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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126139
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】飲料製造装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/07 20060101AFI20240912BHJP
   A47J 43/044 20060101ALI20240912BHJP
   A47J 31/42 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A47J43/07
A47J43/044
A47J31/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034333
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】強瀬 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】松本 尚男
【テーマコード(参考)】
4B053
4B104
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA14
4B053BB01
4B053BC01
4B053BE01
4B053BL20
4B104AA25
4B104DA07
4B104DA51
4B104EA01
4B104EA07
(57)【要約】
【課題】撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部に対する負荷を小さくすることが可能な飲料製造装置を提供する。
【解決手段】この飲料製造装置100では、制御部4は、飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で撹拌部2を回転させるとともに、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で撹拌部2を回転させるように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用原料が入った容器が載置される容器載置部と、
上下方向に沿って延びる回転軸線回りに回転される回転軸と、前記回転軸の下端に設けられ、前記回転軸の回転に伴って回転する刃部とを含み、前記容器載置部に載置された前記容器内の前記飲料用原料を撹拌して、液状の飲料を製造する撹拌部と、
前記撹拌部によって前記飲料用原料を撹拌する際に、前記容器の上部の開口を覆う蓋部と、
前記撹拌部を上下方向に移動させるとともに、前記撹拌部を回転させることにより前記飲料用原料を撹拌する制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら前記飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で前記撹拌部を回転させるとともに、前記所定位置より下方側の位置において下降しながら前記飲料用原料を撹拌する際は、前記第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で前記撹拌部を回転させるように構成されている、飲料製造装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記飲料用原料の前記撹拌開始位置から上下方向における前記所定位置まで下降しながら前記飲料用原料を撹拌する際は、前記第1の回転速度で、かつ第1段階における下降距離で、前記撹拌部を複数回にわたって下降させるとともに、前記所定位置より下方側の位置において下降しながら前記飲料用原料を撹拌する際は、前記第2の回転速度で、かつ前記第1段階における下降距離とは異なる第2段階における下降距離で、複数回にわたって前記撹拌部を下降させるように構成されている、請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記飲料用原料の前記撹拌開始位置から上下方向における前記所定位置まで下降しながら前記飲料用原料を撹拌する際は、前記第1の回転速度で、かつ複数の前記第1段階における下降距離で、前記撹拌部を複数回にわたって下降させるとともに、前記所定位置より下方側の位置において下降しながら前記飲料用原料を撹拌する際は、前記第2段階における回転速度で、かつ複数の前記第2段階における下降距離で、複数回にわたって前記撹拌部を下降させるように構成され、
前記複数の第1段階における下降距離の平均値は、前記複数の第2段階における下降距離の平均値よりも小さく設定されている、請求項2に記載の飲料製造装置。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記第1段階における下降距離の最大値が前記飲料用原料の上下方向の最大長さの2分の1以下となるように、前記撹拌部を複数回にわたって下降しながら前記飲料用原料を撹拌するように構成されている、請求項2に記載の飲料製造装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の第1段階における下降距離の最大値が前記飲料用原料の上下方向の最大長さの5分の1以下となるように、前記撹拌部を複数回にわたって下降しながら前記飲料用原料を撹拌するように構成されている、請求項4に記載の飲料製造装置。
【請求項6】
前記制御部は、飲料の製造開始時は、前記撹拌部の前記刃部の下端が前記容器の上端よりも上方に位置するように前記撹拌部を下降させて停止させた位置である前記撹拌開始位置から前記所定位置まで下降しながら、前記第1の回転速度で前記撹拌部を回転させて前記飲料用原料を撹拌するように構成されているとともに、前記撹拌開始位置から、前記撹拌部の前記刃部の上端が、前記容器の上端よりも下方に位置する前記所定位置まで下降しながら、前記第1の回転速度で前記撹拌部を回転させて前記飲料用原料を撹拌するように構成されている、請求項1に記載の飲料製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料製造装置に関し、特に、飲料用原料を撹拌して液状の飲料を製造する撹拌部を備える飲料製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料用原料を撹拌して液状の飲料を製造する撹拌部を備える飲料製造装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、容器保持部と撹拌部と蓋部とを備える飲料製造装置が開示されている。特許文献1の飲料製造装置では、容器保持部に保持された容器内の凍った状態の野菜および果物と、氷とを含む飲料用原料を撹拌部が撹拌することにより、液状の飲料(スムージ)が製造される。また、特許文献1では、撹拌部が飲料用原料を撹拌する際に、蓋部が容器の開口を覆うことにより、撹拌部により巻き上げられた撹拌中の飲料用原料が容器から飲料用製造装置外に飛散することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-30610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、巻き上げられた撹拌中の飲料用原料が飲料用製造装置外に飛散しないように撹拌時に容器の開口部を蓋部で覆うため、撹拌により巻き上げられた飲料用原料に含まれる固形の飲料用原料が蓋部に衝突する場合がある。また、スムージを製造する場合、飲料用原料は冷凍されているため硬い固形物を含む。このため、蓋部に衝突した飲料用原料の大きさと、巻き上げられた飲料用原料の移動速度とによっては、蓋部に過度に負荷がかかる。そこで、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部に対する負荷を小さくすることが求められている。
【0006】
上記課題を解決するために、この発明の1つの目的は、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部に対する負荷を小さくすることが可能な飲料製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による飲料製造装置は、飲料用原料が入った容器が載置される容器載置部と、上下方向に沿って延びる回転軸線回りに回転される回転軸と、回転軸の下端に設けられ、回転軸の回転に伴って回転する刃部とを含み、容器載置部に載置された容器内の飲料用原料を撹拌して、液状の飲料を製造する撹拌部と、撹拌部によって飲料用原料を撹拌する際に、容器の上部の開口を覆う蓋部と、撹拌部を上下方向に移動させるとともに、撹拌部を回転させることにより飲料用原料を撹拌する制御を行う制御部と、を備え、制御部は、飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で撹拌部を回転させるとともに、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で撹拌部を回転させるように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による飲料製造装置では、上記のように、制御部は、飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で撹拌部を回転させるとともに、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で撹拌部を回転させるように構成されている。これにより、硬い飲料用原料が存在する部分で回転速度を遅くすることができるため、たとえば、蓋部に近い飲料用原料の撹拌開始位置から所定位置までの間に硬い飲料用原料が存在する場合は、第2の回転速度よりも第1の回転速度を遅くすることにより、撹拌部により巻き上げられた飲料用原料の移動速度を小さくすることができる。また、所定位置よりも下方側に硬い飲料用原料が存在する場合は、第2の回転速度を第1の回転速度よりも遅くすることにより、撹拌部により巻き上げられた飲料用原料の移動速度を小さくすることができる。これらの結果、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部に対する負荷を小さくすることができる。
【0009】
上記一の局面による飲料製造装置において、好ましくは、制御部は、飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で、かつ第1段階における下降距離で、撹拌部を複数回にわたって下降させるとともに、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第2の回転速度で、かつ第1段階における下降距離とは異なる第2段階における下降距離で、複数回にわたって撹拌部を下降させるように構成されている。このように構成すれば、たとえば、第1段階における下降距離を第2段階における下降距離も小さく設定した場合に、第1段階における下降距離で撹拌部を複数回にわたって下降しながら飲料用原料を撹拌することにより、飲料用原料を段階的に破砕しながら撹拌することができる。これにより、蓋部に衝突する飲料用原料の大きさをより小さくすることができる。また、たとえば、容器の底部に存在する飲料用原料が硬い場合に第2段階における下降距離を第1段階における下降距離よりも小さく設定することにより、飲料用原料を段階的に破砕しながら撹拌することができる。これにより、蓋部に衝突する飲料用原料の大きさをより小さくすることができる。これらの結果、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部に対する負荷をより小さくすることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、制御部は、飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で、かつ複数の第1段階における下降距離で、撹拌部を複数回にわたって下降させるとともに、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第2段階における回転速度で、かつ複数の第2段階における下降距離で、複数回にわたって撹拌部を下降させるように構成され、複数の第1段階における下降距離の平均値は、複数の第2段階における下降距離の平均値よりも小さく設定されている。このように構成すれば、複数の第1段階における下降距離の平均値が、複数の第2段階における下降距離の平均値よりも小さいことにより、第1段階における移動距離で複数回下降する場合に、1回あたりの移動距離を小さくしつつ、移動の回数を増やすことができる。これにより、飲料用原料を細かく破砕しながら撹拌することができるため、破砕された飲料用原料の大きさを効果的に小さくすることができるとともに、巻き上げられた飲料用原料の移動速度を小さくすることができる。この結果、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部に対する負荷を効果的に小さくすることができる。
【0011】
上記一の局面による飲料製造装置において、好ましくは、制御部は、複数の第1段階における下降距離の最大値が飲料用原料の上下方向の最大長さの2分の1以下となるように、撹拌部を複数回にわたって下降しながら飲料用原料を撹拌するように構成されている。このように構成すれば、第1段階における撹拌部の下降距離を飲料用原料の最大長さよりも小さくすることができるため、上下方向の最大長さが大きい飲料用原料の底面側に撹拌部の刃部が位置することを抑制することができる。これにより、第1段階において、撹拌部の刃部が飲料用原料を底面側から押し上げることに起因して、飲料用原料が巻き上げられることを効果的に抑制することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、制御部は、複数の第1段階における下降距離の最大値が飲料用原料の上下方向の最大長さの5分の1以下となるように、撹拌部を複数回にわたって下降しながら飲料用原料を撹拌するように構成されている。このように構成すれば、第1段階における撹拌部の下降距離を飲料用原料の最大長さよりもより小さくすることができるため、上下方向の最大長さが大きい飲料用原料に加えて、上下方向の最大長さが小さい飲料用原料の底面側に撹拌部の刃部が位置することを抑制することができる。これにより、第1段階において、撹拌部の刃部が飲料用原料を底面側から押し上げることに起因して、飲料用原料が巻き上げられることをより効果的に抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による飲料製造装置において、好ましくは、制御部は、飲料の製造開始時は、撹拌部の刃部の下端が容器の上端よりも上方に位置するように撹拌部を下降させて停止させた位置である撹拌開始位置から所定位置まで下降しながら、第1の回転速度で撹拌部を回転させて飲料用原料を撹拌するように構成されているとともに、撹拌開始位置から、撹拌部の刃部の上端が、容器の上端よりも下方に位置する所定位置まで下降しながら、第1の回転速度で撹拌部を回転させて飲料用原料を撹拌するように構成されている。このように構成すれば、撹拌部は、飲料用原料の上方から飲料用原料を粉砕しながら、撹拌を開始することができる。これにより、撹拌部の刃部を確実に飲料用原料の上部に接触させることができるため、撹拌部の刃部が飲料用原料を底面側から押し上げることに起因して、飲料用原料が巻き上げられることを確実に抑制することができる。また、撹拌部の刃部の上端が、容器の上端よりも下方に位置する所定位置までは、蓋部と飲料用原料との距離が小さく、撹拌により巻き上げられた飲料用原料が蓋部に衝突しやすい。そのため、所定位置まで第1の回転速度を第2の回転速度よりも遅くして、撹拌することにより、撹拌部により巻き上げられた飲料用原料が衝突しやすい所定位置までは、巻き上げられた飲料用原料の移動速度を小さくすることができるため、蓋部に飲料用原料が衝突した際の蓋部の負荷を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、上記のように、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部に対する負荷を小さくすることが可能な飲料製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態による飲料製造装置の構成を示す斜視図である。
図2】本実施形態による飲料製造装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態による飲料製造装置の構成を示す断面図である。
図4】蓋部を説明するための断面斜視図である。
図5】蓋部のリブ部を説明するための斜視図である。
図6】蓋部の篏合部を説明するための断面斜視図である。
図7】撹拌部の回転条件の変更を説明するための図である。
図8】撹拌部の撹拌開始位置を説明するための図である。
図9】所定位置を説明するための図である。
図10】飲料を製造する際の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
[本実施形態]
図1図9を参照して、本実施形態による飲料製造装置100の構成について説明する。
【0018】
図1および図2に示すように、飲料製造装置100は、容器5内の飲料用原料を破砕し、液状の飲料を製造する装置である。飲料用原料は、たとえば、野菜や果物を凍らせた凍結物を含む。また、飲料は、たとえば、凍結した野菜および果物を撹拌して製造された液状であるスムージなどを含む。
【0019】
飲料製造装置100は、たとえば、コンビニエンスストアなどの店舗に配置され、店舗の顧客などの利用者により利用される。飲料用原料は、冷凍されており、飲料用原料を収容した容器5は、冷凍庫内に保存される。また、保存のときに容器5は、上部の開口部を覆う包装材が設けられている。包装材を開封することにより、容器5の上部の開口部が開放される。利用者は、容器5内に飲料用原料が収容された状態で、容器5を飲料製造装置100に配置し、飲料製造開始の操作を行う。飲料製造開始の操作は、たとえば、図示しない操作部による入力でもよく、図示しないセンサまたは撮影部により容器5に印字または貼付された情報コードを読み込むことにより入力を受け付けてもよい。飲料製造開始の操作が行われると、飲料製造装置100は、容器5内の飲料用原料を撹拌し、破砕して飲料を製造する。ここで、飲料製造装置100において、利用者が位置する側を前側(Y1側)とし、その反対側を後側(Y2側)とし、前後方向をY方向とする。また、水平方向において前後方向と直交する方向を左右方向(X方向)とし、前後方向および左右方向に直交する方向を上下方向(Z方向)とする。
【0020】
図1および図2に示すように、飲料製造装置100は、装置本体10内に、容器載置部1と、撹拌部2と、蓋部3と、制御部4とを備える。
【0021】
装置本体10は、直方体の形状を有している。装置本体10の正面側の上方(Z1側)には表示部11が設けられているとともに、下方(Z2側)には扉部12が設けられている。
【0022】
図2および図3に示すように、容器載置部1は、容器5が載置される。容器載置部1は、第1移動機構1aを含み、第1移動機構1aにより前後方向(Y方向)に移動する。容器載置部1は、洗浄用容器9とともにトレイ8の上面に配置される。第1移動機構1aは、トレイ8の下方に配置される。そのため、第1移動機構1aにより、容器載置部1と洗浄用容器9とが一体的に前後方向に移動される。容器載置部1は、洗浄用容器9よりも正面側(Y1側)に配置される。第1移動機構1aは、たとえば、ラックアンドピニオン機構である。
【0023】
撹拌部2は、容器載置部1に載置された容器5内の飲料用原料を撹拌することにより飲料を製造するように構成されている。撹拌部2は、回転軸2aと、刃部2bと、第2移動機構2cと、台座部2dと、駆動源2eとを含む。回転軸2aの下端に、刃部2bが設けられている。回転軸2aは、上端側に設けられた駆動源2eにより回転軸線α回りに回転するように構成されており、回転軸2aの回転に伴って刃部2bが回転する。これにより、容器5内の飲料用原料が破砕されながら、撹拌される。また、駆動源2eは、台座部2dに載置されている。台座部2dは、第2移動機構2cと接続されているため、第2移動機構2cが上下方向に移動することにより、台座部2dがZ方向に移動する。台座部2dがZ2方向に下降することにより、台座部2dの下方に設けられたばね部2fが収縮し、回転軸2aおよび刃部2bが下降する。また、台座部2dがZ1方向に移動することにより、ばね部2fが伸長し、回転軸2aおよび刃部2bが上昇する。第2移動機構2cは、たとえば、すべりねじである。
【0024】
蓋部3は、本体部3aと、支持部3bを含む。本体部3aは、容器5の開口部を覆うように構成されている。蓋部3は、回転軸2aの周囲に設けられる。本体部3aは、回転軸2aが上下移動可能な挿入部3eが設けられている。支持部3bの上面は、第2移動機構2cの下端と接続されており、第2移動機構2cの駆動に伴って支持部3bが上下方向に移動する。また、第2移動機構2cの駆動に伴って支持部3bが下降する際に、支持部3bは本体部3aを押し下げて、下降させる。これにより、本体部3aが容器5の開口部を覆う。
【0025】
蓋部3は、弾性変形可能な所定の硬さを有する樹脂で構成されている。蓋部3は、たとえば、コポリエステル樹脂で構成される。これにより、蓋部3に負荷がかかった場合に変形することにより、割れが生じることを抑制できる。また、蓋部3は、変形しても元の形状に戻るため、繰り返し使用することができる。
【0026】
図4に示すように、蓋部3は、下方側(Z2側)に破砕した飲料用原料が撹拌部2の回転と合わせて回転することによる共回りを防止するための段差部3cが設けられている。蓋部3は、段差部3cの機能を維持しつつ、強度を向上させるために段差部3cが設けられる壁部3dの厚みaが大きく設計される。壁部3dの厚みaは、たとえば、3mm以上に調整される。蓋部3は、略同じ形状の二つの部材を組み合わせて製造される。蓋部3は、二つの部材が組み合わされた状態で、下側にシール部材が取り付けられる。シール部材は、二つの部材を固定する円環状(リング状)の固定部材と、固定部材に設けられ、容器5の上部開口に当接する円環状(リング状)の当接部材とを有する。蓋部3は、組み合わされた状態で撹拌部2の回転軸2aを取り囲む挿入部3eを有する。挿入部3eの厚みbは、強度を向上させるために大きいほうが好ましい。たとえば、挿入部3eの厚みbは、3mm以上に設定される。
【0027】
図5に示すように、蓋部3は、外周面に強度を補強するためのリブ部3fが設けられている。リブ部3fの厚みcは、強度を向上させるために大きいほうが好ましい。たとえば、リブ部3fの厚みcは、3mm以上に設定されている。
【0028】
図6に示すように、蓋部3は、二つの部材を組み合わせたときに互いに嵌合する篏合部3gを有する。篏合部3gの厚みdは、強度を向上させるために大きいほうが好ましい。たとえば、篏合部3gの厚みdは、3mm以上に設定される。また、蓋部3を構成する2つの部材のうち一方は、組み合わされた場合に、他方の上面を覆うことにより飲料用原料の飛散を防止する。蓋部3の厚みa~dの各々を大きくすることにより、蓋部3を取り外して洗浄する場合に他部材と衝突し、破損等が生じることを抑制することができる。
【0029】
図2に示すように、制御部4は、CPU(Central Processing Unit)4aと記憶部4bとを含む。CPU4aは、第1移動機構1aと、第2移動機構2cと、駆動源2eとの動作を制御するように構成されている。記憶部4bは、第1移動機構1aと、第2移動機構2cと、駆動源2eとの動作プログラムが記憶されている。
【0030】
図7に示すように、制御部4は、撹拌部2を制御して下降させて、飲料用原料を破砕しながら撹拌して飲料を製造する。制御部4は、撹拌部2の下降と、下降の停止と、飲料用原料の撹拌との順で下降と撹拌との動作を繰り返して、容器5の底面近傍まで撹拌部2を下降させる。また、制御部4は、所定位置を境界に、所定位置までの撹拌部2の第1回転条件から所定値よりも下方における撹拌部2の第2回転条件に変更する。
【0031】
飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際の第1回転条件としては、制御部4は、第1の回転速度で撹拌部2を回転させるとともに、撹拌部2を第1段階における下降距離で複数回にわたって下降させる。なお、図7では、簡略化して撹拌部2の刃部2bおよび容器5のみを示している。
【0032】
第1段階における下降距離は、所定範囲内で複数設定される。第1段階における下降距離の最大値は、飲料用原料の上下方向の最大長さの2分の1以下、より好ましくは、5分の1以下に設定される。たとえば、飲料用原料の上下方向の最大長さが25mmとすると、5mm以下の範囲に設定される。第1段階における下降距離は、複数回の全てで同じ距離でもよく、一部同じであってもよい。たとえば、3mm下降させた後、2mm下降させてもよく、3mmずつ下降させてもよい。
【0033】
図8に示すように、撹拌開始位置は、撹拌部2の刃部2bの下端22が容器5の上端5aよりも上方に位置するように撹拌部2を下降させて停止させた位置である。たとえば、撹拌部2の刃部2bの下端22が容器5の上端5aに到達する下降距離が50mmとすると、撹拌部2を45mm下降させた位置を撹拌開始位置に設定してもよい。図8では、簡略化して撹拌部2の刃部2bおよび容器5のみを示している。
【0034】
図9に示すように、所定位置は、撹拌部2の刃部2bの上端21が、容器5の上端5aよりも下方に位置する位置である。所定位置は、撹拌開始位置から少なくとも刃部2bの上下方向の長さ分下降させた位置である。図9では、簡略化して撹拌部2の刃部2bおよび容器5のみを示している。
【0035】
図7に示すように、制御部4は、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際の第2回転条件としては、第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で撹拌部2を回転させるとともに、撹拌部2を第2段階における下降距離で複数回にわたって下降させる。制御部4は、撹拌部2の刃部2bの下端22が容器5の底面に接触しない位置まで撹拌部2を下降させる。この時、図7に示すように、制御部4は、撹拌部2の上昇と下降とを繰り返してもよい。
【0036】
第2段階における下降距離は、所定範囲内で複数設定される。第2段階における下降距離は、第1段階における下降距離とは異なる。本実施形態では、第1段階における下降距離は、第2段階における下降距離も小さい。特に、飲料用原料が破砕された液体がすでに製造されている底面近傍では第2段階における下降距離を大きくして、飲料用原料全体に刃部2bを接触させて破砕しながら撹拌するのが好ましい。たとえば、底面近傍では、70mm程度にしてもよい。そのため、複数の第1段階における下降距離の平均値は、複数の第2段階における下降距離の平均値よりも小さく設定されている。第2段階における下降距離は、第1段階における下降距離と同様に、複数回の全てで同じ距離でもよく、一部同じであってもよい。
【0037】
制御部4の記憶部4bには、複数段階における回転速度が記憶されている。たとえば、5段階で一番遅い回転速度を1番とし、一番速い回転速度を5番として記憶されている。本実施形態では、第1の回転速度は、第2の回転速度よりも遅い。たとえば、第1の回転速度は、たとえば、2番の回転速度であり、16000rpmである。また、第2の回転速度は、たとえば、5番目の回転速度であり、24000rpmである。図7の丸で囲った数字は、回転速度を示している。
【0038】
図3に示すように、装置本体10内には、貯水タンク6と、貯水タンク6から容器5および洗浄用容器9に水を供給するための導水管7とが設けられている。導水管7は、貯水タンク6と容器5とを接続する第1導水管7aと、貯水タンク6と洗浄用容器9とを接続する第2導水管7bとを含む。飲料製造時は、第1導水管7aによって水(または湯)が供給される。なお、飲料製造時に、牛乳および豆乳などの水以外の液体を供給する場合は、貯水タンク6とは別に供給タンクと、供給管とを設けてもよい。
【0039】
洗浄用容器9は、撹拌部2の刃部2bを洗浄するための容器である。撹拌部2の刃部2bを洗浄する際は、洗浄用容器9の開口部を蓋部3が覆う。また、貯水タンク6から洗浄用容器9内に水が供給されている状態で、撹拌部2が洗浄用容器9内で回転することにより刃部2bが洗浄される。また、洗浄用容器9内の下方には、排水孔が設けられており、排水孔から洗浄後の水が排水タンク20に排水される。
【0040】
表示部11は、飲料製造装置100に関する情報を表示する。また、表示部11は、タッチパネルを含み、利用者の操作を受け付けてもよい。扉部12は、制御部4によって開閉状態を制御される。
【0041】
(飲料の製造)
図10に基づいて、飲料製造時における制御部4の制御について説明する。
【0042】
ステップS1では、制御部4は、飲料製造開始の操作を受け付けることにより、扉部12を開状態にするとともに、第1移動機構1aを制御して、容器載置部1を前側に移動させる。
【0043】
ステップS2では、制御部4は、容器載置部1に容器5が載置されたことにより、第1移動機構1aを制御して容器載置部1を初期位置に移動させる。制御部4は、飲料の製造開始の操作を受け付けた場合に、容器載置部1を初期位置に移動させる。初期位置とは、容器5の直上に撹拌部2が位置する位置であり、好ましくは、容器5の中心が、回転軸2aの回転軸線α上に位置する位置である。また、制御部4は、扉部12を閉状態にする。
【0044】
ステップS3では、制御部4は、第2移動機構2cを制御して蓋部3を容器5の開口部まで下降させる。制御部4は、第2移動機構2cを制御して蓋部3の本体部3aを容器5の開口部を覆う位置まで下降させる。この時、撹拌部2も下降する。
【0045】
ステップS4では、制御部4は、第2移動機構2cを制御して撹拌部2を撹拌開始位置まで下降させる。この時、蓋部3は、下降しない。なお、この時、液体が供給される。
【0046】
ステップS5では、制御部4は、駆動源2eを制御して、撹拌部2を第1の回転速度で回転させる。なお、図10では、ステップS4とステップS5との順で記載しているが、ステップS4とステップS5とが同時に行われてもよく、ステップS5がステップS4よりも先に行われてもよい。
【0047】
ステップS6では、制御部4は、第2移動機構2cを制御して第1段階における下降距離で撹拌部2を下降させる。
【0048】
ステップS7では、制御部4は、第2移動機構2cを制御して第1段階における下降距離で撹拌部2を所定値まで下降させたことを取得する。取得の方法は、予め移動量の合計の閾値が記憶部4bにされており、移動量の合計が閾値に達したことで取得してもよく、飲料製造開始からの経過時間で取得してもよい。
【0049】
ステップS8では、制御部4は、駆動源2eを制御して、撹拌部2を第2の回転速度で回転させる。
【0050】
ステップS9では、制御部4は、第2移動機構2cを制御して第2段階における下降距離で撹拌部2を下降させる。
【0051】
ステップS10では、制御部4は、撹拌部2を容器5の底面近傍まで下降させる。そしてステップS11として、撹拌部2の刃部2bの下端22が容器5の上端5a近傍に位置するように撹拌部2を上昇させる。そして、制御部4は、第2の回転速度で撹拌部2を回転させて、刃部2bに付着した飲料用原料または飲料用原料を破砕した粘性のある液状の飲料用原料を容器5内に落下させる。
【0052】
ステップS12では、制御部4は、第2の回転速度で撹拌部2を回転させて、刃部2bに付着した飲料用原料または飲料用原料を破砕した粘性のある液状の飲料用原料を容器5内に落下させた後に、第2移動機構2cを制御して、撹拌部2と蓋部3とを最初の位置まで上昇させる。これにより、飲料の製造が終了する。
【0053】
制御部4は、扉部12を開状態にし、容器載置部1を前方へ移動させる。これにより、利用者は、飲料の入った容器5を取り出すことができる。利用者が飲料を取り出した後は、容器載置部1を移動させずに扉部12を閉じる。この場合、撹拌部2の下方には洗浄用容器9が配置されているため洗浄用容器9の内部に撹拌部2を下降させて、撹拌部2の刃部2bを洗浄する。洗浄が終了後、制御部4は、容器載置部1を初期位置まで移動させる。これにより、次の飲料を製造することが可能となる。
【0054】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0055】
本実施形態では、上記のように、制御部4は、飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で撹拌部2を回転させるとともに、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で撹拌部2を回転させるように構成されている。これにより、硬い飲料用原料が存在する部分で回転速度を遅くすることができるため、たとえば、蓋部3に近い飲料用原料の撹拌開始位置から所定位置までの間に硬い飲料用原料が存在する場合は、第2の回転速度よりも第1の回転速度を遅くすることにより、撹拌部2により巻き上げられた飲料用原料の移動速度を小さくすることができる。また、所定位置よりも下方側に硬い飲料用原料が存在する場合は、第2の回転速度を第1の回転速度よりも遅くすることにより、撹拌部2により巻き上げられた飲料用原料の移動速度を小さくすることができる。これらの結果、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部3に対する負荷を小さくすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で、かつ第1段階における下降距離で、撹拌部2を複数回にわたって下降させるとともに、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第2の回転速度で、かつ第1段階における下降距離とは異なる第2段階における下降距離で、複数回にわたって撹拌部2を下降させるように構成されている。これにより、たとえば、第1の回転速度を第2の回転速度よりも遅くし、第1段階における下降距離を第2段階における下降距離も小さく設定した場合に、第1段階における下降距離で撹拌部2を複数回にわたって下降しながら飲料用原料を撹拌することにより、飲料用原料を段階的に破砕しながら撹拌することができる。これにより、蓋部3に衝突する飲料用原料の大きさをより小さくすることができる。また、たとえば、容器5の底部に存在する飲料用原料が硬い場合に第2段階における下降距離を第1段階における下降距離よりも小さく設定することにより、飲料用原料を段階的に破砕しながら撹拌することができる。これにより、蓋部3に衝突する飲料用原料の大きさをより小さくすることができる。これらの結果、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部3に対する負荷をより小さくすることができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、飲料用原料の撹拌開始位置から上下方向における所定位置まで下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第1の回転速度で、かつ複数の第1段階における下降距離で、撹拌部2を複数回にわたって下降させるとともに、所定位置より下方側の位置において下降しながら飲料用原料を撹拌する際は、第2段階における回転速度で、かつ複数の第2段階における下降距離で、複数回にわたって撹拌部2を下降させるように構成され、複数の第1段階における平均値は、複数の第2段階における平均値よりも小さく設定されている。これにより、第1段階における、飲料用原料を細かく破砕しながら撹拌することができるため、破砕された飲料用原料の大きさを効果的に小さくすることができるとともに、巻き上げられた飲料用原料の移動速度を小さくすることができる。この結果、撹拌時に巻き上げられた飲料用原料の衝突による蓋部3に対する負荷を小さくすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、複数の第1段階における下降距離の最大値が飲料用原料の上下方向の最大長さの2分の1以下となるように、撹拌部2を複数回にわたって下降しながら飲料用原料を撹拌するように構成されている。これにより、第1段階における撹拌部2の下降距離を飲料用原料の最大長さよりも小さくすることができるため、上下方向の最大長さが大きい飲料用原料の底面側に撹拌部2の刃部2bが位置することを抑制することができる。これにより、第1段階において、撹拌部2の刃部2bが飲料用原料を底面側から押し上げることに起因して、飲料用原料が巻き上げられることを効果的に抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、複数の第1段階における下降距離の最大値が飲料用原料の上下方向の最大長さの5分の1以下となるように、撹拌部2を複数回にわたって下降しながら飲料用原料を撹拌するように構成されている。これにより、第1段階における撹拌部2の下降距離を飲料用原料の最大長さよりもより小さくすることができるため、上下方向の最大長さが大きい飲料用原料に加えて、上下方向の最大長さが小さい飲料用原料の底面側に撹拌部2の刃部2bが位置することを抑制することができる。これにより、第1段階において、撹拌部2の刃部2bが飲料用原料を底面側から押し上げることに起因して、飲料用原料が巻き上げられることをより効果的に抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、飲料の製造開始時は、撹拌部2の刃部2bの下端22が容器5の上端5aよりも上方に位置するように撹拌部2を下降させて停止させた位置である撹拌開始位置から所定位置まで下降しながら、第1の回転速度で撹拌部2を回転させて飲料用原料を撹拌するように構成されているとともに、撹拌開始位置から、撹拌部2の刃部2bの上端21が、容器5の上端5aよりも下方に位置する所定位置まで下降しながら、第1の回転速度で撹拌部2を回転させて飲料用原料を撹拌するように構成されている。これにより、撹拌部2は、飲料用原料の上方から飲料用原料を粉砕しながら、撹拌を開始することができる。これにより、撹拌部2の刃部2bを確実に飲料用原料の上部に接触させることができるため、撹拌部2の刃部2bが飲料用原料を底面側から押し上げることに起因して、飲料用原料が巻き上げられることを確実に抑制することができる。また、撹拌部2の刃部2bの上端21が、容器5の上端5aよりも下方に位置する所定位置までは、蓋部3と飲料用原料との距離が小さく、撹拌により巻き上げられた飲料用原料が蓋部3に衝突しやすい。そのため、所定位置まで第1の回転速度を第2の回転速度よりも遅くして、撹拌することにより、撹拌部2により巻き上げられた飲料用原料が衝突しやすい所定位置までは、巻き上げられた飲料用原料の移動速度を小さくすることができるため、蓋部3に飲料用原料が衝突した際の蓋部3の負荷を小さくすることができる。
【0061】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0062】
たとえば、上記実施形態では、飲料がスムージである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、飲料が、凍結していない果物および野菜を用いたジュースでもよく、果物と野菜とアイスクリームとを混合したシェイクであってもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、第1段階における下降距離の平均値が第2段階における下降距離の平均値よりも小さい例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、第1段階における下降距離の平均値が第2段階における下降距離の平均値と同じであってもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、飲料の製造開始位置は、撹拌部の刃部の下端が容器の上端よりも上方に位置するように撹拌部を下降させて停止させた位置である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、飲料の製造開始位置は、撹拌部の刃部の下端が容器の上端と略同じ位置に位置するように撹拌部を下降させて停止させた位置でもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、第1の回転速度は、第2の回転速度よりも遅い例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、第1の回転速度は、第2の回転速度よりも速くてもよい。具体的には、容器の上端部近傍に固い飲料用原料がない場合、または、一度溶けたものが冷凍された場合に、所定位置よりも下方に存在する飲料用原料が、所定位置よりも上方に存在する飲料用原料よりも硬くなる場合がある。このような場合に、第2の回転速度を第1の回転速度よりも遅くすることにより、飲料用原料の大きさを小さくしつつ、巻き上げられた際の移動速度を遅くすることができる。
【0066】
また、上記実施形態では、第1段階における下降距離が、第2段階における下降距離よりも小さい(下降距離の平均値が小さい)例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、第1段階における下降距離が、第2段階における下降距離よりも大きく(下降距離の平均値が大きく)てもよい。具体的には、容器の上端部近傍に固い飲料用原料がない場合、または、一度溶けたものが冷凍された場合に、所定位置よりも下方に存在する飲料用原料が、所定位置よりも上方に存在する飲料用原料よりも硬くなる場合がある。このような場合に、第2段階における移動距離を小さくすることにより、飲料用原料の大きさを段階的に小さくすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 容器載置部
2 撹拌部
2a 回転軸
2b 刃部
3 蓋部
4 制御部
5 容器
100 飲料製造装置
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図9
図10