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  • 特開-半導体装置の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125837
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/425 20060101AFI20240911BHJP
   H01L 21/477 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H01L21/425
H01L21/477
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033930
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 周平
(72)【発明者】
【氏名】三宅 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】永岡 達司
(57)【要約】
【課題】半導体基板としてβ-酸化ガリウムを用い、加熱処理を行ったとしても破断し難くなるようにする。
【解決手段】β-酸化ガリウムで構成される半導体基板30を用意することと、チャンバ10内に配置されたサセプタ20上に半導体基板30を配置することと、チャンバ10を密閉することと、サセプタ20の温度を調整することにより、伝熱によって半導体基板30を昇温させた後に半導体基板30を降温させる加熱処理を行うことと、チャンバ10の密閉を解除してチャンバ10から半導体基板30を取り出せる状態にすることとを行う。半導体基板30を用意することでは、一面30aまたは他面30bが、(100)面または(001)面に対して45~90°の範囲内にあるものを用意し、加熱処理では、サセプタ20の昇温レートが100℃/min以下となる条件でサセプタ20を昇温させることにより、半導体基板30を300℃以上に昇温させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の製造方法であって、
β-酸化ガリウムで構成される半導体基板(30)を用意することと、
チャンバ(10)内に配置されたサセプタ(20)上に前記半導体基板を配置することと、
前記チャンバを密閉することと、
前記サセプタの温度を調整することにより、伝熱によって前記半導体基板を昇温させた後に前記半導体基板を降温させる加熱処理を行うことと、
前記チャンバの密閉を解除して前記チャンバから前記半導体基板を取り出せる状態にすることと、を行い、
前記半導体基板を用意することでは、一面(30a)または他面(30b)が、(100)面に対して45~90°の範囲内にあるもの、または(001)面に対して45~90°の範囲内にあるものを用意し、
前記半導体基板を配置することでは、前記他面が前記サセプタと対向するように配置し、
前記加熱処理では、前記サセプタの昇温レートが100℃/min以下となる条件で前記サセプタを昇温させることにより、前記半導体基板を300℃以上に昇温させる半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記加熱処理では、前記サセプタの降温レートが100℃/minとなる条件で前記サセプタを降温させることにより、前記半導体基板を300℃以下に降温させる請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記半導体基板を取り出せる状態にすることでは、前記サセプタを100℃以下にする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記加熱処理は、前記チャンバ内に雰囲気ガスを供給すると共に前記雰囲気ガスを排気しながら行い、かつ、前記半導体基板が加熱された雰囲気ガスに晒されるようにする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記加熱処理は、単位分当たりの前記雰囲気ガスにおける前記チャンバ内のガス交換が、前記チャンバにおける体積の100%以下となるように前記雰囲気ガスの流量を調整する請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記半導体基板を用意することでは、2インチである前記半導体基板を用意する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記半導体基板を用意することでは、前記一面と他面との間の厚さが400μm以下である前記半導体基板を用意する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β-酸化ガリウム(すなわち、Ga)基板を加熱処理することを含む半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体装置の製造方法では、イオン注入で注入した不純物の活性化や、半導体基板の欠陥を回復させるために加熱処理を行うことが提案されている。しかしながら、加熱処理を行う際、半導体基板の一面と他面との間の温度差が大きいと、半導体基板が反って破断する可能性がある。このため、例えば、半導体基板としてのシリコン基板を用い、この半導体基板を加熱処理する場合には、半導体基板を500℃程度まで急峻に昇温させ、その後に1000℃程度まで半導体基板を緩やかに昇温させる方法が提案されている。
【0003】
ところで、近年では、炭化珪素等よりもさらにバッドギャップエネルギーが大きいβ-酸化ガリウムが注目されており、β-酸化ガリウムで構成される半導体基板を用いてMOSFET等の半導体素子が形成された半導体装置を構成することが検討されている。なお、MOSFETは、metal oxide semiconductor field effect transistorの略である。
【0004】
ここで、β-酸化ガリウムは、研究が進められているところであるが、結晶構造が単斜晶であり、シリコンと比較して熱伝導率が1/6程度低いことが報告されている。また、例えば、非特許文献1には、β-酸化ガリウムは、300℃付近で[100]方向の線膨張係数が急峻に低下することが示唆されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Wenxiang Mu, Zhitai Jia, Yanru Yin, Qiangqiang Hu, Yang Li, Baiyi Wu, Jian Zhang,Xutang Tao, 「High quality crystal growth and anisotropic physical characterizationof β-Ga2O3 single crystals grown by EFG method」, Journal of Alloys and Compounds,2017,p.453
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、β-酸化ガリウムを半導体基板として用いて半導体装置を構成することを検討している。しかしながら、上記のように、β-酸化ガリウムは、熱伝導率が低いため、加熱処理を行う際に半導体基板の一面と他面との間で温度差が発生し易い。また、β-酸化ガリウムは、300℃付近で[100]方向の線膨張係数が急峻に低下する。そして、β-酸化ガリウムを半導体基板として用いる場合、半導体基板の一面または他面が、(100)面に対して45~90°の範囲内にある場合、または(001)面に対して45~90°の範囲内にある場合、[100]方向が半導体基板の面方向となる。
【0007】
このため、β-酸化ガリウムを半導体基板として用い、半導体基板の一面または他面が、(100)面または(001)面に対して45~90°の範囲内にある場合、半導体基板がシリコン基板である場合と同様の方法で300℃以上の加熱処理を行うと、次の現象が発生し易くなる。すなわち、熱伝導率が低いために半導体基板の一面と他面との温度差が大きくなり易く、[100]方向が半導体基板の面方向にあるために半導体基板が反って破断する可能性が高くなる。
【0008】
本発明は上記点に鑑み、半導体基板としてβ-酸化ガリウムを用い、加熱処理を行ったとしても破断し難くなる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1では、半導体装置の製造方法であって、β-酸化ガリウムで構成される半導体基板(30)を用意することと、チャンバ(10)内に配置されたサセプタ(20)上に半導体基板を配置することと、チャンバを密閉することと、サセプタの温度を調整することにより、伝熱によって半導体基板を昇温させた後に半導体基板を降温させる加熱処理を行うことと、チャンバの密閉を解除してチャンバから半導体基板を取り出せる状態にすることと、を行い、半導体基板を用意することでは、一面(30a)または他面(30b)が、(100)面に対して45~90°の範囲内にあるもの、または(001)面に対して45~90°の範囲内にあるものを用意し、半導体基板を配置することでは、他面がサセプタと対向するように配置し、加熱処理では、サセプタの昇温レートが100℃/min以下となる条件でサセプタを昇温させることにより、半導体基板を300℃以上に昇温させる。
【0010】
これによれば、半導体基板を昇温させる際に半導体基板の一面と他面との間で温度差が発生し難くなり、半導体基板が破断することを抑制できる。
【0011】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態における加熱処理を行うための加熱装置の構成を示す断面図である。
図2】経過時間とサセプタの設定温度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。以下では、半導体基板としてβ-酸化ガリウムを用い、この半導体基板の加熱処理を含む半導体装置の製造方法について説明する。
【0015】
まず、加熱処理を行う加熱装置1の構成について、図1を参照しつつ説明する。加熱装置1は、図1に示されるように、チャンバ10およびサセプタ20を備えている。
【0016】
チャンバ10は、図示しない排気ポンプ等と接続され、内部が所定圧力に維持されるようになっている。また、チャンバ10は、雰囲気ガスが供給される供給口11および雰囲気ガスが排気される排気口12が備えられている。
【0017】
サセプタ20は、一面30aおよび他面30bを有する半導体基板30が載置されて半導体基板30を昇温(すなわち、加熱)および降温(すなわち、冷却)させるものである。具体的には、サセプタ20は、伝熱によって半導体基板30を昇温および降温できる構成とされており、例えば、グラファイトや炭化珪素等の熱伝導率が高いもので構成される。なお、サセプタ20の温度調整は、例えば、ランプ加熱や誘導加熱等で行われる。
【0018】
以上が本実施形態における加熱装置1の構成である。次に、上記加熱装置1を用いた加熱処理を含む半導体装置の製造方法について説明する。
【0019】
まず、半導体基板30として、β-酸化ガリウムで構成され、一面30aまたは他面30bの面方向に[100]方向が含まれるものを用意する。より詳しくは、半導体基板30として、β-酸化ガリウムで構成され、一面30aまたは他面30bが(100)面に対して45~90°の範囲内にあるもの、または一面30aまたは他面30bが(001)面に対して45~90°の範囲内にあるものを用意する。
【0020】
なお、半導体基板30は、例えば、半導体素子を構成するための不純物層を構成する不純物がイオン注入されたものであってもよい。イオン注入される不純物は、例えば、p型の不純物層を構成する場合、窒素、亜鉛、マグネシウム等が挙げられる。また、半導体基板30は、例えば、トレンチゲート構造を構成するためのトレンチが一面30a側から形成されたものであってもよい。
【0021】
そして、半導体基板30を他面30bがサセプタ20と対向するように配置する。その後、チャンバ10を密閉し、図示しない排気ポンプ等によってチャンバ10内を所定圧力にする。
【0022】
次に、サセプタ20の温度を調整し、サセプタ20からの伝熱により、半導体基板30を300℃以上に昇温させた後にサセプタ20への伝熱によって半導体基板30を降温させる加熱処理を行う。この場合、具体的には後述するが、半導体基板30を昇温させる際には、サセプタ20の昇温レートを規定することにより、半導体基板30の一面30aと他面30bとの間に温度差が発生し難くなるようにする。同様に、具体的には後述するが、半導体基板30を降温させる際には、サセプタ20の降温レートを規定することにより、半導体基板30の一面30aと他面30bとの間に温度差が発生し難くなるようにする。
【0023】
また、加熱処理を行う際には、供給口11からチャンバ10内に所定の雰囲気ガスを供給すると共に、排気口12から雰囲気ガスを排気しながら行う。例えば、半導体基板30を酸化処理するための加熱処理である場合には、雰囲気ガスとしての酸素を供給しながら加熱処理を行う。また、例えば、半導体基板30を酸化させずにイオン注入で注入した不純物を拡散させる加熱処理である場合には、雰囲気ガスとしての窒素やアルゴンを供給しながら加熱処理を行う。
【0024】
そして、サセプタ20を所定温度まで降温させた後は、チャンバ10の密閉状態を解除し、半導体基板30を取り出せるようにする。
【0025】
その後は、所定の製造プロセスを行い、所定の電極等を形成することで所望の半導体装置が製造される。
【0026】
以上が本実施形態における加熱処理を含む半導体装置の製造方法である。次に、本発明者らが実際に行った結果について説明する。
【0027】
まず、半導体基板30として、大きさが2インチであり、厚さが400μmのものを用意する。なお、半導体基板30は、上記のように、β-酸化ガリウムで構成され、一面30aまたは他面30bの面方向に[100]方向が含まれるものである。
【0028】
そして、本発明者らは、図2に示されるように加熱処理を行った。なお、図2では、雰囲気ガスとしての窒素ガスの流量を2slmとしている。
【0029】
具体的には、半導体基板30を昇温させる際には、半導体基板30内の伝熱時間を十分に確保し、半導体基板30の一面30aと他面30bとの間に大きな温度差が発生しないように、サセプタ20の昇温レートを100℃/minとした。そして、サセプタ20の温度を1000℃で約10分間維持した。その後、半導体基板30を降温させる際には、半導体基板30の一面30aと他面30bとの間に大きな温度差が発生しないように、サセプタ20の降温レートを100℃/minとした。そして、半導体基板30を取り出せる状態とする際のサセプタ20の温度を100℃以下とした後、チャンバ10の密閉状態を解除して半導体基板30を取り出した。
【0030】
また、本実施形態では、雰囲気ガスをチャンバ10に供給しながら加熱処理を行っているが、雰囲気ガスによって半導体基板30の一面30a側が冷却され難くするようにしている。本実施形態では、サセプタ20の熱によって加熱された雰囲気ガスに半導体基板30が晒されるようにしている。具体的には、本発明者らの検討によれば、単位分当たりの雰囲気ガスにおけるチャンバ10内のガス交換が、チャンバ10内の体積における100%以下となるように供給する雰囲気ガスの流量が制御されることにより、雰囲気ガスによって半導体基板30の一面30a側が冷却され難くなることが確認された。なお、本実施形態では、チャンバ10の体積が10Lであり、窒素ガスの流量が2slmであるため、窒素ガスの流量は、チャンバ10内の体積の100%以下である。
【0031】
本発明者らは、上記の条件で半導体基板30の加熱処理を行ったところ、半導体基板30が破断しなかったことを確認している。
【0032】
一方、比較例では、サセプタ20の昇温レートを6000℃/minとしてサセプタ20の温度を1000℃で10分間維持した。また、比較例では、サセプタ20の降温レートを6000℃/minとしてサセプタ20を300℃まで降温させ、半導体基板30を取り出せる状態として半導体基板30を取り出した。
【0033】
本発明者らは、上記の比較例の条件で半導体基板30の加熱処理を行ったところ、半導体基板30が破断してしまったことを確認している。そして、この破断について本発明者らが確認したところ、破断は[010]方向に沿って発生していることが確認された。この[010]方向は、一面30aと他面30bとの間の温度差による歪みが発生し易い[100]方向と90℃傾いた方向である。したがって、β-酸化ガリウムを加熱処理する場合には、[100]方向の線膨張係数が影響していると考えられる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態では、サセプタ20の昇温レートを100℃/min以下となる条件で半導体基板30を昇温させる。このため、半導体基板30を昇温させる際に半導体基板30の一面30aと他面30bとの間で温度差が発生し難くなり、半導体基板30が破断することを抑制できる。
【0035】
(1)本実施形態では、サセプタ20の降温レートを100℃/min以下となる条件で半導体基板30を降温させる。このため、半導体基板30を降温させる際に半導体基板30の一面30aと他面30bとの間で温度差が発生し難くなり、半導体基板30が破断することを抑制できる。
【0036】
(2)本実施形態では、半導体基板30を取り出せる状態にする際には、サセプタ20が100℃以下となるようにしている。このため、半導体基板30を取り出す際、外気との温度差によって半導体基板30が破断することを抑制できる。
【0037】
(3)本実施形態では、加熱された雰囲気ガスに半導体基板30が晒されるようにしている。このため、雰囲気ガスによって半導体基板30の一面30a側が冷却されることを抑制でき、一面30aと他面30bとの間の温度差が大きくなることを抑制できる。
【0038】
(4)本実施形態では、雰囲気ガスは、単位分当たりのチャンバ10内のガス交換が、チャンバ10における体積の100%以下となるように雰囲気ガスの流量が制御される。このため、雰囲気ガスによって半導体基板30の一面30a側が冷却されることを抑制でき、一面30aと他面30bとの間の温度差が大きくなることを抑制できる。
【0039】
(5)本実施形態では、半導体基板30は、2インチとされ、厚さが400μmとされることにより、加熱処理を行った際に破断することが抑制される。なお、半導体基板30は、厚さが薄くなるほど一面30aと他面30bとの間で温度差が発生し難くなる。つまり、上記の結果は、半導体基板30が400μm以下の厚さであれば同様となる。
【0040】
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0041】
例えば、上記第1実施形態において、雰囲気ガスは、チャンバ10の外部で加熱されてチャンバ10内に供給されるようにしてもよい。さらに、雰囲気ガスは、半導体基板30の一面30a側が雰囲気ガスによって冷却され難くなるのであれば、流量等も適宜変更可能である。
【0042】
また、上記第1実施形態において、半導体基板30の大きさ、および厚さは適宜変更可能である。
【0043】
[本発明の開示]
[第1の観点]
半導体装置の製造方法であって、
β-酸化ガリウムで構成される半導体基板(30)を用意することと、
チャンバ(10)内に配置されたサセプタ(20)上に前記半導体基板を配置することと、
前記チャンバを密閉することと、
前記サセプタの温度を調整することにより、伝熱によって前記半導体基板を昇温させた後に前記半導体基板を降温させる加熱処理を行うことと、
前記チャンバの密閉を解除して前記チャンバから前記半導体基板を取り出せる状態にすることと、を行い、
前記半導体基板を用意することでは、一面(30a)または他面(30b)が、(100)面に対して45~90°の範囲内にあるもの、または(001)面に対して45~90°の範囲内にあるものを用意し、
前記半導体基板を配置することでは、前記他面が前記サセプタと対向するように配置し、
前記加熱処理では、前記サセプタの昇温レートが100℃/min以下となる条件で前記サセプタを昇温させることにより、前記半導体基板を300℃以上に昇温させる半導体装置の製造方法。
【0044】
[第2の観点]
前記加熱処理では、前記サセプタの降温レートが100℃/minとなる条件で前記サセプタを降温させることにより、前記半導体基板を300℃以下に降温させる第1の観点に記載の半導体装置の製造方法。
【0045】
[第3の観点]
前記半導体基板を取り出せる状態にすることでは、前記サセプタを100℃以下にする第1または第22の観点に記載の半導体装置の製造方法。
【0046】
[第4の観点]
前記加熱処理は、前記チャンバ内に雰囲気ガスを供給すると共に前記雰囲気ガスを排気しながら行い、かつ、前記半導体基板が加熱された雰囲気ガスに晒されるようにする第1ないし第3の観点のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【0047】
[第5の観点]
前記加熱処理は、単位分当たりの前記雰囲気ガスにおける前記チャンバ内のガス交換が、前記チャンバにおける体積の100%以下となるように前記雰囲気ガスの流量を調整する第4の観点に記載の半導体装置の製造方法。
【0048】
[第6の観点]
前記半導体基板を用意することでは、2インチである前記半導体基板を用意する第1ないし第5の観点のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【0049】
[第7の観点]
前記半導体基板を用意することでは、前記一面と他面との間の厚さが400μm以下である前記半導体基板を用意する第1ないし第6の観点のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0050】
10 チャンバ
20 サセプタ
30 半導体基板
図1
図2