(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126268
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】融資管理装置、融資管理方法、および融資管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q40/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034543
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 奈々
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB15
5L040BB23
5L055BB15
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】オペレーション後の案件ステータスの遷移先を自動的に決定でき、複雑な審査業務を適切に管理できるとともに、審査の重複を削減することが可能な融資管理装置、融資管理方法、および融資管理プログラムを提供する。
【解決手段】本実施形態の融資管理装置は、制御部を備える融資管理装置であって、案件データと、承認履歴データと、案件ステータスマスタと、案件ステータスとオペレーションコードに対応した遷移先案件ステータスが紐づけられて格納される案件ステータス遷移先コントロールマスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、案件検索画面で選択された案件、ステータスおよびオペレーション種類に基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する、案件ステータス遷移先決定部、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える融資管理装置であって、
案件番号および案件ステータスを含む案件データと、
案件のステータス履歴を含む承認履歴データと、
案件ステータス名と案件ステータスコードが紐づけられた案件ステータスマスタと、
案件ステータスとオペレーション種類コードに対応した遷移先案件ステータスが紐づけられて格納される案件ステータス遷移先コントロールマスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
案件検索画面で選択された案件、ステータスおよびオペレーション種類コードに基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する、案件ステータス遷移先決定部、
を備えることを特徴とする融資管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記案件データを作成する案件データ作成部と、
前記承認履歴データを作成する承認履歴作成部と、
を備え、
前記案件データ作成部は、前記案件データの案件ステータスを、前記案件ステータス遷移先決定部により決定された案件遷移先ステータスに更新し、
前記承認履歴作成部は、前記案件ステータス遷移先決定部により決定された案件遷移先ステータスをステータス履歴に追加する、
ことを特徴とする請求項1に記載の融資管理装置。
【請求項3】
前記案件ステータス遷移先コントロールマスタは、前回案件ステータス参照フラグを格納し、
前記案件ステータス遷移先決定部は、前記承認履歴データから前回案件ステータスを取得し、案件検索画面で選択された案件、ステータス、オペレーション種類コードおよび前回案件ステータスに基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する、
請求項1に記載の融資管理装置。
【請求項4】
制御部を備える融資管理装置で実行される融資管理方法であって、
前記融資管理装置は、
案件番号および案件ステータスを含む案件データと、
案件のステータス履歴を含む承認履歴データと、
案件ステータス名と案件ステータスコードが紐づけられた案件ステータスマスタと、
案件ステータスとオペレーション種類コードに対応した遷移先案件ステータスが紐づけられて格納される案件ステータス遷移先コントロールマスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
案件検索画面で選択された案件、ステータスおよびオペレーション種類コードに基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する、案件ステータス遷移先決定ステップ、
を含むことを特徴とする融資管理方法。
【請求項5】
制御部を備える融資管理装置に実行させるための融資管理プログラムであって、
前記融資管理装置は、
案件番号および案件ステータスを含む案件データと、
案件のステータス履歴を含む承認履歴データと、
案件ステータス名と案件ステータスコードが紐づけられた案件ステータスマスタと、
案件ステータスとオペレーション種類コードに対応した遷移先案件ステータスが紐づけられて格納される案件ステータス遷移先コントロールマスタと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に実行させるための、
案件検索画面で選択された案件、ステータスおよびオペレーション種類コードに基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する、案件ステータス遷移先決定ステップ、
を含むことを特徴とする融資管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融資管理装置、融資管理方法、および融資管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融業界のローン等の審査業務において、審査に複数の段階があり、段階ごとにオペレーションをする部署や役席が異なるため、案件ステータスを適切に管理することが必要となる。
【0003】
従来、審査の承認、差戻、取下をはじめとする様々なオペレーションの度に案件ステータスが遷移し、この案件ステータスの遷移先を個別に決定していたため、業務フローの変化に対応することが困難であるという課題を有していた。
【0004】
特許文献1には、ローン業務を支援するためのシステムであって、ローン申込に係わるローン申込データを記録するデータ記録手段と、ローン業務の進捗状況を示す情報を取得するための進捗状況取得手段と、該進捗状況取得手段により取得された進捗状況情報に応じたステータス情報を、該当するローン申込データに関係付けて前記データベースに記録するためのステータス情報記録手段と、照会対象であるローン申込データを指定したステータス情報の照会要求を、前記システムと通信可能な端末から受信するための照会要求受信手段と、該照会要求受信手段が受信した照会要求で指定されたローン申込データに関係付けて記録されたステータス情報を前記データベースから読み出して、当該照会要求の発信元である端末へ送信するためのステータス送信手段と、を備えるものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のシステムは、金融機関でのローン業務を一元的に管理して、金融機関の各営業店や信用保証機関においてローン業務の進捗状況を把握することができるものであるが、審査の承認、差戻、取下のオペレーション毎に、案件ステータスの遷移先を自動的に決定できるものではなく、また審査の重複を回避できるものでもない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、案件の現在のステータスとオペレーションの種類の組み合わせにより、オペレーション後の案件の遷移先を自動的に決定でき、複雑な審査業務を適切に管理できるとともに、審査の重複を削減することが可能な融資管理装置、融資管理方法、および融資管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融資管理装置は、制御部を備える融資管理装置であって、案件番号および案件ステータスを含む案件データと、案件のステータス履歴を含む承認履歴データと、案件ステータス名と案件ステータスコードが紐づけられた案件ステータスマスタと、案件ステータスとオペレーション種類コードに対応した遷移先案件ステータスが紐づけられて格納される案件ステータス遷移先コントロールマスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、案件検索画面で選択された案件、ステータスおよびオペレーション種類コードに基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する、案件ステータス遷移先決定部、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る融資管理装置は、前記制御部は、前記案件データを作成する案件データ作成部と、前記承認履歴データを作成する承認履歴作成部と、を備え、前記案件データ作成部は、前記案件データの案件ステータスを、前記案件ステータス遷移先決定部により決定された案件遷移先ステータスに更新し、前記承認履歴作成部は、前記案件ステータス遷移先決定部により決定された案件遷移先ステータスをステータス履歴に追加する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る融資管理装置は、前記案件ステータス遷移先コントロールマスタは、前回案件ステータス参照フラグを格納し、前記案件ステータス遷移先決定部は、前記承認履歴データから前回案件ステータスを取得し、案件検索画面で選択された案件、ステータス、オペレーション種類コードおよび前回案件ステータスに基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する。
【0011】
また、本発明に係る融資管理方法は、制御部を備える融資管理装置で実行される融資管理方法であって、前記融資管理装置は、案件番号および案件ステータスを含む案件データと、案件のステータス履歴を含む承認履歴データと、案件ステータス名と案件ステータスコードが紐づけられた案件ステータスマスタと、案件ステータスとオペレーション種類コードに対応した遷移先案件ステータスが紐づけられて格納される案件ステータス遷移先コントロールマスタと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、案件検索画面で選択された案件、ステータスおよびオペレーション種類コードに基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する、案件ステータス遷移先決定ステップ、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る融資管理プログラムは、制御部を備える融資管理装置に実行させるための融資管理プログラムであって、前記融資管理装置は、案件番号および案件ステータスを含む案件データと、案件のステータス履歴を含む承認履歴データと、案件ステータス名と案件ステータスコードが紐づけられた案件ステータスマスタと、案件ステータスとオペレーション種類コードに対応した遷移先案件ステータスが紐づけられて格納される案件ステータス遷移先コントロールマスタと、にアクセス可能であり、前記制御部に実行させるための、案件検索画面で選択された案件、ステータスおよびオペレーション種類コードに基づき、前記遷移先コントロールマスタを参照して案件の遷移先ステータスを決定する、案件ステータス遷移先決定ステップ、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、オペレーション後の案件の遷移先を自動的に決定でき、複雑な審査業務を適切に管理できるとともに、審査の重複を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る融資管理装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、案件ステータスマスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、案件ステータス遷移先コントロールマスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、案件ステータスの遷移のフローを示す図である。
【
図5】
図5は、案件データおよび承認履歴データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、案件検索画面での処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、案件検索画面での処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、案件検索画面により遷移先ステータスが決定した後の案件データおよび承認履歴データの書き換えの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、案件データおよび承認履歴データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、案件検索画面での処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、案件検索画面での処理の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、案件検索画面により遷移先ステータスが決定した後の案件データおよび承認履歴データの書き換えの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施の形態に係る融資管理方法におけるフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る融資管理装置、融資管理方法、および融資管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.構成]
本実施形態に係る融資管理装置の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る融資管理装置100の構成の一例を示す図である。
【0017】
融資管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、融資管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0018】
融資管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。融資管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、融資管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、融資管理装置100とサーバ装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0020】
入出力インターフェース部108には、入力装置400および出力装置500が接続されている。出力装置500には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置400には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置500をモニタ500とし、入力装置400をキーボード400またはマウス400として記載する場合がある。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0022】
記憶部106は、例えば、案件データ106aと、承認履歴データ106bと、案件ステータスマスタ106cと、案件ステータス遷移先コントロールマスタ106dと、等が格納されている。
【0023】
案件データ106aは、融資の審査を行う案件に関するデータである。案件データ106aには、
図5に一例を示すように、案件番号を含む案件情報、当該案件の最新の審査状況に関する案件ステータス等が格納されている。
【0024】
承認履歴データ106bは、融資の審査の承認状況の履歴データである。承認履歴データ106bには、
図5に一例を示すように、案件番号を含む顧客情報、オペレーションに対応したSEQ番号、各オペレーションでの案件ステータスを含む情報が格納されている。
【0025】
案件ステータスマスタ106cには、
図2に一例を示すように、案件の審査における案件ステータス名と案件ステータスコードとが紐づけられて格納されている。
【0026】
案件ステータス遷移先コントロールマスタ106dには、オペレーション後の案件の遷移先を決定する情報が格納されている。案件ステータス遷移先コントロールマスタ106dには、
図3に一例を示すように、オペレーション前、すなわち遷移前の案件ステータスと、オペレーション種類コード、前回案件ステータス、および遷移先案件ステータスが紐づけられて格納されている。
【0027】
制御部102は、融資管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部102は、機能概念的に、案件データ作成部102a、承認履歴データ作成部102b、案件ステータス遷移先決定部102cなどを備える。
【0029】
案件データ作成部102aは、案件番号を含む案件情報、当該案件の最新の審査状況に関する案件ステータスを含む案件データ106aを作成する。また、案件データ作成部102aは、案件データ106aの案件ステータスを、後述する案件ステータス遷移先決定部102cにより決定された案件遷移先ステータスに更新する。
【0030】
承認履歴データ作成部102bは、案件番号を含む顧客情報、オペレーションに対応したSEQ番号、各オペレーションでの案件ステータスを含む承認履歴データ106bを作成する。また、承認履歴データ作成部102bは、案件ステータス遷移先決定部102cにより決定された案件遷移先ステータスをステータス履歴に追加する。
【0031】
案件ステータス遷移先決定部102cは、案件、案件のステータスおよびオペレーション種類コードに基づき、遷移先コントロールマスタ106dを参照して案件の遷移先ステータスを決定する。また、案件ステータス遷移先決定部102cは、案件、案件のステータスおよびオペレーション種類に加え、承認履歴データ106bから取得した前回案件ステータスに基づき、遷移先コントロールマスタ106dを参照して案件の遷移先ステータスを決定する。
【0032】
[2.処理]
ここでは、融資管理装置100で実行される処理の具体例について、
図2~14を参照して説明する。融資の審査では、簡易な事前審査と、詳細な本審査の2種類があり、それぞれ案件ステータスが存在するが、以下は事前審査の案件ステータスの遷移を例として説明する。
【0033】
図4は、案件ステータスの遷移のフローを示す図である。事前審査では、まず(1-1.事前受領済)のステータスとなり、オペレーションで承認が確定すると、(2-1.本部事前受領済)にステータスが遷移する。(2-1.本部事前受領済)のステータスでは、オペレーションの種類は、差戻、取下、外信結果の入力の3種類であり、差戻では(1-2.事前差戻(1))にステータスが遷移し、取下では(2-6.事前取下)にステータスが遷移し、外信結果の入力では(2-2.事前審査中)にステータスが遷移する。ここで、事前差戻(1)は、代理店により融資の申込を差戻した状態である。
【0034】
(2-2.事前審査中)のステータスでは、オペレーションの種類は、取下、追加審査、申請の3種類であり、取下では(2-6.事前取下)にステータスが遷移し、追加審査では(2-3.事前追加審査中)にステータスが遷移し、申請では(2-4.事前決裁待ち)にステータスが遷移する。
【0035】
(2-4.事前決裁待ち)のステータスでは、オペレーションの種類は、取下、返却、承認/不承認の4種類であり、取下では(2-6.事前取下)にステータスが遷移し、返却では(2-5.事前差戻(2))にステータスが遷移し、承認/不承認では(2-7.事前承認/不承認)にステータスが遷移する。ここで、事前差戻(2)は、審査部担当者により、審査結果を返却した状態である。
【0036】
(2-7.事前承認/不承認)のステータスでは、オペレーションの種類は、取下、回答の2種類であり、取下では(2-6.事前取下)にステータスが遷移し、回答では(2-8.事前回答済(承認/不承認)中)にステータスが遷移する。
【0037】
(2-3.事前追加審査中)のステータスでは、オペレーションの種類は、取下、確定の2種類であり、取下では(2-6.事前取下)にステータスが遷移し、確定では(2-4.事前決裁待ち)にステータスが遷移する。
【0038】
(2-5.事前差戻(2))のステータスでは、オペレーションの種類は、取下、差戻、申請の3種類であり、取下では(2-6.事前取下)にステータスが遷移し、差戻では(1-2.事前差戻(1))にステータスが遷移し、申請では(2-4.事前決裁待ち)にステータスが遷移する。
【0039】
(2-6.事前取下)にステータスでは、オペレーションの種類は取下解除の1種類であるが、前回案件ステータスの種類により、ステータス先が決定される。前回ステータスが(2-1.本部事前受領済)、(2-2.事前審査中)、(2-3.事前追加審査中)、(2-4.事前決裁待ち)および(2-5.事前差戻(2))では、(2-1.本部事前受領済)にステータスが遷移し、(2-7.事前承認)および(2-8.事前回答済(承認))では、ステータスは(2-7.事前承認)に遷移する。
【0040】
続いて、案件ステータス遷移先決定部102cが前回案件ステータスを参照しないで案件ステータス遷移先を決定する場合と、前回案件ステータスを参照して決定する場合の処理について個別に説明する。
【0041】
まず、案件ステータス遷移先決定部102cが前回案件ステータスを参照しないで案件ステータス遷移先を決定する場合について説明する。
図6および
図7は、案件検索画面での処理の一例を示す図である。オペレータは、
図6および
図7に示す案件検索画面MA-1~MA-4により、各案件を検索し、オペレーションの入力を行う。
【0042】
案件検索画面MA-1では、現在審査中の案件について案件ステータス毎の件数が表示され、オペレーションを行う案件ステータスを選択しクリックすると、案件検索画面MA-2に移行する。案件検索画面MA-1では、事前決裁待ちを選択しており、これをクリックすると、案件検索画面MA-2で事前決裁待ちの全ての案件の案件ステータス、案件番号、顧客情報等が表示される。
【0043】
案件検索画面MA-2で対象の案件を選択しクリックすると、案件検索画面MA-3に移行する。案件検索画面MA-3では、選択した案件のオペレーションを入力する。案件検索画面MA-3では、案件のオペレーションについて承認のコマンドがクリックされている。
【0044】
案件検索画面MA-3でオペレーションを選択しクリックすると、案件検索画面MA-4に移行する。案件検索画面MA-4では、(事前決裁待ち)ステータスが承認されて(事前承認)ステータスに遷移しているため、事前承認の案件の件数が1として表示されている。
【0045】
案件ステータス遷移先決定部102cは、案件検索画面MA-1、MA-2で選択された案件について、案件データ106aおよび承認履歴データ106bから、案件の最新の案件ステータスを取得する(
図14参照、S1)。
図5は、案件データ106a-1および承認履歴データ106b-1の一例を示す図である。
【0046】
案件ステータス遷移先決定部102cは、案件の最新の案件ステータスと、案件検索画面MA-3で入力されたオペレーション種類コードに基づき、遷移先コントロールマスタ106dを参照して案件の遷移先ステータスを決定する(
図14参照、S4)。
【0047】
図5では、案件番号222-000002の最新の案件ステータスは106:事前決裁待ちであり、オペレーション種類コードは承認である。
図3に一例を示す案件ステータス遷移先コントロールマスタ106dでは、遷移元案件ステータスが106:事前決裁待ちのカラムは4つ存在し、その中でオペレーション種類コードが承認である場合、遷移先案件ステータスは、109:事前承認であるから、案件ステータス遷移先決定部102cは、案件番号222-000002の遷移先を109:事前承認に決定する。なお、遷移元案件ステータスが106:事前決裁待ち、オペレーション種類コードが8:承認の場合、前回案件ステータスは「0:FALSE」であるため(
図14参照、S2:No)、案件ステータス遷移先決定部102cは、前回案件ステータスを参照せずに、案件ステータスとオペレーション種類コードの組み合わせにより遷移先を決定する。
【0048】
遷移先案件ステータスの決定後、案件データ作成部102aは、案件データ106a-1の案件ステータスを、案件ステータス遷移先決定部102cにより決定された案件遷移先ステータスに更新し(
図14参照、S5)、承認履歴作成部102cは、案件ステータス遷移先決定部103cにより決定された案件遷移先ステータスを承認履歴データ106b-1に追加する(
図14参照、S6)。
図8は、更新後の案件データ106a-2および承認履歴データ106b-2の一例を示す図である。更新後の案件データ106a-2では、案件ステータスが「106:事前審査待ち」から「109:事前承認」に更新され、承認履歴データ106b-2では、SEQ4として案件ステータスが「109:事前承認」のカラムが追加されている。
【0049】
本実施の形態にかかる融資管理装置100は、案件ステータスとオペレーション種類コードの組み合わせに基づき案件の遷移先を自動的に決定できる。また、これに伴い、店舗や部署の統廃合等により業務フローが変わった場合でもプログラム修正を伴わずにシステムの対応を行うことが可能となる。さらに、マスタ設定のみで遷移先の決定が可能であるため、早期稼働を実現することができる。
【0050】
続いて、案件ステータス遷移先決定部102cが前回案件ステータスを参照して案件ステータス遷移先を決定する場合について説明する。
図10および
図11は、案件検索画面での処理の一例を示す図である。オペレータは、
図10および
図11に示す案件検索画面MB-1~MB-4により、各案件を検索し、オペレーションの入力を行う。
【0051】
案件検索画面MA-1では、現在審査中の案件について案件ステータス毎の件数が表示され、オペレーションを行う案件ステータスを選択しクリックすると、案件検索画面MB-2に移行する。案件検索画面MB-1では、事前取下を選択しており、これをクリックすると、案件検索画面MB-2で事前取下の全ての案件の案件ステータス、案件番号、顧客情報等が表示される。
【0052】
案件検索画面MB-2で対象の案件を選択しクリックすると、案件検索画面MB-3に移行する。案件検索画面MB-3では、選択した案件のオペレーションを入力する。案件検索画面MB-3では、案件のオペレーションについて取下解除のコマンドがクリックされている。
【0053】
案件検索画面MB-3でオペレーションを選択しクリックすると、案件検索画面MB-4に移行する。案件検索画面MB-4では、(事前取下)ステータスが取下解除されて(本部事前受領済)ステータスに遷移しているため、本部事前受領済の件数が1、事前取下の件数が1として表示されている。
【0054】
案件ステータス遷移先決定部102cは、案件検索画面MA-1、MA-2で選択された案件について、案件データ106aおよび承認履歴データ106bから、案件の最新の案件ステータスを取得する(
図14参照、S1)。
図9は、案件データ106a’-1および承認履歴データ106b’-1の一例を示す図である。
【0055】
案件ステータス遷移先決定部102cは、案件の最新の案件ステータスと、案件検索画面MA-3で入力されたオペレーション種類コードに加え、承認履歴データ106b’-1から取得した前回案件ステータスに基づき、遷移先コントロールマスタ106dを参照して案件の遷移先ステータスを決定する(
図14参照、S4)。
図12は、承認履歴データ106b’-1の一例であり、4つのSEQからなるが、SEQ4が最新ステータスであり、SEQ3が前回ステータスである。案件ステータス遷移先決定部102cは、前回ステータスとして106:事前決裁待ちを取得する。
【0056】
図9では、案件番号222-000003の最新の案件ステータスは108:事前取下、前回案件ステータスは106:事前決裁待ちであり、オペレーション種類コードは取下解除である。
図3に一例を示す案件ステータス遷移先コントロールマスタ106dでは、遷移元案件ステータスが108:事前取下のカラムは7つ存在し、オペレーション種類コードはすべて取下解除である。前回案件ステータスがTRUEであるため(
図14参照、S-2:Yes)、前回案件ステータスを取得する(
図14参照、S3)。遷移元案件ステータスが108:事前取下、オペレーション種類コードが取下解除、前回案件ステータスが106:事前決裁待ちの遷移先案件ステータスは103:本部事前受領済であるから、案件ステータス遷移先決定部102cは、案件番号222-000003の遷移先を103:本部事前受領済に決定する。
【0057】
遷移先案件ステータスの決定後、案件データ作成部102aは、案件データ106a’-1の案件ステータスを、案件ステータス遷移先決定部102cにより決定された案件遷移先ステータスに更新し(
図14参照、S5)、承認履歴作成部102cは、案件ステータス遷移先決定部103cにより決定された案件遷移先ステータスを承認履歴データ106b’-1に追加する(
図14参照、S6)。
図12は、更新後の案件データ106a’-2および承認履歴データ106b’-2の一例を示す図である。更新後の案件データ106a’-2では、案件ステータスが「108:事前取下」から「103:本部事前受領済」に更新され、承認履歴データ106b’-2では、SEQ5として案件ステータスが「103:本部事前受領済」のカラムが追加されている。
【0058】
本実施の形態にかかる融資管理装置100は、案件ステータス、オペレーション種類コード、および前回案件ステータスの組み合わせに基づき案件の遷移先を自動的に決定できる。また、これに伴い、店舗や部署の統廃合等により業務フローが変わった場合でもプログラム修正を伴わずにシステムの対応を行うことが可能となる。さらに、マスタ設定のみで遷移先の決定が可能であるため、早期稼働を実現することができる。さらにまた、前回案件ステータスに応じて遷移先を決定するため、不要な再審査を削減でき、業務の効率化が可能となる。
【0059】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0062】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0063】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0064】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0065】
また、融資管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0066】
例えば、融資管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて融資管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0067】
また、このコンピュータプログラムは、融資管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0068】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0069】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0070】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0071】
また、融資管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、融資管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0072】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、例えばノンバンク、ネットバンク又は銀行等の金融業で利用できる。
【符号の説明】
【0074】
100 融資管理装置
102 制御部
102a 案件データ作成部
102b 過承認履歴データ作成部
102c 案件ステータス遷移先決定部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 案件データ
106b 承認履歴データ
106c 案件ステータスマスタ
106d 案件ステータス遷移先コントロールマスタ
108 入出力インターフェース部
200 サーバ
300 ネットワーク
400 入力装置
500 出力装置