IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ホームテクノ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-加熱調理器 図1
  • 特開-加熱調理器 図2
  • 特開-加熱調理器 図3
  • 特開-加熱調理器 図4
  • 特開-加熱調理器 図5
  • 特開-加熱調理器 図6
  • 特開-加熱調理器 図7
  • 特開-加熱調理器 図8
  • 特開-加熱調理器 図9
  • 特開-加熱調理器 図10
  • 特開-加熱調理器 図11
  • 特開-加熱調理器 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126291
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 1/00 20060101AFI20240912BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F24C1/00 370P
F24C7/02 320F
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034575
(22)【出願日】2023-03-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮城 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】木村 智志
【テーマコード(参考)】
3L086
【Fターム(参考)】
3L086AA03
3L086CB08
3L086CC13
3L086DA24
3L086DA28
(57)【要約】
【課題】高温かつ当該高温に到達するまで比較的急な温度上昇の加熱調理を必要とする特定の被調理物の場合であっても分量、加熱時間、加熱温度などを入力せずに調理室内に入れられた被調理物を自動で熱風コンベクション加熱することが可能な加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器1は、被調理物Sを収容する調理室15と、被調理物Sを熱風コンベクション加熱する熱風ユニット34と、熱風ユニット34を制御する自動オーブン調理制御部56と、調理室15の庫内温度を検出する温度検出手段47と、被調理物Sの料理メニューを選択する料理メニュー一覧表示画面G1と、を備え、自動オーブン調理制御部56は、例えば「ハンバーグ」の料理メニューなどの料理メニューが選択されたときに、熱風ユニット34により庫内温度を第1の温度T1まで上昇させる第1の工程と、熱風ユニット34により庫内温度を、第1の温度T1よりも低い第2の温度T2まで低下させて維持する第2の工程と、を行なう構成としている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収容する調理室と、
前記被調理物を熱風コンベクション加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記調理室の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、
前記被調理物の料理メニューを選択するメニュー選択手段と、を備え、
前記制御手段は、特定の前記料理メニューが選択されたときに、
前記加熱手段により前記庫内温度を第1の温度まで上昇させる第1の工程と、
前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで低下させて維持する第2の工程と、を行なうことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の工程において、前記庫内温度が前記第1の温度まで達したとき、または前記庫内温度が前記第1の温度まで達していない場合でも前記第1の工程開始から所定時間が経過したときに、前記第2の工程に移行し、
前記第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間は、前記第1の工程の加熱調理時間である第1の調理時間に応じて変動することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記被調理物の加熱調理の仕上がりの程度を選択可能な仕上がり選択手段をさらに備え、
前記仕上がり選択手段は、前記仕上がりの程度を所定の段階で選択可能であり、
前記仕上がり選択手段による選択に応じて前記第2の調理時間が変動することを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記料理メニューで肉が選択された場合に、前記肉の種類や形状を選択可能な肉選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記加熱手段により前記庫内温度を第3の温度まで上昇させる第3の工程と、
前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第3の温度よりも低い第4の温度まで低下させて維持する第4の工程と、を行ない、
前記第3の工程の加熱調理時間である第3の調理時間と、前記第4の工程の加熱調理時間である第4の調理時間とを合わせた総時間が一定となるように構成され、前記総時間は前記肉の種類や形状に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記第1の温度が前記第3の温度よりも高温であることを特徴とする請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記第2の温度が前記第3の温度よりも高温であることを特徴とする請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記制御手段は、庫内温度検出手段による検出温度の閾値を有しており、
前記第1の工程開始時の前記庫内温度が前記閾値以上か未満かで、前記第1の調理制御における前記第1の温度の値や前記所定時間が異なるように制御することを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被調理物を自動で加熱調理可能な加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の加熱調理器において、本願出願人は、被調理物としての肉を自動で熱風コンベクション加熱するものを提案している。この加熱調理器では、庫内温度を第1の設定温度にして熱風コンベクション加熱した後に、庫内温度を第1の設定温度より低い第2の設定温度にして熱風コンベクション加熱しており、第1の設定温度および第2の設定温度で実施した熱風コンベクション加熱の総加熱時間が肉の種類や形状に応じて設定され、肉の種類や形状を入力することで、当該肉を自動的に熱風コンベクション加熱している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-167686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加熱調理器では、被調理物が肉である場合では、熱風コンベクション加熱により自動で加熱調理可能である一方で、例えばハンバーグなどの高温かつ当該高温に到達するまで比較的急な温度上昇の加熱調理を必要とする特定の被調理物では、分量、加熱時間、加熱温度などを入力して熱風コンベクション加熱で加熱調理しており、このような特定の被調理物でも自動で加熱調理することが望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、特定の被調理物の場合であっても分量、加熱時間、加熱温度などを入力せずに調理室内に入れられた被調理物を自動で熱風コンベクション加熱することが可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の加熱調理器は、被調理物を収容する調理室と、前記被調理物を熱風コンベクション加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御手段と、前記調理室の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、前記被調理物の料理メニューを選択するメニュー選択手段と、を備え、前記制御手段は、特定の前記料理メニューが選択されたときに、前記加熱手段により前記庫内温度を第1の温度まで上昇させる第1の工程と、前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで低下させて維持する第2の工程と、を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特定の被調理物の場合であっても分量、加熱時間、加熱温度などを入力せずに調理室内に入れられた被調理物を自動で熱風コンベクション加熱を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態を示す加熱調理器の外観斜視図である。
図2】同上、加熱調理器のキャビネットを外した状態の正面前方から見た図である。
図3】同上、加熱調理器における熱風ユニットと、グリルヒータと、マイクロ波加熱手段の内部説明図である。
図4】同上、加熱調理器におけるスチームユニットの内部説明図である。
図5】同上、加熱調理器の電気的構成を示すブロック図である。
図6】同上、料理メニュー一覧表示画面を表示手段に表示した状態の部分拡大図である。
図7】同上、料理メニュー画面を表示手段に表示した状態の部分拡大図である。
図8】同上、分量が多い被調理物および分量が少ない被調理物を熱風コンベクション加熱したときの調理室内の庫内温度と、熱風ヒータおよび熱風モータに入力する電圧との推移をあらわしたタイミングチャートである。
図9】同上、被調理物の料理メニューにおける、その料理メニューおよび第1の工程開始時の庫内温度に対応する第1の工程および第2の工程の工程温度および標準調理時間との関係を示す表である。
図10】同上、分量が多い肉および分量が少ない肉を熱風コンベクション加熱したときの調理室内の庫内温度と、熱風ヒータおよび熱風モータに入力する電圧との推移をあらわしたタイミングチャートである。
図11】同上、被調理物としての肉の種類と、その肉の種類に対応する工程温度および標準調理時間との関係を示す表である。
図12】同上、被調理物としての肉の種類と、その肉の種類および加熱調理の仕上がりの程度に対応する調理時間との関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における好ましい加熱調理器の実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0010】
図1図12は、本発明における加熱調理器1の一実施形態を示している。先ず加熱調理器1の構成を図1図4を基づいて説明する。本実施形態の加熱調理器1は、調理室15内に供給した熱風により被調理物Sを加熱するオーブン加熱による調理機能と、ヒータの熱により被調理物Sを加熱するグリル加熱による調理機能と、マイクロ波を被調理物Sに照射して被調理物Sを加熱調理するレンジ加熱による調理機能と、過熱水蒸気により被加熱物Sを加熱するスチーム加熱による調理機能と、を備えており、略矩形箱状に構成される本体2と、本体2の前面の略全体を覆うように設けられた開閉自在な扉3と、を有して構成される。また本体2は、製品となる加熱調理器1の外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット4を備えている。
【0011】
扉3の上部には、縦開きの扉3を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル5を備えており、扉3の右側部には、表示や報知や操作のための操作パネル部6を備えている。操作パネル部6は、調理の設定内容や進行状況を表示する表示手段7と、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にする操作手段8が配設されている。操作手段8は、調理開始指示手段8aや、取消し指示手段8bや、表示手段7の表面に配設される静電式のタッチパネル8cなどで構成され、そのため操作手段8は加熱条件を選択する選択手段として作用している。
【0012】
本体2の下部には、本体1の前面より着脱が可能な給水カセット9と水受け10が各々配設される。給水カセット9は、後述する調理室15に入れられた被調理物Sをスチーム加熱するための液体供給源として、液体となる水を入れる有底状の容器である。また水受け10は、本体2からの食品カスや水滴、蒸気などを受ける有底状の容器である。
【0013】
表示手段7は、例えば加熱の種類や、料理名や、加熱時間や、温度や、調理の写真などの加熱調理に関するあらゆる情報を、文字,数字,記号,写真などでカラー表示するバックライト付きの表示器で、ここではTFT(薄膜トランジスタ)をスイッチング素子として使用した液晶ディスプレイで構成されるが、有機ELなどの他の表示デバイスを用いてもよく、カラー表示に限らず白黒表示でもよい。また当該表示手段7を点灯/消灯させる点灯操作手段が設けられてもよい。この場合、例えばプログラムの設定や、表示手段7に「表示手段OFF」のボタン表示体を表示させるなど、ソフトウェア的に表示手段7を点灯/消灯できるように構成してもよく、また例えば機械的なスイッチを設けるなど、ハードウェア的に表示手段7を点灯/消灯できるように構成してもよい。
【0014】
本実施形態の調理開始指示手段8aおよび取消し指示手段8bは、ユーザからの押動操作を受け付ける押動操作部として設けられている。調理開始指示手段8aは加熱調理を開始するときに押動操作するものであり、取消し指示手段8bは途中で加熱調理をやめるときに、また操作や設定を取り消すときに押動操作するものである。タッチパネル8cは表示手段7の表面となる上面に設けられ、表示手段7に表示される複数の表示体の何れかを指先のタッチ操作で選択することで当該表示体の選択操作を可能にするものである。
【0015】
調理室15の底壁15aの下方には、電波であるマイクロ波を調理室15内に供給し、被調理物Sにマイクロ波を照射してレンジ加熱を行なうマイクロ波加熱手段25が配設されている。マイクロ波加熱手段25は、マイクロ波を発生させるマグネトロン26と、マグネトロン26から導波管27を介して調理室15に導かれるマイクロ波を受け、当該マイクロ波を調理室15の内部に放射するアンテナ28と、直立した軸を中心にアンテナ28を水平回転させるACモータ等のアンテナモータ29と、マグネトロン26の駆動電源となるインバータ30(図5参照)などを有して構成されている。
【0016】
調理室15の天井壁15bにはグリルヒータ23が配設されている。本実施形態では、このグリルヒータ23により調理室15内の被調理物Sを輻射熱で加熱するグリル加熱を行なう構成となっている。
【0017】
調理室15の奥壁15cには調理室15内に熱風を供給する複数の供給孔33が設けられており、奥壁15cの後側には、空気を加熱するための熱風ヒータ35や、熱風ヒータ35により加熱した空気を調理室15内に送り込んで循環させる熱風ファン36や、熱風ファン36を回転駆動させる熱風モータ37などを備える熱風ユニット34が配設されている。本実施形態では、熱風ファン36を回転させ、熱風ヒータ35により加熱した空気を調理室15内に供給することで、調理室15内の被調理物Sを熱風コンベクション加熱(オーブン加熱)する構成となっている。
【0018】
調理室15の左側壁15dには、蒸気供給装置41に連通する蒸気噴出孔42が設けられている。本実施形態では、この蒸気噴出孔42から調理室15内の被調理物Sに蒸気を噴出することで、調理室15内の被調理物Sをスチーム加熱する構成となっている。蒸気供給装置41は、給水カセット9からの水を蒸発容器(図示せず)内に導く給水ポンプ43や、金属製の蒸発容器に装着されるシーズヒータなどの蒸発用ヒータ44などを主な構成要素とする。蒸発用ヒータ44により水を蒸気化し、調理室15の内部に飽和蒸気や過熱蒸気を供給することで、調理室15内の被調理物Sをスチーム加熱することができる。
【0019】
その他、調理室15の左側壁15dの上方には、温度検出手段47が組み込まれ、調理室15の右側壁15eの上方には、食品温度検出手段48が組み込まれる。温度検出手段47は調理室15内の温度を検出するものであり、例えばサーミスタで構成される。食品温度検出手段48は、赤外線センサ(図示せず)にスイング機構を装備して構成され、調理室15内の温度分布を検出することで、そこに収容される被調理物の温度を非接触に検出可能にするものである。
【0020】
図5は、加熱調理器1の主な電気的構成を示している。同図において、51はマイクロコンピュータにより構成される制御手段であり、この制御手段51は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、メモリなどの記憶手段52や、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。
【0021】
制御手段51の入力ポートには、前述した操作手段8と、温度検出手段47と、食品温度検出手段48とが、それぞれ電気的に接続される。制御手段51の出力ポートには、前述した表示手段7と、グリルヒータ23と、アンテナモータ29やインバータ30を含むマイクロ波加熱手段25と、熱風ヒータ35や熱風ファン36や熱風モータ37を含む熱風ユニット34と、給水ポンプ43や蒸発用ヒータを含む蒸気供給装置41とが、それぞれ電気的に接続される。
【0022】
制御手段51は、操作手段8からの操作信号と、温度検出手段47や、食品温度検出手段48からの各検出信号を受け、タイマの計時に基づく所定のタイミングで、加熱手段となるグリルヒータ23と、マイクロ波加熱手段25と、熱風ユニット34と、蒸気供給装置41とに駆動用の制御信号を出力し、また表示手段7に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての記憶手段52に記録したプログラムを、制御手段51が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、制御手段51を加熱制御手段53と、表示制御手段54として主に機能させるプログラムを備えている。
【0023】
加熱制御手段53は、主に調理室15に入れられた被調理物Sへの加熱調理に関わる各部の動作を制御するものある。操作手段8の操作に伴う操作信号を受け取ると、その操作信号に応じて、グリルヒータ23や、マイクロ波加熱手段25や、熱風ユニット34や、蒸気供給装置41に制御信号を送出して、調理室15内の被調理物Sに対する加熱調理を制御する。本実施形態では、加熱調理を実行するための被加熱物Sの材料および加熱条件を含む調理情報として、予め複数の料理メニューが記憶手段52に記憶保持されており、加熱制御手段53はその中から選択された一つの料理メニューについて、操作手段8から加熱調理を実行する操作が行われると、その選択された料理メニューに従う所定の手順で、被調理物Sを自動的に加熱する自動調理機能を備えている。
【0024】
こうした自動調理機能の中で、例えば被調理物Sを温めたり、解凍したりする自動レンジの料理メニューを選択した場合に、マイクロ波発生装置19からのマイクロ波を調理室15の内部に放射しながら、調理時間やレンジ出力などを操作手段8からの操作入力無しに自動的に設定して、マイクロ波発生装置19を設定時間に達するまで設定出力で駆動制御し、調理室15に入れられた被調理物Sをレンジ加熱する自動レンジ調理制御手段55を、加熱制御手段53の中の一機能として備えている。
【0025】
また例えば、こうした自動調理機能の中で、被調理物Sとしての、例えばブロック肉や骨付き肉などの肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューを選択し、その後で肉の種類を選択した場合に、熱風ヒータ27で加熱された空気が熱風ファン28により調理室15の内部に供給されながら、調理時間や加熱温度などを操作手段8からの操作入力無しに自動的に設定して、熱風ヒータ27および熱風ファン28を設定時間に達するまで設定温度で駆動制御し、調理室15に入れられた被調理物Sとしての肉を熱風コンベクション加熱する自動オーブン調理制御手段56を、加熱制御手段53の中の一機能として備えている。
【0026】
そして例えば、こうした自動調理機能の中で、自動グリル調理の料理メニューを選択した場合に、グリルヒータ23からの輻射熱を調理室15の内部に放射しながら、調理時間や加熱温度などを操作手段8からの操作入力無しに自動的に設定して、グリルヒータ23を設定時間に達するまで設定温度で駆動制御し、調理室15に入れられた被調理物Sを輻射加熱する自動グリル調理制御手段57を、加熱制御手段53の中の一機能として備えている。
【0027】
また例えば、こうした自動調理機能の中で、自動スチーム調理の料理メニューを選択した場合に、給水ポンプ43で送られてきた水を蒸発用ヒータ44で蒸発させてスチームにし、当該スチームを調理室15の内部に放射しながら、調理時間や加熱温度などを操作手段8からの操作入力無しに自動的に設定して、給水ポンプ43および蒸発用ヒータ44を設定時間に達するまで設定温度で駆動制御し、調理室15に入れられた被調理物Sをスチーム加熱する自動スチーム調理制御手段58を、加熱制御手段53の中の一機能として備えている。
【0028】
表示制御手段54は、加熱制御手段53と連携して、表示手段7の表示に係る動作を制御するもので、ここでは操作手段8からの操作信号を受けて、制御手段51の記憶手段52に記憶される全ての画像情報の中から、表示手段7に表示させるべき画像に対応した画像情報を選択して、その画像情報を表示用の制御信号として表示手段7に送出する機能を有する。
【0029】
次に上記構成の加熱調理器1について、その作用を詳しく説明する。予め調理室15内に被調理物Sを入れた状態で、ハンドル5を手で握りながら扉3を閉め、操作手段8により料理メニューを選択操作する。
【0030】
図6は、料理メニュー一覧表示画面G1を表示した表示手段7を示している。同図を参照して、料理メニュー一覧表示画面G1の説明をすると、その上部には、料理メニュー一覧カテゴリ表示体D1と、「<」なるテキスト表示体D2を内部に設けたボタン表示部B2と、が左右に並べて配置される。また料理メニュー一覧カテゴリ表示体D1および「<」のボタン表示部B2の下には、料理メニュー一覧表示領域A1が配置される。
【0031】
料理メニュー一覧カテゴリ表示体D1は、料理メニュー一覧表示領域A1に表示される料理メニューが属するカテゴリを表示するものであり、図6では「おすすめ」が表示されている。また「<」のボタン表示部B2は、料理メニュー一覧表示画面G1の前に表示されていた、例えばトップ画面(図示せず)に移行するときに操作されるものである。
【0032】
料理メニュー一覧表示領域A1は、記憶手段52に記憶された料理メニューで、料理メニュー一覧カテゴリ表示体D1に表示されたカテゴリに属するものについて、その料理メニューの情報に含まれる料理メニューのボタン表示体B3~B8が、当該料理メニューの写真としての画像表示体P3~P8や、名称としてのテキスト表示体D3~D8と共に表示される。これらのボタン表示体B3~B8に重なる部位のタッチパネル8cをタップ操作すると、表示制御手段54は、タップ操作されたボタン表示体B3~B8に対応する料理メニュー画面G2を表示するように表示手段7を制御する。
【0033】
図6では、「ハンバーグ」のボタン表示体B3はハンバーグの写真の画像表示体P3および「ハンバーグ」なるテキスト表示体D3を含んでいる。同様に、「トマト煮込みハンバーグ」のボタン表示体B4はトマト煮込みハンバーグの写真の画像表示体P4および「トマト煮込みハンバーグ」なるテキスト表示体D4を含んでおり、「鶏の照り焼き」のボタン表示体B5は鶏の照り焼きの写真の画像表示体P5および「鶏の照り焼き」なるテキスト表示体D5を含んでおり、「鶏肉のトマトソース焼き」のボタン表示体B6は鶏肉のトマトソース焼きの写真の画像表示体P6および「鶏肉のトマトソース焼き」なるテキスト表示体D6を含んでおり、「塩鮭」のボタン表示体B7は塩鮭の写真の画像表示体P7および「塩鮭」なるテキスト表示体D7を含んでおり、「塩さば」のボタン表示体B8は塩さばの写真の画像表示体P8および「塩さば」なるテキスト表示体D8を含んでいる。
【0034】
図7(A)(B)は、料理メニュー一覧表示画面G1でいずれかの料理メニューのボタン表示体B3~B8をタップ操作したときに移行する料理メニュー画面G2を示しており、図7(A)(B)では「ハンバーグ」の料理メニュー画面G2を示している。料理メニュー画面G2には、料理メニューの写真、例えば図7(A)(B)ではハンバーグの写真を示す画像表示体P11と、料理メニューの名称を例えば「ハンバーグ」のように示すテキスト表示体D11と、「<」のボタン表示部B2と、料理メニューごとに割り振られた整理番号を、例えば「No. 」のように示す整理番号表示体D12と、料理メニューにおける調理時間の目安を、例えば「加熱約 分」のように示す総時間表示体D13と、分量表示領域A2と、仕上がり程度表示領域A3と、分量選択表示領域A4と、「レシピ」なるテキスト表示体D23を含む「レシピ」のボタン表示体B23と、ヒント表示領域A5とが、それぞれ上から下に順に配置される。
【0035】
「レシピ」のボタン表示体B23は、対応する料理メニューの使用する食材や作り方などを表示するレシピ画面(図示せず)に移行するときに操作されるものである。またヒント表示領域A5は、料理メニューで実施するときのヒントとなる記載が表示されるもので、例えば図7では、炎のマークを連想させ、熱風コンベクション加熱で加熱調理することをユーザに連想させるテキスト表示体D24と、使用する容器のヒントとしての「角皿を使用」なるテキスト表示体D25と、調理開始のタイミングのヒントとしての「スタートできます」なるテキスト表示体D26と、容器として使用される角皿の配置場所のヒントとしての「下段」なるテキスト表示体D27と、が左右に並べて表示されている。
【0036】
仕上がり程度表示領域A3は、料理メニューの加熱調理、例えば図7では「ハンバーグ」の加熱調理の仕上がりの程度を5段階で選択可能に表示したものである。仕上がり程度表示領域A3は、ボタン表示体B15~B19およびカーソル表示体C2を有しており、ボタン表示体B15~B19においてカーソル表示体C2が表示されているものが現在選択されている仕上がりの程度で、図7では「0 標準」のボタン表示体B17が選択されている。ここで、「2 弱め」のボタン表示体B15は、「2 弱め」なるテキスト表示体D15を含んでおり、「1」のボタン表示体B16は、「1」なるテキスト表示体D16を含んでおり、「0 標準」のボタン表示体B17は、「0 標準」なるテキスト表示体D17を含んでおり、「1」のボタン表示体B18は、「1」なるテキスト表示体D18を含んでおり、「2 強め」のボタン表示体B19は、「2 強め」なるテキスト表示体D19を含んでいる。そして加熱調理時、「2 弱め」のボタン表示体B15にカーソル表示体C2が表示されており、「2 弱め」のボタン表示体B15が選択されたときが加熱調理の時間が最も短く設定され、「1」のボタン表示体B16→「0 標準」のボタン表示体B17→「1」のボタン表示体B18→「2 強め」のボタン表示体B19の順に加熱調理の時間が長く設定される。したがって仕上がり程度表示領域A3は、ユーザの嗜好、好みや食材の状態に合わせて加熱調理の仕上がりの程度をボタン表示体B15~B19から選択して調節可能な仕上がり調節機能を有している。なお本実施形態では、加熱調理の仕上がりの程度を5段階で選択可能にしているが、これは一例であり、例えば7段階で選択可能にするなど、所定の段階で選択可能になるように構成してもよい。
【0037】
分量選択表示領域A4は、分量表示領域A2で被調理物Sの分量入力をする/しないを選択するものである。分量選択表示領域A4は、「□」なるテキスト表示体D21を含むボタン表示体21と、「□」のボタン表示体21でチェックする対象は被調理物Sが冷凍食材であるか否かということをユーザに連想させる「冷凍食材」なるテキスト表示体D22とを有している。ここで「□」のボタン表示体21に重なる部位のタッチパネル8cをタップ操作すると、図7(B)に示されるように、表示制御手段54は、「□」なるテキスト表示体D21に「レ」を表示させ、分量表示領域A2にボタン表示部B31~B33およびカーソル表示部C3を表示させるように表示手段7を制御する。このように本実施形態では、例えば「ハンバーグ」など特定のメニューに対して分量、加熱時間、加熱温度などを入力せずに調理室内に入れられた被調理物Sを自動で熱風コンベクション加熱を行なう構成としているが、被調理物Sが冷凍食材である場合は、被調理物Sを確実に解凍させるという観点から被調理物Sの分量を入力するように構成される。
【0038】
分量表示領域A2は、被調理物Sの分量を表示したものである。分量表示領域A2の表示は、分量選択表示領域A4の「□」のボタン表示体21の表示と連携しており、図7(A)に示されるように、「□」のボタン表示体21にチェックが入っていないときには、表示制御手段54は、「分量フリー」なるテキスト表示体D14を表示させるように表示手段7を制御する。その一方で、図7(B)に示されるように、「□」のテキスト表示体D21に「レ」を表示させたときは、表示制御手段54は、分量表示領域A2に、ボタン表示部B31~B33およびカーソル表示部C3を「分量フリー」のテキスト表示体D14の代わりに表示させるように表示手段7を制御し、ユーザがボタン表示部B31~B33を選択することにより被調理物Sの分量の選択ができるようになる。ここで、「2人分」のボタン表示部B31は「2人分」なるテキスト表示体D31を含んでおり、「4人分」のボタン表示部B32は「4人分」なるテキスト表示体D32を含んでおり、「6人分」のボタン表示部B33は「6人分」なるテキスト表示体D33を含んでいる。
【0039】
そして料理メニュー一覧表示画面G1で料理メニューを選択し、料理メニュー画面G2で料理メニューの設定を確認した後に調理開始指示手段8aを押動操作すると、加熱調理器1の加熱制御手段53が、当該料理メニューの設定で、調理室15内の被調理物Sに対して加熱調理を開始する。ここでは図7(A)のように、「ハンバーグ」の料理メニューで分量選択表示領域A4の「□」のボタン表示体21にチェックが入っておらず、分量表示領域A2に「分量フリー」のテキスト表示体D14が表示された設定で自動的に加熱調理を行なう場合について、図8および図9を参照しつつ、その動作を説明する。
【0040】
図8(A)(B)において、実線は本実施形態の調理室15の庫内温度のグラフであり、このグラフの下の色の濃いブロックが熱風ヒータ35および熱風ファン36の制御、すなわち熱風ユニット34の制御を示し、当該ブロックの個所で熱風コンベクション加熱するように熱風ユニット34が通断電制御される。
【0041】
加熱調理が開始されると第1の工程(図9の「1st」)に移行し、料理メニューの設定に基づいて使用する加熱方法が選択され、ここでは図9の表に示されているように熱風ユニット34による熱風コンベクション加熱(オーブン加熱)が選択されるため、加熱制御手段53は自動オーブン調理制御手段56により加熱調理を実施する。また自動オーブン調理制御手段56は、制御手段51のタイマの計時により第1の工程開始からの経過時間を計時する。次に自動オーブン調理制御手段56は、温度検出手段47の検出温度により調理室15内の庫内温度が温度TTH未満か否かを判定する。ここで庫内温度が温度TTH未満である場合、自動オーブン調理制御手段56は、図9の表の「冷時」に記載された値に基づいて加熱調理を行ない、庫内温度が温度TTH以上である場合、自動オーブン調理制御手段56は、図9の表の「熱時」に記載された値に基づいて加熱調理を行なう。したがって、自動オーブン調理制御手段56は、温度検出手段47の検出温度の閾値となる温度TTHを有しており、第1の工程開始時の庫内温度が温度TTH以上か未満かで、第1の工程の調理制御における第1の温度T1の値や最長時間tMAXが異なるように制御している。
【0042】
自動オーブン調理制御手段56は、温度検出手段47からの検出信号を取り込んで調理室15の庫内温度を測定し、この庫内温度が第1の設定温度T1に達するまで熱風ヒータ35で加熱された空気が熱風ファン36により調理室15の内部に供給され、調理室15内の被調理物Sが熱風コンベクション加熱されるように、熱風ユニット34を制御する。なお本実施形態では、「冷時」の第1の設定温度T1よりも「熱時」の第1の設定温度T1’の値を低く設定しており、庫内温度が元々高いところで加熱された被調理物Sへの加熱量を抑制して過加熱にならないようにしている。
【0043】
また第1の工程で長時間連続して熱風コンベクション加熱を行ない被調理物Sが過加熱されることを防止するため、第1の工程で経過した時間t1では最長時間であるtMAXが設けられており、調理開始からこのtMAXを経過すると、自動オーブン調理制御手段56は、庫内温度が第1の設定温度T1に達していなくても第2の工程に移行するように構成される。なお本実施形態では、「冷時」の最長時間tMAXよりも「熱時」の最長時間tMAX’を短く設定しており、過加熱にならないようにしている。
【0044】
その後、自動オーブン調理制御手段56は、温度検出手段47からの検出信号を受けて庫内温度が第1の設定温度T1に達したと判定、または庫内温度が第1の設定温度T1に達していなくても、タイマの計時信号により第1の工程開始から経過時間tMAXが経過したと判定すると第2の工程に移行し、第1の設定温度T1より低温な第2の設定温度T2である収束安定させて飽和状態にするように、熱風ユニットを制御し、被調理物Sの中心部まで火が通るように温度コントロールしながら熱風コンベクション加熱を行なう。ここで図9の表に示されるように、庫内温度が第1の設定温度T1に達して第2の工程に移行した(1)温度到達の場合における第2の工程の加熱調理時間tIIは、第1の工程開始から経過時間tMAXが経過して第2の工程に移行した(2)温度未達の場合における第2の工程の加熱調理時間tIIよりも長くなるように設定されており、過加熱にならないようにしている。被調理物Sの分量が多いほど第1の調理時間tIが経過時間tMAXに達する可能性が高くなるが、本実施形態では第1の調理時間tIが経過時間tMAXに達したか否かで第2の工程の加熱調理時間tIIを変動させており、被調理物Sの分量に応じた加熱調理時間で加熱調理できるようにしている。
【0045】
また自動オーブン調理制御手段56は、仕上がり程度表示領域A3で設定された仕上がりの程度によっても第2の工程の加熱調理時間tIIを変動させており、「2 弱め」のボタン表示体B15にカーソル表示体C2が表示されて加熱開始した「弱2」における加熱調理時間tIIが最も時間が短く、以下、「1」のボタン表示体B16で加熱開始した「弱1」における加熱調理時間tII→「0 標準」のボタン表示体B17で加熱開始した「標準」における加熱調理時間tII→「1」のボタン表示体B18で加熱開始した「強1」における加熱調理時間tII→「2 強め」のボタン表示体B19で加熱開始した「強2」における加熱調理時間tIIの順に加熱調理時間tIIが長くなるように設定されている。
【0046】
その後、自動オーブン調理制御手段56は、タイマの計時信号により第2の工程開始から加熱調理時間tIIが経過したと判定すると熱風コンベクション加熱を停止するように熱風ユニット34を制御する。
【0047】
次に、料理メニューの被調理物Sが肉の場合について、図10図12を参照しつつ、その動作を詳しく説明する。図10(A)(B)において、実線は本実施形態の調理室15の庫内温度のグラフであり、このグラフの下のブロックが熱風ユニット34の制御を示し、当該ブロックの個所で熱風コンベクション加熱するように熱風ユニット34が通断電される。
【0048】
予め調理室15内に被調理物Sとしての肉を入れた状態で、ハンドル5を手で握りながら扉3を閉め、操作手段8により、被調理物Sを加熱する自動オーブン調理の料理メニューを選択し、その後の料理メニュー画面G2で肉の種類や形状を選択する。この肉の種類や形状の選択では、料理メニュー画面G2に「□ブロック肉」、「□骨つき肉」なるボタン表示体(図示せず)が表示され、肉の名前の前の「□」であるチェックボックスのボタン表示体にチェックを入れることにより、いずれのチェックボックスのボタン表示体にもチェックが入っていない「デフォルト」、「□ブロック肉」のチェックボックスのボタン表示体にチェックが入った「ブロック肉」、「□骨つき肉」のチェックボックスのボタン表示体にチェックが入った「骨つき肉」の中から1つが選択される。
【0049】
そして料理メニューの設定を行なった後に調理開始指示手段8aを押動操作すると、加熱調理器1の加熱制御手段53が、当該料理メニューの設定で、調理室15内の被調理物Sに対して加熱調理を開始し、自動オーブン調理制御部56は、図11の表に示されるように、選択した肉の種類に応じて第3の設定温度T3と、第4の設定温度T4と、総時間twholeとを設定する。ここで本実施形態では、例えば「ハンバーグ」の料理メニューなど特定の料理メニューで設定される、上述した第1の設定温度T1や第2の設定温度T2が、特定の被調理物Sである肉の自動オーブン調理の料理メニューで設定される第3の設定温度T3よりも高くなるように設定しており、第1の設定温度T1のような高温で加熱が必要な被調理物Sに対しても、被調理物Sの分量、加熱時間、加熱温度などを設定することなく加熱調理ができるようにしている。また第1の設定温度T1のような高温で被調理物Sの表面を先に焼き固めた後、第3の設定温度T3よりも高温である第2の設定温度T2まで温度を下げても、中まで火を通す調理方法での加熱調理ができるようにしている。
【0050】
なお本実施形態では、被調理物Sとして肉を採用した場合について説明しているが、例えば図12に「野菜」の項目も設定されているように、本発明では被調理物Sが肉に限定されず、厚みのある肉以外の被調理物Sにも適用できる。
【0051】
また自動オーブン調理制御部56は、制御手段51のタイマの計時により調理の開始からの時間を計測する。なお図10(A)(B)では被調理物Sとして豚肉を使用しており、操作手段8により肉の種類は「豚肉」「骨つき肉」を選択している。ここで図11図12に示されるように、本実施形態では総時間twholeが、例えば牛肉だとデフォルトでt21、豚肉だとデフォルトでt24、鶏肉だとデフォルトでt24、野菜だとt29と設定され、上述のように「豚肉」「骨つき肉」を選択した場合は第3の設定温度T3がT14、第4の設定温度T4がT13、総時間twholeがt32と設定されるが、これらの数値は一例であり限定されない。
【0052】
また本実施形態では、料理メニューが特定の料理メニューの場合と同様に、料理メニューが肉の場合でも自動オーブン調理の設定を、標準に加えて、強2段階、弱2段階の計5段階から選択でき、被調理物Sとしての肉の焼き方をユーザの好みにすることができるようにしている。この自動オーブン調理の設定は通常時は「0 標準」になっており、肉の種類の選択時に設定でき、当該設定が制御手段51の記憶手段52に記憶される構成となっている。なお図11図12に示された数値は一例であり限定されない一方で、肉の種類が「豚肉」のときは加熱不足だと食中毒になる虞があるため、例えば75℃以上で1分、60℃以上で10分など、総時間twholeの最短時間が設定されている。
【0053】
以下、図10(A)のように、被調理物Sとして豚肉を使用しており、肉の種類は「豚肉」「骨つき肉」が選択された設定で自動的に加熱調理を行なう場合について、その動作を説明する。
【0054】
加熱調理が開始されると第1の工程に移行し、自動オーブン調理制御部56は、温度検出手段47からの検出信号を取り込んで調理室15の庫内温度を測定し、この庫内温度が第3の設定温度T3であるT14に達するまで熱風ヒータ35で加熱された空気が熱風ファン36により調理室15の内部に供給され、調理室15内の被調理物Sが熱風コンベクション加熱されるように、熱風ユニット34を制御する。
【0055】
なお第1の工程で長時間連続して熱風コンベクション加熱を行ない被調理物Sが過加熱されることを防止するため、料理メニューの被調理物Sが肉の場合についても第1の工程で経過した時間t1では最長時間であるtMAXが設けられており、調理開始からこのtMAXを経過すると、自動オーブン調理制御手段56は、庫内温度が第3の設定温度T3に達していなくても第2の工程に移行するように構成される。
【0056】
その後、自動オーブン調理制御手段56は、温度検出手段47からの検出信号を受けて庫内温度が第3の設定温度T3に達したと判定、または庫内温度が第3の設定温度T3に達していなくても、タイマの計時信号により第1の工程開始から経過時間tMAXが経過したと判定すると第2の工程に移行し、第1の設定温度T3より低温な第4の設定温度T4である収束安定させて飽和状態にするように、熱風ユニットを制御し、被調理物Sの中心部まで火が通るように温度コントロールしながら熱風コンベクション加熱を行なう。
【0057】
具体的には、第2の工程に移行すると自動オーブン調理制御部56は、温度検出手段47からの検出信号を受けて、庫内温度が第4の設定温度T4であるT13まで低下するまで熱風コンベクション加熱を停止するように、熱風ユニット34を制御する。そして、自動オーブン調理制御部56は、温度検出手段47からの検出信号を受けて庫内温度がT13以下まで低下したと判断すると、熱風コンベクション加熱を再度行なうように熱風ユニット34を制御する。その後、自動オーブン調理制御部56は、温度検出手段47からの検出信号を受けて、庫内温度がT13以上に達したと判断すると、熱風コンベクション加熱を再度停止するように熱風ユニット34を制御する。これらの工程が繰り返されることにより、第2の工程で調理室15の庫内温度が第4の設定温度T4であるT13で収束安定して飽和状態になる。このように、第1の工程で最初に第3の設定温度T3に温度を上昇させて加熱した後、第4の設定温度T4に温度を下げて加熱することにより、被調理物Sがブロック肉などの厚みのある肉であっても、表面に焼き色をつけつつ、内側まで火を通すことができる。
【0058】
また自動オーブン調理制御部56は、第2の工程の開始時に、タイマの計時により測定された第1の工程で経過した時間tI、選択された肉の種類および第3の設定温度T3を基に被調理物Sとしての肉の分量を推定し、この肉の分量でも総時間twholeが一定の時間、図10(A)(B)の場合だと「豚肉」「骨つき肉」を選択しているのでt32、になるような第2の工程の時間tIIを算出し、この時間tIIを第2の工程の加熱調理時間として熱風ユニット34を制御する。なお図11図12の表に示されるように、総時間twholeは、肉の種類や仕上がり程度表示領域A3で設定された仕上がりの程度によって異なり、その結果、第4の工程の時間tIIは肉の種類や仕上がりの程度の設定により異なる値が算出されるため、残時間も異なる値になる。
【0059】
なお表示制御部86は、自動オーブン調理が終了するまでの残時間として時間tIIを表示するように表示手段6を制御してもよく、ユーザが表示手段6により第2の工程が開始されたことを確認することができる。また自動オーブン調理制御部56は、制御手段51のタイマの計時により、この表示された残時間が時間経過と共に減少していき、第2の工程の終了時に0秒になるように表示制御部86を制御してもよく、この場合は第2の工程の開始以降は、ユーザが表示手段6により自動オーブン調理が終了するまでの残時間を確認することができる。
【0060】
ここで、図10(A)および(B)を比較すると、被調理物Sとしての肉の分量が少ない(A)のグラフが、被調理物Sとしての肉の分量が多い(B)のグラフよりも先に第3の設定温度T3に達していることが理解されよう。肉の分量が多い(B)の場合、(A)と比較して庫内温度の上昇が遅いため、第1の工程の時間tIが(A)と比較して長くなってしまい、肉への加熱量が増加してしまう。そのため、仮に第2の工程の時間tIIを一定にして(A)の肉の分量で適切な加熱量の時間に設定すると、加熱時間が長すぎて加熱量が過多になってしまい肉が焦げる虞がある。その一方で、肉の分量が少ない(A)の場合、(B)と比較して庫内温度の上昇が早いため、第2の工程の時間tIIを一定にして(B)の肉の分量で適切な加熱量の時間に設定すると、(B)とは逆に、加熱時間が短すぎて肉への加熱量が過少になってしまい肉の内部が生焼けの状態になる虞がある。
【0061】
そこで本実施形態の加熱調理器1では、選択された肉の種類、第3の設定温度T3および第1の工程で経過した時間tIを基に被調理物Sとしての肉の分量を推定し、この肉の分量により第2の工程の時間tIIが変更されて総時間twholeを一定にする構成にしており、被調理物Sとしての肉の分量によりこの肉への加熱量を調整しつつ一定の時間で自動オーブン調理を行なうことができるようにし、自動オーブン調理の終了時間を分かりやすくしている。また第1の工程の第3の設定温度T3および第2の工程の第4の設定温度T4と2種類の設定温度で熱風コンベクション加熱するため、従来の熱風コンベクション加熱と比較して総時間twholeを短縮することができる。
【0062】
そして自動オーブン調理制御部56は、タイマの計時により第2の工程の時間tIIが経過したと判定すると、熱風コンベクション加熱を停止するように熱風ユニット34を制御する。
【0063】
なお自動オーブン調理制御部56は、操作手段8により肉の種類を選択されたときに、選択した肉の種類に応じて第3の設定温度T3と総時間twholeとを設定し、第4の工程に移行したときに、開始時に選択された肉の種類と、第1の工程で経過した時間tIとから肉の分量を推定して、この肉の分量および第1の工程の時間tIを基に第4の設定温度T4を決定するように構成されてもよい。
【0064】
以上のように、本実施形態の加熱調理器1は、被調理物Sを収容する調理室15と、被調理物Sを熱風コンベクション加熱する加熱手段としての熱風ユニット34と、熱風ユニット34を制御する制御手段としての自動オーブン調理制御部56と、調理室15の庫内温度を検出する庫内温度検出手段としての温度検出手段47と、被調理物Sの料理メニューを選択するメニュー選択手段としての料理メニュー一覧表示画面G1と、を備え、自動オーブン調理制御部56は、例えば「ハンバーグ」の料理メニューなど特定の料理メニューが選択されたときに、熱風ユニット34により庫内温度を第1の温度T1まで上昇させる第1の工程と、熱風ユニット34により庫内温度を、第1の温度T1よりも低い第2の温度T2まで低下させて維持する第2の工程と、を行なう構成としている。
【0065】
このように構成することにより、第1の工程で庫内温度を第1の温度T1まで上昇させて被調理物Sの表面を焼き固めた後、第2の工程で庫内温度を第2の温度T2に下げて被調理物Sの内部まで火を通すことができ、第1の温度T1のような高温での熱風コンベクション加熱による加熱調理が必要な被調理物Sに対しても、被調理物Sの分量、加熱時間、加熱温度などを入力せずに調理室15内に入れられた被調理物Sを自動で熱風コンベクション加熱による加熱調理をすることができる。
【0066】
また本実施形態の自動オーブン調理制御部56は、第1の工程において庫内温度が第1の温度T1まで達したとき、または庫内温度が第1の温度T1まで達していない場合でも第1の工程開始から所定時間としての経過時間tMAXが経過したときに、第2の工程に移行し、第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間tIIは、第1の工程の加熱調理時間である第1の調理時間tIに応じて、第1の調理時間tIが経過時間tMAXに達したか否かで変動する構成としている。
【0067】
このように構成することにより、被調理物Sの分量に応じた加熱調理時間で加熱調理できる。
【0068】
また本実施形態の加熱調理器1は、被調理物Sの加熱調理の仕上がりの程度を選択可能な仕上がり選択手段としての仕上がり程度表示領域A3をさらに備え、仕上がり程度表示領域A3は、加熱調理の仕上がりの程度を、例えば5段階などの所定の段階で選択可能であり、仕上がり程度表示領域A3による選択に応じて第2の調理時間tIIが変動する構成としている。そのためユーザの嗜好、好みや食材の状態に合わせて被調理物Sの加熱調理の仕上がりの程度を調節することができる。
【0069】
また本実施形態の加熱調理器1は、料理メニューで肉が選択された場合に、当該肉の種類や形状を選択可能な肉選択手段としての料理メニュー画面G2をさらに備え、自動オーブン調理制御部56は、熱風ユニット34により庫内温度を第3の温度T3まで上昇させる第3の工程と、熱風ユニット34により庫内温度を、第3の温度T3よりも低い第4の温度T4まで低下させて維持する第4の工程と、を行ない、第3の工程の加熱調理時間である第1の調理時間tIと、第4の工程の加熱調理時間である第2の調理時間tIIとを合わせた総時間twholeが一定となるように構成され、総時間twholeは料理メニュー画面G2で選択された肉の種類や形状に応じて設定される構成としている。
【0070】
このように構成することにより、ユーザが肉の種類や形状を選択するだけで、肉の分量、加熱時間、加熱温度などを入力せずに調理室15内に入れられた被調理物Sを自動で熱風コンベクション加熱による加熱調理をすることができる。
【0071】
また本実施形態の加熱調理器1は、第1の温度T1が第3の温度T3よりも高温である構成としており、第1の設定温度T1のような高温で加熱が必要な被調理物Sに対しても、被調理物Sの分量、加熱時間、加熱温度などを設定することなく加熱調理ができる。
【0072】
また本実施形態の加熱調理器1は、第2の温度T2が第3の温度T3よりも高温である構成としており、第1の設定温度T1のような高温で被調理物Sの表面を先に焼き固めた後、第3の設定温度T3よりも高温である第2の設定温度T2まで温度を下げても、中まで火を通す調理方法での加熱調理ができる。
【0073】
また本実施形態の自動オーブン調理制御部56は、温度検出手段47による検出温度の閾値としての温度TTHを有しており、第1の工程開始時の庫内温度が温度TTH以上か未満かで、第1の調理制御における第1の温度T1の値や経過時間tMAXが異なる構成としている。そのため、庫内温度が元々高いところで加熱された被調理物Sへの加熱量を抑制して被調理物Sが過加熱にならないように構成することができる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば本実施形態では、第1の工程および第2の工程の2つの工程を設けているが、3つ以上の工程を設けてもよい。この場合、後の工程に行くに従い設定温度が低く設定されてもよく、被調理物Sが体積の大きいものやブロック肉などの厚みのある肉であっても、表面の焼き色をつけつつ、より内部まで火を通すことができる。また本実施形態では、料理メニューの被調理物Sが肉の場合は、料理メニュー画面G2の「□ブロック肉」、「□骨つき肉」のボタン表示体で肉の種類や形状を選択する構成としているが、例えば「豚肉(骨つき肉)」の料理メニューなど、肉の種類や形状に対応した料理メニューも料理メニュー一覧表示画面G1に表示され、当該料理メニューを選択することにより、選択された料理メニューに対応する肉の種類や形状が設定される構成にしてもよい。そして、例えば第1の工程で熱風コンベクション加熱により加熱調理し、第2の工程でグリル加熱により加熱調理するなど、工程により加熱手段を変更するように構成してもよいが、被調理物Sを載置するものとして金属製の角皿を使用した場合は、加熱手段としてマイクロ波発生装置25を使用することができない。また本実施形態の各部の構成や形状は、図示したものに限定されず、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 加熱調理器
15 調理室
34 熱風ユニット(加熱手段)
47 温度検出手段(庫内温度検出手段)
56 自動オーブン調理制御部(制御手段)
A3 仕上がり程度表示領域
G1 料理メニュー一覧表示画面(メニュー選択手段)
G2 料理メニュー画面(肉選択手段)
S 被調理物
T1 第1の温度
T2 第2の温度
T3 第3の温度
T4 第4の温度
TH 温度(閾値)
I 第1の調理時間(第1の工程の加熱調理時間,第3の工程の加熱調理時間)
II 第2の調理時間(第2の工程の加熱調理時間,第4の工程の加熱調理時間)
MAX 経過時間(所定時間)
whole 総時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収容する調理室と、
前記被調理物を熱風コンベクション加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記調理室の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、
前記被調理物の料理メニューを選択するメニュー選択手段と、を備え、
前記制御手段は
記加熱手段により前記庫内温度を第1の温度まで上昇させる第1の工程と、
前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで低下させて維持する第2の工程と、を行ない、
選択された前記料理メニューによって、
前記第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間が、前記第1の工程の加熱調理時間である第1の調理時間に応じて変動する制御、または、
前記第1の調理時間と前記第2調理時間とを合わせた総時間が一定となるような制御、のいずれかを行なうことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の工程において、前記庫内温度が前記第1の温度まで達したとき、または前記庫内温度が前記第1の温度まで達していない場合でも前記第1の工程開始から所定時間が経過したときに、前記第2の工程に移行することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記被調理物の加熱調理の仕上がりの程度を選択可能な仕上がり選択手段をさらに備え、
前記仕上がり選択手段は、前記仕上がりの程度を所定の段階で選択可能であり、
前記仕上がり選択手段による選択に応じて前記第2の調理時間が変動することを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記料理メニューで肉が選択された場合に、前記肉の種類や形状を選択可能な肉選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記料理メニューで肉が選択された場合に、前記第の調理時間と前記第の調理時間とを合わせた総時間が一定となるような制御を行ない、
前記総時間は前記肉の種類や形状に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記第1の温度は、前記料理メニューで肉以外が選択された場合の方が前記料理メニューで肉が選択された場合よりも高温であることを特徴とする請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記料理メニューで肉以外が選択された場合の前記第2の温度が、前記料理メニューで肉が選択された場合の前記第の温度よりも高温であることを特徴とする請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記制御手段は、庫内温度検出手段による検出温度の閾値を有しており、
前記第1の工程開始時の前記庫内温度が前記閾値以上か未満かで、前記第1の工程における前記第1の温度の値や前記所定時間が異なるように制御することを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の加熱調理器は、被調理物を収容する調理室と、前記被調理物を熱風コンベクション加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御手段と、前記調理室の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、前記被調理物の料理メニューを選択するメニュー選択手段と、を備え、前記制御手段は、前記加熱手段により前記庫内温度を第1の温度まで上昇させる第1の工程と、前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで低下させて維持する第2の工程と、を行ない、選択された前記料理メニューによって、前記第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間が、前記第1の工程の加熱調理時間である第1の調理時間に応じて変動する制御、または、前記第1の調理時間と前記第2調理時間とを合わせた総時間が一定となるような制御、のいずれかを行なうことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
1 加熱調理器
15 調理室
34 熱風ユニット(加熱手段)
47 温度検出手段(庫内温度検出手段)
56 自動オーブン調理制御部(制御手段)
A3 仕上がり程度表示領域
G1 料理メニュー一覧表示画面(メニュー選択手段)
G2 料理メニュー画面(肉選択手段)
S 被調理物
T1 第1の温度
T2 第2の温度
T3 第3の温度(第1の温度)
T4 第4の温度(第2の温度)
TH 温度(閾値)
I 第1の調理時間(第1の工程の加熱調理時間)
II 第2の調理時間(第2の工程の加熱調理時間)
MAX 経過時間(所定時間)
whole 総時間
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収容する調理室と、
前記被調理物を熱風コンベクション加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記調理室の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、
前記被調理物の料理メニューを選択するメニュー選択手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記加熱手段により前記庫内温度を第1の温度まで上昇させる第1の工程と、
前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで低下させて維持する第2の工程と、を行ない、
前記料理メニューとして、例えばブロック肉や骨付き肉などの肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合に、前記肉の種類や形状を選択可能な肉選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合に、前記第1の工程の加熱調理時間である第1の調理時間と前記第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間とを合わせた総時間が一定となるような制御を行ない、
前記総時間は前記肉の種類や形状に応じて設定され、
前記第1の温度は、前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニュー以外の自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合の方が前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合よりも高温であることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
被調理物を収容する調理室と、
前記被調理物を熱風コンベクション加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記調理室の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、
前記被調理物の料理メニューを選択するメニュー選択手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記加熱手段により前記庫内温度を第1の温度まで上昇させる第1の工程と、
前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで低下させて維持する第2の工程と、を行ない、
前記料理メニューとして、例えばブロック肉や骨付き肉などの肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合に、前記肉の種類や形状を選択可能な肉選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合に、前記第1の工程の加熱調理時間である第1の調理時間と前記第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間とを合わせた総時間が一定となるような制御を行ない、
前記総時間は前記肉の種類や形状に応じて設定され、
前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニュー以外の自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合の前記第2の温度が、前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合の前記第1の温度よりも高温であることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
被調理物を収容する調理室と、
前記被調理物を熱風コンベクション加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記調理室の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、
前記被調理物の料理メニューを選択するメニュー選択手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記加熱手段により前記庫内温度を第1の温度まで上昇させる第1の工程と、
前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで低下させて維持する第2の工程と、を行ない、
前記料理メニューとして、前記被調理物の分量を入力しない設定で前記被調理物を自動で加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合、
前記制御手段は、前記第1の工程において、前記庫内温度が前記第1の温度まで達したとき、または前記庫内温度が前記第1の温度まで達していない場合でも前記第1の工程開始から所定時間が経過したときに、前記第2の工程に移行し、
前記制御手段は、前記庫内温度検出手段による検出温度の閾値を有しており、
前記第1の工程開始時の前記庫内温度が前記閾値以上か未満かで、前記第1の工程における前記第1の温度の値や前記所定時間が異なるように制御することを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の工程において、前記庫内温度が前記第1の温度まで達したとき、または前記庫内温度が前記第1の温度まで達していない場合でも前記第1の工程開始から所定時間が経過したときに、前記第2の工程に移行することを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記被調理物の加熱調理の仕上がりの程度を選択可能な仕上がり選択手段をさらに備え、
前記仕上がり選択手段は、前記仕上がりの程度を所定の段階で選択可能であり、
前記仕上がり選択手段による選択に応じて前記第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間が変動することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記料理メニューとして、例えばブロック肉や骨付き肉などのを加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合に、前記肉の種類や形状を選択可能な肉選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記料理メニューで前記を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合に、前記第1の工程の加熱調理時間である第1の調理時間と前記第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間とを合わせた総時間が一定となるような制御を行ない、
前記総時間は前記肉の種類や形状に応じて設定されていることを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の加熱調理器は、被調理物を収容する調理室と、前記被調理物を熱風コンベクション加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御手段と、前記調理室の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、前記被調理物の料理メニューを選択するメニュー選択手段と、を備え、前記制御手段は、前記加熱手段により前記庫内温度を第1の温度まで上昇させる第1の工程と、前記加熱手段により前記庫内温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度まで低下させて維持する第2の工程と、を行ない、前記料理メニューとして、例えばブロック肉や骨付き肉などの肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合に、前記肉の種類や形状を選択可能な肉選択手段をさらに備え、前記制御手段は、前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合に、前記第1の工程の加熱調理時間である第1の調理時間と前記第2の工程の加熱調理時間である第2の調理時間とを合わせた総時間が一定となるような制御を行ない、前記総時間は前記肉の種類や形状に応じて設定され、前記第1の温度は、前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニュー以外の自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合の方が前記料理メニューで前記肉を加熱する自動オーブン調理の料理メニューが選択された場合よりも高温であることを特徴とする。