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特開2024-126231加熱調理システム、加熱調理器、および、端末装置のためのアプリケーションプログラム
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  • 特開-加熱調理システム、加熱調理器、および、端末装置のためのアプリケーションプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126231
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】加熱調理システム、加熱調理器、および、端末装置のためのアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20240912BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20240912BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20240912BHJP
【FI】
F24C3/12 L
F24C15/00 M
F24C15/00 D
F24C7/04 301Z
F24C7/04 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034479
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 圭
(72)【発明者】
【氏名】足立 基記
【テーマコード(参考)】
3L087
【Fターム(参考)】
3L087AA03
3L087AA04
3L087BA01
3L087BC14
3L087DA28
(57)【要約】
【課題】自動調理においてエネルギー消費量に対するユーザの意識を向上させ得る技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示する加熱調理システムは、メニューに対応するレシピデータに従ってメニューの自動調理を実行可能な加熱部と、メニューを示すメニュー情報と、メニューの自動調理において消費されるエネルギー消費量に関するエネルギー消費量情報と、を表示する表示部と、を備える。これにより、加熱調理システムは、メニューの自動調理におけるエネルギー消費量をユーザに認識させることができる。これにより、自動調理におけるエネルギー消費量に対するユーザの意識が向上し得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メニューに対応するレシピデータに従って前記メニューの自動調理を実行可能な加熱部と、
前記メニューを示すメニュー情報と、前記メニューの前記自動調理において消費されるエネルギー消費量に関するエネルギー消費量情報と、を表示する表示部と、
を備える、加熱調理システム。
【請求項2】
さらに、
前記自動調理において加熱される加熱対象物に関する加熱対象物情報を取得する加熱対象物情報取得部と、
取得された前記加熱対象物情報に基づいて前記エネルギー消費量を算出するエネルギー消費量算出部と、
を備える、
請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項3】
前記加熱対象物情報は、前記自動調理において加熱される食材の量に関する情報を含む、請求項2に記載の加熱調理システム。
【請求項4】
前記加熱対象物情報は、前記自動調理において加熱される調理器具に関する情報を含む、請求項2に記載の加熱調理システム。
【請求項5】
前記加熱部は、第1の加熱部と、前記第1の加熱部とは異なる第2の加熱部と、を含み、
前記自動調理が、前記第1の加熱部および前記第2の加熱部の何れか一方を使用することで実行可能であり、
前記レシピデータは、前記第1の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第1のレシピデータと、前記第2の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第2のレシピデータと、を含み、
前記表示部は、前記エネルギー消費量情報として、
前記第1のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第1の加熱部で消費される第1のエネルギー消費量に関する第1のエネルギー消費量情報と、
前記第2のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第2の加熱部で消費される第2のエネルギー消費量に関する第2のエネルギー消費量情報と、
を表示する、
請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項6】
前記加熱部は、第1の加熱部と、前記第1の加熱部とは異なる第2の加熱部と、を含み、
前記自動調理が、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部の何れか一方を使用することで実行可能であり、
前記レシピデータは、前記第1の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第1のレシピデータと、前記第2の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第2のレシピデータと、を含み、
前記表示部は、
前記第1のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第1の加熱部で消費される第1のエネルギー消費量に関する第1のエネルギー消費量情報と、前記第2のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第2の加熱部で消費される第2のエネルギー消費量に関する第2のエネルギー消費量情報と、のうち、よりエネルギー消費量が小さいものを前記エネルギー消費量情報として表示し、よりエネルギー消費量が大きいものを前記エネルギー消費量情報として表示しない、
請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項7】
前記加熱部は、第1の加熱部と、前記第1の加熱部とは異なる第2の加熱部と、を含み、
前記自動調理が、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部の両方を使用することで実行可能であり、
前記レシピデータは、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第3のレシピデータを含み、
前記表示部は、前記エネルギー消費量情報として、
前記第3のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第1の加熱部で消費される第1のエネルギー消費量に関する第1のエネルギー消費量情報と、
前記第3のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第2の加熱部で消費される第2のエネルギー消費量に関する第2のエネルギー消費量情報と、
を表示する、
請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項8】
メニューに対応するレシピデータに従って前記メニューの自動調理を実行可能な加熱部と、
前記メニューを示すメニュー情報と、前記メニューの前記自動調理において消費されるエネルギー消費量に関するエネルギー消費量情報と、を表示する表示部と、
を備える、加熱調理器。
【請求項9】
加熱部と通信可能な端末装置のためのアプリケーションプログラムであって、
前記加熱部は、メニューに対応するレシピデータに従って前記メニューの自動調理を実行可能であり、
前記アプリケーションプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、前記メニューを示すメニュー情報と、前記メニューの前記自動調理において消費されるエネルギー消費量に関するエネルギー消費量情報と、を表示する表示部として機能させる、アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、加熱調理システム、加熱調理器、および、端末装置のためのアプリケーションプログラムに関する。特に、自動調理を実行可能な加熱部のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加熱部を有する加熱調理器と、加熱調理器とワイヤレス通信網を介して通信可能な端末装置と、を備える加熱調理システムが開示されている。加熱調理システムでは、端末装置においてメニューが決定されると、加熱部が当該メニューの自動調理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-165548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動調理では、メニューに適した加熱を加熱部が自動的に実行する。このため、ユーザが自ら加熱部を操作する調理に比べると、ユーザは、自動調理において消費されるエネルギー消費量を認識しにくい。このため、自動調理では、エネルギー消費量に対するユーザの意識が低下しやすい。本明細書では、自動調理においてエネルギー消費量に対するユーザの意識を向上させ得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する加熱調理システムは、メニューに対応するレシピデータに従って前記メニューの自動調理を実行可能な加熱部と、前記メニューを示すメニュー情報と、前記メニューの前記自動調理において消費されるエネルギー消費量に関するエネルギー消費量情報と、を表示する表示部と、を備える。
【0006】
上述した加熱調理システムでは、メニュー情報と、メニューの自動調理において消費されるエネルギー消費量に関するエネルギー消費量情報と、が表示される。これにより、加熱調理システムは、メニューの自動調理におけるエネルギー消費量をユーザに認識させることができる。これにより、自動調理におけるエネルギー消費量に対するユーザの意識が向上し得る。
【0007】
本技術の第2の態様では、加熱調理システムは、前記自動調理において加熱される加熱対象物に関する加熱対象物情報を取得する加熱対象物情報取得部と、取得された前記加熱対象物情報に基づいて前記エネルギー消費量を算出するエネルギー消費量算出部と、を備えてもよい。
【0008】
同じメニューの自動調理を実行する場合でも、加熱される食材の量や、加熱される調理器具などが異なる場合には、エネルギー消費量が異なるものとなる。上記の構成では、自動調理において加熱される加熱対象物に関する加熱対象物情報を事前に取得して、加熱対象物情報に基づいてエネルギー消費量を算出するので、エネルギー消費量を正確に算出することができる。
【0009】
本技術の第3の態様では、前記加熱対象物情報は、前記自動調理において加熱される食材の量に関する情報を含んでもよい。
【0010】
自動調理におけるエネルギー消費量は、食材の量に応じて変化する。このような構成によると、食材の量に関する情報に基づいて、エネルギー消費量をより正確に算出することができる。
【0011】
本技術の第4の態様では、前記加熱対象物情報は、前記自動調理において加熱される調理器具に関する情報を含んでもよい。
【0012】
自動調理におけるエネルギー消費量は、加熱される調理器具に応じて変化する。このような構成によると、調理器具に関する情報に基づいて、エネルギー消費量をより正確に算出することができる。
【0013】
本技術の第5の態様では、前記加熱部は、第1の加熱部と、前記第1の加熱部とは異なる第2の加熱部と、を含み、前記自動調理が、前記第1の加熱部および前記第2の加熱部の何れか一方を使用することで実行可能であってもよい。その場合、前記レシピデータは、前記第1の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第1のレシピデータと、前記第2の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第2のレシピデータと、を含んでもよい。さらに、前記表示部は、前記エネルギー消費量情報として、前記第1のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第1の加熱部で消費される第1のエネルギー消費量に関する第1のエネルギー消費量情報と、前記第2のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第2の加熱部で消費される第2のエネルギー消費量に関する第2のエネルギー消費量情報と、を表示してもよい。
【0014】
このような構成によると、加熱調理システムは、自動調理を実行する際に第1の加熱部を使用する場合と第2の加熱部を使用する場合のそれぞれについて、エネルギー消費量をユーザに認識させることができる。
【0015】
本技術の第6の態様では、前記加熱部は、第1の加熱部と、前記第1の加熱部とは異なる第2の加熱部と、を含み、前記自動調理が、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部の何れか一方を使用することで実行可能であってもよい。その場合、前記レシピデータは、前記第1の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第1のレシピデータと、前記第2の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第2のレシピデータと、を含んでもよい。さらに、前記表示部は、前記第1のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第1の加熱部で消費される第1のエネルギー消費量に関する第1のエネルギー消費量情報と、前記第2のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第2の加熱部で消費される第2のエネルギー消費量に関する第2のエネルギー消費量情報と、のうち、よりエネルギー消費量が小さいものを前記エネルギー消費量情報として表示し、よりエネルギー消費量が大きいものを前記エネルギー消費量情報として表示しなくてもよい。
【0016】
このような構成によると、加熱調理システムは、自動調理を実行する際に第1の加熱部を使用する場合と第2の加熱部を使用する場合のうち、どちらがよりエネルギー消費量が小さくなるかを、ユーザに認識させることができる。
【0017】
本技術の第7の態様では、前記加熱部は、第1の加熱部と、前記第1の加熱部とは異なる第2の加熱部と、を含み、前記自動調理が、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部の両方を使用することで実行可能であってもよい。その場合、前記レシピデータは、前記レシピデータは、前記第1の加熱部と前記第2の加熱部を利用して前記メニューの前記自動調理を実行する第3のレシピデータを含んでもよい。さらに、前記表示部は、前記エネルギー消費量情報として、前記第3のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第1の加熱部で消費される第1のエネルギー消費量に関する第1のエネルギー消費量情報と、前記第3のレシピデータに従って実行される前記自動調理において前記第2の加熱部で消費される第2のエネルギー消費量に関する第2のエネルギー消費量情報と、を表示してもよい。
【0018】
このような構成によると、加熱調理システムは、第1の加熱部と第2の加熱部の両方を使用する自動調理を実行する際、第1の加熱部で消費されるエネルギー消費量と、第2の加熱部で消費されるエネルギー消費量とをユーザに正確に認識させることができる。
【0019】
さらに、本明細書では、加熱調理器も開示する。加熱調理器は、メニューに対応するレシピデータに従って前記メニューの自動調理を実行可能な加熱部と、前記メニューを示すメニュー情報と、前記メニューの前記自動調理において消費されるエネルギー消費量に関するエネルギー消費量情報と、を表示する表示部と、を備える。
【0020】
また、本明細書では、端末装置のためのアプリケーションプログラムも開示する。端末装置と通信可能な加熱部は、メニューに対応するレシピデータに従って前記メニューの自動調理を実行可能である。前記アプリケーションプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、前記メニューを示すメニュー情報と、前記メニューの前記自動調理において消費されるエネルギー消費量に関するエネルギー消費量情報と、を表示する表示部として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施例の加熱調理システムのブロック図を示す。
図2】第1実施例の加熱調理システムの各デバイスの構成図を示す。
図3】各テーブルの内容を示す。
図4】ケースAの自動調理実行処理における画面遷移図を示す。
図5】ケースBの自動調理実行処理における画面遷移図を示す。
図6】第2実施例の自動調理実行処理における画面遷移図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施例)
(加熱調理システム2の構成;図1図2
図1は、第1実施例の加熱調理システム2のブロック図を示す。加熱調理システム2は、コンロ10と、ガスオーブン50と、端末装置60と、管理サーバ100と、を備える。加熱調理システム2は、ユーザの端末装置60を利用して、コンロ10、ガスオーブン50に自動調理を実行させるためのシステムである。
【0023】
加熱調理システム2の各デバイス10、50、60は、Wi-Fi(登録商標)方式に従ったWi-Fi(以下「WF」という。)通信によりルータ6に接続されている。このため、各デバイス10、50、60は、ルータ6を介して互いに通信可能である。さらに、各デバイス10、50、60は、ルータ6およびインターネット8を介して管理サーバ100と通信可能である。
【0024】
(コンロ10の構成;図1図2
コンロ10は、ガス燃焼式のコンロである。コンロ10は、3つのコンロバーナ13A、13B、13Cと、グリル30と、を備える。各コンロバーナ13A、13B、13Cは、コンロ10の天板に設けられる。図1に示されるように、例えばコンロバーナ13Aは、五徳によって支持された鍋P1と、鍋P1に収容された食材C1を加熱する。他のコンロバーナ13B、13Cも同様の構成を有する。
【0025】
本実施例の各コンロバーナ13A、13B、13Cは、それぞれ、異なる最大火力を有する。コンロバーナ13Aの最大火力は、コンロバーナ13B、13Cの最大火力よりも大きい。コンロバーナ13Bの最大火力は、コンロバーナ13A、13Cの最大火力よりも小さい。ユーザは、調理するメニュー、調理器具等に応じて、コンロバーナ13A、13B、13Cのいずれか一つを選択する。グリル30は、グリル30内に収容した食材を加熱するグリルバーナ33を有する。なお、以下の説明では、コンロバーナ13A、13B、13C、グリルバーナ33を、単に加熱部13A、13B、13C、33と記載することがある。
【0026】
コンロ10は、電源スイッチ11と、通信I/F12(図2参照)と、3つのコンロ操作部14A、14B、14Cと、コンロパネル15と、グリル操作部34と、グリルパネル35と、制御部16(図2参照)と、をさらに備える。通信I/F12は、上述したWF通信を実行するために利用される。
【0027】
コンロ操作部14A、14B、14Cは、それぞれ、コンロバーナ13A、13B、13Cに対応する。コンロ操作部14A、14B、14Cは、コンロバーナ13A,13B,13Cの点火及び消火を行うとともに、コンロバーナ13A,13B,13Cの火力の調整を行うための操作部である。例えば、ユーザがコンロ操作部14Aを押すとコンロバーナ13Aが点火し、ユーザがもう一度コンロ操作部14Aを押すとコンロバーナ13Aが消火する。コンロバーナ13Aが燃焼している状態で、ユーザがコンロ操作部14Aを回すとコンロバーナ13Aの火力が増減する。
【0028】
コンロパネル15は、コンロ操作部14A、14B、14Cの下方に位置する。コンロパネル15は、各コンロバーナ13A、13B、13Cの火力や加熱時間を含む動作状態を表示する。また、コンロパネル15は、コンロバーナ13A、13B、13Cにおける自動調理の設定操作を行う操作部としても機能する。
【0029】
同様に、グリル操作部34は、グリル30のグリルバーナ33の点火、消火、および火力調整を行うための操作部である。グリルパネル35は、グリルバーナ33の火力や加熱時間を含む動作状態を表示する。また、グリルパネル35は、グリルバーナ33における自動調理の設定操作を行う操作部としても機能する。
【0030】
制御部16は、CPU(不図示)を備えるコンピュータである。図2に示すように、制御部16は、記憶部18を備える。記憶部18は、不揮発性メモリであるROMと、揮発性メモリであるRAMと、を備える。記憶部18は、自動調理実行プログラムPg1を記憶する。本実施例では、自動調理実行プログラムPg1は、コンロ10の出荷時に記憶部18に予め記憶されている。自動調理実行プログラムPg1は、コンロ10の各加熱部13A、13B、13C、33を利用して自動調理を実行するためのプログラムである。なお、変形例では、自動調理実行プログラムPg1は、コンロ10がユーザの住宅に設置された後に、例えば、管理サーバ100からルータ6およびインターネット8を介して事後的にコンロ10にダウンロードされて、記憶部18に記憶されてもよい。
【0031】
詳細は後述するが、コンロ10の記憶部18は、端末装置60から受信したレシピデータをさらに記憶可能である。ユーザによって自動調理の実行が指示されると、制御部16は、自動調理実行プログラムPg1に従って、記憶部18に記憶されているレシピデータに基づいて、コンロ10の各加熱部13A、13B、13C、33の動作を制御する。
【0032】
(ガスオーブン50の構成;図1図2
図1に示すように、ガスオーブン50は、コンロ10の下方に組み込まれたガス燃焼式のオーブンである。ガスオーブン50は、電源スイッチ51と、通信I/F52(図2参照)と、オーブンバーナ53と、オーブン操作部54と、オーブンパネル55と、制御部56(図2参照)と、を備える。通信I/F52は、上述したWF通信を実行するために利用される。オーブン操作部54は、ガスオーブン50のオーブンバーナ53の点火、消火、および火力調整を行うための操作部である。オーブンパネル55は、オーブンバーナ53の火力や加熱時間を含む動作状態を表示する。また、オーブンパネル55は、オーブンバーナ53における自動調理の設定操作を行う操作部としても機能する。制御部56は、CPU(不図示)を備えるコンピュータである。図2に示すように、制御部56は、記憶部58を備える。記憶部58は、不揮発性メモリであるROMと揮発性メモリであるRAMとを備え、自動調理実行プログラムPg2を記憶する。自動調理実行プログラムPg2は、ガスオーブン50のオーブンバーナ53を利用して自動調理を実行するためのプログラムである。本実施例では、自動調理実行プログラムPg2は、ガスオーブン50の出荷時に記憶部58に予め記憶されている。変形例では、自動調理実行プログラムPg2は、管理サーバ100からルータ6およびインターネット8を介して事後的にガスオーブン50にダウンロードされて、記憶部58に記憶されてもよい。
【0033】
コンロ10の記憶部18と同様に、ガスオーブン50の記憶部58は、端末装置60から受信したレシピデータをさらに記憶可能である。ユーザによって自動調理の実行が指示されると、制御部56は、自動調理実行プログラムPg2に従って、記憶部58に記憶されているレシピデータに基づいて、オーブンバーナ53を制御する。なお、以下の説明では、オーブンバーナ53を、単に加熱部53と記載することがある。
【0034】
(端末装置60の構成;図1図2
端末装置60は、ユーザによって所持される。端末装置60は、典型的には、スマートフォンである。図2に示すように、端末装置60は、通信I/F62と、表示部64と、制御部66と、を備えている。通信I/F62は、上述したWF通信を実行するために利用される。表示部64は、いわゆるタッチパネルであり、様々な情報を表示するとともに、様々なユーザ操作を受け付ける操作部としても機能する。なお、変形例では、端末装置60は、例えば、携帯電話、PDA、タブレットPC等の他の可搬型の装置であってもよい。
【0035】
制御部66は、CPU(不図示)を備えるコンピュータであり、記憶部68を備える。記憶部68は、不揮発性メモリであるROMと揮発性メモリであるRAMとを備え、自動調理アプリPg3を記憶する。自動調理アプリPg3は、コンロ10、ガスオーブン50を利用して自動調理を実行するためのプログラムである。自動調理アプリPg3は、例えば、管理サーバ100からルータ6およびインターネット8を介して端末装置60にダウンロードされて、記憶部68に記憶される。詳細は後述するが、記憶部68は、管理サーバ100から受信したレシピデータをさらに記憶可能である。
【0036】
制御部66は、記憶部68に記憶されている自動調理アプリPg3に従って、様々な処理を実行する。例えば、制御部66は、自動調理アプリPg3に従って、端末装置60のユーザから自動調理を実行するメニューを決定するメニュー決定情報の入力を受け付けるメニュー決定情報受付部69Aと、ユーザから自動調理において加熱される加熱対象物情報を取得する加熱対象物情報取得部69Bと、して機能する。さらに、制御部66は、自動調理アプリPg3に従って、記憶部68に記憶されているレシピデータに含まれる情報を表示部64に表示する。
【0037】
(管理サーバ100の構成;図1図2
管理サーバ100は、例えば、コンロ10およびガスオーブン50のベンダによって管理される。管理サーバ100は、通信I/F102と、操作部104と、制御部106と、を備える。通信I/F102は、インターネット8を介してコンロ10およびガスオーブン50と通信を実行するために利用される。制御部106は、CPU(不図示)を備えるコンピュータであり、記憶部108を備える。記憶部108は、不揮発性メモリであるROMと揮発性メモリであるRAMとを備える。記憶部108は、プログラムPg4を記憶する。記憶部108は、さらに、レシピデータテーブルT1と、単価テーブルT2と、第1補正テーブルT11と、第2補正テーブルT12と、第3補正テーブルT13と、を記憶する。制御部106は、プログラムPg4に従って、様々な処理を実行する。例えば、制御部106は、プログラムPg4に従って、各テーブルT1、T2、T11、T12およびT13に基づいて、自動調理の実行時のガス料金を算出するエネルギー消費量算出部109として機能する。
【0038】
(各テーブルの内容;図3
図3を参照して、管理サーバ100の記憶部108に記憶されている各テーブルT1、T2、T11、T12およびT13の内容について説明する。
【0039】
(レシピデータテーブルT1の内容;図3
レシピデータテーブルT1には、キーワードとメニューとレシピデータとが関連付けて記憶される。キーワードは、自動調理によって作ることができるメニューをユーザが検索するための言葉である。レシピデータは、加熱調理システム2の加熱部13A、13B、13C、33、53の動作を制御する情報を含む。例えば、レシピデータは、各調理工程における、その調理工程での火力の強さを示す火力情報と、その調理工程の継続時間を示す時間情報と、を含む。例えば、レシピデータLD11に基づいた自動調理の実行が指示された状態で、コンロバーナ13Aが点火されると、コンロ10の制御部16は、自動調理実行プログラムPg1に従って、レシピデータLD11の各調理工程における火力情報及び時間情報に従って、コンロバーナ13Aの火力を制御する。このように、コンロ10の制御部16は、レシピデータに基づいて、コンロ10の各加熱部13A、13B、13C、33の自動調理を実行する。ガスオーブン50の制御部56も、同様に、レシピデータに基づいて、オーブンバーナ53の自動調理を実行する。
【0040】
図3に示されるように、キーワード「豚肉」には、例えば、メニュー「ローストポーク」と、「肉詰め」と、「とんかつ」と、が関連付けて記憶される。メニュー「ローストポーク」には、レシピデータLD11およびLD12が関連付けて記憶される。すなわち、レシピデータテーブルT1では、メニュー「ローストポーク」は、レシピデータLD11およびLD12と対応している。レシピデータLD11は、メニュー「ローストポーク」の自動調理においてコンロバーナ13Aの動作を制御するためのレシピデータである。レシピデータLD12は、メニュー「ローストポーク」の自動調理においてコンロバーナ13Bの動作を制御するためのレシピデータである。メニュー「ローストポーク」では、コンロバーナ13AにおいてレシピデータLD11に従った自動調理が実行された後、コンロバーナ13BにおいてレシピデータLD12に従った自動調理が実行される。メニュー「ローストポーク」は、2つのコンロバーナ13A、13Bを順次利用した自動調理によって作ることができる。
【0041】
メニュー「肉詰め」には、コンロバーナ13Aの動作を制御するためのレシピデータLD21が関連付けて記憶されている。レシピデータLD21は、コンロバーナ13Aを利用してメニュー「肉詰め」の自動調理を実行するためのレシピデータである。また、メニュー「肉詰め」には、コンロバーナ13Cの動作を制御するためのレシピデータLD31が関連付けて記憶される。レシピデータLD31は、コンロバーナ13Bを利用してメニュー「肉詰め」の自動調理を実行するためのレシピデータである。メニュー「肉詰め」は、コンロバーナ13Aのみを利用した自動調理によって作ることもできるし、コンロバーナ13Cのみを利用した自動調理によって作ることもできる。
【0042】
メニュー「とんかつ」には、コンロバーナ13Aの動作を制御するためのレシピデータLD41と、グリルバーナ33の動作を制御するためのレシピデータLD51と、オーブンバーナ53の動作を制御するためのレシピデータLD61と、それぞれ別個に関連付けて記憶される。メニュー「とんかつ」は、コンロバーナ13Aのみを利用した自動調理によって作ることもできるし、グリルバーナ33のみを利用した自動調理によって作ることもできるし、オーブンバーナ53のみを利用した自動調理によって作ることもできる。本実施例では、レシピデータテーブルT1は、コンロ10およびガスオーブン50のベンダによって生成され、管理サーバ100に提供される。また、レシピデータテーブルT1にはコンロ10およびガスオーブン50のベンダによって、新たなメニューが随時追加される。
【0043】
図示は省略したが、管理サーバ100の記憶部108は、各加熱部13A、13B、13C、33、53の火力の強さと、その火力の強さにおける単位時間当たりのエネルギー消費量と、を関連付けてさらに記憶している。このため、管理サーバ100の制御部106は、レシピデータの火力情報に含まれる火力の強さを利用して、そのレシピデータに含まれる調理工程における単位時間当たりのエネルギー消費量を算出することができる。さらに、制御部106は、レシピデータの時間情報が示す各調理工程の継続時間を利用して、調理工程ごとのエネルギー消費量を算出する。さらに、制御部106は、レシピデータに含まれる全ての調理工程のエネルギー消費量を合算することによって、そのレシピデータにおけるエネルギー消費量を算出する。
【0044】
(単価テーブルT2の内容;図3
単価テーブルT2は、ガス種類と、1kcal当たりの価格(すなわち単価)とが関連付けて記憶される。単価テーブルT2には、13Aガスの単価「xxx」円とLPガスの単価「yyy」円とが記憶される。単価テーブルT2は、自動調理におけるガス料金を算出するためのテーブルである。管理サーバ100の制御部106は、レシピデータの火力情報と時間情報とに基づいて算出されたエネルギー消費量に単価テーブルT2に記憶されている単価を乗じることによって、そのレシピデータにおけるガス料金を算出する。本実施例では、単価テーブルT2は、コンロ10およびガスオーブン50のベンダによって生成され、管理サーバ100に提供される。さらに、単価テーブルT2の単価は、ガス料金の価格変動が生じた場合に、コンロ10およびガスオーブン50のベンダによって随時更新される。なお、単価テーブルT2の単価は、端末装置60を介してユーザによって入力されてもよい。
【0045】
(補正テーブルT11~T13の内容;図3
各補正テーブルT11~T13は、上述の各レシピデータLD11~LD61を補正するためのテーブルである。第1補正テーブルT11および第2補正テーブルT12には、自動調理において加熱される調理器具(例えば鍋)に関する情報と補正係数とが関連付けて記憶される。第3補正テーブルT13には、自動調理において加熱される食材の量に関する情報と補正係数とが関連付けて記憶される。詳細は図4図6を参照して説明するが、本実施例では、これらの情報は、端末装置60を介してユーザによって入力される。補正係数は、レシピデータLD11~LD61を補正するための係数である。より詳細には、補正係数は、レシピデータLD11~LD61のそれぞれに含まれる火力情報を補正する火力補正係数CHと、時間情報を補正する時間補正係数CTと、を含む。
【0046】
第1補正テーブルT11には、自動調理において利用される鍋の鍋径の数値範囲と補正係数とが関連付けて記憶される。本実施例では、鍋径「20cm~25cm」の鍋を利用して自動調理を実行する場合に、各メニューの自動調理を適切に実行することができる各レシピデータLD11~LD61が、レシピデータテーブルT1に予め記憶されている。このため、鍋径「20cm~25cm」には、火力補正係数「1」と、時間補正係数「1」とが関連付けて記憶される。例えば、鍋径20cm以下の鍋を利用して自動調理を実行する場合、鍋径「20cm~25cm」の鍋を利用して自動調理を実行する場合に比べると、弱い火力での自動調理の実行が可能となる。このため、鍋径「20cm以下」には、1よりも小さい火力補正係数CH11が関連付けて記憶される。同様に、鍋径20cm以下の鍋を利用して自動調理を実行する場合、鍋径「20cm~25cm」の鍋を利用して自動調理を実行する場合に比べると、各調理工程の継続時間を短くすることができる。このため、鍋径「20cm以下」には、1よりも小さい時間補正係数CT11が関連付けて記憶される。一方、鍋径「25cm以上」には、1よりも大きい火力補正係数CH12と、時間補正係数CT12と、が関連付けて記憶される。なお、補正係数「1」に関連付けて記憶部108に記憶させる鍋径は、ユーザによって変更可能である。なお、第1補正テーブルT11は、加熱部13A、13B、13C、33、53毎に設定されていてもよい。その場合、補正係数を1とする鍋径は、加熱部13A、13B、13C、33、53毎に異なってもよい。
【0047】
第2補正テーブルT12には、自動調理において利用される鍋の材質と補正係数とが関連付けて記憶される。本実施例では、鉄製の鍋を利用して自動調理を実行する場合に、各メニューの自動調理を適切に実行することができる各レシピデータLD11~LD61がレシピデータテーブルT1に予め記憶されている。このため、鍋材質「鉄」には、火力補正係数「1」と、時間補正係数「1」とが関連付けて記憶される。例えば、アルミ製の熱伝導率は、鉄の熱伝導率よりも高く、ステンレスの熱伝導率は、鉄の熱伝導率より低い。このため、例えば、アルミ製の鍋を利用して自動調理を実行する場合、鉄製の鍋を利用して自動調理を実行する場合に比べると、より弱い火力での自動調理の実行が可能となる。このため、鍋材質「アルミ」には、1よりも小さい火力補正係数CH21が関連付けて記憶される。また、ステンレス製の鍋を利用して自動調理を実行する場合、鉄製の鍋を利用して自動調理を実行する場合に比べると、より強い火力が必要となる。このため、鍋材質「ステンレス」には、1よりも大きい火力補正係数CH22が関連付けて記憶される。同様に、アルミ製の鍋を利用して自動調理を実行する場合、鉄製の鍋を利用して自動調理を実行する場合に比べると、各調理工程の継続時間がより短くなる。このため、鍋材質「ステンレス」には、1よりも小さい時間補正係数CT21が関連付けて記憶される。また、ステンレス製の鍋を利用して自動調理を実行する場合、鉄製の鍋を利用して自動調理を実行する場合に比べると、各調理工程の継続時間がより長くなる。このため、鍋材質「ステンレス」には、1よりも大きい時間補正係数CT22が関連付けて記憶される。なお、補正係数「1」に関連付けて記憶部108に記憶させる鍋材質は、ユーザによって変更可能である。また、鍋材質には、上述した3種類の材質の他に、「土鍋」などが設定されてもよい。さらに、第2補正テーブルT12には、鍋材質に代えて、あるいは加えて、例えば、鍋の板厚と、補正係数と、が関連付けて記憶されてもよい。
【0048】
第3補正テーブルT13には、自動調理において調理する食材の量と補正係数とが関連付けて記憶される。本実施例では、上述の各レシピデータLD11~LD61は、3人前の量の食材を自動調理することを前提として作成されている。このため、量「3人前」には、火力補正係数「1」と、時間補正係数「1」とが関連付けて記憶される。このため、量「2人前」には、1よりも小さい火力補正係数CH31と時間補正係数CT31とが関連付けて記憶される。量「4人前」には、1よりも大きい火力補正係数CH32と時間補正係数CT32とが関連付けて記憶される。量「5人前」には、火力補正係数CH32よりも大きい火力補正係数CH33と、時間補正係数CT32よりも大きい時間補正係数CT33とが関連付けて記憶される。なお、補正係数「1」に関連付けて記憶部108に記憶させる量は、ユーザによって変更可能である。
【0049】
(自動調理実行処理;図4図5
図4図5を参照して、加熱調理システム2が実行する自動調理実行処理について説明する。図4図5は、端末装置60の表示部64に表示される画面の遷移図を示す。本実施例では、自動調理実行処理の実行前に、ユーザは、端末装置60を利用して、コンロ10およびガスオーブン50を識別する加熱部識別情報と、コンロ10およびガスオーブン50に適用するガス種類(例えば、13Aガス)と、を入力済みである。このため、管理サーバ100は、端末装置60を識別する端末識別情報と、加熱部識別情報と、入力されたガス種類とを、関連付けて記憶部108に記憶している。以下では、端末装置60の制御部66が自動調理アプリPg3に従って実行する処理を説明する際に、制御部66を主体として記載するのではなく、端末装置60を主体として記載する。同様に、管理サーバ100の制御部106が実行する処理を説明する際に、制御部106を主体として記載するのではなく、管理サーバ100を主体として記載する。
【0050】
(ケースA;図4
図4を参照して、端末装置60が、ユーザから、2つのコンロバーナ13A、13Bの双方を順次利用した自動調理によって作られるメニュー「ローストポーク」の選択を受け付けるケースについて説明する。
【0051】
最初に、端末装置60は、ユーザから、自動調理アプリPg3の起動指示を受け付ける。この場合、端末装置60は、図4(A)に示されるように、メニュー選択画面SC10を表示部64に表示する。メニュー選択画面SC10は、メニューを検索するためのキーワードを入力するキーワード入力領域IA1を含む。端末装置60は、ユーザから、キーワード「豚肉」の入力を受け付ける。この場合、端末装置60は、入力されたキーワード「豚肉」を端末識別情報とともに管理サーバ100に送信する。
【0052】
管理サーバ100は、端末装置60からキーワード「豚肉」と端末識別情報とを受信すると、受信した端末識別情報に関連付けて記憶されている加熱部識別情報に基づいて、コンロ10およびガスオーブン50を特定する。さらに、管理サーバ100は、特定されたコンロ10およびガスオーブン50で実行可能なレシピデータを含むレシピデータテーブルT1から、「豚肉」に関連して記憶されているメニュー「ローストポーク」、「肉詰め」、「とんかつ」を取得する。管理サーバ100は、取得されたメニュー名(すなわち、「ローストポーク」、「肉詰め」、「とんかつ」)を端末装置60に送信する。
【0053】
端末装置60は、管理サーバ100からメニュー名を受信すると、受信したメニュー名をメニュー選択画面SC10に表示する。これにより、端末装置60は、キーワード「豚肉」に関連するとともに、コンロ10およびガスオーブン50を利用して実行可能な自動調理のメニューが「ローストポーク」、「肉詰め」、「とんかつ」であることをユーザに認識させることができる。図4(A)に示されるように、メニュー選択画面SC10は、「ローストポーク」を示すメニューボタンMB1と、「肉詰め」を示すメニューボタンMB2と、「とんかつ」を示すメニューボタンMB3と、を含む。本ケースでは、端末装置60は、ユーザから、メニューボタンMB1の選択を受け付ける。このように、端末装置60の制御部66は、メニュー決定情報受付部69Aとして機能する。さらに、端末装置60は、メニュー「ローストポーク」が選択されたことを示す選択情報を端末識別情報とともに管理サーバ100に送信する。
【0054】
管理サーバ100は、端末装置60から選択情報と端末識別情報とを受信すると、レシピデータテーブルT1から、選択情報に含まれるメニュー「ローストポーク」に関連して記憶されているレシピデータLD11、LD12を取得する。さらに、管理サーバ100は、取得したレシピデータLD11におけるエネルギー消費量と、レシピデータLD12におけるエネルギー消費量と、を算出する。先に述べたように、管理サーバ100は、端末識別情報と、コンロ10およびガスオーブン50に適用するガス種類「13Aガス」と、を記憶部108に記憶済みである。管理サーバ100は、受信した端末識別情報に関連付けて記憶されているガス種類「13A」を特定し、単価テーブルT2から、ガス種類「13A」の単価「xxx」円を取得する。さらに、管理サーバ100は、算出した各レシピデータLD11、LD12のエネルギー消費量に対して、ガス種類「13A」の単価「xxx」円を乗じることによって、メニュー「ローストポーク」の自動調理におけるガス料金を算出する。本ケースでは、管理サーバ100は、コンロバーナ13Aの自動調理のガス料金「x1」円と、コンロバーナ13Bの自動調理のガス料金「x2」円と、を算出する。次いで、管理サーバ100は、メニュー関連情報を端末装置60に送信する。メニュー関連情報は、端末装置60から受信した選択情報に含まれるメニューに関する情報である。本ケースでは、メニュー関連情報は、レシピデータLD11、LD12と、レシピデータLD11、LD12が順次利用されるレシピデータであることを示す情報と、算出したガス料金「x1」円および「x2」円と、を含む。
【0055】
端末装置60は、管理サーバ100からメニュー関連情報を受信すると、受信したメニュー関連情報を利用して、メニュー表示画面SC20を表示部64に表示する。図4(B)に示されるように、メニュー表示画面SC20は、メニュー「ローストポーク」を示す情報と、「ローストポーク」の量を示す情報「3人前」と、「ローストポーク」の自動調理におけるガス料金を表示する料金表示領域DA1と、詳細設定ボタンSB1と、を含む。料金表示領域DA1は、「ローストポーク」の自動調理に要する時間「35分」と、その「35分」の内訳と、さらに含む。「ローストポーク」の自動調理に要する時間「35分」は、管理サーバ100から受信したレシピデータLD11の各調理工程における時間情報が示す「10分」と、レシピデータLD12の各調理工程における時間情報が示す「25分」と、を合算することによって算出される。
【0056】
料金表示領域DA1には、管理サーバ100から受信したガス料金「x1」円、「x2」円がともに表示される。料金表示領域DA1には、コンロバーナ13Aの自動調理のガス料金「x1」円と、コンロバーナ13Aの自動調理の後に実行されるコンロバーナ13Bの自動調理のガス料金「x2」円と、が表示される。これにより、端末装置60は、コンロバーナ13A、13Bの双方を順次利用してメニュー「ローストポーク」の自動調理を実行した場合のガス料金を、ユーザに正確に認識させることができる。
【0057】
次いで、端末装置60は、ユーザから詳細設定ボタンSB1の選択を受け付けると、設定入力画面SC30を表示部64に表示する。図4(C)に示されるように、設定入力画面SC30は、量入力領域IA2と、鍋径入力領域IA3と、鍋材質入力領域IA4と、決定ボタンDB1と、を含む。本ケースでは、端末装置60は、ユーザから、量情報「4人前」の入力と鍋径情報「22cm」の入力と鍋材質情報「鉄」の入力とを受け付け、その後、決定ボタンDB1の選択を受け付ける。このように、端末装置60の制御部66は、加熱対象物情報取得部69Bとして機能する。さらに、端末装置60は、入力された各情報を端末識別情報とともに管理サーバ100に送信する。
【0058】
管理サーバ100は、端末装置60から量情報「4人前」を受信すると、量情報「4人前」に基づいて、第3補正テーブルT13から、火力補正係数CH32と時間補正係数CT32とを取得する。また、管理サーバ100は、端末装置60から鍋径情報「22cm」を受信すると、鍋径情報「22cm」に基づいて、第1補正テーブルT11から、火力補正係数「1」と時間補正係数「1」とを取得する。さらに、管理サーバ100は、端末装置60から鍋材情報「鉄」を受信すると、鍋材質情報「鉄」に基づいて、第2補正テーブルT12から、火力補正係数「1」と時間補正係数「1」とを取得する。そして、管理サーバ100は、各テーブルT11~13から取得した各補正係数を利用して、レシピデータLD11、LD12の火力情報および時間情報を補正する。本ケースでは、第3補正テーブルT13から、1よりも大きい火力補正係数CH32と時間補正係数CT32とが取得される。このため、補正後のレシピデータLD11、LD12の火力情報に含まれる火力の強さは、補正前のレシピデータLD11、LD12の火力情報に含まれる火力の強さよりも強くなる。同様に、補正後のレシピデータLD11、LD12の時間情報が示す継続時間は、補正前のレシピデータLD11、LD12の時間情報が示す継続時間よりも長くなる。
【0059】
管理サーバ100は、ユーザから入力された各情報に基づいて、レシピデータLD11、LD12を正確に補正することができる。さらに、管理サーバ100は、補正されたレシピデータLD11の火力情報および時間情報を利用して、新たな第1のエネルギー消費量を算出し、コンロバーナ13Aのガス料金「x3」円を算出する。管理サーバ100は、補正されたレシピデータLD12の火力情報および時間情報を利用して、新たな第2のエネルギー消費量を算出し、コンロバーナ13Bのガス料金「x4」円を算出する。このように、管理サーバ100の制御部106は、エネルギー消費量算出部109として機能する。その後、管理サーバ100は、補正されたレシピデータLD11、LD12と、補正されたガス料金「x3」円、「x4」円とを含むメニュー詳細情報を端末装置60に送信する。
【0060】
端末装置60は、メニュー詳細情報を受信すると、受信したメニュー詳細情報を利用して、メニュー詳細表示画面SC40を表示部64に表示する。図4(D)に示されるように、メニュー詳細表示画面SC40には、設定入力画面SC30で入力された情報が反映されている。具体的には、メニュー詳細表示画面SC40は、メニュー「ローストポーク」を示す情報と、「ローストポーク」の量を示す情報「4人前」と、補正後のレシピデータLD11、LD12に従った「ローストポーク」の自動調理に要する時間「45分」および「ローストポーク」の自動調理におけるガス料金「x3」円、「x4」円を表示する料金表示領域DA2と、実行ボタンEB1と、を含む。
【0061】
このように、管理サーバ100は、ユーザによって入力された各情報に基づいて、ガス料金を算出する。これにより、管理サーバ100は、より正確なガス料金を算出することができる。さらに、端末装置60は、算出されたガス料金を含む料金表示領域DA2を、メニュー詳細表示画面SC40に表示する。このため、端末装置60は、正確なガス料金をユーザに認識させることができる。
【0062】
端末装置60は、ガス料金「x3」円、「x4」円を確認したユーザから、実行ボタンEB1の選択を受け付ける。この場合、端末装置60は、補正されたレシピデータLD11、LD12を、コンロ10に送信する。コンロ10の制御部16は、補正されたレシピデータLD11、LD12を受信すると、記憶部18に記憶する。そして、コンロ10の制御部16は、コンロ操作部14Aの操作によってコンロバーナ13Aが点火されると、自動調理実行プログラムPg1に従って、補正されたレシピデータLD11に基づいてコンロバーナ13Aを制御し、その後にコンロ操作部14Bの操作によってコンロバーナ13Bが点火されると、自動調理実行プログラムPg1に従って、補正されたレシピデータLD12に基づいてコンロバーナ13Bを制御する。これにより、補正されたレシピデータLD11、LD12に基づいたメニュー「ローストポーク」の自動調理が実行される。なお、端末装置60は、メニュー詳細表示画面において、例えば、自動調理の具体的な内容等を含むレシピ情報をさらに表示してもよい。
【0063】
(ケースB;図5
次いで、図5を参照して、端末装置60が、ユーザから、2つのコンロバーナ13A、13Cの何れかを利用した自動調理によって作ることができるメニュー「肉詰め」の選択を受け付けるケースについて説明する。上述したケースAと同様に、端末装置60は、メニュー選択画面SC10を表示部64に表示する。本ケースでは、端末装置60は、ユーザから、メニューボタンMB2の選択を受け付ける。この場合、端末装置60は、メニュー「肉詰め」が選択されたことを示す選択情報を端末識別情報とともに管理サーバ100に送信する。
【0064】
管理サーバ100は、端末装置60から選択情報と端末識別情報とを受信すると、上述したケースAと同様に、レシピデータテーブルT1、単価テーブルT2を利用して、コンロバーナ13Aを利用した自動調理を実行する場合のガス料金「x5」円と、コンロバーナ13Cを利用した自動調理を実行する場合のガス料金「x6」円と、を算出する。次いで、管理サーバ100は、メニュー関連情報を端末装置60に送信する。本ケースでは、メニュー関連情報は、レシピデータLD21、LD31と、算出したガス料金「x5」円および「x6」円と、を含む。
【0065】
端末装置60は、管理サーバ100からメニュー関連情報を受信すると、受信したメニュー関連情報を利用して、メニュー表示画面SC22を表示部64に表示する。図5(B)に示されるように、メニュー表示画面SC22は、メニュー「肉詰め」を示す情報と、「肉詰め」の量を示す情報「3人前」と、コンロバーナ13Aを利用して「肉詰め」の自動調理を実行する場合のガス料金「x5」円を表示する料金表示領域DA3と、コンロバーナ13Cを利用して「肉詰め」の自動調理を実行する場合のガス料金「x6」円を表示する料金表示領域DA4と、詳細設定ボタンSB1と、を含む。これにより、端末装置60は、メニュー「肉詰め」の自動調理においてコンロバーナ13A、13Cのそれぞれを利用する場合のガス料金をユーザに認識させることができる。料金表示領域DA3は、コンロバーナ13Aを利用した自動調理に要する時間「10分」をさらに含み、料金表示領域DA4は、コンロバーナ13Cを利用した自動調理に要する時間「12分」をさらに含む。これにより、端末装置60は、「肉詰め」の自動調理を実行する際に、コンロバーナ13Aの自動調理に要する時間と、コンロバーナ13Cの自動調理に要する時間と、の双方をユーザに認識させることができる。
【0066】
本ケースでは、端末装置60は、ユーザから、詳細設定ボタンSB1の選択を受け付ける。この場合、端末装置60は、図5(C)に示されるように、設定入力画面SC32を表示部64に表示する。さらに、端末装置60は、ユーザから、各情報の入力を受け付け、入力された各情報を端末識別情報とともに管理サーバ100に送信する。本ケースでは、端末装置60は、量情報「2人前」と鍋径情報「18cm」と鍋材質情報「鉄」とを管理サーバ100に送信する。
【0067】
これにより、管理サーバ100は、各情報に基づいてレシピデータLD21、LD31を補正し、補正されたレシピデータLD21、LD31に基づいて、ガス料金「x7」円、「x8」円を算出する。さらに、管理サーバ100は、メニュー詳細情報を端末装置60に送信する。メニュー詳細情報は、補正されたレシピデータLD21、LD31と、補正されたガス料金「x7」円、「x8」円とを含む。
【0068】
端末装置60は、管理サーバ100からメニュー詳細情報を受信すると、料金表示領域DA5と、料金表示領域DA6と、を含むメニュー詳細表示画面SC42を表示部64に表示する。図5(D)に示されるように、メニュー詳細表示画面SC42の料金表示領域DA5は、補正されたレシピデータ21の時間情報に基づいて算出されたコンロバーナ13Aの自動調理に要する時間「7分」と、補正されたレシピデータ21に基づいて算出されたコンロバーナ13Aの自動調理のガス料金「x7」円と、を含む。同様に、料金表示領域DA6は、補正されたレシピデータ31の時間情報に基づいて算出されたコンロバーナ13Cの自動調理に要する時間「10分」と、補正されたレシピデータ31に基づいて算出されたコンロバーナ13Cの自動調理のガス料金「x8」円と、を含む。
【0069】
このように、本実施例の加熱調理システム2では、ユーザからメニュー選択画面SC10においてメニューの選択を受け付ける場合に、メニューを示す情報と、そのメニューの自動調理におけるガス料金と、を含むメニュー表示画面SC20、SC22を表示する。これにより、加熱調理システム2は、選択したメニューの自動調理におけるガス料金をユーザに認識させることができる。その結果、自動調理におけるガス料金、すなわち、エネルギー消費量に対するユーザの意識を向上させることができる。
【0070】
(対応関係)コンロバーナ13A、13B、13Cが、それぞれ、「加熱部」の一例である。図4(B)のメニュー表示画面SC20に表示されるメニュー「ローストポーク」が「メニュー情報」の一例である。メニュー表示画面SC20に表示されるガス料金「x1」、「x2」が、それぞれ、「エネルギー消費量情報」の一例である。コンロバーナ13A、13Cが、それぞれ、「第1の加熱部」、「第2の加熱部」の一例である。レシピデータLD21、LD31が、それぞれ、「第1のレシピデータ」、「第2のレシピデータ」の一例である。メニュー表示画面SC22に表示されるガス料金「x3」、「x4」が、それぞれ、「第1のエネルギー消費量情報」、「第2のエネルギー消費量情報」の一例である。コンロバーナ13A、13Bが、それぞれ、「第1の加熱部」、「第2の加熱部」の一例である。レシピデータLD11およびLD12が、「第3のレシピデータ」の一例である。メニュー表示画面SC20に表示されるガス料金「x1」、「x2」が、それぞれ、「第1のエネルギー消費量情報」、「第2のエネルギー消費量情報」の一例である。
【0071】
(第2実施例;図6
図6を参照して、第2実施例の加熱調理システム2について説明する。第2実施例の加熱調理システム2は、第1実施例の加熱調理システム2とは異なる自動調理実行処理を行うが、それ以外については、同様の構成を有する。
【0072】
図6(A)に示されるように、第1実施例と同様に、端末装置60は、メニュー選択画面SC10を表示部64に表示する。端末装置60は、ユーザから、メニューボタンMB3の選択を受け付ける。この場合、端末装置60は、メニュー「とんかつ」が選択されたことを示す選択情報を端末識別情報とともに管理サーバ100に送信する。
【0073】
管理サーバ100は、端末装置60から選択情報と端末識別情報とを受信すると、各テーブルT1を利用して、「とんかつ」の各レシピデータLD41、LD51、LD61のうち、最もエネルギー消費量の少ないレシピデータLD61を特定する。さらに、管理サーバ100は、特定されたレシピデータLD61に基づいてガス料金「x9」円を算出し、レシピデータLD61およびガス料金「x9」を含むメニュー関連情報を端末装置60に送信する。
【0074】
端末装置60は、管理サーバ100からメニュー関連情報を受信すると、メニュー「とんかつ」を示す情報と、料金表示領域DA8と、を含むメニュー表示画面SC24を表示部64に表示する。料金表示領域DA8は、自動調理を実行する加熱部であるガスオーブン50と、ガスオーブン50に適用されるガス種類「13A」と、ガスオーブン50を利用したメニュー「とんかつ」の自動調理に要する時間「15分」と、ガス料金「x9」円と、を含む。このように、本実施例では、端末装置60は、メニュー「とんかつ」の自動調理を実行可能なコンロバーナ13A、グリルバーナ33、オーブンバーナ53のうち、最も安価なガス料金「x9」で自動調理を実行することができるオーブンバーナ53のガス料金「x9」を表示する。さらに、端末装置60は、コンロバーナ13A、グリルバーナ33のガス料金は、表示しない。これにより、端末装置60は、コンロバーナ13A、グリルバーナ33、オーブンバーナ53のうち、最も少ないエネルギー消費量で自動調理を実行可能なオーブンバーナ53をユーザに認識させることができる。
【0075】
端末装置60は、コンロ10とは異なるガスオーブン50のオーブンバーナ53も含めた加熱部のうち、最もエネルギー消費量が少ないオーブンバーナ53のガス料金「x9」を表示する。これにより、端末装置60は、端末装置60と通信可能な複数の機器のうち、最もエネルギー消費量が少ない機器を利用した自動調理をユーザに認識させることができる。本実施例では、コンロバーナ13A、グリルバーナ33、ガスオーブン50が、それぞれ、「加熱部」の一例である。
【0076】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0077】
(変形例1)図4のメニュー選択画面のキーワード入力領域IA1には、「豚肉」に代えて、ガス料金の上限および/または下限が入力されてもよい。その場合、端末装置60は、入力されたガス料金の上限および/または下限に対応するガス料金の数値範囲を管理サーバ100に送信してもよい。管理サーバ100の制御部106は、レシピデータテーブルT1を利用して、端末装置60から受信したガス料金の数値範囲で自動調理を実行可能なレシピデータを有するメニューを特定してもよい。その場合、管理サーバ100は、特定したメニューを端末装置60に送信し、端末装置60は、受信したメニュー含むメニュー選択画面を表示部64に表示してもよい。これにより、ユーザは、希望するガス料金で自動調理を実行可能なメニューを検索することができる。
【0078】
(変形例2)端末装置60は、メニュー選択画面SC10に表示される各メニュー「ローストポーク」、「肉詰め」、「とんかつ」とともに、それらの自動調理におけるガス料金を表示してもよい。その場合、管理サーバ100は、端末装置60からキーワード「豚肉」を受信する場合に、レシピデータテーブルT1からキーワード「豚肉」に関連付けて記憶されるメニューを取得した後、取得されたメニューの自動調理におけるガス料金を算出して、メニュー名とともにガス料金を端末装置60に送信してもよい。本変形例では、加熱調理システム2は、メニュー決定情報受付部を備えなくてもよい。さらなる変形例では、端末装置60は、キーワードの入力とともに食材の量や調理器具に関する情報の入力を受け付けてもよい。この場合、管理サーバ100は、端末装置60から受信した食材の量や調理器具に関する情報を利用して、メニューの自動調理におけるガス料金を算出してもよく、端末装置60は、管理サーバ100から受信したメニュー名とともにガス料金を表示してもよい。本変形例では、端末装置60は、設定入力画面SC30を表示部64に表示しなくてもよい。
【0079】
(変形例3)コンロ10は、電磁誘導加熱調理器(IH調理器)であってもよい。ガスオーブン50は、オーブンレンジであってもよい。その場合、単価テーブルT2には、ガスの単価に代えて、電気の単価が記憶されてもよい。
【0080】
(変形例4)加熱調理システム2は、ガスオーブン50を含まなくてもよい。さらに、コンロ10は、1つのコンロバーナ13Aのみを有してもよい。
【0081】
(変形例5)自動調理実行処理は、コンロ10の制御部16によって実行されてもよい。その場合、図4の各画面は、例えば、コンロパネル15に表示されてもよい。本変形例では、コンロパネル15が、「表示部」の一例である。本変形例では、コンロ10の制御部16が、「メニュー決定情報受付部」および「加熱対象物情報取得部」として機能してもよい。
【0082】
(変形例6)図3の各テーブルは、端末装置60の記憶部68に記憶されてもよい。その場合、端末装置60の制御部66が、ガス料金の算出を行ってもよい。本変形例では、端末装置60の制御部66が、「エネルギー消費量算出部」として機能してもよい。その場合、加熱調理システム2は、管理サーバ100を備えなくてもよい。さらに別の変形例では、図3の各テーブルは、コンロ10の記憶部18に記憶されてもよく、コンロ10の制御部16が、ガス料金の算出を行ってもよい。本変形例では、コンロ10の制御部16が、「エネルギー消費量算出部」として機能してもよい。その場合、加熱調理システム2は、管理サーバ100および端末装置60を備えなくてもよい。
【0083】
(変形例7)端末装置60は、WF通信に代えて、コンロ10およびガスオーブン50に対してBluetooth(登録商標)方式に従ったBluetooth通信により接続されてもよい。
【0084】
(変形例8)端末装置60は、設定入力画面SC30を表示部64に表示しなくてもよい。その場合、例えば、管理サーバ100は、コンロ10に設けられたカメラが計測した鍋径をコンロ10から受信してもよい。その場合、管理サーバ100の制御部106は、受信した鍋径に基づいて、レシピデータを補正してもよい。また、制御部106は、カメラが計測した鍋の蓋の有無に応じて、レシピデータを補正してもよい。本変形例では、コンロ10のカメラが、「加熱対象物情報取得部」の一例である。別の変形例では、制御部106は、コンロ10に設けられた温度センサが計測した鍋の初期温度をコンロ10から受信し、受信した初期温度に応じて、レシピデータを補正してもよい。本変形例では、コンロ10の温度センサが、「加熱対象物情報取得部」の一例である。
【0085】
(変形例9)管理サーバ100は、コンロ10に設けられた圧力センサが計測したガスの供給圧力をコンロ10から受信してもよい。その場合、管理サーバ100の制御部106は、コンロ10から受信したコンロ10へのガスの供給圧力に応じて、レシピデータを補正してもよい。本変形例では、コンロ10の圧力センサが、「加熱対象物情報取得部」の一例である。
【0086】
(変形例10)管理サーバ100は、コンロ10に設けられた質量センサが計測した鍋および食材の質量を、例えば食材の量としてコンロ10から受信してもよい。その場合、管理サーバ100の制御部106は、コンロ10から受信した質量に応じて、レシピデータを補正してもよい。本変形例では、コンロ10の質量センサが、「加熱対象物情報取得部」の一例である。
【0087】
(変形例11)上述した実施例では、端末装置60は、例えば、メニュー「ローストポーク」のように、複数の加熱部を順次利用して自動調理が実行されるメニューが選択される場合であっても、一つの設定入力画面SC30を表示部64に表示する。これに代えて、端末装置60は、複数の加熱部を順次利用して自動調理が実行されるメニューが選択される場合に、複数の加熱部によって実行される自動調理のそれぞれについて、鍋に関する情報を入力することができる設定入力画面を表示部64に表示してもよい。これにより、端末装置60は、複数の加熱部を順次利用して自動調理が実行されるメニューが選択され、かつ、加熱部に応じて鍋が変更される場合に、より正確な鍋に関する情報を取得することができる。
【0088】
(変形例12)レシピデータテーブルT1には、各レシピデータの補正を調整するための補正調整情報が、メニューと関連付けてさらに記憶されてもよい。補正調整情報は、各レシピデータに含まれる火力情報および時間情報のうち、どちらの情報を補正するかを示す情報である。本変形例では、例えば、補正調整情報として「火力情報のみ」が関連付けて記憶されたメニューが選択される場合、管理サーバ100は、時間補正係数にかかわらず、レシピデータに含まれる火力情報のみを火力補正係数によって補正し、時間情報を補正しない。同様に、補正調整情報として「時間情報のみ」が関連付けて記憶されたメニューが選択される場合、管理サーバ100は、火力補正係数にかかわらず、レシピデータに含まれる時間情報のみを時間補正係数によって補正し、火力情報を補正しない。これにより、メニュー応じたより詳細なレシピデータの補正を実行することができる。
【0089】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0090】
2 :加熱調理システム
6 :ルータ
8 :インターネット
10 :コンロ
11、51 :電源スイッチ
12、52、62、102 :通信I/F
13A、13B、13C :コンロバーナ
14A、14B、14C :コンロ操作部
15 :コンロパネル
16、56、66、106 :制御部
18、58、68、108 :記憶部
30 :グリル
33 :グリルバーナ
34 :グリル操作部
35 :グリルパネル
50 :ガスオーブン
53 :オーブンバーナ
54 :オーブン操作部
55 :オーブンパネル
60 :端末装置
64 :表示部
66 :制御部
68 :記憶部
69A :メニュー決定情報受付部
69B :加熱対象物情報取得部
104 :操作部
109 :エネルギー消費量算出部
LD11~LD13、LD21、LD31、LD41、LD51、LD61 :レシピデータ
P1 :鍋
Pg1、Pg2 :自動調理実行プログラム
Pg3 :自動調理アプリ
T1 :レシピデータテーブル
T2 :単価テーブル
T11 :第1補正テーブル
T12 :第2補正テーブル
T13 :第3補正テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6