22)に対して搬送運転を開始する。制御部(C)は、第3タンク(13)から第2充填装置(22)に対して送液する(送液工程5)。具体的に、制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、かつ、第1開閉弁A(51A)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。
【0070】
ステップS15では、制御部(C)は、第2タンク(12)及び第1充填装置(21)に対して洗浄運転を行う。第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁(51A,51B)及び第2開閉弁(52)が閉鎖された状態で、洗浄液が供給された第2タンク(12)の内部が洗浄された後、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、かつ、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。これにより、第2タンク(12)内の水が第1充填装置(21)へ搬送される。第1充填装置(21)の洗浄後、第1充填装置(21)内の水が排出され、第2タンク(12)内及び第1充填装置(21)内は陽圧に保持される。この時、制御部(C)により、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)は閉鎖される。
【0071】
同時に制御部(C)は、第1タンク(11)から第2充填装置(22)に対して送液する(送液工程6)。具体的に、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、第1開閉弁A(51A)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。また、制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)における各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第3タンク(13)には薬液が供給される(貯留工程7)。このように、本実施例の第1動作は、第1タンク(11)が行う送液工程3、貯留工程6及び送液工程6を含む。送液工程3は、第1送液動作に対応する。送液工程6は第2送液動作に対応する。制御部()は、送液工程3及び送液工程6の間に、第2タンク(12)が行う送液工程3を実行する。送液工程3は第3送液動作に対応する。
【0072】
ステップS16では、制御部(C)は、第3タンク(13)から第2充填装置(22)に対して送液する(送液工程7)。具体的に、制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、かつ、第1開閉弁A(51A)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。また、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第1タンク(11)には薬液が供給される(貯留工程8)。
【0073】
ステップS17では、制御部(C)は、第1タンク(11)から第2充填装置(22)に対して送液する(送液工程8)。具体的に、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、かつ、第1開閉弁A(51A)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。送液工程4終了後、第1充填装置(21)に対する搬送運転は終了する。
【0074】
ステップS18では、制御部(C)は、第1タンク(11)、第3タンク(13)及び第2充填装置(22)に対して洗浄運転を行う。第1タンク(11)及び第3タンク(13)に繋がるそれぞれの送液管(40)の第1開閉弁(51A,51B)及び第2開閉弁(52)が閉鎖された状態で、洗浄液が供給された第1タンク(11)の内部及び第3タンク(13)の内部が洗浄された後、制御部(C)は、第1タンク(11)及び第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)をそれぞれ開放し、かつ、各第1開閉弁A(51A)及び各第2開閉弁(52)を閉鎖する。これにより、第1タンク(11)内及び第3タンク(13)内の水が第2充填装置(22)へ搬送される。第2充填装置(22)の洗浄後、第2充填装置(22)内の水が排出され、第1タンク(11)内、第3タンク(13)内、及び第2充填装置(22)内は陽圧に保持される。この時、制御部(C)により、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)は閉鎖される。
【0075】
(6)実施形態の効果
(6-1)効果1
本実施形態の送液装置(1)は、2つのタンク(11,12,13)から、充填対象となる1つの充填装置(21,22)へ所定量毎に順に薬液を搬送する搬送運転を実行する制御部(C)と、薬液の搬送を切り換える切り換え機構(K)とを備える。制御部(C)は、搬送運転において、1つのタンク(11,12,13)から充填対象となる1つの充填装置(21,22)に、所定量の前記薬液が搬送された後、他の充填対象となる1つの充填装置(21,22)に、所定量の薬液が搬送されるように切り換え機構(K)を制御する第1動作を実行する。
【0076】
これにより、第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)に連続して順に薬液を搬送できる。その結果、送液装置(1)の運転中はいずれかの充填装置(21,22)が稼働することになるため連続して製品を製造できる。
【0077】
加えて、1台のタンク(11,12,13)は複数の充填装置(21,22)に繋ぎ換え可能であるため、各充填装置専用のタンクを設ける必要がない。すなわち、1台のタンク(11,12,13)が兼用して第1充填装置及び第2充填装置(22)に送液されるため、設置するタンク(11,12,13)の数も抑えることができる。
【0078】
(6-2)効果2
本実施形態の送液装置(1)では、第1動作は、1つのタンク(11,12,13)から1つの充填対象となる充填装置(21,22)へ所定量の薬液を搬送する第1送液動作と、第1送液動作後に、充填対象となる他の1つの充填装置(21,22)へ所定量の薬液を搬送する第2送液動作とを含む。制御部(C)は、第1送液動作と第2送液動作との間に、第1送液動作の対象の充填装置(21,22)に対して、他のタンク(11,12,13)から所定量の薬液を搬送する第3送液動作を実行する。
【0079】
第1送液動作終了後のタンク(11,12,13)には薬液が供給される。すなわち、第1送液動作が終了してから第2送液動作が開始されるまでの間には、該タンク(11,12,13)には貯留工程が実行されるが、この間に第3送液動作が実行されることで1つの充填装置(21,22)から他の充填装置(21,22)に連続して所定量の薬液を搬送できる。
【0080】
(6-3)効果3
本実施形態の送液装置(1)では、切り換え機構(K)は、タンク(11,12,13)のそれぞれに繋がる送液管(40)と、該送液管(40)を開閉する開閉弁(51,52)とを備える。送液管(40)は、一端が各前記タンク(11,12,13)に繋がる第1送液管(41)と、一端が第1送液管(41)の他端に繋がり、他端が充填装置(21,22)のそれぞれに繋がる複数の第2送液管(42)とを有する。開閉弁(51,52)は、第2送液管(42)に接続される第1開閉弁(51A,51B)を有する。制御部(C)は、各第1開閉弁(51A,51B)の開閉を制御することで搬送運転を実行する。
【0081】
搬送運転中に各第1開閉弁(51A,51B)の開閉を切り換えることで、第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)に連続して送液できる。このように、第1開閉弁(51A,51B)の開閉の切り換えを繰り返すことで、送液装置(1)の稼働中はいずれかの充填装置(21,22)に対して搬送運転が実行される。これにより、薬液の送液を止めることなく連続して製品を製造できる。
【0082】
加えて、本実施形態では2台の充填装置(21,22)に対して3台のタンク(11,12,13)を用いることで、搬送運転の一部の期間を重複させることができる。すなわち、一方の充填装置(21,22)の搬送運転が終了する前に他方の充填装置(21,22)の搬送運転が開始されるため、製品の製造期間を短縮できる。
【0083】
加えて、1台の充填装置に対して2台のタンクを用いて搬送運転を行う場合であって、充填装置(21,22)を2台用いて交互に搬送運転を実行させる場合、通常であれば1台の充填装置(21,22)に2台のタンク(11,12,13)を接続するため、計4台のタンク(11,12,13)が必要になるところ、本実施形態では1台のタンク(11,12,13)が2台の充填装置(21,22)の搬送運転に兼用されるため、3台のタンク(11,12,13)で足りる。このように送液システム(F)に用いられるタンク(11,12,13)の数を抑えることができる。
【0084】
(6-4)効果4
本実施形態の送液装置(1)では、制御部(C)は、洗浄対象の充填装置(21,22)に繋がる第2送液管(42)の第1開閉弁(51A,51B)を開放することで、タンク(11,12,13)内に供給された洗浄液を充填装置(21,22)へ搬送する洗浄運転を実行する。
【0085】
これにより、タンク(11,12,13)及び充填装置(21,22)を洗浄できる。タンク(11,12,13)を洗浄した洗浄液を充填装置(21,22)に使用することで洗浄運転を簡便化できる。
【0086】
加えて、搬送運転に洗浄運転を組み合わせることで、搬送運転実行中の充填装置(21,22)以外の充填装置(21,22)に対して洗浄運転を行うことができる。これにより、充填装置(21,22)を洗浄するために送液を停止させる必要がなく、連続して充填装置(21,22)に送液しつつ、洗浄も行うことができる。
【0087】
(6-5)効果5
本実施形態の送液装置(1)では、第1開閉弁(51A,51B)は、第1送液管(41)と第2送液管(42)との接続部分から送液管(40)の内径の3倍の長さ以内に配置され、かつ、第2開閉弁(52)は、第1送液管(41)と第3送液管(43)との接続部分から送液管(40)の内径の3倍の長さ以内に配置される。
【0088】
これにより、2つの第2送液管(42)及び第3送液管(43)の合流部分から各開閉弁(51,52)までに滞留する薬液量を抑えることができる。これにより、充填装置(21,22)へ搬送される薬液量のロスを抑えることができる。
【0089】
(6-6)効果6
本実施形態の送液システム(F)では、複数のタンク(11,12,13)は、第1タンク(11)、第2タンク(12)及び第3タンク(13)である。複数の充填装置(21,22)は、第1充填装置(21)及び第2充填装置(22)である。
【0090】
これにより、2台の充填装置に対して最小限のタンク数で上記効果1と同様の効果を得ることができる。
【0091】
(7)変形例
上記実施形態の送液装置(1)は、2つの充填装置(21,22)に対して同時に搬送運転を行ってもよい。ここでいう「同時」は、各充填装置(21,22)の搬送運転を行う期間の少なくとも一部が重複するという意味を含み、各充填装置(21,22)の搬送運転の開始時が同じである意味に限定されない。以下、変形例の搬送運転について説明する。
【0092】
本変形例では、1つの充填装置(21,22)に対する搬送運転の実行中に、他の充填装置(21,22)に対して搬送運転が実行される。具体的に、制御部(C)は、2つの充填装置(21,22)に薬液が並行して搬送されるように、第1開閉弁(51A,51B)および第2開閉弁(52)の開閉を制御する。
【0093】
図8に示すように、本変形例の搬送運転では、3つのタンク(11,12,13)が1つの充填装置(21,22)に対して順に送液工程を実行する。1回の搬送運転につき4回の送液工程が連続して実行される。以下、制御部(C)の動作について、図8及び図9を参照しながら説明する。なお、本変形例において、各タンク(11,12,13)の貯留工程の期間は、送液工程の概ね半分の期間である。また、以下のステップS21において予め第1タンク(11)には薬液を貯留している(貯留工程1)。
【0094】
ステップS21では、制御部(C)は、第1充填装置(21)に対して搬送運転を開始する。制御部(C)は、第1タンク(11)から第1充填装置(21)に対して送液する(送液工程1)。具体的に、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、かつ、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。送液工程1は、ステップS22終了時まで行われる。また、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第2タンク(12)の貯留工程(貯留工程2)が実行される。
【0095】
ステップS22では、制御部(C)は、第2充填装置(22)に対して搬送運転を開始する。制御部(C)は、第2タンク(12)から第2充填装置(22)に対して送液する(送液工程2)。具体的に、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、かつ、第1開閉弁A(51A)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。送液工程2は、ステップS23終了時まで行われる。また、制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第3タンク(13)の貯留工程(貯留工程3)が実行される。
【0096】
ステップS23では、制御部(C)は、第3タンク(13)から第1充填装置(21)に対して送液する(送液工程3)。具体的に、制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。送液工程3は、ステップS24終了時まで行われる。また、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第1タンク(11)の貯留工程(貯留工程4)が実行される。
【0097】
ステップS24では、制御部(C)は、第1タンク(11)から第2充填装置(22)に対して送液する(送液工程4)。具体的に、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、かつ、第1開閉弁A(51A)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。送液工程4は、ステップS25終了時まで行われる。また、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第2タンク(12)の貯留工程(貯留工程5)が実行される。
【0098】
このように、本例の第1動作は、第1タンク(11)が行う送液工程1及び送液工程4を含む。送液工程1は、第1送液動作に対応する。送液工程4は、第2送液動作に対応する。制御部(C)は、送液工程1及び送液工程4の間に、第2タンク(12)が行う送液工程2を実行する。送液工程2は、第3送液動作に対応する。
【0099】
ステップS25では、制御部(C)は、第2タンク(12)から第1充填装置(21)に対して送液する(送液工程5)。具体的に、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、かつ、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。送液工程5は、ステップS26終了時まで行われる。また、制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第3タンク(13)の貯留工程(貯留工程6)が実行される。
【0100】
ステップS26では、制御部(C)は、第3タンク(13)から第2充填装置(22)に対して送液する(送液工程6)。具体的に、制御部(C)は、第3タンク(13)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、第1開閉弁A(51A)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。送液工程6は、ステップS27終了時まで行われる。また、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第1タンク(11)の貯留工程(貯留工程7)が実行される。
【0101】
ステップS27では、制御部(C)は、第1タンク(11)から第1充填装置(21)に対して送液する(送液工程7)。具体的に、制御部(C)は、第1タンク(11)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁A(51A)を開放し、かつ、第1開閉弁B(51B)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。送液工程7は、ステップS28終了時まで行われる。また、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の各開閉弁(51,52)を閉鎖する。この間、第2タンク(12)の貯留工程(貯留工程8)が実行される。
【0102】
ステップS28では、制御部(C)は、第2タンク(12)から第2充填装置(22)に対して送液する(送液工程8)。具体的に、制御部(C)は、第2タンク(12)に繋がる送液管(40)の第1開閉弁B(51B)を開放し、かつ、第1開閉弁A(51A)および第2開閉弁(52)を閉鎖する。
【0103】
送液が完了したタンク(11,12,13)および充填が完了した充填装置(21,22)から適宜洗浄運転が実行される。洗浄運転も各タンク(11,12,13)及び各充填装置(21,22)に対して同時に行われてもよい。例えば、各タンク(11,12,13)に繋がるそれぞれの送液管(40)の第1開閉弁(51A,51B)及び第2開閉弁(52)が閉鎖された状態で、洗浄液が供給された各タンク(11,12,13)の内部が洗浄された後、制御部(C)は、各充填装置(21,22)にタンク(11,12,13)からの水が搬送されるように、各タンク(11,12,13)に繋がる送液管(40)の第2開閉弁(52)を閉鎖し、2つの第1開閉弁(51A,51B)の少なくとも一方を開放する。洗浄後のタンク(11,12,13)内及び充填装置(21,22)内は陽圧に保持される。
【0104】
このように本変形例の搬送運転では、2つの充填装置(21,22)に対して同時に搬送運転を実行できるため、製品の製造速度を上げることができる。ひいては、製品の生産効率を向上できる。
【0105】
(7)その他の実施形態
第1充填装置(21)の洗浄運転後に再び搬送運転を行うように搬送運転が実行されてもよい。具体的に、図10に示すように、ステップS16において、第2タンク(12)に薬液が貯留される(貯留工程9)。さらに、ステップS17において、制御部(C)は、第2タンク(12)から第1充填装置(21)へ送液する(送液工程9)。同時に、第3タンク(13)には薬液が貯留される(貯留工程10)。ステップS18において、制御部(C)は、第3タンク(13)から第1充填装置(21)へ送液する(送液工程10)。同時に第2タンクには、薬液が貯留される(貯留工程11)。
【0106】
その後、上記実施形態と同様に搬送運転と洗浄運転が実行される。これにより、送液装置(1)が運転中であっても、洗浄運転のために充填装置(21,22)による充填が停止することない。すなわち、送液装置(1)が運転中は2台の充填装置(21,22)により連続して製品を製造できる。
【0107】
送液装置(1)の稼働中に、タンク(11,12,13)内の洗浄済みの洗浄液を排出する排出動作が行われてもよい。具体的に、制御部(C)は、第2開閉弁(52)の開閉を制御することで、前記タンク(11,12,13)内の洗浄済みの洗浄液を外部へ排出する。これにより、充填装置(21,22)を洗浄せずタンク(11,12,13)のみ洗浄できる。このように、一部の充填装置(21,22)に薬液を搬送しつつ、一部のタンク(11,12,13)を洗浄できる。タンク(11,12,13)からの薬液の搬送とタンク(11,12,13)からの洗浄液の排出とを切り換えることで、送液装置(1)の稼働中は、いずれかのタンク(11,12,13)から常に薬液を充填装置(21,22)に搬送できる。
【0108】
上記実施形態のように2つの充填装置(21,22)に送液する期間が重複するように搬送運転を実行しなくてもよい。すなわち、搬送運転は、一方の充填装置(21,22)への搬送運転が終了後に、他方の充填装置(21,22)に搬送運転が実行されるようにしてもよい。
【0109】
第1開閉弁(51A,51B)は第2送液管(42)に接続されていればよく、その位置は限定されなくてもよい。第2開閉弁(52)は第3送液管(43)に接続されていればよく、その位置は限定されなくてもよい。
【0110】
充填装置(21,22)の数、及びタンク(11,12,13)の数に限定はなく、タンク(11,12,13)の数よりも充填装置(21,22)の数が少なければよい。
【0111】
上記実施形態及び変形例において、タンク(11,12,13)は所定量毎に薬液の貯留と搬送とを行うと説明したが、これに限定されない。
【0112】
洗浄運転は、タンク(11,12,13)または充填装置(21,22)の洗浄後に滅菌処理する工程を含めてもよい。加熱滅菌による滅菌処理の場合、陽圧保持される前にタンク(11,12,13)内または充填装置(21,22)内の冷却処理が行われる。
【0113】
制御部(C)は、洗浄液送液装置(1)を制御してもよい。
【0114】
送液装置(1)は、充填装置(21,22)のみを洗浄するように構成されてもよい。例えば、図11図13に示すように、送液装置(1)は、洗浄液供給装置(30)と送液管(40)とを接続する第6送液管(46)と該第6送液管(46)を開閉する第4開閉弁(54)とを有する。第6送液管(46)は一端から他端に向かって2つに分岐する。第6送液管(46)の一端は、洗浄液供給装置(30)に接続される。第6送液管(46)の一方の他端は、第3タンク(13)と第1充填装置(21)とを繋ぐ第2送液管(42)の途中に接続される。第6送液管(46)の他方の他端は、第3タンク(13)と第2充填装置(22)とを繋ぐ第2送液管(42)の途中に接続される。第4開閉弁(54)は、2つに分岐した後の第6送液管(46)のそれぞれに設けられる。
【0115】
第1充填装置(21)を洗浄する場合、第1充填装置(21)に繋がる第6送液管(46)の第4開閉弁(54)が開放される(図12)。第2充填装置(22)を洗浄する場合、第2充填装置(22)に繋がる第6送液管(46)の第4開閉弁(54)が開放される(図13)。制御部(C)は、充填装置(21,22)の一方が搬送運転を行っている間、他方が充填装置(21,22)に繋がる第6送液管(46)の第4開閉弁(54)を開放する。これを連続して交互に切り換えることによって、送液装置(1)の稼働中はいずれかの充填装置(21,22)が搬送運転を実行することになり、連続して製品を製造できる。
【0116】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上説明したように、本開示は、送液装置および送液システムについて有用である。
【符号の説明】
【0118】
1 送液装置
11 第1タンク
11,12,13 タンク
12 第2タンク
13 第3タンク
21 第1充填装置
21,22 充填装置
22 第2充填装置
40 送液管
41 第1送液管
42 第2送液管
43 第3送液管
51,52 開閉弁
51A,51B 第1開閉弁
52 第2開閉弁
C 制御部
K 切り換え機構
F 送液システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13