(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125807
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】データ生成装置、データ生成方法、データ生成プログラムおよび磁気共鳴イメージング装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
A61B5/055 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033886
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹島 秀則
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AA20
4C096AB44
4C096AB50
4C096AC04
4C096AD30
(57)【要約】
【課題】実測データに即したシミュレーションデータを生成できること。
【解決手段】本実施形態に係るデータ生成装置は、取得部と、変換部と、実行部とを含む。取得部は、画像診断装置または画像診断装置シミュレータ上でのユーザ操作に基づく操作命令を取得する。変換部は、前記操作命令を、当該操作命令の取得先である前記画像診断装置または前記画像診断装置シミュレータのハードウェア制御に関する内部命令に変換する。実行部は、前記内部命令を用いてデータ収集に関するシミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像診断装置または画像診断装置シミュレータ上でのユーザ操作に基づく操作命令を取得する取得部と、
前記操作命令を、当該操作命令の取得先である前記画像診断装置または前記画像診断装置シミュレータのハードウェア制御に関する内部命令に変換する変換部と、
前記内部命令を用いて物理シミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する実行部と、
を具備するデータ生成装置。
【請求項2】
前記内部命令は、前記操作命令を実現するために駆動するハードウェアに対して供給される電圧と電流もしくはそれらに対応付けられた論理値との大きさおよび印加時間に関する情報を含む、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項3】
前記内部命令を記録する記録部をさらに具備する、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項4】
前記実行部は、前記内部命令の一部を実行する、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項5】
前記実行部は、ファントムデータを設定したシミュレータを用いて、前記内部命令について前記物理シミュレーションを実行する、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項6】
前記変換部は、前記画像診断装置の検査情報に関するログファイルから前記内部命令に変換する、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項7】
前記変換部は、前記画像診断装置におけるハードウェアを動作させるためのハードウェア命令に関するログファイルから、前記ハードウェア命令を前記内部命令として取得する、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項8】
前記実行部は、前記画像診断装置におけるハードウェアを動作させるためのハードウェア命令を前記内部命令として前記画像診断装置から直接取得し、前記物理シミュレーションを実行する、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項9】
前記シミュレーションデータを学習データとしてモデルを訓練することにより、学習済みモデルを生成する訓練部をさらに具備する、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項10】
画像診断装置または画像診断装置シミュレータ上でのユーザ操作に基づく操作命令を取得し、
前記操作命令を、当該操作命令の取得先である前記画像診断装置または前記画像診断装置シミュレータのハードウェア制御に関する内部命令に変換し、
前記内部命令を用いてデータ収集に関するシミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する、データ生成方法。
【請求項11】
コンピュータに、
画像診断装置または画像診断装置シミュレータ上でのユーザ操作に基づく操作命令を取得する取得機能と、
前記操作命令を、当該操作命令の取得先である前記画像診断装置または前記画像診断装置シミュレータのハードウェア制御に関する内部命令に変換する変換機能と、
前記内部命令を用いてデータ収集に関するシミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する実行機能と、
を実現させるデータ生成プログラム。
【請求項12】
シミュレータを搭載する磁気共鳴イメージング装置であって、
ユーザから撮像シーケンスを含む磁気共鳴信号の収集に関する操作を受け付けるコンソールと、
前記操作に基づき前記磁気共鳴信号を収集する収集部と、
前記操作を、自装置のハードウェア制御に関する内部命令に変換する変換部と、
前記内部命令を前記シミュレータに入力することで前記磁気共鳴信号の収集に関するシミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する実行部と、
を具備する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項13】
前記操作は、パルスシーケンスの設定に関する操作を含み、
前記内部命令は、傾斜磁場、送信コイルおよび受信コイルに対する電圧、電流および印加時間に関する命令を含む、請求項12に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、データ生成装置、データ生成方法、データ生成プログラムおよび磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像診断装置で収集されるデータを模擬するシミュレータがある。例えば、磁気共鳴現象をブロッホ(Bloch)方程式を用いて数値的に解析することで、磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)の動作をシミュレーションするMRIシミュレータがある。または、X線を被検体に照射した際の線減弱係数を数値シミュレーションすることでX線CT(Computed Tomography)装置で収集される投影データを生成するCTシミュレータがある。
【0003】
しかし、例えばMRIシミュレータに設定される磁気共鳴信号(MR信号)を収集するためのパルスシーケンスは、MRIシミュレータ用に設計されるため、MRI装置実機の挙動を精度よく再現できず、MRI装置実機で得られるデータとは一致しないことが多い。そのため、例えば機械学習における学習データとしてシミュレーションデータを利用する場合に、実際のMRI装置で得られるデータに対するシミュレーションデータの再現性が問題となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Soraya Gavazzi, et al., ”Deep learning‐based reconstruction of in vivo pelvis conductivity with a 3D patch-based convolutional neural network trained on simulated MR data”, Magnetic Resonance in Medicine, 2020;84:2772-2787.
【非特許文献2】Hidenori Takeshima, ”Deep Learning and Its Application to Function Approximation for MR in Medicine: An Overview”、[Online]、2021年9月17日、Magnetic Resonance in Medical Sciences、[2022年10月3日検索]、インターネット<URL:https://doi.org/10.2463/mrms.rev.2021-0040>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、実測データに即したシミュレーションデータを生成できることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係るデータ生成装置は、取得部と、変換部と、実行部とを含む。取得部は、画像診断装置または画像診断装置シミュレータ上でのユーザ操作に基づく操作命令を取得する。変換部は、前記操作命令を、当該操作命令の取得先である前記画像診断装置または前記画像診断装置シミュレータのハードウェア制御に関する内部命令に変換する。実行部は、前記内部命令を用いてデータ収集に関するシミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るデータ生成装置を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るデータ生成装置の動作を示すフローチャート。
【
図3】
図3は、操作命令から内部命令への変換処理の第1例を示す図である。
【
図4】
図4は、操作命令から内部命令への変換処理の第2例を示す図である。
【
図5】
図5は、操作命令から内部命令への変換処理の第3例を示す図である。
【
図6】
図6は、データ生成装置およびシミュレータを搭載したMRI装置の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るデータ生成装置、データ生成方法、データ生成プログラムおよび磁気共鳴イメージング装置について説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。以下、一実施形態について図面を用いて説明する。
【0009】
本実施形態に係るデータ生成装置について
図1のブロック図を参照して説明する。
データ生成装置1は、処理回路10、メモリ11、入力インタフェース12、通信インタフェース13およびディスプレイ14を有するコンピュータである。
【0010】
処理回路10は、ハードウェア資源としてCPU等のプロセッサを有する。例えば、処理回路10は、各種プログラムの実行により取得機能101と、変換機能102と、実行機能103と、訓練機能104と、表示制御機能105とを実現する。
【0011】
取得機能101は、画像診断装置または画像診断装置シミュレータ上でのユーザ操作に基づく操作命令を取得する。画像診断装置シミュレータは、物理現象を数値シミュレーションによって模擬するシミュレータである。以下では、特に断らない限り、画像診断装置は磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)である場合を想定し、画像診断装置シミュレータは、ブロッホ(Bloch)方程式に基づくMRシミュレータである場合を想定する。
なお、画像診断装置は、MRI装置に限らず、他の医用画像診断装置、例えばX線CT(Computed Tomography)装置、超音波診断装置、PET(Positron Emission Tomography)装置など、どのような画像診断装置でもよい。画像診断装置シミュレータは、画像診断装置に対応する物理シミュレータ(数値シミュレータ)であればよい。
【0012】
変換機能102は、操作命令を、操作命令の取得先である画像診断装置または画像診断装置シミュレータに搭載されるハードウェアの制御に関する内部命令に変換する。
【0013】
実行機能103は、内部命令を用いて物理シミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する。
【0014】
訓練機能104は、生成されたシミュレーションデータを学習データとして機械学習モデルを訓練することで、学習済みモデルを生成する。
【0015】
表示制御機能105は、シミュレーションデータ、取得機能101により取得した操作命令に関するデータなど、各種データおよびGUI(Graphical User Interface)をディスプレイ14に表示するように制御する。
【0016】
メモリ11は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、メモリ11は、CD-ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬型記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。例えば、メモリ11は、過去に収集された医用データ、制御プログラム等を記憶する。
【0017】
入力インタフェース12は、ユーザからの各種指令を受け付ける入力機器を含む。入力機器としては、キーボードやマウス、各種スイッチ、タッチスクリーン、タッチパッド等が利用可能である。なお、入力機器は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限らない。例えば、磁気共鳴イメージング装置20とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を種々の回路へ出力するような電気信号の処理回路も入力インタフェース12の例に含まれる。また、入力インタフェース12は、マイクロフォンにより収集された音声信号を指示信号に変換する音声認識装置でもよい。
【0018】
通信インタフェース13は、LAN(Local Area Network)等を介して磁気共鳴イメージング装置20と、ワークステーションやPACS(Picture Archiving and Communication System)、HIS(Hospital Information System)、RIS(Radiology Information System)などとを接続するインタフェースである。通信インタフェース13は、各種情報を接続先のワークステーション、PACS、HISおよびRISとの間で送受信する。
【0019】
ディスプレイ14は、種々の情報を表示する。ディスプレイ14としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、または当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
【0020】
次に、本実施形態に係るデータ生成装置1の動作例について
図2のフローチャートを参照して説明する。
ステップSA1では、取得機能101により処理回路10が、ユーザ操作に基づく操作命令を取得する。ユーザ操作は、例えば、MRI装置のコンソールに対するキーボード入力により、技師がパラメータなどの撮像条件などを設定および入力する場合を想定する。具体的には、撮像条件として、撮像シーケンスの種別がスピンエコー法であり、磁気共鳴信号(以下、MR信号)収集に係るパラメータとして、TE=10[msec]、TR=500[msec]などが設定されうる。このように設定された撮像条件を操作命令として取得する。
【0021】
ステップSA2では、変換機能102により処理回路10が、操作命令からハードウェア制御に関する内部命令に変換する。例えば、ユーザが撮像シーケンスとしてスピンエコー法を選択し、TE=20[msec]に設定したとする。スピンエコー法においてフリップ角(FA)が90度の励起パルスが被検体に照射される場合、ユーザ(技師など)は、送信コイルなどのハードウェア自体の制御は意識せずに、所望の撮像条件を設定する。つまり、送信コイルに印加する電圧および電流の大きさ(またはそれらの物理量に対応した論理値)、印加時間などをどのように変化させてフリップ角が90度の励起パルスを実現しているか、どの位置からどの位置までをTEとみなしてTE=20[msec]を実現しているかは、ベンダー依存、装置依存で決定される。一方、ハードウェアにとっては、フリップ角が90度の励起パルス、TE=20[msec]という撮像条件で指定されるようなパラメータの設定ではなく、どのタイミングでどのような電圧および電流が印加される、という制御で動作しているだけである。
また、別の例では、例えば心電同期撮像におけるゲート制御において、操作命令としては、所定のTRを与えたとしても、被検体の心拍に揺らぎがあるため、ハードウェア制御においては、必ずしも一定のTRで撮像しているわけではない。
【0022】
よって、ここでは、フリップ角が90度の励起パルス、TE=20[msec]といったような、撮像条件の設定に関する操作命令を実現するための、高電圧発生装置で発生させる電圧の大きさおよび送信コイルに印加される電流もしくはそれらに対応付けられた論理値との大きさおよび印加時間など、MRI装置におけるハードウェア自体に対する命令(低レベル命令ともいう)を、内部命令として取得する。内部命令としては、操作命令を実現するために駆動するハードウェアに対して供給される特定区間の命令「timestamp=10000us,duration=3000us,RFdata=(float array)Hz,Gzdata=(float array)Hz」のような、電圧と電流との大きさおよび印加時間、RF信号の周波数、傾斜磁場の磁場強度など、特定区間の命令を含む。なお、「float array」は、波形を再現するデータであることを意味する。
また、内部命令として「timestamp=10000us,duration=3000us,RFdata=(float array)Hz」といった、上述の特定区間の命令の中から、RF信号の送信コイルの命令を抽出した、画像診断装置の特定のハードウェア向けの命令でもよい。さらには、アセンブリ言語などの低水準言語によるコードを内部命令として取得してもよいし、「FE2D_seq.exe」といった実行ファイル名を内部命令として取得してもよい。さらには、「FE2D.py,FA=90,TE=10,TR=500,・・・」といった生成モジュールのスクリプト名とパラメータの値との組み合わせを内部命令として取得してもよい。
すなわち、ハードウェアを実行させるための命令であれば、内部命令はどのような表現形式の命令であってもよい。変換機能102により処理回路10は、操作命令に基づいて、上述した内部命令の少なくともいずれかの形式の命令を内部命令として取得することで、操作命令を内部命令に変換する。なお、変換機能102により処理回路10は、内部命令をメモリ11に記録してもよい。
【0023】
ステップSA3では、実行機能103により処理回路10が、内部命令に基づいてシミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する。ここでは、いわゆる数値ファントムやボクセルファントムなどのファントムデータを設定し、複数の水素原子をまとめた仮想的な仮想水素原子の磁化に対して、磁気共鳴を現象論的に記述したブロッホ方程式を数値的に解くことにより、MRデータのシミュレーションデータを得ることができる。ファントムデータの一例としては、例えば、プロトン数に比例する値M0、縦緩和時間T1、横緩和時間T2、共鳴周波数F0、拡散係数Dといった種別の物理量が挙げられる。なお、操作命令と対応する内部命令との双方を用いてシミュレーションを実行してもよい。また、実行機能103により処理回路10が、内部命令の一部を実行してもよい。
【0024】
ステップSA4では、実行機能103により処理回路10が、終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件を満たす場合の一例としては、複数種類のファントムデータに対して所定回数の物理シミュレーションを実行した場合、終了条件を満たすと判定すればよい。終了条件を満たす場合は、処理を終了し、終了条件を満たさない場合は、ステップSA5に進む。
【0025】
ステップSA5では、実行機能103により処理回路10が、前回のシミュレーション実行時のファントムデータとは少なくとも一部の値が異なる、別のファントムデータを設定する。その後ステップSA3に戻り、別のファントムデータに対して同様の処理を繰り返す。
【0026】
なお、ステップSA3からステップSA5に係る処理では、複数の異なるファントムデータを用いて、1つの内部命令に対して複数回処理を実行し、複数の異なるシミュレーションデータを生成することを想定したが、1つのファントムデータに対して上述の
図2に示すデータ生成処理を実行し、1つのシミュレーションデータを生成してもよい。
【0027】
次に、操作命令から内部命令への変換処理の第1例について
図3の概念図を参照して説明する。
第1例では、画像診断装置(ここではMRI装置)に搭載される装置ソフトウェア31は、ユーザによる操作命令を、ログファイルである検査情報記録ファイル35として出力する。例えば、装置ソフトウェア31が、ユーザ入力により撮像条件を設定した場合を想定する。この場合、設定された撮像条件に基づく、シーケンスの種類、パラメータ値などを含む操作命令を検査情報記録ファイル35として出力する。
【0028】
データ生成装置1では、検査情報記録ファイル35を取得し、変換機能102により処理回路10が、検査情報記録ファイル35に含まれる操作命令から内部命令に変換する。例えば、スピンエコー法による撮像に関する操作命令であれば、装置ソフトウェア31が搭載されるMRI装置において、励起パルス、反転パルスおよび各軸の傾斜磁場が、ハードウェア的にどのように実現するか、操作命令と内部命令とを対応付けておく。操作命令と内部処理との対応付けは、例えば対応テーブルとしてメモリ11に格納しておき、変換機能102により処理回路10が、当該対応テーブルを参照して、検査情報記録ファイル35に記録される操作命令に対応する内部命令を取得する。
【0029】
データ生成装置1は、シミュレータ32に対して操作命令とともに内部命令を入力する。シミュレータ32は物理シミュレーションを実行し、シミュレーションデータをデータ生成装置1に出力すればよい。このようにすることで、MRI装置に搭載される装置ソフトウェア31は操作命令に従った検査情報記録ファイルを出力するだけであり、ハードウェアに関する内部命令を出力するように装置ソフトウェア31を変更する必要がない。
【0030】
次に、操作命令から内部命令への変換処理の第2例について
図4の概念図を参照して説明する。
第2例では、装置ソフトウェア31に内部命令を出力するためのハードウェア命令生成部41を含む。ハードウェア命令生成部41は、例えばデバイスドライバ、ライブラリであり、装置ソフトウェア31が受け取ったユーザからの操作命令に基づくハードウェア命令を、ログファイルである命令記録ファイル45として出力する。
【0031】
データ生成装置1は、命令記録ファイル45を受けとり、シミュレータ32に命令記録ファイル45に含まれるハードウェア命令を入力し、物理シミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する。これにより、ハードウェア命令生成部41を出力するように変更する必要があるが、装置ソフトウェア31が搭載される実機の挙動の再現性が高いシミュレーションデータを生成できる。
【0032】
次に、操作命令から内部命令への変換処理の第3例について
図5の概念図を参照して説明する。
第3例では、データ生成装置1にシミュレータ32を含み、装置ソフトウェアへの操作命令に基づく内部命令を直接、データ生成装置1で記録してシミュレータ32に入力するようにする。装置ソフトウェア31に入力された操作命令に基づく内部命令は、データ生成装置1に対して通信により入力されてもよいし、プロセス内リンクにより入力されてもよい。通信を用いる場合は、TCP/IPによる入力でもよいし、IPC(Inter-Process Communication)により入力されてもよい。プロセス内リンクの場合は、DLL(Dynamic Link Library)などによりリンクまたはコードプログラムを取り込んでもよい。
これにより、装置ソフトウェア31の変更を必要とせず、かつ再現性の高いシミュレーションを実行できる。
【0033】
次に、本実施形態に係るデータ生成装置1を用いて生成されたシミュレーションデータを学習データとして用いる場合について説明する。
ユーザは、MRI装置においてファントムまたは被検体に対する撮像を実施する。続いて、データ生成装置1が、当該撮像に対応する内部命令を用いて、予め用意した複数の異なるファントムデータに対し、同じ内部命令を再現しながら、シミュレータ上での物理シミュレーションを実行する。これにより、ファントムデータと同数のシミュレーションデータを生成することができる。
【0034】
生成されたシミュレーションデータを、機械学習モデルの学習データとして用いる。機械学習モデルは、例えば深層畳み込みニューラルネットワークといった、機械学習で一般的に用いられるモデルであればよい。
具体的に、シミュレーションデータを入力データとし、デノイズ処理された再構成画像(MR画像)を正解データとして機械学習モデルを訓練する。当該機械学習モデルの訓練により、デノイズ処理をタスクとした学習済みモデルを生成できる。なお、機械学習のタスクはデノイズ処理に限らず、例えば非特許文献2に開示されるようなタスクを想定した機械学習を実施できる。本実施形態に係るシミュレーションデータを学習データに用いることで、シミュレーションデータの再現性が高いため、効率的かつ高精度な学習データのデータ増強を実施できる。
【0035】
なお、上述の例では、MRI装置およびMRデータに関するシミュレーションデータを想定したが、他の医用画像診断装置、例えばX線CT装置およびX線の投影データについても同様に、シミュレータの出力を実機の出力に近づける精度を向上させることができる。
【0036】
例えば、X線CT装置に関する物理シミュレータであれば、管電圧、管電流、FOV(Field of View)およびビュー数などの撮像パラメータと、所望のノイズ量または所望のSD値とをシミュレータに入力する。シミュレータでは、ファントムに対する当該撮像パラメータに基づくX線の模擬照射のシミュレーションを実行する。これにより、ファントムについての線減弱係数の投影である投影データのシミュレーションデータが生成される。しかし、X線CT装置実機によるスキャンを想定する場合、ヘリカルスキャンまたはコンベンショナルスキャン中において被検体の体厚を考慮した自動露出制御(AEC: Auto Exposure Control)が実行され、さらにX線検出器で検出されるX線の光電変換効率によるノイズ量などについてもX線CT装置の個体差が生じうる。
【0037】
よって、X線CT装置のX線管およびX線検出器といったハードウェアに対する内部命令を取得し、MRI装置と同様にシミュレータにおける物理シミュレーションを実行することで、投影データのシミュレーションデータを実際のX線CT装置で得られる投影データに近づけることができ、シミュレーションデータの再現性を向上させることができる。
【0038】
なお、画像診断装置に本実施形態に係るデータ生成装置1を搭載し、当該画像診断装置の内部命令を収集してシミュレーションデータを生成し、当該シミュレーションデータを用いて機械学習モデルを訓練してもよい。これにより、当該画像診断装置が設置される施設単位または当該画像診断装置を操作する技師などのユーザ単位で、特化したシミュレーションデータの生成および学習済みモデルの生成を行うこともできる。
【0039】
具体的に、データ生成装置および物理シミュレータを搭載したMRI装置の詳細について
図6のブロック図を参照して説明する。
MRI装置20は、静磁場磁石201と、傾斜磁場コイル203と、傾斜磁場電源205と、寝台207と、寝台制御回路209と、送信回路213と、送信コイル215と、受信コイル217と、受信回路219と、シーケンス制御回路221と、バス223と、インタフェース225と、ディスプレイ227と、記憶装置229と、処理回路231と、シミュレータ32とを備える。なお、MRI装置20は、静磁場磁石201と傾斜磁場コイル203との間に中空の円筒形状のシムコイルを有していてもよい。
【0040】
静磁場磁石201は、中空の略円筒形状に形成された磁石である。なお、静磁場磁石201は、略円筒形状に限らず、開放型の形状で構成されてもよい。静磁場磁石201は、内部の空間に一様な静磁場を発生する。静磁場磁石201としては、本実施形態では、超電導コイルを用いた超電導磁石を想定する。
【0041】
傾斜磁場コイル203は、中空の円筒形状に形成されたコイルである。傾斜磁場コイル203は、静磁場磁石201の内側に配置される。傾斜磁場コイル203は、互いに直交するX、Y、Zの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成される。Z軸方向は、静磁場の方向と同方向であるとする。また、Y軸方向は、鉛直方向とし、X軸方向は、Z軸およびY軸に垂直な方向とする。傾斜磁場コイル203における3つのコイルは、傾斜磁場電源205から個別に電流供給を受けて、X、Y、Zの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生させる。
【0042】
傾斜磁場コイル203によって発生するX、Y、Z各軸の傾斜磁場は、例えば、周波数エンコード用傾斜磁場(リードアウト傾斜磁場ともいう)位相エンコード用傾斜磁場およびスライス選択用傾斜磁場を形成する。周波数エンコード用傾斜磁場は、空間的位置に応じてMR信号の周波数を変化させるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場は、空間的位置に応じてMR信号の位相を変化させるために利用される。スライス選択用傾斜磁場は、撮像断面を決めるために利用される。
【0043】
傾斜磁場電源205は、シーケンス制御回路221の制御により、傾斜磁場コイル203に電流を供給する電源装置である。
【0044】
寝台207は、被検体Pが載置される天板2071を備えた装置である。寝台207は、寝台制御回路209による制御のもと、被検体Pが載置された天板2071を、ボア211内へ挿入する。寝台207は、例えば、長手方向が静磁場磁石201の中心軸と平行になるように、MRI装置20が設置された検査室内に設置される。
【0045】
寝台制御回路209は、寝台207を制御する回路であり、インタフェース225を介したユーザの指示により寝台207を駆動することで、天板2071を長手方向および上下方向へ移動させる。
【0046】
送信コイル215は、傾斜磁場コイル203の内側に配置されたRFコイルである。送信コイル215は、送信回路213からRF(Radio Frequency)パルスの供給を受けて、高周波磁場に相当する送信RF波を発生する。送信コイル215は、例えば、全身コイルである。全身コイルは、送受信コイルとして使用されてもよい。全身コイルと傾斜磁場コイル203との間には、これらのコイルを磁気的に分離するための円筒状のRFシールドが設置される。
【0047】
送信回路213は、シーケンス制御回路221の制御により、ラーモア周波数等に対応するRFパルス)を送信コイル215に供給する。
【0048】
受信コイル217は、傾斜磁場コイル203の内側に配置されたRFコイルである。受信コイル217は、高周波磁場によって被検体Pから放射されるMR信号を受信する。受信コイル217は、受信されたMR信号を受信回路219へ出力する。受信コイル217は、例えば、1つ以上、典型的には複数のコイルエレメントを有するコイルアレイである。受信コイル217は、例えば、フェーズドアレイコイルである。
【0049】
受信回路219は、シーケンス制御回路221の制御により、受信コイル217から出力されたMR信号に基づいて、デジタル化された複素数データであるデジタルのMR信号を生成する。具体的には、受信回路219は、受信コイル217から出力されたMR信号に対して各種信号処理を施した後、各種信号処理が施されたデータに対してアナログ/デジタル(A/D)変換を実行する。受信回路219は、A/D変換されたデータを標本化(サンプリング)する。これにより、受信回路219は、デジタルのMR信号(以下、MRデータと呼ぶ)を生成する。受信回路219は、生成されたMRデータを、シーケンス制御回路221に出力する。
【0050】
シーケンス制御回路221は、処理回路231から出力された検査プロトコルに従って、傾斜磁場電源205、送信回路213および受信回路219等を制御し、被検体Pに対する撮像を行う。検査プロトコルは、検査に応じた各種パルスシーケンス、すなわち撮像シーケンスを有する。
【0051】
バス223は、インタフェース225と、ディスプレイ227と、記憶装置229と、処理回路231との間でデータを伝送させる伝送路である。バス223には、ネットワーク等を介して、各種生体信号計測器、外部記憶装置、各種モダリティなどが適宜接続されてもよい。例えば、生体信号計測器として、不図示の心電計がバスに接続される。
【0052】
インタフェース225は、ユーザからの各種指示や情報入力を受け付ける回路を有する。インタフェース225は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスに関する回路を有する。なお、インタフェース225が有する回路は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品に関する回路に限定されない。例えば、インタフェース225は、MRI装置20とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を種々の回路へ出力するような電気信号の処理回路を有していてもよい。
【0053】
ディスプレイ227は、処理回路231におけるシステム制御機能2311による制御のもとで、画像生成機能2313により生成された各種磁気共鳴画像(MR画像)、撮像および画像処理に関する各種情報などを表示する。ディスプレイ227は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイ、モニタ等の表示デバイスである。
【0054】
記憶装置229は、画像生成機能2313を介してk空間に充填されたMRデータ、画像生成機能2313により生成された画像データ等を記憶する。記憶装置229は、各種検査プロトコル、検査プロトコルを規定する複数の撮像パラメータを含む撮像条件等を記憶する。記憶装置229は、処理回路231で実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。記憶装置229は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(hard disk drive)、ソリッドステートドライブ(solid state drive)、光ディスクなどである。また、記憶装置229は、CD-ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリなどの可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置などであってもよい。
【0055】
処理回路231は、ハードウェア資源として図示していないプロセッサ、ROM(Read-Only Memory)やRAM等のメモリ等を有し、MRI装置20を統括的に制御する。処理回路231は、システム制御機能2311と、画像生成機能2313と、取得機能101と、変換機能102と、実行機能103と、訓練機能104と、表示制御機能105を含む。
【0056】
処理回路231は、システム制御機能2311により、励起パルスシーケンスに従って励起パルスを印加し、傾斜磁場を印加するように制御する。処理回路231は、システム制御機能2311により、励起パルスシーケンスを実行後、各種データ収集用のパルスシーケンスであるデータ収集シーケンスに従って、被検体PからのMR信号を収集し、MRデータを生成する。
【0057】
処理回路231は、画像生成機能2313により、リードアウト傾斜磁場の強度に従って、k空間のリードアウト方向に沿ってMRデータを充填する。処理回路231は、k空間に充填されたMRデータに対してフーリエ変換を行うことにより、MR画像を生成する。例えば、処理回路231は、複素のMRデータから絶対値(Magnitude)画像を生成することが可能である。また、処理回路231は、複素のMRデータにおける実部データと虚部データとを用いて位相画像を生成することが可能である。
【0058】
一方、取得機能101と、変換機能102と、実行機能103と、訓練機能104と、表示制御機能105の各機能は、データ生成装置1の動作と同様である。具体的に、システム制御機能2311により、実際に収集されたMRIデータのほか、ここでは、インタフェース225を介したMRI装置20(自装置)の操作命令を取得機能101により直接取得し、実行機能103により処理回路10は、変換機能102が操作命令から内部命令に変換する。例えば、
図5に示す変換処理の第3例を適用し、変換機能102は、MRI装置20の各ハードウェア(静磁場磁石201、傾斜磁場コイル203、傾斜磁場電源205、寝台207、寝台制御回路209、送信回路213、送信コイル215、受信コイル217、受信回路219、シーケンス制御回路221など)に対する内部命令を直接取り込んでもよい。実行機能103により処理回路10は、搭載されるシミュレータ32に少なくとも内部命令を入力し、シミュレーションデータを生成する。
【0059】
処理回路231の各種機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶装置229へ記憶されている。処理回路231は、これら各種機能に対応するプログラムを記憶装置229から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読みだした状態の処理回路231は、
図1の処理回路231内に示された複数の機能等を有することになる。
【0060】
なお、
図6においては単一の処理回路231にてこれら各種機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路231を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。換言すると、上述のそれぞれの機能がプログラムとして構成され、1つの処理回路が各プログラムを実行する場合であってもよいし、特定の機能が専用の独立したプログラム実行回路に実装される場合であってもよい。
【0061】
以上に示した本実施形態によれば、ユーザの操作命令を実際の画像診断装置のハードウェア制御に関する内部命令に変換し、当該内部命令を用いて物理シミュレータによりデータ収集に関するシミュレーションを実行する。ユーザから入力された撮像条件に対応するハードウェア制御の命令に基づいてシミュレーションを実行することにより、実機の挙動をシミュレータで再現するための情報をシミュレータに与えることができる。結果として、シミュレータで画像診断装置の挙動を高精度にシミュレートできるため、実測データに即したシミュレーションデータを生成できる。
【0062】
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))などの回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、プログラムが記憶回路に保存される代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0063】
加えて、実施形態に係る各機能は、前記処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに前記手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
【0064】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 データ生成装置
10,231 処理回路
11 メモリ
12 入力インタフェース
13 通信インタフェース
14,227 ディスプレイ
20 磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)
31 装置ソフトウェア
32 シミュレータ
35 検査情報記録ファイル
41 ハードウェア命令生成部
45 命令記録ファイル
101 取得機能
102 変換機能
103 実行機能
104 訓練機能
105 表示制御機能
201 静磁場磁石
203 傾斜磁場コイル
205 傾斜磁場電源
207 寝台
209 寝台制御回路
211 ボア
213 送信回路
215 送信コイル
217 受信コイル
219 受信回路
221 シーケンス制御回路
223 バス
225 インタフェース
229 記憶装置
2071 天板
2311 システム制御機能
2313 画像生成機能