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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126063
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】液体微細化装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 3/02 20060101AFI20240912BHJP
   F24F 6/16 20060101ALI20240912BHJP
   F24F 8/24 20210101ALI20240912BHJP
   B05B 3/10 20060101ALI20240912BHJP
   B05B 17/04 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B05B3/02 J
F24F6/16
F24F8/24
B05B3/10 B
B05B17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034200
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】永坂 光正
(72)【発明者】
【氏名】近藤 将義
(72)【発明者】
【氏名】濱田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】安福 雄真
【テーマコード(参考)】
3L055
4D074
4F033
【Fターム(参考)】
3L055BB03
3L055DA04
4D074AA02
4D074AA10
4D074BB03
4D074BB06
4D074FF06
4D074FF08
4D074FF09
4D074FF11
4D074FF14
4F033PA07
4F033PA18
4F033PB16
4F033PB18
4F033PD01
(57)【要約】
【課題】スケールによる排水孔の詰まりを防止可能な液体微細化装置を提供する。
【解決手段】略すり鉢状に設けられ水を貯水する貯水部と、貯水部における底面の中央に配置され、貯水された水を排水する排水孔と、排水孔の鉛直上方に設けられ、排水孔に対向する揚水口を有し、回転に伴って発生する渦によって揚水口から水を吸い上げる筒状の揚水管と、揚水管から遠心方向に放出された水を衝突させる衝突壁と、貯水部における底面から鉛直上方に突出し排水孔の外周を円筒状に囲んで設けられ、排水孔よりも小さな通水孔を有して排水孔よりも大きな異物が水とともに排水孔へ流入することを防止するための流入防止壁と、を備えた液体微細化装置を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略すり鉢状に設けられ水を貯水する貯水部と、
前記貯水部における底面の中央に配置され、貯水された水を排水する排水孔と、
前記排水孔の鉛直上方に設けられ、前記排水孔に対向する揚水口を有し、回転に伴って発生する渦によって前記揚水口から水を吸い上げる筒状の揚水管と、
前記揚水管から遠心方向に放出された水を衝突させる衝突壁と、
前記貯水部における底面から鉛直上方に突出し前記排水孔の外周を円筒状に囲んで設けられ、前記排水孔よりも小さな通水孔を有して前記排水孔よりも大きな異物が水とともに前記排水孔へ流入することを防止するための流入防止壁と、を備えた液体微細化装置。
【請求項2】
前記通水孔は、
前記排水孔の直径よりも小さな幅のスリット状に設けられる、請求項1に記載の液体微細化装置。
【請求項3】
前記スリット状は、
前記円筒状における軸方向を長手方向とする、請求項2に記載の液体微細化装置。
【請求項4】
前記スリット状は、
前記円筒状における周方向を長手方向とする、請求項2に記載の液体微細化装置。
【請求項5】
前記スリット状は、
前記揚水管の回転方向に対して所定角度傾斜する、請求項2に記載の液体微細化装置。
【請求項6】
前記通水孔は、
前記円筒状における周方向に複数設けられる、請求項1に記載の液体微細化装置。
【請求項7】
前記流入防止壁は、
前記揚水口よりも鉛直上方に突出し、前記揚水管の外周を円筒状に囲んで設けられる請求項1に記載の液体微細化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体微細化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水を微細化し、その微細化した水を空気に含ませて吹き出す液体微細化装置がある。(例えば特許文献1を参照)
従来の液体微細化装置について、図7を参照して説明する。図7は、従来の液体微細化装置101の内部構成を示す断面図である。
【0003】
液体微細化装置101では、回転モータ111により回転軸110が回転し、それに合わせて揚水管109が回転すると、その回転によって生じる遠心力により、貯水部108に貯水された水が揚水管109によって汲み上げられる。汲み上げられた水は遠心方向に放出され、液体微細化室107にて微細化される。ここで、吸込口102で取り込んだ空気が風路104を経由して液体微細化室107へ送られる。液体微細化装置101では、風路104を通る空気に液体微細化室107にて微細化された水を含ませて、その水を含んだ空気を、風路105、風路106の順に経由して吹出口103より吹き出すように構成されている。
【0004】
貯水部108の底面には排水口112が設けられ、液体微細化装置101の運転を停止させた場合には貯水部108の底面から排水口112を介して排水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-46109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の液体微細化装置において、貯水部の内壁面に付着した水滴が蒸発する際に水に含まれる成分が結晶化することでスケール(水垢)が発生することがある。このようなスケールが経年によって排水口よりも大きくなった状態で排水口に流入した場合、排水口が詰まることも考えられる。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、スケールによる排水孔の詰まりを防止可能な液体微細化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る液体微細化装置は、略すり鉢状に設けられ水を貯水する貯水部と、貯水部における底面の中央に配置され、貯水された水を排水する排水孔と、排水孔の鉛直上方に設けられ、排水孔に対向する揚水口を有し、回転に伴って発生する渦によって揚水口から水を吸い上げる筒状の揚水管と、揚水管から遠心方向に放出された水を衝突させる衝突壁と、貯水部における底面から鉛直上方に突出し排水孔の外周を円筒状に囲んで設けられ、排水孔よりも小さな通水孔を有して排水孔よりも大きな異物が水とともに排水孔へ流入することを防止するための流入防止壁と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スケールによる排水孔の詰まりを防止可能な液体微細化装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る液体微細化装置の概略を示す斜視図である
図2】本発明に係る液体微細化装置の内部構成を示す断面図である
図3】本発明に係る液体微細化装置での水の流れを示す断面図である
図4】本発明に係る液体微細化装置での水の流れを示す斜視図である
図5】本発明に係る通水孔と排水孔との関係を示す上面視図である
図6】本発明に係る液体微細化装置の変形例を示す概略図である
図7】従来の液体微細化装置の構成を示す断面図である
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、全図面を通して、同一の部位については同一の符号を付して二度目以降の説明を省略している。さらに、各図面において、本発明に直接には関係しない各部の詳細については説明を省略している。
(実施の形態)
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置1の構成について説明する。図1は、液体微細化装置1の概略を示す斜視図である。
【0012】
液体微細化装置1は、筐体25と、吸込口2と、吹出口3と、を備える。
【0013】
筐体25は、液体微細化装置1の外郭を形成する。筐体25は天面と底面と複数の側面とからなる箱形状に設けられる。
【0014】
吸込口2は、筐体25の内部に空気を取り込むための開口であり、筐体25の箱形状における一側面に設けられる。例えば、吸込口2に送風機を接続することで、筐体25の内部へ空気を送り込むことができる。
【0015】
吹出口3は、吸込口2から筐体25の内部に吸い込まれた空気を吹き出すための開口である。吹出口3は、例えば吸込口2が設けられた一側面に対向する面に設けられる。言い換えると、吹出口3は、吸込口2の反対側の側面に設けられる。
【0016】
次に、図2を参照して、液体微細化装置1の内部構成について説明する。図2は、液体微細化装置1の内部構成を示す図であり、図1のA-A断面図である。以下では送風機によって吸込口2から筐体25の内部に送り込まれた空気の流れを仮想的に三つの風路に分けて説明する。ここで、風路4は、吸込口2から液体微細化室7までの空気の流れを示し、風路5は、液体微細化室7内部での空気の流れを示し、風路6は、液体微細化室7から吹出口3までの空気の流れを示す。
【0017】
液体微細化装置1は、液体微細化室7と、揚水管9と、貯水部15と、エリミネータ26と、を備える。
【0018】
液体微細化室7は、液体微細化装置1の主要部であり、水の微細化を行う空間である。液体微細化装置1では、吸込口2で取り込んだ空気が、風路4を経由して液体微細化室7へ送られる。そして、風路5を通る空気に液体微細化室7にて微細化された水を含ませ、そのあとに風路6を経由して吹出口3から吹き出すように構成されている。言い換えると、吸込口2と液体微細化室7と吹出口3とが通風可能に連通している。液体微細化室7は、衝突壁8を備える。
【0019】
衝突壁8は、上方及び下方が開口された筒状に形成され、液体微細化室7の外周に沿って設けられる。衝突壁8の筒状における内周面に水を衝突させることで、水を微細化できる。なお、内周面に水を衝突させた際に微細化できるのであれば衝突壁8の形状は問わない。例えば図2では微細化された水を含んだ空気のみが衝突壁8の内周面から外周面にかけて通風可能な微細な開口を有している。言い換えると、後述のエリミネータ26のような網目状に設けられた開口を有する。このような形状であれば、風路5のように衝突壁8を迂回することなく吹出口3へ微細化された水を含んだ空気を送風できる。
【0020】
揚水管9は、中空構造を有する逆円錐形状に設けられ、回転に伴って発生する渦によって水を揚水する。揚水管9による揚水は、逆円錐形状の先端に設けられた揚水口10から行われる。ここで、揚水管9の回転について説明する。揚水管9の逆円錐形状における天面中心には、鉛直方向に向けて配置された回転軸11が固定される。回転軸11が、液体微細化室7の外面に備えられた回転モータ12と接続されることで、回転モータ12の回転運動が回転軸11を通じて揚水管9に伝導され、揚水管9が回転する。なお、揚水管9の回転数は、1000から5000rpmの間で設定される。揚水管9は、回転板13と開口14とを備える。
【0021】
回転板13は、揚水管9の外周面から外側に突出するように複数形成される。複数の回転板13は、上下で隣接する回転板13との間に所定間隔を有する。回転板13は揚水管9とともに回転するため、回転軸11と同じ中心軸を有する水平な円盤形状が好ましい。言い換えると、回転板13は、鉛直方向に薄肉の円盤形状である。なお、回転板13の枚数は、目標とする性能や揚水管9の寸法に合わせて適宜設定されるものである。
【0022】
開口14は、揚水管9の壁面を貫通する貫通孔である。開口14は、揚水管9の逆円錐形状における周方向に複数設けられる。開口14は、回転板13の円盤形状における上面の略同一平面上に配置される。言い換えると、開口14は、揚水管9の内部と、揚水管9の外壁から外側に突出するように形成された回転板13の上面とを連通する位置に設けられる。
【0023】
貯水部15は、略すり鉢状に形成され、後述の給水部16から供給された水を貯水する。貯水部15は、揚水管9の鉛直方向下方に配置される。ここで貯水部15の底部は、揚水管9の先端となる揚水口10の一部が貯水された水に浸るように深さがとられている。言い換えると貯水部15の底部は、鉛直下方へ膨出する。例えば、揚水管9の円錐高さの三分の一から百分の一程度の長さが浸るように貯水部15の底部が膨出する構造であることが好ましい。貯水部15は、排水孔19を備える。
【0024】
排水孔19は、貯水部15の底面に配置され、貯水部15に貯水された水を排水するための貫通孔である。排水孔19は、揚水口10に対向し、貯水部15の略すり鉢状におけるもっとも低い位置に設けられる。
【0025】
エリミネータ26は、網目状に設けられた開口を有し微細化された水のうち所定の大きさ以上の水滴を捕集する。エリミネータ26は、例えば風路6内に配置され、液体微細化室7にて微細化されなかった水滴を捕集する。これにより、風路6を流れたあとに吹出口3から吹き出される空気には気化された水のみが含まれるようになる。
【0026】
次に、図3図4及び図5を参照し液体微細化装置1の構造と内部における水の流れとについてさらに詳しく説明する。図3は、図1のB-B断面図であり、図4は液体微細化室7の周辺を斜視した図である。ここで、図3では液体微細化装置1が停止している状態を示し、図4では液体微細化装置1が稼働している状態を示す。また、図5は排水孔19と後述の通水孔23との関係を示す上面視図である。図5では、排水孔19の大きさ(直
径)をX、通水孔23の大きさ(幅)をY、異物の大きさ(直径)をZとして表しており、その大きさの関係はZ>X>Yである。
【0027】
液体微細化装置1は、給水部16と、給水斜面18と、排水管20と、ドレンパン21と、流入防止壁22と、を備える。
【0028】
給水部16は、筐体25の内部へ水を給水する。給水部16は、貯水部15の底面よりも上方に位置し、筐体25を構成する側面のうち吸込口2及び吹出口3が設けられた面とは異なる側面に設けられる。なお、給水部16の配置については、貯水部15に貯水され得る最大水位よりも上方に設けることが好ましい。給水部16には、給水管17が接続されており、例えば水道から給水管17を介して直接給水する。なお、給水部16は、あらかじめ液体微細化室7外に水タンクを設けておき、サイフォンの原理で必要な水量のみ汲みあげて、貯水部15へ水を供給する構成にしてもよい。
【0029】
給水斜面18は、所定角度の傾斜を有する斜面であり給水部16の鉛直下方に設けられる。給水斜面18は、給水部16によって筐体25の内部に給水された水を傾斜に沿って貯水部15へ導く。
【0030】
排水管20は、給水部16の鉛直下方にて筐体25の側面から当該筐体25の外側へ向けて円筒状に突出して設けられる。排水管20には、例えば排水ホースが接続され、筐体25の内部へ供給された水を外部へ排水する。
【0031】
ドレンパン21は、所定角度の傾斜を有する斜面であり排水孔19の鉛直下方に設けられる。ドレンパン21は、排水孔19によって貯水部15から排水された水を傾斜に沿って排水管20へ導く。
【0032】
流入防止壁22は、貯水部15における底面から鉛直上方に突出し、揚水管9の外周を円筒状に囲んで設けられる。言い換えると、流入防止壁22は、排水孔19の外周を円筒状に囲む。流入防止壁22は、揚水口10よりも鉛直上方に突出する。流入防止壁22は、通水孔23を備える。
【0033】
通水孔23は、流入防止壁22を貫通する貫通孔であり、流入防止壁22の外周側の水を内周側へ通水する。通水孔23は、流入防止壁22の円筒状における周方向に所定の間隔で複数設けられる。本実施の形態において通水孔23は、鉛直方向を長手方向とするスリット状に形成される。通水孔23は、短手方向である幅Yが排水孔19の直径Xよりも小さい。言い換えると、通水孔23は、排水孔19よりも小さく設けられる(図5を参照)。
【0034】
ここで、液体微細化装置1における水の微細化の動作原理を説明する。
【0035】
図3の給水路27のように、給水部16から給水された水は、給水斜面18に沿って貯水部15へと導かれる。
【0036】
液体微細化装置1が稼働していない場合には、図3の排水路28のように、給水された水は貯水部15の下部に設けられた排水孔19からドレンパン21に沿って排水管20へ導かれて排水される。
【0037】
液体微細化装置1が稼働している場合には、図4の揚水路29のように、揚水管9の回転によって生じる遠心力で生成された渦によって、貯水部15に貯水された水が揚水管9によって汲み上げられる。揚水管9は、逆円錐形の中空構造となっているため、遠心力で
汲み上げられた水は、揚水管9の内壁を伝って上部へ揚水される。
【0038】
そして、微細化水路24のように、揚水された水は揚水管9の開口14から回転板13を伝って遠心方向に放出され、水滴として飛散する。回転板13から飛散した水滴は、液体微細化室7内を飛翔し、衝突壁8に衝突することで微細化される。微細化されなかった水滴の一部は、貯水部15の内壁に付着し、すり鉢状の傾斜に沿って再び揚水口10から揚水される。このようにして、液体微細化装置1が稼働している間は水が循環する。
【0039】
ところで、液体微細化装置1が稼働した際には貯水部15の内壁に水滴が付着する。液体微細化装置1を停止した後に付着した水滴が排水されなかった場合には、内壁に留まった水滴が乾燥することでスケール(水垢)のような異物が析出される。
【0040】
図7のような従来の構造では、排水口112よりも大きくなった異物が水とともに排水口112へ流入した場合、排水口112が詰まることで排水を阻害する可能性があった。
【0041】
本実施の形態の構造であれば、図5のように、排水孔19よりも大きな異物が発生したとしても、異物は流入防止壁22に設けられた通水孔23を通過することができない。言い換えると、通水孔23は、水や排水孔19よりも十分小さな異物といった排水孔19を滞りなく流れることができるもののみを選択的に通過させる。このような構成によって、排水孔19よりも大きな異物が水とともに排水孔19へ流入することを防止できる。
【0042】
なお、排水孔19よりも大きな異物を通過させなければ通水孔23の形状はどのように設けてもよい。言い換えると、短手方向の幅が排水孔19の直径Xよりも小さなYであればどのような形状でもよい。
(変形例)
以下では図6を参照して通水孔23の変形例について説明する。
【0043】
図6(a)において、通水孔23は実施の形態と同じ形状であり、鉛直方向を長手方向とするスリット状に形成される。言い換えると、通水孔23は、流入防止壁22の円筒状における軸方向を長手方向とする。
【0044】
このような構成であれば、流入防止壁22の先端まで開口が設けられているため、給水部16からの給水過多によって流入防止壁22の外周側の水位が一時的に高くなってしまっても滞りなく水を通過させることができる。
【0045】
図6(b)において、通水孔23は流入防止壁22の円筒状における周方向を長手方向とするスリット状に形成される。通水孔23は、貯水部15の底面と略同一平面上に設けることが好ましい。
【0046】
このような構成であれば、貯水部15の底面に沿って通水孔23を通過できる水の流量が図6(a)よりも増えるため、給水部16からの給水過多になっても流入防止壁22の外周側の水位が高くなることを抑制できる。
【0047】
図6(c)において、通水孔23は流入防止壁22の周方向に所定角度傾斜した状態で設けられる。ここで所定角度とは、揚水管9の回転方向に対応し、揚水管9の回転数に応じて角度を決める。
【0048】
このような構成であれば、通水孔23に沿って水が流れやすくなるため、揚水管9によって生成された渦の乱れを抑制できる。渦の乱れが抑制されることで揚水口10から安定して揚水しやすくなる。
(発明の概略)
本発明に係る液体微細化装置は、空気を吸い込む吸込口と、吸込口より吸い込まれた空気を吹き出す吹出口と、吸込口と吹出口との間の風路に設けられ、水を微細化する液体微細化室と、を備え、吸込口より吸い込まれた空気に液体微細化室にて微細化された水を含ませて、その水を含んだ空気を吹出口より吹き出す液体微細化装置であって、液体微細化室は、回転に伴って発生する渦によって揚水する筒状の揚水管と、揚水管の先端に設けられた揚水口と、揚水管から遠心方向に放出された水を衝突させる衝突壁と、揚水管の鉛直方向下方に設けられ、揚水管により揚水される水を貯水する貯水部と、貯水部の底面の中央に配置され、貯水された水を排水する排水孔と、排水孔の外周を円筒状に囲んで設けられた流入防止壁と、を備え、揚水管の回転時に、揚水管によって揚水された水が径方向に放出され、その放出した水が衝突壁へ衝突し、衝突壁に衝突し微細化された水の一部が水滴として衝突壁の斜面を貯水部へと流入し、排水孔よりも小さな通水孔を有した流入防止壁により、排水孔よりも大きな異物が水とともに排水孔へ流入することを防止することを特徴とするものである。
【0049】
こうした構成によれば、揚水管の回転を停止させた際に、残水の乾燥によって生じた異物が水とともに排水孔へ流入することを防止し、排水孔の詰まりによる液体微細化装置の溢水を防止することができる。
【0050】
また、通水孔は排水孔の直径よりも小さな幅のスリット状とする構成としてもよい。
【0051】
こうした構成によれば、排水孔の直径より大きな異物の貯水部への流入を防止し、排水孔への異物の詰まりを抑制することができる。
【0052】
また、スリット状は、円筒状における軸方向を長手方向とする構成としてもよい。
【0053】
こうした構成によれば、流入防止壁の先端まで開口が設けられているため、給水過多によって流入防止壁の外周側の水位が一時的に高くなってしまっても滞りなく水を通過させることができる。
【0054】
また、スリット状は、円筒状における周方向を長手方向とする構成にしてもよい。
【0055】
こうした構成によれば、底面に沿って通水孔を通過できる水の流量が増えるため、給水過多になっても流入防止壁の外周側の水位が高くなることを抑制できる。
【0056】
また、スリット状は、揚水管の回転方向に対して所定角度傾斜する構成にしてもよい。
【0057】
こうした構成によれば、通水孔に沿って水が流れやすくなるため、揚水管によって生成された渦の乱れを抑制できる。
【0058】
また、通水孔は、円筒状における周方向に複数設けられる構成にしてもよい。
【0059】
こうした構成によれば、流入防止壁の外周側の水を停滞させることなく、流入防止壁の内周側へ流入させることができる。
【0060】
また、流入防止壁は、揚水口よりも鉛直上方に突出し、揚水管の外周を円筒状に囲んで設けられる構成にしてもよい。
【0061】
こうした構成によれば、揚水管の回転によって生じる渦流の乱れを抑制し、揚水管の揚水量を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る液体微細化装置は、加湿目的での水気化装置や、殺菌/消臭目的での次亜塩素酸気化装置といった液体を気化させる装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 液体微細化装置
2 吸込口
3 吹出口
4 風路
5 風路
6 風路
7 液体微細化室
8 衝突壁
9 揚水管
10 揚水口
11 回転軸
12 回転モータ
13 回転板
14 開口
15 貯水部
16 給水部
17 給水管
18 給水斜面
19 排水孔
20 排水管
21 ドレンパン
22 流入防止壁
23 通水孔
24 微細化水路
25 筐体
26 エリミネータ
27 給水路
28 排水路
29 揚水路
101 液体微細化装置
102 吸込口
103 吹出口
104 風路
105 風路
106 風路
107 液体微細化室
108 貯水部
109 揚水管
110 回転軸
111 回転モータ
112 排水口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7