(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125927
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】内線電話システム、主装置、プログラム、および着信転送方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 3/58 20060101AFI20240911BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20240911BHJP
H04M 3/54 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H04Q3/58 101
H04M3/42 M
H04M3/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034068
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】舘岡 拓斗
【テーマコード(参考)】
5K049
5K201
【Fターム(参考)】
5K049BB04
5K049BB12
5K049EE02
5K049GG07
5K201BC08
5K201BC13
5K201EC03
(57)【要約】
【課題】発信者を長く待たせることなく、より迅速に応答可能な着信転送技術を提供することにある。
【解決手段】主装置1は、内線端末2を宛先とする呼の発信者との通話が終了すると、宛先の内線端末2に紐付けられている通話管理テーブルを更新して、終話時通話端末の通話回数を1つインクリメントする。そして、通話管理テーブル140が更新されると、この通話管理テーブル140において通話回数の最も多い通話管理レコード141の終話時通話端末が、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2自身であるならば、この内線端末2に自動着信転送を設定せず、一方、終話時通話端末がこの内線端末2でないならば、この終話時通話端末を着信転送先として、この内線端末2に自動着信転送を設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内線端末と、前記複数の内線端末を収容する主装置と、を備えた内線電話システムであって、
前記主装置は、
前記内線端末毎に、当該内線端末を宛先とする呼の発信者との通話終了時における通話相手がその通話回数に紐付けられて記憶された通話管理テーブルを記憶する通話管理テーブル記憶手段と、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該内線端末に自動着信転送が設定されているならば、当該呼を当該内線端末の着信転送先に送出し、当該内線端末に自動着信転送が設定されていないならば、当該呼を当該内線端末に送出する着信処理手段と、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該呼の発信者との、通話終了時における通話相手を特定する通話監視手段と、
前記通話監視手段により前記通話相手が特定された場合に、当該内線端末に紐付けられて前記通話管理テーブル記憶手段に記憶されている前記通話管理テーブルを更新して、当該通話相手の通話回数を1つインクリメントする通話管理テーブル更新手段と、
前記通話管理テーブルにおいて通話回数の最も多い前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末であるならば、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定せず、通話回数の最も多い前記内線端末が当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末でないならば、当該通話回数の最も多い前記内線端末を着信転送先として、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定する自動着信転送設定手段と、を有する
ことを特徴とする内線電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の内線電話システムであって、
前記内線端末は、
操作者の指示に従い前記通話管理テーブルの初期化要求を送信する初期化要求送信手段を有し、
前記主装置において、
前記通話管理テーブル更新手段は、
前記内線端末から前記初期化要求を受信した場合に、当該内線端末に紐付けられて前記通話管理テーブル記憶手段に登録されている前記通話管理テーブルを初期化し、
前記自動着信転送設定手段は、
前記通話管理テーブル更新手段により前記通話管理テーブルが初期化された場合に、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送が設定されているならば、当該自動着信転送の設定を解除する
ことを特徴とする内線電話システム。
【請求項3】
請求項1に記載の内線電話システムであって、
前記主装置は、
前記自動着信転送設定手段により前記内線端末に自動着信転送が設定されている場合、当該内線端末に、着信転送先に関する情報である着信転送情報を送信する着信転送情報送信手段をさらに有し、
前記内線端末は、
前記主装置より前記着信転送情報を受信した場合に、当該着信転送情報を表示する
ことを特徴とする内線電話システム。
【請求項4】
請求項1に記載の内線電話システムであって、
前記主装置において、
前記着信処理手段は、
前記着信した呼を宛先の前記内線端末に送出する場合に当該内線端末に出力させる鳴動音と、当該呼を着信転送先の前記内線端末に送出する場合に当該内線端末に出力させる鳴動音とを異ならせる
ことを特徴とする内線電話システム。
【請求項5】
請求項1に記載の内線電話システムであって、
前記主装置は、
前記着信処理手段が前記呼を着信転送先の前記内線端末に送出する場合に、当該内線端末に、当該呼の宛先の前記内線端末に関する情報である宛先情報を送信する宛先情報送信手段をさらに有し、
前記内線端末は、
前記主装置から着信した呼により着信鳴動中に当該主装置から前記宛先情報を受信した場合、当該宛先情報を表示する
ことを特徴とする内線電話システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の内線電話システムであって、
前記主装置において、
前記通話管理テーブルには、
前記内内線端末を宛先とする呼の発信者との通話終了時における通話相手が前記通話回数および当該発信者との最終通話日時に紐付けられて登録されており、
前記通話管理テーブル更新手段は、
前記内線端末を宛先とする呼の着信に対して、前記通話監視手段により前記通話相手が特定された場合に、当該内線端末に紐付けられて前記通話管理テーブル記憶手段に記憶されている前記通話管理テーブルを更新して、当該通話相手の通話回数を1つインクリメントするとともに、当該通話相手の最終通話日時を更新し、
前記自動着信転送設定手段は、
前記通話管理テーブルに、通話回数の最も多い前記内線端末が複数存在する場合、当該通話回数の最も多い前記内線端末のなかから、最終通話日時が最も新しい前記内線端末を特定し、通話回数が最も多くかつ最終通話日時が最も新しい前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末であるならば、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定せず、通話回数が最も多くかつ最終通話日時が最も新しい前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末でないならば、当該通話回数が最も多くかつ最終通話日時が最も新しい前記内線端末を着信転送先として、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定する
ことを特徴とする内線電話システム。
【請求項7】
複数の内線端末を収容する主装置であって、
前記内線端末毎に、当該内線端末を宛先とする呼の発信者との通話終了時における通話相手がその通話回数に紐付けられて記憶された通話管理テーブルを記憶する通話管理テーブル記憶手段と、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該内線端末に自動着信転送が設定されているならば、当該呼を当該内線端末の着信転送先に送出し、当該内線端末に自動着信転送が設定されていないならば、当該呼を当該内線端末に送出する着信処理手段と、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該呼の発信者との、通話終了時における通話相手を特定する通話監視手段と、
前記通話監視手段により前記通話相手が特定された場合に、当該内線端末に紐付けられて前記通話管理テーブル記憶手段に記憶されている前記通話管理テーブルを更新して、当該通話相手の通話回数を1つインクリメントする通話管理テーブル更新手段と、
前記通話管理テーブルにおいて通話回数の最も多い前記内線端末、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末であるならば、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定せず、通話回数の最も多い前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末でないならば、当該通話回数の最も多い前記内線端末を着信転送先として、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定する自動着信転送設定手段と、を有する
ことを特徴とする主装置。
【請求項8】
複数の電話機を収容する主装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記内線端末毎に、当該内線端末を宛先とする呼の発信者との通話終了時における通話相手がその通話回数に紐付けられて記憶された通話管理テーブルを記憶する通話管理テーブル記憶手段、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該内線端末に自動着信転送が設定されているならば、当該呼を当該内線端末の着信転送先に送出し、当該内線端末に自動着信転送が設定されていないならば、当該呼を当該内線端末に送出する着信処理手段、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該呼の発信者との、通話終了時における通話相手を特定する通話監視手段、
前記通話監視手段により前記通話相手が特定された場合に、当該内線端末に紐付けられて前記通話管理テーブル記憶手段に記憶されている前記通話管理テーブルを更新して、当該通話相手の通話回数を1つインクリメントする通話管理テーブル更新手段、および
前記通話管理テーブルにおいて通話回数の最も多い前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末であるならば、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定せず、通話回数の最も多い前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末でないならば、当該通話回数の最も多い前記内線端末を着信転送先として、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定する自動着信転送設定手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
複数の内線端末と、前記複数の内線端末を収容する主装置と、を備えた内線電話システムの着信転送方法であって、
前記主装置は、
前記内線端末毎に、当該内線端末を宛先とする呼の発信者との通話終了時における通話相手がその通話回数に紐付けられて記憶された通話管理テーブルを記憶しており、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該宛先の前記内線端末に自動着信転送が設定されているならば、当該呼を着信転送先の前記内線端末に送出し、当該宛先の前記内線端末に自動着信転送が設定されていないならば、当該呼を当該宛先の前記内線端末に送出し、
通話終了時における当該呼の発信者との通話相手を特定して、前記呼の宛先である前記内線端末に紐付けられて記憶されている前記通話管理テーブルを更新して、前記特定した通話相手の通話回数を1つインクリメントし、
前記通話管理テーブルにおいて通話回数の最も多い前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末であるならば、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に着信転送先を設定せず、通話回数の最も多い前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末でないならば、当該通話回数の最も多い前記内線端末を着信転送先として、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定する
ことを特徴とする着信転送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内線電話システムに関し、特に、内線端末を宛先とする呼の着信転送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内線電話システムにおいて、特番ダイヤルにより特定される内線端末(第1の内線端末と呼ぶ)への着信呼に対して、第1の内線端末が呼び出しに応答せず、他の内線端末(第2の内線端末と呼ぶ)が代理応答した場合に、この第2の内線端末を第1の内線端末に対する着信呼の転送先に自動設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、第1の内線端末への着信呼が第2の内線端末に転送されたが、第2の内線端末のユーザが不在のためこの呼に応答できない場合に、第2の内線端末に転送された呼に対してさらに別の内線端末(第3の内線端末と呼ぶ)が代理応答したとしても、第1の内線端末への新たな着信呼は、第3の内線端末ではなく、ユーザ不在の第2の内線端末に転送されてしまうという問題がある。これでは、発信者を長く待たせてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発信者を長く待たせることなく、より迅速に応答可能な着信転送技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明において、主装置は、いずれかの内線端末を宛先とする呼が着信した場合、呼の宛先に自動着信転送が設定されているならば、その着信転送先に呼を送出し、一方、呼の宛先に自動着信転送が設定されていないならば、呼の宛先に呼を送出する。そして、主装置は、呼の発信者との通話を監視し、通話終了時における発信者との通話相手を特定して、呼の宛先に紐付けられた通話管理テーブルに登録されている通話相手の通話回数を1つインクリメントする。通話相手の通話回数が通話管理テーブルに登録されていないならば、この通話管理テーブルに通話相手の通話回数「1」を登録する。主装置は、通話管理テーブルが更新されたときなどのタイミングで、通話管理テーブルにおいて通話回数が最も多い内線端末を着信転送先として、この通話管理テーブルに紐付けられている内線端末に自動着信転送を設定する。ここで、通話回数が最も多い内線端末が、この通話管理テーブルに紐付けられている内線端末自身であるならば、この内線端末には自動着信転送を設定しない、あるいは自動着信転送の設定を解除する。
【0007】
例えば、本発明は、
複数の内線端末と、前記複数の内線端末を収容する主装置と、を備えた内線電話システムであって、
前記主装置は、
前記内線端末毎に、当該内線端末を宛先とする呼の発信者との通話終了時における通話相手がその通話回数に紐付けられて記憶された通話管理テーブルを記憶する通話管理テーブル記憶手段と、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該内線端末に自動着信転送が設定されているならば、当該呼を当該内線端末の着信転送先に送出し、当該内線端末に自動着信転送が設定されていないならば、当該呼を当該内線端末に送出する着信処理手段と、
前記内線端末を宛先とする呼が着信した場合に、当該呼の発信者との、通話終了時における通話相手を特定する通話監視手段と、
前記内線端末を宛先とする呼の発信者との、通話終了時における通話相手が前記通話監視手段により特定された場合に、当該内線端末に紐付けられて前記通話管理テーブル記憶手段に記憶されている前記通話管理テーブルを更新して、当該通話相手の通話回数を1つインクリメントする通話管理テーブル更新手段と、
前記通話管理テーブルにおいて通話回数の最も多い前記内線端末が、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末であるならば、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定せず、通話回数の最も多い前記内線端末が当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末でないならば、当該通話回数の最も多い前記内線端末を着信転送先として、当該通話管理テーブルに紐付けられている前記内線端末に自動着信転送を設定する自動着信転送設定手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、内線端末を宛先とする呼の発信者との終話時通話端末を、呼の宛先の内線端末に紐付けられている通話管理テーブルで管理するとともに、通話管理テーブルにおいて、終話時通話端末としての通話回数の最も多い内線端末が呼の宛先の内線端末であるならば、呼の宛先に自動着信転送を設定せず、一方、終話時通話端末としての通話回数の最も多い内線端末が呼の宛先の内線端末でないならば、この通話回数の最も多い内線端末を着信転送先として呼の宛先に自動着信転送を設定する。このため、呼の発信者と頻繁に通話している内線端末、つまり、内線端末を宛先とする呼の発信者に実質的に対応できる可能性の高いユーザの内線端末に呼を送出することができるので、内線端末を宛先とする呼の着信に対して、発信者を長く待たせることなく、より迅速に応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係る内線電話システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態に係る内線電話システムの外線着信処理の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施の形態に係る内線電話システムの外線着信処理の動作例を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施の形態に係る内線電話システムの外線着信処理の動作例を説明するためのシーケンス図であり、
図3の続きである。
【
図6】
図6は、通話管理テーブル記憶部14の登録内容例を模式的に表した図である。
【
図7】
図7は、主装置1の着信処理を説明するためのフロー図である。
【
図8】
図8は、主装置1の自動着信転送設定処理を説明するためのフロー図である。
【
図9】
図9は、主装置1の通話管理テーブル初期化処理を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る内線電話システムの概略構成図である。
【0012】
図示するように、本実施の形態に係る内線電話システムは、外線端末3が接続されたIP(Internet Protocol)電話網、PSTN(Public Switched Telephone Network)等の外線電話網4およびLAN(Local Area Network)、アナログ回線等で構成された内線電話網5に接続された主装置1と、内線電話網5を介して主装置1に収容された複数の内線端末2-1~2-n(以下、単に内線端末2とも呼ぶ)と、を備えている。
【0013】
主装置1は、内線端末2と連携して、内線端末2と外線端末3との間、あるいは内線端末2間に通話路を確立し、この通話路を介して内線端末2と外線端末3との通話あるいは内線端末2同士の通話を中継する。また、主装置1は、いずれかの内線端末2を宛先とする呼が着信すると、着信した呼の宛先の内線端末2に自動着信転送が設定されているならば、着信した呼を着信転送先に送出し、着信した宛先の内線端末2に自動着信転送が設定されていないならば、着信した呼をその宛先の内線端末2に送出する。さらに、主装置1は、着信した呼の発信者とその通話相手である内線端末2との通話を監視して、通話終了時における通話相手(終話時通話端末と呼ぶ)を特定し、呼の宛先に紐付けられている通話管理テーブルに登録された終話時通話端末の通話回数を1つインクリメントする。また、主装置1は、通話管理テーブルが更新されると、通話回数の最も多い内線端末2を着信転送先として、この通話管理テーブルに紐付けられた内線端末2に自動着信転送を設定する。通話回数の最も多い内線端末2がこの通話管理テーブルに紐付けられた内線端末2自身であるならば、自動着信転送を設定しない。
【0014】
図2~
図4は、本実施の形態に係る内線電話システムの外線着信処理の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0015】
ここで、内線端末2-3に紐付けて主装置1に記憶されている通話管理テーブルは初期化されており、主装置1は、内線端末2-3には自動着信転送を設定していないものとする。
【0016】
外線電話網4を介して外線端末3から主装置1に、特番ダイヤルにより特定される内線端末2-3を宛先とする呼が着信したものとする(S100)。これを受けて、主装置1は、内線端末2-3に自動着信転送が設定されていないことを確認し(S101)、着信した呼を鳴動音1(通常の鳴動音)の指定とともに内線端末2-3に送出する(S102)。
【0017】
内線端末2-3は、主装置1から呼が着信すると、この着信した呼で指定されている鳴動音1で着信鳴動する(S103)。そして、内線端末2―3は、ユーザから応答操作を受け付けると(S104)、主装置1に応答を返信する(S105)。これを受けて、主装置1は、外線電話網4を介して外線端末3に応答を返信する(S106)。これにより、主装置1と内線端末2-3との間、および、主装置1と外線端末3との間にそれぞれ通話路が確立され、主装置1は、これらの通話路を中継する(S107)。これにより、内線端末2-3と外線端末3との通話が可能となる。
【0018】
その後、主装置1は、内線端末2-3と外線端末3との間で終話処理が行われて(S108)、これらとの通話路を解放すると、終話時通話端末として内線端末2-3を特定する(S109)。それから、主装置1は、着信した呼の宛先である内線端末2-3に紐付けられた通話管理テーブルを更新し、この通話管理テーブルに、内線端末2-3が終話時通話端末として通話した回数「1」を登録する(S110)。
【0019】
つぎに、主装置1は、通話管理テーブルが更新されると、この通話管理テーブルに登録されている内線端末2のうち、最終通話端末としての通話回数が最も多い内線端末2を特定し、その特定結果に基づいて、この通話管理テーブルに紐付けられた内線端末2-3の自動着信転送設定の要否を判断する。ここでは、最終通話端末としての通話回数が最も多い内線端末2として内線端末2-3(通話回数「1」)が特定される。特定された内線端末2-3が、この通話管理テーブルに紐付けられている内線端末2自身であるので、主装置1は、この内線端末2-3には自動着信転送を設定しない(S111)。
【0020】
その後、外線電話網4を介して外線端末3から主装置1に、特番ダイヤルにより特定される内線端末2-3を宛先とする呼が着信したものとする(S112)。これを受けて、主装置1は、内線端末2-3に自動着信転送が設定されていないことを確認し(S113)、着信した呼を鳴動音1(通常の鳴動音)の指定とともに内線端末2-3に送出する(S114)。
【0021】
内線端末2-3は、主装置1から呼が着信すると、着信した呼で指定されている鳴動音1で着信鳴動する(S115)。ここで、内線端末2―3がユーザから応答操作を受け付けることなく、他の内線端末2-2がユーザから代理応答操作を受け付けると(S116)、この内線端末2-2は主装置1に代理応答を送信する(S117)。これを受けて、主装置1は、外線電話網4を介して外線端末3に応答を返信する(S118)。これにより、主装置1と代理応答者である内線端末2-2との間、および、主装置1と外線端末3との間にそれぞれ通話路が確立され、主装置1は、これらの通話路を中継する(S119)。これにより、内線端末2-2と外線端末3との通話が可能となる。
【0022】
その後、主装置1は、内線端末2-2と外線端末3との間で終話処理が行われて(S120)、これらとの通話路を解放すると、終話時通話端末として内線端末2-2を特定する(S121)。それから、主装置1は、着信した呼の宛先である内線端末2-3に紐付けられた通話管理テーブルを更新し、この通話管理テーブルに、内線端末2-2が終話時通話端末として通話した回数「1」を登録する(S122)。
【0023】
つぎに、主装置1は、通話管理テーブルが更新されると、この通話管理テーブルに登録されている内線端末2のうち、最終通話端末としての通話回数が最も多い内線端末2を特定し、その特定結果に基づいて、この通話管理テーブルに紐付けられた内線端末2-3の自動着信転送設定の要否を判断する。ここでは、最終通話端末としての通話回数が最も多い内線端末2として、2台の内線端末2-2、2-3(それぞれ通話回数「1」)が特定される。複数の内線端末2が特定された場合、それらの内線端末2のなかから、最終通話日時が最も新しい内線端末(ここでは内線端末2ー2)をさらに特定する。内線端末2-2は、通話管理テーブルに紐付けられた内線端末2-3ではないので、主装置1は、内線端末2-2を着信転送先として、通話管理テーブルに紐付けられた内線端末2-3に自動着信転送を設定する(S123)。そして、主装置1は、自動着信転送が設定された内線端末2-3に、その着信転送先(内線端末2-2)に関する情報を含む着信転送情報を送信し(S124)、内線端末2-3は、主装置1から受信した着信転送情報を表示する(S125)。
【0024】
その後、外線電話網4を介して外線端末3から主装置1に、特番ダイヤルにより特定される内線端末2-3を宛先とする呼が着信したものとする(S126)。これを受けて、主装置1は、内線端末2-3に自動着信転送が設定されていることを確認し(S127)、着信した呼を、鳴動音2(着信転送用の鳴動音)の指定とともに、着信転送先に設定されている内線端末2-2に送出する。併せて、呼の宛先(内線端末2-3)に関する宛先情報を内線端末2-2に送信する(S128)。
【0025】
内線端末2-2は、主装置1から呼が着信すると、着信した呼で指定されている鳴動音2で着信鳴動するとともに、主装置1から受信した宛先情報(内線端末2-3)を表示する(S129)。ここで、内線端末2―2がユーザから応答操作を受け付けることなく、他の内線端末2-1がユーザから代理応答操作を受け付けると(S130)、この内線端末2-1は、主装置1に代理応答を送信する(S131)。これを受けて、主装置1は、外線電話網4を介して外線端末3に応答を返信する(S132)。これにより、主装置1と代理応答者である内線端末2-1との間、および、主装置1と外線端末3との間にそれぞれ通話路が確立され、主装置1は、これらの通話路を中継する(S133)。これにより、内線端末2-1と外線端末3との通話が可能となる。
【0026】
その後、主装置1は、内線端末2-1と外線端末3との間で終話処理が行われて(S132)、これらとの通話路を解放すると、終話時通話端末として内線端末2-1を特定する(S133)。それから、主装置1は、着信した呼の宛先である内線端末2-3に紐付けられた通話管理テーブルを更新し、この通話管理テーブルに、終話時通話端末として内線端末2-1が通話した回数「1」を登録する(S134)。
【0027】
つぎに、主装置1は、通話管理テーブルが更新されると、この通話管理テーブルに登録されている内線端末2のうち、最終通話端末としての通話回数が最も多い内線端末2を特定し、その特定結果に基づいて、通話管理テーブルに紐付けられた内線端末2-3の自動着信転送設定の要否を判断する。ここでは、最終通話端末としての通話回数が最も多い内線端末2として、3台の内線端末2-1、2-2、2-3(それぞれ通話回数「1」)が特定される。複数の内線端末2が特定された場合、それらの内線端末2のなかから、最終通話日時が最も新しい内線端末(ここでは内線端末2-1)をさらに特定する。内線端末2-1は、この通話管理テーブルに紐付けられている内線端末2-3ではないので、主装置1は、内線端末2-1を着信転送先として、この通話管理テーブルに紐付けられた内線端末2-3に自動着信転送を設定する(S135)。そして、主装置1は、自動着信転送が設定された内線端末2-3に、その着信転送先(内線端末2-1)に関する情報を含む着信転送情報を送信し(S136)、内線端末2-3は、主装置1から受信した着信転送情報を表示する(S137)。
【0028】
つぎに、本実施の形態に係る内線電話システムを構成する主装置1の詳細を説明する。
【0029】
なお、内線端末2には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部および各種要求を受け付けるためのファンクションキー等を備えた、代理応答機能を有する既存のボタン電話機を利用できるので、その詳細な説明を省略する。
【0030】
【0031】
図示するように、主装置1は、内線電話網インターフェース部10と、外線電話網インターフェース部11と、呼制御部12と、中継部13と、通話管理テーブル記憶部14と、通話監視部15と、通話管理テーブル更新部16と、自動着信転送設定部17と、着信転送情報送信部18と、宛先情報送信部19と、を備えている。
【0032】
内線電話網インターフェース部10は、内線電話網5に接続するためのインターフェースであり、外線電話網インターフェース部11は、外線電話網4に接続するためのインターフェースである。
【0033】
呼制御部12は、内線端末2と連携して呼制御処理を実施することにより、この内線端末2と外線端末3あるいは他の内線端末2との間に通話路を確立する。また、呼制御部12は、代理応答機能、着信転送機能、および保留転送機能を有している。
【0034】
中継部13は、呼制御部12により確立された通話路を介して、内線端末2と外線端末3あるいは他の内線端末2との通話を中継する。
【0035】
通話管理テーブル記憶部14は、内線端末2毎に通話管理テーブルを記憶する。
【0036】
図6は、通話管理テーブル記憶部14の登録内容例を模式的に表した図である。
【0037】
図示するように、通話管理テーブル記憶部14には、内線端末2毎に、この内線端末2に紐付けられた通話管理テーブル140が記憶されている。通話管理テーブル140には、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2を宛先とする呼の発信者との終話時通話端末(通話終了時における通話相手)となった実績のある内線端末2毎に通話管理レコード141が登録される。通話管理レコード141は、終話時通話端末としての実績のある内線端末2の識別情報が登録されたフィールド142と、終話時通話端末としての通話回数が登録されたフィールド143と、終話時通話端末としての最終通話日時が登録されたフィールド144と、を有する。
【0038】
通話監視部15は、いずれかの内線端末2を宛先とする呼が呼制御部12に着信した場合に、この呼の発信者との通話状況を監視する。そして、この呼の発信者との通話が終了したならば、通話終了日時および終話時通話端末を特定してこの呼の宛先とともに通話管理テーブル更新部16に通知する。
【0039】
通話管理テーブル更新部16は、通話監視部15より通知された宛先に紐付けられた通話管理テーブル140を、この宛先とともに通話監視部15より通知された終話時通話端末および通話終了日時に基づいて更新する。具体的には、通話監視部15より通知された宛先に紐付けられた通話管理テーブル140に、通話監視部15より通知された終話時通話端末の識別情報を含む通話管理レコード141が登録されている場合には、この通話管理レコード141のフィールド143に登録された通話回数を1つインクリメントするとともに、この通話管理レコード141のフィールド143に登録された通話終了日時を、通話監視部15より通知された通話終了日時に更新する。また、通話監視部15より通知された宛先に紐付けられた通話管理テーブル140に、通話監視部15より通知された終話時通話端末の識別情報を含む通話管理レコード141が登録されていない場合、この通話管理テーブル140に新たな通話管理レコード141を追加して、この追加した通話管理レコード141のフィールド142~144に、通話監視部15より通知された終話時通話端末の識別情報、通話回数「1」、および通話監視部15より通知された通話終了日時を登録する。
【0040】
自動着信転送設定部17は、通話管理テーブル記憶部14に記憶されている通話管理テーブル140が更新された場合に、この通話管理テーブル140の更新後の登録内容に基づいて、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2に自動着信転送を設定あるいは設定解除する。具体的には、通話管理テーブル140から、通話回数が最も多い通話管理レコード141(通話回数が最も多い通話管理レコード141が複数登録されている場合は、それの通話管理レコード141のなかで、最終通話日時が最も新しい通話管理レコード141)を抽出し、この通話管理レコード141のフィールド142に、通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2以外の内線端末2が終話時通話端末として登録されているならば、この終話時通話端末を着信転送先として、通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2に自動着信転送を設定し、通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2が終話時通話端末として登録されているならば、通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2には自動着信転送を設定しない(自動着信転送が設定されている場合はその設定を解除する)。また、通話管理テーブル140に通話管理レコード141が登録されていない場合(通話管理テーブル140が初期化された場合)も、通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2に自動着信転送を設定しない(自動着信転送が設定されている場合はその設定を解除する)。
【0041】
着信転送情報送信部18は、自動着信転送設定部17によりいずれかの内線端末2に自動着信転送が設定された場合に、この内線端末2に、着信転送先に関する情報である着信転送情報を送信する。
【0042】
宛先情報送信部19は、着信した呼を呼制御部12が自動着信転送した場合に、この呼の宛先に関する情報である宛先情報を着信転送先に送信する。
【0043】
なお、
図5に示す主装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されてもよい。
【0044】
図7は、主装置1の着信処理を説明するためのフロー図である。
【0045】
このフローは、外線電話網インターフェース部11あるいは内線電話網インターフェース部10を介して呼制御部12に、いずれかの内線端末2を宛先とする呼が着信することにより開始される。
【0046】
まず、呼制御部12は、着信した呼の宛先である内線端末2に自動着信転送が設定されているか否かを判断する(S200)。自動着信転送が設定されてない場合は(S200でNO)、内線電話網インターフェース部10を介して、呼の宛先である内線端末2に、鳴動音1(通常の鳴動音)の指定を伴う呼を送出する(S201)。一方、自動着信転送が設定されている場合は(S200でYES)、内線電話網インターフェース部10を介して着信転送先の内線端末2に、鳴動音2(着信転送用の鳴動音)の指定を伴う呼を送出するとともに、着信した呼の宛先情報を送信する(S202)。
【0047】
つぎに、呼制御部12は、宛先あるいは着信転送先に送出した呼に対して応答あるいは代理応答を受信すると(S203でYES)、着信した呼の発信者に応答を送信し、応答者あるいは代理応答者との通話路を確立するとともに呼の発信者と通話路を確立する。そして、確立した両通話路間を中継部13に中継させる(S204)。これにより、応答者あるいは代理応答者と発信者との通話が可能となる。
【0048】
その後、呼制御部12は、内線電話網インターフェース部10を介して通話中の内線端末2(応答者あるいが代理応答者)から保留転送要求を受信すると(S205でYES)、呼の発信者との通話路を保留して、保留転送要求で指定されている保留転送先の内線端末2に呼を送出する(S206)。
【0049】
そして、保留転送先に送出した呼に対して応答あるいは代理応答を受信すると(S207でYES)、保留転送要求元の内線端末2との通話路を解放し、保留転送先に送出した呼に対する応答者あるいは代理応答者と通話路を新たに確立する。そして、呼の発信者との通話路の保留を解除し、この通話路の接続先を、新たに確立した通話路に変更して、両通話路間を中継部13に中継させる(S208)。これにより、保留転送先に送出した呼に対する応答者あるいは代理応答者と発信者との通話が可能となる。その後、S205に戻る。
【0050】
一方、保留転送先に送出した呼に対して応答あるいは代理応答を受信することなく(S207でNO)、保留転送要求元から保留転送解除要求を受信すると(S209でYES)、呼の発信者との通話路の保留を解除して、この通話路の接続先を変更することなくS205に戻る。
【0051】
また、呼制御部12は、呼の発信者とその通話相手との間で終話処理が行われると(S210でYES)、呼の発信者との通話路およびその通話相手との通話路をそれぞれ解放して、両者間の通話を終了する。これを受けて、通話監視部15は、通話終了時における呼の発信者との通話相手である内線端末2を終話時通話端末として特定する(S211)。そして、特定した終話時通話端末の識別情報を、通話終了日時および呼の宛先である内線端末2とともに通話管理テーブル更新部16に通知する。これを受けて、通話管理テーブル更新部16は、通話監視部15からの通知内容に基づいて、通話管理テーブル記憶部14に記憶されている通話管理テーブル140を更新する(S212)。具体的には、通話監視部15より通知された呼の宛先に紐付けられた通話管理テーブル140に、通話監視部15より通知された終話時通話端末の識別情報を含む通話管理レコード141が登録されているならば、この通話管理レコード141に登録されている通話回数を1つインクリメントするとともに、この通話管理レコード141に登録されている通話終了日時を、通話監視部15より通知された通話終了日時に更新する。一方、通話監視部15より通知された呼の宛先に紐付けられた通話管理テーブル140に、通話監視部15より通知された終話時通話端末の識別情報を含む通話管理レコード141が登録されていないならば、この通話管理テーブル140に新規の通話管理レコード141を追加して、この通話管理レコード141に、通話監視部15より通知された終話時通話端末の識別情報、通話回数「1」、および通話監視部15より通知された通話終了日時を登録する。
【0052】
図8は、主装置1の自動着信転送設定処理を説明するためのフロー図である。
【0053】
このフローは、通話管理テーブル更新部16により通話管理テーブル記憶部14のいずれかの通話管理テーブル140が更新されることにより開始される。
【0054】
まず、自動着信転送設定部17は、更新された通話管理テーブル140(以下、更新後の通話管理テーブル140)に通話管理レコード141が記憶されているか否かを判断する(S220)。更新後の通話管理テーブル140に通話管理レコード141が記憶されていない場合(通話管理テーブル140の初期化)には(S220でNO)、自動着信転送設定部17は、更新後の通話管理テーブル140に紐付けされている内線端末2には自動着信転送を設定しない。この内線端末2に自動着信転送が設定されている場合は、その設定を解除する(S225)。
【0055】
一方、更新後の通話管理テーブル140に通話管理レコード141が記憶されているならば(S220でYES)、自動着信転送設定部17は、更新後の通話管理テーブル140から、最も多い通話回数を含む通話管理レコード141を検索する(S221)。それから、自動着信転送設定部17は、このとき通話回数の最も多い通話管理レコード141が複数検索されたか否かを判断する(S222)。
【0056】
更新後の通話管理テーブル140から検索された、最も多い通話回数を含む通話管理レコード141が1つのみの場合(S222でNO)、自動着信転送設定部17は、この通話管理レコード141に登録されている終話時通話端末(最も通話回数が多い終話時通話端末)が、更新後の通話管理テーブル140に紐付けされた内線端末2自身であるか否かを判断する(S224)。
【0057】
そして、最も通話回数が多い終話時通話端末が、更新後の通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2自身である場合(S224でYES)、自動着信転送設定部17は、更新後の通話管理テーブル140に紐付けされている内線端末2には自動着信転送を設定しない。この内線端末2に自動着信転送が設定されている場合にはそれを解除する(S225)。
【0058】
一方、最も通話回数が多い終話時通話端末が、更新後の通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2でない場合(S224でNO)、自動着信転送設定部17は、この終話時通話端末を着信転送先として、更新後の通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2に自動着信転送を設定する(S226)。それから、着信転送情報送信部18は、内線電話網インターフェース部10を介して、自動着信転送設定部17により自動着信転送が設定された内線端末2に、その着信転送先に関する情報である着信転送情報を送信する(S227)。
【0059】
また、S222において、更新後の通話管理テーブル140から検索された、最も多い通話回数を含む通話管理レコード141が複数存在する場合(S222でYES)、自動着信転送設定部17は、これらの通話管理レコード141のなかから、最も新しい最終通話日時を含む通話管理レコード141を検索する(S223)。そして、自動着信転送設定部17は、最も多い通話回数および最も新しい最終通話日時の双方を含む通話管理レコード141に登録されている終話時通話端末(最も通話回数が多くかつ最も新しい通話実績を有する終話時通話端末)が、更新後の通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2自身であるか否かを判断する(S224)。そして、最も通話回数が多くかつ最も新しい通話実績を有する終話時通話端末が、更新後の通話管理テーブル140に紐付けされている内線端末2自身である場合(S224でYES)、自動着信転送設定部17は、更新後の通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2には自動着信転送を設定しない。内線端末2に自動着信転送が設定されている場合はそれを解除する(S225)。
【0060】
一方、最も通話回数が多くかつ最も新しい通話実績を有する終話時通話端末が、更新後の通話管理テーブル140に紐付けされている内線端末2ではない場合(S224でNO)、自動着信転送設定部17は、この終話時通話端末を着信転送先として、更新後の通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2に自動着信転送を設定する(S226)。それから、着信転送情報送信部18は、内線電話網インターフェース部10を介して、自動着信転送設定部17により自動着信転送が設定された内線端末2に、その着信転送先に関する情報である着信転送情報を送信する(S227)。
【0061】
図9は、主装置1の通話管理テーブル初期化処理を説明するためのフロー図である。
【0062】
このフローは、通話管理テーブル更新部16が内線電話網インターフェース部10を介していずれかの内線端末2から初期化要求を受信することにより開始される。
【0063】
まず、通話管理テーブル更新部16は、初期化要求送信元である内線端末2に紐付けられた通話管理テーブル140を初期化対象として通話管理テーブル記憶部14から特定する(S230)。
【0064】
それから、通話管理テーブル更新部16は、初期化対象の通話管理テーブル140から全ての通話管理レコード141を削除して、初期化対象の通話管理テーブル140を初期化する(S231)。
【0065】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0066】
本実施の形態において、主装置1は、いずれかの内線端末2を宛先とする呼の発信者との通話が終了すると、宛先の内線端末2に紐付けられて通話管理テーブル記憶部14に記憶されている通話管理テーブル140を更新して、終話時通話端末の通話回数を1つインクリメントする。そして、いずれかの通話管理テーブル140が更新されると、主装置1は、この通話管理テーブル140において通話回数の最も多い通話管理レコード141の終話時通話端末が、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2自身であるならば、この内線端末2には自動着信転送を設定せず(または設定を解除)、一方、終話時通話端末が、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2でないならば、この終話時通話端末を着信転送先として、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2に自動着信転送を設定する。このため、呼の発信者と頻繁に通話している内線端末2、つまり内線端末2を宛先とする呼の発信者に実質的に対応できる可能性が高いユーザの内線端末2に呼を送出するので、いずれかの内線端末2を宛先とする呼の着信に対しても発信者を長く待たせることなく、より迅速に応答することができる。
【0067】
また、更新後の通話管理テーブル140に、通話回数の最も多い通話管理レコード141が複数存在する場合、これらの通話管理レコード141のなかから、最終通話日時が最も新しい通話管理レコード141を特定する。そして、特定した通話管理レコード141の終話時通話端末が、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2自身であるならば、この内線端末2には自動着信転送を設定せず(または設定を解除)、一方、終話時通話端末が、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2でないならば、この終話時通話端末を着信転送先として、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2に自動着信転送を設定する。このため、呼の発信者と頻繁に通話している内線端末2のなかから、直近に終話時通話端末として対応したユーザの内線端末2に呼を送出するので、内線端末2を宛先とする呼の発信者に対して、実質的に対応できる可能性がより高いユーザが最初に対応することができる。このため、発信者を待たせる可能性をさらに低減することができる。
【0068】
また、本実施の形態において、主装置1は、いずれかの内線端末2から初期化要求を受信すると、この内線端末2に紐付けられて通話管理テーブル記憶部14に記憶されている通話管理テーブル140を初期化する。そして、主装置1は、通話管理テーブル140が初期化されると、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2には自動着信転送を設定しない。自動着信転送が設定されている場合はそれを解除する。これにより、内線端末2のユーザは、簡単な操作で、自内線端末2に設定されている自動着信転送を解除することができる。
【0069】
また、本実施の形態において、主装置1は、内線端末2に自動着信転送を設定した場合、この内線端末2に、着信転送先に関する情報である着信転送情報を送信して、この内線端末2に着信転送情報を表示させる。このため、自動着信転送が設定された内線端末2のユーザは、自身の内線端末2に自動着信転送が設定されているか否か、および自動着信転送が転送されている場合はその着信転送先を知ることができ、利便性が向上する。
【0070】
また、本実施の形態において、主装置1は、内線端末2を宛先とする呼が着信した場合に、この呼をその宛先である内線端末2に送出する場合と、呼の着信転送先に設定されている内線端末2に送出する場合とで、鳴動音を異ならせている(鳴動音1:通常の鳴動音、鳴動音2:着信転送用の鳴動音)。したがって、内線端末2のユーザは、内線端末2に着信した呼が自身宛てのものであるか否かをその鳴動音により判断することが可能となり、利便性が向上する。
【0071】
また、本実施の形態において、主装置1は、自動着信転送が設定されている内線端末2を宛先とする呼が着信し、この呼を着信転送先に送出する場合、この呼の宛先に関する情報である宛先情報をこの着信転送先に送信する。このため、着信転送先の内線端末2のユーザは、自身の内線端末2に着信した呼の本来の宛先を知ることができ、利便性が向上する。
【0072】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0073】
例えば、上記の実施の形態において、主装置1は、更新後の通話管理テーブル140に通話回数の最も多い通話管理レコード141が複数存在する場合に、これらの通話管理レコード141のなかから、最終通話日時が最も新しい通話管理レコード141を特定し、特定した通話管理レコード141の終話時通話端末が、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2でないならば、この終話時通話端末を着信転送先として、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2に自動着信転送を設定している。しかし、本発明はこれに限定されず、以下のように変更してもよい。
【0074】
通話回数を、応答回数、代理応答回数、転送応答回数、転送代理応答回数を含む複数のグループに分け、主装置1は、内線端末2を宛先とする呼の発信者との通話が終了した場合に、この宛先に紐付けられた通話管理テーブル140に記憶されている終話時通話端末の通話管理レコード141に対して、終話時通話端末が呼の宛先であるならば応答回数を1つインクリメントし、呼の宛先に対して代理応答した内線端末2であるならば代理応答回数を1つインクリメントし、呼の転送先であるならば転送応答回数を1つインクリメントし、呼の転送先に対して代理応答した内線端末2であるならば転送代理応答回数を1つインクリメントする。そして、主装置1は、更新後の通話管理テーブル140から、通話回数(応答回数、代理応答回数、転送応答回数、転送代理応答回数を含む複数のグループ各々の回数の合計)の最も多い通話管理レコード141を検索し、通話回数の最も多い通話管理レコード141が複数存在する場合、それらのなかから、応答回数の最も多い通話管理レコード141を特定する。応答回数の最も多い通話管理レコード141が複数存在するならば、以下のように順次絞り込みを行う。応答回数の最も多い複数の通話管理レコード141のなかから、代理応答回数の最も多い通話管理レコード141を特定する。代理応答回数の最も多い通話管理レコード141が複数存在するならば、それらのなかから、転送応答回数の最も多い通話管理レコード141を特定する。転送応答回数の最も多い通話管理レコード141が複数存在するならば、それらのなかから、転送代理応答回数の最も多い通話管理レコード141を特定する。そして、最終的に1つに通話管理レコード141に特定した場合には、この通話管理レコード141の終話時通話端末が、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2でない場合に、この終話時通話端末を着信転送先として、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2に自動着信転送を設定する。
【0075】
なお、最終的に1つの通話管理レコード141まで絞り込むことができなかった場合は、この通話管理テーブル140に紐付けられている内線端末2に自動着信転送を設定しない。自動着信転送が設定されている場合はそれを解除する。あるいは、最終絞り込みの結果残った複数の通話管理レコード141の終話時通話端末すべてが、この通話管理テーブル140に紐付けられた内線端末2を宛先とする着信呼の転送先として呼び出されるようにしてもよい。
【0076】
また、上記の実施の形態では、主装置1は、通話管理レコード141が更新されたタイミングで、この通話管理レコード141に紐付けられた内線端末2の自動着信転送の要否を判断しているが、その他のタイミングで自動着信転送の要否の判断を実行してもよい。例えば、予め定めたスケジュール(繰り返し周期の指定、時刻の指定、曜日の指定、日付の指定等)にしたがって自動着信転送の要否の判断を実行してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1:主装置 2-1~2-n:内線端末 3:外線端末
4:外線電話網 5:内線電話網
10:内線電話網インターフェース部
11:外線電話網インターフェース部 12:呼制御部
13:中継部 14:通話管理テーブル記憶部
15:通話監視部 16:通話管理テーブル更新部
17:自動着信転送設定部 18:着信転送情報送信部
19:宛先情報送信部