(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125899
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】電気接続箱ユニット
(51)【国際特許分類】
H02G 3/14 20060101AFI20240911BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20240911BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20240911BHJP
B60R 16/02 20060101ALN20240911BHJP
【FI】
H02G3/14
H02G3/16
H05K5/03 D
B60R16/02 610J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034023
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉田 翔
(72)【発明者】
【氏名】米山 瞬也
【テーマコード(参考)】
4E360
5G361
【Fターム(参考)】
4E360AB34
4E360BD05
4E360EA03
4E360GA53
4E360GB93
5G361AA06
5G361AB12
5G361AC02
5G361AC03
5G361AD01
5G361BA07
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】ブラケットへの電気接続箱の収容作業性に優れる電気接続箱ユニットを提供すること。
【解決手段】電気接続箱ユニット100は、係止部20を有する電気接続箱1と、係止部20が係止される被係止部33及び電気接続箱1が収容される収容空間32を有して、電気接続箱1を対象部材に固定するブラケット2と、を備える。係止部20は、被係止部33の係止凹部36に係止される係止凸部22と、電気接続箱1の内外方向に貫通して、係止凸部22を挟み込むように配置される一対のスリット23と、を有しており、係止凸部22がスリット23によって内外方向に弾性変位可能に構成される。そして、収容空間32は、ブラケット2への電気接続箱1の収容方向に貫通している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
係止部を有する電気接続箱と、
前記係止部が係止される被係止部及び前記電気接続箱が収容される収容空間を有して、前記電気接続箱を対象部材に固定するブラケットと、
を備えた電気接続箱ユニットであって、
前記係止部は、
前記被係止部の係止凹部に係止される係止凸部と、
前記電気接続箱の内外方向に貫通して、前記係止凸部を挟み込むように配置される一対のスリットと、を有し、
前記係止凸部は、前記一対のスリットによって前記内外方向に弾性変位可能に構成され、
前記収容空間は、
前記ブラケットへの前記電気接続箱の収容方向に貫通している、
電気接続箱ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電気接続箱ユニットであって、
前記一対のスリットは、
前記収容方向に延び、且つ、前記係止凸部を前記収容方向との交差方向に挟み込む、
電気接続箱ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の電気接続箱ユニットであって、
前記係止部は、
前記被係止部のガイド溝に挿入されて、前記係止凸部が前記係止凹部に係止される際にガイドするガイド突起を有し、
前記ガイド突起は、
前記収容方向に延び、且つ、前記係止凸部及び前記一対のスリットを前記収容方向との交差方向に挟み込むように配置される、
電気接続箱ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載の電気接続箱ユニットであって、
前記係止部は、
前記電気接続箱の所定方向に対向する一対の側壁部の外面にそれぞれ設けられ、
前記被係止部は、
前記所定方向に対向する一対の側壁部の少なくとも一方の内面に設けられ、
前記電気接続箱の外周形状は、前記収容方向視において点対称である、
電気接続箱ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載されるとともにリレーやヒューズ等の電子部品が収容される収容空間を有するリレーボックスやヒューズボックス等の電気接続箱(以下、「従来電気接続箱」ともいう。)が提案されている。従来電気接続箱の一つは、フレームとロアカバーとを備えて、フレーム又はロアカバーに設けられた取付部を車両の対象部材(対象箇所)にネジ締めすることで、電気接続箱が車両の対象部材に固定されるように構成されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来電気接続箱においては、複数の電気接続箱を車両に搭載する場合、車両に搭載される電気接続箱の数に比例するように車両への固定作業が必要となり、作業の工数が増大化する傾向にあった。このため、例えば、複数の電気接続箱を箱状のブラケットに収容し、その後、ブラケットを車両へ固定する場合がある。
【0005】
ところが、このように複数の電気接続箱をブラケットに収容する際に、複数の電気接続箱は、ブラケットの開口側、即ち一方向からしか収容できず、適宜、電気接続箱の向きや位置を調整する必要があった。つまり、車両への電気接続箱の固定作業は容易になるものの、ブラケットへの電気接続箱の収容作業が煩雑化するおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ブラケットへの電気接続箱の収容作業性に優れる電気接続箱ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱ユニットは、下記を特徴としている。
係止部を有する電気接続箱と、
前記係止部が係止される被係止部及び前記電気接続箱が収容される収容空間を有して、前記電気接続箱を対象部材に固定するブラケットと、
を備えた電気接続箱ユニットであって、
前記係止部は、
前記被係止部の係止凹部に係止される係止凸部と、
前記電気接続箱の内外方向に貫通して、前記係止凸部を挟み込むように配置される一対のスリットと、を有し、
前記係止凸部は、前記一対のスリットによって前記内外方向に弾性変位可能に構成され、
前記収容空間は、
前記ブラケットへの前記電気接続箱の収容方向に貫通している、
電気接続箱ユニットであること。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ブラケットにおける電気接続箱の収容空間が、ブラケットへの電気接続箱の収容方向に貫通している。加えて、係止部において係止凸部が、一対のスリットに挟み込まれることで内外方向に弾性変位可能に構成される。即ち、係止凸部は、ブラケットへの電気接続箱の収容方向に関係なく弾性変位する。このため、ブラケットへの電気接続箱の収容時において、電気接続箱を収容空間の貫通方向(収容方向)両側のどちらからでも挿入し収容することができる。即ち、本発明は、電気接続箱を一方向からのみしかブラケットに収容できない構成に比べ、ブラケットへの電気接続箱の収容作業性に優れる。
【0009】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る電気接続箱ユニットの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す電気接続箱ユニットの要部分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す電気接続箱の要部分解斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1のB-B断面図における要部拡大図である。
【
図8】
図8は、一の収容空間に電気接続箱が収容されていない態様を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電気接続箱ユニット100について説明する。
【0012】
以下、説明の便宜上、
図1等に示すように、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。また、電気接続箱1の内部に面する側を「内」側と呼び、電気接続箱1の外部に面する側を「外」側と呼ぶ。なお、上下方向は、本発明の「収容方向」に対応している。加えて、左右方向は、本発明の「交差方向」に対応している。
【0013】
電気接続箱ユニット100は、典型的には車両に搭載され、複数(本例では、2つ)の電気接続箱1と、ブラケット2と、により構成される(
図1~
図2参照)。電気接続箱1は、リレー等の電子部品やその他の部品である部品(図示省略)を収容する内部空間を有するリレーボックスである。ブラケット2は、電気接続箱1を収容して、車両の対象部材(対象箇所)に電気接続箱1を取り付け・固定するための部品である。
以下、電気接続箱ユニット100を構成する電気接続箱1及びブラケット2について順に説明する。
【0014】
まず、電気接続箱1について説明する。
図2~
図3に示すように、電気接続箱1は、フレーム11と、フレーム11の下端開口を塞ぐようにフレーム11の下方に組み付けられるロアカバー12と、を備えて構成される。加えて、電気接続箱1は、フレーム11の上端開口を塞ぐようにフレーム11の上方に組み付けられるアッパカバー(図示省略)を備える。電気接続箱1を構成するこれらの部品は全て、樹脂成形体である。以下、電気接続箱1を構成するフレーム11及びロアカバー12について順に説明する。
【0015】
はじめに、フレーム11について説明する。
図3に示すように、フレーム11は、上下方向に延びる略矩形筒状の側壁部13を備えている。側壁部13は、電気接続箱1の側面の外観の大部分を構成する。
【0016】
左右方向両側の側壁部13における下端部の複数個所(本例では、4箇所)の外面には、それぞれ、上下方向に延びる貫通孔を含む被係止部14が一体に設けられている。被係止部14は、ロアカバー12をフレーム11に組み付ける機能を有する。
【0017】
前後方向両側の側壁部13の外面には、それぞれ、係止部20が一体に設けられている。係止部20は、後述するブラケット2の収容空間32に収容されたフレーム11(電気接続箱1)をブラケット2に組み付ける機能を有する。
【0018】
係止部20は、
図4に示すように、左右方向に離間する一対のガイド突起21と、一対のガイド突起21間に配置される係止凸部22と、一対のガイド突起21間に位置して係止凸部22を左右方向に挟み込む一対のスリット23と、を有している。
【0019】
一対のガイド突起21は、電気接続箱1の外側に突出するように設けられており、後述するブラケット2の一対のガイド溝34に挿入されて(
図7参照)、係止凸部22が後述するブラケット2の係止凹部36に係止される際にガイドする機能を有する。
係止凸部22は、電気接続箱1の外側に突出するように設けられており、後述するブラケット2の係止凹部36に係止される。
一対のスリット23は、側壁部13を内外方向に貫通し、上下方向に延びるように設けられている。
係止部20は、一対のスリット23が設けられることで、係止凸部22が内側に向けた弾性変位可能となる。
【0020】
次に、ロアカバー12について説明する。
図3に示すように、ロアカバー12は、電気接続箱1の下側側面の外観の大部分を構成する側壁部15と、側壁部15の下端開口を塞ぐとともに電気接続箱1の底面の外観の大部分を構成する底壁部16と、を一体に備えている。本例では、ロアカバー12は、左右方向両側の側壁部15に対して、前後方向両側の側壁部15が上下方向に短く構成されている。側壁部15の上端縁部は、フレーム11の側壁部13の環状の下端縁部に対応する形状を有し、側壁部13の環状の下端縁部と嵌合可能になっている。
【0021】
左右方向両側の側壁部15における上端部の複数個所(本例では、4箇所)の外面には、それぞれ、フレーム11の複数の被係止部14に対応して、上下方向に延びる係止片17が一体に設けられている。
【0022】
次いで、ブラケット2について説明する。
図2に示すように、ブラケット2は、上下方向に延びる略矩形枠状の側壁部31を備えている。側壁部31の内部空間は、上下方向に貫通しており、複数(本例では、2つ)の電気接続箱1を収容可能な複数(本例では、2つ)の収容空間32が画成されている(
図8も参照)。なお、側壁部31の内部空間が上下方向に貫通しているため、収容空間32も上下方向に貫通していることは云うまでもない。
【0023】
複数の収容空間32は、空間であることから互いに隣接する収容空間32との間に明確な境界が生じるものではないが、各電気接続箱1が収容される空間箇所が、一の収容空間32とされる。各収容空間32は、電気接続箱1の外周形状に対応するように画成されている。
【0024】
各収容空間32において、前後方向両側の側壁部31の内面には、それぞれ、電気接続箱1の係止部20に対応して、被係止部33が一体に設けられている(
図5も参照)。なお、左側の収容空間32において、被係止部33は、前側の側壁部31のみにしか設けられていないが、ブラケット2における電気接続箱1の保持機能は十分に発揮されるものである。
【0025】
被係止部33は、
図5に示すように、一対のガイド突起21に対応して上下方向に貫通する一対のガイド溝34と、一対のガイド溝34間を連結する中間部35と、中間部35に設けられて係止凸部22に対応した溝状の係止凹部36と、を一体に有している。
【0026】
前後方向両側の側壁部31における複数個所(本例では、3箇所)の外面には、上下方
向に貫通するネジ孔を含む取付部37が一体に設けられている(
図1及び
図8も参照)。取付部37は、電気接続箱ユニット100(即ち、電気接続箱1)を車両の対象部材(図示省略)に取り付け・固定する機能を有する。
【0027】
側壁部31における周方向の複数個所の外面には、それぞれ、ホルダ(図示省略)を保持可能な保持部38が設けられている(
図1及び
図8も参照)。ホルダは、例えば樹脂成形体であり、ブラケット2の周辺の各種機器(例えば、電線やコネクタ等、図示省略)を保持するための部品である。
【0028】
以上、電気接続箱ユニット100を構成する電気接続箱1及びブラケット2について説明した。電気接続箱1及びブラケット2からなる電気接続箱ユニット100を対象部材に取り付け・固定するには、電気接続箱1をブラケット2に組み付ける(収容する)必要がある。
【0029】
電気接続箱1をブラケット2に組み付ける(収容する)には、まず、搭載される車両に合わせて電気接続箱1を少なくとも1つ準備する(本例では、電気接続箱1が2つの場合を例に説明する)。つまり、電気接続箱1の必要数に応じて、ロアカバー12をフレーム11に組み付ける。
【0030】
具体的には、ロアカバー12の係止片17(
図3参照)を、下方からフレーム11の被係止部14(
図3参照)の複数の貫通孔にそれぞれ挿入し、この状態から、ロアカバー12の側壁部15の環状の上端縁部をフレーム11の側壁部13の環状の下端縁部に嵌合させ、且つ、複数の係止片17を複数の被係止部14にそれぞれ係止させる。これにより、フレーム11にロアカバー12が組み付けられ、電気接続箱1が完成される(
図2参照)。
【0031】
そして、準備した電気接続箱1をブラケット2の対応する収容空間32の上方(又は下方)にそれぞれ配置し、ブラケット2の収容空間32に電気接続箱1が収容されるように、電気接続箱1を下方(又は上方)に移動させる。すると、電気接続箱1における係止部20のガイド突起21が、ブラケット2における被係止部33のガイド溝34に拾われる(
図7も参照)。
【0032】
この状態で、電気接続箱1の移動を続けると、係止部20の係止凸部22が、被係止部33の中間部35の上端部(又は下端部)に接触する。この際、係止凸部22は左右方向両側に設けられたスリット23によって、内側に向けて弾性変位する。
【0033】
この状態で、電気接続箱1の移動を更に続けると、係止部20の係止凸部22が被係止部33の係止凹部36に到達し、係止凸部22が復元変位して係止凹部36に進入する。これにより、係止凸部22と係止凹部36とが互いに係止され、ブラケット2に電気接続箱1が収容・保持される。即ち、電気接続箱ユニット100が完成される(
図1及び
図6参照)。
【0034】
そして、必要に応じてブラケット2の保持部38にホルダを組み付け・保持させ、その後、ブラケット2の取付部37と車両の対象部材とをネジ締めすることで、電気接続箱ユニット100(電気接続箱1)が対象部材に固定される。
【0035】
なお、電気接続箱1は、外周形状が上方視(又は下方視)において点対称に構成されていれば、電気接続箱1と外部機器との接続状況によっては、ブラケット2への収容時における電気接続箱1の向きについて調整しなくてもよい場合がある。
【0036】
また、ブラケット2に収容される電気接続箱1が1つの場合、ブラケット2における一(本例では、左側)の収容空間32は、電気接続箱1が収容されていない態様となる(
図8参照)。
【0037】
<作用・効果>
本実施形態によれば、収容空間32が上下方向に貫通し、更には、係止凸部22がブラケット2への電気接続箱1の収容方向に関係なく内外方向に弾性変位する。これにより、ブラケット2の収容空間32に対して電気接続箱1を上方及び下方のどちらからでも収容可能である。この結果、本実施形態によれば、ブラケット2への電気接続箱1の収容方向が限定されずに済むため、ブラケット2への電気接続箱1の収容作業性に優れる。
【0038】
更に、本実施形態によれば、スリット23が上記収容方向である上下方向に延びることで、ブラケット2への電気接続箱1の収容時において、係止凸部22が弾性変位し易くなる。
【0039】
更に、本実施形態によれば、係止部20がガイド突起21を有し、被係止部33がガイド溝34を有することで、係止凹部36に対する係止凸部22の位置決め、ひいては、ブラケット2(収容空間32)への電気接続箱1の収容が容易になる。
【0040】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0041】
ここで、上述した本発明に係る電気接続箱ユニットの実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
【0042】
[1]
係止部(20)を有する電気接続箱(1)と、
前記係止部(20)が係止される被係止部(33)及び前記電気接続箱(1)が収容される収容空間(32)を有して、前記電気接続箱(1)を対象部材に固定するブラケット(2)と、
を備えた電気接続箱ユニット(100)であって、
前記係止部(20)は、
前記被係止部(33)の係止凹部(36)に係止される係止凸部(22)と、
前記電気接続箱(1)の内外方向に貫通して、前記係止凸部(22)を挟み込むように配置される一対のスリット(23)と、を有し、
前記係止凸部(22)は、前記一対のスリット(23)によって前記内外方向に弾性変位可能に構成され、
前記収容空間(32)は、
前記ブラケット(2)への前記電気接続箱(1)の収容方向(上下方向)に貫通している、
電気接続箱ユニット(100)。
【0043】
上記[1]の構成によれば、ブラケットにおける電気接続箱の収容空間が、ブラケットへの電気接続箱の収容方向に貫通している。加えて、係止部において係止凸部が、一対のスリットに挟み込まれることで内外方向に弾性変位可能に構成される。即ち、係止凸部は、ブラケットへの電気接続箱の収容方向に関係なく弾性変位する。このため、ブラケットへの電気接続箱の収容時において、電気接続箱を収容空間の貫通方向(収容方向)両側のどちらからでも挿入し収容することができる。即ち、上記構成は、電気接続箱を一方向からのみしかブラケットに収容できない構成に比べ、ブラケットへの電気接続箱の収容作業性に優れる。
【0044】
[2]
上記[1]に記載の電気接続箱ユニット(100)であって、
前記一対のスリット(23)は、
前記収容方向(上下方向)に延び、且つ、前記係止凸部(22)を前記収容方向との交差方向(左右方向)に挟み込む、
電気接続箱ユニット(100)。
【0045】
上記[2]の構成によれば、スリットが収容方向に延びることで、ブラケットへの電気接続箱の収容時において係止凸部が弾性変位し易くなる。
【0046】
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の電気接続箱ユニット(100)であって、
前記係止部(20)は、
前記被係止部(33)のガイド溝(34)に挿入されて、前記係止凸部(22)が前記係止凹部(36)に係止される際にガイドするガイド突起(21)を有し、
前記ガイド突起(21)は、
前記収容方向(上下方向)に延び、且つ、前記係止凸部(22)及び前記一対のスリット(23)を前記収容方向との交差方向(左右方向)に挟み込むように配置される、
電気接続箱ユニット(100)。
【0047】
上記[3]の構成によれば、係止部が、収容方向に延び、被係止部のガイド溝に挿入されて係止凸部が係止凹部に係止される際にガイドするガイド突起を有することで、係止凹部に対する係止凸部の位置決め、ひいては、ブラケット(収容空間)への電気接続箱の収容が容易になる。
【0048】
[4]
上記[1]から上記[3]の何れか一つに記載の電気接続箱ユニット(100)であって、
前記係止部(20)は、
前記電気接続箱(1)の所定方向(本例では、前後方向)に対向する一対の側壁部(13)の外面にそれぞれ設けられ、
前記被係止部(33)は、
前記所定方向に対向する一対の側壁部(31)の少なくとも一方の内面に設けられ、
前記電気接続箱(1)の外周形状は、前記収容方向視において点対称である、
電気接続箱ユニット(100)。
【0049】
上記[4]の構成によれば、電気接続箱の外周形状が収容方向視において点対称に構成されていれば、電気接続箱と外部機器との接続状況によっては、ブラケットへの電気接続箱の収容時において、電気接続箱の向きについて調整しなくてもよい場合がある。即ち、上記構成は、ブラケットへの電気接続箱の収容作業性に優れる。
【符号の説明】
【0050】
1 電気接続箱
2 ブラケット
11 フレーム
12 ロアカバー
13 側壁部
20 係止部
21 ガイド突起
22 係止凸部
23 スリット
31 側壁部
32 収容空間
33 被係止部
34 ガイド溝
35 中間部
36 係止凹部
100 電気接続箱ユニット