(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126136
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】車両ネットワークの情報処理方法及び車両ネットワークの情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0816 20220101AFI20240912BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20240912BHJP
H04L 61/5007 20220101ALI20240912BHJP
H04L 61/3015 20220101ALI20240912BHJP
B61L 25/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04L41/0816
H04L12/28 100A
H04L61/5007
H04L61/3015
B61L25/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034330
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】501166371
【氏名又は名称】株式会社交通電業社
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】矢野 善一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 英樹
【テーマコード(参考)】
5H161
5K033
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161DD20
5H161FF01
5H161GG03
5H161GG13
5H161GG23
5K033AA03
5K033AA09
5K033BA06
5K033BA08
5K033EC01
5K033EC03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】鉄道車両の併結後のカメラの位置を特定し、ネットワーク負荷を軽減させながら乗務員の運転を支援する車両ネットワークの情報処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数の車両部を併結する際の車両ネットワークについての情報処理方法であって、各車両部の各制御器に同一のネットワークアドレスを付与するステップS2と、各車両部の各デバイスに位置情報を含むIDを登録するステップS4と、各車両部が併結したときに複数の制御器の中から1つの制御器を稼働させ、残りの制御器を停止させて、稼働中の制御器が車両ネットワークに接続された各デバイスに対して再起動を要求するのステップS10と、再起動の後にネットワークアドレスが割り当てられた各デバイスが稼働中の制御器に対してIDを送信するステップと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御器と複数のデバイスとを備える複数の車両部を併結する際の車両ネットワークについての情報処理方法であって、
前記各車両部の前記各制御器に同一のネットワークアドレスを付与する第1のステップと、
前記各車両部の前記各デバイスに位置情報を含むIDを登録する第2のステップと、
前記各車両部が併結したときに前記複数の制御器の中から1つの制御器を稼働させ、残りの前記制御器を停止させて、前記稼働中の前記制御器が前記車両ネットワークに接続された前記各デバイスに対して再起動を要求する第3のステップと、
前記再起動の後に前記ネットワークアドレスが割り当てられた前記各デバイスが前記稼働中の前記制御器に対して前記IDを送信する第4のステップと、
を備えることを特徴とする車両ネットワークの情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の車両ネットワークの情報処理方法において、
前記再起動の後に前記ネットワークアドレスが割り当てられた前記デバイスに対して情報送信を要求する第6のステップと、
前記情報送信が要求された前記デバイスから前記稼働中の前記制御器に対してデータを送信する第7のステップと、
を備えることを特徴とする車両ネットワークの情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の車両ネットワークの情報処理方法において、
前記デバイスが故障した際に交換後の新しい前記デバイスに同一の前記IDを登録する第8のステップと、
前記制御器が前記車両ネットワークに接続された前記各デバイスに対して再起動を要求する第9のステップと、
前記再起動の後にネットワークアドレスが割り当てられた前記各デバイスが前記稼働中の前記制御器に対して前記IDを送信する第10のステップと、
を備えることを特徴とする車両ネットワークの情報処理方法。
【請求項4】
複数の制御器と複数のデバイスとを備える複数の車両部を併結する際の車両ネットワークについての情報処理装置であって、
前記各車両部の前記各制御器に同一のネットワークアドレスを付与するIP付与処理部と、
前記各車両部の前記各デバイスに位置情報を含むIDを登録するID登録処理部と、
前記各車両部が併結したときに前記複数の制御器の中から1つの制御器を稼働させ、残りの前記制御器を停止させて、前記稼働中の前記制御器が前記車両ネットワークに接続された前記各デバイスに対して再起動を要求する再起動要求処理部と、
前記再起動の後にネットワークアドレスが割り当てられた前記各デバイスが前記稼働中の前記制御器に対して前記IDを送信するID送信処理部と、
を備えることを特徴とする車両ネットワークの情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ネットワークの情報処理方法及び車両ネットワークの情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道業界では、乗務員が1名で運転するワンマン車両を増やして必要な乗務員数を削減することで固定費を抑えたいという要望がある。このような要望に応えるために、例えば、乗務員が1名で運転する場合の安全運転を支援するカメラシステムの開発がなされている。このようなカメラシステムでは、例えば、車両内外に設置したカメラの映像を乗務員室のモニタ端末に表示するなどの機能により、乗務員の運転を支援するようなシステムがある。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、隣接する車両におけるネットワーク制御装置間で通信を行うことにより、車両全体の編成(どの車両がどの位置にいるのか)及び当該車両の端末装置(監視カメラ、ドア制御器、モータなど)を監視又は制御する方式が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、鉄道車両において無線通信と各車両に設置されたGPSで特定される車両の位置情報を使い、鉄道車両が単独編成であるか、2つ以上が併結しているかを自動的に検出する方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5595768号公報
【特許文献2】特開2022-70678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなカメラシステムでは、ネットワークの負荷を軽減するために、制御器が指定したカメラに対して映像データの送信を要求する。しかしながら、鉄道車両では車両同士の分割・併結があり、併結が行われると制御器においてカメラの位置が特定できなくなるという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、鉄道車両を併結した場合であっても併結後のカメラの位置を特定し、ネットワーク負荷を軽減させながら乗務員の運転を支援することを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車両ネットワークの情報処理方法は、複数の制御器と複数のデバイスとを備える複数の車両部を併結する際の車両ネットワークについての情報処理方法であって、 前記各車両部の前記各制御器に同一のネットワークアドレスを付与する第1のステップと、前記各車両部の前記各デバイスに位置情報を含むIDを登録する第2のステップと、前記各車両部が併結したときに前記複数の制御器の中から1つの制御器を稼働させ、残りの前記制御器を停止させて、前記稼働中の前記制御器が前記車両ネットワークに接続された前記各デバイスに対して再起動を要求する第3のステップと、前記再起動の後に前記ネットワークアドレスが割り当てられた前記各デバイスが前記稼働中の前記制御器に対して前記IDを送信する第4のステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る車両ネットワークの情報処理方法において、前記再起動の後に前記ネットワークアドレスが割り当てられた前記デバイスに対して前記IDの送信を要求する第6のステップと、前記IDの送信が要求された前記デバイスから前記稼働中の前記制御器に対して前記IDを送信する第7のステップと、を備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る車両ネットワークの情報処理方法において、前記デバイスが故障した際に交換後の新しい前記デバイスに同一の前記IDを登録する第8のステップと、前記制御器が前記車両ネットワークに接続された前記各デバイスに対して再起動を要求する第9のステップと、前記再起動の後にネットワークアドレスが割り当てられた前記各デバイスが前記稼働中の前記制御器に対して前記IDを送信する第10のステップと、を備えることが好ましい。
【0011】
また、車両ネットワークの情報処理装置は、複数の制御器と複数のデバイスとを備える複数の車両部を併結する際の車両ネットワークについての情報処理装置であって、前記各車両部の前記各制御器に同一のネットワークアドレスを付与するIP付与処理部と、前記各車両部の前記各デバイスに位置情報を含むIDを登録するID登録処理部と、前記各車両部が併結したときに前記複数の制御器の中から1つの制御器を稼働させ、残りの前記制御器を停止させて、前記稼働中の前記制御器が前記車両ネットワークに接続された前記各デバイスに対して再起動を要求する再起動要求処理部と、前記再起動の後にネットワークアドレスが割り当てられた前記各デバイスが前記稼働中の前記制御器に対して前記IDを送信するID送信処理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、鉄道車両を併結した場合であっても併結後のカメラの位置を特定し、ネットワーク負荷を軽減させながら乗務員の運転を支援することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置を示す図である。
【
図2】車両ネットワークの情報処理装置1により2つの車両部4を併合した後の様子を示す図である。
【
図3】本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置の制御器の構成を示す図である。
【
図4】本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置において、複数の車両部を併結した際の車両ネットワークの情報処理の手順を示すフローチャートである。
【
図5】本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置において、制御器が各デバイスにIPアドレスを付与している様子を示す図である。
【
図6】本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置において、制御器が各デバイスから位置情報を取得している様子を示す図である。
【
図7】本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置において、2つの車両部4の併合前の様子を示す図である。
【
図8】本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置において、2つの車両部4の併合後の様子を示す図である。
【
図9】本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置において、2つの車両部4の併合後に制御器が各デバイスから位置情報を取得している様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0015】
図1は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1を示す図である。
図2は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1により2つの車両部4を併合した後の様子を示す図である。
図3は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1の制御器10の構成を示す図である。
【0016】
図4は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1において、複数の車両部4を併結した際の車両ネットワークの情報処理の手順を示すフローチャートである。
【0017】
図5は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1において、制御器10が各デバイス2にIPアドレスを付与している様子を示す図である。
図6は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1において、制御器10が各デバイス2から位置情報を取得している様子を示す図である。
【0018】
図7は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1において、2つの車両部4の併合前の様子を示す図である。
図8は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1において、2つの車両部4の併合後の様子を示す図である。
図9は、本発明に係る車両ネットワークの情報処理装置1において、2つの車両部4の併合後に制御器10が各デバイス2から位置情報を取得している様子を示す図である。
【0019】
車両ネットワークの情報処理装置1は、複数の車両部4を併結した際の車両ネットワークについての情報処理を行う機能を有する。
【0020】
図1に示されるように、例えば、4両編成の1つの車両部4では、前方に位置する前方車両と、後方に位置する後方車両に制御器10及び複数のデバイス2が設けられており、前方車両と後方車両の間に位置する2つの中間車両には複数のデバイス2が設けられている。
【0021】
図2に示されるように、併結された2つの車両部4では、稼働している制御器10は1つのみであり、他の制御器10は停止している。
図2に示される例では、左側が前方車両の車両部4であり、この車両部4の制御器10が稼働しており、残りの制御器10(右側の後方車両)は停止している。
【0022】
各制御器10と各デバイス2とは、イーサネット(登録商標)の規格に基づいたネットワーク6により接続されている。これにより、各制御器10と各デバイス2とは、データ通信が可能となっている。
【0023】
デバイス2は、ここでは、映像記録装置2aと映像解析装置2bとカメラ2cと備えているものとして説明するが、もちろん、その他の装置や機器を含んでもよい。
【0024】
各デバイス2は、ロータリースイッチを有しており、GPIOがロータリースイッチの値を識別することで位置情報を得ることが出来る。位置情報は、例えば、5桁の数値で表示することができ、5つのロータリースイッチで設定する。
【0025】
5桁の数値のうち、編成を示す数値(2桁)と車両番号を示す数値(1桁)でどの車両内の装置であるかが特定できる。また、5桁の数値のうち、場所を示す数値(1桁)によって車両内のどの位置に設置した装置であるかが特定でき、種別を示す数値(1桁)によってどのような装置(映像記録装置2a、映像解析装置2b、カメラ2c等)であるのかを特定することが出来る。
【0026】
制御器10は、通信ドライバ18を介してネットワーク6に接続されている。ネットワーク6上には各デバイス2が接続されている。
【0027】
制御器10は、短小振幅・低消費電力で比較的高速の差動インターフェースであるLVDSドライバ部12と、デジタルデータを1ビットずつ順次伝送するシリアル通信部14とを備えており、車掌室のモニタ13に映像を出力する機能を有する。制御器10は、併合ボタン20とデジタル入力部18を介して接続されている。
【0028】
制御器10は、併合ボタン20が操作されたか否かを検知する併合検知機能と、ネットワーク6に接続された各デバイス2に対して再起動の指令を与える再起動指令機能とを有する。なお、併合ボタン20は、2つの車両部4を併結する際に、車掌が手動操作する物理スイッチである。
【0029】
また、制御器10は、各デバイス2に対してIPアドレス(ネットワークアドレス)を自動的に与えるDHCP機能と、当該IPアドレスが与えられた各デバイス2から夫々の位置情報を取得する位置情報取得機能と、IPアドレスと位置情報とを関連づけた管理テーブルに記憶するIP管理機能を有する。なお、IPアドレスと位置情報とを関連づけた管理テーブルは記憶部11に記憶される。
【0030】
図3に示されるように、制御器10は、上記のような併合検知機能、再起動指令機能、DHCP機能、位置情報取得機能、IP管理機能を実行するための演算処理を行う演算処理装置16と必要なプログラムなどが記憶された記憶部11を備えている。
【0031】
図5に示されるように、2つの車両部4が併結されると、右側の後方の車両部4の制御器10を停止する。ここで、併合ボタン20の操作がなされたことを左側の前方の車両部4の制御器10が検知すると、前方の車両部4の制御器10から各デバイス2に再起動要求が与えられた後、前方の車両部4の制御器10からネットワーク6に繋がる各デバイス2に新たなIPアドレスが割り振られた様子を示している。
【0032】
例えば、
図5及び
図6に示されるように、前方の車両部4の映像記録装置2a(ID:09111)に192.168.1.3、映像解析装置2b(ID:09112)に192.168.1.5、カメラ2cに192.168.1.7(ID:09143)のIPアドレスが割り振られる。
【0033】
また、後方の車両部4の映像記録装置2a(ID:77211)に192.168.1.50、映像解析装置2b(ID:77212)に192.168.1.55、カメラ2c(ID:77243)に192.168.1.58のIPアドレスが割り振られる。
【0034】
その後、
図6に示されるように、制御器10は、IPアドレスが与えられたデバイス2からIDを取得し、IPアドレス(192.168.1.3=IP3、192.168.1.5=IP5、192.168.1.3=IP7、192.168.1.50=IP50、192.168.1.55=IP55、192.168.1.58=IP58)と共に記憶部11の管理テーブルにおいて管理する。
【0035】
続いて、上記構成の車両ネットワークの情報処理装置1の作用について説明する。
図4に示されるように、最初に、各車両部4に搭載された制御器10は、全て同一のIPアドレス(例えば、192.168.1.1)で起動する(S2)。
【0036】
次に、各デバイス2は位置情報を示すIDを登録する(S4)。具体的には、各デバイス2に搭載されたロータリースイッチを設定することで、各デバイス2の位置情報などを登録することが出来る。
【0037】
ここで、2つの車両部4が分割された状態で運行する場合、各制御器10ともに稼働しており、各制御器10のDHCP機能、位置情報取得機能、IP管理機能が実行されることで、
図7に示されるように、各車両部4ともに別々のIP管理テーブルにて管理されることになる。
【0038】
S4の工程の後は、制御器10において、2つの車両部4が併合されて併合ボタン20が操作されたか否かを判断する(S6)。S6の工程において、制御器10が併合を検知していない場合は、S12の工程へと進む。
【0039】
なお、2つの車両部4が併結された直後は、
図8に示されるように、後方の車両部4の制御器10は停止している状態となるが、前方の車両部4の制御器10は、後方の車両部4の各デバイス2のIPアドレスと位置情報を管理できていない状態となる。
【0040】
S6の工程において、制御器10が併合を検知した場合には、制御器10は、管理データを消去して初期化を行い(S8)、前方車両の稼働中の制御器10は、ネットワーク6に繋がる各デバイス2にブロードキャストにより再起動指令を送信する(S10)。
【0041】
その後、各デバイス2は自己リセットを行ってIPアドレスを消去して再起動をした後(S12)、各デバイス2は位置情報を示すIDを取得して保持する(S14)。
【0042】
S14の工程の後は、各デバイス2は制御器10から再びIPアドレスが割り当てられ、各デバイス2は制御器10から割り当てられたIPを取得する(S16)。
【0043】
制御器10は、デバイス2に上記のようにIPを割り当てるとともに、記憶部11の管理データにIPアドレスを追加し(S18)、制御器10は付与したIPアドレスに対応するデバイス2から位置情報を取得する(S20)。
【0044】
そして、各デバイス2は制御器10に位置情報を送信し(S22)、制御器10はIP管理データに位置情報を追加する(S24)。これにより、
図9に示されるように、後方の車両部4の各デバイス2にもIPアドレスが再び付与されて、各デバイス2の位置情報と共に前方の車両部4の管理テーブルに記憶される。
【0045】
以上のように、車両ネットワークの情報処理装置1によれば、2つの車両部4の制御器10のIPアドレスが統一されているため、分割して運行していた後に併結し、前方の車両部4の制御器10が稼働し、後方の車両部4の制御器10が停止した場合に、アクセス先である制御部10のIPアドレスが統一されているため、後方の車両部4のデバイス2は自動的に前方の車両部4の制御器10にアクセスできる。
【0046】
すなわち、車両ネットワークの情報処理装置1によれば、2つの車両部4の併結に伴うネットワーク構築を自動で行い、ネットワーク6上に繋がる各デバイス2の装置の位置情報やアクセス先(IPアドレス)を把握することができ、併結後も夫々のデバイス2を制御することが可能である。
【0047】
また、2つの車両部4を併結することで接続されるカメラ2cの台数が増えることでトラフィックが増加するが、車両ネットワークの情報処理装置1によれば、確認が不要であるカメラ2cの映像出力を停止し、必要な情報のみを出力することができるため、トラフィックを抑えることが出来るという顕著な効果を奏する。
【0048】
なお、ここでは、併結する車両は2つの車両部4であるものとして説明したが、2つに限定されず、3つ以上の車両部4を併結した場合にも同様の効果を奏する。
【0049】
また、車両ネットワークの情報処理装置1において、デバイス2(例えば、カメラ2c)が故障した際に、新しいデバイス2(カメラ2c)に交換する際に、新しいデバイス2(カメラ2c)に交換前のデバイス2と同一のIDを登録することが好ましい。このように同一のIDを登録した後、制御器10がネットワーク6に接続された各デバイス2に対して再起動を要求し、各デバイス2の再起動の後にネットワークアドレスが再び割り当てられた各デバイス2が制御器10に対してIDを送信することで交換前と同じ環境で通信を行うことが出来る。ここで、この新しいデバイス2は既にネットワークアドレスが設定されている中古品を想定しているため、各デバイス2を再起動している。ネットワークアドレスが設定されていない未使用品である場合には、交換したデバイス2と同一のIDを登録したのち、制御器10は交換したデバイスに対してネットワークアドレスを割り当て、制御器10は交換したデバイスから登録したIDを取得する。このため、各デバイス2を再起動する必要はない。
【符号の説明】
【0050】
1 情報処理装置、2 デバイス、2a 映像記録装置、2b 映像解析装置、2c カメラ、4 車両部、6 ネットワーク、10 制御器、11 記憶部、12 LVDSドライバ部、13 モニタ、14 シリアル通信部、16 演算処理装置、18 通信ドライバ、18 デジタル入力部、20 併合ボタン。