IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社HCIの特許一覧

<>
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図1
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図2
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図3
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図4
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図5
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図6
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図7
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図8
  • 特開-線状体巻取方法及び線状体巻取装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126193
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】線状体巻取方法及び線状体巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 54/28 20060101AFI20240912BHJP
   B65H 54/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B65H54/28 L
B65H54/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034420
(22)【出願日】2023-03-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022国際ロボット展に出展 出展日 令和4年3月9日(開催期間 令和4年3月9日~3月12日) 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1) 東4-6ホール E5-11(三菱電機ブース)
(71)【出願人】
【識別番号】510337746
【氏名又は名称】株式会社HCI
(74)【代理人】
【識別番号】100177806
【弁理士】
【氏名又は名称】門田 康
(72)【発明者】
【氏名】奥山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】濱本 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】坂本 臣吾
(72)【発明者】
【氏名】スンダララマン バースカルバラツワジュ
【テーマコード(参考)】
3F056
【Fターム(参考)】
3F056AA02
3F056AB01
3F056AC08
3F056CA07
3F056CB10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】線状体をドラムに巻き取る際に、巻き乱れを防止する線状体巻取方法を提供する。
【解決手段】円筒部13aを挟んで軸方向に離れて設置された第1の鍔17と第2の鍔18を有するドラム13の外周に、線状体14を巻き取る線状体巻取方法であって、第1層目の線状体14が第1の鍔17から第2の鍔18に向けて整列して巻き取られる場合に、あらかじめ第1層目で巻き取る線状体14の巻き数Nを設定し、軸方向の厚さが線状体14の直径の1/2であるスペーサ55を、第N巻き目の線状体14と第2の鍔18との間に挿入し、第N巻き目の線状体14がドラム13の中心軸の周りで一周分巻き取られたときにスペーサ55が取り除かれることを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒部を挟んで軸方向に離れて設置された第1の鍔と第2の鍔を有するドラムの外周に、線状体を周方向に整列させて複数の層状に巻き取る線状体巻取方法であって、
第1層目の前記線状体が前記第1の鍔から前記第2の鍔に向けて整列して巻き取られる場合に、
あらかじめ第1層目で巻き取る前記線状体の巻き数Nを設定し、
前記軸方向の厚さが前記線状体の直径の1/2であるスペーサを、第N巻き目の前記線状体と前記第2の鍔との間に挿入し、
第N巻き目の前記線状体が前記ドラムの中心軸の周りで一周分巻き取られたときに前記スペーサが取り除かれることを特徴とする線状体巻取方法。
【請求項2】
第1層目の前記線状体の前記巻き数Nは、(W/d)-1を越えない最大の整数であることを特徴とする請求項1に記載する線状体巻取方法。
ここで、N:第1層目の前記線状体の巻き数
W:前記第1の鍔と前記第2の鍔の内幅
d:前記線状体の直径
【請求項3】
前記スペーサは、第1層目の前記線状体の巻き数が前記巻き数Nより1以上少ない段階で、最後に巻き付けられた列の前記線状体と前記第2の鍔との間に挿入されることを特徴とする請求項2に記載する線状体巻取方法。
【請求項4】
円筒部を挟んで軸方向に離れて設置された第1の鍔と第2の鍔を有するドラムの外周に、線状体を周方向に整列させて複数の層状に巻き取る線状体巻取装置であって、
前記軸方向の厚さが前記線状体の直径の1/2であるスペーサを備え、
前記ドラムを前記円筒部の中心軸の周りで回転させる駆動手段と、
前記スペーサを前記ドラムの径方向に変位させる変位手段と、
前記ドラムの回転角に応じて前記スペーサを前記ドラムの前記径方向に接近又は離反する向きに変位させるように、前記駆動手段及び前記変位手段を制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする線状体巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線、ケーブルなどの線状体をドラムの外周に整列して巻き取る線状体巻取方法及び線状体巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電線などの線状体を小分けするため、線状体巻取装置を用いてドラムに積層して巻き取る作業が行われる。ドラムは、一般的に、電線を巻き取る円筒部とその両端に鍔を有し、軸方向断面が略H形に形成されており、電線は、両方の鍔間に整列して巻き取られる。
特許文献1では、ドラムに向けて供給される電線を案内するガイドローラ(電線案内部)と、ガイドローラをドラムの両端の鍔間で往復移動させるトラバーサと、トラバーサの移動を制御する制御手段とを有する線状体巻取装置が開示されている。この線状体巻取装置は、ドラムがモータで駆動されて一定の速度で回転している状態でトラバーサが両方の鍔間でドラムの中心軸と平行に往復移動して、電線がドラムの外周に積層して巻き取られる。
【0003】
特許文献1の段落0003では、第1層目の最終巻の電線の位置を、鍔から電線の直径dの1/2だけ離れた位置に巻き取ることにより、第2層目の電線がいわゆる俵積み状に巻き取られる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-36107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発明者達が実際に電線を巻き取ってみると、このように第1層目の最終巻きの電線と第2の鍔との間にd/2のすきまを確保することは極めて困難であることがわかった。特に、特許文献1の図1に記載されているように、ドラムに向けて送り出す電線の向きが、ドラムの中心軸に対してθだけ傾いている場合には、送り出す電線は、先に巻き取られている電線と接触しながら巻き取られる。したがって、巻き取られる電線の位置は、先に巻き取られている電線の位置によって決定されるので、第1層目の最終巻きの電線と第2の鍔との間のすきまの大きさは、必ずしもd/2にならない。
【0006】
そこで、本発明は、線状体をドラムの外周面に積層して巻き取る線状体巻取装置において、第1層目の最後に巻き付けられた列の線状体と鍔との間に、確実に線状体の線径の1/2のすきまを確保して、線状体の巻き乱れを防止する線状体巻取装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態は、円筒部を挟んで軸方向に離れて設置された第1の鍔と第2の鍔を有するドラムの外周に、線状体を周方向に整列させて複数の層状に巻き取る線状体巻取方法であって、第1層目の前記線状体が前記第1の鍔から前記第2の鍔に向けて整列して巻き取られる場合に、あらかじめ第1層目で巻き取る前記線状体の巻き数Nを設定し、前記軸方向の厚さが前記線状体の直径の1/2であるスペーサを、第N巻き目の前記線状体と前記第2の鍔との間に挿入し、第N巻き目の前記線状体が前記ドラムの中心軸の周りで一周分巻き取られたときに前記スペーサが取り除かれることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の形態は、第1の形態の線状体巻取方法であって、第1層目の前記線状体の前記巻き数Nは、(W/d)-1を越えない最大の整数であることを特徴とする。
ここで、N:第1層目の前記線状体の巻き数
W:前記第1の鍔と前記第2の鍔の内幅
d:前記線状体の直径
【0009】
本発明の第3の形態は、第2の形態の線状体巻取方法であって、前記スペーサは、第1層目の前記線状体の巻き数が前記巻き数Nより1以上少ない段階で、最後に巻き付けられた列の前記線状体と前記第2の鍔との間に挿入されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の形態は、円筒部を挟んで軸方向に離れて設置された第1の鍔と第2の鍔を有するドラムの外周に、線状体を周方向に整列させて複数の層状に巻き取る線状体巻取装置であって、
前記軸方向の厚さが前記線状体の直径の1/2であるスペーサを備え、
前記ドラムを前記円筒部の中心軸の周りで回転させる駆動手段と、
前記スペーサを前記ドラムの径方向に変位させる変位手段と、
前記ドラムの回転角に応じて前記スペーサを前記ドラムの前記径方向に接近又は離反する向きに変位させるように、前記駆動手段及び前記変位手段を制御する制御装置と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の線状体巻取装置では、線状体をドラムの外周面に積層して巻き取るときに、第1層目の最後に巻き付けられた列の線状体と鍔との間に、確実に線状体の線径の1/2のすきまを確保できるので、線状体の巻き乱れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ドラムの外周に電線を巻き取っている状態を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態である線状体巻取装置の平面図である。
図3】エアシリンダ及び電線案内部とドラムとの位置関係を示す側面図である。
図4図4(a)~(c)は、スペーサ支持部材の形態を示す六面図である。
図5】第1層目の電線が整列して巻き取られている状態を示す模式図である。
図6】制御装置16のブロック図である。
図7】本実施形態における電線巻取処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第2の鍔の近傍における電線の巻取り状態を示す模式図である。
図9】第1の鍔の近傍における電線の巻取り状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(線状体巻取装置)
本発明の一実施形態(以下、本実施形態)である線状体巻取装置10について図を用いて説明する。図1は、線状体巻取装置10を使用して、ドラム13の外周に線状体としての電線14を巻き取っている状態を示す斜視図である。図2は、線状体巻取装置10を鉛直方向上方から見た平面図である。図3は、電線案内部30及びスペーサ挿入装置50とドラム13との位置関係を示す部分側面図である。
【0014】
線状体巻取装置10は、電線供給装置15(図2参照)に大量にストックされた電線14を小分けして、ドラム13の外周に積層して巻き取る装置である。
本実施形態では直径dが3.33mmの電線14を巻き取る場合を例示しているが、線状体としては、銅線を撚り合わせた電線のほか、銅線を絶縁性の樹脂材料で被覆した単芯の電線や、複数の電線をまとめて絶縁性の樹脂材料で被覆した配線用ケーブルや、複数の鋼線をより合わせた荷役用ケーブル等にも適用することができる。線状体の直径は、主に3mmから10mm程度のものが対象とされる。なお、線状体の種類や太さは例示であり、これらに限定するものではない。
【0015】
図2に示すように、線状体巻取装置10は、ドラム13を回転させるドラム回転駆動部11、トラバーサ12、スペーサ挿入装置50及びこれらの動作を制御する制御装置16を備えている。ドラム回転駆動部11、トラバーサ12、スペーサ挿入装置50は、水平に設置された基台21の上に載置されている。
【0016】
ドラム13は樹脂製で、電線14を巻き付ける円筒部13aとその軸方向両端にそれぞれ中心軸と直交する向きに設けられた第1の鍔17及び第2の鍔18を有している。電線14は、第1の鍔17と第2の鍔18との間で円筒部13aの外周に巻き取られる。なお、ドラム13の材質は樹脂に限定されず、木製や金属製であってもよい。
【0017】
ドラム回転駆動部11は、駆動モータ19(駆動手段)と、ドラム13を支持する回転支持部20と、を備えている。駆動モータ19と回転支持部20は、第1回転軸n1に沿って直線状に連結されており、第1回転軸n1を中心として回転する。ドラム13は、回転支持部20の回転軸に固定されており、駆動モータ19で駆動されて第1回転軸n1を中心として回転する。
駆動モータ19は、例えばパルスモータであり、制御装置16からの指令を受けて回転し、回転角に応じた信号(回転角信号)を制御装置16に送信することができる。
なお、以下の説明では、第1回転軸n1と平行となる方向をx軸、基台21と平行でx軸と直交する方向をy軸、基台21に対して垂直となる方向をz軸として説明する。また、各軸について、矢印で示す向きを+(プラス)方向、矢印と反対の向きを-(マイナス)方向とする。
【0018】
図1及び図3を参照して、トラバーサ12について説明する。
トラバーサ12は、ロボット31及び電線案内部30を主要な構成要素としている。電線案内部30は、電線14がドラム13に対して所定の位置から供給されるように案内する部材である。電線案内部30は、ロボット31によって位置を可変にして保持されている。
【0019】
ロボット31は、6軸の自由度を有する公知の多関節産業用ロボットである。その主要な構成は公知であるので簡単に説明する。
ロボット31は、旋回座33、第1アーム34a、第2アーム34b及び第3アーム34cを備えている。旋回座33は、固定部33aと可動部33bを備えている。固定部33aは、基台21に固定されており、可動部33bは、固定部33aに対して、z軸方向に延在する軸線n2を中心として旋回可能である。
可動部33bと第1アーム34aとが第1関節部35aで、第1アーム34aと第2アーム34bとが第2関節部35bで、第2アーム34bと第3アーム34cとが第3関節部35cで、それぞれ折り曲げ自在に連結されている。第2アーム34bと第3アーム34cは、それぞれの基端側と先端側とが回動部で連結され、各アーム34b、34cの軸線の周りで相対的に回動可能である。電線案内部30は、第3アーム34cの先端部に組付けられている。
ロボット31は、制御装置16からの指令に応じて各関節部が任意の角度で屈曲し、また、各回動部が回動する。これにより、電線案内部30が、ドラム13に対して任意の位置及び向きで配置される。
【0020】
図3を参照して、電線案内部30について説明する。
電線案内部30は、第1ローラ36、第2ローラ37及び第3ローラ38と、これらの各ローラを支持する案内部本体39を備えている。案内部本体39は、略円筒形状で、その中心軸に沿ってy軸方向に貫通する穴43(図示を省略する)を有している。
各ローラ36、37、38は、それぞれの中心軸の周りで回転自在である。各ローラ36、37、38の外周には、幅方向の中央に全周にわたって径方向内方に凹んだ溝41が形成されている。各ローラ36、37、38の軸方向断面における溝41の形態は互いに同等で、軸方向断面における溝底の形態は円弧形状である。溝底の曲率半径は、電線14の直径dの1/2よりわずかに大きい。また、溝41の深さは、おおむね電線14の直径dの1/2である。
【0021】
各ローラ36、37、38は、それぞれの溝底がx軸と直交する同一の平面上に位置するようにy軸方向に並べて組付けられている。電線14は、図3に一点鎖線で示す経路で各ローラ36、37、38に巻き掛けられた後、ドラム13に向けてy軸方向に引き出される。
【0022】
電線案内部30は、ロボット31のアーム34a、34b、34cで支持されており任意の高さで保持されるので、ドラム13の外周に電線14が積層して巻き取られて巻取り径が変化した場合であっても、電線案内部30から常に水平方向に供給される。また、電線案内部30の第1ローラ36は、ドラム13の鍔17、18の外周より径方向の外方に位置するように保持されている。これにより、電線案内部30は、鍔17、18の位置を越えてx軸方向に自在に変位することができる。
【0023】
こうして、ドラム13が回転しながら、電線案内部30がx軸方向に移動することにより、ドラム13の外周に電線14が、整列して巻き取られる。本実施形態では、ドラム13の回転速度は90min-1である。
【0024】
図3及び図4によって、スペーサ挿入装置50(変位手段)について説明する。スペーサ挿入装置50は、エアシリンダ51と、エアシリンダ51のロッド52の先端に設置したスペーサ支持部材53と、を主要な構成要素としている。
図3に示すように、エアシリンダ51は、ドラム13の径方向の外方に設置されており、図示しない制御バルブを通してエアの圧力を供給することにより、ロッド52がドラム13の径方向に伸縮する。図3では、エアシリンダ51のロッド52が縮んだ状態(a)と伸長した状態(b)とを示している。
【0025】
図4は、スペーサ支持部材53の形態を示している。図4(a)は、電線14が巻き取られたドラム13に向けてロッド52が伸長したときのスペーサ支持部材53の配置を示している。図4(a)は、第1回転軸n1を含みスペーサ支持部材53の中央を通る断面を示している。図4(b)は、図4(a)のスペーサ支持部材53単体をドラム13の中心軸の位置から径方向外方に向けて見た図で、図4(c)は、図4(b)のスペーサ支持部材53をドラム13の中心軸の方向(x軸方向)に見た図である。以下、図4を用いたスペーサ支持部材53の説明では、図4(b)の上下方向を周方向といい、左右方向をx軸方向という。また、図4(c)の左右方向を径方向という。
【0026】
スペーサ支持部材53は、直方体形状のベース部54とスペーサ55とが一体となった形態であり、エアシリンダ51のロッド52の先端部に取り付けられている。図4(a)に示すように、ベース部54から突出するスペーサ55の高さは、電線14の直径より大きくなっており、スペーサ55の先端がドラム13の外周に当接したときに、ベース部54と電線14とが接触しないようになっている。
【0027】
スペーサ55は、図4(c)に示すように、x軸方向に見た形状が台形状である。スペーサ55は、ドラム13の円筒部13aの外周と当接する当接面55aと、当接面55aの周方向両側に傾斜面55b、55bを備えている。当接面55aは、スペーサ55の径方向内方にベース部54と略平行に形成されている。なお、本実施形態では当接面55aは平面であるが、円筒部13aの外径と面で接するように、周方向の中央がベース部54に向けて凹んだ凹面であってもよい。傾斜面55b、55bは、当接面55aから周方向に離れるにしたがってベース部54と接近する向きに傾斜している。
【0028】
また、スペーサ55は、x軸方向の両側にそれぞれ第1側面56と第2側面57を備えている。第1側面56は、第2の鍔18とx軸方向に向き合う面で、第1回転軸n1と直交する向きに延在している。第2側面57は、径方向外方ほど第1側面56から離れる向きに傾斜している。図4(a)に示すように、第1側面56と第2側面57とのx軸方向の距離は、第2側面57と電線14とが接する位置において電線14の直径dの約1/2に設定されている。
こうして、先端(径方向内方である)に向かうほど軸方向の厚さを小さくすることによって、電線14と第2の鍔18との間にスペーサ55を容易に挿入できるので好都合であるが、第1側面56と第2側面57が互いに平行であってもよい。スペーサ55は、電線14と第2鍔側面18aに挟まれたときに、電線14と第2鍔側面18aとの軸方向の距離が直径dの1/2となるように案内することができる形態であればよい。
なお、第1側面56は、ベース部54のx軸方向(+)側の側面と面一に形成されている。
【0029】
エアシリンダ51のロッド52が伸長すると、スペーサ55の第1側面56が、第2の鍔18の第2鍔側面18aに沿ってドラム13の径方向に移動する。スペーサ支持部材53は、ドラム13の外周に所定の力(本実施形態では概ね300N程度である)で押し付けられる。
【0030】
図5は、図3においてドラム13に巻き取られている電線14を、径方向外方からz軸方向に見た模式図であって、第1層目の電線14が整列して巻き取られている状態を示している。ドラム13は、矢印Rで示す向きに回転しており、第1層目の電線14は、第1の鍔17の側から第2の鍔18の側に向けて順次整列して巻き取られる。以下の説明では、ドラム13の外周で電線14の巻取位置が進行する向きを前方とし、その逆向きを後方という場合がある。
【0031】
また、図3に示すように、本実施形態の線状体巻取装置10は、ドラム13の設置位置を自動的に計測するために、レーザ装置40を備えている。レーザ装置40は、前面部に矢印cで示す方向にレーザ光を照射するレーザ発信部と、対象物から反射したレーザ光を検知するレーザ受信部を備えている。
レーザ装置40は、電線案内部30に一体に取り付けられており、ドラム13を挟んで反対の側に配置した反射鏡27に向けてレーザ光を照射することができる。レーザ光を照射するときは、第2アーム34bの第3アーム34c側の端部が回動して、電線案内部30及びレーザ装置40が矢印Qの向きに旋回する。レーザ光は、ドラム13の軸部を避けて、第1回転軸n1と直交する平面に沿って反射鏡27に向けて照射される。
【0032】
図6は、制御装置16のブロック図である。制御装置16は、コンピュータシステムであって、制御部46と、演算部47と、記憶部48と、を備えている。
記憶部48は、電線14をドラム13に巻き取るときの条件等(例えば、電線14の直径、ドラム13に巻き取る電線14の積層数などの情報)を記憶している。
演算部47は、駆動モータ19の回転角信号やレーザ装置40で受信したレーザ反射光の受信信号を受信している。これらの信号に基づいて、例えば、電線案内部30を所定の位置に変位させるときの、各アーム34a、34b、34cの向きと変位量を演算し、また、鍔17、18の位置に応じたトラバーサ12の変位量を演算している。
制御部46は、演算部47の演算結果に基づいてロボット31の各アーム34a、34b、34cを所定の位置に移動させる指令を発信する。
【0033】
(電線巻取方法)
図7は、本実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。図7によって、本実施形態の電線14を巻き取る方法について説明する。
ステップS101で、ドラム13をドラム回転駆動部11に搭載するとともに、電線14の巻取条件を制御装置16に入力する。図2に示すように、ドラム13は、中心軸をx軸方向に向けて取り付けられ、第1回転軸n1を中心として回転する。ドラム13の搭載作業は、人の手作業で行っている。
電線14の巻取条件とは、例えば、巻き取られる電線14の直径、電線14の材質、ドラム13の外周に積層する電線14の積層数などである。これらの条件は、記憶部48に記憶される。
【0034】
ステップS102で、レーザ装置40を用いて、ドラム13の第1の鍔17と第2の鍔18の位置を測定する。
ロボット31のアーム34a、34b、34cで保持されたレーザ装置40が、レーザ光を照射しながら、第1の鍔17の側から第2の鍔18に向けてx軸方向に移動する。レーザ光は、第1の鍔17と第2の鍔18を含むドラム13のx軸方向の全域を走査するように照射される。レーザ光がx軸方向で第1の鍔17の外周面と重なる位置で照射されているときは、反射鏡27にレーザ光が到達しないので反射光が検知されない。レーザ光の照射位置がx軸(+)方向に移動して、第1の鍔17の内側の側面(第1鍔側面17a)の位置を越えると、レーザ受信部が、反射鏡27で反射された反射光を検知する。こうして、反射光が検知されない状態から検知される状態に変化したときの各アーム34a~34cの位置が、第1鍔側面17aの位置情報として記憶部48に記憶される。同様にして、第2の鍔18の内側の側面(第2鍔側面18a)の位置情報が記憶部48に記憶される。なお、各鍔の側面17a、18aの位置は、ドラム13を第1回転軸n1の周りで90°ずつ回転させて複数回測定し、平均値によって算出している。
【0035】
ステップS103では、ステップS102で測定した各鍔17、18の位置情報から鍔の内幅W(第1の鍔17の第1鍔側面17aと第2の鍔18の第2鍔側面18aとのx軸方向の距離である)を算出する。次に、内幅Wに基づいて、下記の式(1)によってドラム13の外周に積層して巻き取られる電線14の各層における巻き数Nを算出している。
【0036】
N=Nm-1 ・・・式(1)
ここで、N:各層の電線14の巻き数
Nm:W/dを越えない最大の整数値
W:鍔17、18の内幅
d:電線14の直径
【0037】
電線14は、線径のばらつきや、巻き癖があるため、ドラム13に整列して巻き取るときに隣り合う電線14が完全には密着せず、わずかながらすきまをもって巻き取られる。そこで、本実施形態では、式(1)で示すように、各層の電線14の巻き数Nは、第1の鍔17と第2の鍔18との間に収容しうる計算上の最大の巻き数Nmから1を減じた値としている。
【0038】
式(1)では、W/dを越えない最大の整数値として、鍔間に挿入できる最大の巻き数Nmを算出している。計算上では、第1層目の電線14の巻き数をNmとすることは可能であるが、電線14には巻き癖等があるため、隣り合う電線14が互いに密着していない。このため、1からNmまでのすべての列を巻き付けることが困難な場合がある。そこで、本実施形態では、第1層目に巻き付ける電線14の数をNm-1としている。
こうすることにより、ドラム13に巻き付ける電線14は、無理をしない範囲で密な状態で組付けられるので、ドラム13に巻き付けられる電線14の列数を最大限に多くすることができる。
【0039】
一方、電線14は、径方向にわずかながら弾性を有しているので、径方向に圧縮する力が加わるとその直径dは縮小する。特に、合成樹脂で被覆された電線14の場合は、圧縮変形量が大きく各列の電線14が径方向に縮小するので、容易にNmより多くの列を巻き付けることが可能な場合がある。
このように、第1層目に巻き付けることができる線条体の列数は、線条体の種類によって異なるので、最大の巻き数Nmから減ずる数は1に限定されない。巻き取りの対象である線状体の線径や材質、巻き癖の状態等に応じて変更してもよく、0であってもよいし、2以上であってもよい。
なお、本実施形態で巻取の対象としている電線14は、銅線のみをより合わせた一般的な電線14であり、径方向に圧縮しにくい電線14であるため、第1層目に巻き付ける電線14の数NをNm-1としている。
【0040】
ステップS104では、第1層目において電線14を巻き数Nで等間隔で巻き取ったと仮定したときの計算上のピッチ(仮想ピッチPkという)を、式(2)で算出する。ピッチとは、x軸方向で隣り合う2本の電線14の中心と中心との距離をいう。なお、この式からわかるように、第2の鍔18に最も近い電線14と第2鍔側面18aとのx軸方向のすきまは、電線14と電線14とのx軸方向のすきまと等しいものとして算出している。なお、このすきまの大きさは、通常、電線14の直径の1/2よりはるかに小さい値となる。
Pk=W/N ・・・式(2)
ここで、Pk:電線14の仮想ピッチ
W:鍔の内幅
N:第1層目の巻き数
第1層目の巻き数N及び第1層目の電線14の仮想ピッチPkの値は、記憶部48に記憶される。
【0041】
本実施形態の線状体巻取装置10では、ドラム13に電線14を巻き取るときは、電線案内部30が、x軸方向に所定の間隔で設けた基準位置Giで停止するようになっている。基準位置Giは、第i番目の基準位置を意味する(図5参照)。
電線案内部30は、ドラム13の外周に一巻き分の電線14が供給される間は、基準位置Giで停止しており、ドラム13が一回転する毎にx軸方向の次の基準位置Giに順次移動する。こうして、ドラム13の外周に電線14が整列して巻き取られる。
基準位置Giのx軸方向の間隔は、式(2)で求めた仮想ピッチPkと同等である。また、基準位置Giの数は、式(1)で求めた巻き数Nと同等である。基準位置Gi(i=1~N)は、x軸方向に所定の間隔で設定された座標列であり、各基準位置Giの座標は、記憶部48に記憶される。
なお、基準位置Giは、電線案内部30がx軸方向の動きを停止する位置を示す座標に過ぎず、実際に巻き取られる電線14の位置を表すものではない。
【0042】
ステップS211からステップS218は、電線14を巻き取る巻取工程である。
巻取工程では、ステップS211で、基準位置Giの位置番号iを1として、ロボット31は、電線案内部30を第1番目の基準位置G1に移動させる。図5に示すように、第1番目の基準位置G1は、第1巻き目の電線14の中心軸の位置からd/2だけ後方に設定されている。第1巻き目の電線14は第1の鍔17の第1鍔側面17aに沿って巻き取られるので、第1番目の基準位置G1は、第1鍔側面17aのx座標と一致している。
なお、以下の説明において、「電線案内部30が第i番目の基準位置Giに配置される」というときは、特に断らない限り第1ローラ36の溝底のx軸方向の位置が、第i番目の基準位置Giと一致することを意味する。
【0043】
制御部46が、駆動モータ19の回転角信号に基づいてドラム13が一回転したことを検知すると、ステップS214で位置番号iを1増加させて「i=2」とする。その後、再びステップS211に戻って、電線案内部30が、第2番目の基準位置G2に移動する。
このとき、第2巻き目の電線14が、第1巻き目の電線14と干渉するのを回避するために、制御部46は、第1巻き目の電線14が1周分巻き終わるより早い段階で、電線案内部30が次の基準位置G2への移動を開始するように指令を発信する。これにより、図5に示したように、電線案内部30が基準位置G1から基準位置G2に移動するときは、ドラム13に巻き取られた電線14が、ドラム13の周方向に対して所定の角度φだけ傾いて巻き取られる。
【0044】
第2巻き目においても、第1巻き目と同様にして、電線14がドラム13に巻き取られる。こうして、制御部46が、ドラム13が一回転したことを検知すると、位置番号iを1増加させて、電線案内部30がx軸方向(+)側の、次の基準位置Giに移動する。
【0045】
第1の基準位置G1は、第1巻き目の電線14の位置より後方にd/2だけ遅れて設定されている。同様に、第2巻き目以降の電線14においても、各列の基準位置は、各電線14より概ねd/2だけ遅れた位置に配置される。したがって、ドラム13に電線14を巻き取るときは、各電線14は、それぞれの巻取位置に対して概ねd/2だけ遅れた位置から供給される。以下、電線14の巻取位置と電線案内部30の位置とのx軸方向の差を「遅れ量」という。
【0046】
こうして、電線14が、巻取位置に対して遅れた位置から供給されるので、先に巻き取られている電線14と、電線案内部30から供給された電線14とが互いに接触しながら巻き取られる。
このため、遅れ量を過大に設定すると、巻き取ろうとする電線14が、先に巻き取られた電線14に乗り上げてしまい、巻取異常が生じやすくなることに留意必要である。なお、遅れ量は、電線14の種類や巻き癖など電線14の状態に応じて変更することができる。
【0047】
ドラム13の外周に巻き取られた電線14は、線径のばらつきや、巻き癖があるため、ドラム13に巻き取ったときに、互いに隣り合う電線14と電線14は完全には密着しない。このため、実際にドラム13に巻き取られた電線14のピッチPは、電線14の直径dよりわずかに大きい。一方、本実施形態では、基準位置Giの間隔が仮想ピッチPkと同等に設定されており、電線14の直径dよりわずかに大きい。このため、ドラム13に電線14を巻き取るときに、電線14の巻取位置と基準位置Giとがほぼ同等の速さでドラム13の前方に進行する。
【0048】
位置番号iが既定の巻き数Nに等しくなったことを検知すると、制御部46は、スペーサ挿入信号を発信する(ステップS215)。これにより、スペーサ挿入処理P30が実行される。スペーサ挿入処理は、電線巻取処理P10と並行して実施される。スペーサ挿入処理P30では、制御部46が、スペーサ挿入信号を発信することにより、スペーサ挿入装置50のエアシリンダ51のロッド52が伸長して、スペーサ55が、すでに巻き取られている第(N-1)巻き目の電線14と第2の鍔18との間に挿入される(ステップS301)。
なお、ステップS215において、制御部46は、第1層目の電線14の巻き数が所定の巻き数Nより1以上少ない段階(例えば、i=N-1のとき)で、スペーサ挿入信号を発信してもよい。この段階では、最後に巻き付けられた列の電線14と第2の鍔18との間に大きなすきまを有しているので、スペーサ55を確実に挿入することができる。
【0049】
図3に示したように、スペーサ挿入装置50は、各列の始点の位置よりドラム13の回転方向に45°進んだ位置に設置されている。したがって、制御部46がスペーサ挿入信号を発信すると、スペーサ55は、第N巻き目の始点より回転方向に45°進んだ位置で、第(N-1)巻き目の電線14と第2の鍔18との間に挿入される(図5参照)。
【0050】
この状態でドラム13が回転すると、第N巻き目の電線14とスペーサ55とがドラム13の周方向で当接して、スペーサ55が、第N巻き目の電線14と第2の鍔18との間に強制的に挿入される。このため、第N巻き目の電線14は、スペーサ55によってx軸(-)方向に位置ずれして、第N巻き目の電線14と第2の鍔18との間に、d/2のすきまが形成される。このとき、第N巻き目より先に巻き取られた電線14も、第N巻き目の電線14に付勢されて第2の鍔18から離れる向きに位置ずれする場合がある。
【0051】
こうして、スペーサ55が、第N巻き目の電線14と第2の鍔18との間に挿入された状態で、第N巻き目の電線14がドラム13の中心軸の周りで一周分巻き取られると、第N巻き目の電線14と第2の鍔18との間に、d/2の大きさで周方向に連続するすきまが形成される。
第N巻き目の電線14が「一周分巻き取られたとき」とは、図5において、第N巻き目の電線14を巻き始める点E(N)が、ドラム13とともに1回転(ドラム13の回転角が360°である)して、再びz軸方向の最も(+)側に位置するときをいう。
【0052】
こうして、ドラム13の回転角が360°以上になると、制御部46がスペーサ退避信号を発信することにより、エアシリンダ51のロッド52が後退して、スペーサ支持部材53が電線14と第2の鍔18との間から退避する(ステップS303)。
【0053】
ステップS213でドラム13が一回転して第N巻き目の巻取が完了したことを検知すると、ステップS214で位置番号iが繰り上がり、iの値がNより大きくなる。ステップS215で第1層目の巻取が完了したと判断して、トラバーサ12の進行方向が反転する(ステップS217)。第2層目の電線14は、第2の鍔18から第1の鍔17に向かって整列して巻き取られる。
【0054】
第2層目においても第1層目と同様にして、位置番号iを1として、ステップS211で、電線案内部30が第1番目の基準位置G1に移動する。図示を省略するが、第2層目においても、第1番目の基準位置G1は、第2層目の第1巻き目の電線14の中心から後方(第2層目においては、電線14の巻取位置がx軸方向に進行する向きを前方とし、その逆向きを後方という)、すなわちx軸(+)方向にd/2だけずれた位置に設定される。第1巻き目の電線14は第2の鍔18の第2鍔側面18aに沿って巻き取られるので、第2層目の第1番目の基準位置G1は、第2鍔側面18aのx座標と一致する。
【0055】
次に、ステップS213でドラム13が一回転したことを検知すると、電線案内部30が次の基準位置Giに移動する。その後、第2層目の巻き数が、算出した巻き数Nに到達するまで電線14が巻き取られる。
【0056】
図8は、第2の鍔18の近傍で、ドラム13の外周に巻き取られた電線14の巻取り状態を示す模式図である。図8は、ドラム13の中心軸を含み整列巻きされた各電線14の始点を通る断面を、ドラム外周の接線方向に見た形態を示している。図9は、第1の鍔17の近傍における図8と同様の模式図である。
【0057】
図8を参照する。第2層目の電線14は、第1層目の電線14と電線14との間に俵積み状に巻き取られる。
本実施形態では、第1層目の第N巻き目の電線14を巻き取るときに、第N巻き目の電線14と第2の鍔18との間にスペーサ55を挿入することによって、第N巻き目の電線14と第2の鍔18との間に、d/2の大きさで周方向に所定の範囲で連続するすきまが形成されている。このため、第2層目の第1巻き目の電線14は、第1層目の第N巻き目の電線14及び第2の鍔18と接するように巻き取られ、その巻取径は、第2層目のその他の電線14と同一である。こうして、第2層目の電線14が第1層目の電線14と同様に一様な巻取径で整列して巻き取られる。
【0058】
第2層目の第N巻き目の電線14は、図9に示すように、第1層目の第1列目の電線14と第2列目の電線14との間に俵積み状に巻き取られる。したがって、第2層目の第N巻き目の電線14と第1の鍔17との軸方向のすきまはd/2である。このため、第3層目の電線14においても、一様な巻取径で整列して巻き取られる。
第2の鍔18の近傍における第3層目の第N巻き目の電線14についても、第2層目の第1列目の電線14と第2列目の電線14との間に俵積み状に巻き取られるので、第4列目の電線14が俵積み状に巻き取られる。
こうして、各層において電線14が整列して巻き取られ、ステップS218により、既定の積層数が完了するまで繰り返される。
【0059】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
例えば、本実施形態では、トラバーサ12は多関節ロボットで形成されているが、これに限定するものではない。例えば、公知の直動装置を使用して、電線案内部30をx軸方向に変位しうる直動軸受で支持された可動部材に搭載し、エンコーダを備えたモータでボールねじを回転させてx軸方向の位置を制御する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
10:線状体巻取装置、11:ドラム回転駆動部、12:トラバーサ、13:ドラム、14:電線、15:電線供給装置、16:制御装置、17:第1の鍔、17a:第1鍔側面、18:第2の鍔、18a:第2鍔側面、19:駆動モータ、20:回転支持部、21:基台、27:反射鏡、30:電線案内部、31:ロボット、33:旋回座、33a:固定部、33b:可動部、34a:第1アーム、34b:第2アーム、34c:第3アーム、35a:第1関節部、35b:第2関節部、35c:第3関節部、36:第1ローラ、37:第2ローラ、38:第3ローラ、39:案内部本体、40:レーザ装置、41:溝、43:穴、46:制御部、47:演算部、48:記憶部、50:スペーサ挿入装置、51:エアシリンダ、52:ロッド、53:スペーサ支持部材、54:ベース部、55:スペーサ、55a:当接面、55b:傾斜面、56:第1側面、57:第2側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9