(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126062
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20240912BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H05K13/04 A
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034199
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 昇
(72)【発明者】
【氏名】西 昭一
(72)【発明者】
【氏名】清水 遵恵
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC05
5E353CC26
5E353EE22
5E353EE23
5E353EE32
5E353HH51
5E353KK03
5E353KK11
5E353LL06
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】トレイで供給される部品の情報を効率的に読み取ることができる部品実装装置を提供する。
【解決手段】部品実装装置は、トレイ6に付与された、該トレイ6に収容された複数の部品Dの情報(トレイマークM2)を、複数の部品Dのうちの1つの部品D1の中心位置U(X1,Y1)からの相対位置(ΔX,ΔY)で定められる位置で読み取る読取手段と、読取手段によって読み取られた複数の部品Dの情報を基に、複数の部品Dを該トレイ6から取り出して基板に装着する装着手段と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を収容した少なくとも1つのトレイが載置されたトレイパレットが供給される部品実装装置において、
前記トレイパレット又は前記少なくとも1つのトレイに付与された、該トレイに収容された前記複数の部品の情報を、前記複数の部品のうちの1つの部品の所定位置からの相対位置で定められる位置で読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた前記複数の部品の情報を基に、前記複数の部品を該トレイから取り出して基板に装着する装着手段と、を備えた、部品実装装置。
【請求項2】
前記所定位置は前記1つの部品の取り出し位置である、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記所定位置は前記1つの部品の中心位置である、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記所定位置は前記1つの部品に付されたマークの位置である、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記読取手段は、前記読取手段の読取範囲内に前記1つの部品の所定位置がある状態で、前記読取範囲内にある前記複数の部品の情報を読み取る、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記読取手段は、前記複数の部品の情報を撮像するカメラと、前記カメラの撮像結果から前記複数の部品の情報を識別する識別処理部と、を有する、請求項1に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を収容したトレイが載置されたトレイパレットが供給される部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品を基板に実装する部品実装装置では、部品をトレースする目的で、部品に付された部品を特定する識別情報を、部品を基板に実装する前に読み取ることが行われている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の部品実装機は、保持具に保持した部品の下面に付された識別情報は内蔵するパーツカメラにより、部品の上面に付された識別情報は内蔵するマークカメラにより、部品の側面に付された識別情報は内蔵するバーコードリーダにより読み取っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、基板に実装する前に部品毎に識別情報を読み取る動作が発生するため生産性が低下するという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、トレイで供給される部品の情報を効率的に読み取ることができる部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品実装装置は、複数の部品を収容した少なくとも1つのトレイが載置されたトレイパレットが供給される部品実装装置において、前記トレイパレット又は前記少なくとも1つのトレイに付与された、該トレイに収容された前記複数の部品の情報を、前記複数の部品のうちの1つの部品の所定位置からの相対位置で定められる位置で読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた前記複数の部品の情報を基に、前記複数の部品を該トレイから取り出して基板に装着する装着手段と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トレイで供給される部品の情報を効率的に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品実装装置の構成説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品実装装置で使用されるトレイパレットの一例の説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品実装装置で使用されるトレイの一例の(a)平面図(b)正面図
【
図4】本発明の一実施の形態の部品実装装置の構成を示すブロック図
【
図5】本発明の一実施の形態の部品実装装置で使用されるトレイデータの一例の説明図
【
図6】本発明の一実施の形態の部品実装装置で使用されるパレットデータの一例の説明図
【
図7】本発明の一実施の形態の部品実装装置のヘッドカメラによるトレイマークの撮像の説明図
【
図8】本発明の一実施の形態の部品実装方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、管理コンピュータ、部品実装装置、トレイパレット、トレイの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(
図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(
図1における上下方向)が示される。
図1、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(
図1における紙面垂直方向)が示される。
【0010】
まず
図1を参照して、部品実装装置1の構成を説明する。部品実装装置1において、基台1aの中央には、基板搬送機構2がX軸に沿って配置されている。基板搬送機構2は、上流から搬入された基板3をX軸に沿って搬送し、以下に説明する実装ヘッドによる実装作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送機構2は、部品実装作業が完了した基板3を下流に搬出する。基板搬送機構2の両側(Y軸の前後方向)には、それぞれ部品供給部4が設置されている。
【0011】
両方の部品供給部4には、複数のテープフィーダ5がX軸に沿って並列に装着されている。テープフィーダ5は、部品を格納するポケットが形成されたキャリアテープを部品供給部4の外側から基板搬送機構2に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、実装ヘッドが部品をピックアップする部品取出し位置に部品を供給する。また、一方の部品供給部4には、大型部品やコネクタなどの部品Dを収容した複数のトレイ6が載置されたトレイパレット7を部品取出し位置に供給するトレイフィーダ8が装着されている。すなわち、部品実装装置1には、部品Dを収容した少なくとも1つのトレイ6が載置されたトレイパレット7から部品Dが供給される。
【0012】
図1において、基台1aの上面におけるX軸方向の両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル9がY軸に沿って配置されている。Y軸テーブル9には、同様にリニア機構を備えたビーム10がY軸に沿って移動自在に結合されている。ビーム10には、実装ヘッド11がX軸に沿って移動自在に装着されている。実装ヘッド11は、部品Dを保持してZ軸方向に昇降し、鉛直軸(Z軸)回りに回転可能な複数の吸着ユニット(図示省略)を備える。吸着ユニットのそれぞれの下端部には、部品Dを吸着して保持する吸着ノズル(図示省略)が装着されている。
【0013】
Y軸テーブル9およびビーム10は、実装ヘッド11を水平方向(X軸方向、Y軸方向)に移動させる実装ヘッド移動機構12を構成する。実装ヘッド移動機構12および実装ヘッド11は、部品供給部4から部品Dを取り出して基板3の実装位置に装着する部品実装作業を実行する部品実装機構を構成する。部品実装作業において実装ヘッド11は、部品供給部4の上方に移動し、各吸着ノズルで所定の部品Dをそれぞれピックアップする。次いで実装ヘッド11は、基板3の上方に移動し、各吸着ノズルが保持する部品Dを所定の方向に回転させ、それぞれの実装位置に装着する一連のターンを繰り返す。
【0014】
図1において、ビーム10には、ビーム10の下面側に位置して実装ヘッド11とともに一体的に移動するヘッドカメラ13が装着されている。実装ヘッド11が移動することにより、ヘッドカメラ13は基板搬送機構2の実装作業位置に位置決めされた基板3の上方に移動して、基板3に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像する。撮像結果からは、基板3の位置が認識される。また、ヘッドカメラ13は、部品取出し位置に供給されたトレイパレット7の上方に移動して、トレイパレット7に設けられたパレットマークM1、またはトレイパレット7に載置されたトレイ6に設けられたトレイマークM2(
図2参照)を撮像する。撮像結果は、部品実装装置1が備える制御装置20(
図4参照)に送信される。
【0015】
部品供給部4と基板搬送機構2との間には、部品認識カメラ14が配置されている。部品認識カメラ14は、部品供給部4から部品Dを取り出した実装ヘッド11が部品認識カメラ14の上方に位置した際に、吸着ノズルに保持された部品Dを下方から撮像する。撮像結果からは、部品Dの保持姿勢が認識される。実装ヘッド11による部品Dの基板3への部品実装作業では、ヘッドカメラ13による基板3の撮像結果と部品認識カメラ14による部品Dの撮像結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
【0016】
図1において、部品実装装置1の前面で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル15が設置されている。タッチパネル15は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品実装装置1の操作を行う。
【0017】
部品実装装置1は、通信ネットワークNTを介して管理コンピュータCPと接続されている。管理コンピュータCPは、部品実装装置1が部品実装作業を実行するために必要なデータやパラメータを作成し、部品実装装置1に送信する機能を有している。また、管理コンピュータCPは、部品実装装置1から部品実装作業の実績を収集し、生産された実装基板と装着された部品Dの情報等を関連付けて管理(トレース)する機能を有している。
【0018】
次に、
図2、
図3を参照して、トレイパレット7とトレイ6の詳細について説明する。
図2において、トレイパレット7の上面には、複数(ここでは、2つ)のトレイ6が位置決め部(図示省略)によって所定の位置に固定されている。トレイパレット7の上面には、所定の位置にパレットマークM1が設けられている。
【0019】
図3(a)、
図3(b)において、トレイ6は、樹脂などを成形加工することで形成されている。トレイ6の上面6aには、部品Dの形状に合わせて格子配列に形成された凹状の収容部6bが所定の間隔で形成されている。各収容部6bの中には、部品Dが収容される。トレイ6の上面6aには、所定の位置にトレイマークM2が設けられている。
【0020】
次に
図4を参照して、部品実装装置1の制御系の構成を説明する。部品実装装置1が備える制御装置20には、基板搬送機構2、部品供給部4、実装ヘッド11、実装ヘッド移動機構12、ヘッドカメラ13、部品認識カメラ14、タッチパネル15が接続されている。制御装置20は、実装記憶部21、実装制御部22、識別処理部23、データ作成処理部24を備えている。実装記憶部21は記憶装置であり、生産データ21a、部品データ21b、トレイデータ21c、パレットデータ21d、マーク位置データ21e、トレースデータ21fなどを記憶している。
【0021】
生産データ21aには、実装基板の生産機種名、基板3に装着される部品Dの種類を特定する部品番号(部品の種類)、部品供給部4における部品Dの供給位置(テープフィーダ5、トレイフィーダ8など)、実装位置(XY座標)、実装方向、実装順序などが記憶されている。部品データ21bには、部品Dの部品番号毎に、部品Dのサイズ、電気的特性などが記憶されている。トレイデータ21cには、トレイ6を特定するトレイ番号毎に、収容される部品Dの種類(部品番号)、部品Dを特定する部品識別番号、トレイ6に収容された部品Dの位置(X方向、Y方向、θ方向)などが記憶されている。
【0022】
ここで、
図5を参照して、トレイデータ21cの一例について説明する。トレイデータ21cには、トレイ番号30で特定されるトレイ6について、収容部番号31毎に、部品番号32、部品識別番号33、部品位置34が含まれている。トレイ番号30は、トレイ6を特定する情報であり、各々のトレイ6に異なる番号が付与されている。
【0023】
収容部番号31は、トレイ6に形成された収容部6bを特定するために付された連番である。部品番号32は、部品Dの種類を特定する情報である。部品識別番号33は、各々の部品Dを特定する情報である。部品位置34は、収容部6bに収容された部品Dの位置を示す情報であり、X方向34x(X座標)、Y方向34y(Y座標)、θ方向34θ(部品Dの収容方向)が含まれている。部品位置34(所定位置)として、収容部6bの中心の位置(X座標、Y座標)の他、実装ヘッド11が吸着ノズルで収容部6bから部品Dを取り出す部品の取り出し位置、収容部6bに収容された部品Dの部品の中心位置、収容部6bに収容された部品Dに付された部品マーク(図示省略)の位置などが記憶される。
【0024】
また、トレイデータ21cは、これらの情報を1つのファイルに記憶している必要は無く、例えば、トレイ番号30、収容部番号31、部品番号32、部品識別番号33を1つのファイルとし、トレイ番号30、収容部番号31、部品位置34を別のファイルとして記憶して、収容部番号31で情報を関連付けるようにしてもよい。また、管理コンピュータCPがトレイデータ21cを記憶し、部品実装装置1がトレイ番号30と収容部番号31を送信すると、管理コンピュータCPが該当する部品Dの部品識別番号33を返信する形態であってもよい。
【0025】
図4において、パレットデータ21dは、トレイパレット7に載置されるトレイ6の配置情報であり、トレイパレット7に配置されるトレイ6のトレイ番号30、パレット上の載置座標などが含まれている。
【0026】
ここで、
図6を参照して、パレットデータ21dの一例について説明する。パレットデータ21dには、パレット番号35毎に、トレイ番号30、トレイ位置36が含まれている。パレット番号35は、トレイパレット7を特定する情報である。トレイ位置36は、トレイパレット7に載置されたトレイ6の位置を示す情報であり、X方向36x(X座標)、Y方向36y(Y座標)が含まれている。
【0027】
図4において、マーク位置データ21eは、パレットマークM1またはトレイマークM2の位置を示す情報であり、部品位置34(所定位置)からの相対位置として記憶されている。パレットマークM1またはトレイマークM2の位置を部品位置34からの相対位置とすることで、マーク位置データ21eを簡素にできる。
【0028】
ここで、
図7を参照して、マーク位置データ21eの例について説明する。ここでは、トレイマークM2の位置を示すマーク位置データ21eを例に説明する。マーク位置データ21eは、トレイ6に付されたトレイマークM2に近い1つの部品位置34(所定位置)からの相対位置として規定される。この例では、トレイマークM2に一番近い収容部6bは、収容部番号31が「1」の収容部6bである。また、トレイデータ21cの部品位置34は、収容部6bに収容された部品Dの中心位置Uである。
【0029】
この場合、マーク位置データ21eは、収容部番号31が「1」の部品位置34(X1,Y1)からトレイマークM2の中心であるトレイマーク位置R(Xr,Yr)までの相対位置(ΔX,ΔY)として記憶される。すなわち、トレイマークM2のX座標XrはX1+ΔXであり、Y座標YrはY1+ΔYである。以下、収容部番号31が「1」の収容部6bに収容された部品を「部品D1」と称する。
【0030】
次に、部品実装装置1におけるトレイマークM2の読み取り方法について説明する。
図4において、識別処理部23は、マーク位置データ21e(ΔX,ΔY)と収容部番号31が「1」の部品D1の部品位置34(X1,Y1)に基づいて、ヘッドカメラ13の読取範囲13aに部品D1とトレイマークM2が含まれるヘッドカメラ13の撮像位置を算出する。次いで識別処理部23は、実装ヘッド移動機構12を制御して、ヘッドカメラ13を撮像位置に移動させる(
図7参照)。
【0031】
図4において、次いで識別処理部23は、ヘッドカメラ13に読取範囲13aを撮像させる。次いで識別処理部23は、撮像結果からトレイマークM2を含むマーク認識領域Wを認識処理することにより、トレイマークM2に含まれるトレイ番号30を読み取る。読み取られたトレイ番号30とトレイデータ21cを関連付けることで、トレイ6に収容された複数の部品Dの情報(部品番号32、部品識別番号33)を読み取ることができる。なお、トレイマークM2の中に、トレイ6に収容された複数の部品Dの情報を含ませてもよい。また、識別処理部23は、撮像結果から部品D1の有無も判断する。
【0032】
このように、パレットマークM1またはトレイマークM2は、トレイパレット7又はトレイ6に付与された、トレイ6に収容された複数の部品Dの情報である。そして、ヘッドカメラ13(カメラ)を移動させる実装ヘッド移動機構12と、パレットマークM1またはトレイマークM2を撮像するヘッドカメラ13と、ヘッドカメラ13の撮像結果から複数の部品Dの情報を識別する識別処理部23は、複数の部品Dのうちの1つの部品D1の部品位置34(所定位置)からの相対位置(マーク位置データ21e)で定められる位置(撮像位置)で読み取る読取手段25を構成する。
【0033】
また、読取手段25は、読取手段25の読取範囲13a内に部品D1(トレイ6に収容された複数の部品Dのうちの1つの部品)の部品位置34(所定位置)がある状態で、読取範囲13a内にあるトレイマークM2(複数の部品Dの情報)を読み取る。これによって、収容部6bに部品D1が有るか無いかを判定する際に、同じ撮像結果から複数の部品Dの情報も取得でき、トレイ6で供給される部品Dの部品の情報を効率的に読み取ることができる。
【0034】
次に、部品実装装置1におけるトレイ6に収容されている部品Dを基板3に装着する方法について説明する。
図4において、実装制御部22は、生産データ21a、部品データ21b、トレイデータ21c、パレットデータ21d、読取手段25によって読み取られた複数の部品Dの情報に基づき、実装ヘッド11と実装ヘッド移動機構12を制御して、部品Dをトレイ6から取り出して基板3に装着させる。
【0035】
すなわち、実装ヘッド11、実装ヘッド移動機構12、実装制御部22は、読取手段25によって読み取られた複数の部品Dの情報(パレットマークM1またはトレイマークM2)を基に、複数の部品Dをトレイ6から取り出して基板3に装着する装着手段26を構成する。
【0036】
図4において、データ作成処理部24は、実装ヘッド11が基板3に装着した部品Dの部品識別番号33と、部品Dが装着された基板3を特定する基板識別番号とを関連付けて、トレースデータ21fとして実装記憶部21に記憶させる。トレースデータ21fは管理コンピュータCPに送信され、実装基板の品質管理等の管理(トレース)に使用される。
【0037】
次に、
図8のフローに沿って、トレイ6に収容されている部品Dを基板3に装着する部品実装方法について説明する。まず、トレイフィーダ8によってトレイ6が部品供給位置に供給されると、読取手段25の識別処理部23は、トレイデータ21c、パレットデータ21d、マーク位置データ21eに基づいて、読取範囲13aに部品D1とトレイマークM2が含まれる撮像位置を算出する(ST1:撮像位置算出工程)。次いで読取手段25は、ヘッドカメラ13を計算された撮像位置に移動させる(ST2:カメラ移動工程)。
【0038】
次いで読取手段25は、ヘッドカメラ13で読取範囲13aを撮像する(ST3:撮像工程)。次いで読取手段25は、撮像結果に含まれるトレイマークM2を認識処理することにより、トレイ6に収容された複数の部品Dの情報を読み取る(ST4:認識工程)。次いで装着手段26は、実装ヘッド11によってトレイ6から部品Dを取り出す(ST5:取出し工程)。次いで装着手段26は、取り出した部品Dを基板3に装着する(ST6:装着工程)。次いでデータ作成処理部24は、装着した部品Dの部品識別番号33と基板3の基板識別番号を関連付けてトレースデータ21fとして記憶させる(ST7:トレースデータ記憶工程)。
【0039】
図8において、次いで装着手段26は、トレイ6内の全ての部品Dを基板3に装着するまで(ST8においてNo)、取出し工程(ST5)、装着工程(ST6)、トレースデータ記憶工程(ST7)を繰り返す。トレイ6内の全ての部品Dを基板3に装着すると(ST8においてYes)、(ST1)に戻って、次のトレイ6に対する撮像位置算出工程(ST1)から認識工程(ST4)が実行される。
【0040】
上記説明したように、本実施の形態の部品実装装置1は、トレイパレット7又は少なくとも1つのトレイ6に付与された、該トレイ6に収容された複数の部品Dの情報(パレットマークM1またはトレイマークM2)を、複数の部品Dのうちの1つの部品D1の所定位置(部品位置34)からの相対位置(マーク位置データ21e)で定められる位置(撮像位置)で読み取る読取手段25と、読取手段25によって読み取られた複数の部品Dの情報を基に、複数の部品Dを該トレイ6から取り出して基板3に装着する装着手段26と、を備えている。これによって、トレイ6で供給される部品Dの部品の情報を効率的に読み取ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の部品実装装置は、トレイで供給される部品の情報を効率的に読み取ることができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 部品実装装置
3 基板
6 トレイ
7 トレイパレット
13 ヘッドカメラ(カメラ)
13a 読取範囲
25 読取手段
26 装着手段
D、D1 部品
M1 パレットマーク
M2 トレイマーク
U 中心位置