(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125789
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】爪上皮角質除去ビット、爪上皮角質除去装置及び爪上皮角質除去方法
(51)【国際特許分類】
A45D 29/16 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
A45D29/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033853
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】515215689
【氏名又は名称】株式会社Rei Rose
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】菊地 善子
(72)【発明者】
【氏名】菊地 信哉
(57)【要約】
【課題】爪上皮角質を除去する処理時間を短縮でき、かつ、爪上皮を残した状態で爪上皮角質を除去することの可能な、爪上皮角質除去ビットを提供する。
【解決手段】爪上皮角質除去装置へ取り付け及び取り外しが可能であり、かつ、爪上皮角質除去装置の駆動部により作動される爪上皮角質除去ビット120において、指の爪と、爪の上に位置する爪上皮との間の爪上皮角質LC1,LC2に係合される挿入部121と、挿入部121のうち、爪NLの表面と対向する箇所に設けられた第1表面121Aと、挿入部121のうち、爪上皮CLと対向する箇所に設けられた第2表面121Cと、を有し、第2表面121Cにダイヤモンド電着部400が設けられ、かつ、第1表面121Aにダイヤモンド電着部400が設けられていない、爪上皮角質除去ビット120を構成した。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪上皮角質除去装置へ取り付け及び取り外しが可能であり、かつ、前記爪上皮角質除去装置の駆動部により作動される爪上皮角質除去ビットにおいて、
指の爪と、前記爪の上に位置する爪上皮との間の爪上皮角質へ係合される挿入部と、
前記挿入部のうち、前記爪の表面と対向する箇所に設けられた第1表面と、
前記挿入部のうち、前記爪と対向する箇所に設けられた第2表面と、
を有し、
前記第2表面にダイヤモンド電着部が設けられ、かつ、前記第1表面にダイヤモンド電着部が設けられていない、爪上皮角質除去ビット。
【請求項2】
ユーザによって把持されるグリップと、前記グリップに設けられる爪上皮角質除去ビットと、前記爪上皮角質除去ビットを作動させる駆動部と、を備えた爪上皮角質除去装置において、
前記爪上皮角質除去ビットは、
指の爪と、前記爪の上に位置する爪上皮との間の爪上皮角質へ係合される挿入部と、
前記挿入部のうち、前記爪の表面と対向する箇所に設けられた第1表面と、
前記挿入部のうち、前記爪上皮と対向する箇所に設けられた第2表面と、
を有し、
前記第2表面にダイヤモンド電着部が設けられ、かつ、前記第1表面にダイヤモンド電着部が設けられていない、爪上皮角質除去装置。
【請求項3】
請求項2記載の爪上皮角質除去装置において、
前記駆動部は、前記爪上皮角質除去ビットを前記爪上皮角質除去ビットの厚さ方向の中心に位置する第1仮想線に沿った方向に作動させる、爪上皮角質除去装置。
【請求項4】
請求項2記載の爪上皮角質除去装置において、
前記駆動部は、前記爪上皮角質除去ビットの厚さ方向の中心に位置する第1仮想線に沿った方向に作動させ、かつ、前記爪上皮角質除去ビットの平面視で前記爪上皮角質除去ビットを幅方向に作動させる、爪上皮角質除去装置。
【請求項5】
請求項2記載の爪上皮角質除去装置において、
前記駆動部は、前記爪上皮角質除去ビットの厚さ方向の中心に位置する第1仮想線に沿った方向に作動させ、かつ、前記爪上皮角質除去ビットを前記爪上皮角質除去ビットの厚さ方向に作動させる、爪上皮角質除去装置。
【請求項6】
請求項2記載の爪上皮角質除去装置において、
前記爪上皮角質除去ビットは、
前記駆動部の作動力を受ける支持部を有し、
前記挿入部は、前記支持部に取り付け及び取り外し可能である、爪上皮角質除去装置。
【請求項7】
請求項6記載の爪上皮角質除去装置において、
前記爪上皮角質除去ビットは、
前記支持部が受けた作動力を前記挿入部へ伝達するスプリング部が、前記挿入部と前記支持部との間に設けられている、
爪上皮角質除去装置。
【請求項8】
爪上皮角質除去装置へ取り付け及び取り外しが可能であり、かつ、前記爪上皮角質除去装置の駆動部により作動される爪上皮角質除去ビットを用いて、指の爪と、前記爪の上に位置する爪上皮と、の間にある爪上皮角質を除去する爪上皮角質除去方法において、
前記爪上皮角質除去ビットは、
ダイヤモンド電着部が設けられていない第1表面と、
前記第1表面に接続され、かつ、前記ダイヤモンド電着部が設けられている第2表面と、
を有し、
前記第2表面が前記爪上皮と対向するように、前記爪上皮角質除去ビットの先端を前記爪上皮と前記爪上皮角質との間へ挿入する挿入工程と、
前記挿入工程に次いで行われ、前記爪上皮角質除去ビットの先端を前記爪上皮角質に食い込ませ、かつ、前記爪上皮角質除去ビットを前記爪上皮と前記爪との間から抜き出すことにより、前記爪上皮角質を掻き出す掻き出し工程と、
前記掻き出し工程で掻き出された前記爪上皮角質を、除去工具で除去する除去工程と、
を実行する、爪上皮角質除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、爪と爪上皮との間にある爪上皮角質を除去するための爪上皮角質除去ビット、爪上皮角質除去装置及び爪上皮角質除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、爪と爪上皮(甘皮)との間にある爪上皮角質を除去する方法の一例として、次のような第1の方法及び第2の方法があった。第1の方法は、お湯で指を柔らかくした後、爪上皮を専用の用具で押し上げ、ニッパーで爪上皮角質を切除する方法である。第1の方法は、爪上皮を残した状態で爪上皮角質を切除するため、処理に時間がかかりすぎる問題があった。第2の方法は、先に、爪上皮をニッパーで切除してから、爪上皮角質を除去するため、処理時間を短縮できるが、爪上皮を切除すると、ささくれができたり、感染症の恐れがあった。なお、電動爪みがき機の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された電動爪みがき機は、施術者が握るグリップ部と、グリップ部に固定されたヘッド部と、ヘッド部に取り付け及び取り外しできる甘皮押しアタッチメントと、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、前述した第1の方法または第2の方法によれば、処理時間を短縮し、かつ、爪上皮を残した状態で爪上皮角質を除去する、という両方の要求を満たすことはできず、未だ改善の余地がある、という課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、爪上皮角質を除去する処理時間を短縮でき、かつ、爪上皮を残した状態で爪上皮角質を除去することの可能な、爪上皮角質除去ビット、爪上皮角質除去装置及び爪上皮角質除去方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、爪上皮角質除去装置へ取り付け及び取り外しが可能であり、かつ、前記爪上皮角質除去装置の駆動部により作動される爪上皮角質除去ビットにおいて、指の爪と、前記爪の上に位置する爪上皮との間の爪上皮角質へ係合される挿入部と、前記挿入部のうち、前記爪の表面と対向する箇所に設けられた第1表面と、前記挿入部のうち、前記爪上皮と対向する箇所に設けられた第2表面と、を有し、前記第2表面にダイヤモンド電着部が設けられ、かつ、前記第1表面にダイヤモンド電着部が設けられていない、爪上皮角質除去ビットを構成した。
【発明の効果】
【0007】
本開示の爪上皮角質除去ビットは、可動ビットの上面のダイヤモンド電着部により、爪上皮角質を持ち上げることができる。したがって、爪上皮角質を除去する処理時間を短縮可能であり、かつ、爪上皮を残した状態で爪上皮角質を除去することが可能である。
【0008】
本開示の爪上皮角質除去装置は、提対象者の指の爪上皮角質を除去する場合に、グリップに加える操作力を施術者が細かく調整せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の爪上皮角質除去ビットを装着した爪上皮角質除去装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、爪上皮角質除去装置の第1実施例であり、
図1の2A-2A線における側面断面図、
図2(B)は、
図1の2B-2B線における平面断面図である。
【
図3】
図3(A)~(D)は、
図1に示す可動ビットの動作を示す側面図である。
【
図4】
図4(A)は、
図1に示す爪上皮角質除去ビットの挿入部の平面図、
図4(B)は、
図1に示す爪上皮角質除去ビットの挿入部の側面図である。
【
図5】
図5(A)は、
図1に示す爪上皮角質除去ビットが、爪の上に位置する状態の平面図、
図5(B)は、
図5(A)の側面断面図である。
【
図6】
図6(A)は、第2実施例の爪上皮角質除去装置の内部を示す第1交差方向から視た断面図であり、
図6(B)は、
図6(A)の6B-6B線に沿った平面断面図である。
【
図7】
図7(A)~(D)は、
図6(B)に示された爪上皮角質除去ビットの動作を示す平面図である。
【
図8】
図8(A)は、第3実施例の爪上皮角質除去装置の側面断面図、
図8(B)は、第3実施例の爪上皮角質除去装置の平面断面図である。
【
図9】
図9(A)~(D)は、
図8(A)に示された爪上皮角質除去ビットの動作、及び爪上皮角質除去ビットの先端の作動軌跡を示す図である。
【
図10】本開示の爪上皮角質除去ビットで爪上皮をめくり上げ、かつ、爪上皮角質除去ビットで爪上皮角質を掻き出す動作を示す側面断面図である。
【
図11】本開示の爪上皮角質除去ビットの他の構造例を示す側面断面図である。
【
図12】
図12(A),(B)は、本開示の爪上皮角質除去ビットの更に他の構造例を示す側面断面図である。
【
図13】
図13(A)は、爪上皮角質除去ビットの挿入部の一例を示す側面図、
図13(B)は、
図13(A)の挿入部の平面形状の一例を示す平面図、
図13(C)は、
図13(A)の挿入部の平面形状の一例を示す平面図である。
【
図14】
図14(A)は、爪上皮角質除去ビットの挿入部を先端側から見た斜視図、
図14(B)は、挿入部の平面形状の一例を示す平面図、
図14(C)は、
図14(B)の側面形状の一例を示す側面図である。
【
図15】
図15(A)は、爪上皮角質除去ビットの挿入部を真上から見た平面図、
図15(B)は、
図15(A)の挿入部を先端側から見た正面図、
図15(C)は、
図15(A)の挿入部の形状例を示す側面図である。
【
図17】
図17(A),(B)は、本開示の爪上皮角質除去ビットの更に他の構造例を示す側面断面図である。
【
図18】
図18(A)は、本開示の爪上皮角質除去方法を示すフローチャートであり、
図18(B)は、ニッパーにより爪上皮角質を除去する例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の爪上皮角質除去装置は、指の爪上皮を残した状態で、爪上皮角質を除去するための装置である。本開示の爪上皮角質除去装置に含まれるいくつかの実施例を、図面を参照して説明する。各図において、同様の構成及び要素については、同じ符号を付してある。
【0011】
[第1実施例]
本開示の第1実施例である爪上皮角質除去装置100は、
図1乃至
図5(B)に示すように、グリップ110と、爪上皮角質除去ビット120と、駆動部130とを備えている。グリップ110は、筒形状であり、グリップ110は、ユーザ、例えば、ネイルサロンの施術者によって把持される。また、爪上皮角質除去ビット120は、グリップ110の先端側に設けられている。グリップ110は、エアー供給シリンダ131に対して取り付け及び取り外しが可能である。グリップ110をエアー供給シリンダ131から取り外した状態で、爪上皮角質除去ビット120は、グリップ110に対して取り付け及び取り外しできるように構成されている。さらに、爪上皮角質除去ビット120は、グリップ110の中心線に沿った方向、つまり、前後方向FBへ作動自在に構成されている。
【0012】
さらに、駆動部130は、駆動手段の動力を爪上皮角質除去ビット120に伝達することにより、爪上皮角質除去ビット120を作動、つまり、所定量の振幅で振動させる。駆動手段は、電動モータ、リニアモータ、空気量によって回転速度が調整自在なエアータービンによるものなど、爪上皮角質除去ビット120を作動させることが可能なものであれば、その原理は限定されない。本実施例では、駆動手段として、例えば歯科医院で用いられるようなエアータービンが用いられている例を説明する。
【0013】
本実施例において、爪上皮角質除去ビット120の基本的な振動方向を前後方向FBとする。また、第1交差方向CR1は、前後方向FBと交差、つまり、直交する方向である。第2交差方向CR2は、前後方向FB及び第1交差方向CR1に対して直交する方向である。本実施例では、グリップ110は、駆動部130の一部を構成するエアー供給シリンダ131に対して取り付け及び取り外しが可能である。また、爪上皮角質除去ビット120は、作動方向で前方に位置する挿入部121と、挿入部121の後方に接続され、かつ、駆動部130から動力を受ける動力受け部122とを有している。
【0014】
さらに、駆動部130は、エアー供給シリンダ131と、エアー供給チューブ132と、エアータービン(図示せず)と、第1回転軸133と、ボールベアリング134と、第1ベベルギア135と、第2ベベルギア136と、偏心カム137と、圧縮ばね138とを有している(
図1、及び
図2(A),(B)参照)。エアー供給チューブ132の一端は、コンプレッサー(図示せず)と接続され、エアー供給チューブ132の他端は、エアー供給シリンダ131と接続されている。エアー供給シリンダ131の内部には、エアータービンが設けられている。
図2(A),(B)に示すように、グリップ110の内部において、第1回転軸133は、エアータービンと一体に回転するように構成されている。
【0015】
ボールベアリング134は、グリップ110に対して第1回転軸133を回転自在に支持している。第1ベベルギア135は、第1回転軸133と一体に回転するように設けられている。第2ベベルギア136は、第2回転軸136aを中心に回転し、第1ベベルギア135と噛み合って第1ベベルギア135から動力を受けるように設けられている。偏心カム137の中心は、第2回転軸136aの中心からずれて配置され、偏心カム137は、第2回転軸136aを中心に回転して、第2ベベルギア136と一体に回転するように構成されている。
【0016】
圧縮ばね138は、爪上皮角質除去ビット120の動力受け部122を偏心カム137に対して付勢する。さらに、偏心カム137の作用部分137aが、爪上皮角質除去ビット120の動力受け部122と接触するように構成されている。なお、偏心カム137における第2ベベルギア136と反対側は、第2回転軸136aと同心の回転部材136bと係合している。
【0017】
図3(A)の状態において、コンプレッサーからエアー供給シリンダ131へ圧縮空気が供給されるとエアータービンが回転し、第1回転軸133及び第1ベベルギア135も回転する。すると、第2ベベルギア136へ動力が伝達され、第2ベベルギア136及び偏心カム137が、第2回転軸136aを中心に90度回転する。そして、
図3(B)に示すように、偏心カム137の作用部分137aが、圧縮ばね138の付勢力に抗して動力受け部122を前後方向FBの先側へ押圧して移動させる。これにより、爪上皮角質除去ビット120は、
図1に示す前後方向FBの前方、つまり、
図3(B)において左方向へ移動する。
【0018】
図3(B)の状態から
図3(C)に示す状態へ、第2ベベルギア136及び偏心カム137がさらに90度回転すると、偏心カム137の作用部分137aが、圧縮ばね138の付勢力に抗して動力受け部122を前後方向FBで、前方へさらに移動させる。これにより、爪上皮角質除去ビット120の挿入部121も、前後方向FBで前方へさらに移動する。
【0019】
第2ベベルギア136及び偏心カム137が、
図3(C)の状態から
図3(D)に示す状態へ、さらに90度回転すると、偏心カム137の作用部分137aが、前後方向FBで後方へ退避する。このため、圧縮ばね138の付勢力によって動力受け部122は、前後方向FBで後方、つまり、
図3(C)で右方向へ移動する。これにより、爪上皮角質除去ビット120は、前後方向FBで後方へ移動する。
【0020】
第2ベベルギア136及び偏心カム137が、
図3(D)の状態から、さらに90度回転すると、偏心カム137の作用部分137aが、前後方向FBで後方へさらに退避する。このため、圧縮ばね138の付勢力によって動力受け部122は、前後方向FBで後方へさらに移動する。これにより、爪上皮角質除去ビット120も、前後方向FBで後方へさらに移動し、
図3(A)に示す位置に戻る。
【0021】
また、
図4(A),(B)に示すように、挿入部121は、第1表面(底面)121A、側面121B及び第2表面(上面)121Cを有する。第1表面121Aは、爪NLと対向する面であり、第2表面121Cは、挿入部121のうち、第1表面121Aの反対に位置する。つまり、第2表面121Cは、挿入部121の先端123が爪NLと爪上皮CLとの間へ向けて移動されると、爪上皮CLと対向する位置に設けられている。また、側面121Bは、第1表面121Aと第2表面121Cとを接続している。爪上皮角質除去ビット120を側面視すると、挿入部121は、先端123に近づくことに伴い厚さが減少する形状、つまり、楔形状を有する。爪上皮角質除去ビット120は、導電性の金属材料、例えば、アルミニウム、鉄、銅等により構成されている。
【0022】
第2表面121Cには、ダイヤモンド電着部400が設けられている。ダイヤモンド電着部400は、つまり、爪上皮角質除去ビット120を構成する金属材料の表面に、ダイヤモンド粉(合成ダイヤモンド)を電気メッキにより電着、つまり、固定したものである。ダイヤモンド粉の平均粒径は、一例として、120μm乃至230μmの範囲内に設定できる。なお、第1表面121A及び側面121Bには、ダイヤモンド電着部400が設けられていない。また、側面121Bには、ダイヤモンド電着部400が設けられていてもよいし、ダイヤモンド電着部400が設けられていなくてもよい。つまり、第2表面121Cのみにダイヤモンド電着部400が設けられている第1パターンと、第2表面121C及び側面121Bにダイヤモンド電着部400がそれぞれ設けられている第2パターンと、を構成可能である。
【0023】
また、
図4(B)には、爪上皮角質除去ビット120を側面視した状態で、爪上皮角質除去ビット120の厚さ方向の中心に位置する第1仮想線A1が示されている。第1仮想線A1は、前後方向FBと平行である。さらに、第1仮想線A1と第2表面121Cとの交点P1と、第2表面121Cの後端P2と、を通過する第2仮想線A2が示されている。第2仮想線A2は、第1仮想線A1に対して、角度θ1で傾斜している。角度θ1は、90度未満、一例として、45度乃至15度の範囲内である。爪上皮角質除去ビット120が前後方向FBに振動する場合、後端P2は、交点P1より後方に位置する。爪上皮角質除去ビット120の側面視で、第2表面121Cは、第2仮想線A2から突出され、かつ、第1仮想線A1から離間する向きで湾曲されている。さらに、挿入部121の先端123は、一例として凹凸刃状に形成されている。なお、挿入部121の先端123は、凹凸刃状でなくてもよいのは勿論である。
【0024】
エアータービンが高速回転すると、爪上皮角質除去ビット120が、駆動部130から伝達される動力により、高速で前後方向FBに沿って往復作動、つまり、振動する。本実施例において、爪上皮角質除去ビット120が前後方向FBで振動する振幅は、一例として0.5~3.0mmの範囲内、具体的には、2mmである。
【0025】
ユーザが、爪上皮角質除去装置100を用いて、対象者の指FGの爪上皮角質を除去する場合、
図5(A),(B)に示すように、爪上皮角質除去ビット120の挿入部121の先端123を、指FGの爪NLの上方に位置させる。そして、爪上皮角質除去ビット120が振動されている状態で、挿入部121の先端123を、
図10のように、爪NLと、爪NLの上にある爪上皮CLとの間にある爪上皮角質へ食い込ませる。具体的には、爪上皮角質のうち、爪LNの上にある部位の爪上皮角質LC1と、爪上皮CLに近い位置にある爪上皮角質LC2との間へ、挿入部121の先端123を進入させる。なお、指FGの先端側は、爪先FRとして示してある。
【0026】
すると、挿入部121の第2表面121Cが、爪上皮角質LC2を持ち上げ、つまり、めくり上げ、先端123及び第1表面121Aにより、爪上皮角質LC1を擦りながら掻き出し、爪上皮角質LC1を除去することができる。挿入部121を爪NLと爪上皮CLとの間から退出させると、爪上皮CLは元の位置に戻る。本開示の爪上皮角質除去ビット120は、挿入部121の第2表面121Cにはダイヤモンド電着部400が設けられている。このため、第2表面121Cと爪上皮角質LC2との摩擦力が増加し、爪上皮角質LC2をめくり上げ易い。特に、第2表面121Cは、第2仮想線A2から突出するように湾曲されており、その第2表面121Cにダイヤモンド電着部400が設けられている。このため、ダイヤモンド電着部400と爪上皮角質LC2との摩擦力が、一層、増加する。したがって、先端123及び第1表面121Aにより、爪上皮角質LC1を掻き出し易くなり、爪上皮角質LC1を除去するための処理時間を短縮することが可能である。
【0027】
また、爪上皮CLに張り付いた爪上皮角質LC2は、
図18に示すニッパー516で挟んで除去できる。つまり、爪上皮CLを残した状態で、爪上皮角質LC1,LC2を爪NLの表面から除去することが可能である。したがって、ささくれの発生を抑制でき、かつ、感染症を未然に防止することが可能である。なお、挿入部121の第1表面121Aにはダイヤモンド電着部が設けられていない。このため、挿入部121の第1表面121Aが爪NLの表面と接触した場合に、爪NLの表面がダイヤモンド電着部により擦られることを抑制でき、かつ、爪NLが薄くなることを抑制できる。
【0028】
このように、第1実施例の爪上皮角質除去装置100は、ユーザによって把持されるグリップ110と、グリップ110に設けられた爪上皮角質除去ビット120とを備え、爪上皮角質除去ビット120が、駆動部130から動力を受けて前後方向FBに振動することにより、手作業のときと比べて短時間で爪上皮角質LCを容易に爪NLの表面から除去することができる。
【0029】
さらに、爪上皮角質除去ビット120の挿入部121が、前後方向FBに対して傾いているとともに、挿入部121が、前後方向FBと交差する第1交差方向CR1に長尺な形状を有して1箇所または複数箇所において第1交差方向CR1に爪NLの表面と接触する構成であることにより、より短時間で爪上皮角質LCを容易に爪NLの表面から除去することができる。
【0030】
[第2実施例]
本開示の第2実施例である爪上皮角質除去装置200を、
図6(A)乃至
図7(D)に基づいて説明する。第2実施例の爪上皮角質除去装置200は、第1実施例の爪上皮角質除去装置100の爪上皮角質除去ビット120の振動方向を2次元としたものである。多くの要素について第1実施例の爪上皮角質除去装置100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
【0031】
図6(A)及び
図6(B)に示すように、駆動部230は、第1回転軸233と、ボールベアリング234と、第1ベベルギア235と、第2ベベルギア236と、第3ベベルギア240と、第4ベベルギア241と、第1偏心軸239と、第2偏心軸242とを有している。ここで、第2ベベルギア236及び第4ベベルギア241は、前後方向FB及び第1交差方向CR1と直交する第2交差方向CR2を軸として回転する駆動部230の回転体である。
図6のように、爪上皮角質除去ビット220を平面視すると、第1交差方向CR1は、爪上皮角質除去ビット220の幅方向である。
【0032】
そして、挿入部221が、前後方向FB及び第1交差方向CR1からなる仮想面上を円運動するように構成されている。以下に、より具体的に説明する。第1回転軸233は、エアータービンと一体に回転するように構成されている。ボールベアリング234は、グリップ210に対して第1回転軸233を回転自在に支持している。
【0033】
第1ベベルギア235は、第1回転軸233と一体に回転するように設けられている。第2ベベルギア236は、第2回転軸236aを中心に回転し、第1ベベルギア235と噛み合って第1ベベルギア235から動力を受けるように設けられている。第3ベベルギア240は、第3回転軸240aを中心に回転し、第2ベベルギア236と噛み合って第2ベベルギア236から動力を受けるように設けられている。第4ベベルギア241は、第4回転軸241aを中心に回転し、第3ベベルギア240と噛み合って第3ベベルギア240から動力を受けるように設けられている。
【0034】
第1偏心軸239の一端は、第2ベベルギア236と係合し、第1偏心軸239は、第2回転軸236aの中心に対してずれて配置され、第2回転軸236aを中心に回転するように設けられている。言い換えると、第1偏心軸239は、第2回転軸236aを中心とした所謂、遊星運動と同じ軌跡を描くように設けられている。同様に、第2偏心軸242の一端は、第4ベベルギア241と係合し、第2偏心軸242は、第4回転軸241aの中心に対してずれて配置され、第4回転軸241aを中心に回転するように設けられている。言い換えると、第2偏心軸242は、第4回転軸241aを中心として所謂、遊星運動と同じ軌跡を描くように設けられている。
【0035】
さらに、第1偏心軸239は、爪上皮角質除去ビット220に設けられた第1係合穴224にベアリングB1を介して挿通されている。同様に、第2偏心軸242は、爪上皮角質除去ビット220に設けられた第2係合穴225にベアリングB2を介して挿通されている。なお、第1偏心軸239の他端は、第2回転軸236aと同心の第1回転部材236bと係合している。同様に、第2偏心軸242の他端は、第4回転軸241aと同心の第2回転部材241bと係合している。
【0036】
また、グリップ210は、エアー供給シリンダ131に対して取り付け及び取り外しが可能である。グリップ210がエアー供給シリンダ131から取り外された状態で、爪上皮角質除去装置200が有する爪上皮角質除去ビット220は、グリップ210に対して取り付け及び取り外しが可能である。さらに、爪上皮角質除去ビット220は、
図4(A),(B)に示す爪上皮角質除去ビット120と同様に構成されている。つまり、爪上皮角質除去ビット220は、挿入部221、先端123、第1表面121A、側面121B、第2表面121Cを有する。また、爪上皮角質除去ビット220の第2表面121Cには、ダイヤモンド電着部400が設けられている。なお、爪上皮角質除去ビット220の第1表面121A及び側面121Bには、ダイヤモンド電着部が設けられていない。
【0037】
そして、
図7(A)の状態から、エアータービンが回転すると、第1回転軸233及び第1ベベルギア235も回転する。すると、第2ベベルギア236、第3ベベルギア240、第4ベベルギア241へ動力が伝達され、第2ベベルギア236及び第1偏心軸239が、第2回転軸236aを中心に90度回転するとともに、第4ベベルギア241及び第2偏心軸242が、第4回転軸241aを中心に90度回転する。
【0038】
そして、
図7(B)に示すように、爪上皮角質除去ビット220が、第1偏心軸239及び第2偏心軸242から力を受けて前後方向FBの先側へ移動するとともに第1交差方向CR1の一方(
図7における上側)へ移動する。つまり、弧を描くように移動する。
図7(B)の状態から
図7(C)に示す状態へ、第2ベベルギア236及び第4ベベルギア241がさらに90度回転すると、爪上皮角質除去ビット220が、第1偏心軸239及び第2偏心軸242から力を受けて前後方向FBの先側へさらに移動するとともに第1交差方向CR1の他方(
図7における下側)へ移動する。
【0039】
図7(C)の状態から
図7(D)に示す状態へ、第2ベベルギア236及び第4ベベルギア241がさらに90度回転すると、爪上皮角質除去ビット220が、第1偏心軸239及び第2偏心軸242から力を受けて前後方向FBの後側へ移動するとともに第1交差方向CR1の他方(
図7における下側)へさらに移動する。
図7(D)の状態から第2ベベルギア236及び第4ベベルギア241がさらに90度回転すると、爪上皮角質除去ビット220が、第1偏心軸239及び第2偏心軸242から力を受けて前後方向FBの後側へさらに移動するとともに第1交差方向CR1の一方(
図7における上側)へ移動し、
図7(A)に示す状態に戻る。
【0040】
つまり、爪上皮角質除去ビット220の平面視で、爪上皮角質除去ビット220は、前後方向FB及び第1交差方向CR1の2方向において作動、つまり、振動する。言い換えると、爪上皮角質除去ビット220の平面視で、爪上皮角質除去ビット220は、前後方向FB及び第1交差方向CR1からなる仮想面上を円運動する。これにより、前後方向成分において、往復運動の往動から復動に切り替わる際に、挿入部221が第1交差方向CR1に移動して2次元運動をして爪上皮角質LC1,LC2を爪NLの根元から掻き出して切断するように動く。本実施例では、爪上皮角質除去ビット220の前後方向FBの振幅は、2mmである。
【0041】
そして、挿入部221の移動面積は、7.94平方mmである。一方向のみの振動と比べて、挿入部221の移動面積が広くなる。その結果、より効率よく爪上皮角質LCを爪NLの表面から除去することができる。
【0042】
このようにして得られた本開示の第2実施例である爪上皮角質除去装置200は、爪上皮角質除去ビット220が、前後方向FB及び第1交差方向CR1と直交する第2交差方向CR2を軸として回転する駆動部230の回転体である第2ベベルギア236及び第4ベベルギア241と連結されている。そして、挿入部221が、
図7(A),(B),(C),(D)に示すように、前後方向FB及び第1交差方向CR1を含む仮想平面内で、円運動する構成である。つまり、爪上皮角質除去ビット220は、前後方向FB及び第1交差方向CR1の両方において作動する。したがって、爪上皮角質除去ビット220が、爪NLの根元から爪上皮角質LC1,LC2を剥がしてかき出すことができるなど、その効果は甚大である。
【0043】
また、ユーザが、爪上皮角質除去装置200の爪上皮角質除去ビット220が振動されている状態で、爪上皮角質除去ビット220の挿入部221により、対象者の指FGの爪上皮角質LC1,LC2を除去する動作及び作用効果は、
図10を参照して説明した爪上皮角質除去装置100の爪上皮角質除去ビット120の挿入部121により、対象者の指FGの爪上皮角質LC1,LC2を除去する方法及び作用効果と同じである。
【0044】
[第3実施例]
本開示の第3実施例である爪上皮角質除去装置300について、
図8(A)乃至
図9(D)に基づいて説明する。第3実施例の爪上皮角質除去装置300は、第1実施例の爪上皮角質除去装置100の爪上皮角質除去ビット120の振動方向を3次元としたものである。多くの要素について第1実施例の爪上皮角質除去装置100及び第2実施例の爪上皮角質除去装置200と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する300番台の符号を付すのみとする。
【0045】
図8(A)及び
図8(B)に示すように、駆動部330は、第1回転軸333と、ボールベアリング334と、第1ベベルギア335と、第2ベベルギア336と、第3ベベルギア340と、第4ベベルギア341と、第1偏心軸339と、第2偏心軸342とを有している。ここで、第2ベベルギア336及び第4ベベルギア341は、前後方向FB及び第1交差方向CR1と直交する第2交差方向CR2を軸として回転する駆動部330の回転体である。
【0046】
本実施例では、爪上皮角質除去ビット320が、回転体である第2ベベルギア336及び第4ベベルギア341に対して第2交差方向CR2に摺動自在に連結されている。具体的には、第1偏心軸339が、爪上皮角質除去ビット320の第1係合穴324にベアリングB3を介して挿通されている。同様に、第2偏心軸342が、爪上皮角質除去ビット320の第2係合穴325にベアリングB4を介して挿通されている。そして、爪上皮角質除去ビット320が、第2ベベルギア336及び第4ベベルギア341に対して第2交差方向CR2に摺動自在に設けられている。
【0047】
爪上皮角質除去ビット320及びグリップ310の少なくとも一方として、グリップ310が、前後方向FBに対して傾斜した第1本体側傾斜部分311及び第2本体側傾斜部分312を有している。同様に、爪上皮角質除去ビット320が、前後方向FBに対して傾斜した第1可動側傾斜部分326及び第2可動側傾斜部分327を有している。第1本体側傾斜部分311が、第1可動側傾斜部分326と接触し、第2本体側傾斜部分312が、第2可動側傾斜部分327と接触している。
【0048】
また、グリップ310は、エアー供給シリンダ131に対して取り付け及び取り外しが可能である。グリップ310がエアー供給シリンダ131から取り外された状態で、爪上皮角質除去装置300が有する爪上皮角質除去ビット320は、グリップ310に対して取り付け及び取り外しが可能である。さらに、爪上皮角質除去ビット320は、
図4(A),(B)に示す爪上皮角質除去ビット120と同様に構成されている。つまり、爪上皮角質除去ビット320は、挿入部321、先端123、第1表面121A、側面121B、第2表面121Cを有する。また、爪上皮角質除去ビット320の第2表面121Cには、ダイヤモンド電着部400が設けられている。なお、爪上皮角質除去ビット320の第1表面121A及び側面121Bには、ダイヤモンド電着部が設けられていない。
【0049】
そして、爪上皮角質除去ビット320が、前後方向FBの先側へ移動したとき、第1本体側傾斜部分311と第1可動側傾斜部分326との接触によって、前後方向FBの先側への力が第2交差方向CR2の一方への力に変換されるとともに、第1本体側傾斜部分311と第1可動側傾斜部分326との協働により爪上皮角質除去ビット320が傾斜面である第1本体側傾斜部分311及び第1可動側傾斜部分326に沿って案内されるように構成されている。
【0050】
同様に、爪上皮角質除去ビット320が、前後方向FBの後側へ移動したとき、第2本体側傾斜部分312と第2可動側傾斜部分327との接触によって、前後方向FBの後側への力が第2交差方向CR2の他方への力に変換されるとともに、第2本体側傾斜部分312と第2可動側傾斜部分327との協働により爪上皮角質除去ビット320が傾斜面である第2本体側傾斜部分312及び第2可動側傾斜部分327に沿って案内されるように構成されている。
【0051】
そして、
図9(A)の状態から、エアータービンが回転すると、第1回転軸333及び第1ベベルギア335も回転する。すると、第2ベベルギア336、第3ベベルギア340、第4ベベルギア341へ動力が伝達され、第2ベベルギア336及び第1偏心軸339が、第2回転軸336aを中心に90度回転するとともに、第4ベベルギア341及び第2偏心軸342が、第4回転軸341aを中心に90度回転する。
【0052】
そして、
図9(B)に示すように、爪上皮角質除去ビット320が、第1偏心軸339及び第2偏心軸342から力を受けて前後方向FBの先側へ移動するとともに第1交差方向CR1の一方(
図9における紙面表から裏へ向かう方向)及び第2交差方向CR2の一方(
図9における下側)へ移動する。つまり、前後方向FBを基準として3次元に弧を描くように移動する。
【0053】
図9(B)の状態から
図9(C)に示す状態へ、第2ベベルギア336及び第4ベベルギア341がさらに90度回転すると、爪上皮角質除去ビット320が、第1偏心軸339及び第2偏心軸342から力を受けて前後方向FBの先側へさらに移動するとともに第1交差方向CR1の他方(
図9における紙面裏から表へ向かう方向)及び第2交差方向CR2の一方(
図9における下側)へ移動する。
【0054】
図9(C)の状態から
図9(D)に示す状態へ、第2ベベルギア336及び第4ベベルギア341がさらに90度回転すると、爪上皮角質除去ビット320が、第1偏心軸339及び第2偏心軸342から力を受けて前後方向FBの後側へ移動するとともに第1交差方向CR1の他方(
図9における紙面裏から表へ向かう方向)及び第2交差方向CR2の一方(
図9における上側)へさらに移動する。
【0055】
図9(D)の状態から第2ベベルギア336及び第4ベベルギア341がさらに90度回転すると、爪上皮角質除去ビット320が、第1偏心軸339及び第2偏心軸342から力を受けて前後方向FBの後側へさらに移動するとともに第1交差方向CR1の一方(
図9における紙面表から裏へ向かう方向)及び第2交差方向CR2の一方(
図9における上側)へさらに移動し、
図9(A)に示す状態に戻る。
【0056】
つまり、爪上皮角質除去ビット320の挿入部321が、前後方向FB、第1交差方向CR1及び第2交差方向CR2の3方向に振動し、前後方向FB、第1交差方向CR1及び第2交差方向CR2のそれぞれの成分を含む仮想面上を円運動する。より具体的に説明すると、爪上皮角質除去ビット320は前後方向FBに沿って作動し、かつ、爪上皮角質除去ビット320を前方から見ると、爪上皮角質除去ビット320は楕円形状の軌跡で作動する。
【0057】
これにより、挿入部321が第1交差方向CR1及び第2交差方向CR2にも移動して3次元運動をして往復運動の際に挿入部321が通過する面積が2次元運動のときと比べて大きくなる。その結果、より効率よく爪NLの根元から爪上皮角質LC1,LC2を剥がしてかき出すことができる。
【0058】
さらに、爪上皮角質除去ビット320が、前後方向FBの先側へ移動する際、爪上皮角質除去ビット320の挿入部側が向いている側へ、第1本体側傾斜部分311及び第1可動側傾斜部分326が、爪上皮角質除去ビット320を移動させるように構成されている。これにより、挿入部321が3次元運動をする際、挿入部321が爪NLの根元に押し込まれるような軌道となる。その結果、より一層効果的に爪NLの根元から爪上皮角質LC1,LC2を剥がしてかき出すことができる。
【0059】
本実施例では、爪上皮角質除去ビット320の前後方向FBの振幅は、2mmである。そして、挿入部321の移動面積は、9.17平方mmである。2次元の振動と比べて、挿入部321の移動面積が広くなる。その結果、より一層効率よく爪上皮角質LC1,LC2を爪NLの表面から除去することができる。特に、ダイヤモンド電着部400を爪上皮角質LC2に係合させ、爪上皮角質LC2を掻きだすことができる。したがって、爪上皮角質LC2を除去する効果が高まる。
【0060】
このようにして得られた本開示の第3実施例である爪上皮角質除去装置300は、爪上皮角質除去ビット320が、回転体である第2ベベルギア336及び第4ベベルギア341に対して第2交差方向CR2に摺動自在に連結され、爪上皮角質除去ビット320及びグリップ310の少なくとも一方である両者が、前後方向FBに対して傾斜した傾斜部分である第1本体側傾斜部分311、第2本体側傾斜部分312、第1可動側傾斜部分326及び第2可動側傾斜部分327を有し、第1本体側傾斜部分311が、第1可動側傾斜部分326と接触し、第2本体側傾斜部分312が、第2可動側傾斜部分327と接触し、前後方向FBへの相対的な移動に伴って前後方向FBへの力を第2交差方向CR2への力に変換する構成であることにより、より効率よく爪NLの根元から爪上皮角質LC1,LC2を剥がしてかき出すことができる。
図9(A)乃至
図9(D)において、第2交差方向CR2は、爪上皮角質除去ビット320の厚さ方向である。特に、ダイヤモンド電着部400を爪上皮角質LC2に係合させ、爪上皮角質LC2を掻きだすことができる。したがって、爪上皮角質LC2を除去する効果が高まる。
【0061】
さらに、爪上皮角質除去ビット320が、前後方向FBの先側へ移動する際、爪上皮角質除去ビット320の挿入部側が向いている側へ、第1本体側傾斜部分311及び第1可動側傾斜部分326が、爪上皮角質除去ビット320を移動させる構成であることにより、より一層効果的に爪NLの根元から爪上皮角質LC1,LC2を剥がしてかき出すことができるなど、その効果は甚大である。
【0062】
また、ユーザが、爪上皮角質除去装置300の爪上皮角質除去ビット320が振動されている状態で、爪上皮角質除去ビット320の挿入部321により、対象者の指FGの爪上皮角質LC1,LC2を除去する方法及び作用効果は、
図10を参照して説明した爪上皮角質除去装置100の爪上皮角質除去ビット120の挿入部121により、対象者の指FGの爪上皮角質LC1,LC2を除去する動作及び作用効果と同じである。
【0063】
[爪上皮角質除去ビットの他の構造例]
図11は、爪上皮角質除去ビット120の他の構造例を示す側面断面図である。爪上皮角質除去ビット120は、挿入部121、支持部500、スプリング部501、連結部502を有する。挿入部121は、導電性の金属材料、例えば、アルミニウム、鉄、銅等により構成されている。支持部500は、駆動部130の作動力を受ける要素であり、支持部500は、一例として合成樹脂製である。連結部502は、挿入部121へ作動力を伝達する要素であり、連結部502は、一例として合成樹脂製である。挿入部121に溝が設けられており、連結部502の一部が溝に配置されている。連結部502と挿入部121とが、固定要素503により固定されている。固定要素503は、ネジ及びナットにより構成されており、ネジを締め付けたり弛めたりすることにより、挿入部121を連結部502に対して取り付け及び取り外しすることができる。また、挿入部121を交換することができる。
【0064】
スプリング部501は、支持部500が受けた作動力を連結部502へ伝達する要素である。スプリング部501の剛性は、支持部500の剛性よりも低く、かつ、連結部502の剛性よりも低い。スプリング部501は、金属製のコイルスプリング504と、コイルスプリング504の内側に配置された合成ゴム505と、コイルスプリング504の外側を覆う合成ゴム506と、を有する。コイルスプリング504は、一例としてステンレス製であり、合成ゴム505,506は、一例としてウレタンゴムである。コイルスプリング504、合成ゴム505,506は、インサート成形により一体化されている。そして、スプリング部501は、支持部500及び連結部502に接続されている。コイルスプリング504は、第1仮想線A1を中心として配置されており、第1仮想線A1に沿った方向に伸縮できる。また、スプリング部501は、荷重を受けると撓む機能を有する。
【0065】
ところで、特許文献1に記載された電動式爪みがき機では、グリップの操作力がヘッド部を介して甘皮押しアタッチメントに伝達される構造であり、グリップに加える操作力の加減を施術者が細かく調整する必要があった。
【0066】
これに対して、
図11に示す爪上皮角質除去ビット120を有する爪上皮角質除去装置100を使用すると、グリップ110に不要な力が付与されると、スプリング部501が弾性変形することで、不要な操作力を吸収できる。したがって、対象者の指FGの爪上皮角質LC1,LC2を除去する場合に、グリップ110に加える操作力の加減を、施術者が細かく調整せずに済む。つまり、異なる施術者が爪上皮角質除去装置100を使用した場合でも、爪上皮角質除去ビット120を介して爪NLに加わる圧力を平均化することができる。したがって、爪NLに加わるダメージを軽減することが可能になる。
【0067】
また、挿入部121を交換することができるため、ダイヤモンド電着部400が劣化してメンテナンスを行う場合に、金属材料製の挿入部121を、合成樹脂製の支持部500及び連結部502から取り外し、金属材料製の挿入部121を、洗浄液等に浸漬させることができる。したがって、挿入部121の交換及びメンテナンス性が向上する。なお、
図11に示す爪上皮角質除去ビット120の構造例は、爪上皮角質除去ビット220及び爪上皮角質除去ビット320にも適用可能である。
【0068】
図12(A),(B)は、爪上皮角質除去ビット120の更に他の構造例を示す側面断面図である。爪上皮角質除去ビット120は、挿入部121、支持部500、スプリング部507を有する。挿入部121は、導電性の金属材料、例えば、アルミニウム、鉄、銅等により構成されている。挿入部121は、取り付け溝508及び軸孔510を有する。スプリング部507は、支持部500の作動力を挿入部121へ伝達する要素である。スプリング部507は、金属製、例えばステンレス製のリーフスプリングである。スプリング部507は、支持部500の取り付け溝509に固定されている。スプリング部507を厚さ方向に貫通する取り付け穴511が設けられている。スプリング部507の剛性は、支持部500の剛性及び挿入部121の剛性よりも低い。
【0069】
スプリング部507は取り付け溝508へ挿入され、ネジ512及びナット513を軸孔510へ挿入し、かつ、ネジ512を取り付け穴511へ挿入してナット513に噛み合わせ、ネジ512を締め付けることにより、挿入部121がスプリング部507に固定されている。スプリング部507は、第2交差方向CR2に沿った方向に弾性変形可能である。
図12に示す爪上皮角質除去ビット120を有する爪上皮角質除去装置100を使用すると、グリップ110に不要な力が付与されると、スプリング部507が弾性変形することで、不要な操作力を吸収できる。したがって、
図11に示す爪上皮角質除去ビット120を有する爪上皮角質除去装置100を使用した場合と同様の効果を得ることができる。
【0070】
図12に示す爪上皮角質除去ビット120を有する爪上皮角質除去装置100を使用すると、挿入部121を支持部500から取り外すことができる。また、ネジ512を弛めると、挿入部121をスプリング部507から取り外すこと、挿入部121を交換すること、ができる。さらに、
図12(A),(B)に示す爪上皮角質除去ビット120の構造例は、爪上皮角質除去ビット220及び爪上皮角質除去ビット320にも適用可能である。
【0071】
なお、対象者の指FGの爪上皮角質LC1,LC2を除去する場合に、グリップ110に加える操作力の加減を、施術者が細かく調整せずに済むような爪上皮角質除去装置100を構成する場合、
図11及び
図12に示される爪上皮角質除去ビット120,220,320は、それぞれ、ダイヤモンド電着部400を有していなくてもよい。
【0072】
[爪上皮角質除去ビットの挿入部の形状例]
図13(A)は、爪上皮角質除去ビット120の挿入部121を示す側面図である。第1表面121A、及び第2表面121Cは、共に平坦面である。
図13(B)は、
図13(A)の挿入部121を真上から見た平面図の一例である。第2表面121Cは、挿入部121の平面視で略楕円形状を有している。
図13(C)は、
図13(A)の挿入部121を真上から見た平面図の一例である。第2表面121Cは、挿入部121の平面視で、先端123に近づくことに伴い第1交差方向CR1の幅が増加するように湾曲された第1領域と、挿入部121の平面視で先端123に近づくことに伴い第1交差方向CR1の幅が減少するように湾曲された第2領域と、を有する。第2領域は第1領域につながっている。
【0073】
図14(A)は、爪上皮角質除去ビット120の挿入部121を先端側から見た斜視図である。挿入部121は、第1交差方向CR1において、第2表面121Cが突出する向きに湾曲されている。
【0074】
図14(B)は、爪上皮角質除去ビット120の挿入部121を真上から見た平面図である。挿入部121は、平面視で第1交差方向CR1の幅が略一定である。
図14(C)は、
図14(B)の挿入部121の一例を示す側面図である。第1表面121A及び第2表面121Cは、共に平坦面であり、第1表面121A及び第2表面121Cにより、楔形状の挿入部121が構成されている。つまり、第2交差方向CR2における挿入部121の厚さは、先端123に近づくことに伴い薄くなっている。なお、
図14(B)に示す挿入部121は、
図13(A)に示す挿入部121の側面形状を有していてもよい。
【0075】
図15(A)は、爪上皮角質除去ビット120の挿入部121を真上から見た平面図である。挿入部121は、平面視で第1交差方向CR1の幅が略一定である。
図15(B)は、
図15(A)の挿入部121を先端123側から見た正面図である。
図15(C)は、
図15(A)の挿入部121の形状例を示す側面図である。
図15(B)のように、挿入部121の外周面形状は、第1仮想線A1を中心とする円形である。挿入部121は、
図15(C)に示す側面視で第2交差方向CR2の厚さが異なる第1領域、第2領域及び第3領域を有する。第2領域の厚さは第1領域よりも薄い。第1領域の厚さ及び第2領域の厚さは、それぞれ一定である。前後方向FBにおいて、第2領域は、第1領域と第3領域との間に位置する。第3領域に、第1表面121A及び第2表面121Cが設けられている。
図15(B)のように、第2表面121C及び側面121Bは、円弧形状である。
図15(C)のように、第1表面121Aは、平坦面である。
図15(C)のように、挿入部121を側面視すると、第1表面121Aは、第2表面121Cに対して所定の角度、例えば、45度乃至25度の範囲内で傾斜している。ダイヤモンド電着部400は、第2表面121Cに設けられていることに加え、側面121Bに設けられていてもよい。
【0076】
図16(A)は、
図15(A)の挿入部121の形状例を示す正面図、
図16(B)は、
図15(A)の挿入部121の形状例を示す側面図である。挿入部121は、側面視で第2交差方向CR2の厚さが異なる第1領域及び第2領域を有する。第1領域の厚さは一定であり、第2領域の厚さは第1領域よりも薄い。第2領域に、第1表面121A及び第2表面121Cが設けられている。ダイヤモンド電着部400は、第2表面121Cに設けられていることに加え、側面121Bに設けられていてもよい。
図15(B)のように、第2表面121C及び側面121Bは、円弧形状である。第1表面121Aは、平坦面である。挿入部121の下端514と第1表面121Aとの間に形成される角度θ2は、135度乃至150度の範囲内に設定される。
【0077】
図16(C)は、
図15(A)の挿入部121の他の形状例を示す側面図である。ダイヤモンド電着部400が、第2表面121C及び側面121Bに加え、第1表面121Aにも設けられている。また、
図11乃至
図16に示された爪上皮角質除去ビット120及び挿入部121の構造は、他の爪上皮角質除去ビット220,320及び他の挿入部221,321にも適用可能である。
【0078】
図17(A),(B)は、爪上皮角質除去ビット120の更に他の構造例を示す側面断面図である。
図17(A),(B)の構成において、
図12(A),(B)と同様の構成は、
図12(A),(B)と同様の符号を付してある。
図17(A)に示す爪上皮角質除去ビット120の挿入部121は、切り欠き部515を有する。スプリング部507の一部が切り欠き部515に配置されている。ネジ512により、スプリング部507が挿入部121に固定されている。
図17(B)に示す爪上皮角質除去ビット120の挿入部121は、切り欠き部515を有する。スプリング部507の一部が切り欠き部515に配置されている。ネジ512及びナット513により、スプリング部507が挿入部121に固定されている。ナット513は切り欠き部515に配置される。ナット513を緩めると挿入部121を取り外すことができる。
【0079】
[爪上皮角質除去方法]
本実施形態において、爪上皮角質除去ビット120,220,320で掻き出した爪上皮角質LC1,LC2を、
図18に示す除去手段、例えば、ニッパー516で除去してもよい。爪上皮角質LC1,LC2は、通常、爪NLに張り付いて真っ直ぐ伸びると同時に、爪上皮CLが引っ張られて伸びてしまう。しかし、リピーター顧客は、キューティクルオイルケアをすることで、爪上皮角質LC2が油分で弾かれ、爪上皮CLは爪上皮角質LC2に引っ張られることなく、爪上皮角質LC2が爪上皮CLに巻き上がった状態になることが判った。また、キューティクルオイルケアをしなくとも、爪上皮角質除去装置100で爪上皮角質LC1のケアをするだけでも、爪上皮角質LC2が、爪上皮CLに巻き上がることもあるのでこれらを除去及び除去する必要がある。
【0080】
爪上皮角質LC1,LC2が油分で弾かれることで、
(1)爪上皮CLは、爪上皮角質LC1,LC2に引っ張られることなく、爪上皮CLが巻き上がった状態になる。
また、
(2)爪上皮角質LC1,LC2は巻き上がらずに真っすぐ爪先に向かって伸びる場合もある。
このように、爪上皮角質LC1,LC2の伸び方は2種類ある。上記(1)及び(2)の状態における処理方法(お湯でふやかした状態で処理を行う)としては、次のようなものである。
【0081】
(1)の状態における処理方法は、爪上皮CLに巻き上がった爪上皮角質LC1,LC2があり、処理方法は、ニッパーで爪上皮角質LC1,LC2を手前に引き出すことで、爪上皮角質LC1,LC2を除去できる。除去後は、爪上皮CLの先端に、
図5(A),(B)、
図10、
図18(B)に示す細い帯の“爪上皮のエッジCLE”が残る。
【0082】
(2)の状態における処理方法は、爪が伸びると同時に爪に引っ張られ、爪上皮角質LC1,LC2と爪上皮CLが、爪NLに張り付いて爪先に伸びてしまうタイプがあり、また爪上皮CLの先端に細い帯の“爪上皮のエッジCLE”がある。この“爪上皮のエッジCLE”の細い帯は爪上皮CLと爪上皮角質LC2が密着している部分で、ニッパーで引っ張り除去することで上下に分離し、爪上皮CLの下に付着した、または残留した爪上皮角質LC2をニッパーで掻き出すことができる。爪上皮角質LC2を掻き出し後は、元々伸びていた爪上皮CLは元の位置に戻り、細い帯が一層残った状態の爪上皮CLになる。爪上皮CLに損傷がなければ、ささくれにならない。
【0083】
上記のように、本実施形態には、爪上皮角質除去装置100に取り付けられた爪上皮角質除去ビット120(220,320)を使用して、指FGの爪NLと、爪NLの上に位置する爪上皮CLと、の間にある爪上皮角質LC1,LC2を除去する爪上皮角質除去方法が記載されている。
図18(A)は、爪上皮角質除去方法の概要を示すフローチャートである。施術者は、先ず、第2表面121Cが爪上皮CLと対向(対面)するように、爪上皮角質除去ビット120(220,320)の先端123を、爪上皮角質へ挿入する挿入工程S11を実行する。すると、先端123が、爪上皮角質LC1と爪上皮角質LC2との間へ食い込んだ状態になる。
【0084】
また、施術者は、挿入工程S11に次いで、爪上皮角質除去ビット120(220,320)の先端123を、
図10のように爪上皮角質LC1に係合させ、かつ、爪上皮角質除去ビット120(220,320)を爪上皮角質LC2と爪NLとの間から抜き出すことにより、爪上皮角質LC1を掻き出す掻き出し工程S12を実行する。さらに、施術者は、掻き出し工程S12で掻き出された爪上皮角質LC1を、
図18(B)のように、除去工具、例えば、ニッパー516で除去する除去工程S13を実行する。また、爪上皮CLへ巻き上げられている爪上皮角質LC2、及び爪上皮CLへ付着している爪上皮角質LC2をニッパー516で除去することができる。
【0085】
[補足説明]
実施形態に開示されている技術的意味の一例は、次の通りである。スプリング部501,507は、スプリング部の一例である。前後方向FBは、“第1仮想線に沿った方向”の一例である。第1交差方向CR1は、“爪上皮角質除去ビットの平面視で可動ビットの幅方向”の一例である。第2交差方向CR2は、“爪上皮角質除去ビットの厚さ方向”の一例である。第1実施例乃至第3実施例においては、爪上皮の厚さに応じて、ダイヤモンド電着部を構成するダイヤモンド粉の平均粒径を異ならせた爪上皮角質除去ビットを複数種類製造できる。
【0086】
つまり、平均粒径が異なる爪上皮角質除去ビットを複数種類用意することができる。具体的には、爪上皮の厚さが大であるほど、ダイヤモンド粉の平均粒径を大とする。そして、ダイヤモンド粉の平均粒径を相対的に小さくすると、グリッド数は相対的に大きくなる。一例として、ダイヤモンド粉の平均粒径は、300μm乃至60μmの範囲内で選択可能である。メッシュサイズで、グリッド数は、♯60乃至♯400の範囲内で選択可能である。また、施術者は、対象者の指の爪上皮の厚さに応じて、グリップに取り付ける爪上皮角質除去ビットの種類を任意に変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本開示は、爪と爪上皮との間にある爪上皮角質を除去するための爪上皮角質除去ビット、爪上皮角質除去装置及び爪上皮角質除去方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
100、200、300・・・爪上皮角質除去装置
110、210、310・・・グリップ
311・・・第1本体側傾斜部分
312・・・第2本体側傾斜部分
120、220、320・・・爪上皮角質除去ビット
121、221、321・・・挿入部
121A・・・下面
121C・・・上面
122・・・動力受け部
123・・・先端
224、324・・・第1係合穴
225、325・・・第2係合穴
326・・・第1可動側傾斜部分
327・・・第2可動側傾斜部分
130、230、330・・・駆動部
131・・・エアー供給シリンダ
132・・・エアー供給チューブ
133、233、333・・・第1回転軸
134、234、334・・・ボールベアリング
135、235、335・・・第1ベベルギア
136、236、336・・・第2ベベルギア(回転体)
136a、236a、336a・・・第2回転軸
137・・・偏心カム
137a・・・作用部分
138・・・圧縮ばね
239、339・・・第1偏心軸
240、340・・・第3ベベルギア
240a、340a・・・第3回転軸
241、341・・・第4ベベルギア
241a、341a・・・第4回転軸
242、342・・・第2偏心軸
400・・・ダイヤモンド電着部
501,507・・・スプリング部
FB・・・前後方向
FG・・・指
FR・・・爪先
CL・・・爪上皮
CLE・・・爪上皮のエッジ
CR1・・・第1交差方向
CR2・・・第2交差方向
LC1,LC2・・・爪上皮角質
NL・・・爪