(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126196
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/284 20210101AFI20240912BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240912BHJP
H01M 50/209 20210101ALN20240912BHJP
H01M 50/298 20210101ALN20240912BHJP
【FI】
H01M50/284
H01M50/242
H01M50/209
H01M50/298
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034424
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直剛
(72)【発明者】
【氏名】福田 雅樹
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA02
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC38
5H040DD08
5H040JJ03
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】小型化された電池パックを提供する。
【解決手段】電池パックは、複数の電池セル100と、筐体200と、電装部品300とを備える。複数の電池セル100は、第1の方向に並んでいる。筐体200は、複数の電池セル100を収容する。電装部品300は、複数の電池セル100の少なくとも1つと電気的に接続されている。筐体200は、底部210と、側壁部220とを含む。底部210は、複数の電池セル100が載置される。側壁部220は、底部210から立設され、その内部に中空部245が設けられている。電装部品300の少なくとも一部は、側壁部220に埋設されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に並んだ複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを収容する筐体と、
前記複数の電池セルの少なくとも1つと電気的に接続された電装部品とを備え、
前記筐体は、
前記複数の電池セルが載置される底部と、
前記底部から立設され、その内部に中空部が設けられた側壁部とを含み、
前記電装部品の少なくとも一部は、前記側壁部に埋設されている、電池パック。
【請求項2】
前記電装部品の全体が前記側壁部に埋設されている、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記側壁部は、前記中空部を複数の空間に区画するリブ部を有し、
前記電装部品は、前記リブ部に固定されている、請求項1または請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記側壁部は、前記第1の方向において前記複数の電池セルを挟持する一対の第1側壁部と、前記第1の方向に直交する第2の方向において前記一対の第1側壁部の各々の端部同士を接続する一対の第2側壁部とを有し、
前記電装部品は、前記一対の第2側壁部の少なくとも一方に埋設されている、請求項1または請求項2に記載の電池パック。
【請求項5】
前記電装部品は、前記筐体の外側に配置されている、請求項1または請求項2に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電装部品は、前記筐体の内側に配置されている、請求項1または請求項2に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックの構成を開示した先行技術文献として、特表2021-516187号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された電池パックは、電池モジュールと、フレームワークと、液体冷却回路とを備える。フレームワークは、電池モジュールを収容して支持する。液体冷却回路は、電池モジュールと熱接触する1つ以上の冷却プレートを含む。フレームワークは、対向配置された第1フレームプロファイルおよび第2フレームプロファイルを含む。第1フレームプロファイルおよび第2フレームプロファイルのそれぞれは、液体冷却回路の部分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電池パックにおいては、筐体の側壁部分の内部に冷却回路を配置することにより、筐体と冷却回路とを別々に設ける場合と比較して、部品点数を削減して電池パックの小型化を図ることができる可能性がある。このように、電池パックには車両などに対する電池パックの搭載効率を向上させるための小型化が求められており、電池パックを小型化する余地がある。
【0005】
本技術は、上記の課題を解決するためになされたものであって、小型化された電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、以下の電池パックを提供する。
[1]
第1の方向に並んだ複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを収容する筐体と、
前記複数の電池セルの少なくとも1つと電気的に接続された電装部品とを備え、
前記筐体は、
前記複数の電池セルが載置される底部と、
前記底部から立設され、その内部に中空部が設けられた側壁部とを含み、
前記電装部品の少なくとも一部は、前記側壁部に埋設されている、電池パック。
[2]
前記電装部品の全体が前記側壁部に埋設されている、[1]に記載の電池パック。
[3]
前記側壁部は、前記中空部を複数の空間に区画するリブ部を有し、
前記電装部品は、前記リブ部に固定されている、[1]または[2]に記載の電池パック。
[4]
前記側壁部は、前記第1の方向において前記複数の電池セルを挟持する一対の第1側壁部と、前記第1の方向に直交する第2の方向において前記一対の第1側壁部の各々の端部同士を接続する一対の第2側壁部とを有し、
前記電装部品は、前記一対の第2側壁部の少なくとも一方に埋設されている、[1]から[3]のいずれか1つに記載の電池パック。
[5]
前記電装部品は、前記筐体の外側に配置されている、[1]から[4]のいずれか1つに記載の電池パック。
[6]
前記電装部品は、前記筐体の内側に配置されている、[1]から[4]のいずれか1つに記載の電池パック。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、小型化された電池パックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本技術の実施の形態1に係る電池パックの構成を示す斜視図である。
【
図2】本技術の実施の形態1に係る電池セルの構成を示す斜視図である。
【
図3】
図1の電池パックをIII-III線矢印方向から見た断面図である。
【
図4】筐体の側壁部に対する電装部品の接続方法を示す断面図である。
【
図5】本技術の実施の形態2に係る電池パックの構成を示す断面図である。
【
図6】本技術の実施の形態3に係る電池パックの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0012】
また、本明細書において幾何学的な文言および位置・方向関係を表す文言、たとえば「平行」、「直交」、「斜め45°」、「同軸」、「沿って」などの文言が用いられる場合、それらの文言は、製造誤差ないし若干の変動を許容する。本明細書において「上側」、「下側」などの相対的な位置関係を表す文言が用いられる場合、それらの文言は、1つの状態における相対的な位置関係を示すものとして用いられるものであり、各機構の設置方向(たとえば機構全体を上下反転させる等)により、相対的な位置関係は反転ないし任意の角度に回動し得る。
【0013】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池およびナトリウムイオン電池などの他の電池を含み得る。本明細書において、「電極」は正極および負極を総称し得る。
【0014】
また、「電池パック」は、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、および電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)などに搭載可能である。ただし、「電池パック」の用途は、車載用に限定されるものではない。
【0015】
なお、図面においては、複数の電池セルが並ぶ方向を第1の方向としてのY方向、筐体における一対の第2側壁部が並ぶ方向を第2の方向としてのX方向、電池セルの上面と底面とが並ぶ方向を第3の方向としてのZ方向とする。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本技術の実施の形態1に係る電池パックの構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本技術の実施の形態1に係る電池パック1は、複数の電池セル100と、筐体200と、電装部品300とを備える。
【0017】
複数の電池セル100は、第1の方向(Y方向)に沿って並んでいる。本実施の形態における複数の電池セル100は、電池セル100同士の間に図示しないセパレータが介装されつつ、第1の方向(Y方向)に沿って並んでいる。セパレータは、絶縁性を有するプレートである。
【0018】
筐体200は、複数の電池セル100を収容する。筐体200は、たとえばアルミニウムまたは鋼によって構成されている。筐体200は、たとえば押し出し成形により形成される。
【0019】
本実施の形態における筐体200は、底部210と、側壁部220と、図示しない蓋部材とを含む。
【0020】
底部210には、複数の電池セル100が載置される。側壁部220は、底部210から立設されている。底部210および側壁部220は、互いが接する箇所において接合されている。本実施の形態における底部210および側壁部220は、接着剤によって互いに接着されている。底部210および側壁部220に対し、蓋部材が上方から複数の電池セル100を覆うように設けられる。
【0021】
側壁部220は、一対の第1側壁部230と、一対の第2側壁部240とを有する。一対の第1側壁部230は、一方の第1側壁部230aおよび他方の第1側壁部230bが互いに対向するように配置されている。一対の第2側壁部240は、一方の第2側壁部240aおよび他方の第2側壁部240bが互いに対向するように配置されている。
【0022】
一対の第1側壁部230は、第1の方向(Y方向)において複数の電池セル100を挟持する。本実施の形態においては、一方の第1側壁部230aおよび他方の第1側壁部230bによって複数の電池セル100を挟持している。
【0023】
一対の第2側壁部240は、第1の方向(Y方向)に直交する第2の方向(X方向)において一対の第1側壁部230の各々の端部同士を接続する。本実施の形態においては、一方の第2側壁部240aおよび他方の第2側壁部240bによって、一方の第1側壁部230aおよび他方の第1側壁部230bの各々の端部同士を接続している。一対の第1側壁部230および一対の第2側壁部240は、接着剤によって接合されている。
【0024】
積層された複数の電池セル100に対して第1の方向(Y方向)の圧縮力を作用させた状態で筐体200に挿入し、その後に圧縮力を解放することにより、一対の第1側壁部230同士を接続する一対の第2側壁部240に引張力が働く。その反作用として、一対の第2側壁部240は、一対の第1側壁部230を互いに近づける方向に押圧する。その結果、筐体200は、複数の電池セル100を第1の方向(Y方向)に拘束する。
【0025】
上述したように、本実施の形態の電池パック1は、筐体200の側壁部220が複数の電池セル100を直接支持する構造(Cell-to-Pack構造)によって、複数の電池セル100を拘束して支持する。なお、電池パック1は、Cell-to-Pack構造に限定されず、複数の電池セル100を含む電池モジュールを筐体200の内部に収容する構造(Cell-Module-Pack構造)であってもよい。
【0026】
電装部品300は、複数の電池セル100の少なくとも1つと電気的に接続されている。本実施の形態における電装部品300は、たとえば筐体200の内側と外側とを電気的に接続するコネクタである。電装部品300の詳細については後述する。
【0027】
図2は、本技術の実施の形態1に係る電池セルの構成を示す斜視図である。
図2に示すように、電池セル100は、たとえばリチウムイオン電池である。電池セル100は、角型形状を有する。
【0028】
複数の電池セル100の各々は、電極端子110と、ケース体120と、ガス排出弁130とを含む。
【0029】
電極端子110は、正極端子111と、負極端子112とを有する。電極端子110は、ケース体120上に形成されている。
【0030】
ケース体120は、図示しない電極体および電解液を収容する容器である。ケース体120は、略直方体形状を有している。ケース体120は、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄または鉄合金などにより構成されている。
【0031】
ケース体120は、上面121と、下面122と、一対の長側面123と、一対の短側面124とを有する。
【0032】
上面121には、電極端子110が配置されている。下面122は、第3の方向(Z方向)において上面121に対向している。
【0033】
一対の長側面123および一対の短側面124は、ケース体120の側面を構成している。ケース体120の側面としての一対の長側面123および一対の短側面124は、上面121および下面122の各々に交差している。一対の長側面123の各々は、第1の方向(Y方向)において互いに対向している。一対の短側面124の各々は、第2の方向(X方向)において互いに対向している。一対の長側面123の各々は、一対の短側面124の各々より大きな面積を有している。
【0034】
ガス排出弁130は、ケース体120内の圧力が所定値以上となった際に破断する。これにより、ケース体120内のガスがケース体120外に排出される。
【0035】
図3は、
図1の電池パックをIII-III線矢印方向から見た断面図である。
図3に示すように、本実施の形態における電池パック1は、バスバー400と、配線部材500とをさらに備える。
【0036】
バスバー400は、複数の電池セル100同士、または電池セル100と配線部材500とを電気的に接続する。
図3に示すバスバー400は、その一方側が電極端子110に接続され、他方側が配線部材500に延びて接続されている。
【0037】
配線部材500は、その一方側がバスバー400の他方側に接続されて、他方側が電装部品300と接続されている。配線部材500は、たとえば図示しない絶縁被覆によって覆われた導電ワイヤである。
【0038】
本実施の形態における配線部材500は、柔軟性を有し、様々な方向に曲げることができる。このため、仮に、配線部材500が電池パック1中に配置された場合、配線部材500を任意の方向に曲げることができるため、配線部材500が電池パック1の外形の大きさに起因する構成要素になる可能性は低い。
【0039】
一方、電装部品300は、コネクタなどの部品であって、曲げたりすることが困難なものである。このため、電装部品300が電池パック1中に配置された場合、電装部品300が電池パック1の外形の大きさを決める構成要素になる可能性が高い。このように、本実施の形態における電装部品300と配線部材500とは、電池パック1の外形の大きさに対する影響度に違いがある。
【0040】
一方の第2側壁部240aは、外側壁部241と、内側壁部242と、上側壁部243と、下側壁部244と、リブ部246とを有する。外側壁部241、内側壁部242、上側壁部243および下側壁部244に囲まれた内部には、中空部245が設けられている。なお、他方の第2側壁部240bについても、一方の第2側壁部240aと同様の構造を構成し得る。
【0041】
外側壁部241と内側壁部242とはX方向において互いに対向している。上側壁部243と下側壁部244とはZ方向において互いに対向している。外側壁部241および内側壁部242のZ方向の両端は、上側壁部243と下側壁部244とによって接続されている。
【0042】
リブ部246は、軽量化などを目的として中空部245を設けた側壁部220において、部材強度を確保するために設けられている。リブ部246は、中空部245を複数の空間に区画する。リブ部246は、第1の方向(Y方向)から見て、中空部245を4つの空間に区画している。
【0043】
リブ部246は、第1リブ247と、第2リブ248とを有する。第1リブ247は、第3の方向(Z方向)に延在する部分である。第2リブ248は、第2の方向(X方向)に延在する部分である。第1リブ247と第2リブ248とは、中空部245の中央付近で交差している。
【0044】
第1リブ247には、貫通孔250aが設けられている。第2リブ248には、貫通孔250bが設けられている。貫通孔250a,250bには、配線部材500が挿通される。
【0045】
外側壁部241には、開口部249が形成されている。一方の第2側壁部240aには、電装部品300を内部に配置するための内部空間Sが形成される。開口部249および内部空間Sは、切削加工などにより形成される。
【0046】
電装部品300の少なくとも一部は、側壁部220に埋設されている。電装部品300は、筐体200の外側に配置されている。電装部品300は、図示しないケーブルなどにより電池パック1の外部の駆動装置などに接続される。電装部品300の一部が側壁部220の内部に埋設されるため、電装部品300を側壁部220の表面に隣接して配置する場合と比較して、電装部品300が筐体200から外側に突出することが抑制される。
【0047】
電装部品300を埋設する側壁部220には、内部空間Sが形成されるため、内部空間Sの形成された周辺における側壁部220の強度が低下する可能性がある。本実施の形態においては、電池パック1がCell-to-Pack構造を有するため、側壁部220のうちの一対の第1側壁部230が複数の電池セル100の膨張による押圧力を直接受ける。このため、本実施の形態においては、電装部品300の少なくとも一部は、一方の第2側壁部240aに埋設されている。これにより、側壁部220のうち、内部空間Sが形成されてその強度が低下する可能性がある一方の第2側壁部240aにおいて、複数の電池セル100からの押圧力を受けにくくすることができる。その結果、複数の電池セル100に対する筐体200の拘束力を低下させることなく、側壁部220に電装部品300を埋設することができる。なお、電装部品300は、他方の第2側壁部240bに埋設されていてもよい。また、電装部品300は、内部空間Sを設ける側壁部220の強度を考慮にいれた上で、一対の第1側壁部230に埋設されていてもよい。
【0048】
なお、電装部品300は、中空部245のうちのリブ部246によって区画された1つの空間にのみ配置されてもよい。これにより、仮に、電池パック1に水がかかった場合に、水の内部への浸入を当該空間のみで防ぐことができる。
【0049】
図4は、筐体の側壁部に対する電装部品の接続方法を示す断面図である。
図4に示すように、電装部品300は、本体部310から延在するフランジ部320を有している。
【0050】
フランジ部320にはボルト330が挿通される。第1リブ247の電装部品300が配置される側と反対側にはナット331が配置されている。ボルト330をフランジ部320に挿通させつつボルト330およびナット331が螺合する。これにより、電装部品300が第1リブ247に固定される。
【0051】
電装部品300を第1リブ247に固定する場合、開口部249が外側壁部241に設けられる。このため、機械加工によって開口部249を設ける場合、貫通孔250a,250bと同じ方向(X方向)から開口部249を加工することができる。これにより、貫通孔250a,250b、開口部249および内部空間Sの加工効率が向上する。
【0052】
なお、電装部品300の第1リブ247への固定は、ボルト330およびナット331による固定に限定されない。電装部品300の第1リブ247への固定方法は、溶接ナットを使用する方法、インサートナットを使用する方法、第1リブ247に雌ねじ加工を施す方法、カシメナットを使用する方法、溶接スタッドボルトを使用する方法、リベットにより固定する方法など、いずれの固定方法であってもよい。
【0053】
また、電装部品300の固定は、第1リブ247に限定されず、第2リブ248に固定されてもよい。電装部品300を第2リブ248に固定する場合、電装部品300の長手方向を第2リブ248に沿うようにすると、電装部品300のZ方向における高さを低くすることができるため、電池パック1を低背化する場合に効果がある。
【0054】
本技術の実施の形態1に係る電池パック1においては、側壁部220に電装部品300の少なくとも一部を埋設することによって、電装部品300を側壁部220の表面に隣接して配置する場合と比較して、電池パック1を小型化することができる。
【0055】
本技術の実施の形態1に係る電池パック1においては、電装部品300をリブ部246に固定することによって、電装部品300を側壁部220に安定的に固定することができる。
【0056】
本技術の実施の形態1に係る電池パック1においては、一方の第2側壁部240aに電装部品300を埋設することによって、複数の電池セル100の膨張による押圧力を受ける一対の第1側壁部230の強度を低下させることを抑制しつつ、一方の第2側壁部240aに電装部品300を埋め込んで電池パック1を小型化することができる。
【0057】
本技術の実施の形態1に係る電池パック1においては、電装部品300を筐体200の外側の表面に隣接して配置する場合と比較して、電装部品300と複数の電池セル100との距離が近くなるため、これらを接続する配線部材500のコスト低減、振動特性を向上させることができる。
【0058】
(実施の形態2)
以下、本技術の実施の形態2に係る電池パックについて説明する。実施の形態2に係る電池パックは、筐体の構成が本技術の実施の形態1に係る電池パック1と異なるため、本技術の実施の形態1に係る電池パック1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0059】
図5は、本技術の実施の形態2に係る電池パックの構成を示す断面図である。
図5に示すように、実施の形態2に係る電池パック1Aが備える筐体200Aは、側壁部220Aを含む。側壁部220Aは、一方の第2側壁部240Aを有する。
【0060】
一方の第2側壁部240Aは、外側壁部241と、内側壁部242と、上側壁部243と、下側壁部244と、リブ部246Aとを有する。外側壁部241、内側壁部242、上側壁部243および下側壁部244に囲まれた内部には、中空部245Aが設けられている。他方の第2側壁部についても、一方の第2側壁部240Aと同様の構造を構成し得る。
【0061】
リブ部246Aは、第1リブ247Aと、第2リブ248Aとを有する。第1リブ247Aは、第3の方向(Z方向)に延在する部分である。第2リブ248Aは、第2の方向(X方向)に延在する部分である。
【0062】
外側壁部241には、開口部249Aが形成されている。一方の第2側壁部240Aには、電装部品300を内部に配置するための内部空間Sが形成される。
【0063】
電装部品300は、その全体が側壁部220Aに埋設されている。本実施の形態においては、電装部品300は、その全体が一方の第2側壁部240Aに埋設されている。電装部品300は、外側壁部241から筐体200Aの外側に突出していない。
【0064】
本技術の実施の形態2に係る電池パック1Aにおいては、電装部品300の全体を第2側壁部240Aに埋設することによって、実施の形態1の部分的に電装部品300を側壁部220に埋設する場合と比較して、電池パック1をより小型化することができる。また、電装部品300に水がかかる場合、電装部品300を側壁部220Aの表面に隣接して配置する場合と比較して、電装部品300に水がかかりにくくなるため、電装部品300の防水性を向上させることができる。
【0065】
(実施の形態3)
以下、本技術の実施の形態3に係る電池パックについて説明する。実施の形態3に係る電池パックは、電装部品の位置が本技術の実施の形態1に係る電池パック1と異なるため、本技術の実施の形態1に係る電池パック1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0066】
図6は、本技術の実施の形態3に係る電池パックの構成を示す断面図である。
図6に示すように、実施の形態3に係る電池パック1Bが備える筐体200Bは、側壁部220Bを含む。側壁部220Bは、一方の第2側壁部240Bを有する。
【0067】
一方の第2側壁部240Bは、外側壁部241Bと、内側壁部242Bと、上側壁部243と、下側壁部244と、リブ部246Bとを有する。外側壁部241B、内側壁部242B、上側壁部243および下側壁部244に囲まれた内部には、中空部245Bが設けられている。他方の第2側壁部についても、一方の第2側壁部240Bと同様の構造を構成し得る。
【0068】
リブ部246Bは、第1リブ247Bと、第2リブ248Bとを有する。第1リブ247Bは、第3の方向(Z方向)に延在する部分である。第2リブ248Bは、第2の方向(X方向)に延在する部分である。
【0069】
内側壁部242Bには、開口部249Bが形成されている。一方の第2側壁部240Bには、電装部品300Bを内部に配置するための内部空間Sが形成される。
【0070】
電装部品300Bは、筐体200Bの内側に配置されている。本実施の形態における電装部品300Bは、たとえば、ジャンクションボックスである。なお、電装部品300Bは、ジャンクションボックスに限定されず、端子台であってもよいし、DC/DCコンバータであってもよい。
【0071】
本技術の実施の形態3に係る電池パック1Bにおいては、電装部品300Bを筐体200Bの内側の表面に隣接して配置する場合と比較して、電装部品300Bが筐体200Bの側壁部220Bにより覆われる部分が多くなるため、電池パック1Bを小型化しつつ、電装部品300Bへの衝撃の印加を抑制することができる。
【0072】
なお、上述した実施の形態においては、側壁部に中空部が設けられているが、この実施の形態に限定されず、側壁部に中空部が設けられていなくてもよい。
【0073】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
1,1A,1B 電池パック、100 電池セル、110 電極端子、111 正極端子、112 負極端子、120 ケース体、121 上面、122 下面、123 一対の長側面、124 一対の短側面、130 ガス排出弁、200,200A,200B 筐体、210 底部、220,220A,220B 側壁部、230,230a,230b 第1側壁部、240,240A,240B,240a,240b 第2側壁部、241,241B 外側壁部、242,242B 内側壁部、243 上側壁部、244 下側壁部、245,245A,245B 中空部、246,246A,246B リブ部、247,247A,247B 第1リブ、248,248A,248B 第2リブ、249,249A,249B 開口部、250a,250b 貫通孔、300,300B 電装部品、310 本体部、320 フランジ部、330 ボルト、331 ナット、400 バスバー、500 配線部材、S 内部空間。