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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126259
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/38 20230101AFI20240912BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240912BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20240912BHJP
   H10K 50/858 20230101ALI20240912BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20240912BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H10K59/38
H10K59/10
H10K50/844
H10K50/858
G02B5/20 101
G09F9/30 365
G09F9/30 349B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034529
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】色部 潤
(72)【発明者】
【氏名】濱出 唯芽
【テーマコード(参考)】
2H148
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2H148BD05
2H148BE12
2H148BF04
2H148BG06
2H148BH05
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC07
3K107EE21
3K107EE22
3K107EE46
3K107FF06
3K107FF15
5C094AA08
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
5C094ED03
5C094FA03
5C094JA08
(57)【要約】
【課題】色純度を向上できる表示装置を提供する。
【解決手段】封止層の第1発光素子とは反対側に設けられ、前記第1発光素子からの光が通過する第1着色層と、前記封止層の第2発光素子とは反対側に設けられ、前記第2発光素子からの光が通過する第2着色層と、を有し、前記第1着色層は、前記封止層とは反対側の第1平坦面と、前記第2着色層と接する第1側面と、前記第1平坦面に対して傾斜して、前記第1平坦面と前記第1側面とを接続し、前記第2着色層と離隔された第1接続面と、を有し、前記第2着色層は、前記封止層とは反対側の第2平坦面と、前記第1側面と接する第2側面と、前記第2平坦面に対して傾斜して、前記第2平坦面と前記第2側面とを接続し、前記第1着色層と離隔された第2接続面と、を有し、前記第1側面と前記第2側面との接触部は、前記封止層に接触している、表示装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に設けられた第1発光素子および第2発光素子と、
前記第1発光素子および前記第2発光素子を覆う封止層と、
前記封止層の前記第1発光素子とは反対側に設けられ、前記第1発光素子からの光が通過する第1着色層と、
前記封止層の前記第2発光素子とは反対側に設けられ、前記第2発光素子からの光が通過する第2着色層と、
を有し、
前記第1着色層は、
前記封止層とは反対側の第1平坦面と、
前記第2着色層と接する第1側面と、
前記第1平坦面に対して傾斜して、前記第1平坦面と前記第1側面とを接続し、前記第2着色層と離隔された第1接続面と、
を有し、
前記第2着色層は、
前記封止層とは反対側の第2平坦面と、
前記第1側面と接する第2側面と、
前記第2平坦面に対して傾斜して、前記第2平坦面と前記第2側面とを接続し、前記第1着色層と離隔された第2接続面と、
を有し、
前記第1側面と前記第2側面との接触部は、前記封止層に接触している、表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1平坦面、前記第1接続面、前記第2平坦面、および前記第2接続面を覆う透光層を有し、
前記透光層の屈折率は、前記第1着色層の屈折率および前記第2着色層の屈折率と異なる、表示装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1接続面および前記第2接続面は、平坦面を有する、表示装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記第1平坦面と前記第1接続面とがなす角度と、前記第2平坦面と前記第2接続面とがなす角度とは、異なる、表示装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1接続面および前記第2接続面は、曲面を有する、表示装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1接続面の前記基板の垂線方向における大きさは、前記第1着色層の厚さの1/3以上である、表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第2接続面の前記垂線方向における大きさは、前記第2着色層の厚さの1/3以上である、表示装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記第1接続面の前記基板の垂線方向における大きさ、および記第2接続面の前記垂線方向における大きさは、互いに異なる、表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記基板に設けられ、前記封止層に覆われた第3発光素子および第4発光素子と、
前記封止層の前記第3発光素子とは反対側に設けられ、前記第3発光素子からの光が通過する第3着色層と、
前記封止層の前記第4発光素子とは反対側に設けられ、前記第4発光素子からの光が通過する第4着色層と、
を有し、
前記第3着色層は、
前記封止層とは反対側の第3平坦面と、
前記第4着色層と接する第3側面と、
前記第3平坦面に対して傾斜して、前記第3平坦面と前記第3側面とを接続し、前記第4着色層と離隔された第3接続面と、
を有し、
前記第4着色層は、
前記封止層とは反対側の第4平坦面と、
前記第3側面と接する第4側面と、
前記第4平坦面に対して傾斜して、前記第4平坦面と前記第4側面とを接続し、前記第3着色層と離隔された第4接続面と、
を有し、
前記第3側面と前記第4側面との接触部は、前記封止層に接触し、
前記第3接続面の前記垂線方向における大きさ、および前記第4接続面の前記垂線方向における大きさは、互いに異なる、表示装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載された表示装置を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(electroluminescence)素子などの発光素子を有する表示装置が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、基板と、第1発光素子および第2発光素子と、第1発光素子および第2発光素子上に配置された封止層と、第1発光素子からの光を透過させる第1着色部と、第2発光素子からの光を透過させる第2着色部と、封止層に接し第1着色層と第2着色層との間に設けられた壁部と、を有する電気光学装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-26073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような電気光学装置では、色純度を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置の一態様は、
基板と、
前記基板に設けられた第1発光素子および第2発光素子と、
前記第1発光素子および前記第2発光素子を覆う封止層と、
前記封止層の前記第1発光素子とは反対側に設けられ、前記第1発光素子からの光が通過する第1着色層と、
前記封止層の前記第2発光素子とは反対側に設けられ、前記第2発光素子からの光が通過する第2着色層と、
を有し、
前記第1着色層は、
前記封止層とは反対側の第1平坦面と、
前記第2着色層と接する第1側面と、
前記第1平坦面に対して傾斜して、前記第1平坦面と前記第1側面とを接続し、前記第2着色層と離隔された第1接続面と、
を有し、
前記第2着色層は、
前記封止層とは反対側の第2平坦面と、
前記第1側面と接する第2側面と、
前記第2平坦面に対して傾斜して、前記第2平坦面と前記第2側面とを接続し、前記第1着色層と離隔された第2接続面と、
を有し、
前記第1側面と前記第2側面との接触部は、前記封止層に接触している。
【0007】
本発明に係る電子機器の一態様は、
前記表示装置の一態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図。
図2】本実施形態に係る表示装置のサブ画素の等価回路図。
図3】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図。
図4】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図5】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図6】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図7】参考例に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図8】本実施形態に係る表示装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図9】本実施形態に係る表示装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図10】本実施形態に係る表示装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図11】本実施形態に係る表示装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図12】本実施形態に係る表示装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図13】本実施形態に係る表示装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図14】本実施形態の第1変形例に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図15】本実施形態の第2変形例に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図16】本実施形態の第3変形例に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図17】本実施形態の第4変形例に係る表示装置を模式的に示す平面図。
図18】本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイを模式的に示す斜視図。
図19】本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの像形成装置および導光装置を模式的に示す図。
図20】実施例1および比較例1における光の取り出し効率を示す表。
図21】実施例1および比較例1における色域の測定結果を示す表。
図22】実施例1および比較例1における色域の測定結果を示すCIE1931色空間。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1. 表示装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置100を模式的に示す平面図である。なお、図1では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
【0011】
表示装置100は、例えば、有機ELを利用してフルカラーの画像を表示する装置である。なお、画像には、文字情報のみを表示するものも含まれる。表示装置100は、例えば、ヘッドマウントディスプレイなどに好適に用いられるマイクロディスプレイである。
【0012】
表示装置100は、図1に示すように、画像を表示する表示領域102と、平面視で表示領域102の周囲を囲む周辺領域104と、を有する。図示の例では、平面視とは、Z軸方向から見ることである。表示領域102の平面形状は、例えば、四角形である。
【0013】
表示装置100は、複数の画素Pを有する。画素Pは、表示領域102に設けられている。画素Pは、画像の表示における最小単位である。図示の例では、画素Pは、X軸方向およびY軸方向にマトリックス状に配列されている。
【0014】
表示装置100の複数の画素Pの各々は、赤色光を出射する赤色サブ画素PRと、緑色光を出射する緑色サブ画素PGと、青色光を出射する青色サブ画素PBと、を有している。図示の例では、1つの画素Pにおいて、赤色サブ画素PRは、1つ設けられている。緑色サブ画素PGは、2つ設けられている。青色サブ画素PBは、1つ設けられている。サブ画素PR,PG,PBは、カラー画像の1つの画素Pを構成している。赤色サブ画素PRから出射される赤色光の波長域は、580nmより大きく700nm以下である。緑色サブ画素PGから出射される緑色光の波長域は、500nm以上580nm以下である。青色サブ画素PBから出射される青色光の波長域は、400nm以上500nm未満である。なお、便宜上、図1では、サブ画素PR,PG,PBを簡略化して図示している。
【0015】
表示装置100は、例えば、素子基板2と、透光基板4と、を有している。素子基板2および透光基板4は、Z軸方向に積層されている。表示装置100は、いわゆるトップエミッション構造であり、透光基板4から光を出射する。
【0016】
素子基板2は、例えば、データ線駆動回路110と、走査線駆動回路112と、制御回路114と、複数の外部端子116と、を有している。データ線駆動回路110、走査線駆動回路112、制御回路114、および複数の外部端子116は、周辺領域104に設けられている。データ線駆動回路110および走査線駆動回路112は、サブ画素PR,PG,PBの駆動を制御する周辺回路である。制御回路114は、画像の表示を制御する。制御回路114には、図示しない上位回路から画像データが供給される。制御回路114は、当該画像データに基づく各種信号を、データ線駆動回路110および走査線駆動回路112に供給する。図示しないが、外部端子116には、上位回路との電気的な接続を図るためのFPC(Flexible printed circuits)基板などが接続されている。素子基板2には、図示しない電源回路が電気的に接続されている。
【0017】
透光基板4は、素子基板2を保護するカバーである。透光基板4は、例えば、ガラス基板、石英基板である。透光基板4は、透光性を有する。
【0018】
図2は、表示装置100のサブ画素PR,PG,PBの等価回路図である。素子基板2には、例えば、複数の走査線11と、複数のデータ線12と、複数の第1給電線13と、複数の第2給電線14と、を有している。
【0019】
走査線11は、例えば、X軸方向に延びている。データ線12は、例えば、Y軸方向に延びている。なお、図示はしないが、複数の走査線11と複数のデータ線12とは、格子状に配列されている。走査線11は、図1に示す走査線駆動回路112に接続されている。データ線12は、図1に示すデータ線駆動回路110に接続されている。
【0020】
サブ画素PR,PG,PBは、図2に示すように、発光素子20と、発光素子20の駆動を制御する画素回路15と、を有している。発光素子20は、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)である。発光素子20は、例えば、画素電極40と、発光層43と、共通電極44と、を有している。
【0021】
画素電極40には、画素回路15を介して、第1給電線13が電気的に接続される。共通電極44には、第2給電線14が電気的に接続される。第1給電線13には、図示しない電源回路から高位側の電源電位Velが供給される。第2給電線14には、図示しない電源回路から低位側の電源電位Vctが供給される。画素電極40は、陽極として機能する。共通電極44は、陰極として機能する。発光素子20では、画素電極40から供給される正孔と、共通電極44から供給される電子とが、発光層43で再結合する。これにより、発光層43は、光を発生させる。
【0022】
画素回路15は、例えば、スイッチング用トランジスター16と、駆動用トランジスター17と、保持容量18と、を有している。スイッチング用トランジスター16のゲートは、走査線11に電気的に接続されている。スイッチング用トランジスター16のソースおよびドレインのうちの一方は、データ線12に電気的に接続され、他方は、駆動用トランジスター17のゲートに電気的に接続されている。駆動用トランジスター17のソースおよびドレインのうちの一方は、第1給電線13に電気的に接続され、他方は、画素電極40に電気的に接続されている。保持容量18の一方の電極は、駆動用トランジスター17のゲートに電気的に接続され、他方の電極は、第1給電線13に電気的に接続されている。
【0023】
画素回路15では、走査線駆動回路112が走査信号をアクティブにすることで走査線11が選択されると、選択されるサブ画素PR,PG,PBに設けられるスイッチング用トランジスター16がオンする。そうすると、データ線12からデータ信号が、選択される走査線11に対応する駆動用トランジスター17に供給される。駆動用トランジスター17は、供給されるデータ信号の電位、すなわちゲートおよびソース間の電位差に応じた電流を発光素子20に対して供給する。そして、発光素子20は、駆動用トランジスター17から供給される電流の大きさに応じた輝度で発光する。走査線駆動回路112が走査線11の選択を解除してスイッチング用トランジスター16がオフした場合、駆動用トランジスター17のゲートの電位は、保持容量18により保持される。そのため、発光素子20は、スイッチング用トランジスター16がオフした後も、発光素子20の発光を維持できる。
【0024】
なお、画素回路15の構成は、図示の例に限定されない。図示はしないが、画素回路15は、例えば、画素電極40と駆動用トランジスター17との間の導通を制御するトランジスターを有していてもよい。
【0025】
図3は、表示装置100を模式的に示す平面図である。図4は、表示装置100を模式的に示す図3のIV-IV線断面図である。
【0026】
1つの画素Pは、図3に示すように、赤色サブ画素PRと、緑色サブ画素PGと、青色サブ画素PBと、を有している。図示の例では、画素Pは、緑色サブ画素PGとして、2つの緑色サブ画素PG1,PG2を有している。サブ画素PR,PG1,PG2,PBは、例えば、正方格子状に配列されている。図示の例では、1つの画素Pにおいて、緑色サブ画素PG1は、赤色サブ画素PRの+X軸方向に設けられている。緑色サブ画素PG2は、赤色サブ画素PRの-Y軸方向に設けられている。青色サブ画素PBは、緑色サブ画素PG2の+X軸方向に設けられている。
【0027】
表示装置100の素子基板2は、図3および図4に示すように、例えば、基板10と、発光素子20と、封止層50と、着色部60と、を有している。透光基板4は、図4に示すように、接着層6を介して、素子基板2に接合されている。なお、便宜上、図3では、発光素子20の発光領域22、反射層30、画素電極40、およびコンタクト電極41以外の部材の図示を省略している。
【0028】
基板10は、例えば、シリコン基板上に、上述した画素回路15が設けられた配線基板である。基板10は、図4に示すように、例えば、Z軸に平行な垂線Qを有している。なお、シリコン基板の代わりに、例えば、ガラス基板、樹脂基板、セラミックス基板が用いられてもよい。画素回路15が有するトランジスター16,17は、例えば、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)型トランジスター、薄膜トランジスター、電界効果トランジスターである。画素回路15が有する各要素および各種配線の材料としては、例えば、ポリシリコン、金属、金属シリサイドおよび金属化合物などの導電材料が挙げられる。
【0029】
発光素子20は、基板10上に設けられている。発光素子20は、基板10と封止層50との間に設けられている。発光素子20は、複数のサブ画素PR,PG1,PG2,PBに対応して複数設けられている。図3に示すように、赤色サブ画素PRは、発光素子20として第1発光素子20Rを有している。緑色サブ画素PG1は、発光素子20として第2発光素子20G1を有している。緑色サブ画素PG2は、発光素子20として第3発光素子20G2を有している。青色サブ画素PBは、発光素子20として第4発光素子20Bを有している。
【0030】
発光素子20は、図4に示すように、例えば、反射層30と、絶縁層32と、光路調整層34と、素子分離層36と、画素電極40と、有機層42と、共通電極44と、を有している。
【0031】
反射層30は、基板10上に設けられている。反射層30は、基板10と絶縁層32との間に設けられている。反射層30は、複数の発光素子20において個別に設けられている。反射層30は、例えば、アルミニウム(Al)層、銀(Ag)層などである。反射層30は、発光層43で発生した光を反射させる。反射層30は、例えば、画素回路15と電気的に接続されている。
【0032】
絶縁層32は、反射層30上に設けられている。絶縁層32は、反射層30と光路調整層34との間に設けられている。絶縁層32は、さらに、隣り合う反射層30の間に設けられている。絶縁層32は、例えば、窒化シリコン層、酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層である。
【0033】
光路調整層34は、絶縁層32上に設けられている。光路調整層34は、絶縁層32と画素電極40との間に設けられている。光路調整層34は、反射層30と共通電極44との間の距離Dを調整する層である。光路調整層34は、例えば、窒化シリコン層、酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層である。
【0034】
光路調整層34は、例えば、第1調整層34aと、第2調整層34bと、を有している。第1調整層34aは、赤色サブ画素PRに設けられ、サブ画素PG,PBには設けられていてない。第2調整層34bは、サブ画素PR,PG設けられ、青色サブ画素PBには設けられない。サブ画素PRにおいて、第2調整層34bは、第1調整層34a上に設けられている。光路調整層34によって、緑色サブ画素PGの距離Dを、青色サブ画素PBの距離Dよりも大きくし、赤色サブ画素PRの距離Dを、緑色サブ画素PGの距離Dよりも大きくすることができる。
【0035】
画素電極40は、光路調整層34上に設けられている。画素電極40は、光路調整層34と有機層42との間に設けられている。画素電極40は、複数の発光素子20において個別に設けられている。画素電極40は、平面視で、反射層30と重なる。画素電極40は、発光層43で発生した光を透過させる。画素電極40の材質は、例えば、ITO( Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)である。
【0036】
画素電極40は、コンタクト電極41を介して、反射層30と電気的に接続されている。コンタクト電極41および反射層30により、画素電極40は、画素回路15と電気的に接続されている。コンタクト電極41の材質は、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)である。コンタクト電極41と絶縁層32との間には、絶縁層35が設けられている。絶縁層35は、窒化シリコン層、酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層である。
【0037】
画素電極40上には、素子分離層36が設けられている。素子分離層36は、例えば、窒化シリコン層、酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層である。素子分離層36には、開口部37が形成されている。開口部37は、素子分離層36を貫通している。開口部37は、発光素子20の発光領域22を規定している。発光領域22は、画素電極40と有機層42とが接触している領域である。図3に示す例では、発光領域22は、正八角形であるが、その形状は、特に限定されない。
【0038】
有機層42は、図4に示すように、画素電極40上に設けられている。有機層42は、例えば、複数の発光素子20において共通の層である。有機層42は、画素電極40と共通電極44との間に設けられている。有機層42は、有機発光材料からなる発光層43を有している。発光層43を構成する有機発光材料は、発光性の有機化合物である。
【0039】
有機層42は、発光層43以外に、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、および電子注入層などを有している。有機層42は、例えば、赤色光、緑色光、および青色光が得られる発光層43を有して、白色発光を発生させる。
【0040】
共通電極44は、有機層42上に設けられている。共通電極44は、有機層42と封止層50との間に設けられている。共通電極44は、例えば、複数の発光素子20において共通の電極である。共通電極44の材質は、例えば、MgAgなどのAgを含む合金である。
【0041】
発光素子20は、共通電極44と反射層30との間で所定の波長域の光を反射させて共振させる光共振部24を有している。光共振部24は、発光層43で発生した光を反射層30と共通電極44との間で多重反射させ、所定の波長域の光を選択的に強める。第1発光素子20Rは、赤色光を強める光共振部24を有している。発光素子20G1,20G2は、緑色光を強める光共振部24を有している。第4発光素子20Bは、青色光を強める光共振部24を有している。
【0042】
発光素子20の光共振部24における共振波長は、距離Dによって決まる。当該共振波長をλとするとき、下記式(1)の関係が成り立つ。なお、式(1)において、nは、反射層30と共通電極44との間の各層の屈折率に、光路長を計算し合算したものである。mは、共振次数であり、0以上の整数である。また、共通電極44の反射による位相シフトは、波長換算でλ/2としている。
【0043】
2nD=(m+1/2)λ ・・・(1)
【0044】
取り出したい波長域の光のピーク波長が波長λとなるよう、距離Dが設定される。距離Dの設定により、取り出したい所定の波長域の光が増強され、当該光の高強度化およびスペクトルの狭幅化を図ることができる。
【0045】
図4に示す例では、上記のように、発光素子20R,20G,20Bごとに光路調整層34の厚さを異ならせることにより、距離Dが調整されている。なお、距離Dの調整方法は、光路調整層34の厚さによる調整方法に限定されない。例えば、発光素子20R,20G,20Bにおいて画素電極40の厚さを異ならせることにより、距離Dが調整されてもよい。
【0046】
なお、図示はしないが、第1発光素子20R、第2発光素子20G1、第3発光素子20G2、および第4発光素子20Bは、距離Dが互いに等しい共通の光共振部24を有していてもよい。この場合は、発光素子20R,20G,20Bの光共振部24では、共通の波長域の光が増強される。この場合、着色部60において、所定の波長域の光以外の光が減衰される。このような共通の光共振部24では、表示装置100の製造の簡略化を図ることができる。ただし、色純度を向上させるためには、発光素子20R,20G,20Bにおいて、距離Dが互いに異なる個別の光共振部24を有していることが好ましい。
【0047】
封止層50は、複数の発光素子20上に設けられている。封止層50は、複数の発光素子20と、着色部60と、の間に設けられている。図示の例では、封止層50は、共通電極44上に設けられている。封止層50は、複数の発光素子20を覆っている。封止層50は、発光素子20からの光を透過させる。封止層50は、絶縁性を有する。
【0048】
封止層50は、発光素子20を保護する。具体的には、封止層50は、発光素子20を外部から保護するために発光素子20を封止する。封止層50は、例えば、ガスバリア性を有している。封止層50は、発光素子20を、外部の水分、酸素などから保護する。封止層50は、発光素子20の劣化を低減できる。これにより、表示装置100の品質信頼性を高めることができる。
【0049】
封止層50は、例えば、第1層52と、第2層54と、第3層56と、を有している。第1層52は、発光素子20上に設けられている。第1層52は、発光素子20と第2層54との間に設けられている。第2層54は、第1層52上に設けられている。第2層54は、第1層52と第3層56との間に設けられている。第3層56は、第2層54上に設けられている。第3層56は、第2層54と着色部60との間に設けられている。
【0050】
封止層50の第1層52および第3層56の材質は、例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなどの無機化合物である。第3層56は、無機化合物を有し、かつ、上面が樹脂によって構成されていてもよい。第2層54は、第3層56に平坦な面を提供するための平坦化層である。第2層54の材質は、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂である。また、封止層50は、着色部60と接する側に、着色部60との密着性を向上させるための接着層を有していてもよい。接着層の材質は、例えば、アクリル系の樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂である。
【0051】
1.2. 着色部
着色部60は、封止層50上に設けられている。着色部60は、封止層50と透光基板4との間に設けられている。なお、便宜上、図4では、着色部60を簡略化して図示している。ここで、図5は、表示装置100を模式的に示す図4のV-V線断面図であり、着色部60近傍の図である。図6は、表示装置100を模式的に示す図4のVI-VI線断面図であり、着色部60近傍の図である。
【0052】
着色部60は、図5および図6に示すように、例えば、赤色着色層70Rと、緑色着色層70Gと、青色着色層70Bと、透光層80と、を有している。着色層70R,70G,70Bの色は、互いに異なる。図示の例では、着色部60は、緑色着色層70Gとして、2つの緑色着色層70G1,70G2を有している。赤色サブ画素PRは、赤色着色層70Rを有している。緑色サブ画素PG1は、緑色着色層70G1を有している。緑色サブ画素PG2は、緑色着色層70G2を有している。青色サブ画素PBは、青色着色層70Bを有している。
【0053】
着色層70R,70G1,70G2,70Bは、封止層50上に設けられている。着色層70R,70G1,70G2,70Bは、封止層50と透光層80との間に設けられている。図示の例では、着色層70R,70G1,70G2,70Bは、封止層50の第3層56上に設けられている。
【0054】
着色層70R,70G1,70G2,70Bは、所定の波長域の光を選択的に透過させるカラーフィルターである。当該所定の波長域は、上述した距離Dによって決まるピーク波長λを含む。着色層70R,70G1,70G2,70Bは、例えば、色材を含むアクリル系の感光性樹脂材料などの樹脂材料で構成される。当該色材は、例えば、顔料、染料である。着色層70R,70G1,70G2,70Bは、ポジ型のカラーレジストであってもよい。
【0055】
赤色着色層70Rは、封止層50の第1発光素子20Rとは反対側に設けられている。赤色着色層70Rは、平面視で、第1発光素子20Rの発光領域22と重なる。赤色着色層70Rには、第1発光素子20Rからの光が通過する。赤色着色層70Rは、第1発光素子20Rからの光のうち赤色光を選択的に透過させるカラーフィルターである。
【0056】
赤色着色層70Rは、図5に示すように、第1平坦面72Rと、第1側面74Rと、第1接続面76Rと、を有している。
【0057】
第1平坦面72Rは、封止層50とは反対側の面である。第1平坦面72Rは、平坦な面である。図示の例では、第1平坦面72Rは、封止層50の上面58と平行である。上面58は、平坦な面である。
【0058】
第1側面74Rは、上面58に接続されている。図示の例では、第1側面74Rは、上面58に対して傾斜している。第1側面74Rは、緑色着色層70G1と接している。
【0059】
第1接続面76Rは、第1平坦面72Rと第1側面74Rとを接続している。第1接続面76Rは、第1平坦面72Rに対して傾斜している。第1接続面76Rは、緑色着色層70G1と離隔されている。第1接続面76Rは、平坦面を有する。第1接続面76Rは、例えば、平坦な面である。平面視で、第1接続面76Rは、緑色着色層70G1と重なっている。
【0060】
第1接続面76RのZ軸方向における大きさW1は、例えば、赤色着色層70Rの厚さT1の1/3以上3/4以下である。厚さT1は、赤色着色層70RのZ軸方向における最大の大きさである。第1平坦面72Rおよび第1接続面76Rには、第1発光素子20Rからの光が入射する。
【0061】
緑色着色層70G1は、封止層50の第2発光素子20G1とは反対側に設けられている。緑色着色層70G1は、平面視で、第2発光素子20G1の発光領域22と重なる。緑色着色層70G1には、第2発光素子20G1からの光が通過する。緑色着色層70G1は、第2発光素子20G1からの光のうち緑色光を選択的に透過させるカラーフィルターである。
【0062】
緑色着色層70G1は、テーパー形状を有している。図示の例では、緑色着色層70G1の形状は、台形である。緑色着色層70G1は、第2平坦面72G1と、第2側面74G1と、第2接続面76G1と、を有している。
【0063】
第2平坦面72G1は、封止層50とは反対側の面である。第2平坦面72G1は、平坦な面である。図示の例では、第2平坦面72G1は、封止層50の上面58と平行である。
【0064】
第2側面74G1は、上面58に接続されている。図示の例では、第2側面74G1は、上面58に対して傾斜している。第2側面74G1は、赤色着色層70Rの第1側面74Rと接している。
【0065】
第2接続面76G1は、第2平坦面72G1と第2側面74G1とを接続している。第2接続面76G1は、第2平坦面72G1に対して傾斜している。第2接続面76G1は、赤色着色層70Rと離隔されている。第2接続面76G1は、平坦面を有する。第2接続面76G1は、例えば、平坦な面である。
【0066】
第2接続面76G1のZ軸方向における大きさW2は、例えば、緑色着色層70G1の厚さT2の1/3以上3/4以下である。厚さT2は、緑色着色層70G1のZ軸方向における最大の大きさである。図示の例では、厚さT2は、厚さT1よりも小さい。大きさW1および大きさW2は、例えば、互いに異なる。図示の例では、大きさW2は、大きさW1よりも小さい。第2平坦面72G1および第2接続面76G1には、第2発光素子20G1からの光が入射する。
【0067】
第1側面74Rと第2側面74G1との接触部78は、封止層50に接している。接触部78は、上面58に接続されている。図示の例では、接触部78は、上面58に対して傾斜している。第1側面74Rの全面は、第2側面74G1と接している。第2側面74G1の全面は、第1側面74Rと接している。
【0068】
緑色着色層70G2は、図6に示すように、封止層50の第3発光素子20G2とは反対側に設けられている。緑色着色層70G2は、平面視で、第3発光素子20G2の発光領域22と重なる。緑色着色層70G2には、第3発光素子20G2からの光が通過する。緑色着色層70G2は、第3発光素子20G2からの光のうち緑色光を選択的に透過させるカラーフィルターである。
【0069】
緑色着色層70G2は、テーパー形状を有している。図示の例では、緑色着色層70G2の形状は、台形である。緑色着色層70G2は、第3平坦面72G2と、第3側面74G2と、第3接続面76G2と、を有している。
【0070】
第3平坦面72G2は、封止層50とは反対側の面である。第3平坦面72G2は、平坦な面である。図示の例では、第3平坦面72G2は、封止層50の上面58と平行である。
【0071】
第3側面74G2は、上面58に接続されている。図示の例では、第3側面74G2は、上面58に対して傾斜している。第3側面74G2は、青色着色層70Bと接している。
【0072】
第3接続面76G2は、第3平坦面72G2と第3側面74G2とを接続している。第3接続面76G2は、第3平坦面72G2に対して傾斜している。第3接続面76G2は、青色着色層70Bと離隔されている。第3接続面76G2は、平坦面を有する。第3接続面76G2は、例えば、平坦な面である。
【0073】
第3接続面76G2のZ軸方向における大きさW3は、例えば、緑色着色層70G2の厚さT3の1/3以上3/4以下である。厚さT3は、緑色着色層70G2のZ軸方向における最大の大きさである。第3平坦面72G2および第3接続面76G2には、第3発光素子20G2からの光が入射する。
【0074】
青色着色層70Bは、封止層50の第4発光素子20Bとは反対側に設けられている。青色着色層70Bは、平面視で、第4発光素子20Bの発光領域22と重なる。青色着色層70Bは、第4発光素子20Bからの光のうち青色光を選択的に透過させるカラーフィルターである。
【0075】
青色着色層70Bは、第4平坦面72Bと、第4側面74Bと、第4接続面76Bと、を有している。
【0076】
第4平坦面72Bは、封止層50とは反対側の面である。第4平坦面72Bは、平坦な面である。図示の例では、第4平坦面72Bは、封止層50の上面58と平行である。
【0077】
第4側面74Bは、上面58に接続されている。図示の例では、第4側面74Bは、上面58に対して傾斜している。第4側面74Bは、緑色着色層70G2の第3側面74G2と接している。
【0078】
第4接続面76Bは、第4平坦面72Bと第4側面74Bとを接続している。第4接続面76Bは、第4平坦面72Bに対して傾斜している。第4接続面76Bは、緑色着色層70G2と離隔されている。第4接続面76Bは、平坦面を有する。第4接続面76Bは、例えば、平坦な面である。平面視で、第4接続面76Bは、緑色着色層70G2と重なっている。
【0079】
第4接続面76BのZ軸方向における大きさW4は、例えば、青色着色層70Bの厚さT3の1/3以上3/4以下である。厚さT4は、青色着色層70BのZ軸方向における最大の大きさである。図示の例では、厚さT4は、厚さT3よりも大きい。大きさW3および大きさW4は、例えば、互いに異なる。図示の例では、大きさW4は、大きさW3よりも大きい。第4平坦面72Bおよび第4接続面76Bには、第4発光素子20Bからの光が入射する。
【0080】
第3側面74G2と第4側面74Bとの接触部79は、封止層50に接している。接触部79は、上面58に接続されている。図示の例では、接触部79は、上面58に対して傾斜している。第3側面74G2の全面は、第4側面74Bと接している。第4側面74Bの全面は、第3側面74G2と接している。
【0081】
透光層80は、図5および図6に示すように、着色層70R,70G1,70G2,70B上に設けられている。透光層80は、着色層70R,70G1,70G2,70Bと、接着層6との間に設けられている。透光層80は、着色層70R,70G1,70G2,70Bを覆っている。具体的には、透光層80は、平坦面72R,72G1,72G2,72B、および接続面76R,76G1,76G2,76Bを覆っている。透光層80の上面は、例えば、平坦な面である。透光層80は、着色層70R,70G1,70G2,70Bを保護する。
【0082】
透光層80は、発光素子20からの光を透過させる。透光層80は、例えば、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層である。透光層80の屈折率は、着色層70R,70G1,70G2,70Bの屈折率と異なる。着色層70R,70G1,70G2,70Bの屈折率は、添加物などによって調整できる。
【0083】
透光層80の屈折率は、着色層70R,70G1,70G2,70Bの屈折率よりも高くてもよい。この場合、透光層80の屈折率と、着色層70R,70G1,70G2,70Bと、の差は、0.2以上であってもよい。着色層70R,70G1,70G2,70Bは、それぞれ接続面76R,76G1,76G2,76Bにおいて、発光素子20からの光を集光させる。これにより、光の取り出し効率を向上できる。
【0084】
透光層80の屈折率は、着色層70R,70G1,70G2,70Bの屈折率よりも低くてもよい。この場合、透光層80の屈折率と、着色層70R,70G1,70G2,70Bと、の差は、0.1以上であってもよい。着色層70R,70G1,70G2,70Bは、それぞれ接続面76R,76G1,76G2,76Bにおいて、発光素子20からの光を発散させる。これにより、視野角特性を向上できる。着色層70R,70G1,70G2,70Bは、接続面76R,76G1,76G2,76Bによって、レンズとしての機能を有している。
【0085】
なお、図示はしないが、例えば、赤色着色層70Rは、緑色着色層70G2と接する側面と、該側面と第1平坦面72Rとを接続し緑色着色層70G2と離隔された接続面と、を有する。緑色着色層70G1は、赤色着色層70Rと接する側面と、該側面と第3平坦面72G2とを接続し赤色着色層70Rと離隔された接続面と、を有する。赤色着色層70Rの側面と緑色着色層70G2の側面との接触部は、封止層50に接触している。
【0086】
さらに、上記のことは、例えば、緑色着色層70G2と青色着色層70Bとにも適用される。さらに、上記のことは、例えば、着色層と、当該着色層を有する画素Pと隣の画素Pを構成し、かつ当該着色層と隣り合う着色層と、にも適用される。すなわち、上記のことは、複数の着色層のうち隣り合う着色層に適用される。
【0087】
1.3. 作用効果
表示装置100では、基板10と、基板10に設けられた第1発光素子20Rおよび第2発光素子20G1と、第1発光素子20Rおよび第2発光素子20G1を覆う封止層50と、を有する。さらに、表示装置100は、封止層50の第1発光素子20Rとは反対側に設けられ、第1発光素子20Rからの光が通過する第1着色層としての赤色着色層70Rを有する。さらに、表示装置100は、封止層50の第2発光素子20G1とは反対側に設けられ、第2発光素子20G1からの光が通過する第2着色層としての緑色着色層70G1を有する。赤色着色層70Rは、封止層50とは反対側の第1平坦面72Rと、緑色着色層70G1と接する第1側面74Rと、第1平坦面72Rに対して傾斜して、第1平坦面72Rと第1側面74Rとを接続し、緑色着色層70G1と離隔された第1接続面76Rと、を有する。緑色着色層70G1は、封止層50とは反対側の第2平坦面72G1と、第1側面74Rと接する第2側面74G1と、第2平坦面72G1に対して傾斜して、第2平坦面72G1と第2側面74G1とを接続し、赤色着色層70Rと離隔された第2接続面76G1と、を有する。第1側面74Rと第2側面74G1との接触部78は、封止層50に接触している。
【0088】
そのため、表示装置100では、色純度を向上できる。例えば、図7に示すように、赤色着色層1070Rと、緑色着色層1070Gと、の間であって、封止層1050上に壁部1010が設けられている場合、図7に示す破線の矢印のように、赤色着色層1070Rに入射する前に、壁部1010に入射する光が存在する。特に、画素サイズが小さくなると、壁部1010のサイズを小さくするには限界があるため、赤色着色層1070Rに対して壁部1010の占領する割合が大きくなる。そのため、赤色着色層1070Rに入射する前に、壁部1010に入射する光の割合が大きくなる。当該光は、赤色着色層1070Rを通過する距離が短くなるため、赤色の純度が低下する。なお、着色層1070R,1070G上には、透光層1080が設けられている。
【0089】
これに対し、表示装置100では、第1側面74Rと第2側面74G1との接触部78は、封止層50に接触している。そのため、赤色着色層70Rと緑色着色層70G1との間に、封止層50と接する壁部が存在しない。したがって、画素Pのサイズを小さくしても、色純度が低下し難い。よって、色純度を向上できる。なお、図7は、参考例に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
【0090】
表示装置100では、第1平坦面72R、第1接続面76R、第2平坦面72G1、および第2接続面76G1を覆う透光層80を有し、透光層80の屈折率は、赤色着色層70Rの屈折率および緑色着色層70G1の屈折率と異なる。そのため、表示装置100では、赤色着色層70Rは、第1接続面76Rによって、レンズとしての機能を有することができる。さらに、緑色着色層70G1は、第2接続面76G1によって、レンズとしての機能を有することができる。
【0091】
表示装置100では、第1接続面76Rおよび第2接続面76G1は、平坦面を有する。そのため、表示装置100では、平坦面を有する第1接続面76Rによって、第1発光素子20Rからの光を屈折させることができる。さらに、平坦面を有する第2接続面76G1によって、第2発光素子20G1からの光を屈折させることができる。
【0092】
表示装置100では、第1接続面76Rの基板10の垂線Q方向における大きさW1は、赤色着色層70Rの厚さT1の1/3以上である。そのため、表示装置100では、赤色着色層70Rは、第1接続面76Rによって、レンズとしての機能を十分に有することができる。
【0093】
表示装置100では、第2接続面76G1の垂線Q方向における大きさW2は、緑色着色層70G1の厚さT2の1/3以上である。そのため、表示装置100では、緑色着色層70G1は、第2接続面76G1によって、レンズとしての機能を十分に有することができる。
【0094】
表示装置100では、第1接続面76Rの垂線Q方向における大きさW1、および第2接続面76G1の垂線Q方向における大きさW2は、互いに異なる。そのため、表示装置100では、赤色着色層70Rと緑色着色層70G1とで、レンズとしての機能を変えることができる。
【0095】
表示装置100では、基板10に設けられ、封止層50に覆われた第3発光素子20G2および第4発光素子20Bを有する。さらに、表示装置100は、封止層50の第3発光素子20G2とは反対側に設けられ、第3発光素子20G2からの光が通過する第3着色層としての緑色着色層70G2を有する。さらに、表示装置100は、封止層50の第4発光素子20Bとは反対側に設けられ、第4発光素子20Bからの光が通過する第4着色層としての青色着色層70Bを有する。緑色着色層70G2は、封止層50とは反対側の第3平坦面72G2と、青色着色層70Bと接する第3側面74G2と、第3平坦面72G2に対して傾斜して、第3平坦面72G2と第3側面74G2とを接続し、青色着色層70Bと離隔された第3接続面76G2と、を有する。青色着色層70Bは、封止層50とは反対側の第4平坦面72Bと、第3側面74G2と接する第4側面74Bと、第4平坦面72Bに対して傾斜して、第4平坦面72Bと第4側面74Bとを接続し、緑色着色層70G2と離隔された第4接続面76Bと、を有する。第3側面74G2と第4側面74Bとの接触部79は、封止層50に接触している。第3接続面76G2の垂線Q方向における大きさW3、および第4接続面76Bの垂線Q方向における大きさW4は、互いに異なる。そのため、表示装置100では、緑色着色層70G2と青色着色層70Bとで、レンズとしての機能を変えることができる。
【0096】
2. 表示装置の製造方法
次に、本実施形態に係る表示装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図8図13は、本実施形態に係る表示装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0097】
図8に示すように、封止層50上に、緑色着色層70Gを塗布する。緑色着色層70Gは、例えば、スピンコート法によって、塗布される。緑色着色層70Gは、例えば、カラーレジストである。次に、緑色着色層70Gをプリベークする。
【0098】
図9に示すように、マスク層90をマスクとして、緑色着色層70Gを露光する。マスク層90には、開口部91が形成されている。
【0099】
図10に示すように、露光された緑色着色層70Gを現像する。次に、緑色着色層70Gをポストベークする。これにより、所定形状の緑色着色層70Gを形成できる。
【0100】
図11に示すように、封止層50上および緑色着色層70G上に、赤色着色層70Rを塗布する。赤色着色層70Rは、例えば、スピンコート法によって、塗布される。赤色着色層70Rは、例えば、カラーレジストである。次に、赤色着色層70Rをプリベークする。
【0101】
図12に示すように、マスク層92をマスクとして、赤色着色層70Rを露光する。マスク層92は、平面視で、例えば、緑色着色層70Gと重なっていない。なお、平面視で、マスク層92は、緑色着色層70Gの一部と重なっていてもよい。
【0102】
図13に示すように、露光された赤色着色層70Rを現像する。次に、赤色着色層70Rをポストベークする。これにより、所定形状の赤色着色層70Rを形成できる。
【0103】
次に、例えば、赤色着色層70Rと同様にして、青色着色層70Bを形成する。なお、着色層70R,70G,70Bの形成順序は、特に限定されない。例えば、赤色着色層70Rを形成する前に、青色着色層70Bを形成してもよい。
【0104】
図5および図6に示すように、着色層70R,70G,70B上に、透光層80を形成する。透光層80は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
【0105】
図4に示すように、透光基板4を、接着層6を介して素子基板2に接合する。
【0106】
以上の工程により、表示装置100を製造できる。なお、素子基板2は、例えば、半導体製造プロセスを用いて形成される。
【0107】
3. 表示装置の変形例
3.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図14は、本実施形態の第1変形例に係る表示装置200を模式的に示す断面図である。
【0108】
以下、本実施形態の第1変形例に係る表示装置200において、上述した本実施形態に係る表示装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、後述する本実施形態の第2~第4変形例に係る表示装置において同様である。
【0109】
上述した表示装置100では、図5に示すように、第1接続面76Rおよび第2接続面76G1は、平坦面を有した。
【0110】
これに対し、表示装置200では、図14に示すように、第1接続面76Rおよび第2接続面76G1は、曲面を有している。第1接続面76Rおよび第2接続面76G1は、例えば、曲面である。
【0111】
なお、図示はしないが、第1接続面76Rおよび第2接続面76G1の形状は、特に限定されない。例えば、接続面76R,76G1に、凸部が設けられていてもよい。また、図示はしないが、緑色着色層70G1の第3接続面76G2、および青色着色層70Bの第4接続面76Bは、曲面を有していてもよい。
【0112】
表示装置200では、第1接続面76Rおよび第2接続面76G1は、曲面を有している。そのため、表示装置200では、曲面を有する第1接続面76Rによって、第1発光素子20Rからの光を屈折させることができる。さらに、曲面を有する第2接続面76G1によって、第2発光素子20G1からの光を屈折させることができる。
【0113】
3.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図15は、本実施形態の第2変形例に係る表示装置300を模式的に示す断面図である。
【0114】
上述した表示装置100では、図5に示すように、第1平坦面72Rと第1接続面76Rとがなす角度と、第2平坦面72G1と第2接続面76G1とがなす角度とは、同じであった。
【0115】
これに対し、表示装置300では、図15に示すように、第1平坦面72Rと第1接続面76Rとがなす角度θ1と、第2平坦面72G1と第2接続面76G1とがなす角度θ2とは、異なる。図示の例では、角度θ1は、角度θ2よりも大きい。角度θ1および角度θ2は、鈍角であってもよい。角度θ2は、直角であってもよい。例えば、赤色着色層70Rのポストベーク、および緑色着色層70G1のポストベークの条件を調整することにより、角度θ1および角度θ2を調整できる。また、着色層70R,70G1としてポジ型のカラーレジストを用いると、角度θ1,θ2が大きくなり易い。
【0116】
なお、図示はしないが、緑色着色層70G1の第3平坦面72G2と第3接続面76G2とがなす角度と、青色着色層70Bの第4平坦面72Bと第4接続面76Bとがなす角度とは、異なってもよい。
【0117】
表示装置200では、第1平坦面72Rと第1接続面76Rとがなす角度θ1と、第2平坦面72G1と第2接続面76G1とがなす角度θ2とは、異なる。そのため、第1発光素子20Rからの光の第1接続面76Rにおける屈折角と、第2発光素子20G1からの光の第2接続面76G1における屈折角と、を変えることができる。例えば、第1発光素子20Rの発光領域22の面積が、第2発光素子20G1の発光領域22の面積よりも小さい場合、第1発光素子20Rからの光は、発散し難い。そこで、角度θ1を角度θ2よりも大きくすることで、赤色サブ画素PRから出射される光と、緑色サブ画素PG1から出射される光と、の放射角の差を小さくすることができる。これにより、表示装置300の色視野角特性を向上できる。
【0118】
3.3. 第3変形例
次に、本実施形態の第3変形例に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図16は、本実施形態の第3変形例に係る表示装置400を模式的に示す断面図である。
【0119】
上述した表示装置100では、図5に示すように、第1側面74Rと第2側面74G1との接触部78は、封止層50の上面58に対して傾斜していた。
【0120】
これに対し、表示装置400では、図16に示すように、第1側面74Rと第2側面74G1との接触部78は、封止層50の上面58に対して垂直である。第1側面74Rおよび第2側面74G1は、上面58に対して垂直である。
【0121】
なお、図示はしないが、緑色着色層70G1の第3側面74G2と、青色着色層70Bの第4側面74Bと、の接触部79は、上面58に対して垂直であってもよい。
【0122】
3.4. 第4変形例
次に、本実施形態の第4変形例に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図17は、本実施形態の第4変形例に係る表示装置500を模式的に示す平面図である。なお、便宜上、図17では、発光領域22、反射層30、および画素電極40以外の部材の図示を省略している
上述した表示装置100では、図3に示すように、1つの画素Pにおいて、緑色サブ画素PGは、緑色サブ画素PG1,PG2として2つ設けられていた。
【0123】
これに対し、表示装置500では、図17に示すように、1つの画素Pにおいて、緑色サブ画素PGは、1つ設けられている。サブ画素PR,PG,PBは、例えば、デルタ配列されている。図示の例では、発光領域22の形状は、正六角形である。
【0124】
4. 電子機器
4.1. 全体の構成
次に、本実施形態に係る電子機器としてのヘッドマウントディスプレイについて、図面を参照しながら説明する。図18は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ900を模式的に示す斜視図である。
【0125】
ヘッドマウントディスプレイ900は、図18に示すように、眼鏡のような外見を有する頭部装着型のディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者の頭部に装着される。観察者とは、ヘッドマウントディスプレイ900を使用する使用者のことである。ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者に対して虚像による映像光を視認させることができるとともに、外界像をシースルーで視認させることができる。
【0126】
ヘッドマウントディスプレイ900は、例えば、第1表示部910aと、第2表示部910bと、フレーム920と、第1テンプル930aと、第2テンプル930bと、を有している。
【0127】
第1表示部910aおよび第2表示部910bは、画像を表示する。具体的には、第1表示部910aは、観察者の右眼用の虚像を表示する。第2表示部910bは、観察者の左眼用の虚像を表示する。表示部910a,910bは、例えば、像形成装置911と、導光装置915と、を有している。
【0128】
像形成装置911は、画像光を形成する。像形成装置911は、例えば、光源や投射装置などの光学系と、外部部材912と、を有している。外部部材912は、光源および投射装置を収容している。
【0129】
導光装置915は、観察者の眼前を覆う。導光装置915は、像形成装置911で形成された映像光を導光させるとともに、外界光と映像光とを重複して観察者に視認させる。なお、像形成装置911および導光装置915の詳細については、後述する。
【0130】
フレーム920は、第1表示部910aおよび第2表示部910bを支持している。フレーム920は、例えば、表示部910a,910bを囲んでいる。図示の例では、第1表示部910aの像形成装置911は、フレーム920の一方の端部に取り付けられている。第2表示部910bの像形成装置911は、フレーム920の他方の端部に取り付けられている。
【0131】
第1テンプル930aおよび第2テンプル930bは、フレーム920から延在している。図示の例では、第1テンプル930aは、フレーム920の一方の端部から延在している。第2テンプル930bは、フレーム920の他方の端部から延在している。
【0132】
第1テンプル930aおよび第2テンプル930bは、ヘッドマウントディスプレイ900が観察者に装着された場合に、観察者の耳に懸架される。テンプル930a,930b間に、観察者の頭部が位置する。
【0133】
4.2. 像形成装置および導光装置
図19は、ヘッドマウントディスプレイ900の第1表示部910aの像形成装置911および導光装置915を模式的に示す図である。なお、第1表示部910aと第2表示部910bとは、基本的に同じ構成を有している。したがって、以下の第1表示部910aの説明は、第2表示部910bに適用できる。
【0134】
像形成装置911は、図19に示すように、例えば、光源としての表示装置100と、結像用の投射装置914と、を有している。
【0135】
投射装置914は、表示装置100から出射された映像光を、導光装置915に向けて投射する。投射装置914は、例えば、投射レンズである。投射装置914を構成するレンズとして、軸対称面をレンズ面とするものを用いてもよい。
【0136】
導光装置915は、例えば、投射装置914の鏡筒にねじ止めされることにより、投射装置914に対して精度よく位置決めされている。導光装置915は、例えば、映像光を導光する映像光導光部材916と、透視用の透視部材918と、を有している。
【0137】
映像光導光部材916には、投射装置914から出射された映像光が入射する。映像光導光部材916は、映像光を、観察者の眼に向けて導光するプリズムである。映像光導光部材916に入射した映像光は、映像光導光部材916の内面において反射を繰り返した後、反射層917で反射されて映像光導光部材916から出射される。映像光導光部材916から出射された映像光は、観察者の眼に至る。反射層917は、例えば、金属や、誘電体多層膜で構成されている。反射層917は、ハーフミラーであってもよい。
【0138】
透視部材918は、映像光導光部材916に隣接している。透視部材918は、映像光導光部材916に固定されている。透視部材918の外表面は、例えば、映像光導光部材916の外表面と連続している。透視部材918は、観察者に、外界光を透視させる。映像光導光部材916についても、映像光を導光する機能の他に、観察者に外界光を透視させる機能を有している。なお、ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者に、外界光を透視させない構成であってもよい。
【0139】
本実施形態に係る電子機器は、本実施形態に係る表示装置を有すれば、ヘッドマウントディスプレイに限定されない。本実施形態に係る電子機器は、EVF(Electronic View Finder)、プロジェクター、スマートウォッチなどのウェアラブルディスプレイ、車載用のヘッドアップディスプレイであってもよい。
【0140】
5. 実施例および比較例
実施例1として、図1図6に対応する表示装置を用意した。実施例1では、隣り合う着色層が接し、隣り合う着色層の接触部が封止層に接している。比較例1として、図7に対応する比較例を用意した。比較例1では、封止層上に壁部が設けられ、壁部は、隣り合う着色層の間に位置している。
【0141】
実施例1および比較例1において、光の取り出し効率を測定した。図20は、実施例1および比較例1における光の取り出し効率を示す表である。図20では、比較例1の取り出し効率を「1」として規格化している。図20に示すように、白色光、赤色光、緑色光、および青色光において、実施例1は、比較例1よりも、光の取り出し効率がよいことがわかった。
【0142】
実施例1および比較例1において、低階調点灯時の色域を測定した。測定機として、KONICA MINOLTA社製の分光放射輝度計「CS2000A」を用いた。測定項目を「色度x,y」とした。測定方法を「放射」とした。測定速度を「Normal」とした。測定モードを「No-Sync」とした。
【0143】
図21は、実施例1および比較例1における色域の測定結果を示す表である。図22は、実施例1および比較例1における色域の測定結果を示すCIE1931色空間である。図21および図22に示すように、実施例1は、比較例1よりも色域が広いことがわかった。一般的に、低階調点灯時や画素サイズが小さい場合に、色域は狭くなり易い。このような場合において、実施例1は、特に有効であるといえる。
【0144】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0145】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0146】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0147】
表示装置の一態様は、
基板と、
前記基板に設けられた第1発光素子および第2発光素子と、
前記第1発光素子および前記第2発光素子を覆う封止層と、
前記封止層の前記第1発光素子とは反対側に設けられ、前記第1発光素子からの光が通過する第1着色層と、
前記封止層の前記第2発光素子とは反対側に設けられ、前記第2発光素子からの光が通過する第2着色層と、
を有し、
前記第1着色層は、
前記封止層とは反対側の第1平坦面と、
前記第2着色層と接する第1側面と、
前記第1平坦面に対して傾斜して、前記第1平坦面と前記第1側面とを接続し、前記第2着色層と離隔された第1接続面と、
を有し、
前記第2着色層は、
前記封止層とは反対側の第2平坦面と、
前記第1側面と接する第2側面と、
前記第2平坦面に対して傾斜して、前記第2平坦面と前記第2側面とを接続し、前記第1着色層と離隔された第2接続面と、
を有し、
前記第1側面と前記第2側面との接触部は、前記封止層に接触している。
【0148】
この表示装置によれば、色純度を向上できる。
【0149】
前記表示装置の一態様において、
前記第1平坦面、前記第1接続面、前記第2平坦面、および前記第2接続面を覆う透光層を有し、
前記透光層の屈折率は、前記第1着色層の屈折率および前記第2着色層の屈折率と異なってもよい。
【0150】
この表示装置によれば、第1着色層は、第1接続面によって、レンズとしての機能を有することができる。さらに、第2着色層は、第2接続面によって、レンズとしての機能を有することができる。
【0151】
前記表示装置の一態様において、
前記第1接続面および前記第2接続面は、平坦面を有してもよい。
【0152】
この表示装置によれば、平坦面を有する第1接続面によって、第1発光素子からの光を屈折させることができる。さらに、平坦面を有する第2接続面によって、第2発光素子からの光を屈折させることができる。
【0153】
前記表示装置の一態様において、
前記第1平坦面と前記第1接続面とがなす角度と、前記第2平坦面と前記第2接続面とがなす角度とは、異なってもよい。
【0154】
この表示装置によれば、第1発光素子からの光の第1接続面における屈折角と、第2発光素子からの光の第2接続面における屈折角と、を変えることができる。
【0155】
前記表示装置の一態様において、
前記第1接続面および前記第2接続面は、曲面を有してもよい。
【0156】
この表示装置によれば、曲面を有する第1接続面によって、第1発光素子からの光を屈折させることができる。さらに、曲面を有する第2接続面によって、第2発光素子からの光を屈折させることができる。
【0157】
前記表示装置の一態様において、
前記第1接続面の前記基板の垂線方向における大きさは、前記第1着色層の厚さの1/3以上であってもよい。
【0158】
この表示装置によれば、第1着色層は、第1接続面によって、レンズとしての機能を十分に有することができる。
【0159】
前記表示装置の一態様において、
前記第2接続面の前記垂線方向における大きさは、前記第2着色層の厚さの1/3以上であってもよい。
【0160】
この表示装置によれば、第2着色層は、第2接続面によって、レンズとしての機能を十分に有することができる。
【0161】
前記表示装置の一態様において、
前記第1接続面の前記基板の垂線方向における大きさ、および記第2接続面の前記垂線方向における大きさは、互いに異なってもよい。
【0162】
この表示装置によれば、第1着色層と第2着色層とで、レンズとしての機能を変えることができる。
【0163】
前記表示装置の一態様において、
前記基板に設けられ、前記封止層に覆われた第3発光素子および第4発光素子と、
前記封止層の前記第3発光素子とは反対側に設けられ、前記第3発光素子からの光が通過する第3着色層と、
前記封止層の前記第4発光素子とは反対側に設けられ、前記第4発光素子からの光が通過する第4着色層と、
を有し、
前記第3着色層は、
前記封止層とは反対側の第3平坦面と、
前記第4着色層と接する第3側面と、
前記第3平坦面に対して傾斜して、前記第3平坦面と前記第3側面とを接続し、前記第4着色層と離隔された第3接続面と、
を有し、
前記第4着色層は、
前記封止層とは反対側の第4平坦面と、
前記第3側面と接する第4側面と、
前記第4平坦面に対して傾斜して、前記第4平坦面と前記第4側面とを接続し、前記第3着色層と離隔された第4接続面と、
を有し、
前記第3側面と前記第4側面との接触部は、前記封止層に接触し、
前記第3接続面の前記垂線方向における大きさ、および前記第4接続面の前記垂線方向における大きさは、互いに異なってもよい。
【0164】
この表示装置によれば、第3着色層と第4着色層とで、レンズとしての機能を変えることができる。
【0165】
電子機器の一態様は、
前記表示装置の一態様を有する。
【符号の説明】
【0166】
2…素子基板、4…透光基板、6…接着層、10…基板、11…走査線、12…データ線、13…第1給電線、14…第2給電線、15…画素回路、16…スイッチング用トランジスター、17…駆動用トランジスター、18…保持容量、20…発光素子、20R…第1発光素子、20G1…第2発光素子、20G2…第3発光素子、20B…第4発光素子、22…発光領域、24…光共振部、30…反射層、32…絶縁層、34…光路調整層、34a…第1調整層、34b…第2調整層、35…絶縁層、36…素子分離層、37…開口部、40…画素電極、41…コンタクト電極、42…有機層、43…発光層、44…共通電極、50…封止層、52…第1層、54…第2層、56…第3層、58…上面、60…着色部、70R…赤色着色層、70G,70G1,70G2…緑色着色層、70B…青色着色層、72R…第1平坦面、72G1…第2平坦面、72G2…第3平坦面、72B…第4平坦面、74R…第1側面、74G1…第2側面、74G2…第3側面、74B…第4側面、76R…第1接続面、76G1…第2接続面、76G2…第3接続面、76B…第4接続面、78,79…接触部、80…透光層、90…マスク層、91…開口部、92…マスク層、100…表示装置、102…表示領域、104…周辺領域、110…データ線駆動回路、112…走査線駆動回路、114…制御回路、116…外部端子、200,300,400,500…表示装置、900…ヘッドマウントディスプレイ、910a…第1表示部、910b…第2表示部、911…像形成装置、912…外部部材、914…投射装置、915…導光装置、916…映像光導光部材、917…反射層、918…透視部材、920…フレーム、930a…第1テンプル、930b…第2テンプル、1010…壁部、1050…封止層、1070R…赤色着色層、1070G…緑色着色層、1080…透光層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22