IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム株式会社の特許一覧

特開2024-125819加速度センサ及び加速度センサの製造方法
<>
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図1
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図2
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図3
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図4
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図5
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図6
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図7
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図8
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図9
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図10
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図11
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図12
  • 特開-加速度センサ及び加速度センサの製造方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125819
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】加速度センサ及び加速度センサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/125 20060101AFI20240911BHJP
   G01P 15/08 20060101ALI20240911BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240911BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20240911BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
G01P15/125 Z
G01P15/08 101B
B81B3/00
B81C1/00
H01L29/84 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033901
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】紙西 大祐
【テーマコード(参考)】
3C081
4M112
【Fターム(参考)】
3C081AA01
3C081BA07
3C081BA22
3C081BA29
3C081BA32
3C081BA41
3C081BA44
3C081BA48
3C081BA53
3C081CA02
3C081CA13
3C081CA23
3C081CA29
3C081CA40
3C081DA03
3C081DA26
3C081DA27
3C081EA02
4M112AA02
4M112BA07
4M112CA24
4M112DA03
4M112DA06
4M112DA11
4M112EA03
4M112EA04
4M112EA12
(57)【要約】
【課題】温度変化による影響を抑制してセンサの信頼性を向上させる。
【解決手段】加速度センサは、第1主面10a及び第1主面10aとは反対側の第2主面10bを有するとともに第1主面10aに一部が露出する空洞12が形成された基板10と、基板10に形成されて空洞12内に配置される固定電極21及び固定電極21に対して基板10の厚さ方向に移動可能である可動電極31とを備える。固定電極21及び可動電極31の一方に、固定電極21及び可動電極31の他方より第1主面側に突出する段差部26が設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を有するとともに前記第1主面に一部が露出する空洞が形成された基板と、
前記基板に形成されて前記空洞内に配置される固定電極及び前記固定電極に対して前記基板の厚さ方向に移動可能である可動電極と、
を備え、
前記固定電極及び前記可動電極の一方に、前記固定電極及び前記可動電極の他方より前記第1主面側に突出する段差部が設けられている、
加速度センサ。
【請求項2】
前記基板に前記空洞内に配置される第1ビーム及び第2ビームが形成され、
前記固定電極及び可動電極は、前記第1ビーム及び前記第2ビームによって形成されている、
請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項3】
前記段差部の前記第1主面側は、前記第1主面と前記基板の厚さ方向位置が同一である、
請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項4】
前記固定電極は、櫛歯状に形成される固定電極部を有し、
前記可動電極は、櫛歯状に形成される可動電極部を有している、
請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項5】
前記固定電極部及び前記可動電極部は、前記基板の厚さ方向に直交する方向に対向して配置されている、
請求項4に記載の加速度センサ。
【請求項6】
前記基板上に形成される配線を備え、
前記固定電極部及び前記可動電極部の一方は、前記段差部上に前記配線と同一材料から形成されるカバー部を有している、
請求項4に記載の加速度センサ。
【請求項7】
前記基板は、単結晶シリコン基板であり、
前記カバー部は、多結晶シリコン層又は金属シリサイド層によって形成されている、
請求項6に記載の加速度センサ。
【請求項8】
第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を有する基板を準備し、
前記基板に前記第1主面に一部が露出する空洞を形成するとともに前記空洞内に配置される固定電極及び前記固定電極に対して前記基板の厚さ方向に移動可能である可動電極を形成し、
前記固定電極及び前記可動電極の一方に、前記固定電極及び前記可動電極の他方より前記第1主面側に突出する段差部が設けられる、
加速度センサの製造方法。
【請求項9】
前記基板に前記空洞内に配置される第1ビーム及び第2ビームを形成し、
前記固定電極及び可動電極は、前記第1ビーム及び前記第2ビームによって形成される、
請求項8に記載の加速度センサの製造方法。
【請求項10】
前記固定電極は、櫛歯状に形成される固定電極部を有し、
前記可動電極は、櫛歯状に形成される可動電極部を有している、
請求項8に記載の加速度センサの製造方法。
【請求項11】
前記基板上に配線を形成し、
前記段差部上に前記配線と同一材料から形成されるカバー部を形成する、
請求項8に記載の加速度センサの製造方法。
【請求項12】
前記基板は、単結晶シリコン基板であり、
前記カバー部は、多結晶シリコン層又は金属シリサイド層によって形成されている、
請求項11に記載の加速度センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加速度センサ及び加速度センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、静電容量型MEMS(Micro Electro Mechanical System)加速度センサが開示されている。前記加速度センサは、基板に接続部材を介して配置された質量構造体と、基板上に質量構造体の下側に配置された電極とを備え、加速度に応じて変位する質量構造体と電極との間の静電容量を検出して基板の厚さ方向の加速度を検出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5145349号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の加速度センサでは、基板上に電極が配置されることから、基板がモールドパッケージされる場合に温度変化によってパッケージに応力が生じると、質量構造体と電極との間の静電容量に悪影響を及ぼし、センサの信頼性を低下させるおそれがある。
【0005】
これに対し、シリコン基板などの基板に浮いた状態で固定電極及び固定電極に対して基板の厚さ方向に移動可能である可動電極を支持させ、固定電極と可動電極との静電容量を検出して基板の厚さ方向の加速度を検出する加速度センサが考えられる。前記加速度センサではまた、可動電極上にシリコン酸化膜を部分的に形成して可動電極を撓ませ、加速度の向きに応じて固定電極と可動電極との間の静電容量を変化させて加速度を検出することが考えられる。
【0006】
このような加速度センサでは、固定電極及び可動電極はそれぞれ基板に浮いた状態で支持されることから、温度変化によってパッケージに応力が生じる場合においても固定電極及び可動電極との間の静電容量に悪影響を及ぼすことを抑制することができるものの、温度変化によってシリコン酸化膜が形成された可動電極が変形し、センサの信頼性を低下させるおそれがある。
【0007】
本開示は、基板の厚さ方向の加速度を検出する加速度センサにおいて、温度変化による影響を抑制してセンサの信頼性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を有するとともに前記第1主面に一部が露出する空洞が形成された基板と、前記基板に形成されて前記空洞内に配置される固定電極及び前記固定電極に対して前記基板の厚さ方向に移動可能である可動電極と、を備え、前記固定電極及び前記可動電極の一方に、前記固定電極及び前記可動電極の他方より前記第1主面側に突出する段差部が設けられている、加速度センサを提供する。
【0009】
本開示によれば、基板に形成された固定電極及び可動電極は空洞内に配置されるので、温度変化によってパッケージに応力が生じる場合においても固定電極及び可動電極との間の静電容量に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。段差部は固定電極及び可動電極の一方に設けられるので、基板の厚さ方向の加速度に応じて固定電極と可動電極との間の静電容量を変化させ、加速度を検出することができる。段差部と固定電極及び可動電極の一方とは、基板によって同一材料から形成して線膨張係数を等しくすることができるので、基板の厚さ方向の加速度を検出する加速度センサにおいて、温度変化による影響を抑制してセンサの信頼性を向上させることができる。
【0010】
また、本開示は、第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を有する基板を準備し、前記基板に前記第1主面に一部が露出する空洞を形成するとともに前記空洞内に配置される固定電極及び前記固定電極に対して前記基板の厚さ方向に移動可能である可動電極を形成し、前記固定電極及び前記可動電極の一方に、前記固定電極及び前記可動電極の他方より前記第1主面側に突出する段差部が設けられる、加速度センサの製造方法を提供する。
【0011】
本開示によれば、基板に空洞内に配置される固定電極及び可動電極が形成されるので、温度変化によってパッケージに応力が生じる場合においても固定電極及び可動電極との間の静電容量に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。固定電極及び可動電極の一方に段差部が設けられるので、基板の厚さ方向の加速度に応じて固定電極と可動電極との間の静電容量を変化させ、加速度を検出することができる。段差部と固定電極及び可動電極の一方とは、基板によって同一材料から形成して線膨張係数を等しくすることができるので、基板の厚さ方向の加速度を検出する加速度センサにおいて、温度変化による影響を抑制してセンサの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態に係る加速度センサの平面図である。
図2図2は、第1センサ部の平面図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿う加速度センサの断面図である。
図4図4は、第2センサ部の平面図である。
図5図5は、図4のV-V線に沿う加速度センサの断面図である。
図6図6は、第1センサ部の固定電極部及び可動電極部を示す図である。
図7図7は、第2センサ部の固定電極部及び可動電極部を示す図である。
図8図8は、加速度センサの製造方法を説明する図である。
図9図9は、加速度センサの製造方法を説明する図である。
図10図10は、加速度センサの製造方法を説明する図である。
図11図11は、固定電極及び可動電極上に酸化膜が形成された加速度センサの平面図である。
図12図12は、図11のXII-XII線に沿う加速度センサの断面図である。
図13図13は、図11に示す加速度センサの第1センサ部の固定電極部及び可動電極部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本開示の実施形態に係る加速度センサの平面図である。図1に示すように、本開示の実施形態に係る加速度センサ1は、静電容量型加速度センサ素子2を有する加速度センサである。加速度センサ1は、センサ素子2を有する基板10を備えた基板アセンブリ11を備えている。加速度センサ1は、半導体微細加工技術を用いて基板10を加工して製造される。
【0015】
以下では、基板10の表面に沿う所定方向をX方向とし、基板10の表面に沿うとともにX方向に直交する方向をY方向とし、X方向及びY方向と直交して基板10の表面に直交する基板10の厚さ方向をZ方向とする。図1では、Z方向一方側から見た基板アセンブリ11を示している。図1では、基板10に形成される配線及びパッド部を省略して示している。
【0016】
センサ素子2は、基板10の表面に直交する方向であるZ方向に作用する加速度を検出するセンサ素子2である。センサ素子2は、Y方向他方側に配置される第1センサ部2aとY方向一方側に配置される第2センサ部2bとを有している。
【0017】
基板10には、複数のパッド部(不図示)が設けられるとともにセンサ素子2とパッド部とを電気的に接続する配線が設けられている。パッド部は、外部の電子部品などに接続され、センサ素子2に電気信号を入力したりセンサ素子2の電気信号を出力したりするようになっている。
【0018】
図2は、第1センサ部の平面図である。図3は、図2のIII-III線に沿う加速度センサの断面図である。図4は、第2センサ部の平面図である。図5は、図4のV-V線に沿う加速度センサの断面図である。
【0019】
図2から図5に示すように、基板アセンブリ11は、表面である第1主面10aと、第1主面10aとは反対側の裏面である第2主面10bとを有する基板10を備えている。基板10は、図1に示すように、平面視で矩形状に形成されている。基板10は、半導体基板として不純物をドーピングして導電性を付与した導電性単結晶シリコン基板が用いられる。
【0020】
基板10は、センサ素子2に対応して第1主面側に、第1主面10aに一部が露出する空洞12が形成されている。空洞12は、第1主面10aから基板10の厚さ方向に窪んで形成され、底壁部12aと底壁部12aから基板10の厚さ方向に延在する側壁部12bとを有している。
【0021】
基板10には、第1センサ部2aを構成する第1ビーム20及び第2ビーム30と、第2センサ部2bを構成する第1ビーム40及び第2ビーム50と、第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50をそれぞれ支持する支持部13とが形成されている。第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50は、一端部及び他端部がそれぞれ支持部13に支持され、Y方向に延びて平面視で略矩形状に形成されている。第2ビーム30、50は、第1ビーム20、40をそれぞれ囲むように配置されている。第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50はそれぞれ、X方向に略対称に形成されている。
【0022】
第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50はそれぞれ、空洞12内に配置され、空洞12内に浮いた状態で支持部13に支持されている。第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50は、基板10の一部によって形成されている。支持部13は、図1に示すように、センサ素子2の周囲を囲むように略環状に形成され、支持部13の内面は、空洞12の側壁部12bによって構成されている。
【0023】
図2に示すように、第1センサ部2aでは、第1ビーム20は、固定電極21を形成し、第2ビーム30は、固定電極21に対して基板10の厚さ方向に移動可能である可動電極31を形成する。
【0024】
固定電極21は、支持部13に支持されるベース部22と、櫛歯状に形成される固定電極部23とを有している。ベース部22は、平面視で、支持部13に接続されてY方向一方側に直線状に延在するとともにX方向に離間して配置される一対の第1直線部分24と、一対の第1直線部分24のY方向一端側にそれぞれ接続されてX方向に直線状に延在する第2直線部分25とを有している。固定電極部23は、ベース部22の第2直線部分25からX方向に離間してY方向一方側に直線状に延在し、それぞれ平板状に形成されている。
【0025】
ベース部22のY方向他方側には、具体的には第1直線部分24のY方向他方側には、固定電極21と支持部13とを電気的に分離するとともに機械的に連結する分離部14が設けられている。分離部14は、酸化シリコンを有し、絶縁膜である酸化シリコン膜15によって形成されている。
【0026】
可動電極31は、支持部13に支持されるベース部32と、櫛歯状に形成される可動電極部33とを有している。ベース部32は、平面視で、支持部13に接続されてY方向一方側に直線状に延在するとともにX方向に離間して配置される一対の第1直線部分34と、一対の第1直線部分34のY方向一端側にそれぞれ接続されてX方向に直線状に延在する第2直線部分35とを有している。可動電極部33は、ベース部32の第2直線部分35からX方向に離間してY方向他方側に直線状に延在し、それぞれ平板状に形成されている。可動電極部33は、固定電極部23と互いに噛み合うように基板10の厚さ方向に直交するX方向に対向して配置されている。
【0027】
ベース部32のY方向他方側には、具体的には第1直線部分34のY方向他方側には、可動電極31と支持部13とを電気的に分離するとともに機械的に連結する分離部14が設けられている。
【0028】
第1センサ部2aでは、可動電極31のベース部32の支持部側に、第1直線部分34にバネ部37が設けられている。バネ部37は、ベース部32の他の部分に対して幅が小さく形成されている。これにより、可動電極31は、Z方向の加速度に応じて固定電極21に対してZ方向に移動可能とされ、可動電極部33が、Z方向の加速度に応じて固定電極部23に対してZ方向に移動可能とされている。
【0029】
第1センサ部2aでは、固定電極21に、可動電極31より第1主面側に、すなわち第2主面10bから第1主面10aに向かう方向に突出する段差部26が設けられている。図3に示すように、段差部26は、固定電極部23に可動電極部33より第1主面側に突出するように設けられている。段差部26は、平面視で固定電極部23に略等しい矩形状に形成されている。
【0030】
段差部26の第1主面側は、基板10の第1主面10aによって形成され、第1主面10aと基板10の厚さ方向位置が同一とされている。固定電極部23と可動電極部33とは、第2主面側が基板10の厚さ方向位置が略同一とされ、固定電極部23は、可動電極部33より基板10の厚さ方向に厚く形成されている。
【0031】
段差部26上には、基板10上に設けられる配線4と同一材料から形成されるカバー部28が設けられている。カバー部28は、段差部26を覆って平面視で段差部26と同一形状に形成されている。配線4及びカバー部28は、不純物をドーピングして導電性が付与された多結晶シリコン層によって形成されている。
【0032】
図6は、第1センサ部の固定電極部及び可動電極部を示す図である。加速度センサ1にZ方向一方側の加速度が作用する場合、可動電極部33は、図6の一点鎖線で示すように固定電極部23に対してZ方向他方側に変位され、固定電極21と可動電極31との間の静電容量が減少される。加速度センサ1にZ方向他方側の加速度が作用する場合、可動電極部33は、図6の破線で示すように固定電極部23に対してZ方向一方側に変位され、固定電極21と可動電極31との間の静電容量が維持される。第1センサ部2aは、固定電極21と可動電極31との間の静電容量の変化を検出してZ方向一方側の加速度を検出するようになっている。
【0033】
第2センサ部2bの第1ビーム40及び第2ビーム50は、図1に示すように、第1センサ部2aの第1ビーム20及び第2ビーム30と平面視でY方向に略対称に形成されている。
【0034】
図4に示すように、第2センサ部2bでは、第2ビーム50は、固定電極51を形成し、第1ビーム40は、固定電極51に対して基板10の厚さ方向に移動可能である可動電極41を形成する。
【0035】
固定電極51は、支持部13に支持されるベース部52と、櫛歯状に形成される固定電極部53とを有している。ベース部52は、平面視で、支持部13に接続されてY方向他方側に直線状に延在するとともにX方向に離間して配置される一対の第1直線部分54と、一対の第1直線部分54のY方向他端側にそれぞれ接続されてX方向に直線状に延在する第2直線部分55とを有している。固定電極部53は、ベース部52の第2直線部分55からX方向に離間してY方向一方側に直線状に延在し、それぞれ平板状に形成されている。
【0036】
可動電極41は、支持部13に支持されるベース部42と、櫛歯状に形成される可動電極部43とを有している。ベース部42は、平面視で、支持部13に接続されてY方向他方側に直線状に延在するとともにX方向に離間して配置される一対の第1直線部分44と、一対の第1直線部分44のY方向他端側にそれぞれ接続されてX方向に直線状に延在する第2直線部分45とを有している。可動電極部43は、ベース部42の第2直線部分45からX方向に離間してY方向他方側に直線状に延在し、それぞれ平板状に形成されている。可動電極部43は、固定電極部53と互いに噛み合うように基板10の厚さ方向に直交するX方向に対向して配置されている。
【0037】
第2センサ部2bでは、可動電極41のベース部42の支持部側に、第1直線部分44にバネ部47が設けられている。バネ部47は、ベース部42の他の部分に対して幅が小さく形成されている。これにより、可動電極41は、Z方向の加速度に応じて固定電極51に対してZ方向に移動可能とされ、可動電極部43は、Z方向の加速度に応じて固定電極部53に対してZ方向に移動可能とされている。
【0038】
固定電極51のベース部52のY方向一方側には、固定電極51と支持部13とを電気的に分離するとともに機械的に連結する分離部14が設けられている。可動電極41のベース部42のY方向一方側についても、可動電極41と支持部13とを電気的に分離するとともに機械的に連結する分離部14が設けられている。
【0039】
第2センサ部2bでは、可動電極41に、固定電極51より第1主面側に突出する段差部46が設けられている。図5に示すように、段差部46は、可動電極部43に固定電極部53より第1主面側に突出するように設けられている。段差部46は、平面視で可動電極部43に略等しい矩形状に形成されている。
【0040】
段差部46の第1主面側は、基板10の第1主面10aによって形成され、第1主面10aと基板10の厚さ方向位置が同一とされている。可動電極部43と固定電極部53とは、第2主面側が基板10の厚さ方向位置が略同一とされ、可動電極部43は、固定電極部53より基板10の厚さ方向に厚く形成されている。
【0041】
段差部46上には、基板10上に設けられる配線4と同一材料から形成されるカバー部48が設けられている。カバー部48は、段差部46を覆って平面視で段差部46と同一形状に形成されている。配線4及びカバー部48は、不純物をドーピングして導電性が付与された多結晶シリコン層によって形成されている。配線4及びカバー部28、48は、チタンシリサイド層などの金属シリサイド層によって形成するようにしてもよい。
【0042】
図7は、第2センサ部の固定電極部及び可動電極部を示す図である。加速度センサ1にZ方向他方側の加速度が作用する場合、可動電極部43は、図7の破線で示すように固定電極部53に対してZ方向一方側に変位され、固定電極51と可動電極41との間の静電容量が減少される。加速度センサ1にZ方向一方側の加速度が作用する場合、可動電極部43は、図6の一点鎖線で示すように固定電極部53に対してZ方向他方側に変位され、固定電極51と可動電極41との間の静電容量が維持される。第2センサ部2bは、固定電極51と可動電極41との間の静電容量の変化を検出してZ方向他方側の加速度を検出するようになっている。
【0043】
図2に示すように、第1センサ部2aの固定電極21及び可動電極31にはそれぞれ、配線4がコンタクト5を介して接続されている。図4に示すように、第2センサ部2bの固定電極51及び可動電極41にはそれぞれ、配線4がコンタクト5を介して接続されている。各配線4は、パッド部に接続されている。支持部13には、接地部分としての支持部13とパッド部とを電気的に接続する配線がコンタクトを介して接続されている。
【0044】
各配線4は、多結晶シリコン層によって形成され、コンタクト5は、基板10の第1主面10a及び分離部14上に形成された酸化シリコン膜15に形成されたコンタクト孔に多結晶シリコン層が埋め込まれて形成されている。多結晶シリコン層は、不純物をドーピングして導電性が付与されている。
【0045】
加速度センサ1は、Z方向の加速度が作用するときに、第1センサ部2aの固定電極21及び可動電極31によって形成される第1キャパシタC1と、第2センサ部2bの固定電極51及び可動電極41によって形成される第2キャパシタC2の静電容量の変化を電気信号として取り出してZ方向の加速度を検出するようになっている。
【0046】
第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2は、Z方向の加速度が作用していないとき静電容量が等しい又はほぼ等しく形成されている。Z方向一方側の加速度が作用する場合、第1キャパシタC1の静電容量が減少する一方、第2キャパシタC2の静電容量が維持される。Z方向他方側の加速度が作用する場合、第2キャパシタC2の静電容量が減少する一方、第1キャパシタC1の静電容量が維持される。
【0047】
加速度センサ1では、第1センサ部2aの固定電極21に第1入力電圧を印加するとともに、第2センサ部2bの固定電極51に第2入力電圧を印加する。第1入力電圧及び第2入力電圧として、例えば0V~5Vの間において、逆位相の電圧が印加される。第1入力電圧及び第2入力電圧が印加されるとき、第1センサ部2aの可動電極31及び第2センサ部2bの可動電極41からの出力電圧を測定することで、Z方向の加速度が検出される。
【0048】
加速度センサ1において、第1センサ部2aの固定電極21に代えて、第1センサ部2aの可動電極31に段差部及びカバー部を形成し、第2センサ部2bの可動電極41に代えて、第2センサ部2bの固定電極51に段差部及びカバー部を形成するようにしてもよい。
【0049】
本実施形態に係る加速度センサ1では、基板10に空洞12内に配置される固定電極21、51及び可動電極31、41が形成され、固定電極21、51及び可動電極31、41の一方に、固定電極21、51及び可動電極31、41の他方より第1主面側に突出する段差部26、46が設けられる。
【0050】
これにより、基板10に形成された固定電極21、51及び可動電極31、41は空洞12内に配置されるので、温度変化によってパッケージに応力が生じる場合においても固定電極21、51及び可動電極31、41との間の静電容量に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。段差部26、46は固定電極21、51及び可動電極31、41の一方に設けられるので、基板10の厚さ方向の加速度に応じて固定電極21、51と可動電極31、41との間の静電容量を変化させ、加速度を検出することができる。
【0051】
図11は、固定電極及び可動電極上に酸化膜が形成された加速度センサの平面図である。図12は、図11のXII-XII線に沿う加速度センサの断面図である。図13は、図11に示す加速度センサの第1センサ部の固定電極部及び可動電極部を示す図である。
【0052】
図11に示す加速度センサ101は、加速度センサ1と同様に、第1センサ部102aと第2センサ部102bとを有し、第1センサ部102aは、空洞12内に配置される固定電極121及び固定電極121に対してZ方向に移動可能である可動電極131を有し、第2センサ部102bは、空洞12内に配置される固定電極151及び固定電極151に対してZ方向に移動可能である可動電極141を有している。
【0053】
加速度センサ101では、第1センサ部102aの可動電極131上に酸化膜136が部分的に形成されている。基板10としてシリコン基板が用いられ、酸化膜136として酸化シリコン膜が形成されている。図12に示すように、酸化膜136が形成されることによって可動電極131が固定電極121に対してZ方向に撓み、図13に示すように、固定電極部123に対して可動電極部133がZ方向他方側に配置される。
【0054】
加速度センサ101にZ方向一方側の加速度が作用する場合、可動電極部133は、図13の一点鎖線で示すように固定電極部123に対してZ方向他方側に変位され、固定電極121と可動電極131との間の静電容量が小さくされる。一方、加速度センサ101にZ方向他方側の加速度が作用する場合、可動電極部133は、図13の破線で示すように固定電極部123に対してZ方向一方側に変位され、固定電極121と可動電極131との間の静電容量が大きくされる。
【0055】
加速度センサ101では、第2センサ部102bの固定電極151上にも酸化膜156が部分的に形成され、酸化膜156が形成されることによって固定電極151が可動電極141に対してZ方向に撓み、可動電極部143に対して固定電極部153がZ方向他方側に配置される。加速度センサ101にZ方向一方側の加速度が作用する場合、固定電極151と可動電極141との間の静電容量が大きくされ、加速度センサ101にZ方向他方側の加速度が作用する場合、固定電極151と可動電極141との間の静電容量が小さくされる。
【0056】
加速度センサ101では、第1センサ部102aの固定電極121に第1入力電圧を印加するとともに、第2センサ部102bの固定電極151に第1入力電圧とは逆位相の第2入力電圧を印加し、第1センサ部102aの可動電極131及び第2センサ部102bの可動電極141からの出力電圧を測定することで、Z方向の加速度が検出される。
【0057】
加速度センサ101では、固定電極121、151及び可動電極131、141を形成する基板10としてのシリコン基板と酸化膜136、156としての酸化シリコン膜とは線膨張係数が異なることから、使用時などの温度変化によって、酸化膜136、156が形成された固定電極151及び可動電極131が変形し、センサの信頼性を低下させるおそれがある。
【0058】
本実施形態に係る加速度センサ1では、段差部26、46と固定電極21、51及び可動電極31、41の一方とは、基板10によって同一材料から形成して線膨張係数を等しくすることができるので、基板10の厚さ方向の加速度を検出する加速度センサ1において、温度変化による影響を抑制してセンサの信頼性を向上させることができる。
【0059】
次に、加速度センサ1の製造方法について説明する。
加速度センサ1の製造では、シリコン基板である基板10が準備され、基板10に、図8に示すように、分離部14に対応する部分が除去されてトレンチ61が形成される。トレンチ61形成後に、熱酸化法によってトレンチ61及び基板10の第1主面10a全体が熱酸化され、酸化シリコン膜15によって分離部14が形成されるとともに基板10の第1主面10a上に酸化シリコン膜15が形成される。そして、酸化シリコン膜15がパターニングされ、コンタクト孔62が形成されるとともに固定電極21、51及び可動電極31、41に対応する部分などの酸化シリコン膜15が取り除かれる。
【0060】
次に、図9に示すように、CVD法によって、基板10の第1主面10a及び酸化シリコン膜15上に多結晶シリコン層63が形成される。多結晶シリコン層63が形成されると、フォトリソグラフィ及びエッチングによって、多結晶シリコン層63によって配線4及びカバー部28、48が同一工程によって形成されるとともに、基板10にトレンチ64が形成されて段差部26、46が同一工程によって形成される。段差部26、46のZ方向高さH1は、例えば2μmなどに設定される。トレンチ64形成後には、パッド部などが形成される。
【0061】
そして、CVD法によってUSG膜が形成され、フォトリソグラフィ及び異方性エッチングによって基板10がパターニングされ、図10に示すように、第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50を残すようにトレンチ65が形成される。
【0062】
トレンチ65形成後には、トレンチ65の側面上に保護膜が形成され、その後に、異方性エッチングによってトレンチ65の底面が保護膜より深くなるようにトレンチ65が深く形成される。異方性エッチングに引き続いて、等方性エッチングによってトレンチ65がさらに深く形成されるとともに、基板10の第1主面10aに平行な方向にエッチングされ、図3及び図5に示すように、第1主面10aに一部が露出する空洞12が形成されるとともに空洞12内に第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50が浮いた状態で配置される。等方性エッチング後には、保護膜が除去され、加速度センサ1が製造される。
【0063】
このようにして、基板10に、空洞12内に配置される固定電極21、51及び固定電極21、51に対して基板10の厚さ方向に移動可能である可動電極31、41が形成され、固定電極21、51及び可動電極31、41の一方に、固定電極21、51及び可動電極31、41の他方より第1主面側に突出する段差部26、46が設けられる。
【0064】
これにより、段差部26、46と固定電極21、51及び可動電極31、41の一方とは、基板10によって同一材料から形成して線膨張係数を等しくすることができるので、基板10の厚さ方向の加速度を検出する加速度センサ1において、温度変化による影響を抑制してセンサの信頼性を向上させることができる。
【0065】
このように、本実施形態に係る加速度センサ1は、第1主面10a及び第1主面10aとは反対側の第2主面20bを有するとともに第1主面10aに一部が露出する空洞12が形成された基板10と、基板10に形成されて空洞12内に配置される固定電極21、51及び固定電極21、51に対して基板10の厚さ方向に移動可能である可動電極31、41とを備える。固定電極21、51及び可動電極31、41の一方に、固定電極21、51及び可動電極31、41の他方より第1主面側に突出する段差部26、46が設けられる。
【0066】
これにより、基板10に形成された固定電極21、51及び可動電極31、41は空洞12内に配置されるので、温度変化によってパッケージに応力が生じる場合においても固定電極21、51及び可動電極31、41との間の静電容量に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。段差部26、46は固定電極21、51及び可動電極31、41の一方に設けられるので、基板10の厚さ方向の加速度に応じて固定電極21、51と可動電極31、41との間の静電容量を変化させ、加速度を検出することができる。段差部26、46と固定電極21、51及び可動電極31、41の一方とは、基板10によって同一材料から形成して線膨張係数を等しくすることができるので、基板10の厚さ方向の加速度を検出する加速度センサ1において、温度変化による影響を抑制してセンサの信頼性を向上させることができる。
【0067】
また、基板10に空洞12内に配置される第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50が形成され、固定電極21、51及び可動電極31、41は、第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50によって形成される。これにより、固定電極21、51及び可動電極31、41は、空洞12内に配置される第1ビーム20、40及び第2ビーム30、50によって形成されるので、温度変化によってパッケージに応力が生じる場合においても固定電極21、51及び可動電極31、41との間の静電容量に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0068】
また、段差部26、46の第1主面側は、第1主面10aと基板10の厚さ方向位置が同一である。これにより、段差部26、46の第1主面側を基板10の第1主面10aによって形成することができるので、第1主面10aと基板10の厚さ方向位置が異なる場合に比して、段差部26、46を効率的に形成することができ、製造コストを低減することができる。
【0069】
また、固定電極21、51は、櫛歯状に形成される固定電極部23、53を有し、可動電極31、41は、櫛歯状に形成される可動電極部33、43を有している。これにより、櫛歯状に形成された固定電極部23、53及び可動電極部33、43間の静電容量を検出することで、基板10の厚さ方向の加速度を検出することができる。
【0070】
また、固定電極部23、53及び可動電極部33、43は、基板10の厚さ方向に直交する方向に対向して配置されている。これにより、基板10の厚さ方向に直交する方向に対向して配置された櫛歯状の固定電極部23、53及び可動電極部33、43間の静電容量を検出することで、基板10の厚さ方向の加速度を検出することができる。
【0071】
また、基板10上に形成される配線4を備え、固定電極部23、53及び可動電極部33、43の一方は、段差部26、46上に配線4と同一材料から形成されるカバー部28、48を有している。これにより、段差部26、46上のカバー部28、48と配線4とを同一工程によって形成することができるので、カバー部と配線とを別工程によって形成する場合に比して、製造工程を簡素化することができる。
【0072】
また、基板10は、単結晶シリコン基板であり、カバー部28、48は、多結晶シリコン層又は金属シリサイド層によって形成されている。これにより、単結晶シリコン基板上に形成される多結晶シリコン層又は金属シリサイド層によってカバー部28、48及び配線4を同一工程によって形成することができる。
【0073】
また、本実施形態に係る加速度センサ1の製造方法は、第1主面10a及び第1主面10aとは反対側の第2主面10bを有する基板10を準備し、基板10に第1主面10aに一部が露出する空洞12を形成するとともに空洞12内に配置される固定電極21、51及び固定電極21、51に対して基板10の厚さ方向に移動可能である可動電極31、41を形成し、固定電極21、51及び可動電極31、41の一方に、固定電極21、51及び可動電極31、41の他方より第1主面側に突出する段差部26、46が設けられる。
【0074】
これにより、基板10に空洞12内に配置される固定電極21、51及び可動電極31、41が形成されるので、温度変化によってパッケージに応力が生じる場合においても固定電極21、51及び可動電極31、41との間の静電容量に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。固定電極21、51及び可動電極31、41の一方に段差部26、46が設けられるので、基板10の厚さ方向の加速度に応じて固定電極21、51と可動電極31、41との間の静電容量を変化させ、加速度を検出することができる。段差部26、46と固定電極21、51及び可動電極31、41の一方とは、基板10によって同一材料から形成して線膨張係数を等しくすることができるので、基板10の厚さ方向の加速度を検出する加速度センサ1において、温度変化による影響を抑制してセンサの信頼性を向上させることができる。
【0075】
また、基板10上に配線4を形成し、段差部26、46上に配線4と同一材料から形成されるカバー部28、48を形成する。これにより、段差部26、46上のカバー部28、48と配線4とを同一工程によって形成することができるので、カバー部と配線とを別工程によって形成する場合に比して、製造工程を簡素化することができる。
【0076】
本開示は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
【0077】
[付記1]
第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を有するとともに前記第1主面に一部が露出する空洞が形成された基板と、
前記基板に形成されて前記空洞内に配置される固定電極及び前記固定電極に対して前記基板の厚さ方向に移動可能である可動電極と、
を備え、
前記固定電極及び前記可動電極の一方に、前記固定電極及び前記可動電極の他方より前記第1主面側に突出する段差部が設けられている、
加速度センサ。
[付記2]
前記基板に前記空洞内に配置される第1ビーム及び第2ビームが形成され、
前記固定電極及び可動電極は、前記第1ビーム及び前記第2ビームによって形成されている、
付記1に記載の加速度センサ。
[付記3]
前記段差部の前記第1主面側は、前記第1主面と前記基板の厚さ方向位置が同一である、
付記1又は付記2に記載の加速度センサ。
[付記4]
前記固定電極は、櫛歯状に形成される固定電極部を有し、
前記可動電極は、櫛歯状に形成される可動電極部を有している、
付記1から付記3の何れか1項に記載の加速度センサ。
[付記5]
前記固定電極部及び前記可動電極部は、前記基板の厚さ方向に直交する方向に対向して配置されている、
付記4に記載の加速度センサ。
[付記6]
前記基板上に形成される配線を備え、
前記固定電極部及び前記可動電極部の一方は、前記段差部上に前記配線と同一材料から形成されるカバー部を有している、
付記4又は付記5に記載の加速度センサ。
[付記7]
前記基板は、単結晶シリコン基板であり、
前記カバー部は、多結晶シリコン層又は金属シリサイド層によって形成されている、
付記6に記載の加速度センサ。
[付記8]
第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を有する基板を準備し、
前記基板に前記第1主面に一部が露出する空洞を形成するとともに前記空洞内に配置される固定電極及び前記固定電極に対して前記基板の厚さ方向に移動可能である可動電極を形成し、
前記固定電極及び前記可動電極の一方に、前記固定電極及び前記可動電極の他方より前記第1主面側に突出する段差部が設けられる、
加速度センサの製造方法。
[付記9]
前記基板に前記空洞内に配置される第1ビーム及び第2ビームを形成し、
前記固定電極及び可動電極は、前記第1ビーム及び前記第2ビームによって形成される、
付記8に記載の加速度センサの製造方法。
[付記10]
前記固定電極は、櫛歯状に形成される固定電極部を有し、
前記可動電極は、櫛歯状に形成される可動電極部を有している、
付記8又は付記9に記載の加速度センサの製造方法。
[付記11]
前記基板上に配線を形成し、
前記段差部上に前記配線と同一材料から形成されるカバー部を形成する、
付記8から付記10の何れか1項に記載の加速度センサの製造方法。
[付記12]
前記基板は、単結晶シリコン基板であり、
前記カバー部は、多結晶シリコン層又は金属シリサイド層によって形成されている、
付記11に記載の加速度センサの製造方法。
【符号の説明】
【0078】
1 加速度センサ
2 センサ素子
4 配線
10 基板
10a 第1主面
10b 第2主面
12 空洞
20、40 第1ビーム
21、51 固定電極
23、53 固定電極部
26、46 段差部
28、48 カバー部
30、50 第2ビーム
31、41 可動電極
33、43 可動電極部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13