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特開2024-126194蓋体、容器本体、及び、これらを備えた容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126194
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】蓋体、容器本体、及び、これらを備えた容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/032 20060101AFI20240912BHJP
   B65D 5/68 20060101ALI20240912BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20240912BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B65D21/032
B65D5/68 Z
B65D5/42 J
B65D5/44 P
B65D5/44 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034422
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】村中 成仁
【テーマコード(参考)】
3E006
3E060
【Fターム(参考)】
3E006AA02
3E006BA01
3E006CA03
3E006DA04
3E006DB05
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA24
3E060CB02
3E060CB16
3E060CB23
3E060CD02
3E060CD12
3E060DA07
3E060DA11
3E060EA09
3E060EA13
(57)【要約】
【課題】容器を安定よく積み重ねて保管しておくことができるようにする
【解決手段】上端が開口した有底筒状の容器本体の上端部に脱着可能に装着される蓋体であって、容器本体の上端部を嵌め入れ可能な上方へ窪んだ第1凹部と、積み重ねられるべき容器本体の下端部を嵌め入れ可能な下方へ窪んだ第2凹部とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口した有底筒状の容器本体の上端部に脱着可能に装着される蓋体であって、
前記容器本体の上端部を嵌め入れ可能な上方へ窪んだ第1凹部と、積み重ねられるべき容器本体の下端部を嵌め入れ可能な下方へ窪んだ第2凹部とを備える、
蓋体。
【請求項2】
有底四角筒状の前記容器本体の前記上端の形状に対応する四角形状の底板部と、該底板部の四つの各辺にそれぞれ連設されて、前記底板部よりも上方及び下方に突出する側板部とを備え、
前記底板部の下方に、前記側板部の下部で囲まれた前記第1凹部が形成され、
前記底板部の上方に、前記側板部の上部で囲まれた前記第2凹部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記底板部における前記四つの各辺には、前記第2凹部の内壁を形成する第2内壁部、前記側板部の外壁を形成する外壁部、及び、前記第1凹部の内壁を形成する第1内壁部が、折り線を介して順次連設され、
前記側板部は、前記外壁部の内側の上下に、前記第2内壁部及び前記第1内壁部が重ねられた二重壁構造である、
請求項2に記載の蓋体。
【請求項4】
対向する2組の側板部の内の一方の組の側板部の前記外壁部の両端には、他方の組の側板部に折込まれる連結片がそれぞれ連設され、前記連結片は、対向する連結片同士を係合する係合部を有し、対向する連結片は、前記係合部で係合されて連結された状態で、前記他方の組の側板部の前記外壁部と、前記第1内壁部及び前記第2内壁部との間に折込まれている、
請求項3に記載の蓋体。
【請求項5】
前記一方の組の前記側板部の第1内壁部の両端には、前記他方の組の側板部に折込まれる折込み片がそれぞれ連設され、前記折込み片が、前記連結された状態の前記連結片に重ね合わされて、前記連結片と共に、前記他方の組の側板部の前記外壁部と、前記第1内壁部との間に折込まれている、
請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
底板部の周縁から側板部が立設された有底筒状の容器本体であって、
前記側板部の上端に、内方へ折り曲げられた複数の折り曲げ片が、前記上端を基端として、上下に揺動可能に連設され、
前記複数の折り曲げ片の揺動する端部によって、開口が形成され、
前記側板部の上端部に、蓋体が脱着されて、前記開口が開閉される、
容器本体。
【請求項7】
四角形状の前記底板部の四つの各辺から四つの前記側板部がそれぞれ立設された有底四角筒状であり、
前記四つの前記側板部の上端に、前記折り曲げ片がそれぞれ連設されている、
請求項6に記載の容器本体。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の蓋体を、請求項6または7に記載の容器本体の上端部に脱着可能に装着する、
容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙材を組み立てて製作する蓋体、容器本体、及び、これらを備えた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
紙材を組み立てて製作する蓋付きの容器としては、例えば、特許文献1に開示されているように、矩形形状の底板の四辺から前後左右の側板を立設し、その後側の側板に連設された蓋板を上下に折り込むことで、容器本体の上端開口を開閉するよう構成したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-236029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器に菓子等の物品を収容して展示販売するに際し、限られたスペースに多数の容器を保管したいことがある。このような場合、容器を積み重ねて保管しておくことが望まれる。
【0005】
しかし、一般的に容器は上面が平坦であるために、積み重ねた上段の容器がずれ動く虞があり、安定的に積み重ねて保管することが困難であった。
【0006】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、容器を安定よく積み重ねて保管しておくことができる蓋体、容器本体、及び、これらを備えた容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0008】
(1)本発明に係る蓋体は、上端が開口した有底筒状の容器本体の上端部に脱着可能に装着される蓋体であって、前記容器本体の上端部を嵌め入れ可能な上方へ窪んだ第1凹部と、積み重ねられるべき容器本体の下端部を嵌め入れ可能な下方へ窪んだ第2凹部とを備える。
【0009】
本発明に係る蓋体によると、容器本体の上端部を、上方へ窪んだ第1凹部に嵌め入れることで、当該蓋体を容器本体に装着し、当該蓋体の下方へ窪んだ第2凹部に、積み重ねられるべき別の容器本体の下端部を、ずれ動くことなく嵌め入れて保持することができる。これによって、当該蓋体と容器本体からなる容器を、複数段に亘って安定的に積み上げて保管することができる。
【0010】
(2)本発明に係る蓋体の好ましい実施態様では、有底四角筒状の前記容器本体の前記上端の形状に対応する四角形状の底板部と、該底板部の四つの各辺にそれぞれ連設されて、前記底板部よりも上方及び下方に突出する側板部とを備え、前記底板部の下方に、前記側板部の下部で囲まれた前記第1凹部が形成され、前記底板部の上方に、前記側板部の上部で囲まれた前記第2凹部が形成されている。
【0011】
この実施態様によると、四角形状の底板部の四つの各辺に連設されて、前記底板部より下方に突出する四つの側板部の下部によって、底板部を四方から囲むように上方へ窪んだ第1凹部が形成され、前記底板部より上方に突出する四つの側板部の上部によって、底板部を四方から囲むように下方へ窪んだ第2凹部が形成される。
【0012】
(3)本発明に係る蓋体の他の実施態様では、前記底板部における前記四つの各辺には、前記第2凹部の内壁を形成する第2内壁部、前記側板部の外壁を形成する外壁部、及び、前記第1凹部の内壁を形成する第1内壁部が、折り線を介して順次連設され、前記側板部は、前記外壁部の内側の上下に、前記第2内壁部及び前記第1内壁部が重ねられた二重壁構造である。
【0013】
この実施態様によると、第1凹部及び第2凹部は、二重壁構造の側板部で囲まれるため、強度が増す。これによって、容器本体の上端部を第1凹部に強く嵌め入れて当該蓋体を装着することができると共に、当該蓋体の第2凹部に、積み重ねるべき別の容器本体の下端部を強く嵌め入れて安定に保持することができる。
【0014】
(4)本発明に係る蓋体の更に他の実施態様では、対向する2組の側板部の内の一方の組の側板部の前記外壁部の両端には、他方の組の側板部に折込まれる連結片がそれぞれ連設され、前記連結片は、対向する連結片同士を係合する係合部を有し、対向する連結片は、前記係合部で係合されて連結された状態で、前記他方の組の側板部の前記外壁部と、前記第1内壁部及び前記第2内壁部との間に折込まれている。
【0015】
この実施態様によると、対向する側板部同士が連結片を介して連結されると共に、連結された連結片が外壁部と第1,第2内壁部とで内外から挟持される。これにより、対向する側板部が、筒状の容器本体の内方又は外方へ変形することが抑止され、第1凹部及び第2凹部の形状が安定して保持される。
【0016】
(5)本発明に係る蓋体の一実施態様では、前記一方の組の前記側板部の第1内壁部の両端には、前記他方の組の側板部に折込まれる折込み片がそれぞれ連設され、前記折込み片が、前記連結された状態の前記連結片に重ね合わされて、前記連結片と共に、前記他方の組の側板部の前記外壁部と、前記第1内壁部との間に折込まれている。
【0017】
この実施態様によると、連結された連結片と折込み片とを重ね合わせて、側板部の外壁部と第1内壁部とで内外から挟持するので、側板部が一層変形しにくいものとなる。
【0018】
(6)本発明に係る容器本体は、底板部の周縁から側板部が立設された有底筒状の容器本体であって、前記側板部の上端に、内方へ折り曲げられた複数の折り曲げ片が、前記上端を基端として、上下に揺動可能に連設され、前記複数の折り曲げ片の揺動する端部によって、開口が形成され、前記側板部の上端部に、蓋体が脱着されて、前記開口が開閉される。
【0019】
本発明に係る容器本体によると、側板部の上端に、内方へ折り曲げられた複数の折り曲げ片が連設されているので、側板部が、筒状の容器本体の内方又は外方へ変形するのが抑止される。
【0020】
また、複数の折り曲げ片の上下に揺動する端部によって開口が形成されるので、複数の折り曲げ片を、上方または下方へ大きく揺動変位させて、開口のサイズを大きくすることができ、当該容器本体への物品の出し入れが容易である。
【0021】
(7)本発明に係る容器本体の好ましい実施態様では、四角形状の前記底板部の四つの各辺から四つの前記側板部がそれぞれ立設された有底四角筒状であり、前記四つの前記側板部の上端に、前記折り曲げ片がそれぞれ連設されている。
【0022】
この実施態様によると、側板部の上端に連設された四つの折り曲げ片によって、側板部が、筒状の容器本体の内方又は外方へ変形するのを抑止して、四角筒状の形状を安定して保持することができる。また、四つの折り曲げ片の上下の揺動によって、折り曲げ片の端部によって形成される開口のサイズを変更することができる。
【0023】
(8)本発明に係る容器は、上記(1)ないし(5)のいずれかの蓋体を、上記(6)または(7)の容器本体の上端部に脱着可能に装着する。
【0024】
本発明に係る容器によると、容器本体の上端部を嵌め入れ可能であると共に、積み重ねられるべき容器本体の下端部を嵌め入れ可能な蓋体を介して、蓋体と容器本体とからなる容器を、安定よく積み重ねることが可能である。
【発明の効果】
【0025】
このように本発明によれば、容器本体に脱着可能な蓋体を介して、容器を安定よく積み重ねて保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は本発明の一実施形態の容器の外観斜視図である。
図2図2は蓋体と容器本体とが分離された容器の外観斜視図である。
図3図3は容器を積み重ねた状態の外観斜視図である。
図4図4は容器本体を形成する紙材の展開平面図である。
図5図5は容器本体の組立て途中状態を示す斜視図である。
図6図6は蓋体を形成する紙材の展開平面図である。
図7図7は蓋体の組立て手順を示す斜視図である。
図8図8は蓋体の組立て手順を示す斜視図である。
図9図9は蓋体の組立て手順を示す斜視図である。
図10図10は組立てられた蓋体を下面側から見た斜視図である。
図11図11は組立てられた蓋体を直交する2方向から見た概略縦断面図であり、(a)は、図10におけるX-X断面図、(b)は、図10におけるY-Y断面図である。
図12図12は蓋体を形成する紙材の他の実施形態を示す展開平面図である。
図13図13は蓋体を形成する紙材の更に他の実施形態を示す展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る組立て式の紙製の容器Cの外観斜視図であり、図2は、容器本体Aと蓋体Bとに分離された状態の容器Cの外観斜視図である。また、図3は、容器Cを2段に積み重ねた状態を示す外観斜視図である。
【0029】
この実施形態の容器Cは、厚紙やボール紙といった紙材を組み立てて構成される。この実施形態の容器Cは、有底四角筒状の容器本体Aと、その上端部に脱着可能に被せられる蓋体Bとを備えている。以下、それぞれの構成を詳細に説明する。
【0030】
[容器本体A]
容器本体Aは、所定形状に打抜き加工された紙材を組上げて、上端部が開口された縦長の有底四角筒状に構成される。
【0031】
図4は、紙材を容器内面側から見た展開平面図であり、同一仕様の4つの側板部1a~1dが、折り線a~cを介して横方向に連設されている。横方向の一端(図4では右端)の側板部1dには、折り線dを介して接合片2が連設され、この接合片2の外面の塗布領域3には、接着剤が塗布される。また、各側板部1a~1dの下端には、底板部を構成する折り曲げ片である底フラップ4a~4dが折り線e~hを介して内折り可能にそれぞれ連設されている。
【0032】
更に、各側板部1a~1dの上端には、同一形状に形成された開口形成用の折り曲げ片5a~5dが、折り線i~lを介して内折り可能に連設されている。各折り曲げ片5a~5dは、山形の頂部が、円形を略四分割した部分円弧状に窪んだ凹部6a~6dとなっている。
【0033】
上記のように構成された紙材は、図5に示すように、各側板部1a~1dを折り線a~cに沿って内折りして、横方向の他端(図4では左端)に位置する側板部1aの横外端部を、折り線dに沿って内折りした接合片2の外面に重ねて、塗布領域3に塗布された接着剤で接合する。なお、接着剤に限らず、両面テープ等で接合してもよい。
【0034】
また、側板部1a~1dの内折りと同時に、折り線e~hに沿って内折りした底フラップ4a~4dを交差するように係合することで底板部を形成する。
【0035】
これによって、底フラップ4a~4dにより構成された四角形の底板部の各辺から側板部1a~1dが立設された有底四角筒状、この例では、有底正方形筒状の容器本体Aが組立てられる。
【0036】
また、各側板部1a~1dの上端に連設されている折り曲げ片5a~5dは、折り線i~lに沿って内折りされる。これら折り曲げ片5a~5dは、側板部1a~1dの上端を基端として、折り線i~lで上下に揺動可能である。これらの折り曲げ片5a~5dの揺動する端部によって、図2に示すように、凹部6a~6dが周方向に連続された円形の開口である物品の出し入れ口7が形成される。
【0037】
上記のように折り曲げ片5a~5dは、上下に揺動可能であるので、折り曲げ片5a~5dを上方に大きく振り上げて出し入れ口7を大きく開放して、菓子等の物品を容易に収容することができる。また、出し入れ口7に、容易に手を差し入れたり、抜き出したりすることができる。
【0038】
側板部1a~1dの上端に連設された折り曲げ片5a~5dは、側板部1a~1dの内外への撓み変形を抑止する補強部材として機能する。更に、折り曲げ片5a~5dは、円形の出し入れ口7を形成して、収容した物品が簡単にこぼれ出るのを阻止する機能も有する。
【0039】
容器本体Aは、図3に示すように、その下端部を、蓋体Bに嵌め入れて積み重ねるので、上部に比べて下部の外形サイズが小さくなるように、下方へ向けて窄んでいる。
【0040】
[蓋体B]
蓋体Bは、所定の形状に打抜き加工した紙材を組立てて、平面形状が正方形に構成されている。蓋体Bは、図1図3に示すように、正方形に形成された底板部13の周縁の四辺、すなわち、四つの各辺に、底板部13よりも上方及び下方に突出するように対向する2組の側板部10a、10bが連設されている。このようにして、蓋体Bの下面に、容器本体Aの上端部に被さる深い下向き、すなわち、深く上方へ窪んだ第1凹部11が備えられている。また、蓋体Bの上面に、積み重ねられるべき別の容器本体Aの下端部を嵌め入れ可能な浅い上向き、すなわち、浅く下方へ窪んだ第2凹部12が備えられている。
【0041】
図6は、蓋体形成用の紙材を表裏面(上下面)反転して裏面(下面)側、すなわち、組上げられた蓋体Bの第1凹部11側から見た展開平面図である。紙材中央には、下向きの第1凹部11と上向きの第2凹部12とを形成すると共に、それらを上下に仕切る正方形の底板部13が設けられる。
【0042】
この底板部13の四つの各辺に、第2凹部12における対向する2組の内壁を形成する第2内壁部14、15が折り線m、nを介して連設されている。この第2内壁部14、15の外側に、蓋体Bの外壁を形成する2組の外壁部16、17が折り線o、pを介して連設されている。更に、外壁部16、17の外側に、第1凹部11における対向する2組の内壁を形成する第1内壁部18、19が折り線q、rを介して連設されている。また、第1内壁部18、19bの外側には、折り曲げられて底板部13の裏面に重なるように接触する接触片20、21が折り線s、tを介して連設されている。
【0043】
対向する2組の内の一方の組の外壁部16の横方向の両端に、それぞれ連結片22が折り線uを介して連設されている。また、対向する2組の内の前記一方の組の第1内壁部18の横方向の両端には、補強用の折込み片23が折り線vを介して連設されている。
【0044】
上記のように構成された紙材を蓋体Bに組立てる手順を以下に説明する。
【0045】
先ず、図7に示すように、折れ線m、nを山折りすると共に、折れ線o、pを谷折りし、全ての第2内壁部14、15を折り下げて、底板部13全体を第2内壁部14、15の高さで隆起させる。
【0046】
次に、図8に示すように、対向する2組の内の前記一方の組の外壁部16を折れ線oに沿って折り上げると共に、連結片22を折れ線uに沿って内折りする。
【0047】
次に、図9に示すように、対向する連結片22の先端部同士を内外に重ねると共に、連結片22の先端部に形成した係合部としてのスリット24を交差するように係合する。このように、対向する連結片22の先端部同士を係合させて連結することによって、対向する外壁部16が内方又は外方に変形移動することが抑止される。
【0048】
次に、図9に示すように、対向する2組の内の前記一方の組の第1内壁部18を折れ線qに沿って内方に折り込んで、外壁部16の内面に重ねると共に、折れ線vに沿って内方に折り込んだ折込み片23を、連結片22の内側に重ねる。また、接触片20を折れ線sに沿って折り出して、底板部13に重ねる。
【0049】
次に、対向する2組の内の他方の組の外壁部17を折れ線pに沿って折り上げて、連結された連結片22に外側から重ねる。次いで、対向する2組の内の前記他方の組の第1内壁部19を折れ線rに沿って内方に折り込んで、連結された連結片22と折り込まれた折込み片23とを、外壁部17と第1内壁部19とで挟み込む。また、接触片21を折れ線tに沿って折り出して、底板部13に重ねる。
【0050】
これによって、図10に示すように、深い下向きの第1凹部11と浅い上向きの第2凹部12とを備えた蓋体Bが組立てられる。
【0051】
図11は組立てられた図10の蓋体Bを直交する2方向から見た概略縦断面図であり、同図(a)は、X-X方向から見た概略断面図であり、同図(b)は、Y-Y方向から見た断面図である。
【0052】
この図11に示すように、底板部13の周囲に、底板部13より上方及び下方に突出する内外二重壁構造の側板部10a、10bが折り上げ形成される。
【0053】
ここで、容器本体Aは、上記のように下方へ向けて窄まっており、下端部が上端部より小さくなっている。これによって、図3に示すように、蓋体Bの上面に形成された浅い第2凹部12に、別の容器本体Aの下端部を嵌め入れることで、上段の容器をずれ動くことなく安定よく積み重ねることが可能となる。
【0054】
[他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0055】
(1)蓋体Bを組み立てる紙材における連結片22の係合する部位を、図12に示すような先端部が円弧状の形状にしてもよい。また、図13に示すように、係合する部位に、スリット24に連なる折り線wを備えておくことで、スリット24同士を係合する操作を容易に行えるようにしてもよい。
【0056】
(2)折り曲げ片5a~5dの揺動する端部によって形成される出し入れ口7の形状を、楕円形、四角形等、収容する物品等に応じて任意に設定することができる。
【0057】
(3)上記実施形態では、四角筒状の容器に適用したが、三角筒状、五角以上の多角筒状、あるいは、円筒状の容器に適用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1a~1d 側板部
5a~5d 折り曲げ片
7 出し入れ口
10a,10b 側板部
11 第1凹部
12 第2凹部
13 底板部
14,15 第2内壁部
16,17 外壁部
18,19 第1内壁部
22 連結片
23 折込み片
24 スリット
A 容器本体
B 蓋体
C 容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13