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特開2024-125804作業車両及び作業車両の液体補給の検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125804
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】作業車両及び作業車両の液体補給の検出方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033881
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【弁理士】
【氏名又は名称】森 昌康
(74)【代理人】
【識別番号】100175628
【弁理士】
【氏名又は名称】仁野 裕一
(72)【発明者】
【氏名】野口 智行
(72)【発明者】
【氏名】小園 典也
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB00
(57)【要約】
【課題】燃料あるいは尿素水などの液体を補給中に液体の補給を報知する作業車両を提供する。
【解決手段】作業車両は、タンクと、液量検出センサと、スピーカと、電子回路とを備える。タンクは、液体を貯留するように構成される。液量検出センサは、タンク内に設けられ、タンク内の液体の量を計測するように構成される。スピーカは、報知音を出力するように構成される。電子回路は、液量検出センサによって検出される単位時間あたりの液体の量が増加しているとき、スピーカに報知音を出力させ、液量検出センサによって検出される単位時間あたりの液体の量が増加しないとき、報知音の出力を停止させるように構成される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留するためのタンクと、
前記タンク内に設けられ、前記タンク内の前記液体の量を計測するように構成される液量検出センサと、
報知音を出力するように構成されるスピーカと、
前記液量検出センサによって検出される単位時間あたりの前記液体の量が増加しているとき、前記スピーカに前記報知音を出力させ、前記液量検出センサによって検出される単位時間あたりの前記液体の量が増加しないとき、前記報知音の出力を停止させるように構成される電子回路と、
を備える作業車両。
【請求項2】
前記液体の量を表示する表示器を表示するように構成されるディスプレイをさらに備え、
前記電子回路は、前記単位時間あたりの前記液体の量が増加しているとき、前記ディスプレイに前記表示器を点滅させ、前記単位時間あたりの前記液体の量が増加しないとき、前記表示器の点滅を停止させるように構成される、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記作業車両の周囲を照らすように構成される作業灯をさらに備え、
前記電子回路は、前記単位時間あたりの前記液体の量が増加しているとき、前記作業灯を点滅させ、前記単位時間あたりの前記液体の量が増加しないとき、前記作業灯の点滅を停止させるように構成される、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項4】
前記液体の量に応じて、前記報知音の第1特性を変化させる、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項5】
前記液体の量が所定の閾値を超えると、前記第1特性または前記第1特性と異なる第2特性が前記報知音と異なる警告音が発せられる、
請求項4に記載の作業車両。
【請求項6】
前記第1特性は、可聴域の周波数スペクトルと間欠的に発せられる音の出力間隔のうちの一方であり、
前記第2特性は、前記可聴域の周波数スペクトルと前記出力間隔のうちの他方である、
請求項5に記載の作業車両。
【請求項7】
前記液体の量が多ければ多いほど、前記表示器が光る間隔は短くなる、
請求項2に記載の作業車両。
【請求項8】
前記液体の量が多ければ多いほど、前記作業灯が光る間隔は短くなる、
請求項3に記載の作業車両。
【請求項9】
前記液体とは異なる追加液体を貯留する追加タンクと、
前記追加タンク内に設けられ、前記追加タンク内の前記追加液体の量を計測するように設けられた追加液量検出センサと、
をさらに備え、
前記スピーカは、前記第2特性が前記報知音と異なる追加報知音を出力するように構成され、
前記電子回路は、前記追加液量検出センサによって検出される単位時間あたりの前記追加液体の量が増加しているとき、前記スピーカに前記追加報知音を出力させ、前記追加液量検出センサによって検出される単位時間あたりの前記液体の量が増加しないとき、前記追加報知音の出力を停止させるように構成される、請求項6に記載の作業車両。
【請求項10】
前記液体の量を表示する表示器と、前記追加液体の量を表示する追加表示器とを表示するディスプレイをさらに備え、
前記電子回路は、
前記単位時間あたりの前記液体の量が増加しているとき、前記ディスプレイに前記表示器を点滅させ、
前記単位時間あたりの前記液体の量が増加しないとき、前記表示器の点滅を停止させ、
前記単位時間あたりの前記追加液体の量が増加しているとき、前記ディスプレイに前記追加表示器を点滅させ、
前記単位時間あたりの前記追加液体の量が増加しないとき、前記追加表示器の点滅を停止させるように構成される、
請求項9に記載の作業車両。
【請求項11】
前記作業車両の周囲を照らすように構成される作業灯と、前記作業車両の周囲を照らすように構成される、前記作業灯と異なる追加作業灯とをさらに備え、
前記電子回路は、前記単位時間あたりの前記液体の量が増加しているとき、前記作業灯を点滅させ、前記単位時間あたりの前記液体の量が増加しないとき、前記作業灯の点滅を停止させ、
前記単位時間あたりの前記追加液体の量が増加しているとき、前記追加作業灯を点滅させ、
前記単位時間あたりの前記追加液体の量が増加しないとき、前記追加作業灯の点滅を停止させるように構成される、
請求項9に記載の作業車両。
【請求項12】
前記追加液体の量に応じて、前記追加報知音の前記第1特性を変化させる、
請求項9に記載の作業車両。
【請求項13】
前記追加液体の所定の追加閾値を超えると、前記第1特性または前記第2特性が前記追加報知音と異なる追加警告音が発せられる、
請求項12に記載の作業車両。
【請求項14】
前記液体の量が多ければ多いほど、前記表示器が光る間隔は短くなり、
前記追加液体の量が多ければ多いほど、前記追加表示器が光る間隔は短くなる、
請求項10に記載の作業車両。
【請求項15】
前記液体の量が多ければ多いほど、前記作業灯が光る間隔は短くなり、
前記追加液体の量が多ければ多いほど、前記追加作業灯が光る間隔は短くなる、
請求項11に記載の作業車両。
【請求項16】
前記液体は、燃料と尿素水とのうちの一方であって、
前記追加液体は、燃料と尿素水とのうちの他方である、
請求項9から15のいずれかに記載の作業車両。
【請求項17】
前記電子回路に電気を供給するように構成される電源と、
前記電子回路に前記電気を供給するか否かを切り替えるように構成されるスイッチ回路と、
をさらに備え、
前記電子回路は、前記液体の量が増加しなくなった状態から所定時間経過したときに、前記スイッチ回路に前記電気を供給しないように切り替える信号を送るように構成される、
請求項1から15のいずれかに記載の作業車両。
【請求項18】
前記液体量検出センサは、前記タンク内の前記液体の液位を計測する液位センサである、請求項1から15のいずれかに記載の作業車両。
【請求項19】
液体を貯留するためのタンクと、
前記液体とは異なる追加液体を貯留するための追加タンクと、
前記タンク内に設けられ、前記タンク内の前記液体の量を計測するように構成される液量検出センサと、
前記追加タンク内に設けられ、前記追加タンク内の前記追加液体の量を計測するように構成される追加液量検出センサと、
報知音、並びに、可聴域の周波数スペクトルと間欠的に発せられる音の出力間隔とのうちの一方の特性が前記報知音と異なる追加報知音を出力するように構成されるスピーカと、
前記液体の量に応じて前記スピーカに前記報知音を出力させ、前記追加液体の量に応じて前記スピーカに前記追加報知音を出力させるように構成される電子回路と、
を備える作業車両。
【請求項20】
タンク内の液体の量を計測し、
単位時間あたりの前記液体の量が増加しているとき、報知音を出力し、
単位時間あたりの前記液体の量が増加しないとき、前記報知音の出力を停止する、
ことを含む、作業車両の液体補給の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両及び作業車両の液体補給の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、燃料あるいは尿素水の残量を、ブザー音及び/または所定のボタンを点灯させることによってユーザに伝達する作業車両を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9815332号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ブザー音を鳴らすために燃料あるいは尿素水に対応したそれぞれのスイッチを押す必要があり、スイッチを押し間違えたりすると、燃料あるいは尿素水を補給中にブザー音やボタンの点滅が行われない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係る作業車両は、タンクと、液量検出センサと、スピーカと、電子回路とを備える。タンクは、液体を貯留するように構成される。液量検出センサは、タンク内に設けられ、タンク内の液体の量を計測するように構成される。スピーカは、報知音を出力するように構成される。電子回路は、液量検出センサによって検出される単位時間あたりの液体の量が増加しているとき、スピーカに報知音を出力させ、液量検出センサによって検出される単位時間あたりの液体の量が増加しないとき、報知音の出力を停止させるように構成される。
【0006】
本開示の第2態様に係る作業車両は、タンクと、追加タンクと、液量検出センサと、追加液量検出センサと、スピーカと、電子回路とを備える。タンクは、液体を貯留するように構成される。追加タンクは、液体とは異なる追加液体を貯留するように構成される。液量検出センサは、タンク内の液体の量を計測するように構成される。スピーカは、報知音、並びに、可聴域の周波数スペクトルと間欠的に発せられる音の出力間隔のうちの一方の特性が報知音と異なる追加報知音とを出力するように構成される。電子回路は、液体の量に応じてスピーカに報知音を出力させ、追加液体の量に応じてスピーカに追加報知音を出力させるように構成される。
【0007】
本開示の第3態様に係る作業車両の液体補給の検出方法は、タンク内の液体の量を計測し、単位時間あたりの液体の量が増加しているとき、報知音を出力し、単位時間あたりの液体の量が増加しないとき、報知音の出力を停止することを含む。
【発明の効果】
【0008】
本願に開示される技術によれば、燃料あるいは尿素水を補給中に液体の補給を報知する作業車両を提供することができる。また、燃料あるいは尿素水の補給をそれぞれ区別される態様で報知する作業車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、作業車両の側面図である。
図2図2は、作業車両の上面図である。
図3図3は、作業車両のブロック図である。
図4図4は、燃料の量と、尿素水の量を、燃料補給報知音の出力間隔と尿素水補給報知音の出力間隔のみで識別可能とした態様を示した例である。
図5図5は、燃料補給報知音と尿素水補給報知音との識別を音の出力間隔で行い、残量に応じて可聴域の周波数スペクトルを変える態様を示した例である。
図6図6は、燃料補給報知音の可聴域の周波数スペクトルと尿素水補給報知音の可聴域の周波数スペクトルとが互いに異ならせ、燃料補給報知音の周波数スペクトルと尿素水補給報知音、残量に応じて音の出力間隔を変える態様を示した例である。
図7図7は、ディスプレイによる表示画面を示した図である。
図8図8は、実施形態に係る作業車両のコントローラの動作を示すフローチャートである。
【0010】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、図中において同じ符号は、対応するまたは実質的に同一の構成を示している。
<第1実施形態>
<全体構成>
【0011】
図1及び図2を参照すると、作業車両1、例えばコンパクトトラックローダは、車両本体2と、一対の走行装置3と、作業装置4とを備えている。車両本体2は、走行装置3、及び、作業装置4を支持する。図示の実施形態では、走行装置3は、履帯式の走行装置である。このため、一対の走行装置3のそれぞれは、油圧モータ装置30によって駆動される駆動輪31、従動輪32、33、及び、転輪34を含む。ただし、一対の走行装置3のそれぞれは、履帯式走行装置に限定されない。一対の走行装置3のそれぞれは、例えば、前輪/後輪走行装置であってもよいし、前輪と後部クローラとを有する走行装置であってもよい。作業装置4は、作業装置4の末端(distal end)に器具(work equipment)(バケット)41を含む。作業装置4の基端(proximal end)は、車両本体2の後部に取り付けられている。作業装置4は、バケットピボット軸43を介してバケット41を回転可能に支持するための一対のアーム組立体(arm assembly)42を含む。一対のアーム組立体42のそれぞれは、リンク44とアーム45を含む。
【0012】
リンク44は、支点軸(fulcrum shaft)46の周りで車両本体2に対して回転可能である。アーム45は、ジョイント軸(joint shaft)47の周りでリンク44に対して回転可能である。作業装置4は、複数のアームシリンダ48と少なくとも1つの器具シリンダ(equipment cylinder)49とをさらに含む。複数のアームシリンダ48のそれぞれは、車両本体2およびアーム45に回転可能に接続され、リンク44およびアーム45等を移動させて、バケット41を昇降させる。少なくとも1つの器具シリンダ49は、バケット41を傾けるように構成される。車両本体2は、キャビン5を含む。キャビン5は、開閉自在な前窓51を備え、キャブフレーム53によってその外形が定義される。前窓51は、省略されてもよい。作業車両1は、キャビン5内に運転席54および操作レバー55を含む。キャブフレーム53は、図2に示されるように、車両本体2上の回動軸(rotational shaft)RSL及びRSR周りに回転可能である。図1及び図2では、回動軸RSL及びRSRによって規定される共通の旋回軸(pivot)AXCを図示している。つまり、キャブフレーム53は、車両本体2に対して旋回軸AXC周りに回動可能に取り付けられている。
【0013】
なお、本願に係る実施形態において、前後方向DFB(前方向D/後方向D)とは、キャビン5の運転席54に着座したオペレータから見て前後方向(前方向/後方向)を意味する。左方向D、右方向D、幅方向Dとは、当該オペレータから見てそれぞれ、左方向、右方向、左右方向を意味する。上方向D、下方向D、高さ方向Dとは、当該オペレータから見て上方向、下方向、高さ方向を意味する。作業車両1の前後/左右(幅)/上下(高さ)方向とは、それぞれ、当該オペレータから見た前後/左右(幅)/上下(高さ)方向と一致するものとする。
【0014】
図1は、作業車両1の左側を示している。図2に示すように、車両本体2は、車体中央面Mに対して概ね面対称であり、左側側面である第1側面2Lと、右側側面である第2側面2Rとを含む。一対の走行装置3のうち、第1側面2Lに設けられた走行装置3が第1走行装置3Lとして、第2側面2Rに設けられた走行装置3が第2走行装置3Rとして示されている。一対のアーム組立体42のうち、車体中央面Mに対して左側に設けられるアーム組立体42が第1アーム組立体42Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられるアーム組立体42が第2アーム組立体42Rとして示されている。車体中央面Mに対して左側に設けられるリンク44が第1リンク44Lとして示されている。車体中央面Mに対して左側に設けられるアーム45が第1アーム45Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられるアーム45が第2アーム45Rとして示されている。車体中央面Mに対して左側に設けられる支点軸46が第1支点軸46Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられる支点軸46が第2支点軸46Rとして示されている。車体中央面Mに対して左側に設けられるジョイント軸47が第1ジョイント軸47Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられるジョイント軸47が第2ジョイント軸47Rとして示されている。油圧モータ装置30のうち、車体中央面Mに対して左側に設けられる油圧モータ装置30が第1油圧モータ装置30Lとして、車体中央面Mに対して右側に設けられる油圧モータ装置30が第2油圧モータ装置30Rとして示されている。
【0015】
図1及び図2を参照すると、作業車両1は、車両本体2の後部に設けられたエンジン6、並びに、第1油圧ポンプ7L、及び、第2油圧ポンプ7Rを含む複数の油圧ポンプ7をさらに備える。エンジン6は、複数の油圧ポンプ7を駆動する。第1油圧ポンプ7L、及び、第2油圧ポンプ7Rは、駆動輪31を駆動する油圧モータ装置30等を駆動するために作動油を吐出するように構成されている。第1油圧ポンプ7L、及び、第2油圧ポンプ7R以外の複数の油圧ポンプ7は、作業装置4に接続された油圧アクチュエータ(複数のアームシリンダ48、少なくとも1つの器具シリンダ49等)を駆動するために作動油を吐出するように構成されている。エンジン6は、作業車両1の幅方向Dにおいて、一対のアーム組立体42の間に設けられている。作業車両1は、エンジン6を覆うためのカバー8をさらに備える。作業車両1は、車両本体2の後端に設けられているボンネットカバー9をさらに備える。ボンネットカバー9は、開閉可能であり、保守員がエンジン6などの保守作業を行うことができる。
【0016】
複数の油圧ポンプ7の左右には、作動油タンク20と燃料タンク25とが搭載されている。作動油タンク20は、上述する油圧アクチュエータを作動させる作動油を貯留するタンクであり、複数の油圧ポンプ7の右側に設けられている。作動油タンク20は、作動油タンク本体21と、補給管22と、キャップ23とを有する。燃料タンク25は、エンジン6の燃料を貯留するタンクであり、複数の油圧ポンプ7の左側に設けられている。燃料タンク25は、エンジン6の前部の左側方から前方に延びている。燃料タンク25は、燃料タンク本体26と、燃料補給管27と、キャップ28とを有する。燃料タンク本体26は、燃料を貯留するように構成される。燃料補給管27は、燃料タンク本体26の上面の前後中途部から上方且つ左方に延びる。図1に示すように、燃料補給管27の補給口27aは、車両本体2の第1側面2Lの上方に位置する。補給口27aから燃料が補給される。補給口27aはキャップ28によって開閉自在に閉栓される。
【0017】
作業車両1は、ディーゼル微粒子フィルタ(図示せず)と、選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction Catalyst)60と、尿素水タンク61とをさらに備える。ディーゼル微粒子フィルタは、エンジン6からの排気中の微粒子を除去する。選択還元触媒60は、ディーゼル微粒子フィルタを介してエンジン7の排気口に接続され、エンジン6からの排気中の窒素酸化物を還元する。この還元反応は、尿素水タンク61に貯留される尿素水がエンジン6の加熱された排気によって加水分解されたアンモニアガスと、排気中の窒素酸化物とが反応することによって行われる。尿素水タンク61は、車両本体2の後端部に位置し、エンジン6の後方且つ右方に位置する。また、図1に示されるように、尿素水タンク61は、第1アーム組立体42Lの下方に位置する。尿素水タンク61は、尿素水タンク本体62と、補給口63と、キャップ64とを有する。尿素水タンク本体62は、尿素水を貯留するように構成される。補給口63は、尿素水タンク本体62の上面に設けられる。補給口63から尿素水が補給される。補給口63はキャップ64によって開閉自在に閉栓される。車両本体2の第1側面2Lは、車両外部から補給口63やキャップ64にアクセスするための開口2Laが設けられている。
【0018】
図3は、作業車両1のブロック図である。図3を参照すると、作業車両1は、電源BTと、コントローラ10と、スピーカ11と、ディスプレイ12と、前照灯15と、後照灯16と、スイッチ17と、燃料量検出センサ18と、尿素水量検出センサ19とをさらに備える。燃料量検出センサ18は、燃料タンク25内に設けられ、燃料タンク25内の燃料の量を計測するように設けられた構成される。燃料量検出センサ18は、好適には、燃料タンク25内の液体の液位を計測する液位センサである。しかし、燃料量検出センサ18は、重量センサであってもよい。
【0019】
尿素水量検出センサ19は、尿素水タンク61内に設けられ、尿素水タンク61内の尿素水の量を計測するように構成される。尿素水量検出センサ19は、好適には、尿素水タンク61内の液体の液位を計測する液位センサである。しかし、尿素水量検出センサ19は、重量センサであってもよい。スピーカ11は、燃料補給報知音と燃料補給報知音と異なる尿素水補給報知音を出力するように構成される。ここで、音が異なるとは、可聴域の周波数スペクトルと間欠的に発せられる音の出力間隔とのうちのいずれかの音の特性が異なることを意味する。可聴域とは、例えば、20hz~20khzの周波数を指す。間欠的に音を発するとは、1秒間に20回以下の頻度で音の出力、非出力を切り替えるということを意味する。なお、以降の実施形態では、燃料補給報知音と尿素水補給報知音のうちの一方を単に報知音と呼称し、他方を追加報知音と呼称してもよい。また、単に報知音と示された。
【0020】
コントローラ10は、燃料量検出センサ18の出力を受けて、燃料量検出センサ18によって検出される単位時間あたりの燃料の量が増加しているとき、スピーカ11に燃料補給報知音を出力させ、燃料量検出センサ18によって検出される単位時間あたりの燃料の量が増加しないとき、燃料補給報知音の出力を停止させるように構成される。コントローラ10は、尿素水量検出センサ19の出力を受けて、尿素水量検出センサ19によって検出される単位時間あたりの尿素水の量が増加しているとき、スピーカ11に尿素水補給報知音を出力させ、尿素水量検出センサ19によって検出される単位時間あたりの尿素水の量が増加しないとき、尿素水補給報知音の出力を停止させるように構成される。
【0021】
コントローラ10は、燃料の量に応じて、燃料補給報知音の第1特性を変化させる。コントローラ10は、尿素水の量に応じて、尿素水補給報知音の第1特性を変化させる。この第1特性とは、可聴域の周波数スペクトルと間欠的に発せられる音の出力間隔とのうちのいずれかの音の特性である。燃料補給報知音と尿素水補給報知音とは、音の第2特性が異なる。この第2特性も、可聴域の周波数スペクトルと間欠的に発せられる音の出力間隔とのうちのいずれかの音の特性である。なお、第1特性と第2特性は、人が別の音と識別可能な程度に異なっている。図4は、第1特性と第2特性がともに音の出力間隔である場合における音の出力例を示す。
【0022】
図4は、燃料の量と、尿素水の量を、燃料補給報知音の出力間隔と尿素水補給報知音の出力間隔のみで識別可能とした態様を示した例である。図4の例では、可聴域では同じ周波数スペクトルの音を、燃料補給報知音では連続して出力するのに対し、尿素水補給報知音では、0.1秒間隔で出力・非出力・出力することによって、それぞれの音を識別可能としている。燃料補給報知音も尿素水補給報知音も、残量が少ない場合、2秒間隔で音が発生し、残量が中間の場合、1.33秒間隔で音が発生し、残量が多い場合、1秒間隔で音が発生する。なお、これらの時間間隔は、あくまでも一例であって他の時間間隔であってもよい。このように可聴域では同じ周波数スペクトルの音であっても違う時間間隔に出力することによって、燃料・尿素水の識別とともにそれぞれの量を識別可能とすることができる。
【0023】
別の実施形態としては、燃料補給報知音と尿素水補給報知音との識別を音の出力間隔で行い、残量に応じて音の可聴域の周波数スペクトルを変える態様もある。図5は、このような態様を示した例である。図5の例では、液体の量が増えるほど音程を上げる、すなわち、高い周波数のレベルを上げた音にする場合を示している。また、図5の例では、燃料補給報知音は1秒間隔で出力するのに対し、尿素水補給報知音では、0.1秒間隔で出力・非出力・出力することによってそれぞれの音を識別可能としている。なお、この時間間隔は、あくまでも一例であって他の時間間隔であってもよい。
【0024】
好ましい実施形態としては、燃料補給報知音の可聴域の周波数スペクトルと尿素水補給報知音の可聴域の周波数スペクトルとが互いに異ならせ、燃料補給報知音の周波数スペクトルと尿素水補給報知音、残量に応じて音の出力間隔を変えるとよい。図6は、このような態様を示した例である。図6の例では、燃料補給報知音も尿素水補給報知音も、残量が少ない場合、2秒間隔で音を1秒間連続して発生させ、残量が中間の場合、1.33秒間隔で音を0.67秒連続して発生させ、残量が多い場合、1秒間隔で音を0.5秒間発生させる。なお、この時間間隔は、あくまでも一例であって他の時間間隔であってもよい。また、燃料補給報知音と尿素水補給報知音のいずれも一般的にブザー音として使用されている音を利用することが望ましい。
【0025】
なお、燃料のレベルが所定の閾値(例えば、満タン近くの100%レベル)を超えると、上記第1特性または上記第2特性が燃料補給報知音と異なる燃料警告音が発せられる。尿素水のレベルが所定の閾値(例えば、満タン近くの100%レベル)を超えると、上記第1特性または上記第2特性が尿素水補給報知音と異なる尿素水警告音が発せられる。典型的な例としては、燃料警告音は、燃料補給報知音を一定時間(例えば、5秒間)連続的に出力されることによって発せられてもよい。あるいは、燃料警告音は、燃料補給報知音に比べて音の大きさのみを異ならせた(すなわち、各周波数のレベルの相対的な高低は変えずに、レベルの高さのみを変えた)音が連続的に出力されることによって発せられてもよい。尿素水警告音は、尿素水補給報知音を一定時間(例えば、5秒間)連続的に出力されることによって発せられてもよい。あるいは、尿素水警告音は、尿素水補給報知音に比べて音の大きさのみを異ならせた音が連続的に出力されることによって発せられてもよい。もしくは、燃料警告音、尿素水警告音は、燃料補給報知音と尿素水補給報知音とは別のブザー音であってもよい。
【0026】
図7は、ディスプレイ12による表示画面を示した図である。図7に示されるように、ディスプレイ12は、燃料の量を表示する燃料表示器(indicator)13と尿素水の量を表示する尿素水表示器14とを表示するように構成される。コントローラ10は、単位時間あたりの燃料の量が増加しているとき、ディスプレイ12に燃料表示器13を点滅させ、単位時間あたりの燃料の量が増加しないとき、燃料表示器13の点滅を停止させるように構成される。好ましくは、コントローラ10は、上述する燃料補給報知音と同様に、燃料の量が多ければ多いほど、燃料表示器13が光る間隔を短くする。コントローラ10は、単位時間あたりの尿素水の量が増加しているとき、ディスプレイ12に尿素水表示器14を点滅させ、単位時間あたりの尿素水の量が増加しないとき、尿素水表示器14の点滅を停止させるように構成される。好ましくは、コントローラ10は、上述する尿素水補給報知音と同様に、尿素水の量が多ければ多いほど、尿素水表示器14が光る間隔を短くする。
【0027】
前照灯15と、後照灯16とは、作業車両1の周囲を照らすように構成される。より具体的には、前照灯15は、作業車両1の前方を照らすように構成される。後照灯16は、作業車両1の後方を照らすように構成される。コントローラ10は、単位時間あたりの燃料の量が増加しているとき、前照灯15と後照灯16とのうちの一方を点滅させ、単位時間あたりの燃料の量が増加しないとき、前照灯15と後照灯16とのうちの一方の点滅を停止させるように構成される。好ましくは、コントローラ10は、上述する燃料補給報知音と同様に、燃料の量が多ければ多いほど、前照灯15と後照灯16とのうちの一方が光る間隔を短くする。コントローラ10は、単位時間あたりの尿素水の量が増加しているとき、前照灯15と後照灯16とのうちの他方を点滅させ、単位時間あたりの尿素水の量が増加しないとき、前照灯15と後照灯16とのうちの他方の点滅を停止させるように構成される。好ましくは、コントローラ10は、上述する尿素水補給報知音と同様に、尿素水の量が多ければ多いほど、前照灯15と後照灯16とのうちの他方が光る間隔を短くする。
【0028】
なお、以降の実施形態において、燃料タンク25と尿素水タンク61とのうちの一方をタンクと呼称して、他方を追加タンクと呼称してもよい。燃料と尿素水とのうち、タンクと呼称されるものに貯留される液体を単に液体と呼称し、追加タンクと呼称されるものに貯留される液体を追加液体と呼称してもよい。燃料量検出センサ18と尿素水量検出センサ19とのうち、タンクの液量を検出するセンサを液量検出センサと呼称して、追加タンクの液量を検出するセンサを追加液量検出センサと呼称してもよい。
【0029】
燃料補給報知音と尿素水補給報知音とのうち、液量検出センサから検出される液量に応じて出力を変える報知音を単に報知音と呼称し、追加液量検出センサから検出される液量に応じて出力を変える報知音を追加報知音と呼称してもよい。燃料警告音と尿素水警告音のうち、タンクが満タン近くになったことを示す警告音を単に警告音と呼称し、追加タンクが満タンになったことを示す警告音を追加警告音と呼称してもよい。
【0030】
さらに、燃料表示器13と尿素水表示器14とのうち、タンクの液量を表示する表示器を単に表示器と呼称し、追加タンクの液量を表示する表示器を追加表示器と呼称してもよい。前照灯15と後照灯16とのうちタンクの液量が増加しているときに点滅させる灯りを作業灯と呼称し、追加タンクの液量が増加しているときに点滅させる灯りを追加作業灯と呼称してもよい。
【0031】
コントローラ10は、ECU(Electric Control Unit)から成る。コントローラ10は、以上のような処理を実現するために、図3に示すようなプロセッサ10aとメモリ10mとバス10bとを有している。メモリ10mは揮発性メモリと不揮発性メモリを含む。メモリ10mは、上述する制御を実現するための図示しない報知プログラム10cを含んでいる。プロセッサ10aは、報知プログラム10cを実行しながら上述の制御を実行する。バス10bは、プロセッサ10aとメモリ10mとを接続する。プロセッサ10aとメモリ10mとバス10bとは、電子回路である。バス10bは、スピーカ11、前照灯15、後照灯16、スイッチ17、燃料量検出センサ18、尿素水量検出センサ19と、図示しない周知の外部インタフェース(USB,RS-232Cなど)を介して接続される。
【0032】
コントローラ10は、スイッチ回路10dをさらに含む。スイッチ回路10dは、電源BTに接続され、電源BTから上述する電子回路に電気を供給するか否かを切り替えるように構成される。すなわち、電源BTは、上述する電子回路に電気を供給するように構成される。以下、スイッチ回路10dが電源BTから上述する電子回路に電気を供給している状態を電源ON状態、電源BTから上述する電子回路に電気が供給されていない状態を電源OFF状態として以下に説明する。スイッチ回路10dは、バス10bを介してスイッチ17に接続される。電源OFF状態にあってスイッチ17が押下されると、スイッチ回路10dは、電源ON状態に切り替える。電源ON状態にあってスイッチ17が押下されると、コントローラ10は、ディスプレイ12に電源OFFの確認プロンプトを表示し、それでスイッチ17などの操作ボタン等が操作されると、スイッチ回路10dは、電源OFF状態に切り替える。なお、確認プロンプトは省略されて、電源ON状態にあってスイッチ17が押下されると、コントローラ10は、すぐに電源OFF状態に切り替えてもよい。さらに、プロセッサ10a(上述する電子回路の一部)は、上述する液体の量が増加しなくなった状態から所定時間経過したときに、スイッチ回路10dに電気を供給しないように切り替える信号を送るように構成される。この所定時間とは、例えば、10分である。
【0033】
図8は、作業車両1のコントローラ10の動作を示すフローチャートである。ステップS1において、コントローラ10のスイッチ回路10dは、スイッチ17が押下されたことを検出して、電源ON状態に切り替える。これによって、プロセッサ10a、メモリ10mに電気が供給され、報知プログラム10cが起動される。ステップS2では、補給口27a及び/またはキャップ28、補給口63及び/またはキャップ64につけられたセンサ(例えば、補給口とキャップとの電気的接触をもとに開栓、閉栓を検出するセンサ)からの信号をもとに、キャップ28とキャップ64とが双方開けられたか否かを、報知プログラム10cを実行するプロセッサ10aが判定する。キャップ28とキャップ64とが双方開けられた場合(ステップS2でYes)、ステップS3では、プロセッサ10aは、スピーカ11に開栓警告音を出力させる。開栓警告音は、燃料警告音、尿素水警告音とのうち一方と同じ音であってもよく、異なるブザー音であってもよい。なお、ステップS2、S3は省略されてもよい。
【0034】
つぎに、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、ステップS4Aにて、液量検出センサ(燃料量検出センサ18と尿素水量検出センサ19とのうちの一方)からの信号に基づいて、タンク(燃料タンク25と尿素水タンク61とのうちの一方)内の液体(燃料量と尿素水とのうちの一方)の量を計測する。コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、ステップS4Bにて、追加液量検出センサ(燃料量検出センサ18と尿素水量検出センサ19とのうちの他方)からの信号に基づいて、追加タンク(燃料タンク25と尿素水タンク61とのうちの他方)内の追加液体(燃料量と尿素水とのうちの他方)の量を計測する。
【0035】
ステップS5Aでは、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、単位時間あたりの液体の量が増加しているか否か判定する。単位時間あたりの液体の量が増加しているとき(ステップS5AでYes)、ステップS6Aにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、液体の量が所定の閾値を超えているか否か判定する。液体の量が所定の閾値を超えているとき(ステップS6AでYes)、ステップS7Aにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、スピーカ11に警告音を出力させる。ステップS7Aの終了後、ステップS2に戻る。液体の量が所定の閾値を超えていないとき(ステップS6AでNo)、ステップS8Aにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、スピーカ11に液体の量に応じた報知音を出力させる。ステップS9Aにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、液体の量に応じて表示器(燃料表示器13と尿素水表示器14とのうちの一方)を点滅させる。ステップS10Aにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、液体の量に応じて作業灯(前照灯15と後照灯16とのうちの一方)を点滅させる。ステップS10Aの終了後、ステップS2に戻る。
【0036】
単位時間あたりの液体の量が増加していないとき(ステップS5AでNo)、ステップS5Bにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、単位時間あたりの追加液体の量が増加しているか否か判定する。単位時間あたりの追加液体の量が増加していないとき(ステップS5BでNo)、ステップS11に進む。単位時間あたりの追加液体の量が増加しているとき(ステップS5BでYes)、ステップS6Bにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、追加液体の量が所定の閾値を超えているか否か判定する。追加液体の量が所定の閾値を超えているとき(ステップS6BでYes)、ステップS7Bにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、スピーカ11に追加警告音を出力させる。ステップS7Bの終了後、ステップS2に戻る。追加液体の量が所定の閾値を超えていないとき(ステップS6BでNo)、ステップS8Bにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、スピーカ11に追加液体の量に応じた追加報知音を出力させる。ステップS9Bにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、追加液体の量に応じて追加表示器(燃料表示器13と尿素水表示器14とのうちの他方)を点滅させる。ステップS10Bにおいて、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、追加液体の量に応じて作業灯(前照灯15と後照灯16とのうちの他方)を点滅させる。ステップS10Bの終了後、ステップS2に戻る。
【0037】
ステップS11では、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、液体の量、追加液体の量が増加しない状態が所定時間以上継続しているか否か、またはスイッチ17が再び押下されていないか判定する。液体の量、追加液体の量が増加しない状態が所定時間以上継続している、または、スイッチ17が再び押下されている場合(ステップS11でYes)、コントローラ10(報知プログラム10cを実行するプロセッサ10a)は、ステップS12において、報知プログラム10cを終了させて、スイッチ回路10dに電気を供給しないように切り替える信号(電源OFF信号)を送り、終了する。液体の量、追加液体の量が増加しない状態が所定時間以上継続していない、または、スイッチ17が再び押下されていない場合(ステップS11でNo)、ステップS2に戻る。
<実施形態の作用及び効果>
【0038】
実施形態に係る作業車両1の制御方法もしくは作業車両1のコントローラ10による処理は、タンク(燃料タンク25と尿素水タンク61とのうちの一方)内の液体(燃料と尿素水とのうちの一方)の量を計測し、単位時間あたりの液体の量が増加しているとき、報知音を出力し、単位時間あたりの液体の量が増加しないとき、報知音の出力を停止することを含む。これによれば、燃料あるいは尿素水を補給中に液体の補給を報知する作業車両1を提供することができる。
<変形例>
【0039】
上述の実施形態では、作業車両1は、燃料タンク25の液量と尿素水タンク61の液量とを報知する場合を示しているが、作動油タンク20の作動油の液量をさらに報知してもよい。この場合、作動油の液量については、作業車両1は、作動油補給報知音を、燃料補給報知音と尿素水補給報知音と識別可能な態様で出力することが望ましい。あるいは、作業車両1は、燃料タンク25の液量と尿素水タンク61の液量とのいずれかに代えて、作動油タンク20の作動油の液量を報知してもよい。もしくは、作業車両1は、燃料タンク25の液量と尿素水タンク61の液量とのうちのいずれか1つを報知してもよい。その場合、図8のステップS2、S3、S4B、S5B、S6B、S7B、S8B、S9B、S10Bが省略されてもよい。このとき、上述するフローチャートの説明において、「ステップS2に戻る」を「ステップS4Aに戻る」と読み替え、ステップS5AでYesのとき、ステップS11に進むとよい。
【0040】
本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0041】
「~部材」、「~部」、「~要素」、「~体」、および「~構造」という文言は、単一の部分や複数の部分といった複数の意味を有し得る。
【0042】
「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在することを暗に意味するわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在することを暗に意味するわけではない。
【0043】
程度を表す「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言は、実施形態に特段の説明がない限りにおいて、最終結果が大きく変わらないような合理的なずれ量を意味し得る。本願に記載される全ての数値は、「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言を含むように解釈され得る。
【0044】
本願において「A及びBの少なくとも一方」という文言は、Aだけ、Bだけ、及びAとBの両方を含むように解釈されるべきである。
【0045】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8