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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125797
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】給電ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/06 20060101AFI20240911BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240911BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240911BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240911BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20240911BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20240911BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20240911BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240911BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240911BHJP
   H01M 50/574 20210101ALI20240911BHJP
【FI】
B60K11/06
H01M10/613 ZHV
H01M10/625
H01M50/249
H01M10/6561
H01M10/6563
H01M10/46 101
B60K1/04
H01M50/505
H01M50/574
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033867
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 浩一
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
5H030
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
3D038AA09
3D038AB01
3D038AC21
3D235AA02
3D235BB20
3D235CC15
3D235DD24
5H030AA01
5H030AS08
5H030DD04
5H030DD12
5H031KK01
5H040AA28
5H040AS04
5H040AS07
5H040AY03
5H043AA20
5H043CA05
(57)【要約】
【課題】メンテナンス性を向上可能な給電ユニットを提供する。
【解決手段】給電ユニットは、電池を収容する電池パックと、サービスホールに装着され、当該サービスホールから取り外されることで電源回路を遮断可能な、サービスプラグと、前記電池パックへ空気を供給する吸気装置と、前記電池パックと、前記サービスプラグと、前記吸気装置と、を収容し、車両に搭載されるケースと、前記ケースを覆うとともに、外部と前記サービスホールとを連通させる第1開口部と、前記吸気装置により取り込まれる空気が通過可能な第2開口部と、が設けられる第1カバーと、前記第1開口部と前記第2開口部とを覆う第2カバーと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を収容する電池パックと、
サービスホールに装着され、当該サービスホールから取り外されることで電源回路を遮断可能な、サービスプラグと、
前記電池パックへ空気を供給する吸気装置と、
前記電池パックと、前記サービスプラグと、前記吸気装置と、を収容し、車両に搭載されるケースと、
前記ケースを覆うとともに、外部と前記サービスホールとを連通させる第1開口部と、前記吸気装置により取り込まれる空気が通過可能な第2開口部と、が設けられる第1カバーと、
前記第1開口部と前記第2開口部とを覆う第2カバーと、
を備える給電ユニット。
【請求項2】
前記第1カバーは、内部に向かって凹む凹面と、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面と、を有し、
前記第1開口部は、前記凹面に開口しており、
前記第2開口部は、前記傾斜面に開口している、
請求項1に記載の給電ユニット。
【請求項3】
前記第2開口部に設けられたフィルタと、
前記第1カバーから外部へ突出するとともに前記第2開口部を囲む障壁と、
をさらに備える、
請求項1又は2に記載の給電ユニット。
【請求項4】
前記第1開口部を覆う覆部と、前記覆部の下方の端から斜め下方に延びるとともに前記第1カバーの前記凹面に取り付けられる取付部と、を有するサービスプラグカバーをさらに備える、
請求項2に記載の給電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池を収容する電池パックと、電源回路を遮断するためのサービスプラグと、空気を吸引する吸気装置と、を備える給電ユニットが知られている。給電ユニットは、例えば、後部座席のシート下に搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-34750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の給電ユニットでは、サービスプラグと吸気装置の吸気口とは、それぞれ別々のカバーに覆われる。このため、給電ユニットのメンテナンス時には、複数のカバーが個々に取り外されることとなり、時間を要してしまう。
【0005】
本発明の目的は、メンテナンス性を向上可能な給電ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明に係る給電ユニットは、電池を収容する電池パックと、サービスホールに装着され、当該サービスホールから取り外されることで電源回路を遮断可能な、サービスプラグと、前記電池パックへ空気を供給する吸気装置と、前記電池パックと、前記サービスプラグと、前記吸気装置と、を収容し、車両に搭載されるケースと、前記ケースを覆うとともに、外部と前記サービスホールとを連通させる第1開口部と、前記吸気装置により取り込まれる空気が通過可能な第2開口部と、が設けられる第1カバーと、前記第1開口部と前記第2開口部とを覆う第2カバーと、を備える。
【0007】
この構成によれば、作業者は、例えばメンテナンス時に、第1開口部及び第2開口部を通じてサービスプラグ及び吸気装置にアクセスすることができる。すなわち、作業者は、第1開口部及び第2開口部を覆っている第2カバーを外すだけでサービスプラグや吸気装置にアクセス可能である。これにより、作業者は、容易に給電ユニットをメンテナンスすることができる。従って、本実施形態では、給電ユニットのメンテナンス性を向上させることが可能である。
【0008】
また、本発明に係る給電ユニットにおいて、第1カバーは、内部に向かって凹む凹面と、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面と、を有し、第1開口部は、前記凹面に開口しており、第2開口部は、前記傾斜面に開口している。
【0009】
この構成によれば、例えば、端面の場合と比べて、作業者はサービスプラグまで手を挿入し易い。これにより、作業者はサービスプラグの挿抜を行い易くなる。また、第2開口部の断面積は大きくなる。従って、本実施形態の給電ユニットでは、限られたスペースにおいて第2開口部を大きくすることができる。
【0010】
また、本発明に係る給電ユニットは、第2開口部に設けられたフィルタと、第1カバーから外部へ突出するとともに前記フィルタを囲む障壁と、をさらに備える。
【0011】
この構成によれば、フィルタは、障壁に囲まれる。これにより、障壁は、例えば、車体の下方から浸水してくる水がフィルタを通過することを防ぐことができる。
【0012】
また、本発明に係る給電ユニットは、前記第1開口部を覆う覆部と、前記覆部の下方の端から斜め下方に延びるとともに前記第1カバーの前記凹面に取り付けられる取付部と、を有するサービスプラグカバーをさらに備える。
【0013】
この構成によれば、サービスプラグカバーの取付部は、覆部から斜め下方に延びている。これにより、サービスプラグカバーは、例えば、第2カバーの内部の液体を下方に向かって排出し易くなり、液体が第1の開口部に侵入してしまうことを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、メンテナンス性の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態の給電ユニットの構成を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態の第2カバーを取り外した状態の給電ユニットの構成を示す斜視図である。
図3図3は、本実施形態の第1カバー及び第2カバーを取り外した状態の給電ユニットの構成を示す斜視図である。
図4図4は、本実施形態の第1カバーの構成を示す斜視図である。
図5図5は、本実施形態の給電ユニットの構成を示す側面図である。
図6図6は、本実施形態の第2カバーの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る給電ユニット1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る給電ユニット1の構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態の第2カバー19を取り外した状態の給電ユニット1の構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態の第1カバー13及び第2カバー19を取り外した状態の給電ユニット1の構成を示す斜視図である。
【0018】
給電ユニット1は、バッテリー式電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、及び燃料電池自動車(FCV)のような電動車に搭載される。なお、給電ユニット1は、他の車両に搭載されても良い。図1~3に示すように、給電ユニット1は、電池パック11と、ケース12と、第1カバー13と、サービスプラグ14と、吸気装置15と、フィルタ16と、フィルタケース17と、サービスプラグカバー18と、第2カバー19と、を備える。
【0019】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、給電ユニット1の奥行方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、給電ユニット1の幅方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、給電ユニット1の高さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。
【0020】
給電ユニット1は、例えば、車両の運転席又は助手席のシート下に搭載される。そのため、ケース12と、第1カバー13と、サービスプラグ14と、吸気装置15と、フィルタ16と、フィルタケース17と、サービスプラグカバー18と、第2カバー19と、は、左右方向(Y方向)において運転席又は助手席を移動可能に支持する二つのシートレールの間に位置する。
【0021】
図3に示すように、電池パック11は、例えば、リチウムイオン電池等の電池11aを収容する容器である。電池パック11の底面には、例えば、リブのような足が設けられている。電池パック11は、リブによって防水トレイに支持されるとともに、当該防水トレイを介して車体に搭載される。なお、電池パック11は、防水トレイを介さずに車体に搭載されても良いし、他の方法で車体に搭載されても良い。
【0022】
電池パック11には、サービスホール111が設けられる。サービスホール111は、電池パック11の外部へ開口するとともに、サービスプラグ14を収容可能な穴である。例えば、サービスホール111は、前方向(+X方向)に開口している。
【0023】
ケース12は、例えば、車両に搭載されるとともに、前後方向(X方向)及び上下方向(Z方向)のうち少なくとも一方から電池パック11と、サービスプラグ14と、吸気装置15と、覆っている板金である。言い換えると、ケース12は、電池パック11と、サービスプラグ14と、吸気装置15と、を収容している。
【0024】
第1カバー13は、例えば、合成樹脂等で形成されて、上下方向(Z方向)と略直交する方向(XY平面)に延びるケースである。図2に示すように、第1カバー13は、ケース12に取り付けられ、ケース12の少なくとも一部を上方から覆っている。また、第1カバー13は、ケース12に収容されたサービスプラグ14及び吸気装置15、を上方から覆っている。これにより、第1カバー13は、例えば、サービスプラグ14及び吸気装置15を液体から保護する。
【0025】
図4は、本実施形態に係る第1カバー13の構成を示す斜視図である。図4に示すように、第1カバー13は、凹面131と、傾斜面132と、を有する。凹面131及び傾斜面132は、第1カバー13の外面の一部である。凹面131と傾斜面132とは、左右方向(Y方向)において互いに隣接している。
【0026】
凹面131は、第1カバー13の外面の他の部分から、第1カバー13の内部に向かって凹む面である。例えば、凹面131は、第1カバー13の外面の他の部分から当該第1カバー13の内部に向かって凹むL字形状の面である。凹面131は、前面131aと、下面131bと、を有する。
【0027】
前面131aは、例えば、第1カバー13の外面の他の部分から略下方向(-Z方向)に延び、前方向(+X方向)に向く。下面131bは、例えば、第1カバー13の他の部分から後方向(-X方向)に延び、略上方向(+Z方向)に向く。下方向における前面131aの端と、後方向における下面131bの端とは、互いに接続される。下面131bは、前面131aから、斜め下方に延びている。
【0028】
傾斜面132は、鉛直方向に対して傾斜している面である。傾斜面132は、例えば、外面の上方向における端部と、外面の前方向における端部と、の間で斜めに延びている。
【0029】
さらに、第1カバー13には、保守点検口133と、吸気口134と、が設けられている。なお、保守点検口133は、第1開口部の一例であり、吸気口134は、第2開口部の一例である。
【0030】
保守点検口133は、凹面131に開口する孔である。保守点検口133は、凹面131の前面131a及び下面131bに開口している。保守点検口133の大きさは、サービスプラグ14が通過可能な大きさである。すなわち、保守点検口133は、第1カバー13の外部とサービスホール111とを連通させている。そのため、第1カバー13は、保守点検口133を通じてサービスプラグ14を第1カバー13の外部に露出させる。
【0031】
吸気口134は、傾斜面132に開口する孔である。これにより、吸気口134の断面積は大きくなる。例えば、吸気口134の断面積は、保守点検口133のうち凹面131の前面131aに設けられた部分の断面積よりも大きい。吸気装置15により取り込まれる空気は、吸気口134を通過する。
【0032】
図3に示すように、サービスプラグ14は、電池パック11のサービスホール111に収容されて装着されるとともに、車両の電源回路と電気的に接続されている。サービスプラグ14は、例えば、サービスホール111から取り外されることで、車両の電源回路を遮断する。また、サービスプラグ14は、左右方向(Y方向)において電池11aと隣接して配置されている。
【0033】
吸気装置15は、車両内部の空気を電池パック11へ供給する装置である。吸気装置15は、左右方向(Y方向)においてサービスプラグ14と隣接して配置されている。また、吸気装置15は、ブロア151と、ダクト152と、を有する。
【0034】
ブロア151は、例えば、車体内部の空気を取り込み、電池11aが収容された電池パック11へ空気を供給し、電池11aを冷却する。ダクト152は、吸気口134とブロア151とを接続して、吸気口134を通過した空気をブロア151に誘導する湾曲した管である。
【0035】
フィルタ16は、例えば、蛇腹状に形成された不織布、濾紙、又は他のフィルタである。図2に示すように、フィルタ16は、吸気口134に設けられるとともにフィルタケース17によって第1カバー13に取り付けられている。これにより、フィルタ16は、吸気口134を通過する空気に含まれる埃や塵等の異物を捕集することができる。
【0036】
フィルタケース17は、例えば、合成樹脂等で形成される。フィルタケース17は、フレーム171と、障壁172とを有する。フレーム171は、当該フレーム171と傾斜面132との間にフィルタ16を挟み込むとともに、ネジ等で第1カバー13に取り付けられている。すなわち、フィルタ16のサイズは、吸気口134のサイズよりも若干大きい。
【0037】
障壁172は、フレーム171から傾斜面132と交差する方向に突出している。言い換えると、障壁172は、フレーム171を介して傾斜面132に取り付けられている。障壁172は、略四角形の枠状に形成され、吸気口134と、当該吸気口134に設けられたフィルタ16と、を囲んでいる。すなわち、障壁172は、傾斜面132から第1カバー13の外部に向かって突出するとともに、吸気口134を囲んでいる。これにより、障壁172は、例えば、フィルタ16に対する車体側面や下方からの浸水を防ぐ。なお、障壁172は、第1カバー13と一体に形成されても良い。
【0038】
本実施形態では、吸気口134のまわりの各位置における障壁172の長さは、それぞれ異なる。障壁172のうち最も上方に位置する部分は、第1カバー13のうち最も上方に位置する部分と、同一の高さ、又はより低い位置にある。さらに、障壁172のうち最も前方に位置する部分は、第1カバー13のうち最も前方に位置する部分と、同一の位置、又はより後方にある。そのため、吸気口134の上方に位置する障壁172は短く、吸気口134の下方に位置する障壁172は長い。
【0039】
吸気口134の左右に位置する障壁172はそれぞれ、吸気口134の上方に位置する障壁172に接続される上部分と、吸気口134の下方に位置する障壁172に接続される下部分と、を有する。上部分のうち最も上方に位置する部分は、吸気口134の上方に位置する障壁172と同一の高さにある。このため、上部分の長さは、上方から下方に向かうにつれて短くなる。下部分の長さは、吸気口134の下方に位置する障壁172の長さと略同一である。このため、下部分の長さは、上部分の平均的な長さよりも長い。
【0040】
サービスプラグカバー18は、例えば、合成樹脂等で形成される。サービスプラグカバー18は、第1カバー13の凹面131に当接するとともに、ネジ等で当該凹面131に取り付けられて、保守点検口133を覆っている。
【0041】
サービスプラグカバー18は、例えば、第1カバー13の内部に向かって凹むL字形状に形成される。サービスプラグカバー18は、覆部181と、取付部182と、を有する。覆部181は、凹面131の前面131aに沿って延び、保守点検口133を覆う。
【0042】
図5は、本実施形態の給電ユニット1の構成を示す側面図である。図5に示すように、取付部182は、覆部181の下方の端から、凹面131の下面131bに沿って斜め下方に延びている。取付部182は、例えばネジによって、下面131bに取り付けられる。
【0043】
また、サービスプラグカバー18と第1カバー13の凹面131との間には、例えば、スポンジゴム等が設けられる。これにより、保守点検口133は、サービスプラグカバー18によって密閉される。
【0044】
図6は、本実施形態の第2カバー19の構成を示す斜視図である。第2カバー19は、例えば、合成樹脂等で形成される。図6に示すように、第2カバー19は、カバー本体190と、取付部191と、を有する。
【0045】
図1に示すように、カバー本体190は、略L字状に曲げられた板状に形成される。カバー本体190は、第1カバー13の保守点検口133と吸気口134とを、上方及び前方から覆っている。
【0046】
左右方向(Y方向)において、第1カバー13と第2カバー19との間には、隙間が形成される。これにより、吸気装置15は、第2カバー19により吸気口134が覆われた状態でも車体内部の空気を吸引可能である。
【0047】
図6に示すように、カバー本体190は、第1カバー13に向く内面190aを有する。取付部191は、当該内面190aにネジ等で取り付けられる。取付部191は、二つのクリップ191aを有する。
【0048】
二つのクリップ191aは、取付部191からケース12に向かって突出している。各クリップ191aは、ケース12に設けられた孔部121に挿入され、ケース12に取り付けられる。すなわち、第2カバー19は、二つのクリップ191aによってケース12に取り付けられる。なお、クリップ191aは、返し状になっている。そのため、一度ケース12の孔部121に挿入されたクリップ191aは、孔部121から外れ難くなっている。
【0049】
カバー本体190には、複数の開口部192が設けられている。複数の開口部192は、カバー本体190の側面に開口している。これにより、吸気装置15は、複数の開口部192を通じて第2カバー19の内部に空気を取り込むことができる。
【0050】
一般的に、給電ユニットを車両の後部座席のシート下に搭載する場合、給電ユニットは、トリムに覆われることで外部から遮断される。一方で、車両の運転席又は助手席の下方にはシートレールが設けられている。そのため、給電ユニットを運転席又は助手席のシート下に搭載する場合、トリムは設けられない。すなわち、給電ユニットを運転席又は助手席のシート下に搭載する場合、給電ユニットは、外部に露出される。
【0051】
従来の給電ユニットでは、運転席又は助手席のシート下に配置する場合、サービスプラグや吸気装置等の各部品は、それぞれ別々のカバーに覆われる。しかし、部品毎にカバーで覆われているため、給電ユニットのメンテナンスに時間を要することとなる。
【0052】
一方、本実施形態の給電ユニット1において、当該給電ユニット1をメンテンナンスする場合、作業者は、カバー本体190を取付部191に取り付けているネジを外し、カバー本体190をケース12から取り外す。この時、取付部191は、ケース12に取り付けられたまま残る。
【0053】
カバー本体190が外された給電ユニット1では、第1カバー13と、フィルタ16と、フィルタケース17と、サービスプラグカバー18と、が露出している。作業者は、フィルタケース17を第1カバー13から取り外すことで、吸気口134を通じてフィルタ16又は吸気装置15にアクセスしてメンテナンスを行うことができる。さらに、作業者は、サービスプラグカバー18を第1カバー13から取り外すことで、保守点検口133を通じてサービスプラグ14をサービスホール111から取り外すことができる。
【0054】
メンテンナンス終了後は、フィルタ16、フィルタケース17及びサービスプラグカバー18が第1カバー13に取り付けられ、カバー本体190が取付部191に取り付けられる。これにより、第2カバー19は、再びフィルタ16、フィルタケース17、サービスプラグカバー18、保守点検口133、及び吸気口134を覆う。
【0055】
以上のように、本実施形態の給電ユニット1は、電池11aを収容する電池パック11と、ケース12と、第1カバー13と、サービスプラグ14と、電池パック11へ空気を供給する吸気装置15と、第2カバー19と、を備える。ケース12は、電池パック11と、サービスプラグ14と、吸気装置15と、を収容し、車両に搭載される。第1カバー13は、ケース12を覆うとともに、保守点検口133と、吸気口134と、が設けられている。保守点検口133は、外部とサービスホール111とを連通させる。吸気口134は、吸気装置15により取り込まれる空気が通過可能である。サービスプラグ14は、サービスホール111に装着され、当該サービスホール111から取り外されることで電源回路を遮断可能である。第2カバー19は、保守点検口133と吸気口134とを覆う。
【0056】
本実施形態のサービスプラグ14が装着されたサービスホール111は、保守点検口133を通じて第1カバー13から外部に露出されることが可能である。また、本実施形態の吸気装置15は、吸気口134を通じて第1カバー13から外部に露出されることが可能である。そのため、作業者は、例えばメンテナンス時に、保守点検口133及び吸気口134を通じてサービスプラグ14及び吸気装置15にアクセスすることができる。すなわち、作業者は、保守点検口133及び吸気口134を覆っている第2カバー19を外すだけでサービスプラグ14や吸気装置15にアクセス可能である。
【0057】
これにより、作業者は、従来の給電ユニットと比べて、容易に給電ユニット1をメンテナンスすることができる。従って、本実施形態では、給電ユニット1のメンテナンス性を向上させることが可能である。
【0058】
また、本実施形態では、第2カバー19のみで保守点検口133及び吸気口134を覆うことが可能である。これにより、給電ユニット1の組付作業が簡素化可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、第1カバー13は、内部に向かって凹む凹面131と、鉛直方向に対して傾斜する傾斜面132と、を有している。さらに、保守点検口133は、凹面131に開口しており、吸気口134は、傾斜面132に開口している。
【0060】
例えば、給電ユニット1をメンテナンスする際、作業者は、保守点検口133を通じてサービスプラグ14の挿抜を行う。本実施形態において、サービスプラグ14は、凹面131に設けられた保守点検口133を通じて外部に露出している。そのため、端面の場合と比べて、作業者はサービスプラグ14まで手を挿入し易い。これにより、作業者はサービスプラグ14の挿抜を行い易くなる。
【0061】
また、本実施形態では、吸気口134は、鉛直方向に対して傾斜している。これにより、吸気口134の断面積は大きくなる。従って、本実施形態の給電ユニット1では、限られたスペースにおいて吸気口134を大きくすることができる。
【0062】
また、本実施形態の給電ユニット1は、フィルタ16と、障壁172と、をさらに備える。フィルタ16は、吸気口134に設けられる。障壁172は、第1カバー13から外部へ突出するとともに吸気口134を囲む。
【0063】
本実施形態では、フィルタ16が設けられた吸気口134は、障壁172に囲まれている。これにより、障壁172は、例えば、車体の下方から浸水してくる水がフィルタ16に侵入することを防ぐことができる。
【0064】
また、本実施形態の給電ユニット1は、サービスプラグカバー18をさらに備える。サービスプラグカバー18は、保守点検口133を覆う覆部181と、覆部181の下方の端から斜め下方に延びるとともに第1カバー13の凹面131に取り付けられる取付部182と、を有する。
【0065】
本実施形態では、サービスプラグカバー18の取付部182は、斜め下方に延びている。これにより、サービスプラグカバー18は、例えば、第2カバー19の内部の液体を下方に向かって排出し易くなり、液体が保守点検口133に侵入してしまうことを防ぐことができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 給電ユニット
11 電池パック
11a 電池
111 サービスホール
12 ケース
13 第1カバー
131 凹面
132 傾斜面
133 保守点検口(第1開口部)
134 吸気口(第2開口部)
14 サービスプラグ
15 吸気装置
16 フィルタ
172 障壁
18 サービスプラグカバー
181 覆部
182 取付部
19 第2カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6