(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125881
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】サンプリング回路及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G11C 27/02 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
G11C27/02 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033999
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立津 璃久
(57)【要約】
【課題】アンプから電圧を入力する場合にも、セトリング時間を短縮し、サンプリングを開始するまでの時間を短くすることができる、サンプリング回路及びその制御方法を提供する。
【解決手段】サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、アンプの出力とコンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、コンデンサと並列に接続されて、電位がアンプの特性に応じて設定される基準電位部とコンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、各スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、を備え、制御回路は、第1スイッチをオフ状態かつ第2スイッチをオン状態に切り替える第1制御を行った後で、第1スイッチをオン状態かつ第2スイッチをオフ状態に切り替える第2制御を行う、サンプリング回路とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、
前記アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、
前記アンプの出力と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、
前記コンデンサと並列に接続されて、電位が前記アンプの前記特性に応じて設定される基準電位部と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記第1スイッチをオフ状態かつ前記第2スイッチをオン状態に切り替える第1制御を行い、前記コンデンサを前記基準電位部に接続して、前記コンデンサの電圧を前記アンプの特性に応じた基準電位とし、
前記第1制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオン状態かつ前記第2スイッチをオフ状態に切り替える第2制御を行い、前記アンプを前記コンデンサに接続して、前記アンプの入力電圧で前記コンデンサを充電する、
サンプリング回路。
【請求項2】
前記アンプの特性が、出力電圧を降下させる場合のセトリング時間が出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間より長い第1特性である場合には、前記基準電位部の電位を前記アンプの入力電圧より低い電位に設定し、
前記アンプの特性が、出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間が出力電圧を降下させる場合のセトリング時間より長い第2特性である場合には、前記基準電位部の電位を前記アンプの入力電圧より高い電位に設定する、
請求項1に記載のサンプリング回路。
【請求項3】
前記第1特性のアンプがPMOSを備えるA級アンプであり、前記第2特性のアンプがNMOSを備えるA級アンプである、請求項2に記載のサンプリング回路。
【請求項4】
前記アンプが前記第1特性のアンプである場合に、前記基準電位部の電位をグランドとする、請求項2に記載のサンプリング回路。
【請求項5】
第1電圧を入力する電圧源と、
第2電圧を入力するアンプであって、サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、
前記電圧源または前記アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、
前記電圧源と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、
前記アンプと前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、
前記コンデンサと並列に接続されて、電位が前記アンプの前記特性に応じて設定される基準電位部と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第3スイッチと、
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記第1スイッチをオン状態、前記第2スイッチをオフ状態、かつ前記第3スイッチをオフ状態に切り替える第1制御を行い、前記電圧源を前記コンデンサに接続して、前記コンデンサを前記第1電圧まで充電し、
前記第1制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオフ状態、前記第2スイッチをオフ状態、かつ前記第3スイッチをオン状態に切り替える第2制御を行い、前記コンデンサを基準電位部に接続して、前記コンデンサの電圧を前記第1電圧から前記アンプの特性に応じた基準電位とし、
前記第2制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオフ状態、前記第2スイッチをオン状態、かつ前記第3スイッチをオフ状態に切り替える第3制御を行い、前記アンプを前記コンデンサに接続して、前記コンデンサを前記第2電圧まで充電する、
サンプリング回路。
【請求項6】
前記アンプの特性が、出力電圧を降下させる場合のセトリング時間が出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間より長い第1特性である場合には、前記基準電位部の電位を前記アンプの入力電圧より低い電位に設定し、
前記アンプの特性が、出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間が出力電圧を降下させる場合のセトリング時間より長い第2特性である場合には、前記基準電位部の電位を前記アンプの入力電圧より高い電位に設定する、
請求項5に記載のサンプリング回路。
【請求項7】
前記第1特性のアンプがPMOSを備えるA級アンプであり、前記第2特性のアンプがNMOSを備えるA級アンプである、請求項6に記載のサンプリング回路。
【請求項8】
前記アンプが前記第1特性のアンプである場合に、前記基準電位部の電位をグランドとする、請求項6に記載のサンプリング回路。
【請求項9】
前記電圧源が、前記アンプと同じ特性のアンプである、請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載のサンプリング回路。
【請求項10】
前記電圧源が、理想電圧源である、請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載のサンプリング回路。
【請求項11】
サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、
前記アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、
前記アンプの出力と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、
前記コンデンサと並列に接続されて、電位が前記アンプの前記特性に応じて設定される基準電位部と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、
を備えるサンプリング回路を制御する制御方法であって、
前記制御回路は、
前記第1スイッチをオフ状態かつ前記第2スイッチをオン状態に切り替える第1制御を行い、前記コンデンサを前記基準電位部に接続して、前記コンデンサの電圧を前記アンプの特性に応じた基準電位とし、
前記第1制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオン状態かつ前記第2スイッチをオフ状態に切り替える第2制御を行い、前記アンプを前記コンデンサに接続して、前記アンプの入力電圧で前記コンデンサを充電する、
サンプリング回路の制御方法。
【請求項12】
第1電圧を入力する電圧源と、
第2電圧を入力するアンプであって、サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、
前記電圧源または前記アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、
前記電圧源と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、
前記アンプと前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、
前記コンデンサと並列に接続されて、電位が前記アンプの前記特性に応じて設定される基準電位部と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第3スイッチと、
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、を備えるサンプリング回路を制御する制御方法であって、
前記制御回路は、
前記第1スイッチをオン状態、前記第2スイッチをオフ状態、かつ前記第3スイッチをオフ状態に切り替える第1制御を行い、前記電圧源を前記コンデンサに接続して、前記コンデンサを前記第1電圧まで充電し、
前記第1制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオフ状態、前記第2スイッチをオフ状態、かつ前記第3スイッチをオン状態に切り替える第2制御を行い、前記コンデンサを基準電位部に接続して、前記コンデンサの電圧を前記第1電圧から前記アンプの特性に応じた基準電位とし、
前記第2制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオフ状態、前記第2スイッチをオン状態、かつ前記第3スイッチをオフ状態に切り替える第3制御を行い、前記アンプを前記コンデンサに接続して、前記コンデンサを前記第2電圧まで充電する、
サンプリング回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプリング回路及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプリング回路の出力電圧は、サンプリング回路に含まれるコンデンサに蓄積された電荷に起因して変動するという問題がある。この問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載の回路では、ハイパス・フィルタのコンデンサCcの電荷を放電させる放電用のスイッチS1を設けて、サンプリング・スイッチSsがオンになる前の一定時間だけスイッチS1をオンにしてコンデンサCcをディスチャージしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、サンプリング回路にアンプからの電圧を入力する場合に、以下のような課題が見出された。サンプリング回路にアンプからの電圧を入力する場合、アンプによっては、コンデンサをディスチャージしても、セトリング時間が長くなることがある。ここで、セトリング時間とは、出力電圧が目標値に安定するまでに要する時間のことである。
【0005】
本発明の目的は、サンプリング回路にアンプから電圧を入力する場合にも、セトリング時間を短縮し、サンプリングを開始するまでの時間を短くすることができる、サンプリング回路及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、前記アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、前記アンプの出力と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、前記コンデンサと並列に接続されて、電位が前記アンプの前記特性に応じて設定される基準電位部と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1スイッチをオフ状態かつ前記第2スイッチをオン状態に切り替える第1制御を行い、前記コンデンサを前記基準電位部に接続して、前記コンデンサの電圧を前記アンプの特性に応じた基準電位とし、前記第1制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオン状態かつ前記第2スイッチをオフ状態に切り替える第2制御を行い、前記アンプを前記コンデンサに接続して、前記アンプの入力電圧で前記コンデンサを充電する、サンプリング回路である。
【0007】
本開示の第2の態様は、第1電圧を入力する電圧源と、第2電圧を入力するアンプであって、サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、前記電圧源または前記アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、前記電圧源と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、前記アンプと前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、前記コンデンサと並列に接続されて、電位が前記アンプの前記特性に応じて設定される基準電位部と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第3スイッチと、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1スイッチをオン状態、前記第2スイッチをオフ状態、かつ前記第3スイッチをオフ状態に切り替える第1制御を行い、前記電圧源を前記コンデンサに接続して、前記コンデンサを前記第1電圧まで充電し、前記第1制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオフ状態、前記第2スイッチをオフ状態、かつ前記第3スイッチをオン状態に切り替える第2制御を行い、前記コンデンサを基準電位部に接続して、前記コンデンサの電圧を前記第1電圧から前記アンプの特性に応じた基準電位とし、前記第2制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオフ状態、前記第2スイッチをオン状態、かつ前記第3スイッチをオフ状態に切り替える第3制御を行い、前記アンプを前記コンデンサに接続して、前記コンデンサを前記第2電圧まで充電する、サンプリング回路である。
【0008】
本開示の第3の態様は、サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、前記アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、前記アンプの出力と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、前記コンデンサと並列に接続されて、電位が前記アンプの前記特性に応じて設定される基準電位部と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、を備えるサンプリング回路を制御する制御方法であって、前記制御回路は、前記第1スイッチをオフ状態かつ前記第2スイッチをオン状態に切り替える第1制御を行い、前記コンデンサを前記基準電位部に接続して、前記コンデンサの電圧を前記アンプの特性に応じた基準電位とし、前記第1制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオン状態かつ前記第2スイッチをオフ状態に切り替える第2制御を行い、前記アンプを前記コンデンサに接続して、前記アンプの入力電圧で前記コンデンサを充電する、サンプリング回路の制御方法である。
【0009】
本開示の第4の態様は、第1電圧を入力する電圧源と、第2電圧を入力するアンプであって、サンプリング回路の出力電圧を降下させる場合のセトリング時間と出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間とが異なる特性を備えるアンプと、前記電圧源または前記アンプからの入力電圧で充電されるコンデンサと、前記電圧源と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第1スイッチと、前記アンプと前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第2スイッチと、前記コンデンサと並列に接続されて、電位が前記アンプの前記特性に応じて設定される基準電位部と前記コンデンサとの間の接続状態を切り替える第3スイッチと、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチの切り替え制御を行う制御回路と、を備えるサンプリング回路を制御する制御方法であって、前記制御回路は、前記第1スイッチをオン状態、前記第2スイッチをオフ状態、かつ前記第3スイッチをオフ状態に切り替える第1制御を行い、前記電圧源を前記コンデンサに接続して、前記コンデンサを前記第1電圧まで充電し、前記第1制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオフ状態、前記第2スイッチをオフ状態、かつ前記第3スイッチをオン状態に切り替える第2制御を行い、前記コンデンサを基準電位部に接続して、前記コンデンサの電圧を前記第1電圧から前記アンプの特性に応じた基準電位とし、前記第2制御から予め定めた時間経過後に前記第1スイッチをオフ状態、前記第2スイッチをオン状態、かつ前記第3スイッチをオフ状態に切り替える第3制御を行い、前記アンプを前記コンデンサに接続して、前記コンデンサを前記第2電圧まで充電する、サンプリング回路の制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アンプから電圧を入力する場合にも、セトリング時間を短縮し、サンプリングを開始するまでの時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のサンプリング回路の基本構成を示す回路図である。
【
図2】(A)~(D)はアンプの特性を説明するための模式図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るサンプリング回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図4】従来のサンプリング回路の動作状態の一例を示すグラフである。
【
図5】第1の実施形態に係るサンプリング回路の動作状態の一例を示すグラフである。
【
図6】第1の実施形態に係るサンプリング回路の変形例を示す回路図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係るサンプリング回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図8】従来のサンプリング回路の動作状態の一例を示すグラフである。
【
図9】第2の実施形態に係るサンプリング回路の動作状態の一例を示すグラフである。
【
図10】第2の実施形態に係るサンプリング回路の変形例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0013】
<基本構成>
まず、
図1を参照して、本発明のサンプリング回路の基本構成について説明する。
サンプリング回路10は、サンプリング回路部12とサンプリング回路部12の入力端に接続されたアンプ16とを備えている。サンプリング回路部12は、スイッチSW2、スイッチSW3、及びコンデンサ18を備えている。また、サンプリング回路10は、スイッチSW2及びスイッチSW3の各々をオンオフ制御する制御装置20を備えている。
【0014】
スイッチSW2は、アンプ16からの入力を切り替えるスイッチである。サンプリング回路10は、スイッチSW2がオンになると、アンプ16から入力された入力電圧がサンプリング回路10から出力される。また、コンデンサ18は、アンプ16からの入力電圧により充電される。一方、スイッチSW2がオフになると、コンデンサ18の保持電圧がサンプリング回路10から出力される。
【0015】
スイッチSW3は、コンデンサ18の保持電圧を調整するためのスイッチである。スイッチSW2をオンにする前に、スイッチSW3がオンにされ、コンデンサ18が基準電位部に接続されて、保持電圧が基準電位部の電位、すなわち基準電位Vrefと等しくなる。基準電位Vrefがグランド(GND)の場合は、コンデンサ18がディスチャージされて、保持電圧が0Vになる。基準電位Vrefが入力電圧より大きい(例えば、5V)場合は、コンデンサ18の電位がプルアップされて、保持電圧が5Vとなる。基準電位Vrefはアンプ特性に応じて設定される。
【0016】
(アンプ特性)
ここで、
図2を参照してアンプ特性について説明する。
アンプには、1つの増幅素子を備えるA級アンプ、2つの増幅素子を備え、2つの増幅素子をプッシュプルで動作させるB級アンプ、AB級アンプ等がある。増幅素子としては、PMOS、NMOS等のMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)が挙げられる。
【0017】
このうちA級アンプは、サンプリング回路の入力に用いた場合に、アンプの回路構造に起因して、サンプリング回路の出力電圧を高電圧から低電圧に降下させる場合と、出力電圧を低電圧から高電圧に上昇させる場合とで、セトリング時間が異なる場合がある。本明細書では、A級アンプのこのような特性を「アンプ特性」という。
【0018】
具体的には、PMOSを備えるA級アンプとNMOSを備えるA級アンプとでは、アンプ特性が真逆となる。PMOSを備えるA級アンプでは、出力電圧を降下させる場合にセトリング時間が長くなり、出力電圧を上昇させる場合にセトリング時間が短くなる。これに対して、NMOSを備えるA級アンプでは、出力電圧を上昇させる場合にセトリング時間が長くなり、出力電圧を降下させる場合にセトリング時間が短くなる。
【0019】
このようなアンプ特性が生じる理由を、NMOSを備えるA級アンプを例に簡単に説明する。
図2(A)に示すように、最初にNMOSトランジスタをオフしておき、ドレインをV
DDに固定し、ソースを0Vに放電したコンデンサに接続しておく。この状態からゲートをHにしてオンにすると、その瞬間、V
GS=V
DDとなりNMOSトランジスタはコンデンサを充電し始める。
【0020】
コンデンサの電圧をV
cとすると、
図2(B)に示すように、V
GS=V
DD-V
cであり、V
cが増加するにつれV
GSは減少していく。この後、V
cはV
DDまでは上昇せずV
DD-V
TH(閾値)で停止する。この時、V
GS=V
DD-(V
DD-V
TH)=V
THであるため、NMOSトランジスタはオフになり、これ以上電流を流すことができず停止したままとなる。すなわち、V
GSが変化するため、V
cが一定になるのに時間が掛かる。
【0021】
一方、
図2(C)に示すように、次はソースをGNDに固定しドレインをV
DDまで充電したコンデンサに接続してから、ゲートをオンにするとGND固定側がソースとなり、V
GS=V
DDは固定で変化は無く、
図2(D)に示すように、NMOSトランジスタはV
cが0Vになるまで電流を流し続ける。すなわち、V
GSが一定であるため、短時間でV
cが一定になる。
【0022】
以上のことから、NMOSを備えるA級アンプは、出力電圧を上昇させる場合にセトリング時間が長くなり、出力電圧を降下させる場合にセトリング時間が短くなる。PMOSを備えるA級アンプが、出力電圧を降下させる場合にセトリング時間が長くなり、出力電圧を上昇させる場合にセトリング時間が短くなるのも、これと同様の理由である。
【0023】
(セトリング時間短縮の原理)
まず、アンプ16がPMOSを備えるA級アンプを用いて、出力電圧Voutを4Vにする場合について説明する。PMOSを備えるA級アンプは、出力電圧を上昇させる場合にセトリング時間が短く、出力電圧を降下させる場合にセトリング時間が長くなるという特性を有する。したがって、基準電位VrefをGNDとし、スイッチSW3をオンにして保持電圧を0Vにする。スイッチSW3をオフにしてスイッチSW2をオンにしたとき、アンプ16は、出力電圧を0V→4Vに上昇させることになるので、出力電圧を5V→4Vに降下させる場合よりもセトリング時間が短縮される。
【0024】
次に、アンプ16がNMOSを備えるA級アンプを用いて、出力電圧Voutを4Vにする場合について説明する。NMOSを備えるA級アンプは、出力電圧を降下させる場合にセトリング時間が短く、出力電圧を上昇させる場合にセトリング時間が長くなるという特性を有する。したがって、基準電位Vrefを4Vより大きい電圧(例えば、5V)とし、スイッチSW3をオンにして保持電圧を5Vにする。スイッチSW3をオフにしてスイッチSW2をオンにしたとき、アンプ16は、出力電圧を5V→4Vに降下させることになるので、出力電圧を0V→4Vに上昇させる場合よりもセトリング時間が短縮される。
【0025】
以下では、入力電圧が1Vのアンプと入力電圧が4Vのアンプというように2系統のアンプを切り替えて、サンプリング回路10の入力電圧として使用する実施形態について説明する。
【0026】
<第1の実施形態>
図3を参照して、第1の実施形態に係るサンプリング回路の構成について説明する。
第1の実施形態に係るサンプリング回路100は、PMOSを備えるA級アンプを用いる場合の回路構成である。
【0027】
サンプリング回路100は、サンプリング回路部12P、アンプ14P、及びアンプ16Pを備えている。アンプ14P及びアンプ16Pは、図示した通り、負帰還回路を備えるアンプである。サンプリング回路部12Pは、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、及びコンデンサ18を備えている。スイッチSW1、スイッチSW2、及びスイッチSW3の各々は、半導体スイッチである。また、サンプリング回路100は、スイッチSW1、スイッチSW2及びスイッチSW3の各々をオンオフ制御する制御装置20を備えている。
【0028】
アンプ14Pは、PMOSを備えるA級アンプであり、サンプリング回路部12Pへの入力電圧Vin1は4Vである。アンプ14Pは、スイッチSW1を介してノードNvcに接続されている。スイッチSW1は、アンプ14Pからの入力を切り替えるスイッチである。
【0029】
アンプ16Pは、PMOSを備えるA級アンプであり、サンプリング回路部12Pへの入力電圧Vin2は1Vである。アンプ16Pは、スイッチSW2を介してノードNvcに接続されている。スイッチSW2は、アンプ16Pからの入力を切り替えるスイッチである。
【0030】
ノードNvcは、サンプリング回路100の出力端に接続されている。コンデンサ18の一端はノードNvcと出力端との間にあるノードNcに接続され、他端は接地されている。スイッチSW3は、コンデンサ18の保持電圧を調整するためのスイッチである。スイッチSW3の一端は、ノードNvcとノードNcとの間にあるノードNswに接続され、他端は接地されている。なお、ノードNvc、ノードNsw、ノードNc、及び出力端の電位は、コンデンサ18の保持電圧と等しくなる。
【0031】
次に、
図4、
図5を参照して、第1の実施形態に係るサンプリング回路の動作について説明する。
図4、
図5に示すグラフの縦軸はノードN
vcの電圧Vであり、横軸は時間(μs:マイクロ秒)である。各図には、各スイッチのオンオフタイミングを示すタイミングチャートが併記されている。
【0032】
ここでまず、比較のために、
図4を参照して、従来のサンプリング回路の動作状態を説明する。従来のサンプリング回路は、スイッチSW3を備えていないこと以外は、
図3に示すサンプリング回路と同じ構成であるため、
図3に示す回路構成で、スイッチSW3を動作させないものとして説明する。
【0033】
従来のサンプリング回路では、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフの「状態1」のときに、アンプ14Pからの入力電圧によりコンデンサ18が充電されて、ノードNVcの電圧Vは4Vとなる。次に、スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオンの「状態2」のときに、アンプ14Pからの入力電圧によりコンデンサ18が充電されて、ノードNVcの電圧Vは1Vとなる。
【0034】
アンプ14P及びアンプ16PはPMOSを備えるA級アンプであるため、アンプ14Pにより出力電圧を0V→4Vに上昇させる場合のセトリング時間は短いが、アンプ16Pにより出力電圧を4V→1Vに降下させる場合のセトリング時間が長くなる。セトリング時間が長くなると、サンプリングを開始するまでの時間を長く取る必要が生じる。
【0035】
次に、
図5を参照して、
図3に示す第1の実施形態に係るサンプリング回路100の動作状態を説明する。サンプリング回路100では、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオフの「状態1」のときに、アンプ14Pからの入力電圧によりコンデンサ18が充電されて、ノードN
vcの電圧Vは4Vとなる。
【0036】
次に、スイッチSW1をオフにし、スイッチSW3をオンにする。スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオンの「状態2」のときに、コンデンサ18の一端が基準電位部に接続され、コンデンサ18に溜まっている電荷がスイッチSW3を通してディスチャージされて、ノードNvcの電圧Vは0Vとなる。
【0037】
次に、スイッチSW3をオフにし、スイッチSW2をオンにする。スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオン、スイッチSW3がオフの「状態3」のときに、アンプ16Pからの入力電圧によりコンデンサ18が充電されて、ノードNvcの電圧Vは1Vとなる。
【0038】
スイッチSW2をオンにする前にスイッチSW3をオンにしてコンデンサ18に溜まっている電荷をディスチャージしたことで、アンプ16Pは、出力電圧V
outを0V→1Vに上昇させることになる。その結果、
図4、
図5から分かるように、サンプリング回路100の出力電圧V
outが安定するまでのセトリング時間は、出力電圧V
outを4V→1Vに降下させる場合よりも短くなる。
【0039】
図4の状態2の期間は約30μs、
図5の状態3の期間は約3μsであり、第1の実施形態によれば、セトリング時間は1/10に減少する。また、
図5の状態2の期間、すなわち、コンデンサ18の電荷をディスチャージするのに要する所要時間は約10μsである。したがって、状態2の期間と状態3の期間とを併せても約13μsであり、第1の実施形態によれば、出力電圧V
outを4Vから1Vにするのに要する時間は半分以下となる。
【0040】
以上の通り、第1の実施形態に係るサンプリング回路100では、アンプ16Pにより充電を行う前に、アンプ16Pの特性(すなわち、出力電圧を上昇させる場合のセトリング時間は短いが、降下させる場合のセトリング時間が長い)に応じてコンデンサ18の保持電圧を調整して、降下局面を上昇局面に変換することで、セトリング時間を短縮することができる。
【0041】
一般に、アンプのセトリング時間を短くするには、アンプの消費電流を増やす、出力トランジスタを増やして、回路面積と消費電流を増やす等の解決策がとられる。第1の実施形態によれば、スイッチSW3を追加するだけでよく、消費電流の増加や回路面積の増加無しでセトリング時間を短縮することができる。
【0042】
(変形例)
第1の実施形態に係るサンプリング回路の変形例を
図6に示す。
図6に示すサンプリング回路100Aは、アンプ14Pに代えて、アンプ以外の電圧源14を備える以外は、
図3に示す第1の実施形態に係るサンプリング回路100と同じ構成である。電圧源14は、例えば、直流電源等、電源の内部抵抗がゼロで、接続される負荷によらず常に一定の電圧を出力する理想電圧源としてもよい。
【0043】
第1の実施形態では、サンプリング回路がアンプ14Pとアンプ16Pの2系統のアンプを備える例について説明した。しかしながら、アンプ14Pは、コンデンサ18の保持電圧をアンプ16Pの入力電圧とは異なる電圧にする役割を果たすものである。したがって、アンプ14Pは他の電圧源に置き換えてもよい。
【0044】
<第2の実施形態>
図7を参照して、第2の実施形態に係るサンプリング回路の構成について説明する。
第2の実施形態に係るサンプリング回路100Bは、NMOSを備えるA級アンプを用いる場合の回路構成である。
【0045】
サンプリング回路100Bは、サンプリング回路部12N、アンプ14N、及びアンプ16Nを備えている。アンプ14N及びアンプ16Nは、図示した通り、負帰還回路を備えるアンプである。サンプリング回路部12Nは、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、及びコンデンサ18を備えている。スイッチSW1、スイッチSW2、及びスイッチSW3の各々は、半導体スイッチである。また、サンプリング回路100Bは、スイッチSW1、スイッチSW2及びスイッチSW3の各々をオンオフ制御する制御装置20を備えている。
【0046】
アンプ14Nは、NMOSを備えるA級アンプであり、サンプリング回路部12Nへの入力電圧Vin1は1Vである。アンプ14Nは、スイッチSW1を介してノードNvcに接続されている。スイッチSW1は、アンプ14Nからの入力を切り替えるスイッチである。
【0047】
アンプ16Nは、NMOSを備えるA級アンプであり、サンプリング回路部12Nへの入力電圧Vin2は4Vである。アンプ16Nは、スイッチSW2を介してノードNvcに接続されている。スイッチSW2は、アンプ16Nからの入力を切り替えるスイッチである。
【0048】
ノードNvcは、サンプリング回路100Bの出力端に接続されている。コンデンサ18の一端はノードNvcと出力端との間にあるノードNcに接続され、他端は接地されている。スイッチSW3は、コンデンサ18の保持電圧を調整するためのスイッチである。スイッチSW3の一端は、ノードNvcとノードNcとの間にあるノードNswに接続され、他端は基準電位Vref(ここでは、5V)に接続されている。
【0049】
次に、
図8、
図9を参照して、第2の実施形態に係るサンプリング回路の動作について説明する。
図8、
図9に示すグラフの縦軸はノードN
vcの電圧Vであり、横軸は時間である。各図には、各スイッチのオンオフタイミングを示すタイミングチャートが併記されている。
【0050】
ここでまず、比較のために、
図8を参照して、従来のサンプリング回路の動作状態を説明する。従来のサンプリング回路は、スイッチSW3を備えていないこと以外は、
図7に示すサンプリング回路と同じ構成であるため、
図7に示す回路構成で、スイッチSW3を動作させないものとして説明する。
【0051】
従来のサンプリング回路では、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフの「状態1」のときに、アンプ14Nからの入力電圧によりコンデンサ18が充電されて、ノードNvcの電圧Vは1Vとなる。ここでは、ノードNvcの初期電圧を5Vとする。ノードNvcの電圧Vは5V→1Vに降下する。
【0052】
次に、スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオンの「状態2」のときに、アンプ14Nからの入力電圧によりコンデンサ18が充電されて、ノードNvcの電圧Vは4Vとなる。
【0053】
アンプ14N及びアンプ16NはNMOSを備えるA級アンプであるため、アンプ14Nにより出力電圧を5V→1Vに降下させる場合のセトリング時間は短いが、アンプ16Nにより出力電圧を1V→4Vに上昇させる場合のセトリング時間は長くなる。セトリング時間が長くなると、サンプリングを開始するまでの時間を長く取る必要があり得る。
【0054】
次に、
図9を参照して、
図7に示す第2の実施形態に係るサンプリング回路100Bの動作状態を説明する。サンプリング回路100Bでは、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオフの「状態1」のときに、アンプ14Nからの入力電圧によりコンデンサ18が充電されて、ノードN
vcの電圧Vは1Vとなる。
【0055】
次に、スイッチSW1をオフにし、スイッチSW3をオンにする。スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオンの「状態2」のときに、コンデンサ18の一端が基準電位部に接続され、コンデンサ18の電位がプルアップされて、ノードNvcの電圧Vは5Vとなる。
【0056】
次に、スイッチSW3をオフにし、スイッチSW2をオンにする。スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオン、スイッチSW3がオフの「状態3」のときに、アンプ16Nからの入力電圧によりコンデンサ18が充電されて、ノードNvcの電圧Vは4Vとなる。
【0057】
スイッチSW2をオンにする前にスイッチSW3をオンにしてコンデンサ18の電位をプルアップしたことで、アンプ16Nは出力電圧V
outを5V→4Vに降下させることになる。その結果、
図8、
図9から分かるように、サンプリング回路100Bの出力電圧V
outが安定するまでのセトリング時間は、出力電圧V
outを1V→4Vに上昇させる場合よりも短くなる。
【0058】
図8の状態2の期間は約30μs、
図9の状態3の期間は約3μsであり、第2の実施形態によれば、セトリング時間は1/10に減少する。また、
図9の状態2の期間、すなわち、コンデンサ18の電位をプルアップするのに要する所要時間は約10μsである。したがって、状態2の期間と状態3の期間とを併せても約13μsであり、第2の実施形態によれば、出力電圧V
outを1Vから4Vにするのに要する時間は半分以下となる。
【0059】
以上の通り、第2の実施形態に係るサンプリング回路100Bでは、アンプ16Nにより充電を行う前に、アンプ16Nの特性(すなわち、出力電圧を降下させる場合のセトリング時間は短いが、上昇させる場合のセトリング時間が長い)に応じてコンデンサ18の保持電圧を調整して、上昇局面を降下局面に変換することで、セトリング時間を短縮することができる。
【0060】
一般に、アンプのセトリング時間を短くするには、アンプの消費電流を増やす、出力トランジスタを増やして、回路面積と消費電流を増やす等の解決策がとられる。第2の実施形態によれば、スイッチSW3を追加するだけでよく、消費電流の増加や回路面積の増加無しでセトリング時間を短縮することができる。
【0061】
(変形例)
第2の実施形態に係るサンプリング回路の変形例を
図10に示す。
図10に示すサンプリング回路100Cは、アンプ14Nに代えて、アンプ以外の電圧源14を備える以外は、
図7に示す第2の実施形態に係るサンプリング回路100Bと同じ構成である。電圧源14は、例えば、直流電源等の理想電圧源としてもよい。
【0062】
<その他の変形例>
上記実施の形態で説明したサンプリング回路及びその制御方法の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。
【0063】
例えば、サンプリング回路の入力にPMOSを備えるA級アンプまたはNMOSを備えるA級アンプを用いる例について説明したが、アンプはこれらに限定される訳ではない。サンプリング回路の入力に、PMOSを備えるA級アンプと同じ特性を有するアンプや、NMOSを備えるA級アンプと同じ特性を有するアンプを使用する場合にも、本発明を適用することができる。
【0064】
また、本実施の形態に係るサンプリング回路は、ADC(アナログ/デジタル変換器)での容量DAC(デジタル/アナログ変換器)に使用されるサンプリング回路に適用することができる。サンプリング回路の各スイッチのオンオフ制御の具体的なタイミングは、用途に応じて設定される。
【符号の説明】
【0065】
10 サンプリング回路
12、12P、12N サンプリング回路部
14 電圧源
14P、14N アンプ
16、16P、16N アンプ
18 コンデンサ
20 制御装置
100、100A、100B、100C サンプリング回路
Nvc ノード
Nc ノード
Nsw ノード
SW1 スイッチ
SW2 スイッチ
SW3 スイッチ
V 電圧
Vin1 入力電圧
Vin2 入力電圧
Vout 出力電圧
Vref 基準電位