IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジェーシービーの特許一覧

特開2024-126057ユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法
<>
  • 特開-ユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法 図1
  • 特開-ユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法 図2
  • 特開-ユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法 図3
  • 特開-ユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法 図4
  • 特開-ユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126057
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20240912BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240912BHJP
【FI】
G06Q30/02
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034190
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】大屋 裕紀彦
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB05
5L030BB72
5L049BB05
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】さまざまな状況においてユーザを特定するための支援をすることができる。
【解決手段】ユーザ特定支援プログラムは、コンピュータに、事業者による所定のサービスの提供対象となる複数のユーザのそれぞれを識別する複数のユーザ識別情報ごとに、複数のユーザ識別情報のそれぞれと複数のユーザ識別情報のそれぞれを特定する際に検知可能な少なくとも1つのユーザ検知情報とを対応付けた登録情報を登録する登録部と、事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知する検知部と、登録情報及び第1ユーザ検知情報に基づいて、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出する候補抽出部と、抽出されたユーザ識別情報のうち第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、事業者端末に出力する参考情報出力部と、を実現させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
事業者による所定のサービスの提供対象となる複数のユーザのそれぞれを識別する複数のユーザ識別情報ごとに、前記複数のユーザ識別情報のそれぞれと、前記複数のユーザ識別情報のそれぞれを特定する際に検知可能な少なくとも1つのユーザ検知情報と、を対応付けた登録情報を登録する登録部と、
前記事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知する検知部と、
前記登録情報及び前記第1ユーザ検知情報に基づいて、前記第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出する候補抽出部と、
前記抽出されたユーザ識別情報のうち、前記第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、前記事業者の事業者端末に出力する参考情報出力部と、
を実現させるユーザ特定支援プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、前記参考情報に応じた入力に基づいて、前記第1ユーザのユーザ識別情報を特定するユーザ特定部をさらに実現させる請求項1に記載のユーザ特定支援プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、前記複数のユーザ識別情報ごとに、前記複数のユーザのそれぞれに提供する前記所定のサービスを示すサービス情報をさらに対応付けた前記登録情報に基づいて、前記第1ユーザのユーザ識別情報に対応する前記サービス情報を、前記事業者端末及び前記所定のサービスに対応する情報処理システムの少なくともいずれかに出力するサービス出力部をさらに実現させる、請求項1又は2に記載のユーザ特定支援プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、前記複数の候補ユーザの少なくとも1のユーザ及び前記第1ユーザの少なくともいずれかを行動を追跡するユーザ追跡部をさらに実現させる、請求項1又は2に記載のユーザ特定支援プログラム。
【請求項5】
前記登録情報は、複数のユーザが属するユーザグループに関するユーザグループ情報をさらに対応付けた登録情報を含み、
前記ユーザ特定部は、前記第1ユーザのユーザ識別情報に対応する前記ユーザグループ情報をさらに特定する、
請求項2に記載のユーザ特定支援プログラム。
【請求項6】
前記ユーザ特定部は、前記参考情報を受け付けた前記事業者端末に対する前記事業者の操作入力に基づいて、前記第1ユーザのユーザ識別情報を特定する、請求項2に記載のユーザ特定支援プログラム。
【請求項7】
前記複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報に対応する少なくとも1つのユーザ検知情報は、複数のユーザ検知情報を含み、
前記参考情報は、前記第1ユーザ検知情報とは異なるユーザ検知情報に基づいて前記第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を含む、
請求項2に記載のユーザ特定支援プログラム。
【請求項8】
事業者による所定のサービスの提供対象となる複数のユーザのそれぞれを識別する複数のユーザ識別情報ごとに、前記複数のユーザ識別情報のそれぞれと、前記複数のユーザ識別情報のそれぞれを特定する際に検知可能な少なくとも1つのユーザ検知情報と、を対応付けた登録情報を登録する登録部と、
前記事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知する検知部と、
前記登録情報及び前記第1ユーザ検知情報に基づいて、前記第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出する候補抽出部と、
前記抽出されたユーザ識別情報のうち、前記第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、前記事業者の事業者端末に出力する参考情報出力部と、
前記参考情報に応じた入力に基づいて、前記第1ユーザのユーザ識別情報を特定するユーザ特定部と、
を備えるユーザ特定支援システム。
【請求項9】
コンピュータが、
事業者による所定のサービスの提供対象となる複数のユーザのそれぞれを識別する複数のユーザ識別情報ごとに、前記複数のユーザ識別情報のそれぞれと、前記複数のユーザ識別情報のそれぞれを特定する際に検知可能な少なくとも1つのユーザ検知情報と、を対応付けた登録情報を登録し、
前記事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知し、
前記登録情報及び前記第1ユーザ検知情報に基づいて、前記第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出し、
前記抽出されたユーザ識別情報のうち、前記第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、前記事業者の事業者端末に出力し、
前記参考情報に応じた入力に基づいて、前記第1ユーザのユーザ識別情報を特定する、
ユーザ特定支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事業者の管理区域内(例えば、店舗)に入るユーザを検知して、検知されたユーザに関する情報を記録する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている顧客来店管理システムは、顧客が持参する少なくとも顧客識別情報を記憶する記憶媒体と、店舗に設置され記憶媒体に記憶された情報を非接触で検出する非接触検出装置とを備える。当該システムは、非接触検出装置によって検出された顧客識別情報を、顧客識別情報を取得した検出時間とともに記憶する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-141316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている顧客来店管理システムは、検出された顧客識別情報によって顧客を一意に特定できることを前提としている。そのため、例えば、検出される顧客識別情報が顧客と一対一に対応していない場合や顧客識別情報の検出が不完全である場合においては、来店した顧客を特定できない。
【0006】
そこで、本発明は、さまざまな状況においてユーザを特定するための支援をすることが可能なユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るユーザ特定支援プログラムは、コンピュータに、事業者による所定のサービスの提供対象となる複数のユーザのそれぞれを識別する複数のユーザ識別情報ごとに、複数のユーザ識別情報のそれぞれと、複数のユーザ識別情報のそれぞれを特定する際に検知可能な少なくとも1つのユーザ検知情報と、を対応付けた登録情報を登録する登録部と、事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知する検知部と、登録情報及び第1ユーザ検知情報に基づいて、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出する候補抽出部と、抽出されたユーザ識別情報のうち、第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、事業者の事業者端末に出力する参考情報出力部と、を実現させる。
【0008】
本発明の一態様に係るユーザ特定支援システムは、事業者による所定のサービスの提供対象となる複数のユーザのそれぞれを識別する複数のユーザ識別情報ごとに、複数のユーザ識別情報のそれぞれと、複数のユーザ識別情報のそれぞれを特定する際に検知可能な少なくとも1つのユーザ検知情報と、を対応付けた登録情報を登録する登録部と、事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知する検知部と、登録情報及び第1ユーザ検知情報に基づいて、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出する候補抽出部と、抽出されたユーザ識別情報のうち、第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、事業者の事業者端末に出力する参考情報出力部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係るユーザ特定支援方法は、コンピュータが、事業者による所定のサービスの提供対象となる複数のユーザのそれぞれを識別する複数のユーザ識別情報ごとに、複数のユーザ識別情報のそれぞれと、複数のユーザ識別情報のそれぞれを特定する際に検知可能な少なくとも1つのユーザ検知情報と、を対応付けた登録情報を登録し、事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知し、登録情報及び第1ユーザ検知情報に基づいて、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出し、抽出されたユーザ識別情報のうち、第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、事業者の事業者端末に出力する。
【0010】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、さまざまな状況においてユーザを特定するための支援をすることが可能なユーザ特定支援プログラム、ユーザ特定支援システム、及びユーザ特定支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態であるユーザ特定支援システム100における処理の概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態であるユーザ特定支援システム100の構成を示す図である。
図3】記憶部110に記憶される登録情報の例を示す図である。
図4】記憶部110に記憶される特定結果情報の例を示す図である。
図5】ユーザ特定支援システム100における処理の例を示すシークエンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態であるユーザ特定支援システム100における処理の概要を示す図である。
【0014】
ユーザ特定支援システム100は、ユーザ特定支援プログラムによって実現される情報処理システムであり、事業者の管理区域内において、第1ユーザを特定する際に検知可能な第1ユーザ検知情報を検知して、第1ユーザを特定する情報処理システムである。
【0015】
まず、ユーザ特定支援システム100は、事業者の管理区域内において、第1ユーザを特定する際に検知可能な第1ユーザ検知情報を検知する。このとき、ユーザ特定支援システム100は、例えば、事業者の店舗に入店した第1ユーザを、入店時に検知してもよく、また、特定の場所(例えば、ドア前、ラウンジ、レジ、又はサービスカウンター)に近づいた第1ユーザを検知してもよい。
【0016】
続いて、ユーザ特定支援システム100は、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出する。抽出されたユーザ識別情報のうち、第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、事業者端末に出力する(S101)。事業者は、事業者端末を通じて、参考情報に応じた情報をユーザ特定支援システム100に出力する(S102)。
【0017】
ユーザ特定支援システム100は、参考情報に応じた入力に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報を特定し、事業者端末に出力する(S103)。
【0018】
また、ユーザ特定支援システム100は、特定された第1ユーザに提供する所定のサービスに関するサービス情報を、事業者端末及びサービス関連システム(所定のサービスに対応する情報処理システム)の少なくともいずれかに出力する(S104a、S104b)。事業者端末及びサービス関連システムの少なくともいずれかは、サービス情報に基づいて、第1ユーザに対し、所定のサービスを提供する(S105a、S105b)。
【0019】
従来、顧客の把握、より具体的には、お得意様(上顧客)や要注意顧客の把握は、顧客の顔を認識したスタッフ等が、目視等で行っていた。特に、上顧客や要注意顧客の把握は、顧客側からの能動的な行動を必要とせずに行われることがあり、また、そのように行うことがサービス上好ましい場合がある。例えば、ホテルでは、ドアマンやコンシェルジュが顧客の顔を認識し、上顧客である場合に所定のサービスを行ったり、ホテルの他のスタッフに連携したりしている。このように、従来、顧客の把握においては、ドアマンやコンシェルジュのようなスタッフの存在が不可欠であり、このような属人的な処理が問題となっていた。
【0020】
そこで、ユーザ特定支援システム100は、第1ユーザ検知情報及び参考情報に応じた入力に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報を特定することができる。これにより、属人的な処理やユーザによる能動的な行動を必要とせずに、ユーザを特定することができ、また、特定されたユーザに対し、所定のサービスを提供することができる。
【0021】
なお、ここで、ユーザによる能動的な行動は、例えば、ユーザが自身の特定処理の一環であることを認識した上で行う特定の行動(例えば、名前を告げる行動等)を指す。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態であるユーザ特定支援システム100の構成を示す図である。ユーザ特定支援システム100は、事業者端末200及びサービス関連システム300とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。ユーザ特定支援システム100の詳細については、後述する。
【0023】
事業者端末200は、事業者が利用するコンピュータであり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ここで、事業者は、例えば、ユーザが訪れる施設を運営し、当該施設に訪れたユーザに物又はサービスを提供する。
【0024】
事業者端末200は、例えば、事業者の管理者若しくは一定の立場にある者が利用するコンピュータ等であってもよく、また、事業者のスタッフが携帯する情報端末であってもよい。
【0025】
サービス関連システム300は、所定のサービスに対応する情報処理システムである。サービス関連システム300は、例えば、ユーザに関する情報を管理し、ユーザに対し所定のサービスを提供する。サービス関連システム300は、例えば、ユーザの決済に関する処理をするシステム、ユーザが利用するポイントカードの管理をするシステム、ユーザが購入した商品を配送するための処理をするシステムであってもよい。所定のサービスの例については、後述する。
【0026】
なお、図2において、事業者端末200及びサービス関連システム300は、それぞれ1つずつ示されているが、それぞれ複数の事業者端末200及びサービス関連システム300であってもよい。
【0027】
続いて、ユーザ特定支援システム100の詳細について説明する。ユーザ特定支援システム100は、記憶部110、登録部120、検知部130、候補抽出部140、参考情報出力部150、ユーザ特定部160、サービス出力部170、ユーザ追跡部180を備える。図2に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0028】
記憶部110は、ユーザ特定支援システム100において処理される情報を記憶する。記憶部110は、例えば、後述する、登録情報、特定結果情報を記憶することができる。
【0029】
登録部120は、事業者による所定のサービスの提供対象となる複数のユーザのそれぞれを識別する複数のユーザ識別情報ごとに、複数のユーザ識別情報のそれぞれと、複数のユーザ識別情報のそれぞれを特定する際に検知可能な少なくとも1つのユーザ検知情報と、を対応付けた登録情報を登録し、記憶部110に格納する。
【0030】
ここで、ユーザ識別情報は、ユーザ特定支援システム100において、事業者による所定のサービスの提供対象となるユーザを識別するための情報であり、例えば、ユーザ特定支援システム100において、ユーザごとに固有の識別情報である。
【0031】
ユーザ検知情報は、ユーザ特定支援システム100がユーザ識別情報を特定する際に用いる情報であり、ユーザ特定支援システム100が検知可能な情報である。ユーザ検知情報は、例えば、ユーザの身体的特徴に関する情報、ユーザが所持する所持物に関する情報、ユーザの属性に関する情報であってもよい。
【0032】
ユーザの身体的特徴に関する情報は、ユーザの身体的特徴に基づいてユーザを特定可能な情報であり、例えば、ユーザの顔の形状に関する情報、ユーザの背格好(例えば、身長又は体型等)に関する情報、ユーザの歩き方に関する情報を含む。
【0033】
ユーザが所持する所持物に関する情報は、ユーザの所持物に基づいてユーザを特定可能な情報であり、例えば、所持物の番号(例えば、製造番号、機器番号等)を示す情報、所持物の位置情報、ユーザが所持するスマートフォンにインストールされたアプリケーションから取得される情報(例えば、当該アプリケーション上のユーザID又は当該アプリケーションが起動された位置情報等)を含む。所持物は、例えば、スマートフォンを含む。
【0034】
ユーザの属性に関する情報は、ユーザの属性に基づいてユーザを特定可能な情報であり、例えば、ユーザの性別、年齢、家族構成、着用するファッションの特徴に関する情報であってもよい。
【0035】
ユーザ検知情報は、ユーザによる能動的な提供の必要なく、検知可能な情報である。すなわち、ユーザ特定支援システム100(特に後述する検知部130)は、例えば、ユーザからユーザの所持物の提示を必要とせずに、ユーザ検知情報を検知することができる。これにより、ユーザは、能動的にユーザ検知情報を提供する必要なく、ユーザ特定支援システム100に関連する処理を受けることができる。さらに言い換えれば、上顧客が、懇意にしている事業者において、何らの能動的な行動なく、お得意様として認識され、お得意様としてサービスを受けるように、ユーザは、能動的にユーザ検知情報を提供する必要なく、ユーザ特定支援システム100に関連する処理を受けることができる。
【0036】
登録部120は、ユーザ識別情報に複数のユーザ検知情報が対応付けられた登録情報を登録してもよい。
【0037】
登録部120は、例えば、ユーザによる、当該ユーザが利用するユーザ端末を通じた操作に基づいて、登録情報を登録してもよい。すなわち、この場合、例えば、ユーザ特定支援システム100が、ユーザに対し、当該ユーザのユーザ識別情報に対応するユーザ検知情報の登録を要求し、当該要求に応じて、ユーザがユーザ検知情報をユーザ特定支援システム100に提供し、登録部120が、当該ユーザ検知情報とユーザ識別情報とを対応付けた登録情報を生成する。
【0038】
また、登録部120は、例えば、事業者による事業者端末200を通じた操作に基づいて、登録情報を登録してもよい。すなわち、この場合、例えば、事業者端末200が、事前にユーザから受け付けたユーザ検知情報を、ユーザ特定支援システム100に提供し、登録部120が、当該ユーザ検知情報とユーザ識別情報とを対応付けた登録情報を生成する。
【0039】
また、登録部120は、複数のユーザのそれぞれに提供する所定のサービスを示すサービス情報をさらに対応付けた登録情報を登録してもよい。
【0040】
ここで、所定のサービスは、ユーザを優遇し、また、ユーザの満足度の向上に資する優遇サービスであってもよく、例えば、上顧客に対するサービスであってもよい。
【0041】
上顧客に対するサービスは、例えば、利用状況(例えば、利用金額、利用頻度、購入商品、過去の来店日時)若しくは属性(例えば、年齢、性別、家族構成、家族の年齢)に応じた特典に関するサービス、又は利用状況若しくは属性に応じてユーザの利便性の向上に資するサービスであってもよい。
【0042】
ここで、特典に関するサービスは、例えば、ポイント、割引、粗品の提供、ロイヤリティプログラム(例えば、高い割引率又は高いポイント還元率の設定)、ユーザが気に入ると思われる商品若しくはサービスの提案に関するサービスであってもよい。また、ユーザの利便性の向上に資するサービスは、例えば、特定の商品を決済するサービス、商品を既定の配送先に配送するサービス、決済を後払い(例えば、いわゆるツケ払い)にするサービスであってもよい。
【0043】
所定のサービスは、例えば、ユーザの利用状況若しくは属性に応じて、ユーザ識別情報との対応付けが可能となったり不可能となったりしてもよい。すなわち、例えば、一年間の利用金額が一定金額以上に達しているユーザのユーザ識別情報にのみ、特定のサービス情報を対応付けることができてもよく、また、特定の家族構成を備えているユーザのユーザ識別情報にのみ、特定のサービス情報を対応付けることができてもよい。
【0044】
なお、上記した所定のサービスは、例示であり、所定のサービスはこれらに限られない。
【0045】
また、登録部120は、複数のユーザが属するユーザグループに関するユーザグループ情報をさらに対応付けた登録情報を登録してもよい。
【0046】
ユーザグループは、例えば、ユーザが上顧客に該当することを示す「上顧客グループ」であってもよく、また、ユーザが要注意顧客に該当することを示す「要注意顧客グループ」であってもよい。ユーザグループは、1つのユーザグループであってもよく、複数のユーザグループであってもよい。
【0047】
また、登録部120は、コメント情報をさらに対応付けた登録情報を登録してもよい。ここで、コメント情報は、例えば、ユーザに対してサービスを提供する際に留意すべき事項に関する情報であってもよい。すなわち、コメント情報は、例えば、直近の来店時におけるユーザの会話内容であってもよく、また、要注意顧客において、要注意顧客が引き起こしたトラブルに関する情報若しくは事業者のスタッフが注意すべき事項に関する情報であってもよい。
【0048】
また、登録部120は、ユーザが事業者との決済において利用する決済手段に関する決済手段情報をさらに対応付けた登録情報を登録してもよい。決済手段情報は、例えば、ユーザが利用するクレジットカード番号、電子マネーのID、口座番号、トークン(例えば、決済ブランドが提供するEMV(Europay International, MasterCard, Visa)規格のトークン)、請求書の送付先を示す情報であってもよい。
【0049】
図3は、記憶部110に記憶される登録情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される登録情報は、例えば、ユーザ識別情報、ユーザ検知情報、サービス情報を含む。
【0050】
記憶部110に記憶される登録情報は、ユーザグループ情報、コメント情報、及び決済手段情報をさらに含んでもよい。
【0051】
検知部130は、事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知する。
【0052】
事業者の管理区域は、例えば、事業者の店舗であってもよく、また、特定の場所(例えば、ドア前、ラウンジ、レジ、又はサービスカウンター)であってもよい。すなわち、検知部130は、店舗に来店した第1ユーザの第1ユーザ検知情報を、来店時に検知してもよく、また、来店時以外の任意のタイミングで検知してもよい。また、検知部130は、特定の場所に到着した又は近づいた第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知してもよい。なお、検知部130により検知のタイミング及び管理区域は、これらに限られない。
【0053】
検知部130は、例えば、サーモセンサー又はカメラを用いて、第1ユーザの身体的特徴に関する第1ユーザ検知情報を取得することができる。
【0054】
また、検知部130は、事業者の管理区域内に備えられる通信機器を用いて、第1ユーザが所持する所持物に関する情報を取得することができる。このとき、事業者の管理区域内に備えられる通信機器は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)又はUWB(Ultra Wide Band(超広帯域無線通信))を用いて、第1ユーザ検知情報を検知してもよい。
【0055】
また、検知部130は、外部の情報処理システム(例えば、クラウド)から、第1ユーザが所持する所持物に関する情報を取得することができる。具体的には、例えば、検知部130は、外部の情報処理システムから、第1ユーザが所持するスマートフォンの位置情報を取得してもよい。
【0056】
また、検知部130は、事業者のスタッフと第1ユーザとの会話に関する音声情報を取得して、ユーザの属性に関する情報を取得することができる。具体的には、例えば、事業者のスタッフと第1ユーザとが、家族に関する会話をしている場合に、検知部130は、当該会話に関する音声情報を取得及び解析し、ユーザの属性に関する情報(例えば、家族構成に関する情報)を取得してもよい。
【0057】
また、検知部130は、例えば、サーモセンサー又はカメラを用いて、ユーザの属性に関する情報を取得することができる。具体的には、例えば、第1ユーザが複数の子どもを連れ立っている場合に、検知部130が、第1ユーザが連れている子どもの人数を取得及び解析し、ユーザの属性に関する情報(例えば、家族構成に関する情報)を取得してもよい。
【0058】
また、検知部130は、例えば、後述する追跡状況に関する情報に基づいて、第1ユーザ検知情報を取得してもよい。これにより、ユーザ特定支援システム100は、検知部130の検知処理、後述する候補抽出部140の候補ユーザの抽出処理、及び後述するユーザ追跡部180による候補ユーザの追跡処理による一連の処理を繰り返すことにより、複数の候補ユーザのうちから、第1ユーザを絞り込み、また、さらに特定することができる。
【0059】
候補抽出部140は、登録情報及び第1ユーザ検知情報に基づいて、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出する。
【0060】
第1ユーザのユーザ識別情報及び第1ユーザ検知情報は、一対一に対応していない場合がある。すなわち、例えば、第1ユーザ検知情報が、ユーザが所持するスマートフォンの型番に関する情報である場合、同一の型番のスマートフォンは複数のユーザが所持し得るため、ユーザ特定支援システム100は、当該第1ユーザ検知情報に基づいて、1つのユーザ識別情報を特定することができない場合がある。
【0061】
また、登録情報に登録されている第1ユーザ検知情報と、検知部130が検知した第1ユーザ検知情報の一致度合いが、コンピュータの計算上、100%とならない場合がある。例えば、第1ユーザ検知情報が顔の形状に関する情報である場合、起こり得る。
【0062】
このように、候補抽出部140は、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出することにより、第1ユーザ検知情報に基づいて1つのユーザ識別情報を特定できない場合であっても、ユーザ特定支援システム100における処理を続けることができる。
【0063】
候補抽出部140は、例えば、登録されている複数の候補ユーザごとに、検知された第1ユーザ検知情報との対応度合いを算出し、所定の対応度合いを備えるユーザを候補ユーザとして抽出する。
【0064】
具体的に、検知部130が、ユーザの顔の形状に関する情報を第1ユーザ検知情報として検知した場合について説明する。候補抽出部140は、登録されているユーザの顔の形状に関する情報と、検知された第1ユーザ検知情報とを比較し、検知された第1ユーザ検知情報が、登録されているユーザの顔の形状に一致する一致率(すなわち、対応度合い)を算出する。そして、候補抽出部140は、所定の閾値を超える対応度合いを備えるユーザを候補ユーザとして抽出する。
【0065】
また、検知部130が、ユーザの所持物の位置情報を第1ユーザ検知情報として検知した場合には、候補抽出部140は、所定の領域内に位置するユーザを候補ユーザとして抽出する。
【0066】
参考情報出力部150は、抽出されたユーザ識別情報のうち、第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、事業者端末200に出力する。
【0067】
ここで、参考情報は、例えば、事業者端末200に表示され、当該表示を参照した事業者が、複数の候補ユーザのうち第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための情報であってもよい。
【0068】
より具体的には、参考情報は、例えば、抽出されたユーザ識別情報に対応する複数の候補ユーザのそれぞれの特徴を示すデータであってもよい。
【0069】
当該特徴を示すデータは、例えば、当該複数の候補ユーザのそれぞれの身体的特徴を示す画像データ(例えば、顔写真データ)であってもよく、また、当該複数の候補ユーザのそれぞれの身体的特徴が記述された文章データであってもよい。これにより、参考情報を参照する事業者は、第1ユーザの身体的特徴に基づいて、視覚的な情報を用いて、第1ユーザを特定することができる。
【0070】
また、当該特徴を示すデータは、例えば、当該複数の候補ユーザのそれぞれの、事業者の管理区域内における行動の特徴を示すデータであってもよい。すなわち、例えば、過去に購入した商品に関するデータ、過去に事業者スタッフとやり取りした会話の内容に関するデータであってもよい。これにより、参考情報を参照する事業者は、第1ユーザの行動の徴に基づいて、第1ユーザを特定することができる。
【0071】
また、参考情報は、登録情報において抽出されたユーザ識別情報に複数のユーザ検知情報が対応付けられている場合、第1ユーザ検知情報とは異なるユーザ検知情報に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報であってもよい。
【0072】
すなわち、例えば、抽出されたユーザ識別情報に対応付けられている複数のユーザ検知情報が、顔の形状に関する情報及びユーザが所持するスマートフォンに関する情報であり、候補抽出部140が、顔の形状に関する第1ユーザ検知情報に基づいて、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出した場合において、参考情報出力部150は、参考情報として、ユーザが所持するスマートフォンに関する情報に基づいて第1ユーザを特定可能であることを示す情報を出力することができる。これにより、参考情報を参照する事業者は、例えば、第1ユーザに対しスマートフォンの提示を要求して、第1ユーザを特定することができる。
【0073】
参考情報出力部150は、複数の候補ユーザのそれぞれに対応する参考情報を、事業者端末200において並べて表示可能な形式で出力してもよい。すなわち、複数の候補ユーザが2のユーザである場合、参考情報出力部150は、例えば、当該2のユーザのそれぞれの特徴を示すデータ(例えば、顔写真データ)を並べて表示可能な形式で出力し、事業者端末200が、当該2のユーザのそれぞれの特徴を示すデータ(例えば、顔写真データ)を並べて表示してもよい。
【0074】
また、参考情報出力部150は、複数の候補ユーザのそれぞれに対応する参考情報を、事業者端末200において順に表示可能な形式で出力してもよい。すなわち、複数の候補ユーザが2のユーザである場合、参考情報出力部150は、例えば、当該2のユーザのそれぞれの特徴を示すデータ(例えば、顔写真データ)を順に表示可能な形式で出力し、事業者端末200が、当該2のユーザのそれぞれの特徴を示すデータ(例えば、顔写真データ)を順に表示してもよい。このとき、表示する順番は、例えば、算出された第1ユーザ検知情報との対応度合いの高い順であってもよく、その他の順であってもよい。
【0075】
ユーザ特定部160は、参考情報に応じた入力に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報を特定し、特定の結果を示す特定結果情報を記憶部110に格納する。このとき、ユーザ特定部160は、登録情報を参照してもよい。
【0076】
ここで、参考情報に応じた入力は、例えば、参考情報を受け付けた事業者端末200に対する事業者の操作入力であってもよい。すなわち、ユーザ特定部160は、参考情報を受け付けた事業者端末200に対する事業者の操作入力に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報を特定してもよい。
【0077】
具体的には、例えば、参考情報出力部150の出力処理に応じて、事業者端末200が、事業者端末200の表示部に参考情報を表示する。事業者のスタッフが、当該表示を参照し、複数の候補ユーザのうち、特定すべき第1ユーザを選択(例えば、マウスのクリックにより選択、又はタッチにより選択)する。このとき、事業者のスタッフは、当該表示のみを参照して選択してもよく、また、例えば、第1ユーザを目視で確認したり、第1ユーザと会話したりした上で、選択してもよい。
【0078】
ユーザ特定部160は、特定結果情報を事業者端末200に出力してもよい。これにより、事業者は、ユーザ特定処理の結果を参照することができ、ユーザに応じたサービスを提供することができる。
【0079】
ユーザ特定部160は、登録情報を参照して、第1ユーザのユーザ識別情報に対応するユーザグループ情報をさらに特定して、ユーザグループ情報をさらに含む特定結果情報を事業者端末200に出力してもよい。これにより、事業者は、第1ユーザに対し、ユーザグループに応じたサービスを提供することができる。
【0080】
また、ユーザ特定部160は、登録情報を参照して、第1ユーザに関するコメント情報をさらに特定して、コメント情報をさらに含む特定結果情報を事業者端末200に出力してもよい。これにより、事業者は、過去の第1ユーザとのやり取りや第1ユーザの行動等に基づいて、適切なサービスを提供することができる。
【0081】
また、ユーザ特定部160は、登録情報を参照して、第1ユーザの決済手段情報をさらに特定して、決済手段情報をさらに含む特定結果情報を事業者端末200に出力してもよい。これにより、事業者は、第1ユーザから決済手段情報の提示を受けなくても、既に登録された決済手段情報に基づいて、決済処理を行うことができ、第1ユーザは、いわば、手ぶらでの決済を受けることができる。
【0082】
図4は、記憶部110に記憶される特定結果情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される特定結果情報は、例えば、特定結果ID、ユーザ識別情報を含む。特定結果IDは、特定結果情報を識別する情報である。
【0083】
記憶部110に記憶される特定結果情報は、ユーザグループ情報、コメント情報、及び決済手段情報をさらに含んでもよい。
【0084】
サービス出力部170は、サービス情報をさらに対応付けた登録情報に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報に対応するサービス情報を、事業者端末200及び所定のサービスに対応する情報処理システム(例えば、サービス関連システム300)の少なくともいずれかに出力する。
【0085】
事業者端末及びサービス関連システムの少なくともいずれかは、サービス出力部170から取得するサービス情報に基づいて、第1ユーザに対し、所定のサービスを提供する。
【0086】
具体的には、サービス情報が、所定の割引を施して決済するサービスに関する情報である場合、サービス出力部170は、例えば、事業者端末200に、当該サービス情報を出力する。事業者端末200は、当該サービス情報に基づいて、第1ユーザとの取引の際、当該所定の割引を施して、決済処理を行う。
【0087】
また、サービス情報が、特定の商品を決済するサービスである場合、サービス出力部170は、例えば、事業者端末200に、当該サービス情報を出力する。そして、第1ユーザは、事業者に対し、例えば「いつもの商品をください」と指示し、事業者は、当該特定の商品の決済処理を行う。
【0088】
このように、上顧客が、懇意にしている事業者において、何らの能動的な行動なく、お得意様として認識され、お得意様としてサービスを受けるように、第1ユーザは、能動的に第1ユーザ検知情報を提供する必要なく、ユーザ特定処理、及びユーザ特定処理に続くサービスを受けることができる。
【0089】
ユーザ追跡部180は、候補抽出部140によって抽出された複数の候補ユーザの少なくとも1のユーザ及びユーザ特定部160によって特定された第1ユーザの少なくともいずれかを含む追跡対象ユーザの行動を追跡し、追跡状況に関する情報を生成する。
【0090】
ユーザ追跡部180は、例えば、サーモセンサー又はカメラを用いて、追跡対象ユーザを追跡してもよい。また、ユーザ追跡部180は、例えば、BLE又はUWBを用いて、追跡対象ユーザが所持する所持物を追跡することにより、追跡対象ユーザを追跡してもよい。なお、検知部130により検知の方法と、ユーザ追跡部180によるユーザ追跡の方法とは、同一の方法であってもよく、また、異なる方法であってもよい。
【0091】
また、ユーザ追跡部180は、追跡状況に関する情報を事業者端末200に出力してもよい。これにより、事業者は、追跡対象ユーザの行動(例えば、移動先)を把握して、適切なサービスを提供することができる。
【0092】
図5は、ユーザ特定支援システム100における処理の例を示すシークエンスチャートである。
【0093】
まず、事業者端末200又はユーザが、ユーザ検知情報をユーザ特定支援システム100に提供する(S501a、S501b)。登録部120が、ユーザ識別情報、ユーザ検知情報、及びサービス情報を対応付けた登録情報を登録する(S502)。
【0094】
検知部130が、事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知する(S503)。候補抽出部140が、登録情報及び第1ユーザ検知情報に基づいて、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出する(S504)。
【0095】
参考情報出力部150が、抽出されたユーザ識別情報のうち、第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、事業者端末200に出力する(S505)。ユーザ特定部160が、参考情報に応じた入力(S506)に応じて、第1ユーザのユーザ識別情報を特定し(S507)、特定結果情報を事業者端末200に出力する(S508)。
【0096】
サービス出力部170が、特定された第1ユーザのユーザ識別情報に対応するサービス情報を、事業者端末200及びサービス関連システム300の少なくともいずれかに出力する(S509a、S509b)。
【0097】
以上、本発明の一実施形態について説明した。ユーザ特定支援システム100は、複数のユーザ識別情報のそれぞれと、少なくとも1つのユーザ検知情報とを対応付けた登録情報を登録し、事業者の管理区域内において、第1ユーザの第1ユーザ検知情報を検知し、第1ユーザの候補となる複数の候補ユーザのそれぞれのユーザ識別情報を抽出し、参考情報を事業者端末200に出力し、参考情報に応じた入力に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報を特定する。これにより、ユーザ特定支援システム100は、さまざまな状況においてユーザを特定することができる。具体的には、ユーザ特定支援システム100は、第1ユーザを特定できない場合であっても、参考情報に応じた入力に基づいて、第1ユーザを特定することができる。
【0098】
また、ユーザ特定支援システム100は、サービス情報をさらに対応付けた登録情報に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報に対応するサービス情報を、事業者端末200及びサービス関連システム300の少なくともいずれかに出力することができる。これにより、ユーザ特定支援システム100は、第1ユーザに対応するサービスを通知することができ、事業者及びサービス関連システム300は、適切なサービスを第1ユーザに提供することができる。
【0099】
また、ユーザ特定支援システム100は、候補抽出部140によって抽出された複数の候補ユーザの少なくとも1のユーザ及びユーザ特定部160によって特定された第1ユーザの少なくともいずれかを含む追跡対象ユーザの行動を追跡することができる。これにより、ユーザ特定支援システム100は、抽出された複数の候補ユーザや特定された第1ユーザを継続して監視することができ、事業者は、当該ユーザの行動に応じて適切なサービスを提供できる。
【0100】
また、ユーザ特定支援システム100は、第1ユーザのユーザ識別情報に対応するユーザグループ情報を特定することができる。これにより、事業者及びサービス関連システム300は、第1ユーザが属するユーザグループに応じたサービスを、第1ユーザに提供することができる。
【0101】
また、ユーザ特定支援システム100は、参考情報を受け付けた事業者端末200に対する事業者の操作入力に基づいて、第1ユーザのユーザ識別情報を特定することができる。これにより、ユーザ特定支援システム100は、ユーザ特定支援システム100における処理と事業者側の操作とを組み合わせて、さまざまな状況においてユーザを特定することができる。
【0102】
また、ユーザ特定支援システム100は、検知された第1ユーザ検知情報とは異なるユーザ検知情報に基づいて第1ユーザのユーザ識別情報を特定するための参考情報を、事業者端末200に出力することができる。これにより、ユーザ特定支援システム100は、事業者に対し、別のユーザ検知情報での特定を促すことができ、さまざまな状況においてユーザを特定することができる。
【0103】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0104】
100 ユーザ特定支援システム、110 記憶部、120 登録部、130 検知部、140 候補抽出部、150 参考情報出力部、160 ユーザ特定部、170 サービス出力部、180 ユーザ追跡部、200 事業者端末、300 サービス関連システム
図1
図2
図3
図4
図5