(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125974
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】フルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液の製造方法及びフルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20240911BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240911BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20240911BHJP
A61K 35/10 20150101ALI20240911BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20240911BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20240911BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20240911BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240911BHJP
A61P 11/04 20060101ALI20240911BHJP
A61P 1/10 20060101ALI20240911BHJP
C09K 17/14 20060101ALI20240911BHJP
C09K 17/32 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
A23L5/00 J
A23L2/00 F
A23L2/38 C
A61K35/10
A61K9/12
A61P1/02
A61P11/02
A61P1/04
A61P11/04
A61P1/10
C09K17/14 H
C09K17/32 H
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023047314
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】523105484
【氏名又は名称】大橋 十玖仁
(72)【発明者】
【氏名】大橋 十玖仁
【テーマコード(参考)】
4B035
4B117
4C076
4C087
4H026
【Fターム(参考)】
4B035LC06
4B035LE03
4B035LG37
4B035LP42
4B035LP59
4B117LC04
4B117LG24
4B117LP05
4B117LP20
4C076AA24
4C076BB01
4C076BB03
4C076BB04
4C076BB22
4C076BB25
4C076CC15
4C076CC16
4C076FF11
4C076FF68
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BA07
4C087MA13
4C087MA52
4C087MA55
4C087MA57
4C087MA59
4C087NA14
4C087ZA34
4C087ZA59
4C087ZA66
4C087ZA67
4C087ZA72
4H026AA08
4H026AA10
4H026AB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】比較的短期間の熟成期間で無菌化され、かつ無臭で飲用可能なフルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液を製造する事が可能となる製造方法を提供する。
【解決手段】山林や街路樹などの剪定枝葉を原料として加熱もせず、常温常圧で2段階の熟成を行う製造方法としたために、大量で安価に複合有機酸を製造することが可能となった。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液の製造方法において、
木材のチップに発酵促進剤を所定量散布し堆肥材とし、
当該堆肥材の堆肥熱が70℃以上になった時に切り返し、堆肥熱が50℃(或いは完熟判定温度)を超えなくなるまで前記切り返しを繰り返し行う第1熟成処理を行い、
前記粉砕処理を行った堆肥材を重量比で5倍から15倍の水に含浸させ、
前記含浸した堆肥材に曝気処理および攪拌処理を繰り返し行う第2熟成処理を前記含浸した堆肥材の臭気が無くなるまでの所定期間行い、
前記堆肥材に含浸した水の上澄みを分取するか、または漉過する事により液分を採取する事を特徴とする有機酸水溶液の製造方法。
【請求項2】
前記第1熟成処理を行った堆肥材は粉砕機により所定の粒度以下となるよう粉砕処理を行った後に堆肥材を水に含浸する事を特徴とする特許請求の範囲1に記載の有機酸水溶液の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法で製造した有機酸水溶液
【請求項4】
請求項3に記載の有機酸水溶液を含む飲用液又は外用液
【請求項5】
請求項3に記載の有機酸水溶液を含む土壌改良液
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液の製造方法及びその製造方法で製造した複合有機酸水溶液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は土壌有機物から腐植土を採取して2度の熟成工程を経ることで飲用に適したフルボ酸とフミン酸を含有する腐植物質由来フルボ酸水溶液の製造方法が知られている。(特許第6095110号)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術では、腐植土を使いフルボ酸水溶液を生成する方法であるが、特定の腐植土を用いるために無菌化を行い飲用に適した液体を得るには期間的に3年という長期間を要し、無菌化をするために低温滅菌処理を必要とするといった課題がある。これにより、安定してフルボ酸水溶液を製造する事が難しくまた無菌化を行うのに比較的長い時間を要するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特許文献1では、特定の地区の腐植土を用いる事から原材料の調達に地域的な限定がある。それ以外の地区の腐植土を採用しようとする場合には、製造する前にその適否を検討する期間が必要になる。
【0006】
また、特許文献1では、第1次熟成と第2次熟成に多くの工程と期間を使って飲用に適した無菌化と無臭化が図られているため、製品化までの期間が3年以上と長期間になる。更に、原材料の量の確保が少なく、少量しか提供することができない。
【発明の効果】
【0007】
本発明は容易に調達できる生木チップを使い、比較的短期間の熟成期間で無菌化され、かつ無臭で飲用可能なフルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液を製造する事が可能となる製造方法を提供するものである。
【0008】
本発明は、生木チップを用いるために、土壌に含まれる不純物の影響を排除できるため、フミン酸の生成を低く抑えることができる。フミン酸の生成が抑えられるために、飲用時にエグ味や苦味がない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【0011】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、木材のチップを用いてフルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液を製造する製造方法およびその複合有機酸水溶液に関するものである。生木チップとしては、立木の剪定枝葉を用いることができ、木の種類については特定する事はないが、本実施例ではクヌギやブナなどの広葉樹並びに杉やヒノキなどの針葉樹を用いた製造方法を説明する。なお、この樹種に限らずプラタナス、ケヤキや桜など様々な樹種を使用することが可能である事は確認している。
【0014】
本発明で用いる原料は山林又は市街地の立木等から採取する生木の剪定枝葉であり、その剪定枝葉をチップ化し、糞尿を使用しない。堆肥の原料となる剪定枝葉は長さ1cmから4cm程度の長さに粉砕することで、後述する1次熟成中の切り返しを容易にする。
【0015】
チップ状にした剪定枝葉には、鉄酸化物溶液を発酵促進の触媒として一定量散布することで剪定枝葉を堆肥化する。鉄酸化物溶液の散布量は、剪定枝葉のチップ1立米に対して400mlから1000ml程度であり、ジョウロなどで散布すると良い。発効促進剤としては、発酵オーレスなどを利用することも可能である。
【0016】
〈一次熟成処理〉
剪定枝葉のチップ1トンの山の中に温度計を差し込み、チップの温度上昇を測定して70℃以上、好ましくは80℃に達した時に切り返しを行う。測定する温度はチップの中の温度であり表面から少なくとも50cm以上内部の堆肥熱を測る。数度の切り返しを行ってから数日後に再び温度を測り、堆肥熱が80℃に達した時に再度切り返しを行い、堆肥化の熟成を行う。チップ状の剪定枝葉は堆肥熱が80℃に達した時に切り返しを数度行い、再び堆肥熱が80℃に達したら切り返しを繰り返す。夏場では3か月、冬場では4か月程度の期間経つと、堆肥熱が50℃程度より上がらない状態となり、完熟した堆肥ができる。完熟したと判断する温度は季節によって変えても良く、夏の場合には60℃以下とすることもできる。
【0017】
完熟した堆肥は一定期間、例えば6か月以上冷暗所に放置熟成した後、2次熟成工程に進める為に粉砕機、好ましくはグラッシュミキサーで粒度が所定の粒度である10mm以下、好ましくは5mm以下、になるまで粉砕し、2次熟成工程に入る。
【0018】
〈二次熟成処理〉
完熟した堆肥を粉砕した後に曝気槽の中に入れ、堆肥1に対して清水10の重量比で堆肥を清水に含浸する。その後、曝気と攪拌を繰り返す2次熟成を行う。その後、所定期間(2~3日)毎に曝気と攪拌を繰り返すと、有機物の腐敗が進み腐敗臭が生じてくる。これを数週間にわたって繰り返すうちに腐敗臭が暫時減少してきて、3か月から4か月後には無臭状態となることにより2次熟成が完了する。2次熟成が完熟し無臭化した堆肥含浸水溶液は堆肥であった固体重量は1/20以下に減るとともに無味無臭の透明黄褐色液体になる。
【0019】
曝気装置は
図2に示したように、把手21近くに圧縮空気を取り入れるパイプを取付部22に取り付けて、圧縮空気が先端部23に設けられた複数の穴から吐出するように設けられている。この曝気装置を曝気槽の中に入れて清水を含浸した堆肥に曝気を行っている。この曝気装置に代えて曝気槽の底に穴の開いたパイプを敷設して圧搾空気を吐出するようにしても良い。
【0020】
攪拌装置は
図3に示すように、電動工具31にスクリュー32を取り付けて清水を含浸した堆肥含浸水溶液全体を攪拌している。
【0021】
〈検査〉
2次熟成の工程中は腐敗が最大化された後、堆肥水溶液はエグ味も苦味も渋味もない無味無臭化して完熟する。その堆肥水溶液は細菌ゼロ、陰性化する事は一般細菌検査で証明される。その検査は日本食品分析センター多摩研究所微生物研究課で行われ、非発酵性グラム陰性桿菌及び放線菌を検出したが、これらの菌群は食中毒菌又は耐熱性を有する細菌としては扱われていないとの判定を得た。更に好気性芽胞菌を検出したので、セレウリド合成酵素遺伝子の確認を行ったところ、陰性である事が確認された。
【0022】
2次熟成が完了してフルボ酸を含有する腐植酸の安定まで、夏場は3~4か月、冬場は6~7か月程度常温化で放置すると固形物は沈殿し、上澄み液が透明黄褐色の液体となる。はじめはその透明度の高い層から上澄み液を分取し、残りの半透明の液体と固形物はろ過してから透明な液体部分を取り出すことで有機酸水溶液を得ることができる。この段階で有機酸水溶液は安定した濃厚フルボ酸及びその他の腐植酸、ヒューミン等を含む複合有機酸含有成分が安定している。
【0023】
図1には、東レテクノ株式会社で行った堆肥由来水溶液のフルボ酸の定性・半定量分析の結果を示している。この結果によると
図3に示す三次元蛍光スペクトル縦軸の励起波長(Ex)は200~500nm、蛍光波長は210~550nmの間を測定し、得られた三次元蛍光スペクトラムから、右のフルボ酸標準物質に対し、左の試料は蛍光特性が類似し強いスペクトルであることから濃度の高いフルボ酸が示唆されているとの結果を得た。
【0024】
当溶解液はそのまま、2~30ml容量のプッシュ式スプレー容器に充填し、仰向けに寝て鼻腔の左右に直接2~3回スプレー、続いて口腔にも3~4回スプレーを、適宜する。この3点スプレーで鼻、喉から侵入する有害菌を無害化し、罹ってしまう疾患に効果を発揮し始める。
【0025】
前記3点スプレーで鼻、喉、副鼻腔、口腔、食道、気管と、繋がっている全ての器官の無菌化、健康化が起きる。就寝前の歯磨き後、3点スプレーする事で翌朝それら気管の臭み、ネバネバや口臭は大きく抑制される。また排便時、大便の便臭は大幅に下がり、普段出る、おならの匂いもほぼ10分の1以下になる。排便は全く滞留せずスムーズな快便となり、イキまずに気持ち良く排便されるようになる。
【0026】
所用量は一日5~8mlである。1日あたりの消費量は一見少ない印象だが、これで効果は最大化する。過去6年以上日量100mlを朝、一度に飲用した試験期を経たが、現在、それは意味がない事がはっきりしている。
一度、大量、の飲み方は意味が無い事を経験している。摂取方法は飲食時と夜、就寝間際の鼻腔、喉の3点スプレーをする。目覚め起床後すぐ、よくうがいして鼻喉の残留粘液を鼻かみ吐き出したあと、三点スプレー開始。
それでも鼻汁の分泌がある場合は再度きれいにして再スプレーする。
起床から一日を通じ、適宜三点スプレー、食後、ティータイム後、など気づけば三点スプレーするのが効果は最も良く、摂取量は一日5~8ml,それより多い量は不要である。
【0027】
鼻腔の左右、口からの三点スプレーは鼻炎、口内炎、齲歯化、歯肉炎、蓄膿症、副鼻腔炎、扁桃炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎、食道炎、胃炎、胃内ピロリ菌も含めて口、鼻、喉への三点スプレーは細菌性炎症をいずれ解消してしまう。
【0028】
有機酸水溶液の用途として農林分野では土中栄養分の吸収の効率が大幅に改善され、光合成の活性化が図られる。
【0029】
本発明では2次熟成処理にて清水を使用するが、水道水を使う時にはテラヘルツ化浄水器によって水分子のクラスターを最小化した常温の水を使うとよい。
【0030】
本発明のフルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液は1次熟成および2次熟成の過程で自然な発酵熱以外の加熱処理を行う必要がなく、2次熟成で完熟した後は、無菌無臭となるため、そのまま製品化が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明によれば、自然に自生する木の剪定枝葉を用いることで腐植物質由来の複合有機酸水溶液のフルボ酸濃度を確保して、飲みやすく、かつ飲用による効果を十分に得られる腐植物質由来の複合有機酸水溶液及びその製造方法を提供することができる。
【0032】
以上、独自な選択材料と製造法でフルボ酸を主にした全く新規な腐植酸の複合有機酸水溶液の生化学的大量製造方法を提供し、安価な複合有機酸水溶液を提供することができる。
【0033】
この製造法により、可能になる無菌化、つまり周りの全ての一般細菌及びウイルスを完全消滅させる生化学的で従来に無い新しい無菌化無ウイルス化が可能となる方法の発明である。
【0034】
地球上の大地表面、その2倍を超える海洋、その全てを覆っている腐植土、それは悠久の浄化力を持つ。尤も地球環境の悪化による砂漠化や人類による化学汚染という近年特有の問題は豊かな森と海を破壊している。
【0035】
何億年も繰り返しで地球の植物、動物が死んで枯葉や枯れ木、大小動物の死骸や排泄物も埋もれ腐植土となる。何十万人の人々や動物が一度に死んで表土に埋もれ何年かすれば死臭も腐臭も嘘のように消えてしまう。イヤな臭気は消え失せ、悪辣な細菌、ウイルスもすべて浄化、無菌化され健康な土のにおいに戻る。これが腐植酸を含む腐植土のあり得ないチカラである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルボ酸を含有する腐植物質由来の複合有機酸水溶液の製造方法において、剪定枝葉を発酵させて堆肥材とし、
当該堆肥材の堆肥熱が所定温度範囲になるまで切り返しを繰り返し行う第1熟成処理と、
前記第1熟成処理を行った堆肥材を所定量の水に含浸させ、前記含浸した堆肥材溶液を曝気および攪拌を繰り返す2次熟成を、前記含浸した堆肥材溶液が無臭状態となるまでの所定期間行う第2熟成処理と、
前記第2熟成処理を行った堆肥材溶液の上澄みを分取するか、または当該堆肥材溶液を漉過する事により液分を採取する事を特徴とするフルボ酸を含有する複合有機酸水溶液の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法で製造したフルボ酸を含有する複合有機酸水溶液