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特開2024-126093情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126093
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20240912BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240912BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034259
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】大脇 遼平
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】惠良 栞
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB68
5L049BB68
5L049CC18
5L050CC18
(57)【要約】
【課題】未返却の貸出対象物の返却率を高めることができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、未返却の貸出対象物の位置を示す第1位置情報を取得し、プレイヤの位置を示す第2位置情報を利用してプレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、第1位置情報に基づく地点にて前記プレイヤが取得可能なゲーム特典を提供する。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未返却の貸出対象物の位置を示す第1位置情報を取得する位置情報取得部と、
プレイヤの位置を示す第2位置情報を利用してプレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、前記第1位置情報に基づく地点にて前記プレイヤが取得可能なゲーム特典を提供する特典提供部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2位置情報に基づく前記プレイヤの現在位置が、前記第1位置情報に基づく地点から第1距離内である場合に、前記貸出対象物を返却地点に返却するミッションを前記プレイヤが実施可能にするための処理を実行する処理部と、
前記ミッションを遂行したプレイヤに対し、報酬を付与する報酬付与部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記報酬付与部は、前記貸出対象物の状態に応じて、前記ミッションを遂行したプレイヤに対して付与する前記報酬を決定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記報酬付与部は、前記貸出対象物の状態が異常状態である場合には、前記貸出対象物の状態が正常状態である場合よりも有利な前記報酬を、前記ミッションを遂行したプレイヤに付与する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記報酬付与部は、前記第1位置情報に基づく前記貸出対象物の位置から前記返却地点までの距離に応じて、前記プレイヤに付与する報酬を決定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1位置情報に基づいて設定される複数の地点のそれぞれが前記返却地点として選択可能であり、且つ、前記複数の地点のそれぞれにおいて1つ以上の貸出対象物が貸出可能である場合において、
前記処理部は、前記複数の地点のうち、前記返却地点として選択された地点において貸出可能な貸出対象物の残数に応じて、前記イベントに参加したプレイヤに付与する前記報酬を決定し、決定された前記報酬の内容を前記ゲームのプレイヤに通知する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1位置情報に基づく地点に発生したイベントに参加可能であることを、前記マップにおいて前記第1位置情報に基づき特定されるプレイヤに通知する通知部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記第1位置情報に基づく地点から第2距離内にいる前記プレイヤに対して、前記イベントに参加可能であることを通知し、
前記通知部は、未返却の前記貸出対象物の数に応じて、前記第2距離を決定する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特典提供部は、前記第1位置情報に基づく地点における未返却の前記貸出対象物の数に応じて、前記ゲーム特典を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特典提供部は、未返却の前記貸出対象物の数がより多い場合には、未返却の前記貸出対象物の数がより少ない場合に付与される前記ゲーム特典よりも有利な前記ゲーム特典を提供する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記特典提供部は、未返却の前記貸出対象物の数の変動に応じて、前記第1位置情報に基づく地点にて取得可能な前記ゲーム特典を変更する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記ゲームのプレイヤのうち、前記貸出対象物を借りて返却期間内に返却していない未返却プレイヤに対して、前記ゲームにおけるペナルティを設定するペナルティ設定部と、
前記未返却プレイヤが未返却の前記貸出対象物が返却された場合に、前記ペナルティを解除するペナルティ解除部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサが、未返却の貸出対象物の位置を示す第1位置情報を取得し、
プロセッサが、プレイヤの位置を示す第2位置情報を利用してプレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、前記第1位置情報に基づく地点にて、前記プレイヤが取得可能なゲーム特典を提供する、情報処理方法。
【請求項14】
プロセッサに、
未返却の貸出対象物の位置を示す第1位置情報を取得させ、
プレイヤの位置を示す第2位置情報を利用してプレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、前記第1位置情報に基づく地点にて、前記プレイヤが取得可能なゲーム特典を提供させる、処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レンタサイクルのようなレンタル業界においては、貸し出された物が返却期限を過ぎても所定の場所に返却されずに放置されることが、課題となっている。上記の課題を解決するための技術は、これまでにも開発されてきている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1には、放置された車両を減らす具体的手段として、放置車両を回収する最適な経路を提示することができるナビゲーションシステムが開示されている。このシステムによれば、放置車両を回収する最適な経路は、検出された放置車両の位置情報に基づいて探索される。
【0004】
また、特許文献2には、貸し出された商品が放置された状態になることを回避するために、利用者が、レンタル商品の返却場所とその営業時間に限定されずに、返却場所や、返却時間を自由に設定して、レンタル商品を返却しやすくすることができるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-16668号公報
【特許文献2】特開平7-225878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のシステムにおいて、放置車両の回収は、延滞者(つまり、車両の借用者)ではなく、事業者によって行われるものであるため、事業者の負担を強いるという問題がある。
また、特許文献2のシステムでは、返却場所や時間の自由度を向上させることで、利用者にとって、レンタル商品を容易に返却することができるようになるものの、意識的にレンタル商品を返却しようとする利用者本人のモチベーションを上げるものではないため、その返却率の向上に貢献し難い点がある。
【0007】
そこで、本発明は、未返却の貸出対象物の返却率を高めることができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、未返却の貸出対象物の位置を示す第1位置情報を取得する位置情報取得部と、プレイヤの位置を示す第2位置情報を利用してプレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、第1位置情報に基づく地点にてプレイヤが取得可能なゲーム特典を提供する特典提供部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、未返却の貸出対象物の返却率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むレンタル管理システムの概念図である。
図2】地図上に未返却の貸出対象物の位置情報が反映された画面の一例を示す図である。
図3】地図上にイベント発生エリアが出現した画面の一例を示す図である。
図4】返却ミッションを提供するための画面の一例を示す図である。
図5】返却地点の選択画面の一例を示す図である。
図6図4に示す画面に表示された地図上から、返却された貸出対象物の位置情報が消滅した画面の一例を示す図である。
図7】ユーザ端末のハードウェア構成を示す図である。
図8】車載器のハードウェア構成を示す図である。
図9】レンタル店舗端末のハードウェア構成を示す図である。
図10】レンタル管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
図11】ゲームサーバのハードウェア構成を示す図である。
図12】レンタル情報を示す図である。
図13】レンタル店舗情報を示す図である。
図14】ユーザ情報を示す図である。
図15】プレイヤ情報を示す図である。
図16】返却ミッション情報を示す図である。
図17】本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能についての説明図である。
図18】本発明の一実施形態に係る車載器の機能についての説明図である。
図19】本発明の一実施形態に係るレンタル店舗端末の機能についての説明図である。
図20】本発明の一実施形態に係るレンタル管理サーバの機能についての説明図である。
図21】本発明の一実施形態に係る情報処理装置(ゲームサーバ)の機能についての説明図である。
図22A】本発明の一実施形態に係る情報処理フローを示す図である(その1)。
図22B】本発明の一実施形態に係る情報処理フローを示す図である(その2)。
図22C】本発明の一実施形態に係る情報処理フローを示す図である(その3)。
図23】貸出対象物の数の変動に伴う情報更新の変形例を示す図である。
図24】本発明の情報処理装置の機能についての変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、以下、添付の図面に示す好適な実施形態(以下、本実施形態と言う。)を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた具体例の一つにすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
さらに、以下の説明の中で参照される各図が示す画面例についても一例に過ぎず、画面の構成例、表示される情報及びGUI(Graphical User Interface)の具体的な内容等については、設計仕様及びユーザの好みに応じて自由に設計及び変更し得るものである。
【0012】
また、本明細書において、「ユーザ」は、本発明の情報処理装置の機能を利用する者であり、詳しくは、所定の機器を操作することで、本発明の情報処理装置の機能がもたらす恩恵(サービス)を享受することができる。所定の機器は、ユーザが所有する機器(例えば、後述のユーザ端末)でもよいし、店舗等に設置された機器であって、ユーザが所有していないものの店舗等に来店した際に暗証番号やパスワード等を入力したり、あるいは入金等したりすることで利用可能な端末やコンピュータであってもよい。
また、以下の説明では、貸出対象物をレンタルするユーザを、「利用者」と呼ぶこととし、後述する位置ゲームをプレイするユーザを「プレイヤ」と呼ぶこととする。
【0013】
<<本発明の概要>>
本発明は、未返却の貸出対象物の回収を含むレンタル管理に関する情報処理技術である。本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態という)に係る情報処理装置は、ゲームサーバ10により構成され、図1に示すように、このゲームサーバ10と、ユーザ端末11と、貸出対象物に取り付けられた車載器12と、レンタル店舗端末13と、レンタル管理サーバ14とが、通信用ネットワークNを介して通信可能に接続されており、レンタル管理システムSを構築する。
【0014】
なお、図1では、図示の便宜上、ユーザ端末11、車載器12、及びレンタル店舗端末13の台数が1台、又は2台となっているが、当然ながら、実際には、図示した台数以上のユーザ端末11、車載器12、及びレンタル店舗端末13が存在してもよい。
【0015】
本発明の貸出対象物は、所定のレンタル店舗において、代金と引き換えに、一定期間、利用者に貸し出され、使用後、所定のレンタル店舗に返却が行われるものであれば、特に限定されない。例えば、自転車、電動アシスト自転車、及びバイク等の車両が、貸出対象物の一例として挙げられる。本実施形態において、貸出対象物は、電動モータを動かすためのバッテリが装備されている電動アシスト自転車(以下、貸出自転車)であることとする。
【0016】
各貸出自転車には、車体の識別情報(車両ID)が格納された二次元コードが付される。利用者がユーザ端末11の読み取り機能(例えば、カメラ)を使って、車両IDとしてのコードを読み込むと、読み取られた車両ID等が利用者のユーザ端末11からレンタル管理サーバ14へと送信される。この際、ユーザ端末11は、車両IDとともに、利用者のユーザIDをレンタル管理サーバ14に送信する。なお、本実施形態では二次元コードから車体の識別情報を取得する例について説明するが、車体の識別情報を取得する処理は上記の例に限られるものではなく、車体番号の読み取り、RFID等の非接触通信の利用によるものでもよい。
【0017】
そして、レンタル管理サーバ14上で利用者が貸出自転車(厳密には、車両IDが送信された貸出自転車)をレンタルできるかどうかの認証が行われ、正常に認証が完了すると、レンタル管理サーバ14から当該貸出自転車の付帯装置へ開錠指令が送信される。これにより、貸出自転車の施錠が開錠され、ユーザは、その貸出自転車を利用することができる。
【0018】
また、貸出自転車の利用(貸出)に伴って、利用者のユーザID、及び貸出自転車の車両IDが、レンタル管理サーバ14に送信されて格納される。この際、ユーザID及び車両IDとともに、ユーザ端末11にインストールされたアプリケーションプログラムを操作して設定された各種事項、具体的には、貸出自転車の貸出日、返却期限、及び返却予定場所等に関する情報が、レンタル管理サーバ14に格納される。
また、レンタル管理サーバ14は、貸出自転車の貸出に伴って、レンタル店舗端末内にある貸出可能な貸出自転車の残数に係る情報を更新する。
【0019】
また、各貸出自転車の車体には、その位置情報信号であるGPS(Global Positioning System)信号を発信するGPSセンサを備える車載器12が取り付けられている。貸出自転車の現在位置は、GPSセンサにより一定間隔で計測され、その計測結果(測位情報)は、GPSセンサ内の通信用インタフェースを介してレンタル管理サーバ14に逐次送信される。
なお、以下では、貸出自転車の現在位置を示す位置情報を「第1位置情報」とも呼ぶこととする。
【0020】
各レンタル店舗では、所定数を上限として貸出自転車が貸出可能な状態で保管されており、各貸出自転車の貸出し及び返却が行われる。各貸出自転車の利用(貸出)は、上述したように、各貸出自転車の車体に付された車両IDを利用者のユーザ端末11によって読み込むことによって行われる。ただし、これに限定されず、例えば、レンタル店舗の端末(以下、レンタル店舗端末13)が備える読み取りリーダによって、利用者のユーザIDと、貸出対象の貸出自転車の車両IDとを、それぞれ読み取ってもよい。この場合、レンタル店舗端末13は、読み取ったユーザIDと車両IDとを互いに紐付けて登録し、また、両IDを互いに紐付けた状態でレンタル管理サーバ14に向けて送信するとよい。
【0021】
貸出自転車を所定のレンタル店舗に返却する際、利用者は、レンタル時の操作と同様の手順により、貸出自転車の車体に付された車両IDをユーザ端末11で読み込むことにより、借用した貸出自転車の返却を登録することができる。また、レンタル店舗端末13が、利用者のユーザIDと、貸出自転車の車両IDを読み取ることで、貸出自転車の返却を登録してもよい。
この操作により、そのコードを読み込むと、車両ID等が利用者のユーザ端末11、又はレンタル店舗端末13からレンタル管理サーバ14へと送信される。そして、レンタル管理サーバ14から、利用者に関するユーザ情報、返却された車両に関する情報、貸出日、返却期間(返却期限)、及び返却予定場所等の利用情報が消去される。また、レンタル管理サーバ14は、レンタル店舗端末13内にある貸出可能な貸出自転車の残数に係る情報を更新する。
【0022】
<<本実施形態において未返却の貸出対象物について返却を促進させる手法>>
貸し出された貸出自転車は、本来、返却期限内にいずれかのレンタル店舗に返却されるが、期限内に返却されない場合がある。換言すると、未返却の貸出自転車(以下、未返却自転車)が存在している場合がある。本実施形態では、未返却自転車が存在する場合において、当該未返却自転車の返却を促進させるための措置を講じている。
【0023】
具体的に説明すると、本実施形態では、ゲームのプレイヤに対して、ゲーム内で利用できるサービスや特典を活用して、未返却自転車が配置された場所を知らせ、また、未返却自転車の返却を促すことができる。より詳しく説明すると、ゲーム内で、未返却自転車の位置に基づいてゲーム特典としてのイベントを発生させ、また、未返却自転車を実際に返却させるためにゲームの一要素である返却ミッションをゲームのプレイヤに与える。
以下、本実施形態においてプレイ可能なゲーム、及び、ゲームのプレイヤに対して与えられるイベント及び返却ミッションについて説明する。
【0024】
(ゲームについて)
本実施形態においてプレイヤがプレイ可能なゲームは、プレイヤがゲーム用の端末を操作してプレイ可能なゲームコンテンツであり、詳しくは、データ通信を利用するオンラインゲームである。オンラインゲームには、例えば、WebブラウザとSNS(Social Networking Service)のアカウントのみで利用可能なソーシャルゲーム等が含まれ得る。
【0025】
ゲームは、ゲームサーバ10により提供されるゲームであり、本実施形態では、所謂「位置情報ゲーム」であり、プレイヤの現在の位置情報をGPS等によって取得し、取得した位置情報を利用してプレイすることができる。具体的に説明すると、プレイヤがユーザ端末11を携帯しながら現実空間内で移動すると、ゲームにてプレイヤの現在位置に応じた演出が行われる。
なお、以下では、プレイヤの現在位置を示す位置情報を「第2位置情報」とも呼ぶこととする。
【0026】
ゲームの内容について詳しく説明すると、ゲームのプレイ中、プレイヤがユーザ端末11にて所定の操作を行うと、マップがユーザ端末11の表示画面に表示される。マップは、ゲーム内で表示されるゲーム用の地図であり、プレイヤの現在位置を含むエリアの地理情報に基づいて生成される。例えば、プレイヤの現在位置を含むエリアの現実地図(具体的には、衛星写真等)、又は、現実地図に含まれる地理的要素(具体的には、道路、建物及び鉄道等)に相当するオブジェクトが描画された仮想現実(Virtual Reality:VR)の地図がマップとして表示される。なお、地図は、2次元画像でもよく、又は3次元画像でもよい。
【0027】
プレイヤは、現実空間で移動しながら、ゲームにおいて、上記のマップ中、現実空間でのプレイヤの現在位置に基づく場所(マップ上の地点)で、その場所に応じたクエストやミニゲームをプレイすることができる。
【0028】
また、マップ上の所定位置においてイベントが開催されている場合、プレイヤは、現実空間において、イベント発生地点に対応する位置に向かって移動してその位置周辺に到達すると、ゲーム内で上記のイベントをプレイすることができる。イベントは、ゲーム特典の一例であり、ゲーム内でプレイヤが参加してプレイ可能なゲーム要素であり、例えば、特別なクエスト又はステージが該当する。クエスト又はステージは、ゲームの構成単位であり、通常、決められた制限時間内にクリアする(達成条件を満たす)ことを目的としてプレイされる。
【0029】
本実施形態のゲームでは、互いに内容が異なる複数のイベントがプレイ可能であってもよい。また、イベントには、複数のプレイヤが共同で且つ同時にプレイ可能なもの、すなわちマルチプレイ型のイベントが含まれてもよい。このようなイベントしては、例えば、同じ敵を複数のプレイヤが協力して倒すイベント(いわゆるレイドバトル)等が挙げられる。
なお、以下の説明において、「イベントをプレイすること」と、「イベントに参加すること」とは、同義であることとする。また、本明細書において、「イベントがプレイ可能である」とは、ゲーム特典としてのイベントを取得可能であることを意味する。
【0030】
また、本実施形態では、ゲーム中にイベントが不定期に発生する場合があり、そのようなイベントが発生した際には、所定の通知条件を満たすプレイヤに対して、そのイベントに参加可能であることを通知する。通知条件は、例えば、現実空間において、マップ上のイベント発生地点と対応する位置から所定の距離(例えば、数百m~数km程度の距離)以内にいることである。イベントに参加可能であることを通知する手段については、特に限定されないが、例えば、図3に示すように、マップ上のイベント発生地点(図3中、符号Pにて示す地点)に、当該イベントに関連付けられた標識やキャラクタ等のオブジェクトで表示することで、イベントに参加可能であることを通知してもよい。あるいは、通知条件を満たすプレイヤのユーザ端末11に、イベント発生の通知案内が表示されてもよい。
【0031】
プレイヤは、上記の通知を確認することで、上記のイベントが発生していることを知ることができる。そして、プレイヤは、現実空間において、イベント発生地点Pと対応する位置に向かって移動し、その位置周辺に到達することで当該イベントをプレイすることができる。ここで、「イベント発生地点Pと対応する位置」とは、現実空間における地点を意味する。
【0032】
(返却促進用のイベントについて)
未返却自転車が存在する場合には、その未返却自転車の返却を促進するためのイベントがゲームにおいて発生する。
より具体的に説明すると、レンタル管理サーバ14が、未返却自転車が存在しているか否かを判断する。具体的に説明すると、レンタル管理サーバ14は、貸出中の貸出自転車に取り付けられたGPSセンサから発信される信号を逐次受信し、その受信信号から車両ID及び位置情報(第1位置情報)を特定する。
【0033】
そして、レンタル管理サーバ14は、車両ID及び第1位置情報が特定された貸出自転車について返却期限が現時点で経過しているか否かを判定し、返却期限が経過している場合には、その貸出自転車を未返却自転車と認定する。この場合、レンタル管理サーバ14は、未返却自転車の車両ID、その利用者のユーザID、及び、未返却自転車の第1位置情報等をゲームサーバ10に対して提供する。
【0034】
ゲームサーバ10は、レンタル管理サーバ14から提供される第1位置情報等の情報を取得すると、ゲーム内のマップにおいて、第1位置情報に基づく地点にてプレイヤがプレイ(取得)可能なイベントを発生させる。
【0035】
より具体的に説明すると、ゲームサーバ10は、取得した第1位置情報に基づいて、図2に示すように、マップに、未返却自転車Bの現在位置(すなわち、第1位置情報)を反映させた上で、図3に示すように、第1位置情報に基づくイベント発生地点Pにてイベントを発生させる。ここで、イベント発生地点P、ゲーム空間内の地点であり、より詳しくは、マップ上の地点を意味する。
【0036】
また、イベント発生地点Pにおいてイベントが発生した場合、ゲームサーバ10は、第1位置情報に基づき特定されるプレイヤに対して、当該イベントに参加可能であることを通知する。具体的には、第1位置情報が示す位置、すなわち、未返却自転車の現在位置から所定距離以内(例えば、数百m~数km程度の距離以内)に居るプレイヤを特定し、特定されたプレイヤのユーザ端末11に表示されたゲームのマップにおいて、上記のイベントに参加可能であることを示すオブジェクトGTを表示させる(図3参照)。
【0037】
(返却ミッションについて)
ゲームサーバ10は、ゲームにおいてマップ上のイベント発生地点Pにて上述のイベントを発生させるとともに、返却ミッションを発生させる。返却ミッションは、プレイヤに、未返却自転車(以下、未返却自転車B)をレンタル店舗Sに返却させるためのミッションである。
返却ミッションを発生させる際に、ゲームサーバ10は、プレイヤのユーザ端末11から、プレイヤの現在位置を示す情報、すなわち第2位置情報を取得する。ゲームサーバ10は、第2位置情報に基づき、プレイヤの現在位置が第1位置情報に基づく地点から第1距離にあるか否かを判定する。第1位置情報に基づく地点とは、未返却自転車の現在位置に応じて設定される位置であり、具体的には、イベント発生地点Pと対応する位置である。第1距離は、任意に決めることができるが、例えば、数m~数km程度の距離である。
【0038】
そして、プレイヤの現在位置が第1位置情報に基づく地点から第1距離にある場合、ゲームサーバ10は、図4に示す画面を、上記プレイヤのユーザ端末11に表示させる。この画面は、返却ミッションの受付画面であり、受付画面中には、未返却自転車Bの位置(図4中の丸付き数値1~3)、複数の返却地点であるレンタル店舗S(図4中の符号Sa~Sc)、各レンタル店舗までの推定移動距離、及び、各レンタル店舗までの移動経路等が表示される。
【0039】
プレイヤは、返却対象とする未返却自転車Bを選択する操作(例えば、図4の画面上で一つの未返却自転車Bを選んでタップする操作)を行うと、プレイヤのユーザ端末11の表示画面には、選択した未返却自転車Bの返却先候補の指定を促す案内情報が表示される。
【0040】
案内情報には、返却先候補(図5中のSa~Sc)、及び各返却地点に関する情報等が表示される。返却地点に関する情報としては例えば、返却地点の住所、返却地点のホームページのURL、及び返却地点までの推定移動距離等が表示される。また、案内情報には、返却ミッションを遂行して未返却自転車Bを返却したプレイヤに対して付与される報酬の種類が含まれてもよい。
【0041】
プレイヤは、上記の案内情報の表示画面において、所定の返却地点を指定する操作、例えば、図5中の返却先候補SaのチェックボックスCをタッチした後、開始ボタンBt1をタップする。これを契機として、返却ミッションが開始される。また、返却ミッションの開始と同時に、ゲームサーバ10は、未返却自転車Bに関する情報を更新し、図6に示すように、返却ミッションに係る未返却自転車Bの位置情報をマップから消去する。
【0042】
そして、返却ミッションを遂行して未返却自転車Bをレンタル店舗に返却したプレイヤは、返却された未返却自転車Bの車両IDを、ユーザ端末11の読み取り機能によって読み取る。これにより、返却ミッションが完了し、また、ユーザ端末11に読み込まれた車両ID、及び、返却ミッションを遂行したプレイヤのユーザIDが、ユーザ端末11からゲームサーバ10へ送られる。
【0043】
そして、ゲームサーバ10は、返却された車両ID、及びミッションを遂行したプレイヤのユーザIDに基づいて、ミッションを遂行したプレイヤに付与する報酬を決定し、当該プレイヤにその報酬を付与する。報酬は、ミッションを遂行したプレイヤがゲーム内で利用可能な報酬でもよく、あるいは、現実空間の店舗等で利用可能な報酬(例えば、実店舗で利用可能なクーポン等)でもよい。ゲーム内で利用可能な報酬は、ゲーム内で利用可能なアイテム及びキャラクタ(以下、アイテム等)、又はアイテム等と交換可能な価値(例えば、ゲームで使える仮想貨幣、又は、ゲーム内でアイテム等の抽選を実施するのに必要なアイテム等)でもよい。また、ゲーム内で利用可能な報酬は、ゲーム進行中に一時的に享受することが可能な効能(例えば、キャラクタのステータス値を上昇させる等の効果)でもよい。
【0044】
また、本実施形態では、ゲームサーバ10がプレイヤに付与する報酬を、第1位置情報に基づく未返却自転車Bの位置(すなわち、返却ミッション開始時の位置)から返却地点までの距離に応じて決めることができる。また、返却ミッション開始時における未返却自転車Bの状態、具体的にはバッテリ切れやパンク等の状態に応じて、プレイヤに付与される報酬を決定してもよい。例えば、未返却自転車Bの状態が異常状態(つまり、返却地点まで移動させるのが困難な状態)である場合には、未返却自転車Bの状態が正常状態である場合よりも有利な報酬を付与してもよい。
【0045】
<<レンタル管理システムの構成例>>
次に、レンタル管理システムSの構成例について説明する。
図1に示すように、レンタル管理システムSにおいて、ゲームサーバ10と、ユーザ端末11と、貸出自転車に取り付けられた車載器12と、レンタル店舗端末13と、レンタル管理サーバ14は、通信用ネットワークNを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークNは、例えばインターネット又はモバイル通信ネットワークからなる通信回線網であり、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット及びイーサネット(登録商標)等を含んでもよい。
【0046】
ユーザ端末11は、利用者及びプレイヤの各々が所有し、且つ持ち運び可能な端末であり、具体的には、スマートフォン、携帯電話、ノート型PC、タブレット端末、ウェアラブル端末、又は通信機能を備えるゲーム専用機器等によって構成される。
【0047】
ユーザ端末11は、ハードウェア機器として、図7に示すように、プロセッサ11a、メモリ11b、通信用インタフェース11c、ストレージ11d、入力装置11e、出力装置11f、GPSセンサ11j、及び端末内蔵型のカメラ11kを有し、これらの機器がバス11gを介して電気的に接続されている。また、ユーザ端末11は、出力装置11fとしてディスプレイ11hを備える。また、ユーザ端末11のディスプレイ11hの表面には、入力装置11eとしてのタッチパネル11iが重ねられている。また、ユーザ端末11の現在位置は、現実空間におけるユーザの現在位置を表しており、GPSセンサ11jにより一定間隔で計測され、その計測結果(測位情報)が通信用インタフェース11cを介してレンタル管理サーバ14に逐次送られる。
【0048】
また、ユーザ端末11には、ソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)用のプログラムと、レンタル用のアプリケーション、及びゲーム用のアプリケーションプログラムがインストールされている。プロセッサ11aがこれらのプログラムを実行することで、ユーザは、ユーザ端末11を通じて、貸出自転車をレンタルしたり、ゲームをプレイしたり、返却ミッションを享受したりすることができる。
【0049】
車載器12は、ハードウェア機器として、図8に示すように、プロセッサ12a、メモリ12b、通信用インタフェース12c、空気圧計12d、GPSセンサ12e、バッテリ計測器12fを有し、これらの機器がバス12gを介して電気的に接続されている。貸出自転車のタイヤの状態(例えば、パンク等の有無)は、空気圧計12dにより計測され、バッテリの状態(例えば、バッテリ残量)は、バッテリ計測器12fにより計測され、それら計測結果(測定情報)が通信用インタフェース12cを介してレンタル管理サーバ14に逐次送られる。また、貸出自転車の現在位置は、GPSセンサ12eにより一定間隔で計測され、その計測結果(測位情報)が通信用インタフェース12cを介してレンタル管理サーバ14に逐次送られる。
【0050】
レンタル店舗端末13は、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、情報入力が可能なテレビ受像機、又はウェアラブル端末等によって構成される。
【0051】
レンタル店舗端末13は、ハードウェア機器として、図9に示すように、プロセッサ13a、メモリ13b、通信用インタフェース13c、ストレージ13d、入力機器13e、及び出力機器13fを有し、これらの機器がバス13gを介して電気的に接続されている。
また、レンタル店舗端末13は、ユーザ端末11と同様に、ソフトウェアとして、オペレーティングシステムOS用のプログラムと、レンタル用のアプリケーション、及びゲーム用のアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0052】
レンタル管理サーバ14は、貸出自転車に関する情報を管理するサーバコンピュータである。レンタル管理サーバ14は、ハードウェア機器として、図10に示すように、プロセッサ14a、メモリ14b、通信用インタフェース14c、ストレージ14dを有し、これらの機器がバス14eを介して電気的に接続されている。
【0053】
また、レンタル管理サーバ14には、ソフトウェアとして、OS用のプログラム、及び、レンタル管理用の情報処理プログラムがインストールされている。これらのプログラムは、レンタル管理サーバ14のプロセッサ14aによって読み取られる。プロセッサ14aが上記のプログラムを実行することで、レンタル管理サーバ14がその機能を発揮する。具体的には、レンタル管理サーバ14は、ユーザ端末11や車載器12と通信し、これらの機器から送信される情報を、貸出自転車の貸出時や返却時に受信して、利用者と貸出自転車とを関連付けて登録する。また、レンタル管理サーバ14は、貸出中の貸出自転車について、返却期間を管理する。
【0054】
ゲームサーバ10は、ハードウェア機器として、図11に示すように、プロセッサ10a、メモリ10b、通信用インタフェース10c、及びストレージ10dを有し、これらの機器がバス10eを介して電気的に接続されている。
【0055】
また、ゲームサーバ10には、ソフトウェアとして、OS用のプログラム、及び、ゲーム進行用の情報処理プログラムがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当する。ゲームサーバ10のプロセッサ10aが上記のプログラムを読み取って実行することで、ゲームサーバ10が本発明の情報処理装置として機能する。具体的には、ゲームサーバ10は、ユーザ端末11と通信してゲーム用のデータを送受信し、また、ユーザ端末11、車載器12、レンタル店舗端末13、及びレンタル管理サーバ14等と通信して、未返却自転車の返却促進に関する各種の情報処理(データ処理)を実行する。
【0056】
なお、プロセッサ10a、11a、12a、13a、及び14aは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)等によって構成されるとよい。
メモリ10b、11b、12b、13b、及び14bは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリによって構成されるとよい。
【0057】
通信用インタフェース10c、11c、12c、13c、及び14cは、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。
なお、通信用インタフェース10c、11c、12c、13c、及び14cによるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G、4G若しくは5Gの移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0058】
ストレージ10d、11d、13d、及び14dは、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。
【0059】
レンタル管理サーバ14のストレージ14dには、貸出自転車の貸出に関する各種の情報(以下、レンタル情報ともいう)が蓄積されている。レンタル情報には、図12に示すような、現時点で貸出自転車を利用している利用者のID(ユーザID)、利用者名(図示せず)、その利用者が利用している貸出自転車の識別ID(車両ID)、その貸出自転車の現在の位置情報(第1位置情報)及び現在の時刻(図示せず)、その貸出自転車に関するバッテリ残量やパンクの有無等の状態(図示せず)、その貸出自転車の現在位置での停留時間(図示せず)、貸出期間、並びに、貸出期間を経過しているか否か(レンタル情報)等を含む。
【0060】
また、レンタル管理サーバ14のストレージ14dには、未返却自転車Bの利用に関する情報が記憶される。未返却自転車の利用に関する情報には、未返却自転車Bの車両ID、未返却自転車の現在の位置情報(第1位置情報)及び現在の時刻、未返却自転車に関するバッテリ残量やパンクの有無等の状態、並びに、未返却自転車の利用者のユーザID等が含まれる。
【0061】
また、レンタル管理サーバ14のストレージ14dには、図13に示すレンタル店舗情報が蓄積されている。レンタル店舗情報は、レンタル店舗の識別ID(レンタル店舗ID)、レンタル店舗の位置情報(住所)、レンタル店舗に保管可能な貸出自転車の台数、及び、現時点で利用可能な貸出自転車の台数(つまり、貸出自転車の残数)等を含む。
【0062】
ゲームサーバ10のストレージ10dには、各種の情報が記憶されて蓄積されている。具体的に説明すると、ストレージ10dには、図14に示すプレイヤのユーザ情報が記憶されている。プレイヤのユーザ情報は、さらに、図15に示すプレイヤ情報を含む。プレイヤ情報は、プレイヤの識別ID(ユーザID)及び名前(ユーザ名)、プレイヤが使用するユーザ端末11の識別ID(端末ID)、現時点でゲームをプレイ中であるか否かを示すフラグ情報、プレイ中のゲームの識別ID(ゲームID)、及びプレイヤの現在の位置情報(第2位置情報)等を含む。
【0063】
また、ゲームサーバ10のストレージ10dには、レンタル管理サーバ14から提供される情報が蓄積され、その情報には、レンタル情報、未返却自転車の利用に関する情報、及び、レンタル店舗情報が含まれる。
【0064】
ストレージ10dには、また、図16に示す返却ミッション情報が蓄積されている。具体的に説明すると、現時点で返却ミッションを実行しているプレイヤのユーザID、そのプレイヤがプレイしているゲームのゲームID及びプレイヤID、返却ミッションの対象である未返却自転車Bの車両IDとその位置情報(第1位置情報)、及び、返却先候補であるレンタル店舗のレンタル店舗ID等を含む。
【0065】
<<ユーザ端末の機能>>
次に、図17を参照しながら、ユーザ端末11の構成を機能面から改めて説明する。図17は、ユーザ端末11の機能についての説明図である。
ユーザ端末11は、図17に示すように、端末側操作受付部21、測位部22、端末側送信部23、端末側受信部24、端末側記憶部25、及び表示処理部26を有する。これらの機能部は、前述したユーザ端末11のハードウェア機器と、ユーザ端末11にインストールされたソフトウェアとしての各種プログラムとが協働することで実現される。以下、各機能部について説明する。
【0066】
端末側操作受付部21は、利用者が、貸出自転車を利用(レンタル)又は返却する際に行う各種操作を受け付ける。例えば、利用者が貸出自転車を利用又は返却する際に、ユーザ端末11の読み取り機能(具体的には、端末内蔵型のカメラ11k等)を使って、貸出自転車の車体に付された車両IDを読み込むと、端末側操作受付部21は、その読み込み操作を受け付ける。
【0067】
また、利用者が、ユーザ端末11のディスプレイ11hに表示された登録画面上で、貸出自転車のレンタルに必要な登録情報を入力すると、端末側操作受付部21は、その入力操作を受け付ける。
【0068】
端末側操作受付部21が受け付ける操作には、プレイヤがゲームのプレイ中に行う各種のゲーム操作等が含まれる。
【0069】
また、プレイヤが返却ミッションを開始する際に、そのプレイヤのユーザ端末11のディスプレイ11hには、ゲームサーバ10から送られてくるデータに基づいて操作画面が表示される。そして、プレイヤが、表示された操作画面上で返却ミッション開始用の操作を行うと、端末側操作受付部21は、その操作を受け付ける。
【0070】
測位部22は、GPSセンサ11jを用いてユーザ端末11の位置を測定する。なお、ユーザ端末11の位置は、GPSセンサ11jを用いて測定する方法に限られず、例えば、携帯電話の基地局又はWifi通信のアクセスポイントから受信する電波の強度に基づいてユーザ端末11の位置を検出する方法であってもよい。
【0071】
端末側送信部23は、通信用ネットワークNを通じて、各種の情報(データ)をゲームサーバ10やレンタル管理サーバ14に向けて送信する。端末側送信部23が送信する情報には、端末側操作受付部21が受け付けた操作の内容に応じた情報、及び、測位部22によって測定されたユーザ端末11の位置情報(すなわち、プレイヤの現在位置を示す第2位置情報)等が含まれる。
【0072】
端末側受信部24は、通信用ネットワークN経由でゲームサーバ10やレンタル管理サーバ14から送られてくる各種の情報(データ)を受信する。レンタル管理サーバ14から送られてくる情報(データ)には、貸出自転車のレンタルに関するデータ等が含まれる。また、ゲームサーバ10から送られてくる情報(データ)には、ゲーム進行用のデータが含まれる他、マップ表示用のデータ、プレイヤに付与された特典を利用するためのデータ、及び、返却ミッションに関するデータ等が含まれる。
端末側記憶部25は、端末側受信部24が各サーバ10、14から受信した情報(データ)、及び、端末側送信部23が各サーバ10、14に向けて送信した情報等を記憶する。
【0073】
表示処理部26は、貸出自転車の利用(レンタル)時又は返却時、返却ミッションの受付、開始又は遂行時、ゲームのプレイ中等において、端末側受信部24によって受信されたレンタル管理サーバ14やゲームサーバ10から送られてくる情報をディスプレイ11hに表示する。表示処理部26によって表示される情報には、ゲームのプレイに連動して遷移する映像の他、操作受け付け用の画面、マップ(マップ上のアイコン及びゲートGT等を含む)、イベント発生に際してゲームサーバ10から通知される情報、及び、返却ミッション受付画面等が含まれる。
【0074】
[車載器の機能]
次に、図18を参照しながら、車載器12の構成を機能面から改めて説明する。図18は、車載器12の機能についての説明図である。
車載器12は、図18に示すように、測位部31、空気圧計測部32、バッテリ計測部33、及び車載器側送信部34を有する。
【0075】
測位部31は、GPSセンサ12eを用いて貸出自転車の現在位置を測定する。なお、車載器12の位置は、GPSセンサ12eを用いて測定する方法に限られず、例えば、携帯電話基地局又はWifi通信のアクセスポイントから受信する電波の強度に基づいて車載器12の位置を検出する方法であってもよい。
【0076】
空気圧計測部32は、貸出自転車に設けられた各車輪のタイヤ内の空気圧を計測する。
バッテリ計測部33は、貸出自転車に装備されるバッテリのバッテリ残量を計測する。
【0077】
車載器側送信部34は、通信用ネットワークNを通じて、現時点における貸出自転車の状況等を示す情報(データ)をレンタル管理サーバ14に向けて送信する。車載器側送信部34が送信する情報には、測位部22によって測定された貸出自転車の現在の位置情報(つまり、第1位置情報)、空気圧計測部32によって計測されたタイヤ内の空気圧情報、及びバッテリ計測部33によって計測されたバッテリ残量等が含まれる。なお、車載器側送信部34は、上述の位置情報、空気圧情報、及びバッテリ残量等を現在時刻(送信時刻)の情報とともに送信する。
【0078】
<<レンタル店舗端末の機能>>
次に、図19を参照しながら、レンタル店舗端末13の構成を機能面から改めて説明する。図19は、レンタル店舗端末13の機能についての説明図である。
レンタル店舗端末13は、図19に示すように、レンタル店舗端末側操作受付部41、レンタル店舗端末側送信部42、レンタル店舗端末側受信部43、レンタル店舗端末記憶部44、及び表示処理部45を有する。これらの機能部は、レンタル店舗端末13のハードウェア機器と、レンタル店舗端末13にインストールされたソフトウェアとしての各種プログラムとが協働することで実現される。以下、各機能部について説明する。
【0079】
レンタル店舗端末側操作受付部41は、利用者がレンタル店舗において貸出自転車を利用(レンタル)又は返却する際に行われる各種の操作を受け付ける。例えば、レンタル店舗の店員が、レンタル店舗端末13を使って、利用者のユーザIDと、利用者が利用を希望する貸出自転車の車両IDとをそれぞれ読み取ると、レンタル店舗端末側操作受付部41は、その読み取り操作を受け付ける。
【0080】
また、レンタル店舗の店員又は利用者が、レンタル店舗端末13のディスプレイに表示された登録画面等の上で、貸出自転車のレンタルに必要な登録情報を入力すると、レンタル店舗端末側操作受付部41は、その入力操作を受け付ける。
【0081】
レンタル店舗端末側送信部42は、通信用ネットワークNを通じて、レンタル店舗が管理する貸出自転車に関する情報をレンタル管理サーバ14に向けて送信する。レンタル店舗端末側送信部42が送信する情報には、レンタル店舗端末側操作受付部41が受け付けた操作の内容に応じた情報、及び、レンタル店舗が現時点で貸出可能な貸出自転車の数(残数)を示す情報等が含まれる。
【0082】
レンタル店舗端末側受信部43は、通信用ネットワークN経由でレンタル管理サーバ14から送られてくる各種の情報(データ)を受信する。レンタル管理サーバ14から送られてくる情報(データ)には、貸出自転車のレンタルに関するデータ等が含まれる。
レンタル店舗端末記憶部44は、レンタル店舗端末側受信部43がレンタル管理サーバ14から受信した情報(データ)、及び、レンタル店舗端末側送信部42がレンタル管理サーバ14に向けて送信した情報等を記憶する。
表示処理部45は、レンタル店舗端末側受信部43によって受信されたレンタル管理サーバ14から送られてくる情報を、レンタル店舗端末13のディスプレイに表示する。
【0083】
<<レンタル管理サーバの機能>>
次に、図20を参照しながら、レンタル管理サーバ14の構成を機能面から改めて説明する。図20は、レンタル管理サーバ14の機能についての説明図である。
レンタル管理サーバ14は、図20に示すように、操作受付部51、位置情報受信部52、計測情報取得部53、レンタル管理部54、情報提供部55、及び表示指令部56を有する。これらの機能部は、レンタル管理サーバ14のハードウェア機器と、レンタル管理サーバ14にインストールされたソフトウェアとしての各種プログラムとが協働することで実現される。以下、各機能部について説明する。
【0084】
操作受付部51は、貸出自転車を利用(レンタル)又は返却するために利用者が行う操作を受け付ける。具体的には、ユーザ端末11の端末側送信部23、レンタル店舗端末13のレンタル店舗端末側送信部42から送信される操作情報を受信することで、利用者の操作を受け付ける。
【0085】
位置情報受信部52は、車載器12の車載器側送信部34から送信されてくる位置情報、すなわち、貸出自転車の現在の位置情報(第1位置情報)を受信する。車載器12の位置情報(第1位置情報)は、貸出自転車が貸し出されている間、一定の時間間隔(例えば、1秒~数秒間隔)で送られてくるので、位置情報受信部52は、それに合わせて一定の時間間隔で、第1位置情報を受信することになる。
【0086】
計測情報取得部53は、車載器12の車載器側送信部34から送信されてくる計測情報、を取得する。すなわち、計測情報取得部53は、空気圧計測部32により計測された貸出自転車の各車輪のタイヤ内の空気圧データや、バッテリ計測部33により計測された貸出自転車に装備されるバッテリのバッテリ残量に係るデータを受信して、これらの計測情報を取得する。
【0087】
レンタル管理部54は、貸出自転車のレンタルに関する管理を行う。具体的には、貸出自転車の情報(例えば、車両ID)、貸出自転車の利用者情報(ユーザID)、及び返却期間を関連付けて記憶する。
【0088】
また、レンタル管理部54は、利用中(貸出中)の貸出自転車が未返却自転車に該当するか否かを判定する。例えば、レンタル管理部54は、位置情報受信部52により受信された第1位置情報から特定される車両IDに係る貸出自転車について、返却期間が現時点で経過しているか否かを判定し、返却期限が経過している場合には、その貸出自転車を未返却自転車として認定する。
また、レンタル管理部54は、貸出自転車の貸出又は返却に伴って、レンタル店舗(厳密には、貸出自転車の貸出又は返却があったレンタル店舗)における貸出可能な貸出自転車の残数に係る情報を更新する。
【0089】
情報提供部55は、レンタル管理サーバ14が取得した各種の情報をゲームサーバ10に提供する。情報提供部55により提供される情報には、位置情報受信部52が受信した第1位置情報、及び、計測情報取得部53が取得した計測情報等が含まれる。また、情報提供部55は、レンタル管理部54が未返却自転車と認定した貸出自転車について、その車両ID、その利用者のユーザID、及び、未返却自転車の位置情報(第1位置情報)等をゲームサーバ10に対して提供する。
【0090】
表示指令部56は、貸出自転車の利用(レンタル)又は返却の状況に応じた映像及び画像を、利用者のユーザ端末11及びレンタル店舗端末13のディスプレイに表示させる。
【0091】
<<ゲームサーバの機能>>
次に、図21を参照しながら、ゲームサーバ10の構成を機能面から改めて説明する。図21は、ゲームサーバ10の機能についての説明図である。
ゲームサーバ10は、図21に示すように、参加受付部61、位置情報取得部62、レンタル管理情報取得部63、表示指令部64、特典提供部65、処理部66、報酬付与部67、及び通知部68を有する。これらの機能部は、ゲームサーバ10のハードウェア機器と、ゲームサーバ10にインストールされたソフトウェアとしての各種プログラムとが協働することで実現される。以下、各機能部について説明する。
【0092】
参加受付部61は、イベントへの参加条件が成立したプレイヤの、当該イベントへの参加を受け付け、具体的には、イベントに参加するプレイヤのユーザ端末に、イベントをプレイするためのデータを送信する。イベントへの参加条件としては、例えば、現実空間においてイベント発生地点Pと対応する位置から所定距離(例えば、数mから数十mの距離)以内に居ることである。
【0093】
位置情報取得部62は、レンタル管理サーバ14の情報提供部55から送信されてくる未返却自転車に関する情報を受信することで、未返却自転車の現在の位置情報(第1位置情報)を取得する。
また、位置情報取得部62は、プレイヤのユーザ端末11の端末側送信部23から送信されてくるユーザ端末11の位置情報を受信することで、プレイヤの現在の位置情報(第2位置情報)を取得する。プレイヤの位置情報(第2位置情報)は、プレイヤがゲームをプレイしている間、一定の時間間隔(例えば、1秒~数秒間隔)で送られてくるので、位置情報取得部62は、それに合わせて一定の時間間隔でプレイヤの位置情報(第2位置情報)を取得することになる。
【0094】
レンタル管理情報取得部63は、レンタル管理サーバ14の情報提供部55から送信されてくる未返却自転車に関する情報を、未返却自転車の管理情報として取得する。未返却自転車の管理情報には、未返却自転車の位置情報(第1位置情報)、未返却自転車の利用者のユーザID、未返却自転車の返却期間、未返却自転車の空気圧情報やバッテリ残量等の計測情報、及び、レンタル管理部54が管理するレンタル情報が含まれる。
【0095】
表示指令部64は、返却ミッションの開始時又は遂行時等に応じた映像及び画像を、ユーザ端末11の表示画面に表示させる。
また、表示指令部64は、プレイヤがゲームをプレイしている間、プレイ状況等に応じた映像及び画像を、プレイヤのユーザ端末11のディスプレイ11hに表示させる。例えば、表示指令部64は、マップを表示させるためのデータ(以下、マップ表示用データ)を生成し、プレイヤのユーザ端末11に向けて送信する。マップ表示用データがプレイヤのユーザ端末11によって受信されると、そのユーザ端末11のディスプレイ11hにマップが表示される。マップ中、現実空間におけるプレイヤの現在位置に基づく位置には、所定のアイコン又はキャラクタが表示され、そのアイコンやキャラクタは、現実空間におけるプレイヤの現在位置が変化することに連動してマップ上を移動する。表示指令部64は、移動後のアイコン又はキャラクタの位置を反映させたマップを表示させるためのデータ(マップ表示用データ)を逐次生成して、プレイヤのユーザ端末11に向けて送信する。
【0096】
特典提供部65は、上記のマップにおいて、位置情報取得部62が取得した未返却自転車の位置情報(第1位置情報)に基づく地点にてプレイヤが取得可能なゲーム特典を提供し、具体的には第1位置情報に基づくイベント発生地点Pにてイベントを発生させる。ゲーム特典が提供されるプレイヤ、つまり、上記のイベントに参加可能なプレイヤは、イベント発生地点Pと対応する位置から所定距離(例えば、数mから数十mの距離)内に居るプレイヤである。
【0097】
処理部66は、未返却自転車を返却地点(具体的には、いずれかのレンタル店舗)に返却する返却ミッションを所定のプレイヤが実施可能にするための処理を実行する。具体的には、上記のイベントの発生と連動させて返却ミッションを発生させる。ここで、返却ミッションが実施可能なプレイヤは、位置情報取得部62により取得された第2位置情報に基づくプレイヤの現在位置が、イベント発生地点Pと対応する位置(すなわち、第1位置情報に基づく地点)から第1距離内にあるプレイヤである。第1距離は、前述したように、任意の距離であり、例えば、数m~数km程度の距離である。
【0098】
また、処理部66は、返却ミッションの実施に際して、未返却自転車の位置情報(すなわち、第1位置情報)に基づいて、返却地点として1又は複数のレンタル店舗を設定する。このとき、複数のレンタル店舗が返却地点の候補として選定されると、処理部66は、返却ミッションを実施するプレイヤから、返却地点の選択操作(具体的には、図5に示す画面にて返却先候補を指定する操作)を受け付ける。そして、処理部66は、選択された返却地点に未返却自転車を返却させる返却ミッションをプレイヤが実施するための処理を実行する。
【0099】
また、処理部66は、プレイヤによる返却地点の選択を受け付けた際、ミッション遂行による報酬を決定し、決定された報酬の内容を、プレイヤのユーザ端末11のディスプレイ11hに表示させて、当該プレイヤに通知する(図5参照)。このとき、処理部66は、レンタル管理情報取得部63によって取得されたレンタル情報に基づき、プレイヤによって返却地点として選択されたレンタル店舗における貸出自転車の残数(その時点で貸出可能な台数)を特定する。そして、処理部66は、特定された貸出自転車の残数に応じて、ミッション遂行による報酬を決定する。
【0100】
報酬付与部67は、返却ミッションを遂行したプレイヤに対し、報酬を付与するものである。本実施形態において、報酬付与部67は、上記のプレイヤに対して実際に付与する報酬の内容を、返却ミッションの難易度や返却ミッション実施時の状況等に応じて決める。具体的に説明すると、報酬付与部67は、返却対象である未返却自転車の状態、具体的には、未返却自転車の空気圧情報やバッテリ残量等に応じて、上記のプレイヤに対して付与する報酬を決定する。そして、報酬付与部67は、未返却自転車の状態が異常状態(例えば、パンク状態やバッテリ切れの状態)である場合には、未返却自転車の状態が正常状態である場合よりも有利な報酬を、上記のプレイヤに付与する。ここで、有利な報酬とは、ゲームのプレイの進行上で有利な報酬であり、具体的には、例えば、より希少なアイテム等、より高い効果(性能)を示すアイテム等、より多くのアイテム等、又は、より高価値のアイテム等が挙げられる。
【0101】
また、報酬付与部67は、第1位置情報に基づく未返却自転車の位置から返却地点までの距離に応じて、上記のプレイヤに付与する報酬を決定してもよく、例えば、距離が長いほど、より有利な報酬を上記のプレイヤに付与してもよい。
【0102】
通知部68は、ゲーム空間においてイベント発生地点P(すなわち、第1位置情報に基づく地点)にてイベントが発生した場合に、そのイベントに参加可能であることを、通知対象のプレイヤに通知する。通知対象のプレイヤは、マップにおいて第1位置情報に基づき特定されるプレイヤであり、具体的には、現実空間においてイベント発生地点Pと対応する位置から第2距離内にいるプレイヤである。ここで、第2距離は、通知部68により、未返却自転車の台数に応じて決定され、例えば、未返却自転車の台数が多いほど、より長い距離に決められる。なお、本実施形態において、第2距離は、通常の場合、数百m~数kmの範囲で決められる。
なお、イベント発生を通知する方法については、特に限定されないが、例えば、マップ上におけるイベント発生地点Pの近傍に、イベントに参加可能であることを示すオブジェクトGTを表示したり、「イベント発生中!」のようなイベントの発生を知らせる文字列情報をマップに重ねて表示したりしてもよい。
【0103】
<<本実施形態に係る情報処理フローについて>>
次に、レンタル管理システムSによる情報処理フローとして、未返却自転車の返却に係る処理フローについて説明する。以下に説明する情報処理フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、換言すると、以下に説明する情報処理フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に該当する。
なお、以下に説明する情報処理フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
【0104】
本実施形態での未返却自転車の返却に係る情報処理フローは、大きく、イベント及び返却ミッションの発生に係るフロー、返却ミッションの受付に係るフロー、及び、返却ミッション遂行に係るフローに分かれる。以下、各段階のフローについて説明する。
【0105】
[イベント及び返却ミッションの発生に係る情報処理フロー]
イベント及び返却ミッションの発生に係る情報処理フローは、図22Aに示す手順にて進行する。具体的には、先ず、レンタル管理サーバ14のプロセッサ14aが、各時点で未返却自転車が存在するか否かを判定する(S101)。未返却自転車が存在する場合、レンタル管理サーバ14のプロセッサ14aは、その未返却自転車に取り付けられた車載器12から発信される位置情報信号を受信し、受信した信号を解析して第1位置情報を取得する。
【0106】
取得された第1位置情報は、レンタル管理サーバ14からゲームサーバ10に向けて送信される。ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、第1位置情報を取得し、取得した第1位置情報から、未返却自転車の現在位置を特定する。また、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、第1位置情報に基づいて、マップにおけるイベント発生地点Pを設定し、同地点にてプレイヤが取得可能なイベントを発生させる(S102)。具体的に説明すると、先ず、図2に示すように、未返却自転車Bの位置をマップに反映させ、次に、図3に示すように、第1位置情報に基づくイベント発生地点Pにてイベントを発生させる。また、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、イベント発生と同じタイミング、又は、イベント発生時点に応じて設定されるタイミングにて、未返却自転車に係る返却ミッションを発生させる(S102)。
【0107】
また、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、イベント発生地点Pにおいてイベントが発生したことを、通知対象のプレイヤに通知する(S103)。具体的に説明すると、イベント発生地点Pと対応する位置(第1位置情報に基づく地点)から所定の距離(例えば、数百m~数km程度の距離)内に居るプレイヤを、通知対象のプレイヤとして特定する。そして、通知対象のプレイヤのユーザ端末11を通じて、当該プレイヤにイベントの発生を通知する(S103)。具体的には、図3に示すように、通知プレイヤのユーザ端末11のディスプレイ11hに表示されたマップ中、イベント発生地点Pの近傍位置に、イベントがプレイヤ可能であることを示すオブジェクトGTを表示させる。
以上までの工程が終了すると、イベント及び返却ミッションの発生に係る情報処理フローが終了する。
【0108】
[返却ミッションの受付に係る情報処理フロー]
返却ミッションの受付に係る情報処理フローは、イベント発生地点Pと対応する位置に1又は複数のプレイヤが向かっている時点で開始され、図22Bに示す手順にて進行する。具体的に説明すると、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、イベント発生地点Pと対応する位置に向かっているプレイヤのユーザ端末11と通信し、そのプレイヤの現在の位置情報(第2位置情報)を取得する。その後、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、取得した第2位置情報からプレイヤの現在位置を特定し、特定されたプレイヤの現在位置が、現実空間においてイベント発生地点Pと対応する位置から第1距離内にあるか否かを判定する(S104)。
【0109】
プレイヤの現在位置がイベント発生地点Pと対応する位置から第1距離内にあると判定した場合、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、そのプレイヤ(以下、ミッション実施プレイヤという)のユーザ端末11のディスプレイ11hに、例えば図4に示す画面を表示させる(S105)。この画面は、現在位置が上記の位置条件を満たすプレイヤから、返却ミッションの実施意思を受け付けるための画面であり、同画面には、未返却自転車Bの位置(図4中の丸付き1~3)、及び、複数の返却地点であるレンタル店舗Sa、Sb、Scを表示する。
【0110】
ミッション実施プレイヤは、イベント発生地点Pと対応する位置周辺に存在する1又は複数の未返却自転車のうち、返却対象とする未返却自転車を指定する。そして、ミッション実施プレイヤは、ディスプレイ11hに上記の画面が表示されたユーザ端末11を通じて、返却対象とする未返却自転車を指示する入力操作、例えば、画面中の未返却自転車Bをタッチし、あるいは、未返却自転車に付された車両IDをユーザ端末11のカメラで読み込む。ユーザ端末11は、上記の入力操作を受け付け、その操作内容を示すデータをゲームサーバ10に向けて送信する。ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、上記のデータを受信することで、ミッション実施プレイヤにより選択された未返却自転車を特定する(S106)。
【0111】
その後、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、ミッション実施プレイヤのユーザ端末11のディスプレイ11hに表示される画面を、例えば、図5に示す画面に更新し、この画面において、選択された未返却自転車の返却地点の指定を促す案内情報を表示する(S107)。
【0112】
ミッション実施プレイヤは、ユーザ端末11を通じて、返却地点としてのレンタル店舗を指定する入力操作を行い、例えば、画面中のいずれかの返却先候補のチェックボックスCを選択し、その上で開始ボタンBt1を選択する操作を行う。上記の入力操作が行われると、これを契機として、返却ミッションが開始される(S108)。
【0113】
そして、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、返却ミッションの開始に伴って、レンタル管理サーバ14と通信し、未返却自転車に関する情報を更新するようにレンタル管理サーバ14に指示する(S109)。具体的には、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、例えば、返却ミッションに係る未返却自転車を返却対象から削除するように指示する。また、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、返却ミッションの開始に伴って、イベント発生地点Pで発生しているイベントの規模を縮小させる。
以上までの工程が終了した時点で、返却ミッションの受付に係る情報処理フローが終了する。
【0114】
[返却ミッション遂行に係る情報処理フロー]
ミッション実施プレイヤは、返却対象の未返却自転車を返却地点に返却して返却ミッションを遂行すると、ユーザ端末11にて、未返却自転車の返却完了操作を行う。具体的には、ミッション実施プレイヤは、例えば、ユーザ端末11のディスプレイに表示された返却完了画面(不図示)において、返却された未返却自転車を指定する操作、あるいは、返却された未返却自転車に付された車両IDをユーザ端末11のカメラで読み込む操作を行う。ユーザ端末11は、上記の返却完了操作を受け付け、その操作内容を示すデータをゲームサーバ10に向けて送信する。ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、上記のデータを受信し、このデータに基づいて、返却された未返却自転車を特定する(S110)。
【0115】
また、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、レンタル管理サーバ14と通信して、返却された未返却自転車に関する情報と、返却ミッションを遂行したミッション実施プレイヤに関する情報をレンタル管理サーバ14から取得する。そして、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、取得した情報から、返却ミッションを遂行したミッション実施プレイヤのプレイヤIDを特定する(S111)。
【0116】
その後、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、返却ミッションを遂行したミッション実施プレイヤに対して付与する報酬を決定する(S112)。このとき、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、返却ミッション開始時点の未返却自転車の位置(すなわち、第1位置情報に基づく位置)から返却地点までの距離、及び、タイヤの空気圧やバッテリの残量等のような未返却自転車の状態に応じて報酬を決定する。
【0117】
そして、ゲームサーバ10のプロセッサ10aは、決定された報酬を、ステップS111にて特定されたプレイヤIDを有するプレイヤ、すなわち、返却ミッションを遂行したミッション実施プレイヤに付与する(S113)。
以上までの工程が終了した時点で、返却ミッション遂行に係る情報処理フローが終了する。
【0118】
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明の具体的な実施形態を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記の実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
上記の実施形態では、貸出対象物が自転車である例について説明したが、これに限定されるものではなく、貸出対象物は、任意の有体物としてよい。一例としては、貸出対象物は、電子機器、傘、自動二輪車、自動四輪車、工具、又はアウトドア用品等であってもよい。
【0119】
また、上記の実施形態についての説明において参照された図面が示す画面例も一例に過ぎず、画面の構成例、表示される情報の内容、及びGUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及びユーザの好み等に応じて自由に設計することができ、また適宜変更し得るものである。
【0120】
また、上記の実施形態において、ユーザ端末11に表示させる態様には、端末自体に備わった表示器(ディスプレイ)に表示させる態様、及び、端末に有線又は無線形式で接続された表示器に表示する態様が含まれる。なお、ユーザ端末11に接続された表示器には、一般的な据え置き型のディスプレイの他に、VRゴーグル等のHMD(Head Mounted Display)が含まれ得る。
【0121】
また、本発明に関しては、上記の実施形態とは異なる他の実施形態(変形例)が複数考えられ得る。以下、それぞれの変形例について説明する。なお、以下では、上記の実施形態と相違する点を主として説明し、共通する点については説明を省略することとする。
【0122】
(ゲーム特典の変形例)
上記の実施形態では、未返却の貸出対象物の返却を促進させるために提供されるゲーム特典が、現実空間において所定の地点(具体的には、イベント発生地点Pと対応する位置)に向かって移動することでプレイヤがゲーム内でプレイ可能となるイベントであることとした。ただし、これに限られず、ゲーム特典は、ゲーム上で利用可能なアイテム及びキャラクタ(以下、アイテム等)、又はアイテム等と交換可能な価値(例えば、ゲームで使える仮想貨幣、又は、ゲーム内でアイテム等の抽選を実施するのに必要なアイテム等)を付与することであってもよい。また、ゲーム特典は、ゲーム進行中に一時的に享受することが可能な効能(例えば、キャラクタのステータス値を上昇させる等の効果)を付与することであってもよい。なお、この場合、「ゲーム特典を提供する」とは、特典が提供されたプレイヤに対して、その特典をゲーム内で利用するための権限を設定することである。
【0123】
(ゲーム特典の決定方法の変形例)
ゲームサーバ10の特典提供部65により提供されるゲーム特典の内容は、未返却の貸出対象物の現在位置に応じて決定されてもよく、それ以外の内容を考慮して決められてもよい。例えば、ゲーム特典は、未返却の貸出対象物の現在の位置情報(すなわち、第1位置情報)に基づく地点における未返却の貸出対象物の数に応じて決められてもよい。上記の実施形態を例に挙げて説明すると、イベント発生地点Pと対応する位置における未返却自転車の台数に応じて、ゲーム特典が決定されてもよい。この場合、未返却の貸出対象物の数がより多い場合には、未返却の貸出対象物の数がより少ない場合に付与されるゲーム特典よりも有利なゲーム特典を提供してもよい。
また、特典提供部65は、未返却の貸出対象物の数の変動に応じて、第1位置情報に基づく地点にて取得可能なゲーム特典を変更してもよい。例えば、未返却の貸出対象物の数が減るほど(換言すると、未返却の貸出対象物が返却されるにつれて)、ゲーム特典の価値が低くなってもよいし、反対に、ゲーム特典の価値が高くなってもよい。
【0124】
(未返却自転車の数の変動に伴う処理例)
上記の実施形態では、返却ミッションが開始されると、図6に示すように、情報更新として、マップに表示されていた未返却自転車の位置情報を消滅させることとした。ただし、これに限定されず、例えば、ゲームサーバ10の通知部68が、未返却自転車Bの数の変化に応じて、イベントに参加可能であることを通知する範囲を変更してもよい。具体的には、通知部68は、未返却自転車Bの数に応じて、前述の第2距離を変更してもよく、図23(a)及び(b)に示すように、未返却自転車Bの数が減少した場合、通知範囲(図23では、符号NO1、NO2と表記)を小さくしてもよい。
また、ゲームサーバ10の特典提供部65が、未返却自転車の数の変化に応じて、ゲーム特典の内容を変えてもよい。例えば、未返却自転車Bの数が多い場合のゲーム特典としてイベントがプレイ可能となる(提供される)場合において、返却ミッションの開始により未返却自転車Bの数が減少した場合、その後のゲーム特典としては、ゲーム上で利用可能なアイテム及びキャラクタ(以下、アイテム等)がプレイヤに対して提供されてもよい。
【0125】
(未返却自転車の返却主体の変形例)
上記の実施形態では、返却対象である未返却自転車の利用者と異なる者(プレイヤ)が返却ミッションを遂行するケースについて説明した。ただし、これに限定されず、未返却自転車の利用者自身が返却ミッションを遂行してもよい。かかるケースを本発明の第2実施形態として、以下に説明する。なお、以下では、第2実施形態について、上記の実施形態とは異なる点について説明することとする。
【0126】
第2実施形態では、未返却自転車の利用者、すなわち、貸出自転車を借りて返却期限までに返却していない延滞利用者がゲームのプレイヤであり、以下では、このようなプレイヤを「未返却プレイヤ」と呼ぶこととする。第2実施形態では、未返却プレイヤに対して、ペナルティが設定される。ここで、ペナルティとは、ゲームのプレイにおいて設定される制限や制約、あるいは罰則等であり、例えば、ゲーム内の所定のクエストについてプレイが制限されたり、ゲーム内で所持する価値(具体的には、ゲーム内通貨)が一時的に減少したり、あるいは、ゲームへのログインが制限されたりすることである。
【0127】
そして、第2実施形態では、未返却プレイヤが自ら未返却自転車を返却するミッション、すなわち、返却ミッションを遂行した場合に、返却ミッション遂行の報酬として、上記のペナルティが解除される。
【0128】
以上の内容を実現するための構成として、第2実施形態に係るゲームサーバ10Aは、図24に示すように、上述したゲームサーバ10の機能に加えて、ペナルティ設定部69と、ペナルティ解除部70とをさらに備える。
ペナルティ設定部69は、未返却プレイヤが存在する場合に、未返却プレイヤに対して、ゲームにおけるペナルティを設定する。具体的には、ペナルティ設定部69は、レンタル管理サーバ14から取得されたレンタル情報、及び、ゲームのプレイヤのユーザ情報に基づいて、未返却プレイヤのプレイヤIDを特定し、そのプレイヤIDを有するプレイヤに対してペナルティを設定する。ペナルティは、一定の内容であってもよく、未返却自転車の利用期間(具体的には、返却期限を経過している日数等)に応じて変更してもよい。
ペナルティ解除部70は、未返却プレイヤが未返却自転車を返却した場合に、その未返却プレイヤに対して設定されたペナルティを解除する。具体的には、未返却プレイヤが返却ミッションを遂行した際に返却完了操作を行い、その操作内容を示すデータが当該未返却プレイヤのユーザ端末11から送信される。ペナルティ解除部70は、そのデータを受信し、当該データから、返却ミッションを遂行した未返却プレイヤのプレイヤIDを特定し、特定されたプレイヤIDを有するプレイヤに対して設定されたペナルティを解除する。
【0129】
以上までに説明してきた複数の実施形態(各実施形態の変形例を含む)については、それぞれの実施形態の要素及び特徴を適宜組み合わせてもよい。すなわち、上述した複数の実施形態のうち、いずれかの実施形態における構成は、それ以外の実施形態でも適用可能であり、その構成がもたらす効果が同様に奏されてもよい。
【0130】
[まとめ]
本発明の目的の一つは、未返却の貸出対象物の回収を容易とすることである。また、本発明の目的の一つは、未返却の貸出対象物の返却率を高めることである。
より具体的には、以下に示す[付記1]~[付記14]に対応する課題を解決することを目的とする。
【0131】
[付記1]
本発明の目的の一つは、付記1に対応する課題を解決することであり、具体的には、未返却の貸出対象物の返却を促すことである。
本発明の情報処理装置は、上記の課題を解決するために、付記1の構成として、未返却の貸出対象物の位置を示す第1位置情報を取得する位置情報取得部と、プレイヤの位置を示す第2位置情報を利用してプレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、第1位置情報に基づく地点にてプレイヤが取得可能なゲーム特典を提供する特典提供部と、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、プレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、未返却の貸出対象物の位置情報に基づく地点にて、プレイヤが取得可能なゲーム特典が提供される。これにより、多くのプレイヤを未返却の貸出対象物の位置に集め、その位置に集まったプレイヤに協力してもらうことで、貸出対象物の返却を促すことができる。
すなわち上記の構成によれば、ゲーミフィケーションを活用して、未返却の貸出対象物が置かれている位置にプレイヤを集めることにより、貸出対象物の返却を促すことができる。その結果、未返却の貸出対象物の返却率が高められ、また、回収コストを抑えることができる。
【0132】
[付記2]
本発明の目的の一つは、付記2に対応する課題を解決することであり、具体的には、プレイヤが貸出対象物を返却地点に返却するインセンティブを高めることである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記2の構成として、第2位置情報に基づくプレイヤの現在位置が、第1位置情報に基づく地点から第1距離内である場合に、貸出対象物を返却地点に返却するミッションをプレイヤが実施可能にするための処理を実行する処理部と、ミッションを遂行したプレイヤに対し、報酬を付与する報酬付与部と、をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、貸出対象物を返却するミッションを、未返却の貸出対象物の周辺にいるプレイヤが実施でき、また、ミッションを遂行したプレイヤに対しては所定の報酬が付与される。これにより、未返却の貸出対象物の周辺にいるプレイヤに対して、貸出対象物を返却するインセンティブを高めることができる。
【0133】
[付記3]
本発明の目的の一つは、付記3に対応する課題を解決することであり、具体的には、貸出対象物の状態に応じて、プレイヤに対する報酬を適切に決定することである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記3の構成として、報酬付与部が、貸出対象物の状態に応じて、ミッションを遂行したプレイヤに対して付与する報酬を決定してもよい。
上記の構成によれば、貸出対象物の状態に応じて、ミッションを遂行したプレイヤに対する報酬が適切に決定される。これにより、例えば、貸出対象物が返却しにくい状態にある場合には、その貸出対象物を返却するミッションを遂行したプレイヤに対して、より有利な報酬を付与することができる。
【0134】
[付記4]
本発明の目的の一つは、付記4に対応する課題を解決することであり、具体的には、貸出対象物の状態が異常である場合に、貸出対象物の早期返却のインセンティブを高めることである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記4の構成として、報酬付与部が、貸出対象物の状態が異常状態である場合には、貸出対象物の状態が正常状態である場合よりも有利な報酬を、ミッションを遂行したプレイヤに付与してもよい。
上記の構成によれば、貸出対象物の状態が異常状態である場合には、貸出対象物の状態が正常状態である場合よりも有利な報酬が、ミッションを遂行したプレイヤに付与される。これにより、貸出対象物の状態が異常である場合には、できるだけ速やかに返却する必要があるところ、より有利な報酬を付与することで、プレイヤに対して、貸出対象物の早期返却のインセンティブを高めることができる。
【0135】
[付記5]
本発明の目的の一つは、付記5に対応する課題を解決することであり、具体的には、貸出対象物の位置から返却地点までの距離に応じて、プレイヤに付与する報酬を適切に決定することである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記5の構成として、報酬付与部が、第1位置情報に基づく貸出対象物の位置から返却地点までの距離に応じて、プレイヤに付与する報酬を決定してもよい。
上記の構成によれば、貸出対象物の位置から返却地点までの距離に応じて、ミッションを遂行したプレイヤに付与する報酬が決定される。
【0136】
[付記6]
本発明の目的の一つは、付記6に対応する課題を解決することであり、具体的には、選択可能な複数の返却地点があり、且つ、そのそれぞれの地点において、1以上の貸出対象物が貸出可能である場合に、貸出対象物を返却したプレイヤに付与する報酬を、各返却地点における貸出対象物の残数に応じて適切に決めることである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記6の構成として、第1位置情報に基づいて設定される複数の地点のそれぞれが返却地点として選択可能であり、且つ、複数の地点のそれぞれにおいて1つ以上の貸出対象物が貸出可能である場合において、処理部が、複数の地点のうち、返却地点として選択された地点において貸出可能な貸出対象物の残数に応じて、イベントに参加したプレイヤに付与する報酬を決定し、決定された報酬の内容をゲームのプレイヤに通知してもよい。
上記の構成によれば、複数の地点のうち、返却地点として選択された地点に貸出対象物を返却した場合の報酬を、その返却地点における貸出対象物の残数に応じて適切に決定される。これにより、ミッションを遂行したプレイヤに付与する報酬が、各返却地点における貸出対象物の残数を考慮して適切に決められるようになる。
【0137】
[付記7]
本発明の目的の一つは、付記7に対応する課題を解決することであり、具体的には、未返却の貸出対象物の地点にゲームプレイヤを集めやすくすることである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記7の構成として、第1位置情報に基づく地点に発生したイベントに参加可能であることを、マップにおいて第1位置情報に基づき特定されるプレイヤに通知する通知部をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、未返却の貸出対象物の位置において、イベントが発生していることがプレイヤに通知される。その結果、未返却の貸出対象物の地点にゲームプレイヤを集めやすくなる。
【0138】
[付記8]
本発明の目的の一つは、付記8に対応する課題を解決することであり、具体的には、未返却の貸出対象物の数に応じて、適切な人数のプレイヤを集めることである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記8の構成として、通知部は、第1位置情報に基づく地点から第2距離内にいるプレイヤに対して、イベントに参加可能であることを通知し、未返却の貸出対象物の数に応じて、第2距離を決定してもよい。
上記の構成によれば、未返却の貸出対象物の数に応じて、イベント発生の通知範囲が決定される。これにより、未返却の貸出対象物の数に応じて、適切な人数のプレイヤを集めることができる。
【0139】
[付記9]
本発明の目的の一つは、付記9に対応する課題を解決することであり、具体的には、未返却の貸出対象物の数に応じて、適切なゲーム特典を決定することである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、付記9の構成として、特典提供部が、第1位置情報に基づく地点における未返却の貸出対象物の数に応じて、ゲーム特典を決定してもよい。
上記の構成によれば、未返却の貸出対象物の数に応じて、ゲーム特典の内容を制御し、適切なゲーム特典を決定することができる。
【0140】
[付記10]
本発明の目的の一つは、付記10に対応する課題を解決することであり、具体的には、未返却の貸出対象物の数が多い場合において、プレイヤが貸出対象物を返却するインセンティブを高めることである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記10の構成として、特典提供部は、未返却の貸出対象物の数がより多い場合には、未返却の貸出対象物の数がより少ない場合に付与されるゲーム特典よりも有利なゲーム特典を提供してもよい。
上記の構成によれば、未返却の貸出対象物の数がより多い場合には、未返却の貸出対象物の数がより少ない場合に付与されるゲーム特典よりも有利なゲーム特典が提供される。これにより、未返却の貸出対象物の数が多い場合でも、より有利なゲーム特典を付与することで、プレイヤに対して、貸出対象物を返却するインセンティブを高めることができる。
【0141】
[付記11]
本発明の目的の一つは、付記11に対応する課題を解決することであり、具体的には、未返却の貸出対象物の数が変動した後に、適正なゲーム特典を付与することである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、付記11の構成として、特典提供部が、未返却の貸出対象物の数の変動に応じて、第1位置情報に基づく地点にて取得可能なゲーム特典を変更してもよい。
上記の構成によれば、未返却の貸出対象物の数の変動に応じて、未返却の貸出対象物の地点において取得可能なゲーム特典の価値や種類が変更される。これにより、未返却の貸出対象物の数が変動した後に、変動後の貸出対象物の数に応じて適正なゲーム特典を付与することができる。
【0142】
[付記12]
本発明の目的の一つは、付記12に対応する課題を解決することであり、具体的には、延滞者本人がプレイヤである場合に、貸出対象物の早期返却を促すことである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置では、付記12の構成として、ゲームのプレイヤのうち、貸出対象物を借りて返却期間内に返却していない未返却プレイヤに対して、ゲームにおけるペナルティを設定するペナルティ設定部と、未返却プレイヤが未返却の貸出対象物が返却された場合に、ペナルティを解除するペナルティ解除部と、
をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、貸出対象物を借りて返却期間内に返却していない未返却プレイヤに対しては、ゲームにおけるペナルティが設定され、未返却プレイヤが未返却の貸出対象物が返却された場合に、ペナルティが解除される。これにより、延滞者本人がプレイヤである場合に、そのプレイヤに対して、未返却の貸出返却物を速やかに返却することを効果的に促すことができる。
【0143】
[付記13]
本発明の目的の一つは、付記13に対応する課題を解決することであり、具体的には、未返却の貸出対象物の返却を促すことである。
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理方法では、付記13の構成として、プロセッサが、未返却の貸出対象物の位置を示す第1位置情報を取得し、プロセッサが、プレイヤの位置を示す第2位置情報を利用してプレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、第1位置情報に基づく地点にて、プレイヤが取得可能なゲーム特典を提供する。
上記の方法によれば、プレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、未返却の貸出対象物の位置情報に基づく地点にて、プレイヤが取得可能なゲーム特典が提供される。これにより、多くのプレイヤを未返却の貸出対象物の位置に集めて、貸出対象物の返却を促すことができる。
【0144】
[付記14]
本発明の目的の一つは、付記14に対応する課題を解決することであり、具体的には、未返却の貸出対象物の返却を促すことある。
上記の課題を解決するために、本発明のプログラムは、付記14の構成として、プロセッサに、未返却の貸出対象物の位置を示す第1位置情報を取得させる処理と、プレイヤの位置を示す第2位置情報を利用してプレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、第1位置情報に基づく地点にて、プレイヤが取得可能なゲーム特典を提供させる処理と、を実行させるためのプログラムである。
上記のプログラムがプロセッサに実行されることにより、プレイ可能なゲーム内で表示されるマップにおいて、未返却の貸出対象物の位置情報に基づく地点にて、プレイヤが取得可能なゲーム特典が提供される。これにより、多くのプレイヤを未返却の貸出対象物の位置に集めて、貸出対象物の返却を促すことができる。
【符号の説明】
【0145】
10、10A ゲームサーバ(情報処理装置)
11 ユーザ端末
12 車載器
13 レンタル店舗端末
14 レンタル管理サーバ
10a、11a、12a、13a、及び14a プロセッサ
10b、11b、12b、13b、及び14b メモリ
10c、11c、12c、13c、及び14c 通信用インタフェース
10d、11d、13d、及び14d ストレージ
10e、11g、12g、13g、14e バス
11e 入力装置
11f 出力装置
11h ディスプレイ
11i タッチパネル
11j、12e GPSセンサ
11k カメラ
12d 空気圧計
12f バッテリ計測器
13e 入力機器
13f 出力機器
21 端末側操作受付部
22 測位部
23 端末側送信部
24 端末側受信部
25 端末側記憶部
26 表示処理部
31 測位部
32 空気圧計測部
33 バッテリ計測部
34 車載器側送信部
41 レンタル店舗端末側操作受付部
42 レンタル店舗端末側送信部
43 レンタル店舗端末側受信部
44 レンタル店舗端末記憶部
45 表示処理部
51 操作受付部
52 位置情報受信部
53 計測情報取得部
54 レンタル管理部
55 情報提供部
56 表示指令部
61 参加受付部
62 位置情報取得部
63 レンタル管理情報取得部
64 表示指令部
65 特典提供部
66 処理部
67 報酬付与部
68 通知部
69 ペナルティ設定部
70 ペナルティ解除部
N 通信用ネットワーク
NO1、NO2 通知範囲
Bt1 ボタン
C チェックボックス
GT ゲート(オブジェクト)
It アイコン
N 通信用ネットワーク
P イベント発生地点
RS レンタル店舗(返却先)
S レンタル管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図22C
図23
図24