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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125959
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
G06F3/12 322
G06F3/12 343
G06F3/12 338
G06F3/12 359
G06F3/12 307
G06F3/12 388
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034123
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩史
(57)【要約】
【課題】ユーザからの印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置により印刷された印刷物を、そのユーザが受け取ったか否かを把握可能とする。
【解決手段】制御部33は、画像形成装置20、60から印刷処理の実行の要求を受けると、ジョブ情報記憶部34に予め格納された印刷データを、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信する。そして、制御部33は、出力場所が社外となるような印刷データの送信が行った場合、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置50に対して、印刷物の画像の全体又は一部を撮影するよう指示する。最後に、制御部33は、撮影された印刷物の画像を携帯端末装置50から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、その印刷物をユーザが受け取った旨の情報をジョブ情報管理テーブルに登録する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め格納された印刷データを、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体又は一部を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物上に印刷されたコード画像を撮影するよう指示し、
撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、予め格納された印刷データのうちの特定のページのみに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加する、
請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、予め格納された印刷データのうちの最初のページ及び最後のページのみに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加する、
請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像が付加されたページを追加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物のうちのコード画像が印刷されたページ上のコード画像を撮影するよう指示し、
撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の全体の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の全体の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の特定のページの画像の全体を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の特定のページの画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
請求項6記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信して、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物上に印刷されたコード画像を撮影するよう指示し、撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する第1の確認方法と、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体を撮影するよう指示し、撮影された印刷物の全体の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の全体の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する第2の確認方法の、いずれかの確認方法によりユーザが印刷物を受け取ったことを確認するのかを選択可能として、
選択された確認方法によりユーザが印刷物を受け取ったことを確認して当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項9】
予め格納された印刷データを、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信するステップと、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体又は一部を撮影するよう指示するステップと、
撮影された印刷物の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、受取者に設定された人が印刷物の受取を行わない場合には、警告メッセージを受取者の情報処理端末に表示し、印刷装置から印刷完了通知を受けた識別情報のうち、受取確認されていない識別情報と対応するユーザの情報処理端末に、印刷物が未取得である旨の警告を通知するようにした印刷物監視システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、印刷文書の印刷を行うと、印刷物の取り忘れを防止するためのチェック依頼メールをユーザに送信し、待ち時間内に返答がないと、セキュリティ管理者にも、印刷物の取り忘れの発生を通知する通知メールを送信するようにした印刷システムが開示されている。
【0004】
特許文献3には、印刷物が排紙先から取り除かれずに残っているかどうかを検出するための用紙検出センサを排紙部に設け、印刷装置から印刷物が排出されてから、一定時間経った後、受取情報を検索し、印刷物の受取確認がされていなければ、コンピュータの印刷管理ソフトが、排出先にある印刷物の放置状況を操作画面に表示するようにした印刷システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-118734号公報
【特許文献2】特開2014-178848号公報
【特許文献3】特許第5392370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クラウド上のサーバに印刷データを格納しておき、コンビニエンスストア等の公共の場所に設置された画像形成装置により印刷する場合、印刷物を取り忘れると情報漏洩の危険がある。
【0007】
本発明の目的は、ユーザからの印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置により印刷された印刷物を、そのユーザが受け取ったか否かを把握することが可能な情報処理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様の情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、
予め格納された印刷データを、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体又は一部を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する。
【0009】
第2態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物上に印刷されたコード画像を撮影するよう指示し、
撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する。
【0010】
第3態様の情報処理システムは、第2態様の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、予め格納された印刷データのうちの特定のページのみに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加する。
【0011】
第4態様の情報処理システムは、第3態様の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、予め格納された印刷データのうちの最初のページ及び最後のページのみに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加する。
【0012】
第5態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像が付加されたページを追加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物のうちのコード画像が印刷されたページ上のコード画像を撮影するよう指示し、
撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する。
【0013】
第6態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の全体の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の全体の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する。
【0014】
第7態様の情報処理システムは、第6態様の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の特定のページの画像の全体を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の特定のページの画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する。
【0015】
第8態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、
予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信して、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物上に印刷されたコード画像を撮影するよう指示し、撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する第1の確認方法と、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体を撮影するよう指示し、撮影された印刷物の全体の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の全体の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する第2の確認方法の、いずれかの確認方法によりユーザが印刷物を受け取ったことを確認するのかを選択可能として、
選択された確認方法によりユーザが印刷物を受け取ったことを確認して当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する。
【0016】
第9態様のプログラムは、予め格納された印刷データを、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信するステップと、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体又は一部を撮影するよう指示するステップと、
撮影された印刷物の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録するステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
第1態様の情報処理システムによれば、ユーザからの印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置により印刷された印刷物を、そのユーザが受け取ったか否かを把握することが可能となる。
【0018】
第2態様の情報処理システムによれば、ユーザは印刷物に含まれたコード画像を撮影するだけで、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0019】
第3態様の情報処理システムによれば、全ページにコード画像を付加して印刷する場合と比較して、ユーザがコード画像を撮影する手間を少なくすることができる。
【0020】
第4態様の情報処理システムによれば、ユーザは印刷物の最初のページと最後のページのコード画像のみを撮影するだけで、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0021】
第5態様の情報処理システムによれば、必要な印刷物にコード画像を付加することなく、ユーザは印刷物に含まれたコード画像が印刷されたページのコード画像を撮影するだけで、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0022】
第6態様の情報処理システムによれば、印刷物にコード画像を付加することなく、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0023】
第7態様の情報処理システムによれば、ユーザは印刷物の全ページの画像を撮影することなく、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0024】
第8態様の情報処理システムによれば、ユーザが印刷物を受け取ったことを確認する際の確認方法をユーザの希望により選択することが可能となる。
【0025】
第9態様のプログラムによれば、ユーザからの印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置により印刷された印刷物を、そのユーザが受け取ったか否かを把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の一実施形態の印刷管理システムのシステム構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態の印刷管理システムにおける管理サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本開示の一実施形態の印刷管理システムにおける管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図4】ジョブ情報記憶部34に格納されているジョブ情報管理テーブルの一例を示す図である。
図5】パターン1における2次元コードの付与例1を示す図である。
図6】パターン1における2次元コードの付与例2を示す図である。
図7】パターン1の場合における印刷物の受け取り確認を行う際の動作を説明するためのシーケンスチャートである。
図8】パターン1の場合において、管理サーバ10から携帯端末装置50に送信された受け取り確認依頼が携帯端末装置50の表示ディスプレイ上で表示される際の様子の一例を示す図である。
図9】印刷物の受け取り確認を行った後の制御部33が、ジョブ情報管理テーブルを更新する様子を説明するための図である。
図10】パターン1の場合における印刷物の受け取り確認を行う際の動作を説明するためのシーケンスチャートである。
図11】パターン2の場合において、管理サーバ10から携帯端末装置50に送信された受け取り確認依頼が携帯端末装置50の表示ディスプレイ上で表示される際の様子の一例を示す図である。
図12】パターン1、パターン2のいずれの確認方法により印刷物の受け取り確認を行うのかを選択する際の表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は本開示の一実施形態の印刷管理システムのシステム構成を示す図である。
【0029】
本実施形態の印刷管理システムは、予め格納された印刷データをユーザから印刷処理の実行要求を受けた画像形成装置に送信することにより、その画像形成装置において印刷処理を実行可能とする情報処理システムである。
【0030】
本開示の一実施形態の印刷管理システムは、図1に示されるように、管理サーバ10と、画像形成装置20、60、端末装置41、42、スマートフォン等の携帯端末装置50とが、インターネット等のネットワーク30により接続された構成となっている。なお、携帯端末装置50は、電話通信回線網を介してネットワーク30に接続されているが、図1ではその構成については省略して記載している。
【0031】
なお、携帯端末装置50には、アプリケーションプログラム(以下、アプリと略す。)が予めインストールされている。そして、管理サーバ10は、このアプリを介して携帯端末装置50に対して各種指示を送信したり、携帯端末装置50から画像データ等の各種データを受信したりすることが可能となっている。
【0032】
画像形成装置20、60は、端末装置41、42から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置20、60は、例えば、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0033】
ここで、端末装置41、42、及び画像形成装置20は、ある会社の社内のネットワークに接続されている。そして、画像形成装置60は、例えば、コンビニエンスストアのような社外に設置されている。
【0034】
一般ユーザは、端末装置42から、印刷データを管理サーバ10に登録しておくことにより、登録した印刷データを社内の画像形成装置20において印刷したり、社外の画像形成装置60において印刷したりすることが可能となっている。なお、一般ユーザが、社外に設置された画像形成装置60において印刷処理を実行しようとする場合には、管理サーバ10は、管理者ユーザに対して承認を要求して、管理者ユーザが端末装置41に対して承認操作を行った場合にのみ印刷処理が実行できるようになっている。
【0035】
一般ユーザは、社内の端末装置42から印刷データを管理サーバ10に登録しておくことにより、その後コンビニエンスストアに移動して画像形成装置60を操作することにより、登録しておいた印刷データに基づく印刷処理を実行して印刷物を取得することができる。
【0036】
しかし、このようにクラウド上の管理サーバ10に印刷データを格納しておき、コンビニエンスストア等の公共の場所に設置された画像形成装置60により印刷する場合、印刷物を取り忘れてしまうと情報漏洩が発生する危険性がある。もしも、一般ユーザが保持している携帯端末装置50に対して印刷物を受け取ったか否かを問い合わせ、一般ユーザから印刷物を受け取った旨の通知を受信して取り忘れ防止を行ったとしても、一般ユーザが印刷物を受け取ったことが保証されるわけではない。一般ユーザが管理サーバ10からの問い合わせに対して、印刷物を受け取っていないにもかかわらず、受け取った旨を返信することも考えられるからである。
【0037】
そこで、本実施形態の印刷管理システムでは、下記で説明するような処理を行うことにより、ユーザからの印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置により印刷された印刷物を、そのユーザが受け取ったか否かを把握することを可能としている。なお、本実施形態では、画像形成装置60には、印刷物の取り忘れを防止するための特別な機能を必要としない。そのため、画像形成装置60は、印刷データを管理サーバ10から受信した印刷処理を実行する機能があればどのような装置であってもよい。
【0038】
次に、本実施形態の印刷管理システムにおける管理サーバ10のハードウェア構成を図2に示す。
【0039】
管理サーバ10は、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0040】
CPU11は、メモリ12又は記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、管理サーバ10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12又は記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信インタフェース14に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0041】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0042】
本実施形態の管理サーバ10は、図3に示されるように、表示部31と、データ送受信部32と、制御部33と、ジョブ情報記憶部34とを備えている。
【0043】
表示部31は、制御部33により制御され、ユーザに各種情報を表示する。データ送受信部32は、画像形成装置20、60、端末装置41、42、携帯端末装置50等の外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0044】
制御部33は、データ送受信部32を介して端末装置41、42から印刷データを受信すると、受信した印刷データを新たな印刷ジョブとしてジョブ情報記憶部34に記憶する。
【0045】
ジョブ情報記憶部34には、実行中の印刷ジョブに関する情報が登録されたジョブ情報管理テーブルが格納されている。このジョブ情報管理テーブルの一例を図4に示す。
【0046】
ジョブ情報管理テーブルは、図4に示されるように、各ジョブを特定するための識別子であるジョブID、ジョブ名称、そのジョブを登録したユーザのユーザID、出力場所、出力日時、受取状況、受取日時の情報により構成されている。出力場所は、その印刷データを出力した場所が社内であるのか、コンビニエンスストア等の社外であるのかが分かる情報となっている。なお、印刷データが管理サーバ10に登録されただけの状況では、この出力場所は未定となっている。
【0047】
そして、「受取状況」は、出力場所が社外の場合にのみ使用される情報となっている。具体的には、以降において説明する確認依頼をユーザに対して行って、そのユーザが印刷物を受け取ったことが確認できた場合に、この「受取状況」は受取未確認から受取済みに変更される。そして、この受け取り確認ができた日時が受取日時として登録される。
【0048】
なお、管理者ユーザは、端末装置41を介して管理サーバ10にアクセスして、このジョブ情報管理テーブルの内容を閲覧することが可能となっている。つまり、管理者ユーザは、出力場所が社外となるような印刷が行われた場合に、社外での印刷を承認した印刷ジョブの受取状況を確認して、受取済みとなっていることを確認できるようになっている。
【0049】
制御部33は、画像形成装置20、60から印刷処理の実行の要求を受けると、ジョブ情報記憶部34に予め格納された印刷データを、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信する。なお、制御部33は、画像形成装置20に印刷データを送信した場合には、図4に示したジョブ情報管理テーブルにおける出力場所を社内とする。また、制御部33は、画像形成装置60に印刷データを送信した場合には、図4に示したジョブ情報管理テーブルにおける出力場所を社外とする。
【0050】
そして、制御部33は、出力場所が社外となるような印刷データの送信が行った場合、つまり、画像形成装置60に印刷データを送信した場合、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置50に対して、印刷物の画像の全体又は一部を撮影するよう指示する。ここで、印刷物の画像の一部を撮影するとは、例えば、印刷物の一部の領域に印刷されたコード画像等の画像を撮影することを意味する。
【0051】
最後に、制御部33は、撮影された印刷物の画像を携帯端末装置50から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、その印刷物をユーザが受け取った旨の情報をジョブ情報管理テーブルに登録する。
【0052】
ここで、印刷物の受け取り確認を行う際の方法には、大きくわけて下記の2つのパターンが存在する。
【0053】
(1)パターン1
印刷物にQRコード(登録商標)等の2次元コードのコード画像を印刷して、ユーザに対してこのコード画像の撮影を指示する。なお、コード画像は2次元コードに限定されるものではなく、バーコード等の1次元コード、文字列による文字コード等の各種コード情報を用いてもよい。
【0054】
(2)パターン2
印刷物にコード画像を印刷せずに、ユーザにより印刷物全体の画像の撮影を指示する。
【0055】
まず、印刷物の受け取り確認を行う際の方法について、上記で説明したパターン1の場合について説明する。
【0056】
このパターン1では、制御部33は、ジョブ情報記憶部34に予め格納された印刷データにその印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置60に送信する。
【0057】
そして、制御部33は、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置50に対して、印刷物上に印刷されたコード画像を撮影するよう指示する。
【0058】
そして、制御部33は、撮影されたコード画像を携帯端末装置50から受け取って、受け取ったコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、その印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する。
【0059】
このパターン1における2次元コードの付与例1を図5に示す。
【0060】
図5に示された付与例1では、3ページからなる印刷データに対して、それぞれのページに2次元コード71~73がそれぞれ付与されている場合が示されている。この2次元コード71~73は、印刷データを一意に特定可能な情報を含む。この2次元コード71~73は、例えば、ジョブIDと、何ページ目に該当するのかを示すページ情報との組み合わせにより構成されている。なお、2次元コード71~73に含まれる情報は、ジョブIDそのものでなくても、ハッシュコード等の印刷データを一意に特定可能な情報であればよい。さらに、2次元コード71~73には、管理サーバ10にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)情報が含まれていてもよい。
【0061】
なお、このパターン1の場合でも、印刷データの全てのページに2次元コードを付与しないようにしてもよい。つまり、制御部33は、予め格納された印刷データのうちの特定のページのみにその印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加するようにしてもよい。例えば、制御部33は、予め格納された印刷データのうちの最初のページ及び最後のページのみ、又は、最初のページのみに、その印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加するようにしてもよい。
【0062】
さらに、このパターン1では、印刷データに2次元コードを付与するため、印刷内容によっては不要な2次元コードが付加されてしまうことになる。例えば、顧客に渡す必要がある請求書、見積書等の帳票に対して2次元コードを付与したのでは、2次元コードと重なった部分の文字等が読めなくなってしまう可能性もある。そのため、制御部33は、印刷データに直接2次元コードを付与しないようにしてもよい。
【0063】
例えば、制御部33は、予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像が付加されたページ、例えば表紙ページ及び裏表紙ページを追加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信する。
【0064】
そして、制御部33は、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置50に対して、印刷物のうちのコード画像が印刷されたページ上のコード画像を撮影するよう指示する。
【0065】
このようなパターン1における2次元コードの付与例2を図6に示す。
【0066】
図6に示された付与例2では、3ページからなる印刷データに対して、表紙と裏表紙が追加され、この表紙と裏表紙に、2次元コード74、75がそれぞれ付与されている場合が示されている。この2次元コード74、75は、例えば、ジョブIDと、表紙又は裏表紙のいずれかであるのかを示す情報との組み合わせにより構成されている。なお、このように裏表紙に2次元コードを付与する場合には、印刷面の表側ではなく裏側に2次元コードを印刷するようにしてもよい。このようにすることにより、印刷物の束を用紙トレイから手に取ったユーザは、用紙をめくる必要なく裏表紙の2次元コードを携帯端末装置50により撮影することができるようになる。
【0067】
次に、このパターン1の場合における印刷物の受け取り確認を行う際の動作について図7のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0068】
まず、ステップS101において、一般ユーザが端末装置42から、管理サーバ10に対して印刷データを送信して登録する。
【0069】
すると、管理サーバ10では、制御部33は、ステップS102において、送信されてきた印刷データに基づくジョブをジョブ情報管理テーブルに登録する。この段階においては、まだ出力場所は、未定となっている。
【0070】
次に、一般ユーザがコンビニエンスストア等の画像形成装置60の設置場所まで移動して、この画像形成装置60を操作して印刷要求を行ったものとする。すると、画像形成装置60は、ステップS103において、この印刷要求を受け付けて、受け付けた印刷要求を管理サーバ10に送信する。
【0071】
すると、管理サーバ10では、制御部33は、ステップS104において、印刷要求を受けた印刷データに対して2次元データを付与する。そして、制御部33は、受け付けた印刷要求が社外の画像形成装置60からの印刷要求であったことにより、ステップS105において、印刷要求を受けたジョブの出力場所を社外に変更することによりジョブ情報管理テーブルを更新する。
【0072】
そして、制御部33は、ステップS106において、2次元コードが付与された印刷データを画像形成装置60に送信する。すると、画像形成装置60では、ステップS107において、管理サーバ10から送信されてきた印刷データに基づいた印刷処理を実行して、印刷物を出力する。
【0073】
印刷データを画像形成装置60に送信した管理サーバ10では、ステップS108において、制御部33が、出力された印刷物の受け取り確認依頼を携帯端末装置50に送信する。なお、管理サーバ10では、各ユーザが保持している携帯端末装置50の情報、及び、この携帯端末装置50にインストールされているアプリの情報が格納されている。そして、制御部33は、印刷要求を受けたジョブのユーザをジョブ情報管理テーブルから特定して、このユーザが保持している携帯端末装置50に対して印刷物の受け取り確認依頼を送信する。
【0074】
このようにして管理サーバ10から携帯端末装置50に送信された受け取り確認依頼が携帯端末装置50の表示ディスプレイ上で表示される際の一例を図8に示す。
【0075】
図8を参照すると、携帯端末装置50の表示ディスプレイには、「受け取り確認をしますので、最初のページの2次元コードを撮影してください。」という文字が表示されている。つまり、図8を参照すると、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置50において、印刷物の一部領域に印刷されているコード画像を撮影するような指示が行われている。
【0076】
そして、このような表示を見たユーザが、ステップS109において、携帯端末装置50のカメラにより印刷物上に印刷された2次元コード画像を撮影すると、撮影された2次元コードの画像データは、ステップS110において、携帯端末装置50から管理サーバ10に送信される。
【0077】
すると、管理サーバ10の制御部33は、ステップS111において、送信されてきた2次元コードの画像データに含まれるジョブIDと、ジョブ情報管理テーブルにおけるジョブIDとが一致することを確認する。
【0078】
そして、ジョブIDの一致が確認できると、制御部33は、ステップS112において、ジョブ情報管理テーブルを更新する。具体的には、図9に示すように、印刷物の受け取り確認を行ったジョブの受取状況を、「受取未確認」から「受取済み」に変更し、受取日時の情報を登録する。
【0079】
なお、上記では印刷物の最初のページに印刷された2次元コードの画像のみを携帯端末装置50により撮影する場合を用いて説明したが、最初のページと最後のページの2次元コードの画像の両方を撮影するようにしてもよい。また、印刷物の全部ページに印刷された2次元コードをそれぞれ携帯端末装置50により撮影するようにしてもよい。
【0080】
最初のページの2次元コードと最後のページの2次元コードの両方を撮影するためには印刷物の全体を一旦手に取る必要がある。そのため、最初のページの2次元コードと最後のページの2次元コードをユーザが撮影したことを確認できれば途中のページだけ置き忘れるような事態の発生はほぼ無いと考えらえる。また、図6に示したようなパターン1における付与例2においても、表紙の2次元コードと裏表紙の2次元コードの両方の撮影が確認できれば途中のページだけ置き忘れるような事態の発生はほぼ無いと考えらえる。
【0081】
さらに、上記のステップS110では、携帯端末装置50から管理サーバ10に対して2次元コードの画像データを送信するようにしていたが、携帯端末装置50において2次元コードからジョブIDを抽出して、ジョブIDの情報等を管理サーバ10に送信するようにしてもよい。
【0082】
[パターン2]
次に、印刷物にコード画像を印刷せずに、印刷物の受け取り確認を行うパターン2の場合の動作について説明する。
【0083】
このパターン2では、印刷物に2次元コード画像等の画像を付与する必要はないが、管理サーバ10では、送信されてきた印刷物の全体の画像データと、送信した印刷データに基づく画像データとが一致するか否かを判定する必要があり、管理サーバ10の処理負担は増加する。
【0084】
パターン2では、制御部33は、画像形成装置60からの印刷要求に応じて印刷データを送信する際に、比較用印刷イメージデータを生成してジョブ情報記憶部34に格納しておく。この比較用印刷イメージデータとは、印刷データを印刷した場合の画像データそのものであってもよいし、この画像データの解像度を低くしたサムネイル画像のような画像データであってもよい。制御部33は、印刷データに対してラスタライズ処理を行ってラスタ画像に変換することにより比較用印刷イメージデータを生成する。
【0085】
そして、制御部33は、印刷データを画像形成装置60に送信した後に、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置50に対して、印刷物の画像の全体を撮影するよう指示する。
【0086】
そして、制御部33は、撮影された印刷物の全体の画像を携帯端末装置50から取得して、取得した印刷物の全体の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、つまり比較用印刷イメージデータの画像と同じ画像であると判定した場合、その印刷物をユーザが受け取った旨の情報をジョブ情報管理テーブルに登録する。
【0087】
なお、このパターン2においても、制御部33は、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置50に対して、印刷物の特定のページの画像の全体を撮影するよう指示してもよい。例えば、制御部33は、撮影された印刷物の最初のページのみ、最後のページのみ又はその両方のページの画像を携帯端末装置50から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、その印刷物をユーザが受け取った旨の情報をジョブ情報管理テーブルに登録する。
【0088】
次に、このパターン2の場合における印刷物の受け取り確認を行う際の動作について図10のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0089】
まず、ステップS201において、一般ユーザが端末装置42から、管理サーバ10に対して印刷データを送信して登録する。
【0090】
すると、管理サーバ10では、制御部33は、ステップS202において、送信されてきた印刷データに基づくジョブをジョブ情報管理テーブルに登録する。この段階においては、まだ出力場所は、未定となっている。さらに、制御部33は、ステップS203において、送信されてきた印刷データに基づいて比較用印刷イメージデータを生成して格納する。
【0091】
次に、一般ユーザがコンビニエンスストア等の画像形成装置60の設置場所まで移動して、この画像形成装置60を操作して印刷要求を行ったものとする。すると、画像形成装置60は、ステップS204において、この印刷要求を受け付けて、受け付けた印刷要求を管理サーバ10に送信する。
【0092】
すると、管理サーバ10では、制御部33が、受け付けた印刷要求が社外の画像形成装置60からの印刷要求であったことにより、ステップS205において、印刷要求を受けたジョブの出力場所を社外に変更することによりジョブ情報管理テーブルを更新する。
【0093】
そして、制御部33は、ステップS206において、要求された印刷データを画像形成装置60に送信する。すると、画像形成装置60では、ステップS207において、管理サーバ10から送信されてきた印刷データに基づいた印刷処理を実行して、印刷物を出力する。
【0094】
印刷データを画像形成装置60に送信した管理サーバ10では、ステップS208において、制御部33が、出力された印刷物の受け取り確認依頼を携帯端末装置50に送信する。
【0095】
このようにして管理サーバ10から携帯端末装置50に送信された受け取り確認依頼が携帯端末装置50の表示ディスプレイ上で表示される際の一例を図11に示す。
【0096】
図11を参照すると、携帯端末装置50の表示ディスプレイには、「受け取り確認をしますので、最初のページの全体を撮影してください。」という文字が表示されている。つまり、図11を参照すると、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置50において、印刷物の全体を撮影するような指示が行われている。
【0097】
そして、このような表示を見たユーザが、ステップS209において、携帯端末装置50のカメラにより印刷物の全体を撮影すると、撮影された印刷物全体の画像データは、ステップS210において、携帯端末装置50から管理サーバ10に送信される。
【0098】
すると、管理サーバ10の制御部33は、ステップS211において、送信されてきた画像データと一致する画像データを、格納されている比較用印刷イメージデータの中から検索する。そして、制御部33は、送信されてきた画像データと一致する比較用印刷イメージデータと対応するジョブIDが、印刷確認を送信したジョブのジョブIDと一致することを確認する。
【0099】
そして、ジョブIDの一致が確認できると、制御部33は、ステップS212において、ジョブ情報管理テーブルを更新する。具体的には、図9に示したように、印刷物の受け取り確認を行ったジョブの受取状況を、「受取未確認」から「受取済み」に変更し、受取日時の情報を登録する。
【0100】
最後に、制御部33は、ステップS213において、一致した比較用印刷イメージデータを削除して処理を終了する。
【0101】
[パターン1とパターン2の切り換え]
【0102】
上記のパターン1による受け取り確認方法によれば、管理サーバ10では、コードの一致のみを確認すればよいが、印刷物に2次元コード等のコード情報を印刷する必要がある。なお、図6に示したパターン1における付与例2においても、2次元コードを印刷するための表紙と裏表紙のページが増加してしまうという問題がある。
【0103】
これに対してパターン2による受け取り確認方法によれば、印刷物に2次元コード等のコード情報を印刷する必要はないが、撮影された画像と比較用印刷イメージデータとが一致するか否かを処理する管理サーバ10の処理負荷が増加するという問題がある。また、このパターン2による受け取り確認方法では、誤判定を行う可能性も否定できない。
【0104】
そこで、印刷内容、印刷物の利用目的等に応じて、上記のパターン1による第1の確認方法、又はパターン2による第2の確認方法のいずれかの確認方法により印刷物の受け取り確認を行うのかを選択可能としてもよい。
【0105】
この場合、制御部33は、選択された確認方法によりユーザが印刷物を受け取ったことを確認してその印刷物をユーザが受け取った旨の情報をジョブ情報管理テーブルに登録する。
【0106】
なお、印刷処理を実行する一般ユーザが、パターン1、パターン2のいずれの確認方法により印刷物の受け取り確認を行うのかを選択可能としてもよいし、管理ユーザが印刷処理の承認の際に、選択可能としてもよい。
【0107】
このようにパターン1、パターン2のいずれの確認方法により印刷物の受け取り確認を行うのかを選択する際の表示画面例を図12に示す。
【0108】
または、制御部33は、印刷データの文書種類に基づいて、パターン1、パターン2のいずれの確認方法により印刷物の受け取り確認を行うのかを自動的に切り換え可能としてもよい。例えば、制御部33は、文書種類が一般的な文書の場合には、パターン1を選択して、文書内に「見積書」、「請求書」等の特定の文字列が含まれるような場合には、パターン2を選択するようにしてもよい。
【0109】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0110】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0111】
本実施形態における「システム」とは、複数の装置によって構成されたもの及び単一の装置によって構成されたものの両方を含む。
【0112】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0113】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め格納された印刷データを、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体又は一部を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する。
【0114】
(((2)))
前記プロセッサは、予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物上に印刷されたコード画像を撮影するよう指示し、
撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
(((1)))記載の情報処理システム。
【0115】
(((3)))
前記プロセッサは、予め格納された印刷データのうちの特定のページのみに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加する、
(((2)))記載の情報処理システム。
【0116】
(((4)))
前記プロセッサは、予め格納された印刷データのうちの最初のページ及び最後のページのみに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加する、
(((3)))記載の情報処理システム。
【0117】
(((5)))
前記プロセッサは、予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像が付加されたページを追加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信し、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物のうちのコード画像が印刷されたページ上のコード画像を撮影するよう指示し、
撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
(((1)))記載の情報処理システム。
【0118】
(((6)))
前記プロセッサは、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の全体の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の全体の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
(((1)))記載の情報処理システム。
【0119】
(((7)))
前記プロセッサは、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の特定のページの画像の全体を撮影するよう指示し、
撮影された印刷物の特定のページの画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
(((6)))記載の情報処理システム。
【0120】
(((8)))
前記プロセッサは、
予め格納された印刷データに当該印刷データを識別するための情報を含めたコード画像を付加して、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信して、印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物上に印刷されたコード画像を撮影するよう指示し、撮影されたコード画像に印刷データを識別するための情報が含まれる場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する第1の確認方法と、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体を撮影するよう指示し、撮影された印刷物の全体の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の全体の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する第2の確認方法の、いずれかの確認方法によりユーザが印刷物を受け取ったことを確認するのかを選択可能として、
選択された確認方法によりユーザが印刷物を受け取ったことを確認して当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録する、
(((1)))記載の情報処理システム。
【0121】
(((9)))
予め格納された印刷データを、ユーザから印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置に送信するステップと、
印刷処理の実行を要求したユーザが保持している携帯端末装置に対して、印刷物の画像の全体又は一部を撮影するよう指示するステップと、
撮影された印刷物の画像を前記携帯端末装置から取得して、取得した印刷物の画像が印刷データと対応した印刷物の画像である場合、当該印刷物をユーザが受け取った旨の情報を登録するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0122】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0123】
(((1)))の情報処理システムによれば、ユーザからの印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置により印刷された印刷物を、そのユーザが受け取ったか否かを把握することが可能となる。
【0124】
(((2)))の情報処理システムによれば、ユーザは印刷物に含まれたコード画像を撮影するだけで、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0125】
(((3)))の情報処理システムによれば、全ページにコード画像を付加して印刷する場合と比較して、ユーザがコード画像を撮影する手間を少なくすることができる。
【0126】
(((4)))の情報処理システムによれば、ユーザは印刷物の最初のページと最後のページのコード画像のみを撮影するだけで、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0127】
(((5)))の情報処理システムによれば、必要な印刷物にコード画像を付加することなく、ユーザは印刷物に含まれたコード画像が印刷されたページのコード画像を撮影するだけで、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0128】
(((6)))の情報処理システムによれば、印刷物にコード画像を付加することなく、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0129】
(((7)))の情報処理システムによれば、ユーザは印刷物の全ページの画像を撮影することなく、当該印刷物を受け取った旨を情報処理システムに通知することができる。
【0130】
(((8)))の情報処理システムによれば、ユーザが印刷物を受け取ったことを確認する際の確認方法をユーザの希望により選択することが可能となる。
【0131】
(((9)))のプログラムによれば、ユーザからの印刷処理の実行の要求を受けた画像形成装置により印刷された印刷物を、そのユーザが受け取ったか否かを把握することが可能となる。
【符号の説明】
【0132】
10 管理サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 制御バス
20 画像形成装置
30 ネットワーク
31 表示部
32 データ送受信部
33 制御部
34 ジョブ情報記憶部
41、42 端末装置
50 携帯端末装置
60 画像形成装置
71~75 2次元コード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12