(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012587
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ポンピング装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20240123BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A61M5/142 504
A61M5/172
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193521
(22)【出願日】2023-11-14
(62)【分割の表示】P 2021529331の分割
【原出願日】2019-11-26
(31)【優先権主張番号】62/771,463
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517408184
【氏名又は名称】ケイピーアール ユーエス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ビアマン、 ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】トレルフォード、 レスター ポール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ポンプセットに係合するポンピングシステムを有するポンピング装置と共に使用するカセットを提供する。
【解決手段】カセット5は、カセットをポンピング装置1に取り付けるためにポンピング装置に解放可能に取り付けるように構成されたカセット本体を含む。カセット本体は、少なくとも1つの取り付け形成物を有する。カセット本体の取り付け形成物により、少なくとも1つの識別部材がカセット本体に取り付けられる。識別部材及び取り付け形成物は、識別部材を複数の所定の向きのいずれか1つで取り付けるように形成される。各所定の向きは、ポンプセットの異なる機能的構成を示す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプセットに係合するポンピングシステムを有するポンピング装置と共に使用するカ
セットであって、
前記カセットを前記ポンピング装置に取り付けるために前記ポンピング装置に解放可能
に取り付けるように構成されたカセット本体であって、少なくとも1つの取り付け形成物
を有するカセット本体と、
前記カセット本体の取り付け形成物によって前記カセット本体に取り付けられる少なく
とも1つの識別部材であって、前記識別部材及び前記取り付け形成物は前記識別部材を複
数の所定の向きのうちのいずれか1つで取り付けるように形成され、各所定の向きは前記
ポンプセットの異なる機能的構成を示す、識別部材と
を備えるカセット。
【請求項2】
前記カセット本体に取り付けられたフィッティングをさらに備え、前記フィッティング
は、前記少なくとも1つの取り付け形成物を含む、請求項1に記載のカセット。
【請求項3】
チューブをさらに備え、前記フィッティングは、入口ポート及び出口ポートを含み、前
記チューブは、前記入口ポートを前記出口ポートに接続する、請求項2に記載のカセット
。
【請求項4】
前記少なくとも1つの識別部材は、軸方向に磁化された磁石であり、前記複数の所定の
向きは、前記磁石のN極及びS極の一方が第1の方向を向くものと、前記磁石のN極及び
S極の前記一方が前記第1の方向とは反対の第2の方向を向くものとを含む、請求項1に
記載のカセット。
【請求項5】
前記少なくとも1つの識別部材は、直径方向に磁化された磁石であり、前記複数の所定
の向きは、前記磁石の複数の角度位置を含む、請求項1に記載のカセット。
【請求項6】
前記少なくとも1つの識別部材は、単一の識別部材から成り、前記単一の識別部材及び
取り付け形成物は、最大8つの異なる機能的構成を示すように構成される、請求項1に記
載のカセット。
【請求項7】
前記少なくとも1つの識別部材は磁石を含み、前記少なくとも1つの取り付け形成物は
前記カセット本体内のポケットを含む、請求項1に記載のカセット。
【請求項8】
複数の識別部材をさらに備え、前記識別部材は、前記ポンプセットの機能的構成を、供
給、供給/洗浄、供給Wi-Fi、供給/洗浄Wi-Fi、新生児供給、新生児供給/洗
浄、新生児供給Wi-Fi、及び新生児供給/洗浄Wi-Fiのうちの1つとして示すよ
うに、前記カセット本体に位置決め及び配置される、請求項1に記載のカセット。
【請求項9】
チューブをさらに備え、前記カセット本体は、前記チューブの少なくとも一部を受け入
れる内部を有するハウジングを画定する、請求項1に記載のカセット。
【請求項10】
ポンプセットのカセットに用いるフィッティングアセンブリであって、
入口ポートと出口ポートとを備える本体であって、前記カセットに取り付けられるよう
に構成された本体と、
前記ポンプセットの機能的構成を示すために前記本体に取り付けられた少なくとも1つ
の識別部材と
を備えるフィッティングアセンブリ。
【請求項11】
前記本体に形成されたポケットをさらに備え、前記少なくとも1つの識別部材は、前記
ポケットに受け入れられた磁石を含む、請求項10に記載のフィッティングアセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの識別部材は、軸方向に磁化された磁石及び直径方向に磁化された
磁石の一方である、請求項10に記載のフィッティングアセンブリ。
【請求項13】
カセットを組み立てる方法であって、
ポンプセットを係合するポンピングシステムを有するポンピング装置と共に使用するカ
セットを提供することと、
前記ポンプセットの機能的構成を示すために少なくとも1つの識別部材を前記カセット
に取り付けることと
を含む方法。
【請求項14】
前記識別部材は磁石であり、前記少なくとも1つの識別部材を前記カセットに取り付け
ることは、前記磁石のN極及びS極の一方が前記ポンプセットの機能的構成を示すために
前記ポンピング装置内のセンサによって識別されるように前記カセットから離れた方向を
向く状態で、前記磁石を前記カセットに選択的に取り付けることを含む、請求項13に記
載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの識別部材は、前記ポンプセットの機能的構成を示すために前記ポ
ンピング装置内の角度磁石センサによって識別されるように直径方向に磁化された磁石で
ある、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
流量制御システムであって、
ポンピング装置とセンサとを含む流量制御装置と、
カセットと前記カセットに取り付けられたチューブとを含むポンプセットと
を備え、
前記カセットは、前記カセット及び前記チューブを前記流量制御装置に取り付けるため
に前記流量制御装置に解放可能に取り付けるように構成され、
前記カセットは、少なくとも1つの取り付け形成物と、前記取り付け形成物によって前
記カセットに取り付けられた少なくとも1つの識別部材とを有し、
前記識別部材及び前記取り付け形成物は、前記識別部材を複数の所定の向きのうちのい
ずれか1つで取り付けるように形成され、
各所定の向きは、前記ポンプセットの異なる機能的構成を示し、
前記センサは、前記ポンプセットの機能的構成を特定するために前記少なくとも1つの
識別部材の存在及び向きを検出するように構成される、システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの識別部材は軸方向に磁化された磁石であり、前記複数の所定の向
きは、前記磁石のN極及びS極の一方が第1の方向を向くものと、前記磁石のN極及びS
極の前記一方が前記第1の方向とは反対の第2の方向を向くものとを含み、前記センサは
ホール効果センサを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの識別部材は、直径方向に磁化された磁石であり、前記複数の所定
の向きは、前記磁石の複数の角度位置を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記センサは角度磁石センサを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記流量制御装置は、複数のセンサを備え、各センサは、前記ポンプセットの機能的構
成を特定するために前記識別部材の存在及び向きを検出するように構成される、請求項1
6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して流量制御装置及び供給セットを備えた流量制御システムに関し、より
詳細には流量制御装置と共に使用するカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
薬又は栄養を経口摂取することができない患者への薬又は栄養の投与は、蠕動流制御シ
ステムを利用することによって行うことができる。一般にこのようなシステムでは、流体
は、制御された送達速度で流体を患者に送達する蠕動ポンプなどの流量制御装置に搭載さ
れた可撓性エラストマーチューブを含むポンプセットによって患者に送達される。蠕動ポ
ンプは通常、ギアボックスを介してモータに動作可能に係合するロータを含むハウジング
を有する。ロータは、1つ以上のローラによるロータへの衝突、例えば圧迫によって生じ
る可逆的な圧縮によってもたらされる蠕動作用によってポンプセットの可撓性チューブを
通して流体を駆動する。ロータの回転は、制御された速度で流体を駆動するエラストマー
チューブを徐々に圧縮する。ポンプセットは、ポンプセットを通る流体の流れの連通を可
能にするか又は防止するためのバルブ機構を有することができる。流量制御システムはま
た、流体の流れを効果的に制御する1つ以上のモータを動作可能に調節するコントローラ
を有することができる。
【0003】
蠕動ポンプは、「アリコート」と呼ばれる小さい分量で流体を送達することによって動
作する。ロータは、ポンプセットのエラストマーチューブに係合し、エラストマーチュー
ブの一部を締め付け、例えば、患者に向かう流体源よりも患者に近い、挟んだ位置の前方
に流体を押し出す。一般に、患者に投与される流体の量は、それぞれが実質的に同じ量で
あるアリコートの数をカウントし、その数が送達される流体の所望の総量に対応する量に
達したときに停止することによって、ポンプ内で制御される。蠕動ポンプは衛生的であり
かつ概ね正確であるため、患者への薬剤及び治療液の投与に非常に有用である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、ポンプセットに係合するポンピングシステムを有するポンピング装置と共
に使用するカセットが、一般に、カセットをポンピング装置に取り付けるためにポンピン
グ装置に解放可能に取り付けるように構成されたカセット本体を備える。フィッティング
がカセット本体に取り付けられ、取り付け構造を含む。少なくとも1つの識別部材が、ポ
ンプセットの機能的構成を示すために取り付け構造によってフィッティングに取り付けら
れる。取り付け構造及び識別部材は、カセット及びポンプセットの異なる機能的構成を示
すために、識別部材をフィッティングに異なる向きで取り付けるように構成される。
【0005】
別の態様では、ポンプセットのカセットに用いるフィッティングアセンブリが、一般に
、入口ポートと出口ポートとを備える本体を備える。本体は、カセットに取り付けるよう
に構成される。少なくとも1つの識別部材が、ポンプセットの機能的構成を示すために本
体に取り付けられる。
【0006】
さらに別の態様では、ポンプセットに係合するポンピングシステムを有するポンピング
装置と共に使用するカセットが、一般に、カセットをポンピング装置に取り付けるために
ポンピング装置に解放可能に取り付けるように構成されたカセット本体を含む。カセット
本体は、少なくとも1つの取り付け形成物を有する。カセット本体の取り付け形成物によ
り、少なくとも1つの識別部材がカセット本体に取り付けられる。識別部材及び取り付け
形成物は、識別部材を複数の所定の向きのいずれか1つで取り付けるように形成される。
各所定の向きは、ポンプセットの異なる機能的構成を示す。
【0007】
さらに別の態様では、カセットを組み立てる方法が、一般に、ポンプセットに係合する
ポンピングシステムを有するポンピング装置と共に使用するカセットを提供することを含
む。ポンプセットの機能的構成を示すために少なくとも1つの識別部材をカセットに取り
付ける。
【0008】
さらに別の態様では、流量制御システムが、概して、ポンピング装置とセンサとを含む
流量制御装置を備える。ポンプセットが、カセットと、カセットに取り付けられたチュー
ブとを含む。カセットは、カセット及びチューブを流量制御装置に取り付けるために流量
制御装置に解放可能に取り付けるように構成される。カセットは、少なくとも1つの取り
付け形成物と、取り付け形成物によってカセットに取り付けられる少なくとも1つの識別
部材とを有する。識別部材及び取り付け形成物は、識別部材を複数の所定の向きのいずれ
か1つで取り付けるように形成される。各所定の向きは、ポンプセットの異なる機能的構
成を示す。センサは、ポンプセットの機能的構成を特定するために少なくとも1つの識別
部材の存在及び向きを検出するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ポンピング装置と供給セットの断片的な部分とカセットとを有する供給システムの斜視図である。
【0010】
【
図2】
図1のシステムの斜視図であるが、カセットの一部が取り除かれている。
【0011】
【
図3】供給セット及びカセットを除いた
図1の斜視図である。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【
図7】フィッティングアセンブリをカセットから取り除いた状態のカセットの背面斜視図である。
【0016】
【
図8】フィッティングアセンブリの正面斜視図である。
【0017】
【
図9】フィッティングアセンブリの背面斜視図である。
【0018】
【
図10】止めコックのステムを取り除いた状態のフィッティングアセンブリの正面斜視図である。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【
図14A】軸方向に磁化された磁石の斜視図である。
【0023】
【
図14B】直径方向に磁化された磁石の斜視図である。
【0024】
対応する符号は、図面全体にわたって対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の1つ以上の態様は、回転蠕動ポンプのような蠕動ポンプに関し、特に、複数の
流体の流れの形態から選択するためのバルブを有するカセットを利用する回転蠕動ポンプ
に関する。また、カセットは、カセットに取り付けられた出口チューブがねじれるのを防
ぐ構成を有する。任意の1つ以上の有利な特徴又はこのような特徴のいずれか1つ以上を
提供又は促進する構造は、様々な商業的及び工業的用途で使用される蠕動ポンプにおいて
実施することができる。したがって、詳細な説明はカセットを備えた経腸栄養ポンプに向
けられているが、本発明の任意の1つ以上の特徴は、カセットの有無にかかわらず、他の
蠕動ポンプにおいて具現化又は実施することができる。例えば、例示的に説明されるポン
プは回転蠕動経腸栄養ポンプであるが、本発明は、医療用輸液ポンプを含む他のタイプの
蠕動ポンプ(図示せず)にも適用される。経腸栄養ポンプの一般的な構造及び動作は、以
下に記載されているものを除いて、「FLOW CONTROL APPARATUS」
というタイトルの2009年10月27日に発行された共同譲渡された米国特許第7,6
08,059号、「FLOW MONITORING SYSTEM FOR A FL
OW CONTROL APPARATUS」というタイトルの2006年8月15日に
発行された米国特許第7,092,797号、及び「ALIQUOT CORRECTI
ON FOR FEEDING SET DEGRADATION」というタイトルの2
009年5月19日に発行された米国特許第7,534,099号に開示されているもの
と概ね同じであり得る。本発明の様々な特徴及び態様の1つ以上を、本発明の範囲から逸
脱することなく、ローラ以外の機構を使用する線形蠕動ポンプなどの蠕動ポンプにおいて
実施することができる。また、例示的な供給セット7が示されているが、本発明の範囲か
ら逸脱することなく、他のタイプのポンプセット(図示せず)を使用することができる。
【0026】
図面、特に
図1~3を参照すると、本発明の原理のいずれか1つ以上に従って構成され
た例示的な経腸栄養ポンプ(広義には「ポンピング装置」)が全体として1で示されてい
る。栄養ポンプは、全体として5で示されるカセットを取り付けるように構成されている
、全体として3で示されるハウジングと、カセット5内に取り外し可能に受け入れられて
いる、断片的な部分が全体として7で示される供給セット(広義には「ポンプセット」)
とを備えることができる。カセット5は、ハウジング3に解放可能に取り付け可能である
。図示の実施形態では、カセット5は、ハウジング3内のカセット凹部6に取り外し可能
に受け入れられる(
図3)。当然のことながら、本明細書で使用される「ハウジング」は
、多部品構造とポンプ1の作動コンポーネントを包囲又は収容しない構造とを含むがこれ
らに限定されない、多くの形態の支持構造(図示せず)を含むことができる。さらに、本
発明の様々な態様及び特徴は、凹部6なしで実施することができる。ポンプ1はまた、ハ
ウジング3上に、ポンプの状態及び動作に関する情報を表示することができる表示画面9
を有することができる。表示画面9に近接可能な1つ以上のボタン11は、ポンプ1を制
御しかつポンプ1から情報を得る際に使用するために提供することができ、1つ以上の発
光ダイオード13は、ポンプの状態情報を提供することができる。ユーザ又はオペレータ
が見やすいように表示画面9が僅かに上向きに傾斜するように、ハウジング3の底部にハ
ウジングを支持するように脚部(図示せず)を配置することができる。
【0027】
表示画面9は、ハウジング3の前面パネル(全体として19で示される)の一部である
ことができ、ハウジングに取り外し可能に取り付けることができる。経腸栄養ポンプは、
ロータシャフト(図示せず)に接続されているポンプモータ(図示せず)を備える、全体
として23で示されるポンピングユニットをさらに含むことができる。ポンプモータに電
力を供給するために、ハウジング3内にバッテリ(図示せず)を受け入れることができる
。バッテリ以外に又はバッテリに加えて電源を使用して、ロータシャフトを通してポンピ
ングユニットを駆動する1つ以上の原動機を含むポンプに通電することができる。
【0028】
ポンピングユニット23は、ロータシャフトに連結することができるロータ(全体とし
て37で示される)を有することができる。ロータ37は、内側ディスク39と、外側デ
ィスク41と、それらの長手方向軸を中心にディスクに対して回転するために内側ディス
クと外側ディスクとの間に取り付けられた4つのローラ43(そのうちの3つだけが示さ
れている)とを含むことができる(
図2及び
図3)。ローラ43は、供給セットがカセッ
ト5に受け入れられ、カセットがハウジング3に取り付けられたときに、供給セット7の
チューブ45(
図2)と係合して、供給セットを通して対象に流体を送達する。他の数の
ローラも想定される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、5つ又は6つのロー
ラを使用することもできる。
【0029】
図4~7を参照すると、カセット5は、前部53、後部55、上部57、及び下部59
を有するカセット本体51を備えることができる。側壁61及び上壁63は、カセット本
体51の後部55から延びて、フィッティング65を受け入れるように構成された後部キ
ャビティを形成することができる。チューブ45(
図2)は、フィッティング65に取り
付けることができる。フィッティング65は、フィッティング65をカセットに固定又は
スナップ留めすることを可能にするタブ84を有することができる。場合によっては、フ
ィッティングをカセットに取り外し可能に固定することができる。
【0030】
フィッティング65は、ベース67、入口ポート69、出口ポート71、及びステムホ
ルダ66を備えることができる。入口ポート69は、チューブ45の入口端への挿入のた
めの第1取付部73と、入口チューブ77(
図2)を受け入れるための1対の第2取付部
75A、75Bとを含むことができる。出口ポート71は、チューブ45の出口端への挿
入などによる係合又は取り付けのための第1取付部79と、出口チューブ83の受け入れ
などによる出口チューブ83への取り付けのための第2取付部81とを含むことができる
。出口チューブ83を受け入れる第2取付部81の開口部が、チューブを開口部内に固定
するために開口部から離れるように漏斗状又は先細りになり得る。出口チューブ83は、
取付部81への挿入及び取付部81との接合のためにチューブを軟化させるべく溶剤で処
理することもできる。第2取付部75Aは、供給源(例えば、栄養液バッグ)と流体連通
させることができ、第2取付部75Bは、入口チューブ77を介して洗浄源(例えば、洗
浄流体バッグ)と流体連通させることができる。代わりに、第2取付部75Bを供給源に
取り付け、第2取付部75Aを洗浄源に取り付けることもできる。
【0031】
チューブ45、フィッティング65、入口チューブ77、及び出口チューブ83は、ポ
ンプセット7を構成することができる。カセット5は、ポンプセットの一部と見なされ得
ることも想定される。好ましい実施形態では、カセット5は、ポリカーボネートなどのポ
リマー材料から作られる。
【0032】
図8~
図13を参照すると、円筒形ステム68を含むストップコックは、フィッティン
グ65のステムホルダ66の円形開口部70に受け入れられる。ステム68は、ポンプセ
ットを流体送達配置、洗浄配置、又は流体流遮断配置のいずれかに配置するために第2取
付部75A、75Bを第1取付部73と選択的に連通するべく開口部70内で移動可能(
すなわち、回転可能)である。第2取付部75A、75Bは、それぞれフィッティング6
5の開口部70と連通する出口を有し、第1取付部73は、フィッティングの開口部に連
通する入口を有する。ステム68は、本体に形成された第1開口部74及び第2開口部7
6を有する円筒状の本体72を備える。第1及び第2開口部74、76は、開口部の第1
の寸法が直交する第2の寸法よりも大きくなるように細長い。第2開口部76は、第1開
口部74よりも長いスロット寸法を有する。第1及び第2開口部74、76は、本体72
の概ね反対側に配置され、ステム68を通る流体の流れが、第2取付部75A、75Bか
ら第1取付部73まで概ね単一の平面内で下向きに延びるように、それらが同一平面内に
あるように位置決めされる(
図13)。通路88が、ステム68の本体72内に延び、第
1開口部74を第2開口部76と連通する。通路88は、第1開口部74から第2開口部
76へと広がっている。通路88は、通路にほぼ逆V字形の形状を与える湾曲した内壁9
2を有する。
【0033】
フランジ78がステム68の本体72から半径方向に延び、本体の外周の周りに部分的
に延びる。キャビティ80が本体72に形成され、ポンプ1のシャフト93がステム68
の本体に係合して開口部70内で本体を回転させることを可能にする。フランジ78は、
ポンプ1の凹部6にあるフック108に係合するように構成される。フランジ78とフッ
ク108との係合は、ポンプ1の動作中に供給セット7が外れることを防止する。この安
全機能は、患者に潜在的に有害な可能性がある制御されない量の流体が患者に送達される
、供給セット7における自由な流れ状態を防止する。加えて、フランジ78は、以下で説
明するように、ステム68の回転を制限するための停止係合機構として機能する。フィッ
ティング65及びステム68は、合わせてフィッティングアセンブリ82と見なすことが
できる。フィッティングアセンブリ82の構成は、流体流れ選択バルブを入口チューブ7
7から除去し、それをカセット5の本体内に配置する。
【0034】
図8に示す構成では、フィッティングアセンブリ82は、第2取付部75A、75Bの
出口が開口部70及び第1取付部73の入口と連通するのを本体72が阻止する流体流遮
断配置にある。例えば、ポンプ1のシャフト93がキャビティ80に係合し、本体72を
開口部70内で時計回りに回転させることなどによる、ステム68の回転は、第1開口部
74を第2取付部75Bの出口と連通させ、第2開口部76を第1取付部73の入口と連
通させ、それにより、第2取付部75Bに接続された流体源を、チューブ45を介して出
口71及び出口チューブ83と流体連通させる。第2取付部75Aは、第1取付部73と
の連通が遮断されたままである。ステム68の更なる回転は第1開口部74を第2取付部
75Aの出口と連通させ、第2開口部76は第1取付部73の入口と連通したままであり
、それにより第2取付部75Aに接続された流体源を、チューブ45を介して出口71及
び出口チューブ83と連通させる。これは、第2開口部76の位置及び長さが、第2開口
部の少なくとも一部がステム68の移動全体にわたって第1取付部73の入口と連通して
第1開口部74を第2取付部75A、75Bの出口と連通するようになっているためであ
る。第2取付部75Bは、このとき第1取付部73との連通が遮断されている。ステムホ
ルダ66上のストップ94は、フランジ78と係合して、開口部70内の本体の回転を制
限する。
【0035】
磁石(広義には、識別部材)126が、フィッティングの出口ポート71に形成された
ポケット128内に選択的に配置され得る。図示の実施形態では、単一の磁石126のみ
が示されている。しかしながら、最大4つの磁石126を含むことができ、各磁石は、フ
ィッティング65のポケット128のそれぞれの1つに受け入れられる。ポンプ1内の1
つ以上のセンサ130が、カセット5をポンプに取り付けたときにポケット128の近く
に位置決めされ、ポケット128内の磁石126の存在を検出する。一実施形態では、4
つのセンサ130(1つのみが図面に示されている)が、カセットをポンプ1に取り付け
たときに、センサが各ポケット専用であり、概ね各ポケットの中心にあるように、カセッ
ト5内の4つのポケット128に向かい合ってポンプ内に配置される。磁石126の数及
び配置は、供給セット7の機能的構成を示すために予め定めることができる。例えば、磁
石126の数及び配置は、供給、供給/洗浄、供給Wi-Fi、供給/洗浄Wi-Fi、
新生児供給、新生児供給/洗浄、新生児供給Wi-Fi、新生児供給/洗浄Wi-Fiな
どのうちの1つとして、供給セット7の機能的構成を示すことができる。センサ130は
、センサと通信するプロセッサ(図示せず)と共に、供給セット7の特定の機能的構成に
対応する磁石配置を識別するようにプログラムされる。一実施形態では、センサ130は
ホール効果センサである。図示の実施形態では、磁石126及びポケット128は、円盤
形状である。しかしながら、磁石126及びポケット128は、本開示の範囲から逸脱す
ることなく、他の形状を有することができる。加えて、磁石126は、本開示の範囲から
逸脱することなく、他の位置で及び他の手段によってカセット5に取り付けることができ
る。
【0036】
一実施形態では、磁石126は軸方向に磁化された磁石である(
図14A)。したがっ
て、円盤形状の磁石の場合、磁化方向が円盤の回転軸に沿うように、円盤の反対側の円形
面にN極とS極が形成される。この実施形態では、磁石126は、N極又はS極のいずれ
かがポケットの反対側を向く状態で、ポケット128内に配置することができる。ポケッ
ト128内の磁石126の存在に加えて、ポケット内の磁石の向き(例えば、N極及びS
極の向いている方向)は、供給セット7の特定の機能的構成の異なる表示を提供すること
ができる。したがって、カセット5の同じ位置(例えば、同じポケット128内)にある
磁石126は、その位置における磁石の向きに応じて、センサに2つの異なる表示を提供
することができる。したがって、1つの磁石126を使用して、どのポケット128に磁
石を受け入れるか及びポケットに磁石を受け入れる向きを変更するシステムは、システム
が最大8つの異なる磁石位置構成を示すことを可能にする。2つの磁石126を使用する
システムでは、どのポケット128に各磁石を受け入れるか及びポケットに磁石を受け入
れる向きを変更することにより、システムは最大32個の異なる磁石位置構成を示すこと
が可能になる。したがって、2つの磁石126のみを用いて、32個の供給セットの機能
的構成を示し、識別することができる。3つの磁石126を使用するシステムは、最大6
4個の異なる磁石位置構成を示すことができる。これにより、磁石が存在するか又は存在
しないかのいずれかのみを検出するシステムに比べて、より多くの機能的構成の識別が提
供される。
【0037】
加えて又は代わりに、磁石126の1つ以上が、直径方向に磁化され得る(
図14B)
。直径方向に磁化された磁石が円筒状又は円盤状である実施形態では、磁石は、磁化方向
が円盤/円筒の直径に沿うように、その直径にわたって磁化される。これにより、磁石の
N極及びS極が磁石の両側に形成される。これは、円盤形状の磁石の場合、磁化方向がデ
ィスクの軸に沿うように、N極及びS極が円盤の反対側の円形面に形成される軸方向に磁
化された磁石とは対照的である。直径方向に磁化された磁石を使用する場合、ポンプ1内
のセンサ130は、ポケット128内の磁石126の向き(すなわち、角度位置)を検出
する角度磁石センサであることができる。角度センサは、磁石の磁場を検出し、検出され
た磁場に基づいて磁石の位置を特定するように構成される。例えば、センサは磁場のXY
座標を測定し、測定された座標に基づいて磁石の角度位置を特定する。磁石126は、カ
セット5上の同じ位置にあるポケット128に異なる角度位置で配向され、供給セットの
3つ以上の異なる機能的構成を示すことができる。例えば、磁石126の角度回転の特定
の角度又は角度範囲が、供給セット7の特定の機能的構成に対応することができる。一実
施形態では、10度の回転毎に異なる機能的構成に対応し、供給セット7の36個の異な
る機能的構成の識別を可能にすることができる。異なる数の機能的構成の識別を提供する
ために、角度回転の他の増加量も想定される。したがって、供給セット7の異なる機能的
構成を示すのに十分な数の位置変化を提供するために、単一の磁石のみが必要とされ得る
。この実施形態では、図示の実施形態に示された4つのポケット128は、単一の直径方
向に磁化された磁石を収容するための単一のポケットと置き換えることができる。好適な
センサアセンブリは、ベルギーのイーペルに拠点を置くメレキシス社によって製造された
トライアクシス(登録商標)位置センサアセンブリである。
【0038】
一実施形態では、直径方向に磁化された磁石126は、磁石の磁場の向きを識別するよ
うに突起を有する。これにより、システムは、どの角度位置/磁場が供給セット7のどの
機能的構成に対応するかを示すことができる。
【0039】
一実施形態では、磁石126は非磁化状態で形成され、その後、磁化される。一実施形
態では、磁石126は、必要に応じて再磁化される。
【0040】
図5~7を参照すると、フィッティング65の出口71の第2取付部81は、出口チュ
ーブ83が第2取付部81に挿入される前にカセットの本体51内で下向きに延びるよう
に、カセット5の上部57から引っ込んでいる。これは、上壁63から下向きに延びる湾
曲したガイド壁96に隣接して延びる、出口チューブ83の一部分を提供する。湾曲した
ガイド壁96は、出口チューブ83が載るための徐々に円弧状になる表面を提供し、チュ
ーブがカセット5の横方向の縁で急激に曲がるのを防止する。結果として、出口チューブ
83は、チューブを通る流体の流れを妨げる可能性があるねじれが防止される。加えて、
出口チューブ83の一部分がカセット5の上部57とチューブのフィッティング65への
取付部との間に延びているので、溶剤の処理によって軟化された可能性がある、第2取付
部81に挿入されたチューブの一部分は、チューブが曲げ力を受ける場所に位置しない。
むしろ、この部分は、カセット5の上部57から離間され、湾曲したガイド壁96によっ
て概ねまっすぐに保持される。これにより、出口チューブ83のねじれ又は挟み込みの可
能性がさらに低減される。
【0041】
例示的に示すように、タブ84(
図8及び
図9)は、ベース67の側面から延びること
ができ、カセット5の前部53のそれぞれの開口部86(例えば、
図1及び
図4)に受け
入れられて、フィッティング65をカセット5に解放可能に取り付けるように構成するこ
とができる。側壁61内の1対のガイド傾斜部91(
図6及び
図7)は、開口部86に向
かって漏斗状に狭まることができる。フィッティング65上のタブ84は、傾斜部91に
沿って進み、開口部86に受け入れられてフィッティングをカセット本体51に保持する
ことができる。フィッティング65のステムホルダ66は、カセット5の本体51に形成
されたバルブホルダ98(
図7)に受け入れられる。代わりに、フィッティング65は、
カセット本体51と一体的に形成するか又は省略することができる。
【0042】
図5及び
図7を参照すると、切り欠き85A、85Bが、フィッティング65の入口ポ
ート69の第2取付部75A、75B及び出口チューブ83をそれぞれ受け入れるために
カセット本体51の上壁63に形成され得る。位置決め壁87が、カセット本体51の上
部付近で垂直に延びることができる。T字形の壁89が、側壁61の間で概ねカセット本
体51の中心に配置され得る。フィッティング65のベース67は位置決め壁87に係合
し、T字形の壁89の中央延長部がベース67の凹部90(
図9)内に受け入れられる。
中央延長部と凹部90との係合は、カセット5内におけるフィッティング65の横方向の
移動を防止するか又は少なくとも妨げる。T字形の壁89の水平部分は、カセット5内に
おけるフィッティング65の下方への移動を制限する。
【0043】
円弧壁95が、概ねカセット本体51の中央に配置され、カセット5をハウジング3に
取り付けたときにポンプ1のロータ37の少なくとも一部を受け入れるためのロータ凹部
97を少なくとも部分的に画定するために、概ねカセット本体51の中央に配置され得る
。ロータ凹部97は、カセット本体51の前部53にバンプアウト99を含むことができ
る(
図4)。入口及び出口外側湾曲ガイド壁101が、円弧壁95の両側に概ね平行に延
びることができる。入口及び出口内側湾曲ガイド壁103が、入口及び出口外側湾曲ガイ
ド壁101に概ね平行に円弧壁95から上向きに延び、チューブ45のそれぞれの入口及
び出口部分を受け入れて支持するための入口及び出口開口部を形成することができる。ガ
イド壁101、103及び円弧壁95は、カセット5がハウジング3に取り付けられたと
きにチューブをロータ37に対して適切に配置するためにチューブ45の下部をループ状
に受け入れるためのチューブチャネルを形成することができる。円弧壁95及び湾曲ガイ
ド壁101、103は、ロータ凹部97の側面の周りに密着する関係でチューブを受け入
れることができる。タブ100が、チューブチャネル上に延びて、チューブ45をチュー
ブチャネル内に保持し、かつチューブ45をカセット内に保持し、第3の軸に従ってチュ
ーブを拘束することができる。外側湾曲ガイド壁101は、チューブ45がロータ凹部9
7の下部でガイド壁101、103又は円弧壁95と直接対向しないように、概ねロータ
凹部97の下側で終端することができる。
【0044】
インサート105が、カセット5及びチューブ45をカセット凹部6内に固定するのに
役立つようにハウジング3内のカセット凹部6内に受け入れられ得る(
図3)。インサー
ト105は、カセット5がハウジング3に取り付けられたときに、インサート105が湾
曲ガイド壁101、103より上にあるカセット5の後部キャビティに受け入れられるよ
うに、凹部6内に位置決めされ得る。インサート105は、チューブ45の入口部分を受
け入れるためにインサートの入口側に配置された1対の対向する第1突起107と、チュ
ーブの出口部分を受け入れるためにインサートの出口側に配置された1対の対向する第2
突起109とを備えることができる。カセット本体51の後部55のリブ111(
図6及
び
図7)が、第2突起109の間でチューブ45の出口部分に係合して入口及び出口部分
を突起間に挿入するのに役立つように位置決めされ得る。チューブ45内の流体の流れの
方向を示すしるし112が、第2突起109の少なくとも1つに配置され得る。図示の実
施形態では、しるし112は矢印の形である。
【0045】
図5~7を参照すると、ステータ部材113が、概ねロータ凹部97の下部又はその近
くにあるステータ開口部115などのキャビティ内でカセット本体51の下部に配置する
ことができる。したがって、カセット5がハウジング3に取り付けられたときに、ステー
タ部材113は一般に、概ねロータ37の下部に向かい合って位置決めされる。有利な構
成では、ステータ部材113は、以下に説明するように、ローラ43がチューブに係合す
るときに供給セット7のチューブ45を支持することができる。場合によっては、ステー
タ部材113は、ステータ部材の長さに沿って延びる円弧形状を有することができる。例
示的に示した実施形態と同様に、ステータ部材113は、カセット本体51に第1端部で
のみ固定されかつカセット本体51に対してステータ開口部115内で少なくとも部分的
に自由に浮動できる片持ち部材であることができる。を中心に図示されるように、可撓性
ステータ部材113は、カセット5の残りの部分へのその接続部又はアンカーを中心に旋
回することができ、平たくなることができる。例えば、ステータ部材は、カセット本体に
固定された第1端部と、ステータ部材の表面を有する反応セグメントが撓み変位を有する
ことができるように浮動又は変位することができる固定されていない第2端部とを有する
ことができる。例えば、少なくとも1つのローラがロータの回転軸を中心に回転しながら
チューブに沿って移動するとき、可撓性ステータ部材113は、回転軸を中心とするロー
ラの回転中に1つ以上のローラ43によって加えられた力に反応して撓み変位へと変位す
るか又は撓むことができる。
【0046】
第1部分の下面の横方向リブ116は、可撓性ステータ部材113に構造的な剛性を与
えることができ、金型キャビティからの片持ち部材の突出しなどによる取り出しを容易に
する接触面として機能することができる。図示の実施形態では、可撓性ステータ部材11
3は、カセット本体51と一体物として一体的に形成することができる。しかしながら、
可撓性ステータ部材113は、カセット本体51とは別に形成され、適切な手段によって
カセット本体に取り付けられ得る。例えば、可撓性ステータ(図示せず)は、カセット本
体の係合キャビティに係合する細長い延長部分を有することができ、係合キャビティは、
それに応じて延長部分を受け入れる寸法及び形状にされる。このようにして、ステータ部
材は、弾性率及び曲率半径などの異なる機械的特性の複数の候補から選択され、チューブ
特性のいずれかを考慮して又は考慮せずに、カセット動作パラメータを調整し、ポンピン
グ動作中に特定の流動性能属性を提供することができる。
【0047】
ステータ開口部115の底面に停止部117を配置して、可撓性ステータ部材113の
浮動運動を最大変位に制限することができる。停止部117は、ステータ部材の塑性変形
を引き起こすステータ部材の曲げを防ぐように可撓性ステータ部材113の下側に対して
間隔を置いて配置され得る。例えば、停止部材は、固定されていない端部の撓み変位距離
の大きさを最大変位に制限するように位置決めされ得る。図示の実施形態では、停止部1
17は、カセット本体51の一部として形成されている。しかしながら、停止部117は
、カセット本体51とは別に形成され、適切な方法でカセット本体に取り付けられ得る。
他の場合には、停止部117がハウジング3に形成され、可撓性ステータ部材113の変
位を最大変位に制限するように構成され得る。停止部117は、停止部がステータ部材の
移動を制限するのに十分な表面積を提供するように、可撓性ステータ部材113の幅より
も大きい幅を有することができる。停止部117は、可撓性ステータ部材113を保護す
るのに役立つことができ、一般に部材113が引っ掛けられたり捕らえられたりする可能
性を防止又は低減する寸法にされる。
【0048】
カセット5をポンプハウジング3に取り付ける前に、入口チューブ77及び出口チュー
ブ83をそれぞれカセットの入口ポート69及び出口ポート71に取り付けることができ
る。カセット5をポンプハウジング3に取り付けるために、カセット本体51の下部59
の1つ以上のピン又は隆起した突起119をハウジング3の凹部6の底部のスロット12
4に挿入することができる。隆起した突起119とスロット124との係合は、一般にカ
セット5をハウジング3に配置する。次いで、カセット本体51は、カセット本体の上部
57にあるタブ125の棚状部123が凹部6の最上部にあるキャッチ127によって捕
捉されるまで上向きに回転することができる。図示の実施形態では、隆起した突起119
及び棚状部123は、カセット本体51と一体的に形成されている。しかしながら、隆起
した突起119及び棚状部123は、カセット本体51とは別に形成され、カセット本体
に適切な方法で取り付けられ得る。カセット5をポンプハウジング3に取り付けた後、フ
ィッティング65内のポケット128は、概ねポンプ1内の1つ以上のセンサ130に向
かい合って配置される。この位置において、1つ以上のセンサ130は、ポケット128
に受け入れられた任意の磁石126及びポケット内の磁石の向きを検出して、供給セット
7の機能的構成を特定することができる。供給セット7の機能的構成を知ることにより、
どのポンピングルーチンを実行すべきかがポンプ1に指示される。カセット5をポンプハ
ウジング3から取り外すために、タブ125を押し下げて棚状部123をキャッチ127
から外すことができる。
【0049】
カセット5がポンプハウジング3に取り付けられると、供給セット7のチューブ45は
ポンプ1のローラ43が係合するように位置決めされる。ローラ43は、可撓性ステータ
部材113によって支持されたチューブの部分でチューブ45に係合する。ローラ43に
よるチューブ45の係合により、可撓性ステータ部材113はローラから離れるように撓
むか又は移動する。詳細には、この移動により、チューブ45はより直線的な形状へと少
なくとも部分的に真っすぐになることができ、ローラ43が半直線状にチューブを閉塞す
ることを可能にする。したがって、従来のポンプのローラの場合のようにチューブ45を
引っ張って引き伸ばす代わりに、ローラ43はチューブに沿ってスライドし、張力が低下
した状態でチューブを閉塞する。その結果、ローラ43は、チューブ45の実際の直線寸
法と一致するアリコートを生成する。したがって、ポンプ1の計算されたアリコート体積
は、ポンプによって生成された実際のアリコート体積により厳密に一致し、より正確な供
給をもたらす。
【0050】
本発明の要素又はその好ましい実施形態を紹介する際に、冠詞「a」、「an」、「t
he」及び「said」は、要素の1つ以上が存在することを意味するよう意図されてい
る。「備える」、「含む」及び「有する」という用語は、包括的であることを意図してお
り、記載された要素以外に追加の要素が存在する可能性があることを意味する。
【0051】
このことから、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が得られることが
分かるであろう。
【0052】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の構成に様々な変更を加えることができるの
で、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されるすべての事項は、例示として解釈され、
限定的な意味ではないことが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンピング装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内のカセット凹部であって、前記カセット凹部は複数のポケットを含む少なくとも1つの取り付け形成物を有するカセットを受け入れるように構成され、各ポケットは1つの識別部材を複数の所定の向きのうちのいずれか1つで受け入れるように構成されるカセット凹部と、
前記ハウジング内に存在する複数のセンサであって、各センサは、前記カセットが前記カセット凹部と係合したときに対応するポケット内に識別部材が存在するか否か及び対応するポケット内の識別部材の向きを特定するように構成される複数のセンサと
を備え、
前記複数のポケットのうちの対応するポケット内の識別部材の存在及び向きによって、複数の機能的構成からポンピング装置の機能的構成が特定される、ポンピング装置。
【請求項2】
各センサはホール効果センサである、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項3】
各センサは、前記カセットが前記ポンピング装置と係合したときに前記カセットの対応するポケット内の前記識別子の存在及び向きを特定するために前記複数のポケットのうちの対応するポケットの近くに配置される、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項4】
前記ポンピング装置は、各センサと通信するプロセッサをさらに備え、前記プロセッサは、前記カセットの複数のポケットの各ポケット内の識別部材の存在及び向きに基づいて前記ポンピング装置の機能的構成を識別するように構成される、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項5】
前記ポンピング装置の機能的構成は、供給、供給/洗浄、供給WiFi、供給/洗浄WiFi、新生児供給、新生児供給/洗浄、新生児供給/洗浄、新生児供給/洗浄WiFiのうちの1つである、請求項4に記載のポンピング装置。
【請求項6】
前記複数のセンサは4つのセンサを含む、請求項4に記載のポンピング装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記複数のセンサが前記カセット内の単一の識別部材の存在及び向きを特定する場合に、8つの機能的構成から前記ポンピング装置の機能的構成を特定するように構成される、請求項6に記載のポンピング装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記複数のセンサが前記カセット内の2つの識別部材の存在及び向きを特定する場合に、32個の機能的構成から前記ポンピング装置の機能的構成を特定するように構成される、請求項6に記載のポンピング装置。
【請求項9】
各センサは、前記複数のポケットのうちの前記ポケット内の識別部材の向きを特定するように構成され、前記識別部材が軸方向に磁化された磁石である場合、前記識別部材が第1の方向を向いているときに前記向きはN極又はS極のいずれかであり、又は前記識別部材が第1の方向とは反対の第2の方向を向いているときに前記向きはN極又はS極のいずれかである、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項10】
各センサは、前記複数のポケットのうちの前記ポケット内の識別部材の向きを特定するように構成され、前記識別部材が直径方向に磁化された磁石である場合、前記向きは前記識別部材の角度位置である、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項11】
前記ハウジングは1つ以上のスロットをさらに備え、各スロットは前記カセットにあるピン又は隆起した突起を受け入れるように構成される、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項12】
前記1つ以上のスロットはハウジングの底部の周囲に配置される、請求項11に記載のポンピング装置。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記カセットにあるタブを受け入れるように構成された凹部をさらに備える、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項14】
前記凹部は前記ハウジングの上部の周囲に配置される、請求項13に記載のポンピング装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記カセットにあるフランジを受けるように構成されたフックをさらに備える、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項16】
前記フックは前記ポンピング装置の前記カセット凹部内に配置される、請求項15に記載のポンピング装置。
【請求項17】
前記カセット凹部は前記ハウジングの前部に位置する、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項18】
前記ポンピング装置の状態及び動作に関する情報を表示するように構成された表示画面をさらに備える、請求項1に記載のポンピング装置。
【請求項19】
前記表示画面は前記ポンピング装置の前面に配置される、請求項18に記載のポンピング装置。
【請求項20】
ポンピングユニットをさらに備える、請求項1に記載のポンピング装置。
【外国語明細書】