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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126322
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】改装建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20240912BHJP
   E06B 1/62 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B1/62 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034624
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
(72)【発明者】
【氏名】筒井 淳司
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011KA06
2E011KB03
2E011KC01
2E011KC07
2E011KF01
2E011KH01
(57)【要約】
【課題】既設枠の形状が異なっている場合においても、既設枠に対応可能なアタッチメントを備える改装建具を提供すること。
【解決手段】改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4と、を備え、既設枠22は、室内側X2に配置され見付方向に延びる既設枠見付方向延在部224を有し、アタッチメント42は、既設枠21の内周側に配置され、室内外方向に延びるアタッチメント室内外方向延在部421と、アタッチメント室内外方向延在部421の既設枠21側の面から既設枠21側に突出すると共に既設枠見付方向延在部224の室外側X1の面に当接する位置決め部43と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントと、を備える改装建具であって、
前記既設枠は、室内側に配置され見付方向に延びる既設枠見付方向延在部を有し、
前記アタッチメントは、前記既設枠の内周側に配置され、室内外方向に延びるアタッチメント室内外方向延在部と、前記アタッチメント室内外方向延在部の前記既設枠側の面から前記既設枠側に突出すると共に前記既設枠見付方向延在部の室外側の面に当接する位置決め部と、を有する、改装建具。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記アタッチメント室内外方向延在部の前記既設枠側の面から既設枠側に延びる位置決め見付方向延在部と、前記位置決め見付方向延在部から室外側に突出すると共に前記室内側の端部が前記既設枠見付方向延在部の室外側の面に当接する位置決め当接部と、を有する、請求項1に記載の改装建具。
【請求項3】
前記アタッチメントは、室外側において、見付方向の位置を調整可能に構成される、請求項1又は2に記載の改装建具。
【請求項4】
前記アタッチメントは、室内側において、見付方向の位置を調整可能に構成される、請求項1又は2に記載の改装建具。
【請求項5】
前記アタッチメントは、室外側において、前記既設枠に支持される室内外方向の支持位置が室内外方向に変更可能に許容された状態で前記既設枠に支持される、請求項1又は2に記載の改装建具。
【請求項6】
前記位置決め当接部は、前記位置決め見付方向延在部から室内側の端部までの長さを調整可能な長さ調整部を有する、請求項2に記載の改装建具。
【請求項7】
前記位置決め当接部は、前記位置決め見付方向延在部と前記既設枠見付方向延在部の室外側の面との間に配置されるブロック状のブロック部により構成される、請求項2に記載の改装建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改装建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体の開口部をリフォーム等で改装する方法として開口部に新たな建具を設置するカバー工法が採用されている。カバー工法において、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、既設枠の内周側に配置される新設枠と、開口部の下方において既設枠及び新設枠の間に配置されるアタッチメントと、を備える改装建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の改装建具は、既設下枠のレールにアタッチメント下枠を接続して、既設下枠に接続したアタッチメント下枠に新設下枠を固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-157383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
改装建具において、既設下枠のレールにアタッチメント下枠を接続する構造では、既設下枠の形状によっては、既設下枠のレールの見込方向の位置の違いや、既設下枠のレールの高さの位置の違いなどの形状の違いが大きいため、異なる形状や大きさのアタッチメントを複数準備する必要があった。そのため、既設枠の形状が異なっている場合においても、既設枠に対応可能なアタッチメントが求められている。
【0006】
本開示は、既設枠の形状が異なっている場合においても、既設枠に対応可能なアタッチメントを備える改装建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、建物躯体の開口部に設けられる既設枠と、前記既設枠の内周側に配置される新設枠と、前記既設枠及び前記新設枠の間に配置されるアタッチメントと、を備える改装建具であって、前記既設枠は、室内側に配置され見付方向に延びる既設枠見付方向延在部を有し、前記アタッチメントは、前記既設枠の内周側に配置され、室内外方向に延びるアタッチメント室内外方向延在部と、前記アタッチメント室内外方向延在部の前記既設枠側の面から前記既設枠側に突出すると共に前記既設枠見付方向延在部の室外側の面に当接する位置決め部と、を有する、改装建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の改装建具の正面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3】第1実施形態の改装建具において既設下枠の室内外方向の長さが異なる場合にアタッチメント下枠を取り付けた状態を示す縦断面図である。
図4】第2実施形態の改装建具において、既設下枠にアタッチメント下枠を取り付けた状態を示す縦断面図である。
図5】長さ調整が可能なアタッチメント下枠を示す図である。
図6】第3実施形態の改装建具において、既設下枠とアタッチメント下枠との間にスペーサを配置した状態の縦断面図である。
図7】第4実施形態の改装建具において、既設下枠にアタッチメント下枠を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の改装建具1は、例えば、マンション等のビルなどの建物躯体100の開口部11に設けられる。図1は、改装建具1を室内側から見た様子を示している。改装建具1は、すでに設置されている既設枠2に、新設枠3を取り付ける改修を行って形成される。
【0010】
本明細書において、「見付方向」とは、建物躯体100の壁に形成された開口部11に納められた改装建具1における障子12の面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、改装建具1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、改装建具1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、改装建具1の見込方向の室外側を室外側X1とし、改装建具1の見込方向の室内側を室内側X2とする。改装建具1の見付方向における横方向を左右方向とする。
【0011】
改装建具1は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11に設置された既設枠2の内周側に、アタッチメント4(図2参照)を介して、新設枠3を取り付けることで構成される。改装建具1は、既設枠2と、新設枠3と、アタッチメント4(図2参照)と、を有する。新設枠3の内側には、障子12,12が開閉可能に納められる。
【0012】
既設枠2は、窓枠10と一体若しくは別体で構成され、開口部11に設けられる枠体である。既設枠2は、矩形の枠状に形成される。既設枠2は、アルミニウム製、アルミ樹脂複合製又は樹脂製の形材により構成される。既設枠2は、既設上枠21と、既設下枠22と、左右一対の既設縦枠23と、を有する。
【0013】
既設上枠21は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。既設下枠22は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の既設縦枠23は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0014】
新設枠3は、アタッチメント4(図2参照)を介して、既設枠2の内周側に配置される。新設枠3は、矩形の枠状に形成される。新設枠3は、アルミニウム製の形材により構成される。新設枠3は、新設上枠31と、新設下枠32と、左右一対の新設縦枠33と、を有する。
【0015】
新設上枠31は、開口部11の上方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。新設下枠32は、開口部11の下方で左右方向に沿って延びる長尺の部材である。一対の新設縦枠33は、開口部11の左右方向の両端部で上下方向に延びる長尺の部材である。
【0016】
図2に示すように、アタッチメント4は、既設枠2と新設枠3の間に配置され、新設枠3を既設枠2に固定するための部材である。アタッチメント4は、アタッチメント上枠(図示せず)と、アタッチメント下枠42(図2参照)と、左右一対のアタッチメント縦枠(図示せず)と、を有する。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠42及び左右一対のアタッチメント縦枠は、それぞれ、例えば、アルミニウム製の形材により構成される。
【0017】
アタッチメント上枠、アタッチメント下枠42、左右一対のアタッチメント縦枠は、それぞれ、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に沿って配置される。アタッチメント上枠、アタッチメント下枠42、左右一対のアタッチメント縦枠は、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向において、間隔を空けて複数配置されてもよいし、既設上枠21、既設下枠22、既設縦枠23の長手方向に延びる1部材により構成されていてもよい。
【0018】
図2により、既設下枠22、新設下枠32及びアタッチメント下枠42の固定構造について説明する。
【0019】
既設下枠22は、図1に示すように、建物躯体100の開口部11の下部側に取り付けられている。既設下枠22は、図2に示すように、段差状に形成される。
【0020】
既設下枠22は、室内側X2に設けられる上段部221と、室外側X1に設けられる下段部222と、上段部221と下段部222との間に設けられる中段部223と、上段部221の室内側X2の端部から上方に延びる室内側上下方向延出板224(既設枠見付方向延在部)と、下段部222の室外側X1の端部から上方に突出する室外側突出板225と、上方に向けて立設される既設障子用のガイドレール226、227と、上段部221の室内側X2の端部から下方に突出する室内側下方突出板22aと、下段部222の下面から下方に突出する室外側下方突出板22bと、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材228と、を有する。室内側上下方向延出板224は、既設下枠22の室内側X2に配置され、上下方向(見付方向)に延びる。ガイドレール226は、上段部221と中段部223との境に設けられる。ガイドレール227は、中段部223と下段部222との境に設けられる。
【0021】
既設下枠22は、開口部11の下方において、L字状のL字接続部材228を介して、建物躯体100の額縁部材101に固定されていると共に、室内側下方突出板22a及び室外側下方突出板22bが、建物躯体100の下部材102に固定されている。なお、本実施形態では、既設下枠22の室内側X2の端部に別体のL字接続部材228を接続したが、これに限定されない。L字接続部材228を設けずに、既設下枠22と一体で既設下枠22から突出するリブを設けてもよい。
【0022】
アタッチメント下枠42は、既設下枠22と新設下枠32とを接続する。アタッチメント下枠42は、開口部11の下方において、既設下枠22及び新設下枠32の間に配置され、左右方向に延びる長尺の部材である。アタッチメント下枠42は、既設下枠22の内周側に配置され、既設下枠22の内周側に接続される。アタッチメント下枠42は、既設下枠22の上方に配置され、既設下枠22に固定される。
【0023】
アタッチメント下枠42は、室内外方向に延びる室内外方向延在板421(アタッチメント室内外方向延在部)と、室内外方向延在板421の室内側X2の端部に配置され室内外方向に延びる室内側端部延出部422と、室内外方向延在板421の室外側X1の端部に配置される段差角部423と、段差角部423の室外側X1の端部から室外側X1に下り傾斜で延びる傾斜部424と、傾斜部424の室外側X1の端部から下方に延びる下方延出板425と、下方延出板425に取り付けられる高さ調整部材426と、室内外方向に延びる室内外方向延在板421の下面から下方に突出するL字突出位置決め部43(位置決め部)と、を有する。
【0024】
室内外方向延在板421は、室内側X2において段差状に形成され、室外側X1においてU字状に凹む凹部421eが形成される。室内外方向延在板421は、室外側X1において、室外側X1に配置され室内外方向に延びる板状の上段部4211と、上段部4211の室内側X2に段差4212を介して接続され上段部4211よりも下方において室内外方向に延びる板状の下段部4213と、下段部4213の室内側X2の端部から上方に突出する突出部4214と、を有する。
【0025】
L字突出位置決め部43は、室内外方向延在板421の室内外方向の途中の既設下枠22側の下面から既設下枠22側(下方側)に突出すると共に、上方側及び室内側X2が開放するL字状に形成される。L字突出位置決め部43の室内側X2の端部432aは、既設下枠22の室内側上下方向延出板224の室外側X1の面に当接する。
【0026】
L字突出位置決め部43は、下段部4213の室内外方向の途中における既設下枠22側の下面から既設下枠22側(下方側)に所定長さ延びる下方延出板431(位置決め見付方向延在部)と、下方延出板431の下端部から室内側X2に所定長さ突出する見込方向突出位置決め当接部432(位置決め当接部)と、を有する。L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432aは、既設下枠22の室内側上下方向延出板224の室外側X1の面に当接する。L字突出位置決め部43は、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432a(L字突出位置決め部43の室内側X2の端部)が、既設下枠22の室内側上下方向延出板224の室外側X1の面に当接することで、アタッチメント下枠42の室内外方向の位置決めをする。
【0027】
アタッチメント下枠42は、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432aから下方延出板425までの長さが長さL1で形成されており、室内外方向の長さがLaの既設下枠22に対応するアタッチメント下枠である。
【0028】
室内側端部延出部422は、室内外方向延在板421の室内側X2の端部に形成され、室内外方向に延びる。室内側端部延出部422は、既設上枠21のL字接続部材228の水平板部228aの上面に配置される。室内側端部延出部422は、ネジ121により、既設上枠21のL字接続部材228の水平板部228aに固定される。
【0029】
なお、既設上枠21のL字接続部材228の水平板部228aと室内側端部延出部422との間には、第1実施形態においては何も配置されていないが、例えば、後述する図6に示す第3実施形態のように、室内側端部延出部422の上下方向(見付方向)の位置を調整可能なスペーサ44を配置して、上下方向の位置を調整できる。スペーサ44の厚みは、室内側端部延出部422の上下方向(見付方向)の位置に応じて適宜設定され、本実施形態のように、スペーサ44を設けなくてもよい。これにより、アタッチメント下枠42は、室内側X2において、上下方向(見付方向)の位置を調整可能に構成される。
【0030】
室内側端部延出部422の上方には、室内側端部延出部422及びネジ121を覆うように、後述する新設下枠32の室内側端部延出板324が配置されている。後述する新設下枠32の室内側端部延出板324は、ネジ122により、室内側端部延出部422、既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228a及び額縁部材101に固定される。
【0031】
段差角部423は、室内外方向延在板421の室外側X1の端部の角部において段差状に形成される。段差角部423は、室内外方向延在板421の室外側X1の端部から室外側に向けて所定長さ下り傾斜で延びる下り傾斜段差4231と、傾斜段差4231の下端部から下方に所定長さ延びる垂直段差4232と、垂直段差4232の下端部から室外側X1に所定長さ延びる下段部4233と、を有する。下段部4233は、室内外方向延在板421よりも低い位置において室内外方向に延びる。
【0032】
下段部4233の上面には、後述する新設下枠32の室外側中空部322に形成される段差下面部3220の中段部3222の中段下面3222aが載置されている。これにより、アタッチメント下枠42は、新設下枠32の室外側X1に掛かる加重を受けている。
【0033】
傾斜部424は、段差角部423の下段部4233の室外側X1の端部から室外側X1に下り傾斜で所定長さ延びる。
【0034】
下方延出板425は、傾斜部424の室外側X1の端部から下方に所定長さ延びる。下方延出板425の下端部は、室外側突出板225の室外側X1の面に沿って配置される。
【0035】
下方延出板425の上下方向の途中において、下方延出板425の室内側X2の面には、高さ調整部材426が取り付けられる。高さ調整部材426は、下方延出板425の室内側X2の面に沿って上下方向に延びる上側上下方向延在板4261と、上側上下方向延在板4261の下端から室内側X2に屈曲して段差状に形成される屈曲段差部4262と、屈曲段差部4262の室内側X2の端部から下方に延びる下側上下方向延在板4263と、を有する。
【0036】
下方延出板425の下端部の室内側X2の面に沿って既設下枠22の室外側突出板225が配置された状態で、屈曲段差部4262の下面は、既設下枠22の室外側突出板225の上端部に載置される。これにより、高さ調整部材426の上下方向の位置が調整されてネジ123により固定されることによって、新設下枠32の室外側X1の高さが調整される。このように、アタッチメント下枠42は、室外側X1において、上下方向(見付方向)の位置を調整可能に構成される。
【0037】
また、アタッチメント下枠42は、室外側X1において、既設下枠22に支持される室内外方向の支持位置が室内外方向に変更可能に許容された状態で、既設下枠22に支持される。
【0038】
具体的には、アタッチメント下枠42は、室外側X1において、図2に示すように、既設下枠22の室内外方向の長さに応じて、高さ調整部材426の屈曲段差部4262の下面が、既設下枠22の室外側突出板225の上端部に載置されて支持されてもよいし、高さ調整部材426の下側上下方向延在板4263の下端4263aが、高さ調整部材426の下側上下方向延在板4263の下端4263aの位置が室内外方向の室内側X2にずれた場合には、既設下枠22の下段部222の上面に配置されて支持されてもよい。
【0039】
既設下枠22の室外側X1においては、高さ調整部材426の屈曲段差部4262の下面が、既設下枠22の室外側突出板225の上端部に支持されて配置されたり、既設下枠22の下段部222の上面において、高さ調整部材426の下側上下方向延在板4263の下端4263aは、既設下枠22の下段部222の上面に支持されて配置されることが可能であり、アタッチメント下枠42は、室外側X1において、既設下枠22に支持される室内外方向の支持位置が室内外方向に変更可能に許容された状態で、既設下枠22に支持される。
【0040】
新設下枠32は、アタッチメント下枠42の内周側(アタッチメント下枠42の上方)に取り付けられる。
【0041】
新設下枠32は、室内側X2に配置される室内側中空部321と、室内側中空部321の室外側X1に配置される室外側中空部322と、室内側中空部321と室外側中空部322の上面同士を接続する水平接続板323と、室内側端部延出板324と、ガイドレール327,328と、を有する。
【0042】
室内側中空部321は、室内外方向に延びる長方形状の中空状に形成される。室外側中空部322は、室内側X2から室外側X1に向けて中空の面積が大きくなる中空状に形成される。室内側中空部321と室外側中空部322の上面同士を接続する水平接続板323は、ネジ124により、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421の室外側X1の端部側に形成される凹部421eの底部に貫通して固定される。
【0043】
室内側中空部321及び室外側中空部322の室内側X2の端部の下面は、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421に配置されている。室内側中空部321の下面と室内外方向延在板421の下段部4213との間には、空間Sが形成される。これにより、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421の上面に水が浸入しても、室内側中空部321及び室外側中空部322の下面と室内外方向延在板421の下段部4213との間の空間Sに水を流すことで、アタッチメント下枠42の室内外方向延在板421の上面の水が室内側X2に流れて行かないように抑制できる。
【0044】
室内側端部延出板324は、室内側中空部321の室内側X2の端部から室内側X2に延びる。室内側端部延出板324は、新設下枠32の室内側X2の端部側において、傾いたネジ122により、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422、既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228a及び額縁部材101に固定される。
【0045】
室外側中空部322の下面は、室外側中空部322の室内側X2の上方側から下方側にかけて、段差状の段差下面部3220が形成される。段差下面部3220は、上段部3221と、中段部3222と、下段部3223と、上段部3221と中段部3222との間に形成される第1段差3224と、中段部3222と下段部3223との間に傾斜して形成される第2段差3225と、を有する。
【0046】
中段部3222の中段下面3222aは、室内外方向に延びる。中段部3222の中段下面3222aは、アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4233の上面に配置される。アタッチメント下枠42の段差角部423の下段部4233の上面は新設下枠32の段差下面部3220の中段部3222の中段下面3222aにおいて、新設下枠32の加重を受けることができる。
【0047】
ガイドレール327,328は、室内側中空部321及び室外側中空部322から、上方に向けて立設される。ガイドレール327,328は、障子12,12の下部をガイドする。室内側X2にガイドレール327が設けられ、室外側X1にガイドレール328が設けられる。
【0048】
ガイドレール327とガイドレール328との間において、室内側中空部321及び室外側中空部322の上面には、室内側中空部321、水平接続板323及び室外側中空部322のアルミニウムが露出された部分を覆うように、樹脂カバー材329が取り付けられている。樹脂カバー材329は、室内側中空部321、水平接続板323及び室外側中空部322の上面において、ガイドレール327とガイドレール328との間のレール間を覆うカバーである。
【0049】
新設下枠32の室内側X2の上部には、樹脂製のアングル部材341が取り付けられる。アングル部材341は、新設下枠32の内周側において室内側X2に設けられる。アングル部材341には、室内側化粧カバー342が取り付けられる。
【0050】
室内側化粧カバー342と額縁部材101との境目は、ネジ342aによって額縁部材101に固定される断面L字状の見切り材343によって遮蔽されている。
【0051】
新設下枠32の室外側X1の端部には、室外側カバー材325がネジ125により固定される。室外側カバー材325の下端には、室外側ヒレ部材326が取り付けられる。
【0052】
以上のように構成される改装建具1においては、従来、すでに設置されている既設下枠22の形状によっては、例えば、仮に、既設下枠22の室外側突出板225にアタッチメント下枠42を接続する構造では、使用されている既設下枠によって、レールの見込方向の位置の違いや、レールの高さの位置の違いなどの形状の違いが大きいため、異なる形状や大きさのアタッチメントを複数準備する必要があった。
【0053】
これに対して、図2に示す本実施形態のように、アタッチメント下枠42のL字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432aを既設下枠22の室内側上下方向延出板224の室外側X1の面に当接させて配置することで、室内側X2において、アタッチメント下枠42の室内側X2への移動を規制して室内外方向が位置決めされる。また、室内側X2において、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422が既設上枠21のL字接続部材228の水平板部228aの上面に配置されることにより上下方向の位置が位置決めされると共に、室外側X1において、高さ調整部材426の上下方向の位置が調整されてネジ123により固定される。
【0054】
室外側X1において高さ調整部材426の上下方向の位置が調整される場合、下方延出板425の下端部は、既設下枠22の室外側突出板225の室外側X1の面に沿って配置された状態で、屈曲段差部4262の下面は、既設下枠22の室外側突出板225の上端部に当接して支持される。これにより、室外側X1において、アタッチメント下枠42の室外側X1の下方延出板425の上下方向の位置を高さ調整部材426により位置決めすることで、アタッチメント下枠42の高さ方向の位置を位置決めできる。
【0055】
また、図2に示す既設下枠22の室内外方向の長さが長さLaであるのに対して、図3の第1実施形態の変形例に示すように、既設下枠22Aの室内外方向の長さが、図2の既設下枠22の室内外方向の長さLaよりもΔAだけ長い長さLa+ΔAである場合において、高さ調整部材426の上下方向の位置が調整されてネジ123により固定されて、高さ調整部材426の下側上下方向延在板4263の下端4263aを既設下枠22の下段部222の上面に配置できる。これにより、室外側X1において、アタッチメント下枠42の室外側X1の下方延出板425の上下方向の位置を高さ調整部材426により位置決めすることで、アタッチメント下枠42の高さ方向の位置を位置決めできる。
【0056】
よって、アタッチメント下枠42の室外側X1の端部側の部分の室内外方向の位置と上下方向の位置とを、既設下枠22の大きさに対応して位置決めすることができる。従って、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432aから下方延出板425までの長さが長さL1で形成されるアタッチメント下枠42は、図2に示すように、室内外方向の長さが長さLaの既設下枠22にも対応でき、また、図3に示すように、室内外方向の長さが長さLa+ΔAの既設下枠22Aにも対応できるため、アタッチメント下枠42の汎用性を高めることができる。
【0057】
なお、図2に示す第1実施形態の既設下枠22には設けられていないが、図3に示す第1実施形態の変形例においては、既設下枠22Aの室内側上下方向延出板224の上端には、室外側X1に突出する突出部224aが設けられている。この場合に、L字突出位置決め部43がL字状に形成されるため、L字突出位置決め部43のL字状の内側に突出部224aを配置できるため、突出部224aを避けて、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432aを既設下枠22の室内側上下方向延出板224に当接させることができる。
【0058】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の改装建具1は、建物躯体100の開口部11に設けられる既設枠2と、既設枠2の内周側に配置される新設枠3と、既設枠2及び新設枠3の間に配置されるアタッチメント4と、を備え、既設下枠22は、室内側X2に配置され上下方向に延びる室内側上下方向延出板224を有し、アタッチメント下枠42は、既設下枠22の内周側に配置され、室内外方向に延びる室内外方向延在板421と、室内外方向延在板421の既設下枠22側の面から既設下枠22側に突出すると共に室内側上下方向延出板224の室外側X1の面に当接する見込方向突出位置決め当接部432と、を有する。
【0059】
そのため、アタッチメント下枠42のL字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432aを既設下枠22の室内側上下方向延出板224の室外側X1の面に当接させて配置することで、室内側X2において、アタッチメント下枠42の室内側X2への移動を規制して室内外方向が位置決めされる。これにより、アタッチメント下枠42の内外方向の位置を室内側X2において位置決めできるため、既設下枠22の形状が異なっている場合においても、既設下枠22に対応可能なアタッチメント下枠42とすることができる。よって、既設下枠22に対応可能なアタッチメント下枠42を備えるため、既設下枠22の内周側にアタッチメント下枠42を容易に接続することができ、改装建具1を容易に施工できる。
【0060】
また、本実施形態においては、L字突出位置決め部43は、室内外方向延在板421の既設下枠22側の面から既設下枠22側に延びる下方延出板431と、下方延出板431から室外側X1に突出すると共に室内側X2の端部が既設下枠22の室内側上下方向延出板224の室外側X1の面に当接する見込方向突出位置決め当接部432と、を有する。これにより、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432が既設下枠22の室内側上下方向延出板224の室外側X1の面に当接する構成であるため、簡単に、アタッチメント下枠42の室内外方向の位置を位置決めすることができる。よって、既設下枠22の内周側にアタッチメント下枠42を容易に接続することができ、改装建具1を容易に施工できる。
【0061】
また、本実施形態においては、アタッチメント下枠42は、室外側X1において、上下方向(見付方向)の位置を調整可能に構成される。これにより、アタッチメント下枠42の上下方向(見付方向)の位置を、室外側X1において容易に調整できる。
【0062】
また、本実施形態においては、アタッチメント下枠42は、室内側X2において、上下方向(見付方向)の位置を調整可能に構成される。これにより、アタッチメント下枠42の上下方向(見付方向)の位置を、室内側X2において容易に調整できる。
【0063】
また、本実施形態においては、アタッチメント下枠は、室外側X1において、既設下枠22に支持される室内外方向の支持位置が室内外方向に変更可能に許容された状態で既設下枠22に支持される。これにより、アタッチメント下枠42の室内外方向の位置を、室内側X2において位置決めした状態で、室外側X1において、既設下枠22に支持される室内外方向の支持位置が室内外方向に変更可能に許容された状態で、アタッチメント下枠42を既設下枠22により支持することができる。よって、既設下枠22の内周側にアタッチメント下枠42を容易に接続することができ、改装建具1を容易に施工できる。
【0064】
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、図4に示すように、第1実施形態と比べて、主に、既設下枠22Bの室内外方向の長さが異なると共に、アタッチメント下枠42Bの室内外方向の長さが異なる。第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0065】
第2実施形態の既設下枠22Bの室内外方向の長さLbは、図4に示すように、第1実施形態の既設下枠22の室内外方向の長さLa(図1参照)よりも短い長さで形成される(Lb<La)。第2実施形態のアタッチメント下枠42Bは、室内外方向延在板421の下段部4213Aの室外側X1の長さが、第1実施形態におけるアタッチメント下枠42の室内外方向延在板421の下段部4213(図1参照)と比べて短く形成されている。これにより、第2実施形態の既設下枠22Bの室内外方向の長さLbは、全体として、第1実施形態の既設下枠22の室内外方向の長さLa(図1参照)よりも短い長さで形成される(Lb<La)。
【0066】
第2実施形態のアタッチメント下枠42Bは、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432aから下方延出板425までの長さが、第1実施形態の長さL1よりも短い長さL2(L2<L1)で形成されており、室内外方向の長さがLbの既設下枠22Bに対応するアタッチメント下枠である。
【0067】
アタッチメント下枠42Bは、既設下枠22Bの室内外方向の長さがL2用のアタッチメント下枠として準備されており、既設下枠22Bの室内外方向の長さが異なった場合において、既設下枠22Bの室内外方向の長さに応じて、第1実施形態と同様に、室外側X1において、既設下枠22Bに支持される室内外方向の支持位置が室内外方向に変更可能に許容された状態で、既設下枠22Bに支持される。
【0068】
具体的には、アタッチメント下枠42Bは、室外側X1において、図4に示すように、既設下枠22Bの室内外方向の長さに応じて、高さ調整部材426の屈曲段差部4262の下面が、既設下枠22の室外側突出板225の上端部に載置されて支持されてもよいし、高さ調整部材426の下側上下方向延在板4263の下端4263aが、高さ調整部材426の下側上下方向延在板4263の下端4263aの位置が室内側X2にずれた場合には、既設下枠22の下段部222の上面に配置されて支持されてもよい。
【0069】
更に、第2実施形態のアタッチメント下枠42Bは、図5に示すように、アタッチメント下枠42Xにおいて、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432X(長さ調整部)の室内外方向の長さが調整されることで構成される。
【0070】
図5に示すアタッチメント下枠42Xにおいて、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432Xは、下方延出板431から室内側X2の端部までの長さを調整可能な長さ調整部を構成する。L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432Xの下面には、室内外方向に並んで配置される1つ又は複数の切り込み部432bが形成される。そのため、任意の切り込み部432bにおいて切断することで、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432Xの室内外方向の長さを調整できる。
【0071】
これにより、アタッチメント下枠42Xの見込方向突出位置決め当接部432Xの下面に形成される1つ又は複数の切り込み部432bのうち任意の切り込み部432bにおいて切断することで、見込方向突出位置決め当接部432Xの室内外方向の長さを調整できる。
【0072】
よって、アタッチメント下枠42Xの見込方向突出位置決め当接部432Xの長さを切り込み部432bにおいて切断することで、アタッチメント下枠42Xは、L字突出位置決め部43の見込方向突出位置決め当接部432の室内側X2の端部432aから下方延出板425までの長さを、第1実施形態の室内外方向の長さがLaの既設下枠22に対応する長さL1とすることもできるし、第2実施形態の室内外方向の長さがLbの既設下枠22Bに対応する長さL2とすることもできる。
【0073】
なお、L字突出位置決め部43の下方延出板431に、上下方向(見付方向)に並んで配置される1つ又は複数の切り込み部を設けてもよい。この場合には、下方延出板431に設けられた1つ又は複数の切り込み部のうちの任意の切り込み部において切断することで、見込方向突出位置決め当接部432Xの上下方向(見付方向)の位置を調整できる。
【0074】
第2実施形態によれば、L字突出位置決め部43は、下方延出板431から室内側X2の端部までの長さを調整可能な見込方向突出位置決め当接部432Xを有する。これにより、室内外方向の長さが異なる既設下枠22,22Bに対応したアタッチメント下枠42Xとすることができる。よって、アタッチメント下枠42Xを汎用性を高めたアタッチメント下枠とすることができる。
【0075】
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、図6に示すように、第1実施形態と比べて、主に、既設下枠22Cが段差状に形成されておらず、室内側X2及び室外側X1において、上下方向の差が小さいため、アタッチメント下枠42の室内側X2において、スペーサ44により、アタッチメント下枠42の上下方向の高さを高い位置に調整されて配置される。第3実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0076】
既設下枠22Cは、室内側X2から室外側X1に向かうに従って下る下り傾斜の傾斜底板部229と、傾斜底板部229の室内側X2の端部から上方に延びる室内側上下方向延出板224と、傾斜底板部229の上面から上方に向けて立設される既設障子用のガイドレール226、227と、傾斜底板部229の室内側X2の端部から下方に突出する室内側下方突出板22cと、傾斜底板部229の室外側X1の端部から下方に突出する室外側下方突出板22dと、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材228と、を有する。
【0077】
アタッチメント下枠42は、第1実施形態と同様の形状に形成され、室内側端部延出部422が、スペーサ44を挟んで既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228aの上部に配置されており、ネジ122により、室内側端部延出板324、アタッチメント下枠42の室内側端部延出部422、スペーサ44、既設下枠22のL字接続部材228の水平板部228a及び額縁部材101が固定される。
【0078】
アタッチメント下枠42は、室内側X2において、スペーサ44により、上下方向(見付け方向)の位置を調整できる。これにより、アタッチメント下枠42は、室内側X2において、上下方向(見付方向)の位置を調整可能に構成される。よって、アタッチメント下枠42の上下方向(見付方向)の位置を、室内側X2において容易に調整できる。
【0079】
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、図7に示すように、第1実施形態と比べて、主に、既設下枠22Dの形状が異なると共に、アタッチメント下枠42の形状が異なる。第4実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0080】
既設下枠22Dは、図7に示すように、室内側X2に設けられる上段部221と、室外側X1に設けられる下段部222と、上段部221と下段部222との間に設けられる中段部223と、上段部221の室内側X2の端部から上方に延びる上段部室内側上下方向延出板231と、上段部室内側上下方向延出板231の上端部から室内側X2に突出する突出部232と、突出部232の室内側X2の端部から上下方向に延びる室内側上下方向延出板233と、下段部222の室外側X1の端部から上方に突出する室外側突出板225と、上方に向けて立設される既設障子用のガイドレール226、227と、室内側上下方向延出板224の下方側の部分から室内側X2に延びた後に下方に屈曲して突出する室内側下方突出板22aと、下段部222の下面から下方に突出する室外側下方突出板22bと、室内側X2の端部に設けられるL字接続部材228と、を有する。ガイドレール226は、上段部221と中段部223との境に設けられる。ガイドレール227は、中段部223と下段部222との境に設けられる。
【0081】
アタッチメント下枠42は、第1実施形態のL字突出位置決め部43に代えて、突出位置決め部43A(位置決め部)を有する。突出位置決め部43Aは、室内外方向延在板421の室内外方向の途中の既設下枠22側の下面から既設下枠22D側(下方側)に突出する。
【0082】
突出位置決め部43Aは、下段部4213の室内外方向の途中から既設下枠22側の下面から既設下枠22側(下方側)に所定長さ延びる下方延出板433(位置決め見付方向延在部)と、下方延出板433の室内側X2の面に設けられるブロック状のブロック部434(位置決め当接部)と、を有する。ブロック部434は、既設下枠22Dの突出部232を避けた突出部232の上方側において、下方延出板433と既設下枠22Dの室内側上下方向延出板233の室外側X1の面との間に配置され、ブロック部434の室内側X2の端部434aは、既設下枠22Dの室内側上下方向延出板233の室外側X1の面に当接して配置される。ブロック部434は、室外側X1の面が、下方延出板433に接着されることにより固定されている。
【0083】
これにより、突出位置決め部43Aのブロック部434の室内側X2の端部434aは、既設下枠22Dの室内側上下方向延出板233の室外側X1の面に当接する。突出位置決め部43Aは、ブロック部434の室内側X2の端部434aが、既設下枠22Dの室内側上下方向延出板233の室外側X1の面に当接することで、アタッチメント下枠42の室内外方向の位置決めをする。
【0084】
ブロック部434は、ピース状に形成され、既設下枠22Dの長手方向(左右方向)に並んで複数設けられる。ここで、既設下枠22Bが経年劣化などで長手方向において撓んだりした場合において、既設下枠22Bの長手方向(左右方向)の位置によっては、既設下枠22Bの室内側上下方向延出板233と突出位置決め部43Aの下方延出板433との間の隙間の大きさが異なることがある。
【0085】
このような場合に、既設下枠22Bの左右方向の位置において、既設下枠22Bの室内側上下方向延出板233と突出位置決め部43Aの下方延出板433との間の隙間の大きさが異なっている場合に、左右方向の位置における隙間の大きさに応じて、室内外方向の長さが異なる複数のブロック部434それぞれを配置することができる。
【0086】
第4実施形態によれば、突出位置決め部43Aのブロック部434が既設下枠22Dの室内側上下方向延出板233の室外側X1の面に当接する構成であるため、簡単に、アタッチメント下枠42の室内外方向の位置を位置決めすることができる。よって、既設下枠22Dの内周側にアタッチメント下枠42を容易に接続することができるため、改装建具1を容易に施工できる。
【0087】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、前記実施形態においては、改装建具1を引違い窓タイプの改装サッシに適用した場合について説明した。しかし、これに限定されない。改装建具を、例えば、回転軸を中心に戸体が回転して開閉する開閉式の改装建具や、縦辷り出し式の改装建具に適用してもよい。また、改装建具を、例えば、枠に対して開閉しないで固定してガラスが取り付けられるFIX式の改装建具に適用してもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 改装建具、2 既設枠、3 新設枠、4 アタッチメント、11 開口部、22,22A,22D,22C,22D 既設下枠(既設枠)、32 新設下枠(新設枠)、42 アタッチメント下枠(アタッチメント)、43 L字突出位置決め部(位置決め部)、43A 突出位置決め部(位置決め部)、100 建物躯体、224 室内側上下方向延出板(既設枠見付方向延在部)、233 室内側上下方向延出板、421 室内外方向延在板(アタッチメント室内外方向延在板)、431 下方延出板(位置決め見付方向延在部)、432 見込方向突出位置決め当接部(位置決め当接部)、432a 端部、433 下方延出板(位置決め見付方向延在部)、434 ブロック部(位置決め当接部)、434a 端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7