(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125842
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】物品の搬送方法、および、物品の搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/248 20060101AFI20240911BHJP
B65G 47/91 20060101ALI20240911BHJP
B65B 5/04 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B65G47/248 Z
B65G47/91 Z
B65B5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033940
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3E003
3F072
3F081
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003BA03
3E003BA05
3E003BB04
3E003BC06
3E003BD08
3E003DA02
3E003DA05
3F072AA09
3F072GA10
3F072GD01
3F072GD03
3F072GF01
3F072JA03
3F072KA00
3F072KD03
3F081AA20
3F081BE09
3F081BF04
3F081BF06
3F081BF23
3F081CE04
(57)【要約】
【課題】容器間における物品の搬送を適切に行うこと。
【解決手段】実施形態に係る物品の搬送方法は、設定工程と、第1回転工程と、切断工程と、載置工程と、第2回転工程と、取出工程とを有する。設定工程は物品の種類に応じて、物品が収容された第1容器の回転速度を設定する。第1回転工程は、物品が収容された第1容器の上下が入れ替わるように、第1容器を回転速度で回転させる。切断工程は、回転された第1容器を全周にわたり切断し、第1容器に開口部を形成する。載置工程は、第1容器の開口部を覆うように、第1容器の開口部よりも大きい第2容器を、第1容器にかぶせる。第2回転工程は、第1容器と、第2容器とを押さえながら、第1容器と、第2容器との上下が入れ替わるように、第1容器と、第2容器とを回転速度で回転させる。取出工程は、第1容器を上方に取り出す。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の種類に応じて、前記物品が収容された第1容器の回転速度を設定する設定工程と、
前記物品が収容された前記第1容器の上下が入れ替わるように、前記第1容器を前記回転速度で回転させる第1回転工程と、
回転された前記第1容器を全周にわたり切断し、前記第1容器に開口部を形成する切断工程と、
前記第1容器の前記開口部を覆うように、前記第1容器の前記開口部よりも大きい第2容器を、前記第1容器にかぶせる載置工程と、
前記第1容器と、前記第2容器とを押さえながら、前記第1容器と、前記第2容器との上下が入れ替わるように、前記第1容器と、前記第2容器とを前記回転速度で回転させる第2回転工程と、
前記第1容器を上方に取り出す取出工程と
を有する、物品の搬送方法。
【請求項2】
前記物品は、
予め設定された所定種類の前記物品と、前記所定種類とは異なる他種類の前記物品とを含み、
前記設定工程は、
前記所定種類の前記物品が収容された前記第1容器の前記回転速度と、前記他種類の前記物品が収容された前記第1容器の前記回転速度とを異ならせる、
請求項1に記載の物品の搬送方法。
【請求項3】
前記所定種類の前記物品は、
前記他種類の前記物品より回転時の安定性を優先させる物品であり、
前記設定工程は、
前記所定種類の前記物品が収容された前記第1容器の前記回転速度を、前記他種類の前記物品が収容された前記第1容器の前記回転速度よりも低下させる、
請求項2に記載の物品の搬送方法。
【請求項4】
物品が収容される容器を把持する把持アームと、
前記容器を切断する切断装置と、
前記把持アーム、および、前記切断装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記物品の種類に応じて、前記物品が収容された第1容器の回転速度を設定し、
前記物品が収容された前記第1容器の上下が入れ替わるように、前記把持アームによって前記第1容器を前記回転速度で回転させ、
回転された前記第1容器を前記切断装置によって全周にわたり切断し、前記第1容器に開口部を形成する切断工程と、
前記第1容器の前記開口部を覆うように、前記把持アームによって前記第1容器に、前記第1容器の前記開口部よりも大きい第2容器をかぶせ、
前記把持アームによって前記第1容器と、前記第2容器とを押さえながら、前記第1容器と、前記第2容器との上下が入れ替わるように、前記把持アームによって前記第1容器と、前記第2容器とを前記回転速度で回転させ、
前記把持アームによって前記第1容器を上方に取り出させる、
物品の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、物品の搬送方法、および、物品の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、物品を保管用の容器に収容し、物品が収容された保管用の容器を保管庫に保管する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保管庫に保管される物品は、他の容器などから、保管用の容器に搬送されて収容される。すなわち、物品は、容器間で搬送される(移し替えられる)。しかしながら、従来の技術には、容器間における物品の搬送を適切に行うという点で、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、容器間における物品の搬送を適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る物品の搬送方法は、設定工程と、第1回転工程と、切断工程と、載置工程と、第2回転工程と、取出工程とを有する。設定工程は物品の種類に応じて、前記物品が収容された第1容器の回転速度を設定する。第1回転工程は、前記物品が収容された前記第1容器の上下が入れ替わるように、前記第1容器を前記回転速度で回転させる。切断工程は、回転された前記第1容器を全周にわたり切断し、前記第1容器に開口部を形成する。載置工程は、前記第1容器の前記開口部を覆うように、前記第1容器の前記開口部よりも大きい第2容器を、前記第1容器にかぶせる。第2回転工程は、前記第1容器と、前記第2容器とを押さえながら、前記第1容器と、前記第2容器との上下が入れ替わるように、前記第1容器と、前記第2容器とを前記回転速度で回転させる。取出工程は、前記第1容器を上方に取り出す。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、容器間における物品の搬送を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る物品の搬送装置の概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の制御系ブロック図である。
【
図3】
図3は、回転速度情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る搬送装置における入替処理を説明するフローチャートである。
【
図5】
図5は、入替処理の各工程における状態を説明する図である。
【
図6】
図6は、情報処理装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
実施形態に係る物品100の搬送装置1について、
図1を参照し説明する。
図1は、実施形態に係る物品100の搬送装置1の概略を示す図である。
【0011】
搬送装置1は、搬送部2と、複数のロボットアーム3と、カメラ4と、情報処理装置5(制御装置)とを備える。搬送部2は、物品100(
図5参照)を収容した容器10を搬送する。搬送部2は、たとえば、ベルトコンベアである。
【0012】
容器10は、第1容器11(
図5参照)と、第2容器12(
図5参照)とを含む。搬送装置1は、物品100を第1容器11から、第2容器12に搬送する。具体的には、搬送装置1は、物品100を第1容器11から第2容器12に移動させる。すなわち、搬送装置1は、物品100を第1容器11から第2容器12に移し替える。
【0013】
第1容器11は、段ボールである。第1容器11には、たとえば、複数の物品100が収容される。第2容器12は、たとえば、貯蔵部(倉庫、および、棚など)において、物品100を管理するための容器(トート)である。第2容器12の上方には、開口部12a(
図5参照)が形成される。第2容器12は、第1容器11よりも大きい。詳しくは、第2容器12は、第1容器11の開口部11c(
図5参照)よりも大きい。より詳しくは、第2容器12の大きさは、第1容器11にかぶせることができる大きさである。具体的には、第2容器12には、開口部12aから、第1容器11を挿入可能である。
【0014】
物品100は、たとえば、貯蔵部において第2容器12に収容されて管理される。第2容器12に収容された物品100は、出庫情報に基づいてカートロボットによってピッキング作業が行われて搬送される。
【0015】
出庫情報は、たとえば、予め指示されたリスト、および、注文書などに関する情報である。ピッキング作業とは、必要な物品100(荷物)を集める(ピックアップする)仕事のことである。カートロボットは、ピッキングスタッフである。ピッキングスタッフは、倉庫内の物品100を出荷するために欠かせない役割を持つため、あらゆるジャンルの倉庫に配置される。ピッキングスタッフは、人型ロボットを含む。なお、容器10の種類、ピッキング作業などは、上記一例に限られることはない。
【0016】
複数のロボットアーム3は、複数の把持アーム20と、切断アーム21(切断装置)とを含む。把持アーム20は、容器10を回転させるように構成される。具体的には、把持アーム20は、容器10の上下が入れ替わるように、容器10を回転させる。また、把持アーム20は、第2容器12を把持し、かつ、第2容器12を第1容器11にかぶせるように構成される。また、第1容器11に第2容器12がかぶせられた状態において、把持アーム20は、第1容器と第2容器とを押さえながら、第1容器11と第2容器12との上下が入れ替わるように、第1、第2容器11,12を回転させる。なお、上記した第1、第2容器11,12を含む容器10を回転させる速度(以下、「回転速度」と記載する場合がある)については、後述する。なお、回転速度は、把持アーム20による回転動作の速度である。
【0017】
また、把持アーム20は、切断アーム21によって切断された第1容器11の一部を搬送するように構成される。また、把持アーム20は、下敷きを第1容器11にかぶせるように構成される。
【0018】
把持アーム20は、複数の棒部20aと、複数の関節部20bとを有する。関節部20bは、たとえば、2つの棒部20aとの間に設けられ、2つの棒部20aを相対的に回転可能とする。各関節部20bは、モータを有する。各関節部20bにおけるモータの駆動力によって、棒部20aが相対的に回転することで、把持アーム20は、伸縮し、360度回転可能となる。
【0019】
把持アーム20の先端部には、把持部20cが設けられる。把持部20cは、たとえば、吸引によって容器10を把持する。
【0020】
把持アーム20は、把持部20cによって容器10(たとえば容器10の側面)を把持した状態で、持ち上げながら容器10を回転できるように構成される。たとえば、把持部20cは、棒部20aに対して回転可能となるように、取り付けられる。把持部20cは、把持部20cが取り付けられる棒部20aの長さ方向の軸を中心に回転可能となるように、取り付けられる。
【0021】
把持アーム20は、容器10を吸引して把持する。また、把持アーム20は、容器10を押さえて支持する。
【0022】
切断アーム21は、第1容器11の一部を切断するように構成される。切断アーム21は、第1容器11を全周にわたり切断するように構成される。切断アーム21は、搬送部2に載置された第1容器11の側面を全周にわたり切断するように構成される。切断アーム21は、把持アーム20と同様に、複数の棒部21aと、複数の関節部21bとを有する。切断アーム21の先端には、切断部21cが設けられる。切断部21cは、たとえば、カッターである。第1容器11の切断箇所は、たとえば、第1容器11に収容された物品100が、第1容器11の切断後に、第1容器11からこぼれたり、倒れたりしない箇所である。
【0023】
ロボットアーム3には、それぞれ検出部が設けられる。検出部は、カメラである。カメラは、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、レンズとを備える。検出部は、ソリッドステートLiDAR(light detection and ranging)、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサの少なくとも1つを含んでもよい。検出部は、MoPU(Motion Processing Unit)を含んでもよい。MoPUは、高解像度カメラによる動きを検知するユニットである。MoPUは、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで撮影された物体の画像から、撮影された物体の動きを示す動き情報を、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで出力する。更に、物体の存在位置を示す点の、所定の座標軸に沿った動きのベクトル情報を動き情報として出力する。すなわち、MoPUから出力される動き情報には、撮影された物体が何であるか(例えば、人なのか、障害物なのか)を識別するために必要な情報は含まれておらず、当該物体の中心点(又は重心点)などの座標軸(x軸、y軸、z軸)上の動き(移動方向と移動速度)を示す情報のみが含まれている。
【0024】
カメラ4は、搬送部2を搬送される第1容器11(
図5参照)を撮影する。カメラ4は、撮影した画像データを情報処理装置5へ出力する。なお、カメラ4は、1台であっても、複数台であってもよい。また、
図1では、カメラ4が、搬送部2を搬送される第1容器11の上方に設置される例を示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、カメラ4は、第1容器11の側方や、ロボットアーム3など任意の場所に設置可能である。
【0025】
次に、情報処理装置(制御装置)5について
図2を参照しつつ説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置5の制御系ブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置5は、情報取得部50と、制御部51と、情報蓄積部52とを備える。
【0026】
情報取得部50は、検出部によって検知された情報を取得する。また、情報取得部50は、カメラ4によって撮影された画像データを取得する。なお、情報取得部50は、コントロールセンタなどから送信される、物品100などに関する情報を取得してもよい。物品100などに関する情報には、物品100の種類を示す情報が含まれてもよい。
【0027】
情報蓄積部52は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。情報蓄積部52は、制御部51によって実行される各種のプログラムを記憶する。情報蓄積部52は、情報取得部50によって取得された情報を記憶する。
【0028】
情報蓄積部52は、容器10の回転速度(詳しくは第1、第2容器11,12を含む容器10)の回転速度を示す回転速度情報を記憶する。
図3は、回転速度情報52aの一例を示す図である。
【0029】
図3に示すように、回転速度情報52aには、「回転速度情報ID」、「物品の種類」、「安定性の優先度」および「回転速度」等の項目が含まれ、各項目のデータは互いに関連付けられている(紐付けられている)。なお、「物品の種類」、「安定性の優先度」および「回転速度」の各項目に含まれる情報は、予め設定される情報であるが、これに限定されるものではない。
【0030】
「回転速度情報ID」は、回転速度情報を識別する情報である。「物品の種類」は、物品100の種類を示す情報である。「物品の種類」には、たとえば電子機器、精密機器、家電、衣料品、食料品、書籍などの情報であるが、これらは例示であって限定されるものではない。なお、
図3に示す例では、便宜上、「物品の種類」を「B01」といったように抽象的な記載とするが、「B01」には具体的な情報が記憶されるものとする。
【0031】
本実施形態にあっては、上記した物品100の種類に応じて、容器10の回転速度が設定されることで、容器10間における物品100の搬送を適切に行うことができるようにしたが、これについては後述する。
【0032】
「安定性の優先度」は、対応する物品100が容器10間で搬送されるときに安定性を優先する度合いを示す情報である。言い換えると、物品100が収容された容器10は、把持アーム20によって回転させられるが、「安定性の優先度」は、この回転時における安定性を優先する度合いを示す情報である。「安定性の優先度」は、たとえば高、中、低などと段階的に設定される。なお、
図3では、「安定性の優先度」が3段階である例を示したが、これに限定されるものではなく、2段階あるいは4段階以上であってもよい。
【0033】
具体的に説明すると、「物品の種類」のうち電子機器、精密機器、家電などは、物品の性質上、回転時(搬送時)の振動などの影響を受け易い。そのため、電子機器等は、回転時の振動などが比較的少ない方が好ましく、よって回転時の安定性が優先される。言い換えると、電子機器等は、回転時のスピード性より安定性が優先される。したがって、「物品の種類」が電子機器等に対応する「安定性の優先度」は、高くなるように設定される。
【0034】
また、「物品の種類」のうち衣料品、食料品、書籍などは、電子機器等に比べて回転時の振動などに対する耐性が高く、よって回転時の安定性よりスピード性が優先される。言い換えると、衣料品等は、回転時の安定性をある程度確保しつつスピード性が優先される。したがって、「物品の種類」が衣料品等に対応する「安定性の優先度」は、中程度あるいは低くなるように設定される。別言すれば、「物品の種類」が衣料品等に対応する「安定性の優先度」は、電子機器等に対応する「安定性の優先度」より低くなるように設定される。
【0035】
なお、上記した電子機器、精密機器、家電などは、所定種類の物品の一例である。また、上記した衣料品、食料品、書籍などは、所定種類とは異なる他種類の物品の一例である。したがって、所定種類の物品(ここでは電子機器等)は、他種類の物品(ここでは衣料品等)より搬送時の安定性を優先させる物品である。
【0036】
「回転速度」は、容器10の回転速度を示す情報である。詳しくは、「回転速度」は、物品100が収容された容器10(第1容器11)の回転速度である。言い換えると、「回転速度」は、把持アーム20が物品100を収容する容器10(第1容器11)を回転させるときの回転速度を示す情報である。
【0037】
「回転速度」は、たとえば高速、中速、低速などと段階的に設定される。具体的には、安定性の優先度が高い「物品の種類」に対応する「回転速度」は、低速に設定される。安定性の優先度が中程度の「物品の種類」に対応する「回転速度」は、低速より速い中速に設定される。安定性の優先度が低い「物品の種類」に対応する「回転速度」は、低速あるいは中速より速い高速に設定される。なお、
図3では、「回転速度」が3段階である例を示したが、これに限定されるものではなく、2段階あるいは4段階以上であってもよい。
【0038】
図3に示す例では、回転速度情報ID「A01」で識別される回転速度情報は、物品の種類が「B01」、安定性の優先度が「高」、回転速度が「低速」であることを示している。また、回転速度情報ID「A02」で識別される回転速度情報は、物品の種類が「B02」、安定性の優先度が「中」、回転速度が「中速」であることを示している。また、回転速度情報ID「A03」で識別される回転速度情報は、物品の種類が「B03」、安定性の優先度が「低」、回転速度が「高速」であることを示している。
【0039】
図2の説明を続けると、制御部51は、搬送部2を制御する。また、制御部51は、検出部、および、カメラ4による検出結果に基づいて、各ロボットアーム3を制御する。
【0040】
制御部51は、カメラ4によって取得された画像データに基づいて、第1容器11に収容された物品100の種類を特定する。たとえば、制御部51は、画像データに所定の画像処理を行うことで、第1容器11に記載された文字などを認識し、第1容器11に収容された物品100の種類を特定する。なお、センサによって第1容器11に記載された情報などが検出されることで、第1容器11に収容された物品100の種類が特定されてもよい。たとえば、第1容器11に記載されたバーコードが、バーコードリーダとして機能するカメラ4によって読み取られることで、第1容器11に収容された物品100の種類が特定されてもよい。第1容器11に収容された物品100の種類は、コントロールセンタなどから送信される情報に基づいて特定されてもよい。
【0041】
制御部51は、第1容器11に収容された物品100の種類に応じて、物品100が収容された第1容器11の回転速度を設定(決定)する。たとえば、制御部51は、特定した物品100の種類と、上記した回転速度情報52a(
図3参照)とに基づいて、物品100が収容された第1容器11の回転速度を設定する。具体的には、制御部51は、物品100の種類を特定すると、回転速度情報52aを参照し、特定した物品100の種類に対応する回転速度情報を、物品100が収容された第1容器11の回転速度として設定する。
【0042】
制御部51は、各ロボットアーム3を制御することで、物品100を第1容器11から第2容器12に搬送する。このとき、制御部51は、後述するように、物品100が収容された第1容器11の上下が入れ替わるように、設定した回転速度で第1容器11を回転させたり、第1、第2容器11,12の上下が入れ替わるように、設定した回転速度で第1、第2容器11,12を回転させたりして、物品100を第1容器11から第2容器12に搬送する(移し替える)。
【0043】
また、制御部51は、物品100、第1容器11、および、第2容器12の種類に応じて、各ロボットアーム3を制御する。たとえば、制御部51は、検出部による検出結果と、AI(Artificial intelligence)とを用いて、物品100を、第1容器11から第2容器12に移し替える。
【0044】
次に、実施形態に係る搬送装置1における入替処理について、
図4、および、
図5を用いて説明する。
図4は、実施形態に係る搬送装置1における入替処理を説明するフローチャートである。
図5は、入替処理の各工程における状態を説明する図である。
【0045】
図4に示すように、制御部51は先ず、設定工程を行う(ステップS100)。制御部51は、物品100が収容された第1容器11の回転速度を設定する。たとえば、制御部51は、カメラ4によって取得された画像データに基づいて、第1容器11に収容された物品100の種類を特定する。そして、制御部51は、特定した物品100の種類に応じて、物品100が収容された第1容器11の回転速度を設定する。
【0046】
制御部51は、設定工程を行った後に、第1回転工程を行う(ステップS101)。たとえば、制御部51は、搬送部2によって搬送された第1容器11の上下が入れ替わるように、第1容器11を、設定した回転速度で回転させる。
【0047】
詳説すると、搬送部2によって搬送される第1容器11では、物品100が予め設定された向きを向くように収容されている。予め設定された向きは、物品100のうち、予め設定された上方部が、上下方向において上側となり、予め設定された下方部が、上下方向において下側となる向きである。具体的には、予め設定された向きは、第1容器11の載置面が、物品100の下方となる向きである。
【0048】
たとえば、搬送部2によって搬送された
図5の(a)に示す第1容器11では、物品100は、予め設定された向きを向いた状態で収容されている。
【0049】
制御部51は、把持アーム20によって第1容器11を把持して持ち上げ、第1容器11の上下が入れ替わるように、第1容器11を、設定した回転速度で180度回転させる。これにより、
図5の(a)において上面側となっていた第1容器11の第1面11aが、
図5の(b)に示すように、下面側となる。また、
図5の(a)において下面側となっていた第1容器11の第2面11bが、
図5の(b)に示すように、上面側となる。第1容器11が180度回転されることで、第1容器11の載置面は、物品100の上方に位置する。
【0050】
ここで、上記した回転速度は、物品100の種類に応じて設定されているため、容器10間における物品100の搬送を適切に行うことができる。すなわち、本実施形態に係る制御部51は、第1容器11の回転速度を、収容される物品100の種類に即した値に設定することが可能となり、よって物品100の搬送を適切に行うことができる。
【0051】
具体的には、制御部51は、電子機器等の物品100(所定種類の物品100)が収容された第1容器11の回転速度と、衣料品等の物品100(他種類の物品100)が収容された第1容器11の回転速度とを異ならせるようにする。詳しくは、制御部51は、物品100の種類が、電子機器等であり、回転時(搬送時)の安定性の優先度が比較的高い場合の第1容器11の回転速度と、物品100の種類が、衣料品等であり、回転時の安定性の優先度が電子機器等に比べて低い場合の第1容器11の回転速度とを異ならせるようにする。
【0052】
このように、制御部51は、第1容器11の回転速度を、物品100の種類によって異ならせるようにした。これにより、本実施形態にあっては、物品100の種類に即した第1容器11の回転速度を設定することが可能となり、よって第1容器11の回転を含む物品100の搬送を適切に行うことができる。
【0053】
より具体的に説明すると、制御部51は、第1容器11に収容される物品100の種類が、電子機器等であり、衣料品等より回転時の安定性を優先させる物品100である場合、電子機器等の物品100(所定種類の物品100)が収容された第1容器11の回転速度を、衣料品等(他種類の物品100)が収容された第1容器11の回転速度よりも低下させる。言い換えると、制御部51は、所定種類の物品100が収容された第1容器11の回転速度を低速にする。
【0054】
これにより、本実施形態にあっては、電子機器等の物品100(所定種類の物品100)が収容された第1容器11は、比較的低速で安定して回転されるため、物品100に対する振動などが生じにくく、第1容器11の回転を含む物品100の搬送をより適切に行うことができる。
【0055】
また、制御部51は、第1容器11に収容される物品100の種類が、衣料品等であり、電子機器等より回転時のスピード性を優先させる物品100である場合、衣料品等の物品100(他種類の物品100)が収容された第1容器11の回転速度を、電子機器等の物品100(所定種類の物品100)が収容された第1容器11の回転速度より増加させる。言い換えると、制御部51は、他種類の物品100が収容された第1容器11の回転速度を中速または高速にする。
【0056】
これにより、本実施形態にあっては、衣料品等の物品100(他種類の物品100)が収容された第1容器11は、中速または高速で安定性を確保しつつ素早く回転されるため、第1容器11の回転を含む物品100の搬送をより適切に行うことができる。
【0057】
このように、本実施形態にあっては、収容される物品100の種類に応じて、第1容器11の回転速度を設定することで、第1容器11の回転を含む物品100の搬送時の安定性とスピード性の両立を図ることができる。
【0058】
制御部51は、第1回転工程を行った後に、切断工程を行う(ステップS102)。制御部51は、第1回転工程によって回転された第1容器11を全周にわたり切断する。たとえば、制御部51は、
図5の(c)に示すように、切断アーム21によって、第1容器11の上方側を全周にわたり切断する。これにより、第1容器11に開口部11cが形成される。なお、切断された第1容器11の一部、具体的には、第1容器11の第2面11bを含む上方側の一部は、把持アーム20によって、取り除かれる。
【0059】
切断アーム21における第1容器11の切断箇所は、第1容器11に収容される物品100に応じて設定される。第1容器11の切断箇所は、物品100の特徴に応じて設定される。物品100の特徴は、物品100の形状、および、物品100の高さなどを含む。たとえば、物品100の形状が円柱状である場合、第1容器11において最も上方に収容された物品100の半分の高さ以上の第1容器11の側面が残るように、第1容器11の切断箇所が設定される。たとえば、物品100の形状が球状である場合、第1容器11の切断箇所は、回転後の第1容器11の上端付近に設定される。
【0060】
第1容器11に収容される物品に関する情報は、情報取得部50を介して取得される。制御部51は、取得した物品100に関する情報に基づいて第1容器11の切断箇所を設定する。なお、第1容器11に収容される物品100は、ロボットアーム3に設けられた検出部以外の装置によって検出されてもよい。たとえば、第1容器11に収容される物品100は、X線装置によって検出されてもよい。
【0061】
切断アーム21における第1容器11の切断箇所は、第1容器11の種類に応じて設定されてもよい。第1容器11の種類は、たとえば、第1容器11の大きさを含む。たとえば、第1容器11の種類、および、第1容器11の切断箇所に関する情報は、予め情報蓄積部52に記憶される。制御部51は、たとえば、特定された第1容器11の種類に応じて、第1容器11の切断箇所に関する情報を情報蓄積部52から読み出し、第1容器11の切断箇所を設定する。
【0062】
制御部51は、切断工程を行った後に、載置工程を行う(ステップS103)。制御部51は、
図5の(d)に示すように、第1容器11に形成された開口部11cに、下敷き40を載置する。制御部51は、把持アーム20によって、開口部11cを覆うように下敷き40を載置する。具体的には、制御部51は、第1容器11に収容された複数の物品100の上方を覆うように下敷き40を載置する。下敷き40は、第1容器11、および、第2容器12の大きさに応じて、複数種類設けられる。制御部51は、複数種類の下敷き40の中から、第1容器11、および、第2容器12の大きさに応じた下敷き40を選択する。制御部51は、選択した下敷き40を載置する。
【0063】
制御部51は、下敷き40を載置した後に、第2容器12を第1容器11にかぶせる。制御部51は、第1容器11の開口部11cを覆うように、第1容器11の開口部11cよりも大きい第2容器12を、第1容器11にかぶせる。具体的には、制御部51は、下敷き40の上方から第2容器12を第1容器11にかぶせる。制御部51は、
図5の(e)に示すように、把持アーム20によって第2容器12を把持し、第2容器12を第1容器11の上方からかぶせる。第2容器12は、開口部12aが下方を向いた状態で、第1容器11の上方から、第1容器11にかぶせられる。
【0064】
制御部51は、載置工程を行った後に、第2回転工程を行う(ステップS104)。制御部51は、第1容器11と、第2容器12とを押さえながら、第1容器11と第2容器12との上下が入れ替わるように、第1容器11、および、第2容器12を、ステップS100で設定した回転速度で回転させる。具体的には、制御部51は、
図5の(f)に示すように、第1容器11、および、第2容器12を把持アーム20によって把持して持ち上げ、第1容器11、および、第2容器12の上下が入れ替わるように、第1容器11、および、第2容器12を設定した回転速度で180度回転させる。これにより、第1容器11の第1面11aが、再び、上面側となる。また、物品100は、予め設定された向きとなる。
【0065】
第2回転工程にあっても、第1回転工程と同様に、上記した回転速度が、物品100の種類に応じて設定されているため、容器10間における物品100の搬送を適切に行うことができる。すなわち、本実施形態に係る制御部51は、第1容器11(正確には第1、第2容器11,12)の回転速度を、収容される物品100の種類に即した値に設定することが可能となり、第1回転工程と同様、物品100の搬送を適切に行うことができる。
【0066】
なお、上記では、第1回転工程において第1容器11を回転させる回転速度と、第2回転工程において第1容器11および第2容器12を回転させる回転速度とが同じである例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、第1回転工程おける第1容器11の回転速度と、第2回転工程における第1容器11および第2容器12の回転速度とは、安全一致していなくてもよく、互いに異なる回転速度であってもよい。たとえば、第2回転工程での第1、第2容器11,12の回転速度は、第1、第2容器11,12を押さえながら回転させる分だけ、第1回転工程で第1容器11のみを回転させる回転速度より遅くなるように設定されてもよい。
【0067】
制御部51は、第2回転工程を行った後、取出工程を行う(ステップS105)。制御部51は、第1容器11を上方に取り出す。制御部51は、たとえば、
図5の(g)に示すように、把持アーム20によって第1容器11の第1面11aを把持し、第1容器11を上方に取り出す。これにより、第2容器12では、物品100の下に下敷き40が敷かれた状態で、収容される。
【0068】
上述してきたように、物品100の搬送方法は、設定工程と、第1回転工程と、切断工程と、載置工程と、第2回転工程と、取出工程とを有する。設定工程は物品100の種類に応じて、物品100が収容された第1容器11の回転速度を設定する。第1回転工程は、物品100が収容された第1容器11の上下が入れ替わるように、第1容器11を回転速度で回転させる。切断工程は、回転された第1容器11を全周にわたり切断し、第1容器11に開口部11cを形成する。載置工程は、第1容器11の開口部11cを覆うように、第1容器11の開口部11cよりも大きい第2容器12を、第1容器11にかぶせる。第2回転工程は、第1容器11と、第2容器12とを押さえながら、第1容器11と、第2容器12との上下が入れ替わるように、第1容器11と、第2容器12とを回転速度で回転させる。取出工程は、第1容器11を上方に取り出す。
【0069】
このように、第1容器11の回転速度は、物品100の種類に応じて設定されているため、容器10間における物品100の搬送(詳しくは、第1容器11から第2容器12への物品100の搬送)を適切に行うことができる。すなわち、本実施形態にあっては、第1容器11の回転速度を、収容される物品100の種類に即した値に設定することが可能となり、よって物品100の搬送を適切に行うことができる。
【0070】
なお、上記実施形態では、載置工程において、下敷き40が載置される一例について説明したが、これに限られることはない。変形例では、載置工程において、下敷き40が載置されなくてもよい。すなわち、第2容器12には、下敷き40が設けられなくてもよい。
【0071】
なお、第2容器12は、第1容器11の開口部11cよりも面積が大きい平板であってもよい。
【0072】
図6は、情報処理装置5として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0073】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0074】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0075】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0076】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0077】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0078】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0079】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0080】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0081】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0082】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0083】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0084】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0085】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0086】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0087】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0088】
1 搬送装置
3 ロボットアーム
4 カメラ
5 情報処理装置(制御装置)
10 容器
11 第1容器
11c 開口部
12 第2容器
20 把持アーム
21 切断アーム(切断装置)
40 下敷き
51 制御部
100 物品