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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126157
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】型枠パネル供給台、および施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/16 20060101AFI20240912BHJP
   E04G 11/06 20060101ALI20240912BHJP
   E04B 2/86 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
E04G21/16
E04G11/06 A
E04B2/86 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034366
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和裕
(72)【発明者】
【氏名】山本 敏明
【テーマコード(参考)】
2E150
2E174
【Fターム(参考)】
2E150BA24
2E150BA28
2E150CA03
2E150DA42
2E150EA04
2E150FA23
2E150GA03
2E150GB01
2E150HC01
2E150HG01
2E150MA02X
2E174AA01
2E174BA03
2E174EA07
(57)【要約】
【課題】施工性を向上させることのできる型枠パネル供給台を提供する。
【解決手段】型枠パネル供給台10は、芯材146に対してロール状に巻き取られた型枠パネル110を巻き出す。型枠パネル供給台10は、台座14に対して鉛直軸回りに回転可能に配置された回転テーブル16と、台座14から回転テーブル16の中心孔16bを通って上方に突出する芯棒18とを有する。芯材146の中空部146aに芯棒18が挿入されることにより型枠パネル110が回転テーブル16に載置される。台座14と回転テーブル16との間には、両者を相対的に回転可能に支持する複数のキャスター20が設けられている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材に対してロール状に巻き取られた型枠パネルを巻き出す型枠パネル供給台であって、
台座に対して鉛直軸回りに回転可能に配置された回転テーブルと、
前記台座から前記回転テーブルの中心孔を通って上方に突出する芯棒と、
を有し、
前記芯材の中空部に前記芯棒が挿入されることにより前記型枠パネルが前記回転テーブルに載置される
ことを特徴とする型枠パネル供給台。
【請求項2】
前記台座と前記回転テーブルとの間には、両者を相対的に回転可能に支持する複数のキャスターが設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の型枠パネル供給台。
【請求項3】
前記芯棒の上端部は前記中空部から上方に突出しており、該上端部には水平方向に突出するハンドルを有するアタッチメントが着脱可能となっている
ことを特徴とする請求項1に記載の型枠パネル供給台。
【請求項4】
前記芯棒と前記回転テーブルとは相対的な回転が可能となっている
ことを特徴とする請求項1または3に記載の型枠パネル供給台。
【請求項5】
前記型枠パネルは、
長辺同士が隣接するように組まれた短冊状の複数の板片を有し、
前記板片は、隣接するものの前記長辺同士が回転可能に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の型枠パネル供給台。
【請求項6】
前記型枠パネルは上向きに開口する断面コ字形状の下レールに嵌め込まれるものであって、
升目状に配設されるスラブ配筋を基準として前記回転テーブルの上面までの高さは、前記下レールにおける断面コ字を形成する外側の外片の上端までの高さより高い
ことを特徴とする請求項1に記載の型枠パネル供給台。
【請求項7】
請求項1,2,3,5,6のいずれか1項に記載の型枠パネル供給台を用いて前記型枠パネルを設置する施工方法であって、
前記台座は升目状に配設されるスラブ配筋の上に配置可能な面積を有しており、
前記芯材の中空部に前記芯棒を挿入して前記型枠パネルを前記回転テーブルに載置する載置工程と、
前記台座を前記スラブ配筋の上に配置した状態で、前記回転テーブルを回転させながら前記型枠パネルを巻き出してコンクリート基礎における立ち上がり部の壁面となる位置に設置するパネル工程と、
を有することを特徴とする施工方法。
【請求項8】
前記パネル工程における前記型枠パネルの巻き出し量に応じて前記型枠パネル供給台を移動させる
ことを特徴とする請求項7に記載の施工方法。
【請求項9】
前記型枠パネルの全てが巻き出された後に前記芯棒から前記芯材を取り外し、
芯材に対してロール状に巻き取られた新たな型枠パネル用いて、前記載置工程および前記パネル工程を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻き取られた型枠パネルを巻き出す型枠パネル供給台、および該型枠パネルを設置する施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の基礎には立ち上がり部がある。立ち上がり部を形成するためのコンクリート型枠として型枠パネルが用いられている。立ち上がり部の形成のためには型枠パネルを対向するように立設してその間にコンクリートを打設する。型枠パネルは、養生してコンクリートが硬化した後に脱型する場合とそのまま残置する場合とがある。型枠パネルを残置させる場合には、脱型の手間がなく、立ち上がり部の強度を補強することができ、さらにコンクリートを空気から遮断して酸化による劣化を抑制することができる。残置させる型枠パネルとしては、特許文献1に記載のものが挙げられる。この型枠パネルは、正面視で略正方形であって、多数の角波形状の断面を形成するように板材をプレスしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-7967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、立ち上がり部の壁面を覆うためには施工性の観点からパネル型枠の枚数が少ないことが望ましい。そのため、従来の1枚ごとのパネル型枠はある程度の長さを有しているが、長いパネル型枠は取り扱いが容易ではない。また、1面の立ち上がり部を複数枚の型枠パネルで覆う場合には、相互の型枠パネルをねじなどによって締結する必要がある。
【0005】
このような観点から本願発明者は型枠パネルを横方向に長尺なものとしてロール状に巻き取っておき、この状態から巻き出しながら連続的に設置することを検討している。しかしながら型枠パネルを横方向に長尺とするとその長さに応じて重量増となり、長い距離に応じて設置することは作業者の負担となってしまい施工上の課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、施工性を向上させることのできる型枠パネル供給台、および施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる型枠パネル供給台は、本発明にかかる型枠パネル供給台は、芯材に対してロール状に巻き取られた型枠パネルを巻き出す型枠パネル供給台であって、台座に対して鉛直軸回りに回転可能に配置された回転テーブルと、前記台座から前記回転テーブルの中心孔を通って上方に突出する芯棒と、を有し、前記芯材の中空部に前記芯棒が挿入されることにより前記型枠パネルが前記回転テーブルに載置されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる施工方法は、上記に記載の型枠パネル供給台を用いて前記型枠パネルを設置する施工方法であって、前記台座は升目状に配設されるスラブ配筋の上に配置可能な面積を有しており、前記芯材の中空部に前記芯棒を挿入して前記型枠パネルを前記回転テーブルに載置する載置工程と、前記台座を前記スラブ配筋の上に配置した状態で、前記回転テーブルを回転させながら前記型枠パネルを巻き出してコンクリート基礎における立ち上がり部の壁面となる位置に設置するパネル工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、型枠パネルが長くロール体がある程度の重量がある場合であっても、回転テーブルに載置することで回転させながら、無理のない姿勢のまま軽い力で巻き出すことができ、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】型枠パネル、該型枠パネルを含む型枠セット、および型枠セットによって形成される基礎の模式平面図である。
図2】外周部の周辺における型枠パネル、型枠セットおよび基礎の縦断面図である。
図3】中通り部の周辺における型枠パネル、型枠セットおよび基礎の縦断面図である。
図4】型枠パネルの斜視図である。
図5】2枚の型枠パネルの端部の拡大斜視図である。
図6】型枠パネルを形成する板片が2枚接続された状態を示し、(a)は基本状態の断面図であり、(b)は相対的に一方に回転した状態の断面図であり、(c)は相対的に他方に回転した状態の断面図である。
図7】型枠パネルを形成する板片が2枚接続された状態を示し、(a)は互いに最も接近した状態の断面図であり、(b)は互いに最も離間した状態の断面図である。
図8】ロール状に巻き取られた型枠パネルの斜視図である。
図9】本発明の実施態にかかる型枠パネル供給台を含む型枠パネル供給装置の側面図である。
図10】型枠パネル供給装置の平面図である。
図11】型枠パネル供給台にロール体を取り付ける様子を示す側面図である。
図12】型枠パネル供給装置から型枠パネルを巻き出しながら設置する工程の説明図であり、(a)はロール体のうち下レールから遠い側から巻き出しながら設置する例の説明図であり、(b)はロール体のうち下レールから近い側から巻き出しながら設置する例の説明図である。
図13】型枠パネルが巻き出された後に型枠パネル供給台から芯材を取り外す様子を示す側面図である。
図14】4つの閉領域を有する基礎の形成のために、各閉領域ごとに型枠パネルを設置する経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる型枠パネル供給台、および施工方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
本発明の実施形態にかかる型枠パネル供給台10は、図9図10に示すように、芯材146に対してロール状に巻き取られた型枠パネル110を巻き出すためのものである。型枠パネル110はコンクリート基礎の型枠として型枠セット112(図1参照)の一部として用いられるものである。ここでは型枠パネル供給台10の説明に先だって型枠パネル110および型枠セット112について説明する。
【0013】
図1は、型枠パネル110、該型枠パネル110を含む型枠セット112、および型枠セット112によって形成される基礎114の模式平面図である。基礎114はコンクリート基礎である。図2は、外周部118aの周辺における型枠パネル110、型枠セット112および基礎114の縦断面図である。図3は、中通り部118bの周辺における型枠パネル110、型枠セット112および基礎114の縦断面図である。図1図2図3は、型枠セット112に対してコンクリート打設を行った状態を示している。図1では、型枠パネル110が視認可能となるように上レール132を省略している。基礎114は、例えば戸建て住宅等のべた基礎であるが、布基礎であってもよい。
【0014】
図1図2図3に示すように、基礎114は、平面状に広がる耐圧版部116と、鉛直に起立する壁状の立ち上がり部118とを有している。立ち上がり部118の高さHおよび幅Wは規格化されている。立ち上がり部118は、耐圧版部116の縁に沿った外周部118aと、該外周部118aによって囲まれた範囲で耐圧版部116上に設けられる中通り部118bとに区分される。基礎114には、耐圧版部116内で升目状に配設されるスラブ配筋120と、立ち上がり部118内で上方に突出している立ち上がり配筋122とが設けられている。各図で示す基礎114は、耐圧版部116と立ち上がり部118とを1回のコンクリート打設で施工する例である。
【0015】
型枠セット112は、内周側の型枠パネル110、外周型枠パネル124、外周部枠支持部材126、立ち上がり部枠支持部材128、下レール130、上レール132、上端補強部材134および幅止め部材136を備えている。
【0016】
外周型枠パネル124は、外周部118aの外周面118aaを区画するものであり、基盤138の上に配置され、基盤138や地面等に固定したサポート部材139によって支持されている。外周型枠パネル124は、本体である板材124aと、該板材124aの外表面に取り付けた枠材124bとから構成されている。板材124aは、合板等の非金属によって成形した薄板状を成すものである。板材124aの内表面には、硬化したコンクリートとの離型性を向上させるため、樹脂製のフィルムを設けたり、離型材を塗布してもよい。外周型枠パネル124は複数枚が並列して配設され、相互間は保持金具140や枠材124bを貫通するねじなどによって連結されている。上端補強部材134は、幅止め部材136を介して外周型枠パネル124の上端部に配置するもので、枠材124bと同様、アルミニウム合金等の金属によって成形した角筒状に構成してある。
【0017】
型枠パネル110は、外周部118aの内周面118ab、中通り部118bの対向する両側の側面118baおよび中通り部118bの端面118bbを区画するものである。型枠パネル110は、内周面118ab、側面118baおよび端面118bbに沿って連続的に配設可能となっている。型枠パネル110は、外周部118aおよび中通り部118bによって閉じられた閉領域の全面を1枚で区画することが可能であるが、条件によっては一部に他のパネルを組み合わせて用いてもよい。
【0018】
型枠パネル110は、外周型枠パネル124と対面している箇所では外周部枠支持部材126によって下面が支持されている。外周部枠支持部材126は、支持部本体126a、固定用ネジ部材126bおよび支持片126cを備えている。支持部本体126aは外周型枠パネル124に取り付けられ、固定用ネジ部材126bを内周側に向けて突出するように保持する。外周部支持部材126は、型枠パネル110と外周型枠パネル124との間隔を保持する幅止め部材を兼ねている。
【0019】
支持片126cは、鉛直向きの屈曲部126caの下端から水平部126cbが延在しており、さらにその端部にレール受部127を有している。レール受部127は、上に開口するコ字(角型U字)形状であり、外壁127aと内壁127bとこれらの下端同士を水平に接続する底壁127cとを有している。底壁127cは下レール130よりわずかに幅が広く、レール受部127には下レール130が嵌め込まれて該下レール130および型枠パネル110の下面を支持する。外壁127aおよび内壁127bは対向しており、それぞれ下レール130の側面を支持するのに十分な高さを有している。なお、外壁127a、内壁127bの「外」および「内」とは、側方を型枠で仕切られたコンクリートの打設空間129を基準としている。後述する各部品についても同様である。
【0020】
下レール130は上方に開口するコ字形状の部材であり、外片130aと内片130bとの間で型枠パネル110がずれないように保持している。外片130aは内片130bよりやや高く、コンクリート打設時に型枠パネル110に対して内周向きの力が加わったときに該型枠パネル110を安定して支持することができる。ただし、施工条件により外片130aと内片130bとの高さを逆にしてもよい。下レール130は、例えばアルミニウム合金等による押し出し材である。
【0021】
上レール132は、外片132aと内片132bとの間で型枠パネル110の上部をずれないように保持している。上レール132は下レール130と同じものを上下逆向きにして適用可能である。幅止め部材136は、型枠パネル110及び外周型枠パネル124の上端部間に掛け渡すことにより、これらの相互間距離が変化する事態を防止する。幅止め部材136は、一端に上レール132を介して型枠パネル110の上端部を支持するレール受部137を有する。レール受部137は、下に開口するコ字形状であり、外壁137aと内壁137bとこれらの下端同士を水平に接続する底壁137cとを有している。レール受部137は上記のレール受部127と同形状かつ上下逆となっている。
【0022】
図3に示すように、型枠パネル110は、中通り部118bの側面118baを区画する箇所では立ち上がり部枠支持部材128によって下面が支持されている。立ち上がり部枠支持部材128は、基盤138に載置される脚部128aと、該脚部128aから上方に突出する2本の支柱128bと、これらの支柱128bによって水平に支持されている梁部128cとを有する。梁部128cの両端にはレール受部127が設けられている。レール受部127は外周部枠支持部材126におけるものと同じである。梁部128cおよび両端のレール受部127は対向する2枚の型枠パネル110の間隔を保持する幅止め部材を兼ねている。この箇所においても型枠パネル110の上部には上レール132が設けられる。また、この箇所においても型枠パネル110の上部同士は上レール132を介して幅止め部材136によって相互距離が保たれている。上記の幅止め部材136には一端にレール受部137が設けられているのに対し、この箇所の幅止め部材136では両端にレール受部137が設けられている。
【0023】
なお、基礎114を2回打設で施工する場合には、外周部枠支持部材126および立ち上がり部枠支持部材128を省略し、1回目の打設で形成された耐圧版部116の上面に下レール130を配設し、該下レール130に型枠パネル110を嵌め込んでもよい。この場合、耐圧版部116の上面に幅止め部材136を上下逆に敷設し、両側のレール受部137で下レール130を支持してもよい。
【0024】
型枠パネル110についてさらに説明する。
図4は、型枠パネル110の斜視図である。図5は、2枚の型枠パネル110の端部の拡大斜視図である。図6は、型枠パネル110を形成する板片142が2枚接続された状態を示し、(a)は基本状態の断面図であり、(b)は相対的に一方に回転した状態の断面図であり、(c)は相対的に他方に回転した状態の断面図である。図7は、型枠パネル110を形成する板片が2枚接続された状態を示し、(a)は互いに最も接近した状態の断面図であり、(b)は互いに最も離間した状態の断面図である。
【0025】
型枠パネル110は、上記のようにコンクリート型枠として使用するものである。型枠パネル110は、長辺142a同士が隣接するように組まれた短冊状の複数の板片142によって構成されている。型枠パネル110はいわゆるスラット構造であり、隣接する板片の長辺142a同士が該長辺142aに沿う方向を基準として回転可能に接続されている。板片142は、例えば鋼板をプレス加工して得られる。
【0026】
具体的には、板片142は一対の長辺142aに沿って鉤手部144a,144bを有しており、隣接する板片142同士は鉤手部144aと鉤手部144bとが係合して回転可能な構成となっている。鉤手部144a,144bはそれぞれ略360度程度の円弧による渦形状となっている。一方の長辺142aに沿った鉤手部144aは他方の長辺142aに沿った鉤手部144bよりやや小さくなっており、大きさの違いによって係合が可能となっている。板片142は、平面部142b、および該平面部142bの両端から長辺142aまでの一対の斜面部142cを有し、平面部142bと斜面部142cとは角部142dを形成している。また、平面部142bの中央には長尺方向に沿った直線状の屈曲筋142eが形成されている。
【0027】
図5に示すように、隣接する板片142のうち一方は、長辺142aの端部に鉤手部144aのない欠損部142fが形成されており、他方には、長辺142aの端部に鉤手部144bを加締めた抜止部142gを有する。抜止部142gが鉤手部144aの端面に当接することにより板片142同士の変位が制限されて抜け止めの作用がある。抜止部142gはペンチなどの工具によって容易に形成可能である。また、抜止部142gは同様の工具により元の鉤手部144bの形状に戻すこと又は切り取ることも可能であり、隣接する板片142を離脱させることができる。これにより、必要に応じて型枠パネル110を短くすることができる。さらに、2つの型枠パネル110の双方の端部の板片142の鉤手部144aと鉤手部144bとを係合させて抜止部142gを形成することにより、型枠パネル110を長くすることができる。これらの作業は簡易な工具によって容易に行うことができ、施工現場での対応が可能である。
【0028】
図6(a)に示すように、隣接する板片142が並列して双方の平面部142bが同一面上にある状態を基準状態とする。この基準状態で、一方の鉤手部144aと他方の鉤手部144bとは略270度に亘って対向している。図6(b)に示すように、隣接する斜面部142c同士が接近するように双方の板片142が相対的に回転すると角部142d同士が当接する。このとき、双方の平面部142b同士は直交面を形成するようになっている。このように、型枠パネル110では、板片142同士を直交する向きに容易に設定することができ、外周部118aと中通り部118bとによって形成される入隅部118c(図1参照)に沿って配置する際に好適である。図6(c)に示すように、板片142同士は、隣接する斜面部142c同士が離間する方向には基準状態から少なくとも90度の相対回転が可能となっており、中通り部118bにおける出隅部118d(図1参照)に適用可能である。板片142同士は図6で例示した角度状態以外の任意の角度になり得ることは勿論である。
【0029】
また、隣接する鉤手部144a,144b同士は、相対的に変位可能な移動代をもって係合している。図6(a)の基準状態で板片142の配列方向にX1ずつの移動代があるものとする。そうすると、図7(a)に示すように、板片142同士が最も接近した状態における鉤手部144aと鉤手部144bとの隙間X2はX1の2倍となる。図7(b)に示すように、板片142同士が最も離間した状態における鉤手部144aと鉤手部144bとの隙間X2はX1の2倍となる。すなわち、板片142同士は±X1の合計X2だけの移動代を有している。したがって、型枠パネル110がN枚の板片142から構成されている場合、全体としての移動代はX2×(N-1)となり、枚数に応じて全長を変化させることができ、適用する外周部118aや中通り部118bの長さに合わせた調整が可能となっている。
【0030】
また、板片142の幅は立ち上がり部118の幅Wの1/4となっている(図1参照)。板片142の幅を立ち上がり部118の幅Wの整数分の1とすることにより、端面118bbの区画が容易となる。板片142は立ち上がり部118の高さHよりもやや長く設定されている。
【0031】
型枠パネル110では、鉤手部144a,144bが大きい角度範囲に亘る円弧の渦形状同士が係合していることから、概念的には2本のポールが同心状に存在しているのと同様であって高強度であって反りにくく、コンクリート打設時に作用する内圧に耐え得る。また、板片142は、平面部142b、および該平面部142bの両端から長辺142aまでの一対の斜面部142cを有する台形断面となっており、さらに曲がりにくくなっている。平面部142bには長尺方向に沿った直線状の屈曲筋142eが形成されていることから、一層高強度となっている。なお、特許文献1に記載の型枠パネルは構造上で十分な強度がないため複数本のパイプによって側面を補強しているが、本実施の形態にかかる型枠パネル110では適度な強度を有しているため基本的に補強が不要であり施工が容易である。ただし、施工条件によっては補強材を設けてもよい。型枠パネル110は高強度であるため構成要素である板片142の板厚を薄くすることができ、一般的な鋼板型枠より単位長さ当たりの重量を軽くすることが可能である。
【0032】
型枠パネル110では、抜止部142gを変形させることにより隣接する板片142を離脱させることができる。そのため、電動工具などによる切断をすることなく型枠パネル110を短くすることができる。また、2枚の型枠パネル110は、一方の端部の鉤手部144aと他方の端部の鉤手部144bとを係合させた後に加締めによる抜止部142gを形成することで連結させることができる。抜止部142gの脇には孔142hが形成されていて加締作業を行いやすい。この連結にはねじ止めや溶接などが不要であって作業が容易である。型枠パネル110の両端は鉤手部144a,144bによって形成されており、外面が筒状であり滑らかである。
【0033】
図8は、ロール状に巻き取られた型枠パネル110の斜視図である。図8に示すように型枠パネル110はロール状に巻き取りが可能となっているため場所をとらず、搬送や保管に好適である。型枠パネル110は、芯材146の回りに巻き取ることにより扱いが一層容易となる。ロール状に巻き取られた型枠パネル110をロール体150とも呼ぶ。芯材146に対する型枠パネル110の巻き取りは基本的に型枠パネル110の製造業者によって行われ、ロール体150の形態として施工業者等に供給される。施工業者への供給段階ではロール体150の周面にバンド160(図11参照)を巻いておくとよい。
【0034】
型枠パネル110は鉤手部144a,144bの部分が回転自在に構成されていることから、全体として可撓性に優れている。そのため、図8から了解されるように、比較的細い芯材146に対する巻き始め部分に無駄な空間がなく容積効率が高い。
【0035】
芯材146は、例えば塩化ビニールパイプであり、中心には中空部146aが形成されている。芯材146と型枠パネル110とは同じ長さになっている。型枠パネル110の内周側端部は芯材146に対してネジ留めなど簡易的な手段で固定しておくとよい。1つのロール体150には型枠パネル110が、例えば10m程度巻き取られる。上記のとおり型枠パネル110は単位長さ当たりでは軽量であるが、10m巻き取られたロール体150はある程度重くなっている。
【0036】
上記のように構成される型枠パネル110は複数の板片142から構成されており、隣接する板片142の長辺142a同士が回転可能に接続されていることから、ロール体150として保管および搬送が可能であるとともに、ロール体150から巻き出しながら型枠セット112の一部として設置する施工が可能になり施工性が向上する。
【0037】
また、型枠パネル110を構成する板片142は短冊形状であり、具体的には立ち上がり部118の高さHよりもやや長く、立ち上がり部118の幅Wの整数分の1の幅となっている。そのため、1枚の板片142は短冊状であって面積が小さく低廉な小型の設備で製造可能である。使用するプレス機などの設備では、幅の狭い1枚の板片142に応じた型があればよく、型費を抑制できる。型枠パネル110は、自動機により多数枚の板片142を連続的に組み立てて製造可能である。
【0038】
型枠パネル110は、隣接する板片142同士が鉤手部144a,144bによって係合しているため構造が簡単であり、広い角度範囲に亘って回転可能であって、しかも抜けることがない。また、鉤手部144a,144bによる係合ではわずかな隙間があり、打設したコンクリートのノロが生じ得る。そのため、立ち上がり部118におけるコンクリートの充填状態を確認することができる。さらに、隣接する鉤手部144a,144b同士は、相対的に変位可能な移動代をもって係合していることから、立ち上がり部118の長さに合うように調整が可能である。
【0039】
(型枠パネル供給台10)
次に、本実施の形態にかかる型枠パネル供給台10について説明する。
図9は、本発明の実施態にかかる型枠パネル供給台10を含む型枠パネル供給装置12の側面図である。図10は、型枠パネル供給装置12の平面図である。型枠パネル供給装置12は型枠パネル供給台10とロール体150とによって構成される。
【0040】
型枠パネル供給台10は、ロール体150から型枠パネル110を巻き出すものであり、台座14に対して鉛直軸回りに回転可能であり、上面の載置面16aから芯棒18が上向きに突出している回転テーブル16を有する。なお、芯棒18は回転テーブル16の中心孔16bを挿通しており、芯棒18と回転テーブル16とは相対的な回転が可能となっている。回転テーブル16は芯棒18から抜き取り可能となっていてもよい。
【0041】
台座14は平面視で略正方形であり、図3において仮想線で示しているように、升目状に配設されるスラブ配筋120の上に配置可能な面積を有している。台座14の内部は空洞になっており、適度な高さを有している。台座14および回転テーブル16は、例えば木材や樹脂材などであり軽量でかつ適度な強度を有している。
【0042】
台座14の上面14aの四方にはキャスター20が設けられている。4つのキャスター20は上面14aを形成する各辺の近傍で、回転テーブル16の周方向に沿うように配設され、該回転テーブル16が滑らかに回転可能となるように支持している。キャスター20は3つ以上を等間隔かつ回転テーブル16の周方向に沿うように配設するとよい。キャスター20は、回転テーブル16の下面に設けてもよい。つまり、キャスター20は台座14と回転テーブル16とを相対的に回転可能に支持するように設けられていればよい。台座14の上面14aと回転テーブル16の下面との間は低摩擦材を貼り、またはスラストベアリングを用いるなどしてキャスター20を省略してもよい。
【0043】
回転テーブル16に円盤形状であり、平面視で台座14のほぼ外接円となっており、ロール体150を載置するのに適度な面積を有している。また、台座14は回転テーブル16からはみ出していない。図3において仮想線で示しているように、升目状に配設されるスラブ配筋120を基準として載置面16aまでの高さH1は、下レール130における外片130aの上端までの高さH2より大きくなっている。なお、スラブ配筋120を基準とした耐圧版部116の厚みは規格化されており、これを考慮して載置面16aまでの高さH1が設定されている。
【0044】
芯棒18は芯材146の中空部146aに挿入されて、回転テーブル16に載置されたロール体150が転倒しないように支持するものである。芯棒18は、例えばスチールパイプであり、中空部146aよりやや小径となっている。芯棒18は、回転テーブル16から上方に突出するとともに下方にもやや突出している。
【0045】
芯棒18における回転テーブル16より下方に突出した下端部18aは台座14の上面14aの孔を通っており、台座14の空洞部で抜止用のフランジ22に固定されている。芯棒18はフランジ22を介して台座14に固定されており、上下に抜けず、かつ回転不能となっている。ただし、設計条件により芯棒18と台座14とは回転可能となっていてもよい。
【0046】
芯棒18は、載置面16aを基準とした上向き長さが芯材146より長くなっている。つまり、芯棒18の上端部18bは芯材146の中空部146aから上方に突出する。上端部18bにはアタッチメント24が着脱可能となっている。アタッチメント24はT字形状であって、筒部24aと、該筒部24aの上端から180度異なる方向に突出するハンドル24bとを有している。筒部24aは上端部18bに被せられ、上端部18bおよび筒部24aに形成されているピン孔に対して側方からピン26を差し込むことにより、芯棒18とアタッチメント24とが固定される。ピン26を抜くことにより、アタッチメント24は芯棒18から取り外し可能となる。
【0047】
次に、型枠パネル供給台10を用いて型枠パネル110を敷設する施工方法について説明する。ここでは外周型枠パネル124の敷設については省略する。
【0048】
図11は、型枠パネル供給台10にロール体150を取り付ける様子を示す側面図である。図12は、型枠パネル供給装置12から型枠パネル110を巻き出しながら設置する工程の説明図であり、(a)はロール体150のうち下レール130から遠い側から巻き出しながら設置する例の説明図であり、(b)はロール体150のうち下レール130から近い側から巻き出しながら設置する例の説明図である。図13は、型枠パネル110が巻き出された後に型枠パネル供給台10から芯材146を取り外す様子を示す側面図である。
【0049】
まず、型枠パネル110を敷設する施工に先立ち配筋の敷設を行い、所定の箇所に外周部枠支持部材126および立ち上がり部枠支持部材128を所定の箇所に所定数配置する。そして、下レール130を上向きに開口する向きで支持片127c、支持片128dに合わせて敷設する。
【0050】
(載置工程)
図11に示すように、型枠パネル供給台10に対して芯材146の中空部146aに芯棒18が挿入されることによりロール体150が回転テーブル16の載置面16aに載置される。さらに、アタッチメント24をピン26によって芯棒18に取り付ける。このように型枠パネル供給台10にロール体150が組み合わされた状態が型枠パネル供給装置12となる。ロール体150からは搬送時に巻かれていたバンド160を取り外す。
【0051】
(パネル工程)
次に、型枠パネル供給装置12を升目状のスラブ配筋120上に配置し、該型枠パネル供給装置12から型枠パネル110を巻き出しながら、立ち上がり部118の壁面となる位置に設置する。ロール体150を載置する回転テーブル16は台座14に対して回転可能であり、しかもキャスター20によって滑らかに回転することから、型枠パネル110は側方に軽く引くことで巻き出しが可能となっており作業者の負担が小さい。芯棒18と回転テーブル16とは相対的な回転が可能となっていることから、型枠パネル110を巻き出して回転テーブル16が回転しても芯棒18およびハンドル24bが不必要に回転することがない。
【0052】
この工程では図12に示すように、ロール体150から巻き出した分を下レール130に嵌め込むことにより型枠パネル110を設置する。このとき、図12(a)に示すようにロール体150のうち下レール130から遠い側から巻き出してもよいし、(b)に示すようにロール体150のうち下レール130に近い側から巻き出してもよい。ロール体150の芯材146と下レール130との距離は作業者の判断により任意に設定してよい。
【0053】
また、ロール体150を載置する回転テーブル16の載置面16aは下レール130の外片130aの上端より高い位置にあるため、枠外上方にあるロール体150から巻き出した型枠パネル110を下レール130に嵌め込みやすい。
【0054】
この工程では型枠パネル110の巻き出し量に応じて型枠パネル供給台10を移動させるとよい。型枠パネル供給台10はハンドル24bを持って容易に持ち上げ、移動させることができる。ハンドル24bは芯棒18と固定されており、該芯棒18は回転テーブル16と相対的な回転が可能となっていることから、ハンドル24bを持って型枠パネル供給台10を移動させると回転テーブル16が回転して型枠パネル110が巻き出されることになる。
【0055】
1つのロール体150から型枠パネル110の全てが巻き出された後には、図13に示すように、アタッチメント24を取り外し、さらに芯棒18から残った芯材146を取り外す。1つのロール体150では型枠パネル110の長さが足りない場合には、新たなロール体150を型枠パネル供給台10に装着して型枠パネル110の設置を継続する。前後の型枠パネル110の端部同士は上記の説明のように継ぎ足すとよい(図5参照)。
【0056】
図14に示すように、基礎114が外周部118aおよび中通り部118bによって閉じられた4つの閉領域152a,152b,152c,152dを形成している場合、型枠パネル110は下レール130に沿って各領域に矢印で示すように4周回することで設置される。閉領域152aのように複雑な領域や、閉領域152bのように広い領域であっても、型枠パネル110は型枠パネル供給装置12から巻き出しながら容易な敷設が可能である。また、基本的に各領域について連続的な1回の作業で型枠パネル110を設置することが可能である。そのため、作業者は矢印のように周回するだけで設置作業を行うことができる型枠パネル110は隣接する板片142同士を任意の角度にすることができるため、閉領域152cのように鋭角部や鈍角部にも対応が可能である。
【0057】
この後、下レール130に嵌め込まれた型枠パネル110の上部に対して、上レール132を下向きに開口する向きで被せ、さらに幅止め部材136等を設置することにより型枠セット112が組み上がる。型枠セット112が組み上がった後にコンクリートの打設を行う。コンクリートの養生および硬化後には外周型枠パネル124を脱型するが、上記のとおり型枠パネル110は残置するものとする。すなわち、型枠パネル110はコンクリート打設までは型枠セット112の一部であるが、外周型枠パネル124の脱型後には基礎114の一部となる。
【0058】
本実施の形態にかかる型枠パネル供給台10は、シンプルな構造であり、廉価に構成可能である。また、型枠パネル110が長くロール体150がある程度の重量がある場合であっても、回転テーブル16に載置することで回転させながら、無理のない姿勢のまま軽い力で巻き出すことができ、施工性を向上させることができる。そのため、スラブ鉄筋に型枠パネル供給台10を置いたまま一人で型枠嵌め込みの作業をすることも可能である。順番に複数のロール体150から型枠パネル110の嵌め込みをする場合でも基本的に型枠パネル供給台10は1台で足りる。
【0059】
型枠パネル供給台10はハンドル24bを持った状態での可搬性に優れ、型枠パネル110を張り気味にしながら嵌め込み作業を行うことができる。型枠パネル供給台10は円筒型のロール体150を縦向きに載置して専有面積が小さいため、直線的な移動だけでなく回転させることも容易であり、隅部での移動も小回りがきく。型枠パネル供給台10は軽量であってスラブ配筋120に対する負荷が小さく、該スラブ配筋120がずれることがない。
【0060】
型枠パネル供給台10に適用される型枠パネル110は上記のものに限らず、例えばロール状の薄板鋼板であってもよい。型枠パネル110は必ずしも残置型に限らず脱型してもよい。上記実施例では芯棒18と回転テーブル16とは相対的な回転が可能な構成となっているが、回転テーブル16は少なくとも台座14に対して回転可能であればよいため、設計条件により芯棒18は台座14に対して回転可能で、回転テーブル16に対しては回転不能であってもよい。型枠パネル供給台10は耐圧版部116と立ち上がり部118とを分けて2回のコンクリート打設で施工する場合にも適用可能である。
【0061】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0062】
本発明にかかる型枠パネル供給台は、芯材に対してロール状に巻き取られた型枠パネルを巻き出す型枠パネル供給台であって、台座に対して鉛直軸回りに回転可能に配置された回転テーブルと、前記台座から前記回転テーブルの中心孔を通って上方に突出する芯棒と、を有し、前記芯材の中空部に前記芯棒が挿入されることにより前記型枠パネルが前記回転テーブルに載置されることを特徴とする。
【0063】
また、本発明にかかる施工方法は、上記に記載の型枠パネル供給台を用いて前記型枠パネルを設置する施工方法であって、前記台座は升目状に配設されるスラブ配筋の上に配置可能な面積を有しており、前記芯材の中空部に前記芯棒を挿入して前記型枠パネルを前記回転テーブルに載置する載置工程と、前記台座を前記スラブ配筋の上に配置した状態で、前記回転テーブルを回転させながら前記型枠パネルを巻き出してコンクリート基礎における立ち上がり部の壁面となる位置に設置するパネル工程と、を有することを特徴とする。
【0064】
本発明では、型枠パネルが長くロール体がある程度の重量がある場合であっても、回転テーブルに載置することで回転させながら、無理のない姿勢のまま軽い力で巻き出すことができ、施工性を向上させることができる。
【0065】
本発明にかかる型枠パネル供給台では、前記台座と前記回転テーブルとの間には、両者を相対的に回転可能に支持する複数のキャスターが設けられていてもよい。このようなキャスターにより回転テーブルが滑らかに回転する。
【0066】
本発明にかかる型枠パネル供給台は、前記芯棒の上端部は前記中空部から上方に突出しており、該上端部には水平方向に突出するハンドルを有するアタッチメントが着脱可能となっていてもよい。このようなハンドルを有すると良好な可搬性が得られる。
【0067】
本発明にかかる型枠パネル供給台では、前記型枠パネルは、長辺同士が隣接するように組まれた短冊状の複数の板片を有し、前記板片は、隣接するものの前記長辺同士が回転可能に接続されていてもよい。このような型枠パネルは軽量かつ高強度であり、しかもロール状に巻き取りが可能であって回転テーブルへの載置および該回転テーブルからの巻き出しに適する。
【0068】
本発明にかかる型枠パネル供給台では、前記型枠パネルは上向きに開口する断面コ字形状の下レールに嵌め込まれるものであって、升目状に配設されるスラブ配筋を基準として前記回転テーブルの上面までの高さは、前記下レールにおける断面コ字を形成する外側の外片の上端までの高さより高くてもよい。これにより、型枠パネルを枠外上方から嵌め込みやすくなり施工性がさらに向上する。
【0069】
本発明にかかる型枠パネル供給台では、前記芯棒と前記回転テーブルとは相対的な回転が可能となっていてもよい。これにより、芯棒または芯棒に接続されるアタッチメントを持って移動させながら型枠パネルを巻き出すことができる。
【0070】
本発明にかかる施工方法では、前記パネル工程における前記型枠パネルの巻き出し量に応じて前記型枠パネル供給台を移動させてもよい。これにより効率的な型枠パネルの巻き出しが可能となる。
【0071】
本発明にかかる施工方法では、前記型枠パネルの全てが巻き出された後に前記芯棒から前記芯材を取り外し、芯材に対してロール状に巻き取られた新たな型枠パネル用いて、前記載置工程および前記パネル工程を行ってもよい。これにより、1台の型枠供給パネルで複数のロール体から順次型枠パネルを巻き出すことができる。
【符号の説明】
【0072】
10 型枠パネル供給台、12 型枠パネル供給装置、14 台座、16 回転テーブル、16a 載置面、16b 中心孔、18 芯棒、20 キャスター、22 フランジ、24 アタッチメント、24a 筒部、24b ハンドル、26 ピン、110 型枠パネル、112 型枠セット、114 基礎、120 スラブ配筋、130 下レール、132 上レール、146 芯材、146a 中空部、150 ロール体、160 バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14