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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125803
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】蓄電デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/536 20210101AFI20240911BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20240911BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20240911BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240911BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20240911BHJP
   H01M 6/02 20060101ALI20240911BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20240911BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20240911BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M50/566
H01M50/534
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M6/02 Z
H01G11/84
H01G11/74
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033879
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】山中 英明
【テーマコード(参考)】
5E078
5H024
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA14
5E078AB01
5E078AB12
5E078AB13
5E078FA21
5E078FA23
5E078LA08
5H024BB05
5H024BB18
5H024CC02
5H024CC03
5H024CC12
5H028AA05
5H028BB04
5H028CC08
5H028CC12
5H028HH05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL07
5H029AL08
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029BJ02
5H029BJ03
5H029BJ04
5H029BJ14
5H029CJ03
5H029CJ05
5H029HJ04
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA04
5H043CA12
5H043EA15
5H043EA16
5H043EA39
5H043HA17E
5H043HA18E
5H043KA08E
5H043KA09E
5H043LA02E
5H043LA23E
5H043LA34E
(57)【要約】      (修正有)
【課題】集電箔と集電体との溶接安定性が向上させる技術を提供する。
【解決手段】ここで開示される蓄電デバイスの製造方法は、第1電極の集電箔が複数積層された積層部52sを備える電極体と、第1導電性部材46と、第1導電性部材46よりも小サイズの第2導電性部材48とを準備すること、第1導電性部材46の第1面46a上に第2導電性部材48を配置し、さらに、積層部52sの一部を第2導電性部材48上に配置すること、積層部52sにおける第2導電性部材48上に配置された部分よりも外側の部分を、第1面46aに向かって押圧することにより、積層部52sにおける第2導電性部材48上に配置された部分を第2導電性部材48に押し当てること、および、積層部52sの第2導電性部材48に押し付けられた部分にレーザ照射し、積層部52sと第1導電性部材46とを第2導電性部材48が介在した状態でレーザ溶接することを含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電デバイスの製造方法であって、
第1電極の集電箔が複数積層された積層部を備える電極体と、第1導電性部材と、該第1導電性部材よりも小サイズの第2導電性部材とを準備すること;
前記第1導電性部材の第1面上に前記第2導電性部材を配置し、さらに、前記集電箔の積層部の一部を前記第2導電性部材上に配置すること;
前記積層部における前記第2導電性部材上に配置された部分よりも外側の部分を、前記第1面に向かって押圧することにより、前記積層部における前記第2導電性部材上に配置された部分を前記第2導電性部材に押し当てること;および
前記積層部の前記第2導電性部材に押し当てられた部分にレーザ照射し、前記積層部と前記第1導電性部材とを前記第2導電性部材が介在した状態でレーザ溶接すること;
を含む、蓄電デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記第2導電性部材の硬度が、前記第1導電性部材の硬度よりも低い、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1導電性部材と前記第2導電性部材とが重なる方向において、前記第1導電性部材の平均厚みよりも、前記第2導電性部材の平均厚みの方が薄い、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第2導電性部材の前記積層部と接する面が角部を有しており、該角部が面取り加工されている、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第2導電性部材の前記積層部と接する面がアーチ状である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第2導電性部材の融点が前記第1導電性部材の融点よりも低い、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第1導電性部材と、前記第2導電性部材とが、互いに異なる金属で構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
ケースと、
前記ケースに収容されており、第1電極板を含む電極体と、
前記第1電極板と溶接部を介して接続されている集電体と
を備えた蓄電デバイスであって、
前記電極体は、前記第1電極板の集電箔が複数積層された積層部を備え、
前記集電体は、
第1金属からなる本体部と、
前記本体部の表面から突出し、前記第1金属とは異なる金属種の第2金属からなる突出部と
を備えており、
ここで、前記溶接部において、前記積層部の一部と、前記突出部とが接合されている、
蓄電デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極体が備える各電極の複数の集電箔と集電体とを接合には、抵抗溶接若しくは超音波溶接が広く用いられている。一方でコスト削減の観点から、レーザ溶接による複数の集電箔と集電体との接合の技術開発が行われている。例えば、特許文献1~3には、レーザ光を通る貫通孔を有した溶接治具が開示されている。これらの溶接治具は、貫通孔の周囲を複数の積層された集電箔を積層方向に加圧できるように構成されている。例えば、特許文献1では、金属箔(例えば集電箔)のレーザ溶接を行う箇所の下側の金属板(例えば集電体)に突起部を設けており、その周囲を治具により押さえることで、金属箔と金属板とを密接させてレーザ溶接をすることができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-030280号公報
【特許文献2】特開2014-136242号公報
【特許文献3】特開2019-067570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の積層された集電箔と集電体とをレーザ溶接をする場合には、集電箔間および集電箔と集電体との間に隙間がないことが望ましい。隙間がある場合には、ブローホールの発生、スパッタの発生、集電箔の破断等の不具合が発生し得るため、溶接安定性が低下する。集電箔のレーザ溶接を行う箇所はレーザ光を照射するため、レーザ光を照射する部分に隙間が生じないように直接押さえることは困難である。
【0005】
そこで、本技術は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、集電箔と集電体との溶接安定性が向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示される蓄電デバイスの製造方法の一態様は、第1電極の集電箔が複数積層された積層部を備える電極体と、第1導電性部材と、該第1導電性部材よりも小サイズの第2導電性部材とを準備すること、上記第1導電性部材の第1面上に上記第2導電性部材を配置し、さらに、上記集電箔の積層部の一部を上記第2導電性部材上に配置すること、上記積層部における上記第2導電性部材上に配置された部分よりも外側の部分を、上記第1面に向かって押圧することにより、上記積層部における上記第2導電性部材上に配置された部分を上記第2導電性部材に押し当てること、および、上記積層部の上記第2導電性部材に押し当てられた部分にレーザ照射し、上記積層部と上記第1導電性部材とを上記第2導電性部材が介在した状態でレーザ溶接すること、を含む。
かかる製造方法によれば、集電箔が複数積層された積層部の第2導電性部材と重ねられた領域が第2導電性部材側に押し付けられ、当該領域における上記積層部の集電箔間の隙間が低減される。この状態で当該領域の上記積層部にレーザ照射することで、スパッタ、ブローホールの発生、箔破断等の発生が抑制され、溶接安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成を大まかに示す模式的な断面図である。
図2】一実施形態に係る非水電解質二次電池の電極体の構成を模式的に示す分解図である。
図3】ここで開示される製造方法の一例を大まかに示すフローチャートである。
図4】準備工程および配置工程を説明するための模式図である。
図5】押圧工程および溶接工程を説明するための模式図である。
図6】レーザ溶接部近傍の構成の模式図である。
図7】第1変形例における準備工程および配置工程を説明するための模式図である。
図8】第2変形例における準備工程および配置工程を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本技術について詳細に説明する。本明細書において特に言及している事項(例えば、電極体の集電箔と集電体とのレーザ溶接方法)以外の事柄であっても本技術の実施に必要な事柄(例えば、蓄電デバイスの組み立て方等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本技術の内容は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0009】
各図面は模式的に描かれており、寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を必ずしも反映するものではない。また、以下に説明する図面において、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
また、本明細書において、数値範囲を「A~B(ここでA、Bは任意の数値)」と記載している場合は、「A以上B以下」を意味すると共に、「Aを超えてB未満」、「Aを超えてB以下」、および「A以上B未満」の意味を包含する。
【0010】
本明細書において「蓄電デバイス」とは、充電と放電とを行うことができるデバイスをいう。蓄電デバイスには、一次電池、二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池)等の電池と、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)とが包含される。以下では、ここで開示される製造方法によって製造される蓄電デバイスの一実施形態である非水電解質二次電池について説明する。なお、本技術により製造される蓄電デバイスは非水電解質二次電池に限定されるものではない。
【0011】
図1は、一実施形態に係る非水電解質二次電池100の構成を大まかに示す模式的な断面図である。非水電解質二次電池100は、電極体20と、ケース30と、第1電極と、第2電極と、非水電解質(図示せず)とを備える。本実施形態では、第1電極は正極40であり、第2電極は負極60である。正極40は、正極端子42と、正極集電体44と、正極板50とを備える。負極60は、負極端子62と、負極集電体64と負極板70とを備える。なお、第1電極が負極、第2電極が正極であってもよい。特に限定されないが、本実施形態では、非水電解質二次電池100はリチウムイオン二次電池である。
【0012】
図1に示すように、非水電解質二次電池100は、ケース30の内部に、扁平形状の電極体(捲回電極体)20と、非水電解質(図示せず)とが収容されて構築される角形の密閉型電池である。ケース30は、開口を有するケース本体32と、該開口を封止する封口部材34とを備える。封口部材34は、ここでは板状である。封口部材34は、外部接続用の正極端子42および負極端子62を備えている。また、封口部材34には、ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。さらに、ケース30には、非水電解質を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。ケース30の材質は、高強度であり軽量で熱伝導性が良い金属材料であることが好ましい。このような金属材料として、例えば、アルミニウムやスチール等が挙げられる。
【0013】
図2は、一実施形態に係る非水電解質二次電池100の電極体20の構成を模式的に示す分解図である。図2においては、電極体20は、長尺シート状の正極板50と、長尺シート状の負極板70とが、2枚の長尺シート状のセパレータ80を介してそれぞれの長手方向が揃うようにして積層され、捲回軸WLを中心として捲回された捲回電極体である。正極板50は、正極集電箔52と、該正極集電箔52の片面または両面(ここでは両面)において長手方向に配置された正極活物質層54とを備えている。正極集電箔52の捲回軸WL方向(即ち、長手方向に直交するシート幅方向)の一方の縁部には、該縁部に沿って帯状に正極活物質層54が形成されずに正極集電箔52が露出した部分(即ち、正極集電箔露出部52a)が設けられている。負極板70は、負極集電箔72と、該負極集電箔72の片面または両面(ここでは両面)において長手方向に配置された負極活物質層74とを備えている。負極集電箔72の捲回軸WL方向の他方の縁部(即ち、正極集電箔露出部52aとは反対側の縁部)には、該縁部に沿って帯状に負極活物質層74が形成されずに負極集電箔72が露出した部分(即ち、負極集電箔露出部72a)が設けられている。
【0014】
正極集電箔52は、電極体20の厚み方向において、正極集電箔露出部52aが複数積層された積層部52sを有している。積層部52sの一部は、正極集電体44とレーザ溶接により接合されている。即ち、積層部52sと正極集電体44とは、レーザ溶接部を介して接続(接合)されている。該レーザ溶接部は、後述する溶接部300(図6参照)と対応しており、詳細はそこで述べる。積層部52sにおける正極集電箔52(正極集電箔露出部52a)の積層数は、例えば10~120、又は20~100程度であり得る。負極集電箔72は、電極体20の厚み方向において、負極集電箔露出部72aが複数積層された積層部72sを有している。積層部72sの一部は、例えば、負極集電体64とレーザ溶接により接合されている。即ち、積層部72sと負極集電体64とは、レーザ溶接部を介して接続(接合)されていてもよい。積層部72sにおける負極集電箔72(負極集電箔露出部72a)の積層数は、例えば10~120、又は20~100程度であり得る。負極60における集電箔と集電体との接合は、正極40と同様であってよく、異なっていてもよい。例えば、負極60における集電箔と集電体との接合部は、超音波接合部、抵抗溶接部等であってよい。
【0015】
正極集電体44は、外部接続用の正極端子42と電気的に接続されており、ケース30の内部と外部との導通を実現している(図1参照)。同様に、負極集電体64は、外部接続用の負極端子62と電気的に接続されており、ケース30の内部と外部との導通を実現している(図1参照)。詳細は後述するが、正極集電体44は、本体部46Aと、突出部48Aとを有する(図6参照)。負極集電体64は、正極集電体44と同様の構成であってもよく、異なっていてもよい。例えば、負極集電体64は板状であり得る。負極集電体64の積層部72sと接合される部分の厚みは、例えば0.5~3mmであり得る。負極集電体64は、金属製であることが好ましく、例えば、銅または銅合金で構成され得る。
【0016】
正極端子42の少なくとも一部は、封口部材34の外面側に露出している。かかる露出部分は、外部部材(例えばバスバ、外部導電性部材)と接続され得る部分である。正極端子42は、例えば、封口部材34に設けられた貫通孔に挿通され、その一部がケース30の内部に配置される。ケース30の内部において、正極端子42と正極集電体44とが電気的に接続され得る。正極端子42は、例えば金属製であり、好ましくはアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される。負極端子62の構成については、正極端子42と同様であってよい。負極端子62は、例えば金属製であり、好ましくは銅または銅合金で構成される。
【0017】
正極端子42と封口部材34との間には、正極端子42と封口部材34との絶縁をするための絶縁部材(図示せず)が配置され得る。絶縁部材は、例えば電気絶縁性を有する樹脂部材によって構成される。かかる樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素化樹脂や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。また、負極端子62と封口部材34との間、正極集電体44と封口部材34との間、負極集電体64と封口部材34との間にも上記絶縁部材が配置されてもよい。
【0018】
正極集電箔52としては、例えば、アルミニウム箔等が挙げられる。正極集電箔52の厚みは、例えば5~20μmであり得る。正極活物質層54は正極活物質を含む。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の正極活物質を用いてよく、例えば層状構造、スピネル構造、オリビン構造等を有するリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO、LiFePO等)が挙げられる。また、正極活物質層54は、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
正極活物質層54は、正極活物質と、必要に応じて用いられる材料(導電材、バインダ等)とを適当な溶媒(例えばN-メチル-2-ピロリドン:NMP)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物(正極合剤ペースト)を調製し、該組成物の適当量を正極集電箔52の表面に塗工し、乾燥することによって形成することができる。
【0019】
負極集電箔72としては、例えば、銅箔等が挙げられる。負極集電箔72の厚みは、例えば5~20μmであり得る。負極活物質層74は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。また、負極活物質層74は、バインダ、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
負極活物質層74は、例えば、負極活物質と必要に応じて用いられる材料(バインダ等)とを適当な溶媒(例えばイオン交換水)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物を調製し、該組成物の適当量を負極集電箔72の表面に塗工し、乾燥することによって形成することができる。
【0020】
セパレータ80としては、従来と同様の各種微多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また、セパレータ80は、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
【0021】
非水電解質は従来と同様のものを使用可能であり、例えば、有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させた非水電解液を用いることができる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。あるいは、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)のようなフッ素化カーボネート等のフッ素系溶媒を好ましく用いることができる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.7mol/L以上1.3mol/L以下程度が好ましい。
なお、上記非水電解質は、本技術の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒、支持塩以外の成分を含んでいてもよく、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
【0022】
非水電解質二次電池100等の蓄電デバイスは、各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle (PHEV))、ハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle (HEV))、電気自動車(Battery Electric Vehicle (BEV))等が挙げられる。
【0023】
また、ここに開示される蓄電デバイスの形状は角形に限定されず、コイン型、ボタン型、円筒型等であってよく、ラミネートケース型電池として構成することもできる。また、ここに開示される電池は、非水電解液の代わりにポリマー電解質を用いたポリマー電池や、固体電解質を用いた全固体電池等であり得る。
【0024】
以下、ここで開示される蓄電デバイスの製造方法について説明する。図3は、ここで開示される製造方法の一例を大まかに示すフローチャートである。図3に示すように、ここで開示される製造方法は、準備工程S10と、配置工程S20と、押圧工程S30と、溶接工程S40とを含み得る。また、ここで開示される製造方法は、これらの工程の他に、任意の段階で他の工程を含んでいてもよい。例えば、収容工程、封口工程、注液工程等が含まれ得る。
【0025】
図4は、準備工程S10および配置工程S20を説明するための模式図である。図5は、押圧工程S30および溶接工程S40を説明するための模式図である。図6は、レーザ溶接部近傍の構成の模式図である。図面において、符号Xは横方向を示し、符号Yは上下方向を示す。符号Yは、第1導電性部材46と第2導電性部材48とが重なる(積層される)方向であり得る。また、符号Yは鉛直方向であることが好ましい。
【0026】
ここで開示される製造方法では、まず、集電箔の積層部と、集電体としての第1導電性部材とをレーザ溶接する際に、当該積層部と当該第1導電性部材との間に当該第1導電性部材よりも小サイズの第2導電性部材を配置する。これにより、上記第1導電性部材の表面に、第2導電性部材により構成される突出部が形成される。次に、上記積層部の一部を当該第2導電性部材に重ねる。これにより、上記積層部の上記第2導電性部材と重ねられた領域よりも外側の領域では、上記積層部が浮いた状態(当該積層部と上記第1導電性部材との間に空間がある状態)になる。そこで、かかる浮いた状態の上記積層部を上記第1導電性部材側に向かって押圧する。これにより、上記積層部の第2導電性部材と重ねられた領域が第2導電性部材側に押し当てられ、当該領域における上記積層部の集電箔間の隙間が低減される。そして、この状態で当該領域の上記積層部にレーザ照射することで、当該積層部と、上記第2導電性部材と、上記第1導電性部材とが溶融し、これらがまとめて溶接される。このとき、上記積層部の集電箔間の隙間が低減されているので、スパッタ、ブローホール、箔破断等の発生が抑制され、溶接安定性が向上する。
なお、レーザ溶接後には、上記第1導電性部材と、上記第2導電性部材との境界の判別が困難になり得る。そのため、本明細書においては、上記レーザ溶接後においては、上記第1導電性部材由来の本体部と、上記第2導電性部材由来の突出部とを備える集電体が作製されたものとして説明している。
【0027】
準備工程S10では、図3に示すように、第1電極の集電箔が複数積層された積層部を備える電極体と、第1導電性部材46と、該第1導電性部材46よりも小サイズの第2導電性部材48とを準備する。例えば、上述した電極体20を準備する。第1電極は、例えば、上述した正極40であってよい。以下、第1電極として正極40を例に説明する。電極体20は、正極集電箔52(詳細に正極集電箔露出部52a)が複数積層された積層部52sを備える。電極体20は、公知方法に従って作製することができる。なお、電極体は、複数の正極板と、複数の負極板とがセパレータを介して交互に積層された電極体である積層電極体であってもよい。また、積層部は、集電箔の端部から突出したタブを複数積層して構成してもよい。
【0028】
第1導電性部材46は、後述する溶接工程S40の後に作製される正極集電体44の主要な本体部46Aに対応する部分である。第1導電性部材46は、正極40において、正極集電箔露出部52aが複数積層された積層部52sと正極端子42との電気的な接続を担う部材又はその一部である。第1導電性部材46の形状は特に限定されず、例えば板状であり得る。また、第1導電性部材46は、非水電解質二次電池100の内部における積層部52sと正極端子42との配置に合わせ、折れ曲がり部を1または2以上有していてもよい。第1導電性部材46は、正極集電箔52の積層部52sと対向する第1面46aを有する。第1導電性部材46が板状であるとき、その平均厚み(第1面46aに垂直な方向(方向Y)における平均厚み)は、例えば0.5mm~3mmであり得る。
【0029】
第1導電性部材46は、導電性を有する材料で構成され、例えば、金属製である。かかる金属としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等であり得る。
第1導電性部材46は、例えば、電気的に接続される集電箔と同じ金属であり得る。また、第1導電性部材46は、電気的に接続される電極端子と同じ金属であり得る。
【0030】
第2導電性部材48は、後述する溶接工程S40の後に作製される正極集電体44の突出部48Aに対応する部分である。第2導電性部材48は、上面48aと、下面48bとを備える。下面48bは、第1導電性部材46の第1面46aに接する面である。第2導電性部材48は、第1導電性部材46よりも小サイズである。具体的には、第2導電性部材48を第1導電性部材46の第1面46a上に配置したとき、平面視において、少なくとも一方向(例えば、図4の方向X)の第2導電性部材48の長さが第1導電性部材46の長さよりも短い。好ましくは、平面視において、第2導電性部材48全体は、第1導電性部材46の第1面46aの内側に収まっている。
【0031】
第2導電性部材48の形状は特に限定されない。例えば、ブロック状、棒状、板状等であってもよい。図3に示す例では、第2導電性部材48は板状である。第2導電性部材48の平均厚みは、第1導電性部材46の平均厚みよりも薄いことが好ましい。これにより、第2導電性部材48がレーザ照射時に溶融し易くなり、積層部52sと第1導電性部材46とがより強固に溶接され易くなる。第2導電性部材48の平均厚みは、例えば、2.5mm以下、2mm以下、1.5mm以下、または1.2mm以下であり得る。また、第2導電性部材48の平均厚みは、例えば、0.2mm以上、0.5mm以上、または1mm以上であり得る。第2導電性部材48の平均厚みが薄すぎる場合には、後述する押圧工程S30において、積層部52sを第2導電性部材48へ押し当てる力が不十分になり得る。
なお、第2導電性部材48の平均厚みは、第1導電性部材46と第2導電性部材48とが重なる方向(図中の方向Y)における平均厚みのことをいう。
【0032】
第2導電性部材48の融点は、第1導電性部材46の融点よりも低いことが好ましい。これにより、レーザ溶接時に第1導電性部材46よりも第2導電性部材48の方が先に溶融し、積層部52sと第1導電性部材46との隙間を低減させることができる。
【0033】
第2導電性部材48の硬度は、第1導電性部材46の硬度よりも低いことが好ましい。第2導電性部材48の硬度が低いことで、積層部52sが第2導電性部材48へ密着し易くなり、溶接性が向上する。なお、本明細書において、「硬度」は、JISZ2244:2009に準じて測定されるビッカース硬さのことをいう。
【0034】
第2導電性部材48は、導電性を有する材料で構成されていればよく、特に限定されない。第2導電性部材48は、例えば、金属、導電性樹脂等で構成され得るが、好ましくは金属で構成される。金属としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、半田等が挙げられる。
【0035】
第1導電性部材46と第2導電性部材48とが金属製である場合において、第1導電性部材46を構成する金属(「第1金属」ともいう)と、第2導電性部材48を構成する金属(「第2金属」ともいう)とは同じ金属であってもよく、互いに異なる金属であってもよい。なお、本明細書においては、合金と、その主成分からなる金属とは異なる金属とする。また、主成分が共通の合金同士の場合にも、副成分となる元素が異なれば異なる金属とする。
【0036】
第1導電性部材46を構成する金属と、第2導電性部材48を構成する金属とが同じ金属である場合は、さらに、積層部52sを構成する複数の正極集電箔52と同じ金属であるとよい。これにより、溶接安定性が向上する。例えば、第1導電性部材46と、第2導電性部材48と、正極集電箔52がアルミニウムで構成されることが好ましい。
【0037】
第1導電性部材46を構成する金属と、第2導電性部材48を構成する金属とが異なる場合には、例えば、一方が合金で構成され、他方をその合金の主成分となる金属で構成されていることが好ましい。例えば、第1導電性部材46がアルミニウムで構成され、第2導電性部材48がアルミニウム合金で構成され得る。
【0038】
配置工程S20では、図4に示すように、第1導電性部材46の第1面46a上に第2導電性部材48を配置する。第1導電性部材46の第1面46aと第2導電性部材48の下面48bは対向している。このとき、平面視において、少なくとも一方向(例えば、図4の方向X)で第2導電性部材48が第1導電性部材46の端部よりも内側になるように配置する。また、配置工程S20では、正極集電箔52(正極集電箔露出部52a)が複数積層された積層部52sの一部を第2導電性部材48の上面48a上に配置する。第2導電性部材48のこのとき、積層部52sと第2導電性部材48とが重ね合わされた部分よりも外側の部分において、積層部52sと第1導電性部材46の第1面46aとが対向する部分を所定の方向(図4の方向X)の両側に設ける。このような配置により、図4に示すように、第1導電性部材46と、第2導電性部材48と、積層部52sとが重ね合わされた第1領域210と、第2導電性部材48を介さず積層部52sと第1導電性部材46の第1面46aとが対向した第2領域220とに大別される。
【0039】
図4に示すように、第2領域220には、積層部52sと第2導電性部材48とが重ね合わされた部分よりも外側の部分が配置される。第2領域220では、第2導電性部材48が配置されていないため、第1導電性部材46と積層部52sとの間に隙間が生じる。
【0040】
押圧工程S30では、第2領域220において、積層部52sを第1導電性部材46の第1面46aに向かって押圧する。図4に示すように、ここでは、かかる押圧を行う治具として押さえ板110を用いている。押さえ板110は、第2領域220に配置されている。押さえ板110は、第2領域220において、積層部52sの表面(最上層)を第1導電性部材46の第1面46aに向かって押さえ、積層部52sを押さえ板110と第1導電性部材46とで挟み込む(図5参照)。これにより、第1領域210における積層部52sも第2導電性部材48へ押し当てられる。その結果、第1領域210における積層部52sの正極集電箔52間の隙間が低減される。押さえ板110は、複数枚で第2領域220における積層部52sを押さえてもよい。また、押さえ板110は貫通孔を有した1枚の板として準備し、当該貫通孔を第1領域210の位置に合わせることで、第2領域220における積層部52sを押さえてもよい。なお、第2領域220における積層部52sの押圧は、押さえ板110を用いなくてもよく、同様の効果が得られるものであれば、他の方法であってもよい。
【0041】
図では省略しているが、第2領域220では、第2導電性部材48から離れた位置の積層部52sは重力により第1導電性部材46側に垂れている。すなわち、積層部52sが第2導電性部材48から離れていくにつれ、積層部52sと第1導電性部材46との間の隙間は徐々に小さくなっていく。そのため、第2領域220において、積層部52sを第1導電性部材46に向かって押圧する部分は、積層部52sと第1導電性部材46との間の隙間が比較的大きい部分が好ましい。例えば、積層部52sと第1導電性部材46との間の隙間の最大距離を100%としたとき、当該隙間の距離が30%以上の部分を押さえるとよい。好ましくは、当該隙間の距離が50%以上の部分、より好ましくは当該隙間の距離が70%以上の部分を押さえる。これにより、第1領域210において、積層部52sが第2導電性部材48により密着させることができ、集電箔間の隙間をより低減することができる。
【0042】
溶接工程S40では、積層部52sの第2導電性部材48に押し付けられた部分(即ち、第1領域210の部分)にレーザLを照射する。これにより、積層部52sと、第1導電性部材46とが第2導電性部材48が介在した状態でレーザ溶接することができる。積層部52sを構成する複数の正極集電箔52は、このとき箔間の隙間が低減されているため、スパッタ、ブローホール、箔破断等の発生が抑制され、溶接安定性が向上する。
【0043】
レーザLは、第1領域210において、積層部52sの1か所に照射してもよく、2以上の複数箇所に照射してもよい。また、レーザLを走査し、線状にレーザLを照射してもよい。
【0044】
レーザLの種類は特に限定されず、例えば、YAGレーザ、COレーザ、半導体レーザ、ディスクレーザ、ファイバーレーザ等が挙げられる。レーザ出力、レーザ照射時間、レーザ投入熱量等は、集電箔、集電体等の材質によって適宜調整され、特に限定されない。
【0045】
上述した方法により、例えば図6に示すように、積層部52sと正極集電体44とが溶接部300によって接合される。溶接部300は、レーザ溶接部である。正極集電体44は、第1導電性部材46由来の本体部46Aと、第2導電性部材48由来の突出部48Aとを備えている。即ち、本体部46Aは上述した第1金属から構成されていてよく、突出部48Aは、上述した第2金属から構成されていてもよい。突出部48Aは、本体部46Aの表面から積層部52sに向かって突出している。溶接部300は、積層部52sと、突出部48Aと、本体部46Aとにわたって設けられており、これらを接合している。図6では、溶接部300は、第1領域210の一部に設けられているが、これに限られず、第1領域210全体に設けられてもよい。
【0046】
負極60において、負極集電箔72が複数積層された積層部72sと負極集電体64とを接合する方法は、上述したレーザ溶接の方法と同様であってもよく、他の方法でもよい。本実施形態では、負極集電箔72(詳細には複数の積層された負極集電箔露出部72a)と負極集電体64とが、正極40と同様の方法でレーザ溶接されている。このようにして、電極体20に正極集電体44と負極集電体64とを取り付ける。
【0047】
組立工程では、例えば、封口部材34に取り付けられた正極端子42に電極体20に取り付けられた正極集電体44を接合し、封口部材34に取り付けられた負極端子62に電極体20に取り付けられた負極集電体64を接合することで、封口部材34、電極体20、正極端子42、正極集電体44、負極端子62、および負極集電体64を備える組立体を構築する。各部材の取り付け方法は公知方法に従えばよく、例えば、カシメ加工、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接等で接合することができる。なお、各電極の集電体と端子とは、溶接工程S40後に接合しなくてもよく、溶接工程S40前に予め接合されていてもよい。
【0048】
収容工程では、例えば、電極体20をケース本体12の内部へ収容する。ここでは、上記構築した組立体の電極体20をケース本体12へと収容し、封口部材34をケース本体12の開口部と重ね合わせる。このとき、予め袋状または箱状に成形した絶縁フィルムを電極体20とケース本体12との間に配置してもよい。
【0049】
封口工程では、例えば、封口部材34とケース本体12とが重ね合わされた部分を溶接し、ケース本体12を封止する。溶接方法は従来公知の方法に従えばよく、例えばレーザ溶接により溶接される。
【0050】
注液工程では、ケース30に設けられた注入口から、従来公知の方法に従って非水電解質を注入する。なお、蓄電デバイスの種類によっては、注液工程は省略されてもよい。
【0051】
その後、例えば、所定の条件の下、初期充電、エージング処理等を行うことで、使用可能状態の非水電解質二次電池100(蓄電デバイス)が作製される。
【0052】
以下、上記溶接工程におけるレーザ溶接方法の他の実施形態について説明する。図7は、第1変形例における準備工程および配置工程を説明するための模式図である。上述した例では、第2導電性部材48が板状であり、図4に示すように略直角の角部が積層部52s側に配置されていた。第1変形例では、図7に示すように、第2導電性部材148の積層部52sと接する面において、面取り加工された角部148cを有している。これにより、押圧工程において第1領域210の積層部52sが第2導電性部材148に押し当てられたときも、積層部52sを構成する正極集電箔52の損傷を抑えることができる。角部148cの面取りの種類は特に限定されず、例えば、C面取り、R面取り、糸面取りであり得る。なお、第1変形例は、第2導電性部材の形状以外は上述した例と同様であってよい。
【0053】
図8は、第2変形例における準備工程および配置工程を説明するための模式図である。第2変形例では、第2導電性部材248が、第1導電性部材46と接する下面248bと、積層部52sと対向する上面248aとを有する。上面248aは、積層部52sと接する面である。上面248aはアーチ状である。これにより、押圧工程において第1領域210の積層部52sが第2導電性部材148に押し当てられたときも、積層部52sを構成する正極集電箔52の損傷を抑えることができる。第2変形例は、第2導電性部材の形状以外は上述した例と同様であってよい。
【0054】
以上、ここで開示される製造方法のいくつかの実施形態について説明した。上記実施形態は一例に過ぎない。本技術は、他にも種々の形態にて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0055】
以上のとおり、ここに開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:蓄電デバイスの製造方法であって、
第1電極の集電箔が複数積層された積層部を備える電極体と、第1導電性部材と、該第1導電性部材よりも小サイズの第2導電性部材とを準備すること;
上記第1導電性部材の第1面上に上記第2導電性部材を配置し、さらに、上記集電箔の積層部の一部を上記第2導電性部材上に配置すること;
上記積層部における上記第2導電性部材上に配置された部分よりも外側の部分を、上記第1面に向かって押圧することにより、上記積層部における上記第2導電性部材上に配置された部分を上記第2導電性部材に押し当てること;および
上記積層部の上記第2導電性部材に押し当てられた部分にレーザ照射し、上記積層部と上記第1導電性部材とを上記第2導電性部材が介在した状態でレーザ溶接すること;
を含む、蓄電デバイスの製造方法。
項2:上記第2導電性部材の硬度が、上記第1導電性部材の硬度よりも低い、項1に記載の製造方法。
項3:上記第1導電性部材と上記第2導電性部材とが重なる方向において、上記第1導電性部材の平均厚みよりも、上記第2導電性部材の平均厚みの方が薄い、項1または2に記載の製造方法。
項4:上記第2導電性部材の上記積層部と接する面が角部を有しており、該角部が面取り加工されている、項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
項5:上記第2導電性部材の上記積層部と接する面がアーチ状である、項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
項6:上記第2導電性部材の融点が上記第1導電性部材の融点よりも低い、項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
項7:上記第1導電性部材と、上記第2導電性部材とが、互いに異なる金属で構成されている、項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
項8:ケースと、上記ケースに収容されており、第1電極板を含む電極体と、上記第1電極板と溶接部を介して接続されている集電体とを備えた蓄電デバイスであって、上記電極体は、上記第1電極板の集電箔が複数積層された積層部を備え、上記集電体は、第1金属からなる本体部と、上記本体部の表面から突出し、上記第1金属とは異なる金属種の第2金属からなる突出部とを備えており、ここで、上記溶接部において、上記積層部の一部と、上記突出部とが接合されている、蓄電デバイス。
【符号の説明】
【0056】
20 電極体
30 ケース
40 正極
42 正極端子
44 正極集電体
46 第1導電性部材
46A 本体部
48、148、248 第2導電性部材
48A 突出部
50 正極板
52 正極集電箔
52a 正極集電箔露出部
52s 積層部
60 負極
62 負極端子
64 負極集電体
70 負極板
72 負極集電箔
72a 負極集電箔露出部
80 セパレータ
100 非水電解質二次電池
300 溶接部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8