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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126132
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】樹脂組成物およびロータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/04 20060101AFI20240912BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H02K1/04 Z
H02K1/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034324
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】余川 晃崇
【テーマコード(参考)】
5H601
【Fターム(参考)】
5H601AA04
5H601AA08
5H601CC01
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD11
5H601EE34
5H601FF01
5H601GA02
5H601GA24
5H601GC12
5H601HH23
5H601JJ10
5H601KK21
(57)【要約】
【課題】回転電機に用いられるロータへ樹脂組成物を用いた磁石の固定を改善する技術を提供する。
【解決手段】回転電機(モータ)のロータに設けられた磁石収容部40に磁石(永久磁石90)を収容し固定するために用いられる、磁石固定用の樹脂組成物(第2の樹脂硬化物52)であって、-55℃から150℃まで変化させたときの伸びが、-55℃を基準として0.2%以下である樹脂組成物が提供される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機のロータに設けられた磁石収容部に磁石を収容し固定するために用いられる、磁石固定用の樹脂組成物であって、
-55℃から150℃まで変化させたときの伸びが、-55℃を基準として0.2%以下である樹脂組成物。
【請求項2】
25℃から80℃の平均線膨張係数が6~10ppm/Kである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
150℃から175℃の平均線膨張係数が15~30ppm/Kである、請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
ラボプラストミルを用いて測定した、測定温度175℃における最低溶融トルクが0.7m以下である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、
触媒(D)と、を含み、
前記無機充填剤(C)の含有量が、当該磁石固定用の樹脂組成物の合計値100質量%に対して、80質量%以上である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記無機充填剤(C)は球状シリカである、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記触媒(D)は、イミダゾール系化合物である、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記熱硬化性樹脂(A)の前記エポキシ樹脂として、150℃におけるICI粘度が5poise以上であるエポキシ樹脂を含む、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記磁石収容部に収容され固定される前記磁石は、ネオジウム磁石である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
磁石を収容する磁石収容部を有し、前記磁石収容部に前記磁石を収容したロータであって、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて、前記磁石を前記磁石収容部に固定する、ロータ。
【請求項11】
-55℃から150℃まで変化させたときに、前記磁石の伸びと前記樹脂組成物の伸びとの差が0.3%以下である、請求項10に記載のロータ。
【請求項12】
前記磁石の磁化方向の伸びと非磁化方向の伸びとが異なる場合、前記磁石の伸びと前記樹脂組成物の伸びとの差の算出に用いられる前記磁石の伸びは非磁化方向の伸びである、請求項11に記載のロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物およびロータに関し、例えば、ロータに磁石を固定するために用いる磁石固定用の樹脂組成物およびそのような樹脂組成物を用いてロータに磁石が固定されたロータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータ等の回転電機において、ロータの磁石挿入孔に磁石を配置した構造が知られている(例えば特許文献1参照)。具体的には、電磁鋼板の円周方向に複数個形成された磁石収納部にそれぞれ磁石を配置する。上部エンドプレートのそれぞれの磁石収納部に対応する位置には、接着剤を収納するポケットが形成されている。ポケット内に接着剤を供給し、ロータを加熱することで、接着剤を磁石収納部と磁石との間に浸透させる。次に、ロータを回転させ、磁石をそれぞれの磁石収納部の半径方向外側の側壁に当接した状態に保持し、ロータが回転している状態でその接着剤を硬化させる。これにより、ロータに固定された各々の磁石の半径方向における位置のバラツキを小さくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-316243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、モータ等の回転電機への需要が大きくなっており、そのなかで製品の軽量化の要請が非常に強く、上述のエンドプレートに対しても軽量化の要請がある。一方で、エンドプレートの軽量化は、磁石の飛散防止機能の低下の虞もあり、それらを両立させることができる技術が求められていた。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであって、回転電機に用いられるロータへ樹脂組成物を用いた磁石の固定を改善するとともに軽量化を可能とする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下の技術が提供される。
[1]
回転電機のロータに設けられた磁石収容部に磁石を収容し固定するために用いられる、磁石固定用の樹脂組成物であって、
-55℃から150℃まで変化させたときの伸びが、-55℃を基準として0.2%以下である樹脂組成物。
[2]
25℃から80℃の平均線膨張係数が6~10ppm/Kである、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
150℃から175℃の平均線膨張係数が15~30ppm/Kである、[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
ラボプラストミルを用いて測定した、測定温度175℃における最低溶融トルクが0.5Nm以下である、[1]から[3]までのいずれか1に記載の樹脂組成物。
[5]
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、
触媒(D)と、を含み、
前記無機充填剤(C)の含有量が、当該磁石固定用の樹脂組成物の合計値100質量%に対して、80質量%以上である、[1]から[4]までのいずれか1に記載の樹脂組成物。
[6]
前記無機充填剤(C)は球状シリカである、[5]に記載の樹脂組成物。
[7]
前記触媒(D)は、イミダゾール系化合物である、[5]または[6]に記載の樹脂組成物。
[8]
前記熱硬化性樹脂(A)の前記エポキシ樹脂として、150℃におけるICI粘度が5poise以上であるエポキシ樹脂を含む、[5]または[6]に記載の樹脂組成物。
[9]
前記磁石収容部に収容され固定される前記磁石は、ネオジウム磁石である、[1]から[8]までのいずれか1に記載の樹脂組成物。
[10]
磁石を収容する磁石収容部を有し、前記磁石収容部に前記磁石を収容したロータであって、[1]から[9]までのいずれか1に記載の樹脂組成物を用いて、前記磁石を前記磁石収容部に固定する、ロータ。
[11]
-55℃から150℃まで変化させたときに、前記磁石の伸びと前記樹脂組成物の伸びとの差が0.3%以下である、[10]に記載のロータ。
[12]
前記磁石の磁化方向の伸びと非磁化方向の伸びとが異なる場合、前記磁石の伸びと前記樹脂組成物の伸びとの差の算出に用いられる前記磁石の伸びは非磁化方向の伸びである、[11]に記載のロータ。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回転電機に用いられるロータへ樹脂組成物を用いた磁石の固定を改善するともに軽量化を可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るモータの断面図である。
図2】実施形態に係るロータの平面図である。
図3】実施形態に係るロータの斜視図である。
図4】実施形態に係る永久磁石を取り付けた状態のロータコアの平面図である。
図5】実施形態に係る断面矩形のネオジウム磁石の線膨張係数を磁化方向と非磁化方向とに分けて模式的に示した図である。
図6】実施形態に係る図5のネオジウム磁石の温度を低温から高温へ変化させたときの形状変化を模式的に示した図である。
図7】実施形態に係る図4の領域A1の拡大図である。
図8】実施形態に係る図7から第2の樹脂硬化物を省いた図である。
図9】実施形態に係る樹脂材料よび磁石の温度による形状変化(ここでは伸び)の例を示すグラフである。
図10】実施形態の実施例に係る最低溶融トルクの測定結果を示すグラフである。
図11】実施形態の実施例に係る磁石露出面および磁石4角部の位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<概要>
<モータ1>
本実施形態では、回転電機としてモータに適用した例を説明する。
図1はモータ1のシャフト2(回転軸)に沿って切断した断面図である。図2はロータ10の平面図である。図3はロータ10の斜視図である。図4はロータ10からエンドプレート50(第1の樹脂硬化物51)を取り除いた状態の平面図である。
【0010】
本実施形態では、回転電機としてモータ1を例示する。ロータ10として、永久磁石90がV字形状に配置されてロータコア11に埋め込まれるものを説明するが、磁石収容部40を用いて永久磁石90がロータコア11に埋め込まれるものであればよく、永久磁石90の配置はV字形状以外であっても構わない。また、永久磁石90の数は、モータ1のロータ10の仕様によって定めることができ、以下で図示される数以外であってもよい。
【0011】
本実施形態のモータ1は、ロータ10に設けられた永久磁石90の固定に関して、その固定に用いる樹脂組成物を最適化することで、良好な固定を維持する技術を実現する。以下、詳細に説明する。
【0012】
モータ1は、ハウジング3、シャフト2、ロータ10およびステータ6を備える。
ハウジング3は、ロータ10を収容するハウジング筒部3aと、ハウジング筒部3aの軸方向両端を閉塞するハウジング端部3bとを有する。ハウジング3の材料として、例えば、アルミニウム合金(鋳物鋳造品)や樹脂材料、それらを組み合わせたものを用いることができる。
シャフト2はベアリング4を介してハウジング端部3bにより回転可能に支持されている。ステータ6は、ハウジング3(ハウジング筒部3a)に固定されているステータコアとステータコアに組み付けられているコイルとを有している。
【0013】
ロータ10は、回転軸(すなわちシャフト2)を中心に回転するロータコア11と、ロータコア11に設けられた回転軸方向に延在する複数の永久磁石90と、ロータコア11に設けられた、複数の永久磁石90をそれぞれ収容する複数の磁石収容部40と、を有する。
【0014】
さらに、ロータ10は、ロータコア11の回転軸線方向の端部(端面12)に設けられた第1の樹脂硬化物のエンドプレート50を有する。エンドプレート50は、永久磁石90がロータコア11の磁石収容部40から飛び出してしまうことを防止する。
以下、ロータ10に着目してより具体的に説明する。
【0015】
<ロータ10>
図1に示すように、本実施形態のロータ10は、片方の端面12にエンドプレート50を有するロータコア11を2つシャフト2に並べて取り付けている。2つのロータコア11は同一構造を有し、左右対称にシャフト2に取り付けられる。この状態で、エンドプレート50が外側に配置される。すなわち、エンドプレート50が設けられていない端面12を付き合わせるようにして、2つのロータコア11がシャフト2に取り付けられている。
以下、片方のロータコア11及びエンドプレート50について説明する。
【0016】
<ロータコア11>
ロータコア11は、円盤状に形成された複数の電磁鋼板を積層した略円柱形状を呈する。
ロータコア11を構成する各電磁鋼板は、中心に設けられた中心開口と、外縁の近傍に設けられた複数の開口部とを有する。電磁鋼板を積層すると、外縁の近傍の開口部が軸方向に揃う貫通孔となる。この貫通孔が磁石収容部40になる。中心開口が軸方向に揃う貫通孔がシャフト用開口19になる。本実施形態では、例えばロータコア11の外径を130mm、長さを75mmとすることができる。なお、本実施形態では、ロータ10として2つのロータコア11を連結した構造のため、長さは150mmとすることができる。
【0017】
シャフト用開口19にシャフト2が挿通・固定される。なお、シャフト用開口19には、シャフト2と嵌合させるための嵌合凸部18が設けられており、嵌合凸部18がシャフト2の嵌合溝(図視せず)とが嵌合する。
【0018】
<永久磁石90>
永久磁石90は、直方体であって、磁石収容部40に収容される。永久磁石90は、ロータコア11に軸方向に延びて埋め込まれ、ロータ10の磁極を形成する。
【0019】
本実施形態では、永久磁石90は複数設けられており、一対の永久磁石90からなる磁石セットを複数備える。本実施形態では、ロータ10は、8極ロータである。一対の永久磁石90は、互いの矩形形状の長手方向を径方向の外側に向けて開くV字の姿勢で配置されている。V字形状に配置された2つ1組の永久磁石90(第1の永久磁石91、第2の永久磁石92)で1つの磁極(1つの磁石セット)を構成する。このため、合計16個の磁石収容部40が設けられる。
【0020】
永久磁石90は、フェライト磁石、アルニコ磁石、希土類磁石などを用いることができる。希土類磁石としては、ネオジム(Nd)-鉄(Fe)-ホウ素(B)を主成分とするネオジウム磁石を好適に用いることができる。ネオジウム磁石は、磁束密度が高く非常に強い磁力を有することから、電気自動車などのような大きな出力が必要とされるモータ1に好適である。また、別な永久磁石90として、耐食・耐熱性の観点からサマリウムコバルト磁石(SmCo磁石)を用いることもできる。
【0021】
図5および図6を参照して、ネオジウム磁石の形状の温度変化について説明する。図5は、断面矩形のネオジウム磁石の線膨張係数を磁化方向と非磁化方向とに分けて模式的に示した図である。図6は、図5のネオジウム磁石の温度を、低温(-55℃)から高温(150℃)へ変化させたときの形状変化を模式的に示した図である。図6の奥側墨塗り部分がN極、手間白塗り部分がS極の例であり、磁化方向は図中y軸方向である。
【0022】
本実施形態において、ネオジウム磁石の磁化方向(図5中矢印Dで表記する)は断面矩形の長手方向、非磁化方向(磁化方向と垂直方向)は短手方向である。ネオジウム磁石の成分比率にもよるが、一般的に、線膨張係数は、磁化方向に大きく、非磁化方向に小さい。非磁化方向には、マイナスになる傾向が強い。例えば図5に示すように、磁化方向の線膨張係数は7ppm/K、非磁化方向の線膨張係数は-2ppm/Kである。図6に示すように、低温(-55℃)から高温(150℃)までネオジウム磁石を加熱すると、ネオジウム磁石の形状は、磁化方向(y軸と平行な方向)に伸び、非磁化方向(x、z軸と平行な方向)に縮む。その結果、低温に比べて高温のネオジウム磁石の形状は、図示で上下方向(磁化方向)に縦長の形状になる。
【0023】
このとき、そのような膨張特性によって発生した内部応力により、永久磁石90を固定する樹脂材料(第2の樹脂硬化物52)にクラックが生じる虞がある。温度変化により永久磁石90の周囲に生じる応力を計算した結果、主に磁石角に強い応力が生じることが確認できた。そこで、後述するように、磁石収容部40に永久磁石90を固定する樹脂材料(第2の樹脂硬化物52)の特性を、永久磁石90の形状の温度変化を踏まえた適正なものとする。
【0024】
<磁石収容部40>
ロータコア11は、一端から他端まで連通する磁石収容部40を複数(ここでは16個)の磁石収容部40を有する。磁石収容部40には直方体の永久磁石90が収容される。
【0025】
図7及び図8を参照して、磁石収容部40についてより具体的に説明する。図7図4の領域A1の拡大図であって、永久磁石90が収容された磁石収容部40の状態を示す。図8図7から永久磁石90を取り除いた状態(永久磁石90が収容されていない状態)の磁石収容部40の状態を示す。
【0026】
磁石収容部40は、永久磁石90の形状および配置に対応して設けられている。すなわち、一対の永久磁石90は、V字の姿勢で配置されていることから、一対の磁石収容部40がV字形状になるように設けられている。
磁石収容部40は、永久磁石90の断面形状(すなわち長方形)とは少し異なる開口形状を有する。その開口形状は、ロータ10の仕様に応じた磁路形状に対応するように設定される。
【0027】
磁石収容部40は、永久磁石90が収容される第1の空孔部41と、第1の空孔部41と一体に回転軸方向に延在する第2の空孔部42(42a、42b)とを有する。第2の空孔部42(42a、42b)には、エンドプレート50を構成する樹脂組成物の硬化物(第2の樹脂硬化物)が充填される。
【0028】
第1の空孔部41は、平面視で永久磁石90の断面形状と同様の長方形の領域である。
2つの第2の空孔部42(42a、42b)は、第1の空孔部41が呈する長方形の両短辺から突出するように略三角形の断面形状で設けられている。ここではV字状の外側に設けられる第2の空孔部(A)42aが、内側の第2の空孔部(B)42bよりも大きく形成されている。
【0029】
第2の空孔部42(42a、42b)の形状は、断面三角形状に限定する趣旨ではなく、各種の形状が採用できる。また、第2の空孔部42の回転軸方向において断面同一形状であるが、これに限定する趣旨では無く、一部が別形状であったり、大きく又は小さく形成されてもよい。永久磁石90を磁石収容部40(第1の空孔部41)に収容した状態で第2の樹脂硬化物により固定できれば、様々な形状を採用できる。ただし、ロータコア11に要求される磁気特性や磁石収容部40に充填される第2の樹脂硬化物の樹脂材料の特性(例えば充填時の流動性)に応じて形状は最適化されうる。
【0030】
<エンドプレート50>
エンドプレート50は、ロータコア部22の軸方向の端部すなわち端面12に設けられる樹脂製の板材であって、磁石収容部40に収容された永久磁石90を覆うことで、永久磁石90が外部に飛び出すことを防止する。
より具体的にはエンドプレート50は、樹脂組成物の硬化物(以下、第1の樹脂硬化物51)から形成される。エンドプレート50は、磁石収容部40に充填される樹脂組成物の硬化物(以下、第2の樹脂硬化物52という)と別体に構成されてもよいし、一体に構成されてもよい。ここでは、第1の樹脂硬化物51と第2の樹脂硬化物52とが一体に構成されている例を説明する。
【0031】
第1の樹脂硬化物51は、ロータコア11の端面12において永久磁石90を覆って設けられた環状のプレートであって、ロータコア11の端部側から視たときに回転対称性を有している。ここでは、エンドプレート50は、磁石収容部40(第1の空孔部41、第2の空孔部42)を完全に覆うように、かつ全ての磁石収容部40に対して共通に一つ設けられている。言い換えると、第1の樹脂硬化物51と全ての第2の樹脂硬化物52とは一体に構成されている。
【0032】
エンドプレート50の第1の樹脂硬化物51は、環状形状の径方向外縁が、磁石収容部40の外縁に沿うように設けられている。すなわち、第1の樹脂硬化物51の外縁は、永久磁石90のV字形状の配置に対応して、ちょうどV字の中央で径方向内側に凹状になっており、V字の端部では、ロータコア11の端面12の外縁の略同一の位置になっている。なお、エンドプレート50の外縁と永久磁石90の端面までに所定幅の樹脂が形成されており、本実施形態では距離L2が2mmでとすることができる。さらに、第1の樹脂硬化物51の径方向の幅Lは、略同一である。つまり、第1の樹脂硬化物51の内縁は、外縁の凹凸に追従するように、凹凸している。
【0033】
第1の樹脂硬化物51の厚みは、モータ1の仕様により適宜設定されるが、例えば、1mm以上10mm以下とすることができる。本実施形態では、例えば3mmとすることができる。
【0034】
<第2の樹脂硬化物52>
第2の樹脂硬化物52は、第1の樹脂硬化物51と一体に構成されており磁石収容部40の第2の空孔部42に充填されている。すなわち、磁石収容部40(第1の空孔部41)に収容された永久磁石90の周面を第2の樹脂硬化物52で覆うことで、永久磁石90を磁石収容部40に強固に接着させることができる。
【0035】
<第1および第2の樹脂硬化物51、52の材料>
エンドプレート50は、樹脂材料の硬化物(第1および第2の樹脂硬化物51、52)によって構成される。エンドプレート50に用いられる樹脂材料は、熱伝導性の良い樹脂材料であることが望ましく、1種類の樹脂または部材毎に複数種の樹脂の組み合わせとすることができる。
【0036】
また、第2の樹脂硬化物52に収容された永久磁石90を適切に固定し、さらにモータ1の運用によって、その固定状態が劣化しないことが求められる。すなわち、モータ1は、その使用環境によって、または自身の動作によって、過酷な温度環境に晒される。上述したように、永久磁石90の磁化方向と非磁化方向とでは温度による形状変化が大きく異なる。そこで、第2の樹脂硬化物52として、そのような形状変化を考慮した材料が選択される。
例えば、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂からなる群より選択される1種または2種の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0037】
フェノール樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。
【0038】
エポキシ樹脂としては、一分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に分子量や構造は限定されるものではない。
エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンのような芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂;アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂;フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、またはビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ-アジペイド等の脂環式エポキシ等の脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用しても良い。
エポキシ樹脂を含む場合、芳香族環にグリシジルエーテル構造あるいはグリシジルアミン構造が結合した構造を含むものが、耐熱性、機械特性、および耐湿性の観点から好ましい。
【0039】
また、エポキシ樹脂として、150℃におけるICI粘度が5poise以上のエポキシ樹脂が含まれることが好ましい。ICI粘度を上記範囲とすることで、エポキシ樹脂のガラス転移温度Tgを高めることができる。
【0040】
硬化剤は、熱硬化性樹脂に好ましい態様として含まれるエポキシ樹脂が選択される場合に、三次元架橋させるために用いられるものである。硬化剤としては、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂を用いることができる。このようなフェノール樹脂系硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではない。
フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
【0041】
無機充填剤としては、ケース材に用いられる樹脂組成物の技術分野で一般的に用いられる無機充填剤(フィラーや強化繊維)を使用することができる。無機充填剤としては、例えば溶融破砕シリカ及び溶融球状シリカ等の溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレイ、マイカ、ロックウール、ウォラストナイト、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、セルロース、アラミド、木材、フェノール樹脂成形材料やエポキシ樹脂成形材料の硬化物を粉砕した粉砕粉等が挙げられる。この中でも、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ等のシリカが好ましく、溶融球状シリカがより好ましい。また、この中でも、炭酸カルシウムがコストの面で好ましい。無機充填剤としては、一種で使用しても良いし、または二種以上を併用してもよい。
【0042】
無機充填剤の含有量が、前記固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して、80質量%以上とすることができる。これによって、固定用樹脂組成物のガラス転移温度Tgを高くし、モータ1の使用環境に十分に耐えうる特性を実現できる。
【0043】
触媒(D)は、特に限定されず、例えば、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩を有する化合物、イミダゾール系化合物等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらの中でも、無機充填剤の含有量を上記の範囲のように高い場合に、特に優れた触媒としての機能を有するイミダゾール系化合物が好ましい。イミダゾール系化合物としては、特に限定されず、例えば、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、1-ビニル-2-メチルイミダゾール、1-プロピル-2-メチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、1-シアノメチル-2-メチル-イミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらの中でも、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、および2-エチル-4-メチルイミダゾールであることが好ましい。イミダゾール系化合物を用いることで、エポキシ樹脂のガラス転移温度Tgを高めることができる。
【0044】
<第1および第2の樹脂硬化物51、52の物性>
第1の樹脂硬化物51及び第2の樹脂硬化物52の物性について説明する。以下、第2の樹脂硬化物52の物性を代表して説明する。
第2の樹脂硬化物52を、-55℃から150℃まで変化させたときの伸びが、-40℃を基準として0.2%以下である。
【0045】
図9は、樹脂材料よび磁石の温度による形状変化(ここでは伸び)の例を示すグラフである。樹脂材料として、樹脂Aおよび樹脂Bの2種類を示し、樹脂Aが本実施形態で提案するものであって、後述する実施例の実施例1に相当する。樹脂Bが後述する実施例の比較例1に相当する。磁石として、ネオジウム磁石(Nd磁石)およびサマリウムコバルト磁石(SmCo磁石)を、それぞれ磁化方向と非磁化方向について示している。ネオジウム磁石(Nd磁石)は、上述したように、非磁化方向については、温度上昇とともに伸びがマイナスとなり、磁化方向と比較して非磁化方向について樹脂材料との伸びの差が大きくなる。
【0046】
永久磁石90を磁石収容部40に固定する樹脂材料(第2の樹脂硬化物52)の温度変化による伸びを、上述のようなこのような範囲とすることで、永久磁石90の温度による形状変化との差を、クラック等の不具合が発生しない範囲にすることができる。
【0047】
特に、-55℃から150℃まで変化させたときに、永久磁石90の伸びと第2の樹脂硬化物52の伸びとの差が0.3%以下とすることで、クラック等の不具合発生を効果的に抑制できる。なお、上述のように、永久磁石90の磁化方向の伸びと非磁化方向の伸びとが異なる場合、永久磁石90の伸びと第2の樹脂硬化物52の伸びとの差の算出に用いられる永久磁石90の伸びは、非磁化方向の伸びである。
【0048】
第2の樹脂硬化物52の伸びを上記範囲とするために、25℃から80℃の平均線膨張係数が6~10ppm/Kとすることができる。また、150℃から175℃の平均線膨張係数が15~30ppm/Kとすることができる。
【0049】
第2の樹脂硬化物52について、ラボプラストミルを用いて測定した、測定温度175℃における最低溶融トルクが0.5Nm以下とすることができる。これによって、上述のように無機充填剤の含有量が、固定用樹脂組成物の合計値100質量%に対して80質量%以上となるような場合であっても、混練負荷が上昇してしまうことを抑制でき、生産性が低下することを回避できる。
【0050】
<モータ1の特徴・機能のまとめ>
本実施形態のモータ1、特にロータコア11の特徴についてロータの構造に着目して纏めて説明する。
[1]
回転電機(モータ1)のロータ10に設けられた磁石収容部40に磁石(永久磁石90)を収容し固定するために用いられる、磁石固定用の樹脂組成物(第2の樹脂硬化物52)であって、
-55℃から150℃まで変化させたときの伸びが、-55℃を基準として0.2%以下である樹脂組成物。
永久磁石90を磁石収容部40に固定する第2の樹脂硬化物52の温度変化(伸び)を上記範囲にすることで、第2の樹脂硬化物52にクラック等が発生し永久磁石90の固定力が低下することを抑制できる。
[2]
25℃から80℃の平均線膨張係数が6~10ppm/Kである、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
150℃から175℃の平均線膨張係数が15~30ppm/Kである、[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
ラボプラストミルを用いて測定した、測定温度175℃における最低溶融トルクが0.5Nm以下である、[1]から[3]までのいずれか1に記載の樹脂組成物。
[5]
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、
触媒(D)と、を含み、
前記無機充填剤(C)の含有量が、前記磁石固定用の樹脂組成物の合計値100質量%に対して、80質量%以上である、[1]から[4]までのいずれか1に記載の樹脂組成物。
[6]
前記無機充填剤(C)は球状シリカである、[5]に記載の樹脂組成物。
[7]
前記触媒(D)は、イミダゾール系化合物である、[5]または[6]に記載の樹脂組成物。
[8]
前記熱硬化性樹脂(A)の前記エポキシ樹脂として、150℃におけるICI粘度が5poise以上であるエポキシ樹脂を含む、[5]または[6]に記載の樹脂組成物。
[9]
前記磁石(永久磁石90)としてネオジウム磁石が前記磁石収容部40に収容され固定されている、[1]から[8]までのいずれか1に記載の樹脂組成物。
[10]
磁石(永久磁石90)を収容する磁石収容部40を有し、前記磁石収容部40に前記磁石(永久磁石90)を収容したロータ10であって、[1]から[9]までのいずれか1に記載の樹脂組成物を用いて、前記磁石(永久磁石90)を前記磁石収容部40に固定する、ロータ10。
[11]
-55℃から150℃まで変化させたときに、前記磁石(永久磁石90)の伸びと前記樹脂組成物の伸びとの差が0.3%以下である、[10]に記載のロータ10。
[12]
前記磁石(永久磁石90)の磁化方向の伸びと非磁化方向の伸びとが異なる場合、前記磁石(永久磁石90)の伸びは非磁化方向の伸びである、[11]に記載のロータ。
【0051】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例0052】
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
【0053】
<樹脂材料の実施例>
永久磁石90の磁石収容部40への固定のための好適な樹脂組成物を評価するために実施例1および比較例1の材料について評価した。表1に実施例1及び比較例1の材料の成分、物性および評価結果を示す。評価は、評価1「ラボプラストミルを用いて測定した、測定温度175℃における最低溶融トルクの測定」と評価2「成形体(硬化体)の-55℃~150℃の温度サイクル後のクラックの有無判定」である。
【0054】
<素材の準備>
まず、用いた素材について説明する。
【0055】
(無機充填材)
・無機充填材1:溶融球状シリカ1
・無機充填材2:溶融破砕シリカ1(平均粒径14μm)
・無機充填材3:溶融破砕シリカ(平均粒径35μm)
【0056】
(カップリング剤)
シランカップリング剤1:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
シランカップリング剤2:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン加水分解物
シランカップリング剤3:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
シランカップリング剤4:3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン
【0057】
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂2:オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
【0058】
(硬化剤)
・フェノール樹脂系硬化剤1:ノボラック型フェノール樹脂
・フェノール樹脂系硬化剤2:ノボラック型フェノール樹脂
【0059】
(硬化促進剤(触媒))
・硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン
・硬化促進剤2:2-イミダゾール系硬化促進剤
・硬化促進剤3:テトラフェニルホスホニウム・4,4’-スルホニルジフェノラート
【0060】
(その他添加剤)
・ステアリン酸ワックス
・カルナバワックス1
・カルナバワックス2
・カーボンブラック
・ハイドロタルサイト
・トリアゾール化合物
・低応力剤1
【0061】
次に、これらの各成分を混練・粉砕し、成形材料を得た。なお、各成分の特性、配合比率等は、表1に示す通りである。
【0062】
【表1】
【0063】
成形材の評価:
次に、得られた成形材料について、次の評価1、2を行った。
(1)評価1:
株式会社東洋精機製作所製「ラボプラストミル(混錬・押出性試験装置)」を用いて、実施例1および比較例1の溶融時の粘度挙動を確認した。ここでは、測定温度175℃における、最低溶融トルク(単位)を測定した。図10に測定結果のグラフを示す。
最低溶融トルクは、実施例1では0.33Nmであり、実施例2では0.67Nmであり、比較例1では0.77Nmであった。
【0064】
(2)評価2:
実施例1、2および比較例1で得られた成形材料を低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、サンプル形状(外径130mm、内径60mm、高さ30mm)の円柱状成形物を得た。
次いで、得られた試験片(円柱状成形物)について、成形後のクラックの有無の判定を行った。一般には磁石露出面にクラックが発生するため、今回ではロータ全極の磁石露出面の磁石4角部に発生したクラック割合を算出した。図11に磁石露出面(図11(a))および磁石4角部(図11(b))の具体的な位置を示す。
表2に評価2の結果を示す。実施例1,2と比較例1ではクラック割合の差が確認でき、実施例1,2が16%程度有利であった。
【0065】
【表2】
【符号の説明】
【0066】
1 モータ
2 シャフト
3 ハウジング
4 ベアリング
6 ステータ
10 ロータ
11 ロータコア
12 端面
18 嵌合凸部
19 シャフト用開口
40 磁石収容部
41 第1の空孔部
42 第2の空孔部
42a 第2の空孔部(A)
42b 第2の空孔部(B)
90 永久磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11