(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125901
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】工事支援システム、工事支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240911BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034027
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】溝辺 芳和
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】ユーザに適した情報を速やかに表示する工事支援システム等を提供すること。
【解決手段】サーバ30と、携帯機器41とを備える工事支援システム10であって、前記サーバ30は、第1制御部を有し、前記携帯機器41は、第2制御部を有し、前記第2制御部は、情報種別の選択を受け付けるメニュー画面を表示し、前記メニュー画面から選択を受け付けた情報種別を前記第1制御部に送信し、前記第1制御部は、前記情報種別を受信し、日付と、前記日付に実施する予定の工事種目とを関連づけて記録した計画DB(Database)から、当日に実施する予定の工事種目を抽出し、工事に関する参考情報と、工事種目と、情報種別とを関連づけて記録した参考情報DBから、当日に実施する予定の工事種目および受信した前記情報種別に関連付けられた参考情報を抽出し、抽出した参考情報を前記第2制御部に送信し、前記第2制御部は、前記参考情報を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、携帯機器とを備える工事支援システムであって、
前記サーバは、第1制御部を有し、
前記携帯機器は、第2制御部を有し、
前記第2制御部は、
情報種別の選択を受け付けるメニュー画面を表示し、
前記メニュー画面から選択を受け付けた情報種別を前記第1制御部に送信し、
前記第1制御部は、
前記情報種別を受信し、
日付と、前記日付に実施する予定の工事種目とを関連づけて記録した計画DB(Database)から、当日に実施する予定の工事種目を抽出し、
工事に関する参考情報と、工事種目と、情報種別とを関連づけて記録した参考情報DBから、当日に実施する予定の工事種目および受信した前記情報種別に関連付けられた参考情報を抽出し、
抽出した参考情報を前記第2制御部に送信し、
前記第2制御部は、
前記参考情報を表示する
工事支援システム。
【請求項2】
情報処理装置をさらに備え、
前記情報処理装置は、第3制御部を有し、
前記第3制御部は、
第1方向に工事種目を配列し、第2方向に日付を配列し、それぞれの日付において実施する予定の工事種目に対応するセルに指標を配置した表形式の日程表を表示し、
セルの選択を受け付けた場合に、前記セルに対応する工事種目を前記第1制御部に送信し、
前記第1制御部は、
前記工事種目を受信し、
前記参考情報DBから、受信した前記工事種目に関連付けられた参考情報を抽出し、
抽出した前記参考情報を前記第3制御部に送信し、
前記第3制御部は、
前記参考情報を表示する
請求項1に記載の工事支援システム。
【請求項3】
前記情報種別は、人身事故に関する項目を含む
請求項1に記載の工事支援システム。
【請求項4】
前記情報種別は、作業内容変更に関する項目を含む
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の工事支援システム。
【請求項5】
前記第2制御部が選択を受け付けた情報種別が作業内容変更に関する項目である場合、
前記第1制御部は、リーダーに通知を送信し、
前記第2制御部は、前記参考情報とともに前記リーダーに電話する電話ボタンと、検索に用いるキーワードの入力を受け付けるキーワード欄とを表示する
請求項4に記載の工事支援システム。
【請求項6】
前記第3制御部は、
日報の入力を受け付け、
前記日報を前記第1制御部に送信し、
前記第1制御部は、前記日報を保存する
請求項2に記載の工事支援システム。
【請求項7】
前記第2制御部は、
アドバイザーへの相談を行なう相談アプリ、または、工事に関する学習アプリの起動指示を受け付け、
起動指示を受け付けたアプリを起動する
請求項1に記載の工事支援システム。
【請求項8】
前記第2制御部が前記相談アプリの起動指示を受け付けた場合、
前記第2制御部は、
相談内容の入力を受け付け
前記相談内容を前記第1制御部に送信し、
前記第1制御部は、
前記相談内容に基づいてアドバイザーを選択し、
前記アドバイザーに前記相談内容を送信する
請求項7に記載の工事支援システム。
【請求項9】
前記第2制御部が前記学習アプリの起動指示を受け付けた場合、
前記第2制御部は、
学習対象項目の選択を受け付けるメニュー画面を表示し、
前記メニュー画面から選択を受け付けた学習対象項目を前記第1制御部に送信し、
前記第1制御部は、
前記学習対象項目を受信し、
前記参考情報DBから、受信した前記学習対象項目に関連する参考情報を抽出し、
抽出した参考情報を前記第2制御部に送信し、
前記第2制御部は、
前記参考情報を表示する
請求項7または請求項8に記載の工事支援システム。
【請求項10】
前記携帯機器のユーザが協力会社の従業員である場合、
前記第1制御部は、
協力会社の従業員に開示可能な参考情報と、工事種目と、情報種別とを関連づけて記録した参考情報DBから、当日に実施する予定の工事種目および受信した前記情報種別に関連付けられた参考情報を抽出し、
抽出した参考情報を前記第2制御部に送信する
請求項1に記載の工事支援システム。
【請求項11】
サーバと、携帯機器とを使用する工事支援方法であって、
前記サーバは、第1制御部を有し、
前記携帯機器は、第2制御部を有し、
前記第2制御部が、
情報種別の選択を受け付けるメニュー画面を表示し、
前記メニュー画面から選択を受け付けた情報種別を前記第1制御部に送信し、
前記第1制御部が、
前記情報種別を受信し、
日付と、前記日付に実施する予定の工事種目とを関連づけて記録した計画DB(Database)から、当日に実施する予定の工事種目を抽出し、
工事に関する参考情報と、工事種目と、情報種別とを関連づけて記録した参考情報DBから、当日に実施する予定の工事種目および受信した前記情報種別に関連付けられた参考情報を抽出し、
抽出した参考情報を前記第2制御部に送信し、
前記第2制御部が、
前記参考情報を表示する
工事支援方法。
【請求項12】
携帯機器の制御部に、
工事現場での業務を支援する支援アプリ、アドバイザーへの相談を行なう相談アプリ、および、工事に関する学習アプリの選択をそれぞれ受け付けるボタンをタッチパネルに並べて表示し、
前記支援アプリの選択を受け付けた場合、
情報種別の選択を受け付けるメニュー画面を前記タッチパネルに表示し、
前記メニュー画面から選択を受け付けた情報種別をサーバに送信し、
前記情報種別に関連付けられた工事に関する参考情報を前記サーバから受信し、
前記参考情報を前記タッチパネルに表示する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
前記情報種別は、人身事故に関する項目を含む
請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記情報種別は、作業内容変更に関する項目を含み、
選択を受け付けた情報種別が作業内容変更に関する項目である場合、前記参考情報とともにリーダーに電話する電話ボタンを前記タッチパネルに表示する
請求項12または請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記相談アプリの選択を受け付けた場合、
相談内容の入力を受け付け
前記相談内容を前記サーバに送信し、
前記サーバから受信した回答を前記タッチパネルに表示し、
前記回答に対する返信の入力を受け付け、
前記返信を前記サーバに送信する
請求項12に記載のプログラム。
【請求項16】
相談内容の入力を受け付ける入力画面に、動画撮影、写真撮影および音声録音に関する指示を受け付けるボタンをそれぞれ表示し、
前記相談内容とともに、前記ボタンを介して記録された動画、写真または音声を前記サーバに送信する
請求項15に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事支援システム、工事支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上位階層から下位階層へと階層構造にデータを紐づけておき、上位階層から順にユーザによる選択を受け付けて、作業チェック画面を表示する作業情報の参照システムが提案されている(特許文献1)。
【0003】
工事名および作業日に基づいて、作業日に予定されている工事に関する危険予知情報および是正処置のリストを表示し、それぞれの是正処置の実施有無を記録する建設現場の安全管理方法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-26645号公報
【特許文献2】特開2003ー242202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の参照システムによると、ユーザによる選択は、たとえばタッチパネルに表示されたアイコンを介して行われる。特定の作業に従事する作業者が所持するIC(Integrated Circuit)カードのデータに基づいて、当該作業者が従事する作業工程が選択されてもよい。
【0006】
しかしながら、アイコンを使用する方式では、所望の作業工程に関する画面に辿り着くまでに手間が掛かる。ICカードを使用する方式は、たとえば現場代理人のように工程全体を把握する立場のユーザには適さない。
【0007】
特許文献2の安全管理方法によると、たとえば「クレーン操作」等の作業工程名称に紐づけられた定型的な対応策のリストを、現場代理人等のユーザが漏れなく検討できる。さらに、表示された対応策を採用しない場合には、その理由を入力して、上位者の承認を得ることもできる。
【0008】
しかしながら、特許文献2の安全管理方法では、安全管理以外の事柄に関して現場代理人等のユーザを支援できない。
【0009】
一つの側面では、ユーザに適した情報を速やかに表示する工事支援システム等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
工事支援システムは、サーバと、携帯機器とを備える工事支援システムであって、前記サーバは、第1制御部を有し、前記携帯機器は、第2制御部を有し、前記第2制御部は、情報種別の選択を受け付けるメニュー画面を表示し、前記メニュー画面から選択を受け付けた情報種別を前記第1制御部に送信し、前記第1制御部は、前記情報種別を受信し、日付と、前記日付に実施する予定の工事種目とを関連づけて記録した計画DB(Database)から、当日に実施する予定の工事種目を抽出し、工事に関する参考情報と、工事種目と、情報種別とを関連づけて記録した参考情報DBから、当日に実施する予定の工事種目および受信した前記情報種別に関連付けられた参考情報を抽出し、抽出した参考情報を前記第2制御部に送信し、前記第2制御部は、前記参考情報を表示する。
【発明の効果】
【0011】
一つの側面では、ユーザに適した情報を速やかに表示する工事支援システム等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】工事支援システムの概要を説明する説明図である。
【
図2】工事支援システムの構成を説明する説明図である。
【
図3】工事支援システムの構成を説明する説明図である。
【
図4】参考情報DBのレコードレイアウトを説明する説明図である。
【
図5】計画DBのレコードレイアウトを説明する説明図である。
【
図6】ポップアップDBのレコードレイアウトを説明する説明図である。
【
図10】第1携帯機器のメインメニュー画面例である。
【
図12】「現場アシ工事」のメニュー画面例である。
【
図13】人身事故ボタンが選択された場合の画面例である。
【
図15】作業内容変更ボタンが選択された場合の画面例である。
【
図16】「基本的な考え方・チェックポイント」が選択された場合の画面例である。
【
図17】「協力会社技術支援」のメニュー画面例である。
【
図18】「現場アシ情報」のメニュー画面例である。
【
図19】ハーネス使用方法ボタンが選択された場合の画面例である。
【
図20】第1携帯機器に表示される「ひといち」の入力画面例である。
【
図21】第2携帯機器に表示される「ひといち」の入力画面例である。
【
図23】工事計画立案段階のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図24】ポップアップ表示を行なうプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図25】第1携帯機器のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図26】現場アシ工事のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図27】作業内容変更のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図28】協力会社技術支援のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図29】現場アシ情報のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図30】ひといちのサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図31】日報入力段階のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図32】実施の形態2の工事支援システムの構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施の形態1]
建設工事では、元請事業者の法律行為を代理する権限を有する現場代理人が選任される。現場代理人は、担当する建設工事現場においては、元請事業者の代表取締役と同等の権限を有する。
【0014】
現場代理人には、通常は元請事業者の社員が選任され、工程管理および安全管理をはじめとして、建設工事の一切を取り仕切る責任を負う。建設工事の内容は工事ごとに異なり、まったく同一の建設工事が複数存在することはない。現場代理人は、状況に応じた適切な判断を日々求められている。
【0015】
一方、現場代理人には元請事業者の若手から中堅クラスの社員が選任される場合がある。事前に十分な研修および実務経験を積んでいる人であっても、日々状況が変化する建設現場において、責任者として判断を下し、建設工事現場を取り仕切ることに重圧を感じる場合がある。
【0016】
図1は、工事支援システム10の概要を説明する説明図である。工事支援システム10は、工事計画立案段階および施工段階において、現場代理人をはじめとする工事関係者を支援する。さらに工事支援システム10は、現場代理人等の自己啓発活動も支援する。
【0017】
工事支援システム10は、ネットワークを介して接続された情報処理装置20、サーバ30、第1携帯機器41および第2携帯機器42を含む。情報処理装置20は、現場代理人が元請事業者のオフィスまたは現場事務所等で使用するパソコンまたはタブレット等の情報機器である。第1携帯機器41は、現場代理人が使用するスマートフォンまたはタブレット等の情報機器である。第2携帯機器42は、ベテラン技術者等のアドバイザーが使用するスマートフォンまたはタブレット等の情報機器である。それぞれのハードウェアの詳細については、後述する。
【0018】
工事計画立案段階においては、現場代理人は個々の工事作業をいつ実施するかを定めた工事計画を作成し、必要な機材および職人等を手配する。現場代理人は、たとえば天候不順等のトラブルにより進捗に遅延が生じた場合には、当初の工事計画を修正する場合がある。
【0019】
現場代理人が情報処理装置20を操作して作成または修正中の計画は、サーバ30に随時送信される。サーバ30から情報処理装置20に様々な参考情報が送信される。現場代理人は、参考情報を参照することにより、精度の高い工事計画を立案できる。
【0020】
施工段階においては、現場代理人は朝礼、昼礼および夕礼等を開催し、当日の作業を担当する職人等の関係者との情報共有および事故防止のための注意喚起等を行なう。現場代理人は、現場パトロールを適宜実施して工事の進捗状況を確認し、必要に応じて写真撮影等の記録を行なう。
【0021】
サーバ30から第1携帯機器41に対して、様々な参考情報がいわゆるプッシュ形式で送信される。制御部411(
図3参照)は、受信した参考情報を自動的にタッチパネル417に表示するとともに、たとえば「ピーン」等の注意喚起音を鳴らす。建設現場で鳴っても違和感の無い注意喚起音を使用することで、職人等の作業の邪魔になりにくい工事支援システム10を提供できる。
【0022】
制御部411は注意喚起音と同時に、または注意喚起音の代わりに「プルプル」のような振動を発生させて現場代理人の注意を喚起してもよい。なお、参考情報は音声のみで出力されてもよい。以下の説明では、音声のみの場合も含めてプッシュ形式での情報提示をポップアップ表示と記載する。
【0023】
現場代理人は、ポップアップ表示された参考情報を確認してから朝礼等を行なうことにより、注意事項等の伝達漏れを防止できる。現場代理人は、たとえば参考情報を表示した第1携帯機器41の画面を職人に見せながら、注意点等を説明することにより、正確な情報共有を実現できる。現場代理人は、ポップアップ表示された参考情報を確認してから現場パトロールに行くことにより、要注目点の見落とし等を防止できる。
【0024】
朝礼等の終了後、現場パトロール終了後、または、一日の作業が終了した後等の区切りにおいて、現場代理人は情報処理装置20を操作して日報を作成する。日報には、工事の進捗状況、および、朝礼等で関係者に伝達した事柄、現場パトロール中に撮影した写真、および、朝礼中の録音等のデータ等が添付される。現場代理人が作成中の日報は、サーバ30に随時送信される。
【0025】
工事計画立案段階および施工段階のいずれであっても、現場代理人が自分の判断に不安を感じた場合には、第1携帯機器41または情報処理装置20を操作して相談事項をサーバ30に送信する。ベテラン技術者等のアドバイザーが使用する第2携帯機器42に、相談内容が送信される。
【0026】
アドバイサーは、相談内容を確認して助言および指示等を行なう。相談内容およびアドバイザーからの回答等は、サーバ30に記録され、現場代理人に提供される参考情報の改善および更新等に利用される。
【0027】
現場代理人は、スキルアップのための自己啓発にも工事支援システム10を利用できる。現場代理人は、第1携帯機器41を介して学びたい事柄に関するキーワード等をサーバ30に送信する。サーバ30から参考情報が第1携帯機器41に送信される。現場代理人は、参考情報を読み、理解することで自己啓発を効率良く進められる。
【0028】
図2および
図3は、工事支援システム10の構成を説明する説明図である。前述のように工事支援システム10は、ネットワークを介して接続された情報処理装置20、サーバ30、第1携帯機器41および第2携帯機器42を含む。
図2は、このうち情報処理装置20およびサーバ30の構成を説明する説明図である。
【0029】
サーバ30は、制御部31、主記憶装置32、補助記憶装置33、通信部34およびバスを備える。制御部31は、本実施の形態のプログラムを実行する演算制御装置である。制御部31には、一または複数のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)またはマルチコアCPU等が使用される。制御部31は、バスを介してサーバ30を構成するハードウェア各部と接続されている。制御部31は、実施の形態の第1制御部の例示である。
【0030】
主記憶装置32は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置32には、制御部31が行なう処理の途中で必要な情報および制御部31で実行中のプログラムが一時的に保存される。
【0031】
補助記憶装置33は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置33には、参考情報DB51、計画DB52、ポップアップDB53、制御部31に実行させるプログラムおよびプログラムの実行に必要な各種データが保存される。参考情報DB51、計画DB52およびポップアップDB53は、サーバ30に接続された外部の大容量記憶装置に記憶されていてもよい。
【0032】
通信部34は、サーバ30とネットワークまたは他の機器との間の通信を行なうインターフェイスである。
【0033】
サーバ30、汎用のパソコン、タブレット、スマートフォン等である。サーバ30は、大型計算機、大型計算機上で動作する仮想マシン、分散処理を行なう複数のパソコン、または、クラウドコンピューティングシステムと、端末装置との組み合わせにより構成されてもよい。
【0034】
情報処理装置20は、制御部21、主記憶装置22、補助記憶装置23、通信部24、表示部25、入力部26およびバスを備える。制御部21は、本実施の形態のプログラムを実行する演算制御装置である。制御部21には、一または複数のCPU、GPUまたはマルチコアCPU等が使用される。制御部21は、バスを介して情報処理装置20を構成するハードウェア各部と接続されている。制御部21は、本実施の形態の第3制御部の例示である。
【0035】
主記憶装置22は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置22には、制御部21が行なう処理の途中で必要な情報および制御部21で実行中のプログラムが一時的に保存される。
【0036】
補助記憶装置23は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置23には、制御部21に実行させるプログラムおよびプログラムの実行に必要な各種データが保存される。通信部24は、情報処理装置20とネットワークとの間の通信を行なうインターフェイスである。
【0037】
情報処理装置20は、現場代理人が元請事業者のオフィスまたは現場事務所等で使用するパソコンまたはタブレット等の情報機器である。情報処理装置20は、サーバ30と接続した状態で使用される、いわゆるシンクライアント型の端末装置であってもよい。
【0038】
図3は、第1携帯機器41および第2携帯機器42の構成を説明する説明図である。第1携帯機器41は、制御部411、主記憶装置412、補助記憶装置413、通信部414、タッチパネル417、図示を省略するマイクとスピーカ、およびバスを備える。制御部411には、一または複数のCPU、GPUまたはマルチコアCPU等が使用される。制御部411は、バスを介して第1携帯機器41を構成するハードウェア各部と接続されている。制御部411は、本実施の形態の第2制御部の例示である。
【0039】
主記憶装置412は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置412には、制御部411が行なう処理の途中で必要な情報および制御部411で実行中のプログラムが一時的に保存される。
【0040】
補助記憶装置413は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置413には、制御部411に実行させるプログラムおよびプログラムの実行に必要な各種データが保存される。
【0041】
通信部414は、第1携帯機器41とネットワークとの間の通信を行なうインターフェイスである。タッチパネル417は、積層配置された表示部415と入力部416とを含む。表示部415は、たとえば液晶表示パネルまたは有機EL(electro-luminescence)パネルである。
【0042】
第2携帯機器42は、制御部421、主記憶装置422、補助記憶装置423、通信部424、タッチパネル427、図示を省略するマイクとスピーカ、およびバスを備える。制御部421には、一または複数のCPU、GPUまたはマルチコアCPU等が使用される。制御部421は、バスを介して第2携帯機器42を構成するハードウェア各部と接続されている。
【0043】
主記憶装置422は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置422には、制御部421が行なう処理の途中で必要な情報および制御部421で実行中のプログラムが一時的に保存される。
【0044】
補助記憶装置423は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置423には、制御部421に実行させるプログラムおよびプログラムの実行に必要な各種データが保存される。
【0045】
通信部424は、第2携帯機器42とネットワークとの間の通信を行なうインターフェイスである。タッチパネル427は、積層配置された表示部425と入力部426とを含む。表示部425は、たとえば液晶表示パネルまたは有機ELパネルである。
【0046】
第1携帯機器41は、現場代理人が使用する汎用のスマートフォンまたはタブレット等の携帯型情報機器である。第2携帯機器42は、ベテラン技術者等のアドバイザーが使用する汎用のスマートフォン、タブレットまたはパソコン等の情報機器である。
【0047】
第1携帯機器41および第2携帯機器42は、汎用のスマートフォンまたはタブレット等の携帯型の情報機器である。第1携帯機器41および第2携帯機器42は、ゴーグル型、眼鏡型またはコンタクトレンズ型の表示装置と、ジェスチャ入力または音声入力等を受け付ける入力装置とを有する、いわゆるウェアラブル型の情報機器であってもよい。経験豊富な現場代理人が使用する第1携帯機器41は、経験の浅い現場代理人からの相談を受け付けて、助言等を送信する第2携帯機器42を兼ねてもよい。
【0048】
情報処理装置20と第1携帯機器41とは、近接している場合にはBluetooth(登録商標)、赤外線通信、無線LAN(Local Area Network)等の、任意の近距離無線通信方式により、直接通信できる。
【0049】
なお情報処理装置20のユーザは、現場代理人に限定しない。たとえば現場代理人の上司、現場代理人を補助する補助者、現場監督、主任技術者等、作業計画の立案および日報の作成に関与する関係者が、情報処理装置20のユーザになり得る。
【0050】
第1携帯機器41のユーザも現場代理人に限定しない。たとえば現場代理人を補助する補助者、現場監督、主任技術者、インターン、作業担当者、または下請け事業者等の協力会社の従業員等の建設現場で働く人が、第1携帯機器41を使用してもよい。
【0051】
同様に第2携帯機器42のユーザであるアドバイザーは、たとえば元請事業者または関連会社のベテラン技術者等である。技術士、または、技術コンサルタント等の社外の有識者がアドバイザーであってもよい。図示を省略するアドバイザーデータベースに、それぞれのアドバイザーの得意分野および連絡先、すなわち使用しているスマートフォン等の第2携帯機器42を特定する情報が記録されている。
【0052】
図4は、参考情報DB51のレコードレイアウトを説明する説明図である。参考情報DB51は、サーバ30から情報処理装置20および第1携帯機器41に送信される参考情報のデータIDと、管理部門、施工種別、工事種目、情報種別、協力会社の従業員への提供可否およびキーワードとを関連づけて記録したデータベースである。
【0053】
参考情報DB51は、データIDフィールド、管理部門フィールド、施工種別フィールド、工事種目フィールド、情報種別フィールド、協力会社フィールド、キーワードフィールドを有する。
【0054】
データIDフィールドには、参考情報を記録したファイルに固有に付与されたデータIDが記録されている。参考情報を記録したファイルは、たとえば動画ファイル、または文書ファイル等、情報処理装置20および第1携帯機器41から出力できる任意の形式のファイルである。たとえばデータIDは、参考情報が記録されているファイルのファイル名であってもよい。
【0055】
参考情報は、複数のファイルにより構成されていてもよい。それぞれの参考情報は、数秒間から数分間程度で十分に内容を把握できるように、適切に整理されている。
【0056】
参考情報を記録したファイルは、データIDフィールドに基づいて速やかに呼び出せるように、補助記憶装置33または外部の大容量記憶装置に保存されている。参考情報DB51は、参考情報を記録したファイルを保存するレコードを有してもよい。
【0057】
管理部門フィールドには、参考情報の作成および更新を管理する管理部門が記録されている。管理部門の担当者は、必要に応じて参考情報の更改を行ない、参考情報DB51の対応するレコードを更新する。管理部門の担当者は、新規の参考情報を作成して参考情報DB51に追加してもよい。
【0058】
施工種別フィールドには、参考情報が関連する施工種別が記録されている。「共通」は、すべての施工種別に共通する事柄を意味する。施工種別フィールドには、複数の施工種別が記録されていてもよい。工事種目フィールドには、施工種別をさらに細分化した工事種目が記録されている。
【0059】
情報種別フィールドには、参考情報の種別が記録されている。協力会社フィールドには、協力会社の従業員への開示可否が記録されている。「可」は、開示可能であることを、「不可」は開示不可能であることをそれぞれ意味する。なお、開示可能な協力会社の名称等が協力会社フィールドに記録されてもよい。
【0060】
キーワードフィールドには、参考情報に関するキーワードが記録されている。キーワードは、参考情報のファイルから自動的に抽出されても、参考情報の作成者または参考情報DB51管理部門の担当者により付与されてもよい。
【0061】
参考情報DB51は、一つの参考データについて一つのレコードを有する。参考情報DB51の管理部門は、たとえば定期的に、または法改正等の時期に合わせて管理部門に参考情報の更改を依頼する等のデータメンテナンス作業を行ない、参考情報を最新の状態に保つ。
【0062】
なお、データIDの各桁に意味を持たせることにより、参考情報DB51のフィールド数を削減できる。たとえば、データIDの右四桁が管理部門を、次の三桁が施工種別を、次の二桁が工事種目を示し、最後の三桁が通し番号を示すように、採番ルールを定める。このような採番ルールを定めることにより、
図4を使用して説明した参考情報DB51のうち、管理部門フィールド、施工種別フィールドおよび工事種目フィールドを省略できる。
【0063】
図5は、計画DB52のレコードレイアウトを説明する説明図である。計画DB52は、現場責任者が作成した工事計画を記録するデータベースである。計画DB52は、工事番号フィールド、工事種目フィールドおよび計画フィールドを有する。計画フィールドは、3月1日フィールド、3月2日フィールド等の、一日ごとの日付のフィールドを有する。
【0064】
工事番号フィールドには、建設工事ごとに固有に付与された工事番号が記録されている。工事種目フィールドには、それぞれの建設工事を構成する種々の作業に関する工事種目が記録されている。計画フィールド内の各日付フィールドには、それぞれの日付における工事種目の作業有無が記録されている。「有」は、日付フィールドの日付に作業を行なうことを、「無」は、日付フィールドの日付に作業を行なわないことをそれぞれ示す。計画DB52は、一つの工事種目について、一つのレコードを有する。
【0065】
図6は、ポップアップDB53のレコードレイアウトを説明する説明図である。ポップアップDB53は、第1携帯機器41に参考情報をポップアップ表示する日時、および、ポップアップする参考情報のデータIDを関連づけて記録するデータベースである。
【0066】
ポップアップDB53は、工事番号フィールド、携帯機器IDフィールド、日付フィールド、時刻フィールドおよびデータIDフィールドを有する。工事番号フィールドには、建設工事ごとに固有に付与された工事番号が記録されている。携帯機器IDフィールドには、工事を担当する現場代理人が使用する第1携帯機器41に固有に付与された携帯機器IDが記録されている。第1携帯機器41がスマートフォンである場合、電話番号、製造番号またはMAC(Media Access Control address)アドレス等が携帯機器IDに使用されてもよい。
【0067】
日付フィールドには、ポップアップ表示を行なう日付が記録されている。時刻フィールドには、ポップアップ表示を行なう時刻が記録されている。データIDフィールドにはポップアップ表示を行なう参考情報のデータIDが記録されている。ポップアップDB53は、1回のポップアップ表示について一つのレコードを有する。
【0068】
[工事計画立案段階]
図7は、工事計画立案段階の初期画面例である。
図7は、現場代理人が担当する建設工事の工事計画の作成を開始する際に、表示部25に表示される画面の例を示す。
【0069】
図7に示す画面の上部には、月間工程ボタン658および日報ボタン659が配置されている。
図7は、月間工程ボタン658が選択された状態を示す。画面の左上部には、工事番号等の基本情報が表示される基本情報欄61が配置されている。画面の右上部には、キーワード欄625が配置されている。
【0070】
月間工程ボタン658、日報ボタン659およびキーワード欄625の下側に、情報種別欄621、ポップアップ時間欄622、登録状態欄623および参考情報欄624が配置されている。登録状態欄623の初期状態は、「画像・音声データ登録済み」である。
【0071】
画面の下半分には、表形式の日程表欄631が配置されている。以下の説明においては、日程表欄631の一つの枠を「セル」と記載する。日程表欄631の右端には、前月ボタン636、次月ボタン637および印刷ボタン638が配置されている。前月ボタン636、次月ボタン637および印刷ボタン638は、たとえば現場代理人がドラッグアンドドロップ操作を行なうことにより、日程表欄631の閲覧の邪魔にならない場所に移動可能であることが望ましい。
【0072】
図7において、縦方向は工事種目を配列する第1方向の例示であり、横方向は日付を配列する第2方向の例示である。日程表欄631は、第1方向を横方向に、第2方向を縦方向に配置した表であってもよい。
【0073】
図8は、工事計画立案段階の入力中の画面例である。基本情報欄61の各項目は、たとえば図示を省略する工事情報に関するデータベースから複写される。現場代理人が、入力部26を操作して基本情報欄61の各項目にデータを入力してもよい。
【0074】
制御部21は、基本情報欄61の中央部に表示されている「工期」に対応する日付を日程表欄631の上部に表示する。なお、工期が長くて一画面に表示できない場合には、制御部21は日程表欄631の縁にスクロールバーを表示してもよい。現場代理人による、前月ボタン636または次月ボタン637の選択を受け付けた場合、制御部21は日程表欄631の表示を前月または次月に切り替える。
【0075】
現場代理人は、日程表欄631の左端のセルに「停止期間」、「準備・片付け」、「図面,手順作成」および「〇〇盤搬入据付」等の工事種目を入力する。標準的な工事種目が制御部21により自動的に入力されてもよい。
【0076】
現場代理人は、入力部26を操作して、それぞれの工事種目と、対応する作業を実施する日とを示すセルを選択する。制御部21は、選択されたセルに日程指標632を表示する。現場代理人は、以上の操作を繰り返して、日程表を作成する。現場代理人による印刷ボタン638の選択を受け付けた場合、制御部21は図示を省略するプリンタに日程表を出力する。
【0077】
参考情報欄624について説明する。現場代理人が入力部26を操作して情報種別欄621で「人身事故・設備事故」を選択した場合、制御部21は選択を受け付けた情報種別と、基本情報欄61の上部に記録された施工種別と、最後に設定された日程指標632に対応する工事種目とをサーバ30に送信する。制御部31は、施工種別、情報種別および工事種目をキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出し、情報処理装置20に送信する。
【0078】
図8に示すように、制御部21は受信した参考情報に基づいて、参考情報欄624に要約表示欄626を表示する。それぞれの要約表示欄626には、たとえば参考情報の概要と代表図とが含まれる。制御部31により送信された参考情報に、要約表示欄626に表示するべき要約文書が含まれていてもよい。
【0079】
現場代理人が入力部26を操作して要約表示欄626を選択した場合、制御部21は表示部25にサーバ30から受信した参考情報を表示する。現場代理人は、参考情報の詳細を閲覧できる。なお、制御部21は要約表示欄626の選択を受け付けた後で、サーバ30から参考情報の詳細を受信してもよい。
【0080】
たとえば、社内ルールを確認したい場合には、現場代理人は情報種別欄621で「社内ルール」を選択する。サーバ30と制御部21とは連携して、参考情報欄624に「社内ルール」に関する参考情報を表示する。以上により、現場代理人はたとえば自分の知識が不足している情報種別に関する参考情報を適宜参照しながら日程表を作成できる。
【0081】
図9は、工事計画立案段階の入力中の画面例である。
図9は、ポップアップ表示を行なう日時および参考データをポップアップDB53に記録する際に使用する画面の例を示す。
図9においては、情報種別欄621においてすべての情報種別が選択されている例を示す。
【0082】
たとえば現場代理人は、カーソル633を入力済の日程指標632に合わせて、ダブルクリック、または右クリックメニューの表示とメニュー項目の選択等の操作を行なう。制御部21は、現場代理人による操作を受け付けて、選択された位置のセルから上下および左右にそれぞれ延びる指標枠639を表示する。なお、制御部21は指標枠639を表示する代わりに、選択された位置のセルを含む行および列の色を、他の行および列とは異なる色に設定してもよい。指標枠639の表示の有無および表示形式は、現場代理人が設定可能であることが望ましい。
【0083】
制御部21は、左端に表示されている工事種別と、情報種別欄621で選択されている情報種別と、基本情報欄61の上部に記録された施工種別とを、サーバ30に送信する。制御部31は、工事種別、情報種別および施工種別をキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出し、情報処理装置20に送信する。
【0084】
制御部21は受信した参考情報に基づいて、参考情報欄624に要約表示欄626を表示する。現場代理人は、入力部26を操作して第1携帯機器41にポップアップ表示したい参考情報が表示された要約表示欄626を選択する。現場代理人は、ポップアップ時間欄622を操作してポップアップ表示を行なう時刻を設定する。
【0085】
要約表示欄626の選択またはポップアップ時間欄622の操作が行われた場合、制御部21は登録状態欄623を「画像・音声データ未登録」の状態に設定する。要約表示欄626の選択と、ポップアップ時間欄622の設定が終了した後、現場代理人は登録状態欄623を選択する。
【0086】
制御部21は、現場代理人による選択を受け付けた参考情報のデータIDと、ポップアップ時間欄622に設定された時刻と、カーソル633により選択されたセルに対応する日付とをサーバ30に送信する。制御部31は、ポップアップDB53に新規レコードを作成して、受信した日付、時刻およびデータIDを記録する。
【0087】
制御部21は、登録状態欄623を初期状態である「画像・音声データ登録済」の状態に戻す。現場代理人は、以上の作業を繰り返して、適切な日時に、適切な情報が第1携帯機器41にポップアップ表示されるように設定を行なう。
【0088】
なお、ポップアップDB53には現場代理人が設定したレコードに加えて、たとえば現場代理人の上司が設定したレコード等が記録されてもよい。上司は、部下である現場代理人の経験および工事計画を勘案して、適切な時期に適切な参考情報がポップアップ表示されるように、ポップアップDB53にレコードを追加できる。
【0089】
たとえば、各建設現場で勤務している現場代理人に共通で通知するべき事柄が、各ポップアップDB53に記録されてもよい。緊急性の高い注意喚起事項等を、ポップアップ表示により速やかに伝達する工事支援システム10を提供できる。
【0090】
ポップアップDB53は、ポップアップ表示するテキスト、写真または動画等のデータ記録するフィールドを有してもよい。たとえば現場代理人は、参考情報欄624からポップアップ表示する参考情報を選択する代わりに、自分で作成したテキストをポップアップDB53に記録して、ポップアップ表示させることができる。
【0091】
[施工段階]
図10は、第1携帯機器41のメインメニュー画面例である。現場代理人が第1携帯機器41を操作して工事支援システム10を起動した場合には、
図10に示す画面が表示される。すなわち、
図10に示す画面は、工事支援システム10の初期画面である。タッチパネル417に、ひといちボタン651、現場アシ情報ボタン652、現場アシ工事ボタン653および協力会社技術支援ボタン654を含む複数のアイコンが並べて表示されている。
【0092】
図11は、ポップアップ表示中の画面例である。制御部31は、ポップアップDB53に記録された日時に、記録されたデータIDに対応する参考情報を第1携帯機器41に送信する。制御部411は、参考情報を受信して、参考情報を示すポップアップ欄655をタッチパネル417に表示する。制御部411は、「ピーン」等の注意喚起音を鳴らす。
【0093】
たとえば、タッチパネル417にメール画面等が表示されている場合、制御部411はメール画面の上にポップアップ欄655を重畳表示する。現場代理人がポップアップ欄655に表示された参考情報を確認して、たとえばスワイプ操作等の所定の操作を行なった場合に、制御部411はポップアップ欄655を消去して、タッチパネル417の表示を元の状態に戻す。
【0094】
ポップアップDB53に記録されている参考情報が動画または音声である場合、制御部411はポップアップ欄655に再生ボタンを表示する。現場代理人が再生ボタンを操作した場合に、制御部411は動画または音声を再生する。
【0095】
図12は、「現場アシ工事」のメニュー画面例である。制御部411は、
図10を使用して説明した画面において現場アシ工事ボタン653の選択を受け付けた場合に、
図12に示すメニュー画面を表示する。「現場アシ工事」のメニュー画面は、建設現場において現場代理人を支援する機能を提供するメニュー画面である。
【0096】
図12のメニュー画面は、動画ボタン661、写真ボタン662、音声ボタン663、情報提供ボタン欄667、保存ボタン664、設備事故ボタン665および人身事故ボタン666を含む。
【0097】
情報提供ボタン欄667には、作業内容変更ボタン668、電気設備基準ボタン、安衛法安衛則(安全衛生法・安全衛生規則)ボタン、現場ノウハウボタン、関係図面ボタン、品質管理ボタン、設計ボタンおよび社有器材ボタン等、表示する情報の選択を受け付ける複数のボタンが配置されている。作業内容変更ボタン668については、後述する。
【0098】
図12においては、情報提供ボタン欄667に9個のボタンを例示するが、情報提供ボタン欄667はさらに多数のボタンを含み、スクロール可能になっていてもよい。情報提供ボタン欄667をスクロールした場合であっても、動画ボタン661、写真ボタン662、音声ボタン663、保存ボタン664、設備事故ボタン665および人身事故ボタン666はタッチパネル417に常に表示されている。
【0099】
情報提供ボタン欄667に表示されている各ボタンの名称と、設備事故ボタン665および人身事故ボタン666の名称とは、いずれも情報種別の例示である。
図12に示す画面は、情報種別の選択を受け付けるメニュー画面の例示である。
【0100】
現場代理人は、たとえば動画ボタン661または写真ボタン662を操作して、動画撮影または写真撮影を行なえる。現場代理人は、音声ボタン663を操作して音声録音を行なえる。音声録音には、人の声の録音だけでなく、建設機械が発する音の録音も含まれる。動画撮影、写真撮影および音声録音は、汎用のスマートフォン等に従来から搭載されている機能であるため、詳細については説明を省略する。現場代理人が保存ボタン664を操作した場合、制御部411は動画、写真および音声のデータ、または後述するようにタッチパネル417に詳細情報を表示した参考情報に、日報に記録する旨のフラグを付与する。
【0101】
図13は、人身事故ボタン666が選択された場合の画面例である。制御部411は、人身事故ボタン666が選択された旨をサーバ30に送信する。制御部31は人身事故をキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出し、第1携帯機器41に送信する。
【0102】
制御部411は、受信した参考情報に基づいて、タッチパネル417に要約表示欄626を表示する。それぞれの要約表示欄626には、たとえば参考情報の概要と代表図とが含まれる。サーバ30から受信した参考情報の数が多い場合、制御部411はスクロールバーを表示してもよい。
【0103】
図14は、参考情報の詳細を表示した画面例である。
図14は、
図13を使用して説明した画面において現場代理人による左上の要約表示欄626の選択を受け付けた場合に、制御部411がタッチパネル417に表示する画面を示す。タッチパネル417の全面を使用して参考情報全体が表示されている。
【0104】
タッチパネル417の右下に戻るボタン671が配置されている。参考情報がテキストデータである場合には、制御部21テキストデータが戻るボタン671により隠されないように改行制御してもよい。
【0105】
参考情報は、他の参考情報またはWEB(World Wide Web)上のデータを示すリンクを含んでいてもよい。現場代理人は、参考情報中のリンクを辿ることにより、さらに詳細な情報を閲覧できる。戻るボタン671の選択を受け付けた場合、制御部21は
図13を使用して説明した画面に表示を戻す。
【0106】
図15は、作業内容変更ボタン668が選択された場合の画面例である。当初の計画通りの作業では現場の状況に合わない等の事情により、作業内容を変更するべきであると判断した場合、現場代理人は
図12を使用して説明した画面中の作業内容変更ボタン668を選択する。
【0107】
制御部411は、作業内容変更ボタン668の選択を受け付けた旨と、現場代理人が担当中の建設工事の工事番号とをサーバ30に送信する。制御部31は、工事番号と当日の日付とをキーとして計画DB52を検索し、当日予定されている工事種目を抽出する。なお、作業内容変更ボタン668の選択を受け付けた時刻がたとえば14時以降である場合、制御部31は当日の日付と翌日の日付の両方をキーに使用して、当日および翌日に予定されている工事種目を抽出してもよい。
【0108】
制御部31は、図示を省略する工事情報に関するデータベースを検索して、工事番号に対応する施工種別を抽出する。なお制御部31は、工事番号にかかわらず「共通」の施工種別も抽出する。
【0109】
制御部31は、抽出した施工種別と工事種目とをキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出し、第1携帯機器41に送信する。制御部411は、受信した参考情報に基づいて、タッチパネル417に要約表示欄626を表示する。制御部411は、タッチパネル417の上部にキーワード欄625およびTL電話ボタン672を表示する。
【0110】
TL電話ボタン672の選択を受け付けた場合、制御部411はTL(Team Leader)宛の電話を発信する。TLは、たとえば現場代理人の上司、現場代理人が所属するチームのリーダー、または現場代理人のOJTを担当するトレーナー等、現場代理人を指導する役目を担うリーダーである。TLの電話番号は、あらかじめ補助記憶装置33に記憶されている。現場代理人は、作業内容の変更についてTLと電話で相談できる。
【0111】
現場代理人は、キーワード欄625にキーワードを入力して、参考情報の絞り込み検索を行なえる。絞り込み検索を行なうことにより、現場代理人は必要な情報を速やかに探して、閲覧できる。
【0112】
図16は、「基本的な考え方・チェックポイント」が選択された場合の画面例である。
図15を使用して説明した画面において、左上の要約表示欄626の選択を受け付けた場合、制御部411は
図16に示す画面を表示する。
図16に例示する画面には、作業内容を変更する場合の基本的な考え方が簡潔にまとめられている。現場代理人は、
図16の情報を閲覧して、状況を整理してからTLに電話することで、TLへの相談を効率良く行える。
【0113】
図12から
図16の画面は、建設現場において現場代理人を支援する機能を提供するプログラムまたは支援アプリにより表示される画面の例示である。現場アシ工事ボタン653は、支援する機能の起動指示を受け付ける起動指示ボタンの例示である。
【0114】
図17は、「協力会社技術支援」のメニュー画面例である。制御部411は、
図10を使用して説明した画面において協力会社技術支援ボタン654の選択を受け付けた場合に、
図17に示すメニュー画面を表示する。
図17のメニュー画面は、
図12を使用して説明した「現場アシ工事」のメニュー画面と類似しているが、たとえば現場ノウハウボタン、設計ボタンおよび社有器材ボタン等の、協力会社にはアクセスを許可しない情報を表示するボタンは表示されない。
【0115】
図12を使用して説明した「現場アシ工事」のメニュー画面においては左下に保存ボタン664が配置されているが、
図17に示す「協力会社技術支援」のメニュー画面においては左下に送信ボタン673が配置されている。
【0116】
現場代理人は、協力会社の従業員等との打ち合わせを行なう際には、
図10を使用して説明したメインメニュー画面において現場アシ情報ボタン652の代わりに協力会社技術支援ボタン654を選択することで、誤って社外秘情報を開示してしまうトラブルを防止できる。
【0117】
協力会社の従業員にも第1携帯機器41の利用を許可する場合には、
図10を使用して説明したメインメニュー画面において、ひといちボタン651、現場アシ情報ボタン652および現場アシ工事ボタン653を表示せず、協力会社技術支援ボタン654のみを表示させてもよい。協力会社の従業員に対して、アクセスを許可できる範囲でできるだけ多くの情報を提供することにより、相互理解を深めて、建設工事を円滑に進められるようにする工事支援システム10を提供できる。
【0118】
協力会社の従業員等、現場代理人以外の者が第1携帯機器41を使用している場合について説明する。送信ボタン673の選択を受け付けた場合、制御部411は動画ボタン661、写真ボタン662または音声ボタン663を使用して記録された動画、写真、または音声と、参考情報の閲覧履歴とを、サーバ30を介して現場代理人が使用する第1携帯機器41に送信する。現場代理人は、協力会社の従業員等の作業状況を確認し、建設現場を適切に管理できる。
【0119】
図17の画面は、建設現場において協力会社の従業員等を支援する機能を提供するプログラムまたは支援アプリにより表示される画面の例示である。である。協力会社技術支援ボタン654は、支援する機能の起動指示を受け付ける起動指示ボタンの例示である。
【0120】
図18は、「現場アシ情報」のメニュー画面例である。制御部411は、
図10を使用して説明した画面において現場アシ情報ボタン652の選択を受け付けた場合に、
図18に示すメニュー画面を表示する。「現場アシ情報」のメニュー画面は、現場代理人の自己啓発を支援する機能を提供するメニュー画面である。
【0121】
図18のメニュー画面の上部には、キーワード欄625が表示されている。キーワード欄625の下には、「安全・環境情報提供」、「技術情報提供」および「品管情報提供」等のグループに分けて、学習対象項目を示すボタンが表示されている。たとえば、「安全環境情報提供」のグループの右端には、ハーネス使用方法ボタン669が表示されている。
【0122】
図19は、ハーネス使用方法ボタン669が選択された場合の画面例である。タッチパネル417に、ハーネス使用方法を説明する動画が表示されている。現場代理人は、動画再生ボタン等を操作して、ハーネス使用方法を学習できる。動画再生ボタン等は、従来から一般的に使用されているため、詳細については説明を省略する。
図19の右下には戻るボタン671が表示されている。戻るボタン671の選択を受け付けた場合、制御部411は
図18を使用して説明した画面に戻る。
【0123】
図18および
図19の画面は、現場代理人が工事に関する知識の自己啓発を支援するプログラムまたは学習アプリにより表示される画面の例示である。現場アシ情報ボタン652は、自己啓発を支援する機能の起動指示を受け付ける起動指示ボタンの例示である。
【0124】
現場代理人は、キーワード欄625を使用して興味のある情報を絞り込むこともできる。現場代理人の上司または人事部門等が、それぞれの現場代理人に関する育成計画等に応じて定めた事柄に関するボタンが、
図18の画面の目立つ位置に表示されてもよい。
【0125】
図10を使用して説明したメニュー画面に、協力会社技術支援ボタン654と同様に、協力会社の従業員等の自己啓発を支援するプログラムまたは学習アプリを起動するボタンが設けられていてもよい。協力会社の従業員向けの参考情報のみを提示するプログラムまたは学習アプリにより、協力会社の従業員等の自己啓発を支援できる。
【0126】
図20は、第1携帯機器41に表示される「ひといち」の入力画面例である。「ひといち」は、現場代理人が困り事に関してアドバイザーに相談する仕組み、および、相談を支援する相談プログラムまたは相談アプリの名称である。ひといちボタン651は、アドバイザーへの相談を支援する機能の起動指示を受け付ける起動指示ボタンの例示である。
【0127】
「ひといち」の名称は、
図11を使用して説明したポップアップ画面に示す「人間第一」のスローガンに由来する。制御部411は、
図10を使用して説明した画面においてひといちボタン651の選択を受け付けた場合に、
図20に示す入力画面を表示する。
【0128】
図20の入力画面は、動画ボタン661、写真ボタン662、音声ボタン663、キーワード欄625および入力欄679を含む。入力欄679の上部には変化変更ボタン676が、入力欄679の下部には送信ボタン673、解決ボタン674および入力ボタン675がそれぞれ表示されている。
【0129】
現場代理人が入力ボタン675を操作した場合、制御部411は入力欄679を入力受付モードにして、カーソルを表示する。現場代理人は、入力部416を操作して入力欄679中の[知りたい情報]の下に知りたい情報、すなわちアドバイザーへの相談内容を記載する。入力欄679内はスクロール可能であり、現場代理人は必要に応じて一画面分を超える長さの文章を入力可能である。スクロールした場合であっても、変化変更ボタン676、送信ボタン673、解決ボタン674および入力ボタン675の位置は変化しない。
【0130】
現場代理人は、動画ボタン661、写真ボタン662または音声ボタン663を使用して、相談内容を説明する動画、写真、または音声を記録してもよい。建設現場の状況等に何らかの変化がある場合、または、作業内容を従来とは変更した場合には、現場代理人は変化変更ボタン676を選択する。現場代理人は、相談内容に関連するキーワードをキーワード欄625に入力する。
【0131】
入力終了後、現場代理人は送信ボタン673を選択する。制御部411は、キーワード欄625に入力されたキーワードと、入力欄679に入力された相談内容と、動画ファイル、写真ファイルおよび音声ファイル等とをサーバ30に送信する。変化変更ボタン676が選択されている場合、制御部411はサーバ30に送信する情報に変化変更ボタン676が選択されている旨のフラグを付与する。
【0132】
制御部31は、受信した情報に基づいて、相談内容の分野に詳しいアドバイザーを選択する。たとえば制御部31は、キーワード欄625に入力されたキーワードと、図示を省略するアドバイザーデータベースに記録されたそれぞれのアドバイザーの得意分野との一致度が高いアドバイザーを抽出する。制御部31は、入力欄679に入力された相談内容からキーワードを抽出してもよい。制御部31が選択するアドバイザーは複数であってもよい。
【0133】
制御部31は、抽出したアドバイザーが使用する第2携帯機器42に、第1携帯機器41から受信した情報を転送する。制御部421は、受信した情報をタッチパネル427に表示する。なお、複数のアドバイザーを抽出した場合、制御部31はたとえば一致度が高いアドバイザーに情報を転送し、所定の時間内にアドバイザーからの反応がない場合に、次に一致度が高いアドバイザーに情報を転送する。制御部31は、複数のアドバイザーに同時に情報を転送してもよい。
【0134】
図21は、第2携帯機器42に表示される「ひといち」の入力画面例である。
図21の入力画面は、動画ボタン661、写真ボタン662、音声ボタン663および入力欄679を含む。入力欄679の上部には電話ボタン678および変化変更表示欄677が、入力欄679の下部には送信ボタン673および入力ボタン675がそれぞれ表示されている。
【0135】
変化変更表示欄677には、現場代理人による変化変更ボタン676の選択を受け付けたことが反映されている。仮に現場代理人が変化変更ボタン676を選択していない場合、変化変更表示欄677にはたとえば「変化・変更作業なし」と表示される。
【0136】
図21は、アドバイザーが相談内容を確認して、入力欄679をスクロールした後の状態を示す。現場代理人から送信された相談内容は、スクロールアウトしている。アドバイザーは、たとえば入力ボタン675を選択する。制御部421は、入力欄679を入力受付モードにして、カーソルを表示する。アドバイザーは、入力部426を操作して、現場代理人に提供する情報を入力する。アドバイザーは、動画ボタン661、写真ボタン662または音声ボタン663を操作して、現場代理人に提供する動画、写真または音声を記録してもよい。
【0137】
入力終了後、アドバイザーは送信ボタン673を選択する。制御部421は、入力欄679に入力された情報と、動画ファイル、写真ファイルおよび音声ファイル等とをサーバ30に送信する。
【0138】
制御部31は、第2携帯機器42から受信した情報を第1携帯機器41に転送する。制御部411は、受信した情報、すなわちアドバイザーからの返信をタッチパネル417に表示する。現場代理人は、アドバイザーから指示または示唆された事柄を確認する。必要であれば現場代理人は入力ボタン675を操作して入力欄679の[確認結果]の下に確認結果を記載して、送信ボタン673を押すことにより、アドバイザーに対して確認結果を報告する。現場代理人と、アドバイザーとは、工事支援システム10を介したコミュニケーションを数回継続してもよい。
【0139】
口頭による情報交換の方が適していると判断した場合、アドバイザーは電話ボタン678を選択する。制御部421は、制御部411は現場代理人宛の電話を発信する。現場代理人の電話番号は、相談内容とともにサーバ30から送信されて、補助記憶装置33に記憶されている。アドバイザー、現場代理人と口頭で情報交換し、必要なアドバイスを行なう。制御部421は、アドバイザー現場代理人との電話の録音データを作成し、補助記憶装置423に記録する。
【0140】
相談内容が解決した場合、現場代理人は解決ボタン674を選択する。制御部411および制御部31を介して、相談内容が送信されたすべての第2携帯機器42に解決ボタン674が選択された旨が伝達される。それぞれの制御部421は、タッチパネル427に現場代理人により解決ボタン674が選択されて、アドバイスが終了した旨を表示する。以上により、たとえば他の業務で手を離せずに、現場代理人へのアドバイスを行なえなかったアドバイサーも相談内容が解決したことを把握できる。
【0141】
制御部411および制御部421は、現場代理人とアドバイザーとのコミュニケーションの過程で記録されたデータをサーバ30に送信する。制御部31は、補助記憶装置33にデータを記録する。記録されたデータは、工事支援システム10の管理者による参考情報DB51の更新、および、工事支援システム10の改善等に活用される。
[日報入力段階]
【0142】
図22は、日報の入力画面例である。
図7から
図9を使用した画面において現場代理人による日報ボタン659の選択を受け付けた場合、制御部21は
図22に示す画面を表示部25に表示する。朝礼、昼礼、夕礼および現場パトロール等のイベント終了後、および、一日の作業が終了した後等に、現場代理人は
図22に示す画面を使用して、日報を作成する。
【0143】
図22に示す画面の上半分の表示は、
図7から
図9を使用して説明した画面と同様であり、画面の上部には、月間工程ボタン658および日報ボタン659が配置されている。
図22は、日報ボタン659が選択された状態を示す。参考情報欄624には、現場代理人がポップアップDB53に登録した参考情報を示す要約表示欄626が表示されている。
【0144】
画面の下側には、左側から順に実績表欄635、情報表示欄628、日報欄681が配置されている。日報欄681の右側に、文字変換ボタン682、スマホ連携ボタン683、前日ボタン686、翌日ボタン687および印刷ボタン638が縦一列に配置されている。
【0145】
実績表欄635は表形式であり、左端に
図8を使用して説明した日程表欄631と同様に「停止期間」、「準備・片付け」、「図面,手順作成」および「〇〇盤搬入据付」等の工事種目が表示されている。ただし、一番下の行には「重機」、その上の行には「関連情報」および「安全装備確認」が表示されている。
【0146】
実績表欄635の上の行には、建設工事現場を区切って定めたエリア名が表示されている。実績表欄635の左上には、当日の日付が表示されている。現場代理人は、入力部26を操作して、各エリアにおいて作業を実施した工事種目に日程指標632を表示させる。
【0147】
図22は、「Aエリア」の「関連情報」を示す日程指標632にカーソル633が合わされている。カーソル633の位置に対応して、Aエリアに関する関連情報が情報表示欄628に表示されている。現場代理人は、入力部26を操作して、情報表示欄628に表示されている情報に追記および修正等を行なう。
【0148】
日報欄681は表形式であり、左端に、「1 朝礼」、「2 AMパト(午前中のパトロール)」等の毎日定期的に実施するイベントが表示されている。最下行の「5 翌日作業」は、午後から夕方にかけて実施する翌日行なう作業の確認」を意味する。右側に、「時間」、「記録・指示」および「保存」の列が配置されている。
【0149】
それぞれの行の「記録・指示」の列には、「音声」、「写真」、「動画」および「資料」の4つのボタンが配置されている。同様に「保存」の列には「保存」および「保存なし」のボタンが表示されている。
【0150】
現場代理人が、朝礼が終わった後に情報処理装置20を使用して
図22の画面を表示させた場合を例にして説明する。参考情報欄624には朝礼前にポップアップした参考情報に関する要約表示欄626が表示されている。朝礼でこの参考情報を参加者に見せて注意喚起等を行なった場合、現場代理人は要約表示欄626を「1 朝礼」の行の「資料」のボタンの上にドラッグアンドドロップする。制御部21は、日報のデータに朝礼で使用した参考資料を追加する。
【0151】
現場代理人によるスマホ連携ボタン683の選択を受け付けた場合、制御部21は第1携帯機器41に対して朝礼時に記録された動画、写真および音声の送信を要求する。制御部21と第1携帯機器41との通信は、サーバ30を介して行なわれてもよい。制御部411は、要求に応じて動画、写真および音声のデータを送信する。制御部21は、日報のデータに受信したデータを追加する。
【0152】
現場代理人による文字変換ボタン682のボタンの選択を受け付けた場合、制御部21は音声データを文字データに変換し、音声データと関連づけて日報のデータに追加する。制御部21は、音声データを図示を省略する外部の音声認識サーバに送信し、変換された文字データを受信してもよい。
【0153】
現場代理人による「資料」のボタンの選択を受け付けた場合、制御部21は日報に記録された参考資料を表示部25に表示する。同様に現場代理人による「写真」のボタンの選択を受け付けた場合、制御部21は日報に記録された写真を表示部25に表示する。以上により、現場代理人は、正しいデータが日報に記録されていることを確認できる。
【0154】
作成中の日報を保存する場合、現場代理人は「保存」のボタンを選択する。たとえば「1 朝礼」の行の「保存」ボタンが選択された場合、制御部21は「1 朝礼」の行の「時間」の列に、朝礼に関するデータが保存された時刻を記録し、最新の状態の日報をサーバ30に送信する。
【0155】
日報の記録を取りやめる場合、現場代理人は「保存なし」のボタンを選択する。入力されたデータは破棄され、日報は前回保存した状態のまま維持される。現場代理人による、前日ボタン686または翌日ボタン687の選択を受け付けた場合、制御部21は実績表欄635の表示を前日または翌日に切り替える。現場代理人による印刷ボタン638の選択を受け付けた場合、制御部21は図示を省略するプリンタに日報を出力する。
【0156】
たとえば朝礼、昼礼および夕礼の際の伝達事項を音声データで記録し、文字変換して日報に添付することにより、現場代理人が日報の作成に要する時間を短縮する工事支援システム10を提供できる。
【0157】
計画DB52、日程表欄631および実績表欄635は、たとえば半日ごと、または2時間ごと等に区切られていてもよい。現場代理人は、たとえば午前中の予定と、午後の予定とに分けて計画を立てることにより、建設工事の進行状況を精度良く管理できる。
【0158】
図23は、工事計画立案段階のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。制御部21は、
図7を使用して説明した初期画面を表示部25に表示する。制御部21は、ユーザによる工事番号の入力を受け付け、工事情報に関するデータベースから建設工事に関する基本情報を取得する(ステップS501)。制御部21は、取得した基本情報を基本情報欄61に表示する。制御部21は、
図7を使用して説明した基本情報欄61を介して、ユーザにより入力された基本情報を取得してもよい。
【0159】
制御部21は、日程表欄631中のセルに対する操作の受付を待つ(ステップS502)。セルに対する操作は、たとえばセルのクリック、ダブルクリックまたは右クリックメニューの表示とメニュー項目の選択等の操作である。制御部21は、操作を受け付けたセルに既に日程指標632が表示されているか否かを判定する(ステップS503)。
【0160】
表示されていないと判定した場合(ステップS503でNO)、制御部21はステップS502で操作を受け付けたセルに日程指標632を追加する(ステップS504)。
【0161】
表示されていると判定した場合(ステップS503でYES)、制御部21はステップS502で受け付けた操作が日程指標632の削除を指示する操作であるか否かを判定する(ステップS506)。削除を指示する操作であると判定した場合(ステップS506でYES)、制御部21はステップS502で操作を受け付けたセルから日程指標632を削除する(ステップS504)。制御部21はステップS502に戻る。
【0162】
削除を指示する操作ではないと判定した場合(ステップS506でNO)、または、ステップS504の終了後、制御部21はサーバ30に対して参考情報の送信を要求する(ステップS511)。具体的には制御部21は、ステップS502で受け付けたセルの左端に表示されている工事種目と、情報種別欄621で選択されている情報種別と、基本情報欄61の上部に記録された施工種別とを、サーバ30に送信する。
【0163】
制御部31は、要求を受信する(ステップS601)。制御部31は、工事種別、情報種別および施工種別をキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出する(ステップS602)。制御部31は、抽出した参考情報を情報処理装置20に送信する(ステップS603)。
【0164】
制御部21は、参考情報を受信する(ステップS512)。制御部21は受信した参考情報に基づいて、
図8および
図9を使用して説明したように、参考情報欄624に要約表示欄626を表示する(ステップS513)。それぞれの要約表示欄626には、たとえば参考情報の概要と代表図とが含まれる。
【0165】
たとえば、制御部31により送信された参考情報に、要約表示欄626に表示するべき要約文書が含まれる。要約文書は、たとえば公知の自然言語処理AI(Artificial Intelligence)により生成される。参考情報の作成者が、要約文書を作成してもよい。
【0166】
制御部21は、ユーザによる要約表示欄626の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS514)。受け付けたと判定した場合(ステップS514でYES)、制御部21はポップアップ時間欄622への入力を受け付ける。制御部21は、たとえばポップアップ時間欄622を点滅させて、ユーザに入力を促してもよい。
【0167】
制御部21は、ステップS502で操作を受け付けたセルの上端に表示されている日付と、ポップアップ時間欄622に入力された時刻と、選択された要約表示欄626に対応する参考情報のデータIDとをサーバ30に送信する(ステップS515)。制御部31は、送信された情報を受信する(ステップS611)。制御部31は、ポップアップDB53に新規レコードを作成して、受信した日付、時刻およびデータIDを記録する(ステップS612)。
【0168】
ステップS515の終了後、または所定の時間が過ぎても要約表示欄626の選択を受け付けないと判定した場合(ステップS514でNO)、制御部21は処理を終了するか否かを判定する(ステップS516)。たとえば、ユーザが入力終了を指示した場合、制御部21は処理を終了すると判定する。
【0169】
処理を終了しないと判定した場合(ステップS516でNO)、制御部21はステップS502に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS516でYES)、制御部21は日程表欄631の各セルに日程指標632が表示されているか否かをサーバ30に送る(ステップS517)。その後、制御部21は処理を終了する。
【0170】
制御部31は、送信された情報を受信する(ステップS621)。制御部31は、計画DB52の日程指標632が表示されているセルに対応するレコードおよびフィールドに「有」を、日程指標632が表示されていないセルに対応するレコードおよびフィールドに「無」をそれぞれ記録する(ステップS622)。
【0171】
図24は、ポップアップ表示を行なうプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。制御部31は、現在時刻から数分後の時刻をキーにしてポップアップDB53を検索し、ポップアップ時刻が数分後に予約されているレコードの有無を判定する(ステップS631)。レコードがないと判定した場合(ステップS631でNO)、制御部31はステップS631の処理を繰り返す。
【0172】
レコードがあると判定した場合(ステップS631でYES)、制御部31は、ポップアップ時刻が数分後に予約されているレコードの携帯機器IDフィールドから、ポップアップ通知の宛先である第1携帯機器41の携帯機器IDを取得する(ステップS632)。制御部31は、第1携帯機器41に鳴動指示を送信する(ステップS633)。制御部411は、鳴動指示を受信する(ステップS711)。制御部411は、「ピーン」等の注意喚起音を鳴らす(ステップS712)。
【0173】
制御部31は、ステップS632と同じレコードのデータIDフィールドから、ポップアップする参考情報のデータIDを取得する。制御部31は、データIDに基づいてポップアップする参考情報を取得する(ステップS634)。制御部31は、取得した参考情報を第1携帯機器41に送信する(ステップS635)。
【0174】
制御部31は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS636)。処理を終了しないと判定した場合(ステップS636でNO)、制御部31はステップS631に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS636でYES)、制御部31は処理を終了する。
【0175】
制御部411は、参考情報を受信する(ステップS713)。制御部411は、たとえば
図11を使用して説明したように、参考情報をポップアップ表示する(ステップS714)。制御部411は、たとえばスワイプ操作等の所定の操作を受け付ける(ステップS715)。制御部411は、ポップアップ表示を終了する(ステップS716)。
【0176】
図25は、第1携帯機器41のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。制御部411は、
図10を使用して説明したメインメニュー画面を介して、ユーザによる操作を受け付ける(ステップS701)。なお、たとえばメールアプリ等、工事支援システム10に含まれないアプリの操作を受け付けた場合については、フローチャートおよび説明を省略する。
【0177】
制御部411は、現場アシ工事ボタン653の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS702)。現場アシ工事ボタン653の操作を受け付けたと判定した場合(ステップS702でYES)、制御部411は現場アシ工事のサブルーチンを起動する(ステップS703)。現場アシ工事のサブルーチンは、建設現場において現場代理人を支援する機能を提供するサブルーチンである。現場アシ工事のサブルーチンの処理の流れは後述する。
【0178】
現場アシ工事ボタン653の操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS702でNO)、制御部411は現場アシ情報ボタン652の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS704)。現場アシ情報ボタン652の操作を受け付けたと判定した場合(ステップS704でYES)、制御部411は現場アシ情報のサブルーチンを起動する。現場アシ情報のサブルーチンは、現場代理人の自己啓発を支援する機能を提供するサブルーチンである。現場アシ情報のサブルーチンの処理の流れは後述する。
【0179】
現場アシ情報ボタン652の操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS704でNO)、制御部411は協力会社技術支援ボタン654の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS706)。協力会社技術支援ボタン654の操作を受け付けたと判定した場合(ステップS706でYES)、制御部411は協力会社技術支援のサブルーチンを起動する(ステップS707)。協力会社技術支援のサブルーチンは、建設現場において協力会社の従業員等を支援する機能を提供するサブルーチンである。協力会社技術支援のサブルーチンの処理の流れは後述する。
【0180】
協力会社技術支援ボタン654の操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS706でNO)、制御部411はひといちのサブルーチンを起動する(ステップS708)。ひといちのサブルーチンは、現場代理人が困り事に関してアドバイザーに相談する機能を提供するサブルーチンである。ひといちのサブルーチンの処理の流れは後述する。
【0181】
ステップS703、ステップS705、ステップS707またはステップS708の終了後、制御部411は処理を終了するか否かを判定する(ステップS709)。処理を終了しないと判定した場合(ステップS709でNO)、制御部411はステップS701に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS709でYES)、制御部411は処理を終了する。
【0182】
図26は、現場アシ工事のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。現場アシ工事のサブルーチンは、建設現場において現場代理人を支援する機能を提供するサブルーチンである。
【0183】
制御部411は、
図12を使用して説明したメニュー画面をタッチパネル417に表示する(ステップS721)。制御部411は、情報提供ボタン欄667に表示したボタン、保存ボタン664、設備事故ボタン665または人身事故ボタン666のいずれかのボタンの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS722)。
【0184】
選択を受け付けたと判定した場合(ステップS722でYES)、制御部411は選択を受け付けたボタンが作業内容変更ボタン668であるか否かを判定する(ステップS723)。作業内容変更ボタン668であると判定した場合(ステップS723でYES)、制御部411は作業内容変更のサブルーチンを起動する(ステップS724)。作業内容変更のサブルーチンは、
図15を使用して説明した画面をタッチパネル417に表示して、予定していた作業内容を変更する場合の注意点等を現場代理人に知らせるサブルーチンである。作業内容変更のサブルーチンの処理の流れは後述する。
【0185】
作業内容変更ボタン668ではないと判定した場合(ステップS723でNO)、制御部411はサーバ30に対して参考情報の送信を要求する(ステップS731)。具体的には制御部21は現場代理人が担当中の建設工事の工事番号と、ユーザからの選択を受け付けたボタンの種類とを、サーバ30に送信する。
【0186】
制御部31は、要求を受信する(ステップS641)。制御部31は、工事番号と当日の日付とをキーとして計画DB52を検索し、当日予定されている工事種目を抽出する(ステップS642)。なお、現在時刻がたとえば14時以降である場合、制御部31は当日の日付と翌日の日付の両方をキーに使用して、当日および翌日に予定されている工事種目を抽出してもよい。
【0187】
制御部31は、図示を省略する工事情報に関するデータベースを検索して、工事番号に対応する施工種別を抽出する。なお制御部31は、工事番号にかかわらず「共通」の施工種別も抽出する。
【0188】
制御部31は、抽出した施工種別と工事種目とをキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出する(ステップS643)。制御部31は、抽出した参考情報を第1携帯機器41に送信する(ステップS644)。
【0189】
制御部411は、参考情報を受信する(ステップS732)。制御部411は受信した参考情報に基づいて、
図13を使用して説明したように、タッチパネル417に要約表示欄626を一覧表示する(ステップS733)。制御部411は、参考情報の詳細を表示する指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS734)。具体的には、要約表示欄626に対するタップまたはロングタップ等の所定の操作を受け付けた場合に、制御部411は詳細を表示する指示を受け付けたと判定する。
【0190】
受け付けたと判定した場合(ステップS734でYES)、制御部411は、
図14を使用して説明したように、タッチパネル417に指定された参考情報の詳細を表示する(ステップS735)。スワイプ等の所定の操作を受け付けた場合に、制御部411はステップS733に戻る。
【0191】
選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS722でNO)、制御部411は保存ボタン664の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS741)。保存ボタン664の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS741でYES)、制御部411はステップS735で詳細を表示した参考情報、または、動画ボタン661、写真ボタン662もしくは動画ボタン661の操作に基づいて補助記憶装置413に記録した最新の動画、写真もしくは音声のデータに関連づけて、日報に記録する旨のフラグを記録する(ステップS742)。
【0192】
保存ボタン664の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS741でNO)、またはステップS742の終了後、制御部411は処理を終了するか否かを判定する(ステップS743)。たとえばユーザから処理を終了する旨の操作を受け付けた場合、制御部411は処理を終了すると判定する。
【0193】
処理を終了しないと判定した場合(ステップS743でNO)、詳細を表示する指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS734でNO)、またはステップS724の終了後、制御部411はステップS721に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS743でYES)、制御部411は処理を終了する。
【0194】
図27は、作業内容変更のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。作業内容変更のサブルーチンは、
図15を使用して説明した画面をタッチパネル417に表示して、予定していた作業内容を変更する場合の注意点等を現場代理人に知らせるサブルーチンである。
【0195】
制御部411はサーバ30に対して参考情報の送信を要求する(ステップS751)。具体的には制御部21は現場代理人が担当中の建設工事の工事番号を、サーバ30に送信する。制御部31は、要求を受信する(ステップS651)。制御部31は、図示を省略する人事情報DB等を参照して、現場代理人のTL等、現場代理人の上位者の連絡先を抽出する(ステップS652)。上位者の連絡先は、たとえば上位者が使用している第2携帯機器42に固有に割り当てられた携帯機器ID、上位者のメールアドレス、または上位者の電話番号等である。
【0196】
制御部31は、上位者に対して現場代理人による作業内容変更ボタン668の選択を受け付けた旨の通知を送る(ステップS653)。上位者が第2携帯機器42またはパソコン等を使用している場合には、制御部31じゃ現場代理人が入力済の日報等の、建設現場の状況に関するデータも送信することが望ましい。
【0197】
制御部31は、工事番号と当日の日付とをキーとして計画DB52を検索し、当日予定されている工事種目を抽出する(ステップS654)。制御部31は、図示を省略する工事情報に関するデータベースを検索して、工事番号に対応する施工種別を抽出する。なお制御部31は、工事番号にかかわらず「共通」の施工種別も抽出する。
【0198】
制御部31は、抽出した施工種別と工事種目とをキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出する(ステップS655)。制御部31は、抽出した参考情報を第1携帯機器41に送信する(ステップS656)。
【0199】
制御部411は、参考情報を受信する(ステップS752)。制御部411は受信した参考情報に基づいて、
図15を使用して説明したように、タッチパネル417に要約表示欄626を一覧表示する(ステップS753)。制御部411は、参考情報の詳細を表示する指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS754)。具体的には、要約表示欄626に対するタップまたはロングタップ等の所定の操作を受け付けた場合に、制御部411は詳細を表示する指示を受け付けたと判定する。
【0200】
受け付けたと判定した場合(ステップS754でYES)、制御部411は、
図16を使用して説明したように、タッチパネル417に指定された参考情報の詳細を表示する(ステップS755)。スワイプ等の所定の操作を受け付けた場合に、制御部411はステップS753に戻る。
【0201】
選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS754でNO)、制御部411は処理を終了するか否かを判定する(ステップS756)。たとえばユーザから処理を終了する旨の操作を受け付けた場合、制御部411は処理を終了すると判定する。
【0202】
処理を終了しないと判定した場合(ステップS756でNO)、制御部411はステップS753に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS756でYES)、制御部411はステップS755で詳細を表示した参考情報のデータIDに関連づけて、日報に記録する旨のフラグを記録する(ステップS757)。その後、制御部411は処理を終了する。
【0203】
なお、フローチャートの記載は省略するが、TL電話ボタン672の選択を受け付けた場合、制御部411は現場代理人のTLの電話番号に電話を掛ける。
【0204】
図28は、協力会社技術支援のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。協力会社技術支援のサブルーチンは、建設現場において協力会社の従業員等を支援する機能を提供するサブルーチンである。
【0205】
制御部411は、
図17を使用して説明したメニュー画面をタッチパネル417に表示する(ステップS761)。制御部411は、情報提供ボタン欄667に表示したボタン、送信ボタン673、設備事故ボタン665または人身事故ボタン666のいずれかのボタンの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS762)。
【0206】
選択を受け付けたと判定した場合(ステップS762でYES)、制御部411は選択を受け付けたボタンが作業内容変更ボタン668であるか否かを判定する(ステップS763)。作業内容変更ボタン668であると判定した場合(ステップS763でYES)、制御部411は作業内容変更のサブルーチンを起動する(ステップS764)。作業内容変更のサブルーチンは、
図15を使用して説明した画面をタッチパネル417に表示して、予定していた作業内容を変更する場合の注意点等を現場代理人に知らせるサブルーチンである。作業内容変更のサブルーチンの処理の流れは後述する。
【0207】
なお、作業内容を変更する権限を有さないユーザが使用する場合には、制御部411は作業内容変更ボタン668をタッチパネル417に表示しないか、または表示はしても選択を受け付けない状態にしておくことが望ましい。
【0208】
作業内容変更ボタン668ではないと判定した場合(ステップS763でNO)、制御部411はサーバ30に対して参考情報の送信を要求する(ステップS771)。具体的には制御部21はユーザ人が担当中の建設工事の工事番号と、ユーザからの選択を受け付けたボタンの種類とを、サーバ30に送信する。
【0209】
制御部31は、要求を受信する(ステップS661)。制御部31は、工事番号と当日の日付とをキーとして計画DB52を検索し、当日予定されている工事種目を抽出する(ステップS662)。なお、現在時刻がたとえば14時以降である場合、制御部31は当日の日付と翌日の日付の両方をキーに使用して、当日および翌日に予定されている工事種目を抽出してもよい。
【0210】
制御部31は、図示を省略する工事情報に関するデータベースを検索して、工事番号に対応する施工種別を抽出する。なお制御部31は、工事番号にかかわらず「共通」の施工種別も抽出する。
【0211】
制御部31は、抽出した施工種別と工事種目とをキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、協力会社フィールドに「可」が記録されているレコードをさらに抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出する(ステップS663)。制御部31は、抽出した参考情報を第1携帯機器41に送信する(ステップS664)。
【0212】
制御部411は、参考情報を受信する(ステップS772)。制御部411は受信した参考情報に基づいて、
図13を使用して説明したように、タッチパネル417に要約表示欄626を一覧表示する(ステップS773)。制御部411は、参考情報の詳細を表示する指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS774)。具体的には、要約表示欄626に対するタップまたはロングタップ等の所定の操作を受け付けた場合に、制御部411は詳細を表示する指示を受け付けたと判定する。
【0213】
受け付けたと判定した場合(ステップS774でYES)、制御部411は、
図14を使用して説明したように、タッチパネル417に指定された参考情報の詳細を表示する(ステップS775)。スワイプ等の所定の操作を受け付けた場合に、制御部411はステップS773に戻る。
【0214】
選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS762でNO)、制御部411は送信ボタン673の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS781)。送信ボタン673の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS781でYES)、制御部411はステップS775で詳細を表示した参考情報、または、動画ボタン661、写真ボタン662もしくは音声ボタン663の操作に基づいて補助記憶装置413に記録した最新の動画、写真もしくは音声のデータを、サーバ30を介して現場代理人の第1携帯機器41に送信する(ステップS782)。
【0215】
送信ボタン673の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS781でNO)、またはステップS782の終了後、制御部411は処理を終了するか否かを判定する(ステップS783)。たとえばユーザから処理を終了する旨の操作を受け付けた場合、制御部411は処理を終了すると判定する。
【0216】
処理を終了しないと判定した場合(ステップS783でNO)、詳細を表示する指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS774でNO)、またはステップS764の終了後、制御部411はステップS761に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS783でYES)、制御部411は処理を終了する。
【0217】
図29は、現場アシ情報のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。現場アシ情報のサブルーチンは、現場代理人の自己啓発を支援する機能を提供するサブルーチンである。
【0218】
制御部411は、
図18を使用して説明したメニュー画面をタッチパネル417に表示する(ステップS801)。制御部411は、「安全・環境情報提供」、「技術情報提供」および「品管情報提供」等のグループに分けて表示されたいずれかのボタンを介して学習対象項目の選択を受け付ける(ステップS802)。
【0219】
制御部411はサーバ30に対して参考情報の送信を要求する(ステップS803)。具体的には制御部411は、ユーザからの選択を受け付けたボタンに対応する学習対象項目を、サーバ30に送信する。キーワード欄625を介してキーワードの入力を受け付けている場合、制御部411はボタンに対応する学習対象項目とともにキーワードをサーバ30に送信する。
【0220】
制御部31は、要求を受信する(ステップS671)。制御部31は、ボタンに対応する学習対象項目とキーワードとをキーにして参考情報DB51を検索して、レコードを抽出する。制御部31は、抽出したレコードのデータIDフィールドに記録されたデータIDに基づいて参考情報を抽出する(ステップS672)。制御部31は、抽出した参考情報を第1携帯機器41に送信する(ステップS673)。
【0221】
制御部411は、参考情報を受信する(ステップS804)。制御部411は受信した参考情報に基づいて、
図19を使用して説明したように、タッチパネル417に参考情報を表示する(ステップS805)。
【0222】
制御部411は処理を終了するか否かを判定する(ステップS806)。たとえばユーザから処理を終了する旨の操作を受け付けた場合、制御部411は処理を終了すると判定する。処理を終了しないと判定した場合(ステップS806でNO)、制御部411はステップS801に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS806でYES)、制御部411は処理を終了する。
【0223】
なお、ステップS672において制御部31は複数の参考情報を抽出し、ステップS673において制御部31は複数の参考情報を送信してもよい。複数の参考情報を受信した場合、制御部411はたとえば
図13を使用して説明したようにタッチパネル417に複数の要約表示欄626を表示して、ユーザの選択を受け付ける。制御部411は、複数の参考情報を一つずつ順番にタッチパネル417に表示してもよい。
【0224】
学習対象項目を示すそれぞれのボタンに、1個または複数個の参考情報のデータIDが関連づけられていてもよい。ステップS672において制御部31は、選択を受け付けたボタンに関連付けられたデータIDに基づいて参考情報を抽出する。
【0225】
なお、ステップS672において制御部31は、ユーザの上司または人事部門等により設定された優先順位に基づいて、抽出した参考情報を絞り込んでもよい。ユーザの育成計画に応じた自己啓発を支援する工事支援システム10を提供できる。
【0226】
図30は、ひといちのサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。ひといちのサブルーチンは、現場代理人が困り事に関してアドバイザーに相談する機能を提供するサブルーチンである。
【0227】
制御部411は、
図20を使用して説明した画面をタッチパネル417に表示して、ユーザによる相談内容の入力を受け付ける(ステップS811)。制御部411は、入力された情報をサーバ30に送信する。
図20に示す動画ボタン661、写真ボタン662または音声ボタン663を使用して、動画、写真または音声が記録された場合には、制御部411はそれらのデータも送信する(ステップS812)。
【0228】
制御部31は、送信された相談内容を受信する(ステップS681)。制御部31は、相談内容に対応するアドバイザーが決定済であるか否かを判定する(ステップS682)。具体的には、相談内容に関するやり取りがすでに行われている場合には、アドバイザーは決定済である。
【0229】
決定済ではないと判定した場合(ステップS682でNO)、制御部31は、キーワード欄625に入力されたキーワードおよび入力欄679に入力された事柄から抽出したキーワード等をキーにして、図示を省略するアドバイザーデータベースから、担当するアドバイザーを抽出する(ステップS683)。
【0230】
複数のアドバイザーを抽出可能である場合には、制御部31は、図示を省略するスケジュールデータベース等を参照して、自社オフィスでの勤務中等の、相談内容への速やかな対応が可能なアドバイザーをさらに抽出してもよい。
【0231】
決定済であると判定した場合(ステップS682でYES)またはステップS683の終了後、制御部31は、アドバイザーの第2携帯機器42に、相談内容を送信する(ステップS684)。
【0232】
制御部421は、相談内容を受信する(ステップS901)。制御部421は、
図21を使用して説明した画面を使用して、相談内容をタッチパネル427に表示する(ステップS902)。制御部421は、アドバイザーよるアドバイス等の入力を受け付ける(ステップS903)。制御部421は、入力を受け付けたアドバイス等をサーバ30に送信する(ステップS904)。
【0233】
制御部31は、アドバイス等を受信する(ステップS685)。制御部31は、ステップS681で受信した相談内容と、ステップS685で受信したアドバイス等とを補助記憶装置33に記録する(ステップS686)。制御部31は、アドバイス等を第1携帯機器41に送信する(ステップS687)。
【0234】
制御部411は、アドバイス等を受信する(ステップS813)。制御部411は、タッチパネル417にアドバイス等を表示する(ステップS814)。ユーザがスワイプ操作等を行なった場合、制御部411はタッチパネル417の表示を
図20を使用して説明した画面に戻す。
【0235】
たとえばアドバイスに「***が****という状態になっているか確認してください」等の確認事項が含まれている場合、ユーザは入力欄679の[確認結果]の下に確認結果を入力する。たとえば、追加で質問したい事柄がある場合、ユーザは[追加質問]という項目を作成して、追加質問を入力する。制御部411は、これらの入力を受け付ける(ステップS815)。
【0236】
制御部411は、解決ボタン674の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS816)。解決ボタン674の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS816でNO)、制御部411は送信ボタン673の選択を受け付けた後に、ステップS812に戻る。
【0237】
解決ボタン674の選択を受け付けていると判定した場合(ステップS816でYES)、制御部411は、解決ボタン674の選択を受け付けた旨と、ユーザからの入力を受け付けた確認結果等とをサーバ30に送信する(ステップS817)。制御部31は、送信された情報を受信する(ステップS691)。制御部31は、ステップS691で受信した情報を、ステップS686で記録した情報と関連づけて補助記憶装置33に記録する(ステップS692)。制御部31は、解決ボタン674の選択を受け付けた旨と確認結果とを、第2携帯機器42に送信する(ステップS693)。その後、制御部411は処理を終了する。
【0238】
制御部421は、情報を受信する(ステップS905)。制御部421は、タッチパネル427に受信した情報を表示する(ステップS906)。アドバイザー、相談内容が解決したことを把握できる。
【0239】
工事支援システム10の管理部門では、ステップS686およびステップS693で記録したデータを利用して、参考情報を新たに作成し、または、他部門に作成依頼を行なう。以上により、参考情報DB51が充実しており、様々な状況に対応可能な工事支援システム10を提供できる。
【0240】
図31は、日報入力段階のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである、制御部21は、
図7から
図9を使用して説明した画面において、日報ボタン659の選択を受け付けた場合に、
図31のプログラムを起動する。なお、
図31のプログラムは、
図23を使用して説明したプログラムの実行中に呼び出されるサブルーチンであってもよい。
【0241】
制御部21は、サーバ30に参考情報を要求する(ステップS521)。制御部31は、要求を受信する(ステップS401)。制御部31は、工事番号と当日の日付と、現在時刻とをキーとしてポップアップDB53を検索し、当日ポップアップ済の参考情報を抽出する(ステップS402)。なお制御部21は、
図31のプログラムを前回実施した時刻以降にポップアップ済の参考情報を抽出してもよい。制御部31は、抽出した参考情報を情報処理装置20に送信する(ステップS403)。
【0242】
制御部21は、参考情報を受信して、
図22を使用して説明した日報入力画面を表示部25に表示する(ステップS522)。制御部21は、スマホ連携ボタン683の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS523)。スマホ連携ボタン683の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS523でYES)、制御部21は第1携帯機器41にデータを要求する(ステップS524)。
【0243】
制御部411は要求を受信する(ステップS821)。制御部411は、
図26を使用して説明したステップS741、および、
図27を使用して説明したステップS756で日報に記録する旨のフラグを記録した動画、写真および音声のデータを情報処理装置20に送信する(ステップS822)。その後、制御部411は送信したデータを補助記憶装置413から削除する(ステップS823)。制御部411、はデータを削除する代わりに「削除可能」のフラグを付与して、一定期間保存してもよい。
【0244】
制御部21は、データを受信する(ステップS525)。制御部21は、日報欄681の「記録・指示」の列に配置された、「動画」、「写真」および「音声」のボタンと、受信したデータとを関連づけて補助記憶装置23に記録する(ステップS526)。具体的には制御部21は、保存時のタイムスタンプが朝礼の時間帯である音声データを、「1 朝礼」の行の音声ボタンと関連づけて記録する。同様に制御部21は、保存時のタイムスタンプが午前中の現場パトロールの時間帯である写真データを、「2 AMパト」の行の写真ボタンと関連づけて記録する。制御部21は、保存時のタイムスタンプが午後の現場パトロールの時間帯である動画データを、「4 PMパト」の行の動画ボタンと関連づけて記録する。
【0245】
フローチャートの記載を省略するが、制御部21は、たとえば右クリックメニュー等を介して、ボタンとデータとの関連付けに関する修正指示を受け付ける。各行の保存ボタンの選択を受け付けた場合、制御部21は保存ボタンと同じ行の時間列に現在時刻を表示するとともに、日報データを補助記憶装置23に保存する。
【0246】
スマホ連携ボタン683の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS523でNO)、またはステップS526の終了後、制御部21は、要約表示欄626を日報欄681の資料ボタンにドラッグアンドドロップする操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS527)。受け付けたと判定した場合(ステップS527でYES)、制御部21は、ドラッグアンドドロップされた要約表示欄626と資料ボタンとを関連づけて記録する(ステップS528)。
【0247】
操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS527でNO)、またはステップS528の終了後、制御部21は処理を終了するか否かを判定する(ステップS529)。たとえば、ユーザが日報入力の終了を指示した場合、制御部21は処理を終了すると判定する。
【0248】
終了しないと判定した場合(ステップS529でNO)、制御部21はステップS523に戻る。終了すると判定した場合(ステップS529でYES)、制御部21は作成した日報と添付された動画等とを、たとえばリンク付き文書等の形式でサーバ30に送信する(ステップS530)。その後、制御部21は処理を終了する。
【0249】
制御部31は日報を受信する(ステップS404)。制御部31は、日報を補助記憶装置33または図示を省略する工事管理システム等に記録する(ステップS405)。日報は、工事の進行状況の管理、労務費、資材費等の費用管理、および、発注者への報告等に利用される。
【0250】
本実施の形態によると、現場代理人等のユーザに適した情報を速やかに表示する工事支援システム10を提供できる。現場代理人が工事計画を立案する際に、関連する参考情報を自動的に提示する工事支援システム10を提供できる。比較的経験の少ない現場代理人であっても、提示された参考情報を確認することにより、適切な工事計画を立案できる。
【0251】
本実施の形態によると、現場代理人が、工事計画の立案時にポップアップ情報を設定できるため、適切なタイミングで、適切なリマインドを行なう工事支援システム10を提供できる。現場代理人が携帯する第1携帯機器41にポップアップ情報をプッシュ形式で表示する工事支援システム10を提供できる。たとえば現場代理人が現場パトロール等により現場事務所を離れている場合であっても適切なリマインドを行なう工事支援システム10を提供できる。
【0252】
本実施の形態によると、第1携帯機器41を用いて記録した動画、写真および音声等を日報に添付できるため、日報作成の負担が少ない工事支援システム10を提供できる。たとえば、朝礼の際に録音した音声を変換した文字データを日報に添付できるため、日報の内容確認が容易な工事支援システム10を提供できる。
【0253】
本実施の形態によると、協力会社の従業員等に対しても、可能な範囲で適切な参考情報を共有できる工事支援システム10を提供できる。協力会社の従業員が記録した動画、写真および音声等を、現場代理人が容易に確認して、建設現場の状況を速やかに把握できる工事支援システム10を提供できる。
【0254】
本実施の形態によると、自己啓発を支援して、技術力の底上げを図れる工事支援システム10を提供できる。E-Learning用の教材等を新たに作成することなく、実務に即した知識を随時学べるように、現場代理人等を支援できる。
【0255】
本実施の形態によると、現場代理人が困ったときに、専門知識を有するアドバイザーに速やかに相談できる工事支援システム10を提供できる。他部門への人脈が少ない若手の現場代理人等であっても、適切な知識を有するアドバイザーからの支援を受けて、建設現場で生じたトラブル等を速やかに解決できる。
【0256】
[実施の形態2]
図32は、実施の形態2の工事支援システム10の構成を説明する説明図である。本実施の形態は、汎用のサーバコンピュータ90と、プログラム97とを組み合わせて動作させることにより、工事支援システム10を実現する形態に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0257】
サーバコンピュータ90は、前述の制御部31、主記憶装置32、補助記憶装置33、通信部34およびバスに加えて読取部39を備える。
【0258】
プログラム97は、可搬型記録媒体96に記録されている。制御部31は、読取部39を介してプログラム97を読み込み、補助記憶装置33に保存する。また制御部31は、サーバコンピュータ90内に実装されたフラッシュメモリ等の半導体メモリ98に記憶されたプログラム97を読出してもよい。さらに、制御部31は、通信部34および図示しないネットワークを介して接続される図示しない他のサーバコンピュータからプログラム97をダウンロードして、補助記憶装置33に保存してもよい。
【0259】
プログラム97は、サーバコンピュータ90の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置32にロードして実行される。制御部31は、ネットワークを介してそれぞれの情報処理装置20、第1携帯機器41および第2携帯機器42に対して、プログラム97のうち、制御部21、制御部411および制御部421により実行される部分を送信する。送信されたプログラムは、情報処理装置20、第1携帯機器41および第2携帯機器42の制御プログラムとしてインストールされ、実行される。以上により、実施の形態1で説明した工事支援システム10が実現される。
【0260】
制御部21、制御部411および制御部421は、それぞれネットワークを介して接続される図示しない他のサーバコンピュータからプログラム97をダウンロードしてもよい。
【0261】
プログラムは、プログラム製品の例示である。コンピュータプログラムは、単一のコンピュータ上で、または一つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0262】
実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0263】
特許請求の範囲に記載した独立請求項および従属請求項は、引用形式に関わらずあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0264】
10 工事支援システム
20 情報処理装置
21 制御部(第3制御部)
22 主記憶装置
23 補助記憶装置
24 通信部
25 表示部
26 入力部
30 サーバ
31 制御部(第1制御部)
32 主記憶装置
33 補助記憶装置
34 通信部
39 読取部
41 第1携帯機器(携帯機器)
411 制御部(第2制御部)
412 主記憶装置
413 補助記憶装置
414 通信部
415 表示部
416 入力部
417 タッチパネル
42 第2携帯機器
421 制御部
422 主記憶装置
423 補助記憶装置
424 通信部
425 表示部
426 入力部
427 タッチパネル
51 参考情報DB
52 計画DB
53 ポップアップDB
61 基本情報欄
621 情報種別欄
622 ポップアップ時間欄
623 登録状態欄
624 参考情報欄
625 キーワード欄
626 要約表示欄
628 情報表示欄
658 月間工程ボタン
659 日報ボタン
631 日程表欄
632 日程指標
633 カーソル
635 実績表欄
636 前月ボタン
637 次月ボタン
638 印刷ボタン
639 指標枠
651 ひといちボタン
652 現場アシ情報ボタン
653 現場アシ工事ボタン
654 協力会社技術支援ボタン
655 ポップアップ欄
661 動画ボタン
662 写真ボタン
663 音声ボタン
664 保存ボタン
665 設備事故ボタン
666 人身事故ボタン
667 情報提供ボタン欄
668 作業内容変更ボタン
669 ハーネス使用方法ボタン
671 戻るボタン
672 TL電話ボタン
673 送信ボタン
674 解決ボタン
675 入力ボタン
676 変化変更ボタン
677 変化変更表示欄
678 電話ボタン
679 入力欄
681 日報欄
682 文字変換ボタン
683 スマホ連携ボタン
686 前日ボタン
687 翌日ボタン
90 サーバコンピュータ
96 可搬型記録媒体
97 プログラム
98 半導体メモリ