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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126333
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034639
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】山田 滉大
(72)【発明者】
【氏名】西村 博司
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】黒田 恵
(72)【発明者】
【氏名】池田 陽祐
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA04
3B166AA05
3B166AA12
3B166AA15
3B166AE02
3B166BA48
3B166BA84
3B166CA01
3B166CA02
3B166CA05
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166CD01
3B166CD15
3B166DC43
3B166DC45
3B166DC47
3B166DD06
3B166DE02
3B166DE04
3B166DE06
3B166FB01
3B166FB05
3B166GA02
3B166GA04
3B166GA12
(57)【要約】
【課題】タンク容積を確保できる洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機は、洗濯機本体と、洗濯処理剤を貯留するタンクと、洗濯機本体から出し入れ可能に設けられ、タンクが着脱可能な収容ケースと、を備え、収容ケースは、タンクの底面に対向する本体面を厚み方向に貫通して形成されタンクを上方に押し上げるための操作孔を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機本体と、
洗濯処理剤を貯留するタンクと、
前記洗濯機本体から出し入れ可能に設けられ、前記タンクが着脱可能な収容ケースと、を備え、
前記収容ケースは、前記タンクの底面に対向する本体面を厚み方向に貫通して形成され前記タンクを上方に押し上げるための操作孔を有する、
洗濯機。
【請求項2】
前記操作孔は、前記収容ケースに前記タンクを取り付けた状態で前記タンクの前後方向の中心よりも前方又は後方に位置している、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記操作孔は、前記収容ケースに前記タンクを取り付けた状態で前記タンクの左右方向の中心よりも側方に位置している、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記タンクは、左右方向に並んで複数設けられており、
前記操作孔は、各前記タンクに対応して複数設けられており、
各前記操作孔は、前記収容ケースに前記タンクを取り付けた状態で各前記タンクの左右方向の中心よりも内側に位置している、
請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記収容ケースは、前記タンクの水平方向の移動を規制するための規制部を有し、
前記操作孔は、前記規制部の近傍又は延長線上に位置している、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記収容ケースは、前記収容ケースの左右方向の側面を構成する側壁を更に有し、
前記側壁の上端は、前記収容ケースに前記タンクを取り付けた状態で前記タンクの高さ方向の中心よりも下方に位置している、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記収容ケースは、前記収容ケースの左右方向の側面を構成する側壁を更に有し、
前記側壁の内側の面は、上方に向かうにつれて前記収容ケースの外側に傾斜している、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記収容ケースは、前記操作孔に対応して設けられ、前記本体面から上方に延びる筒状の凸部を更に有する、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記タンクの前記底面には、前記凸部と嵌合可能な凹部が設けられている、
請求項8に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機のトップカバーから前方に引き出し可能に設けられたタンク支持枠に収容可能なタンクが知られている。当該タンクは、洗濯処理剤を収容するためのものであり、タンク支持枠に対して着脱の操作性を確保するための持ち手や手掛け等が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-087611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タンク及びタンク支持枠を収容するトップカバー内部のスペースは限られており、タンクに持ち手や手掛け等を形成すると、タンク容積を減少する必要が生じる。そのため、タンク内部の洗濯処理剤の収容量が制限されてしまうといった問題があった。
【0005】
そこで、タンク容積を確保できる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る洗濯機は、洗濯機本体と、洗濯処理剤を貯留するタンクと、前記洗濯機本体から出し入れ可能に設けられ、前記タンクが着脱可能な収容ケースと、を備え、前記収容ケースは、前記タンクの底面に対向する本体面を厚み方向に貫通して形成され前記タンクを上方に押し上げるための操作孔を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による洗濯機の内部構成を概略的に示す断面図
図2】第1実施形態による洗濯機について、収容ケースを前方に引き出した状態を上方から見た斜視図
図3】第1実施形態による洗濯機について、収容ケースをトップカバーに収容した状態を上部から見た斜視図
図4】第1実施形態による洗濯機について、洗剤タンク及び柔軟剤タンクを上方から見た斜視図
図5】第1実施形態による洗濯機について、タンクを取り付けた状態の収容ケースの一例を示す平面図
図6】第1実施形態による洗濯機について、タンクを取り外した状態の収容ケースの一例を示す平面図
図7】第1実施形態による洗濯機について、タンクを取り外した状態の収容ケースの他の例を示す平面図
図8】第1実施形態による洗濯機について、収容ケースの概略構成を図5のX8-X8線に沿って示す断面図
図9】第2実施形態による洗濯機について、タンクを取り外した状態の収容ケースの一例を示す平面図
図10】第3実施形態による洗濯機について、タンクを取り外した状態の収容ケースの一例を示す平面図
図11】第3実施形態による洗濯機について、タンクの凹部と収容ケースの凸部とが嵌合した状態の一例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、複数の実施形態による洗濯機について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0009】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について、図1から図8を参照して説明する。
図1に示す洗濯機1は、回転槽22の回転軸が鉛直方向を向いたいわゆる縦軸洗濯機である。洗濯機1は、縦軸洗濯機に限らず、回転槽の回転軸が水平に向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のいわゆるドラム式洗濯機であっても良い。洗濯機1は、乾燥機能を備えた構成であっても良いし、乾燥機能を備えていない構成であっても良い。洗濯機1は、図1に示すように、洗濯機本体10、外槽21、回転槽22、モータ23、撹拌翼24、排水装置25、及び給水機構30を備えている。なお、図1の左側を洗濯機1の前側とし、図1の右側を洗濯機1の後側とする。また、洗濯機1の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機1の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機1の上側とする。そして、洗濯機1の前後方向及び上下方向に対して直交する方向を左右方向とする。
【0010】
洗濯機本体10は、洗濯機1の外郭を構成している。洗濯機本体10は、箱体11、トップカバー12、バックカバー13、及び蓋14を有している。箱体11は、例えば鋼板等によって略矩形の箱状に形成されており、上側が開口している。トップカバー12は、箱体11の上部に設けられている。図1に示すように、トップカバー12は、その内側に上部開口121を有している。上部開口121は、洗濯機1の内部と外部とを連通している。
【0011】
バックカバー13は、トップカバー12の後端部及び上部の一部に設けられている。バックカバー13は、全体として洗濯機1の左右方向に長い矩形の箱状に構成されている。バックカバー13の内部には、例えば給水機構30の一部が収容されている。また、洗濯機1が乾燥機能を備える場合、バックカバー13の内部には、温風を生成するための図示しない乾燥ユニットが収容される。蓋14は、トップカバー12の上部に回動可能に設けられており、トップカバー12の上部開口121を開閉する。蓋14は、例えば全体として略矩形板状に形成された1つの蓋体で構成されている。蓋14は、蓋14の前後方向の途中部分で折れ曲がるように構成されたいわゆる2つ折式で構成しても良い。
【0012】
外槽21及び回転槽22は、いずれも円筒形状の軸方向の一方側つまり上方側が開口し、他方側つまり下方側に底部を有する、いわゆる有底円筒状に形成されている。外槽21及び回転槽22は、洗濯物を収容する洗濯物収容槽として機能する。外槽21は、箱体11の内部に配置されて図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。回転槽22は、外槽21の内部に回転可能に設けられている。回転槽22は、洗濯物を収容可能であって、モータ23によって回転駆動される。ユーザは、蓋14を開いた状態で、上部開口121を通して洗濯物を回転槽22に出し入れできる。
【0013】
モータ23は、外槽21の底部の外側に設けられており、回転槽22を回転させる。モータ23は、例えばアウトロータ型の三相ブラシレスDCモータで構成されている。撹拌翼24は、回転槽22の内底部に鉛直軸まわりに回転可能に設けられている。撹拌翼24は、モータ23と接続されておりモータ23によって回転駆動される。また、撹拌翼24は、裏側に水をかき上げる羽根部材を有しており、回転槽22と外槽21との間に設けられた図示しない循環水路を通して外槽21内の水を循環させる機能を有する。
【0014】
排水装置25は、外槽21内に貯留されている水を洗濯機1の機外へ排出する機能を有する。排水装置25は、排水弁251及び排水管252を有している。排水弁251は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。排水管252は、例えば可撓性を有するホースで構成されており、一方の端部が排水弁251に接続され、他方の端部が洗濯機1の機外に引き出されている。排水弁251が開放されると、外槽21内に貯留されていた水は、排水管252を通して洗濯機1の機外へ排出される。
【0015】
給水機構30は、例えば水道等の外部の水源に接続されて、外部の水源から供給された水を外槽21及び回転槽22内へ注水する機能を有する。給水機構30は、図1に示すように、洗濯機本体10内の上部後側に設けられている。給水機構30は、給水弁ユニット31、注水ケース32、注水ホース33、処理剤ケース34、及び自動投入装置40を有している。給水弁ユニット31は、電磁的に開閉可能な複数の給水弁を有している。給水弁ユニット31は、外部の水源から注水ケース32を介して外槽21内に至る複数の給水経路を個別に開閉する機能を有する。複数の給水経路には、処理剤ケース34を通る手動用給水経路及び自動投入装置40を通る自動用給水経路が含まれる。つまり、給水弁ユニット31には、手動用給水経路を開閉する手動用給水弁と自動用給水経路を開閉する自動用給水弁とが含まれる。
【0016】
注水ケース32は、例えば合成樹脂製で前側が開口した矩形箱状に形成されている。注水ケース32の上流側は給水弁ユニット31に接続され、下流側は注水ホース33を介して外槽21に接続されている。注水ホース33は、例えば可撓性を有するホースで構成できる。注水ホース33は、注水ケース32と外槽21とを繋ぐ部分である。外部の水源から注水ケース32内に供給された水は、注水ホース33を通って外槽21内に供給される。
【0017】
処理剤ケース34は、ユーザが洗濯処理剤を手動で投入する際に用いられ、例えば1回の洗濯運転に必要な洗濯処理剤の投入を受ける。洗濯処理剤とは、例えば粉末洗剤や液体洗剤等の洗剤、及び柔軟剤や香り付け剤等の仕上げ剤を含む。処理剤ケース34内には、詳細は図示しないが、例えば洗剤収容部と柔軟剤収容部とが左右に並んで配置されている。
【0018】
処理剤ケース34は、図2等に示すように、前面扉341を有している。前面扉341は、処理剤ケース34を前後方向へ移動させるための操作を受ける。処理剤ケース34は、前面扉341に対する操作を受けて、注水ケース32に対して前方へ引き出し可能に構成されている。処理剤ケース34内に洗濯処理剤が投入された状態で手動用給水弁が開放されて外部の水源からの水が供給されると、処理剤ケース34内に投入された洗濯処理剤は、外部の水源から供給された水と混合されて外槽21内に供給される。
【0019】
自動投入装置40は、複数回分の洗濯運転に必要な洗濯処理剤を貯留しておき、洗濯運転の進行に伴い所定量の洗濯処理剤を自動で外槽21に投入する機能を有する。自動投入装置40は、図2等に示すように、複数例えば2つのタンク41、42、収容ケース43、及び図示しないポンプ等を含んで構成されている。タンク41、42は、例えば合成樹脂製で、複数回の洗濯運転に必要な液体の洗濯処理剤を貯留できる。タンク41、42は、収容ケース43に着脱可能に構成される。洗濯運転では、タンク41、42に貯留された洗濯処理剤のうち1回分の洗濯運転に必要な所定量がポンプによって吸引されて外槽21内に自動で供給される。2つのタンクのうち一方のタンク41は洗剤を貯留するためのものであり、他方のタンク42は、柔軟剤を貯留するためのものである。以下の説明では、タンク41を洗剤タンク41と称し、タンク42を柔軟剤タンク42と称する場合がある。
【0020】
2つのタンク41、42の容積は同一であっても良いし異なっていても良い。本実施形態では、2つのタンク41、42は異なっており、柔軟剤タンク42の方が洗剤タンク41よりも容積が大きくなるように構成されている。洗剤タンク41と柔軟剤タンク42との前後方向つまり長さ方向の寸法及び上下方向つまり高さ方向の寸法は、略等しく設定されており、洗剤タンク41と柔軟剤タンク42との左右方方向つまり幅方向の寸法は、洗剤タンク41よりも柔軟剤タンク42の方が大きく設定されている。なお、自動投入装置40は、2つのタンクを有する構成に限らず、1つのタンクを有する構成であっても良い。
【0021】
タンク41、42は、図4に示すように、タンク本体411、421及びタンクカバー412、422を有している。タンク本体411、421は、上部が開口した矩形状の容器で構成されている。タンク本体411、421は、窪み部413、423を有している。窪み部413、423は、タンク本体411、421の底部前方側に設けられ、タンク本体411、421の底面41a、42aから内方に窪んで形成されている。窪み部413、423は、タンク41、42を収容ケース43に取り付けた状態で、洗剤タンク41と柔軟剤タンク42とが対向する面側の角部に設けられている。洗剤タンク41と柔軟剤タンク42とが収容ケース43に取り付けられた状態で、洗剤タンク41の窪み部413と柔軟剤タンク42の窪み部423とは、互いに対向して配置される。
【0022】
タンクカバー412、422は、タンク本体411、421の上部開口を覆うように構成されており、その上部開口を開閉可能である。タンクカバー412、422は、タンク本体411、421に対して例えばスナップフィット等によって、着脱可能に設けられる。
【0023】
収容ケース43は、例えば合成樹脂製で構成されている。収容ケース43は、図5及び図6に示すように、ケース扉431、本体面432、操作孔433、膨出部434、規制部435、及び側壁436を有している。収容ケース43は、ケース扉431、本体面432、及び側壁436によって内部に空間が形成されている。ケース扉431は、収容ケース43の前面を構成し、収容ケース43を前後方向へ移動させるための操作を受ける。収容ケース43は、ケース扉431に対する操作を受けて、トップカバー12の開口部122を介してトップカバー12から出し入れつまり前後方向へ引き出し可能に構成されている。
【0024】
図2に示すように、ユーザは、ケース扉431を操作して、収容ケース43をトップカバー12から前方へ引き出すことで、収容ケース43からタンク41、42の着脱や洗濯処理剤の補充等を行うことができる。図3に示すように、ユーザは、タンク41、42を収容ケース43に取り付けた状態で、ケース扉431を操作して、収容ケース43を後方へ押し込むことで、タンク41、42をトップカバー12内に収容できる。
【0025】
本体面432は、収容ケース43の底面を構成する。本体面432は、収容ケース43の主体を構成している。本体面432は、収容ケース43にタンク41、42を取り付けた状態で、タンク41、42の底面41a、42aに対向する。つまり、本体面432は、タンク41、42を収容可能な大きさに構成されている。操作孔433は、本体面432を厚み方向に貫通して形成されている。操作孔433は、収容ケース43に取り付けられたタンク41、42を上方に押し上げるためのものである。操作孔433は、例えば円形であって、ユーザの手指が通過可能な大きさに構成されている。操作孔433は、円形に限らず、楕円形や矩形等の他の形状であっても良い。
【0026】
操作孔433は、収容ケース43にタンク41、42を取り付けた状態で、タンク41、42の前後方向の中心O1よりも前方又は後方に位置している。本実施形態では、操作孔433は、タンク41、42の前後方向の中心O1よりも後方に設けられている。なお、操作孔433の中心が中心O1と一致しないように設けることで、操作孔433の一部が中心O1に重なるように構成しても良い。
【0027】
操作孔433は、各タンク41、42に対応して複数例えば1つずつ設けられている。操作孔433の数は、各タンク41、42に対して1つずつに限らず、複数で構成しても良い。例えば操作孔433を各タンク41、42にそれぞれ2つ設ける場合、操作孔433を各タンク41、42の前後方向の中心O1よりも前方又は後方に1つずつ設けても良い。また、操作孔433を各タンク41、42に対して複数設ける場合、操作孔433をタンク41、42の前後方向の中心O1よりも前方又は後方の一方又は両方に複数ずつ設けても良い。
【0028】
膨出部434は、収容ケース43の前面側であって、左右方向の中央付近に設けられている。膨出部434は、本体面432の一部から上方に向かって膨出して形成されている。膨出部434は、収容ケース43のケース扉431、本体面432、及び側壁436によって形成される空間内に配置される。膨出部434の上面は、例えば水平面に構成されている。膨出部434は、タンク41、42の窪み部413、423の外形形状に対応した形状に形成されている。タンク41、42を収容ケース43に取り付ける際に、窪み部413、423と膨出部434とを互いに嵌合させることで、収容ケース43に対してタンク41、42が位置決めされる。
【0029】
規制部435は、図6に示すように、収容ケース43の前端側例えば膨出部434付近に位置し、収容ケース43の左右方向に所定間隔をあけて複数この場合2つ設けられている。規制部435は、タンク41、42の水平方向の移動を規制するためのものである。規制部435は、本体面432から上方に立ち上がって形成され、前後方向に延びて構成されている。規制部435は、例えば基端側が断面矩形状で形成され、先端側が断面円形状で形成されている。
【0030】
図8に示すように、タンク41、42には、規制部435に対応した位置であって窪み部413、423に、保持部414、424が設けられている。保持部414、424は、規制部435を保持可能に構成されている。保持部414、424は、例えば所定間隔をあけて配置された2つの板状の部材で構成され、規制部435を挟み込むことができる。保持部414、424によって、規制部435が保持されることで、タンク41、42の左右方向の水平移動が規制される。なお、規制部435は、収容ケース43の前端側に限らず、収容ケース43の後端側又は側端側に設ける構成としても良い。
【0031】
規制部435は、図6に示すように、収容ケース43の左右方向において、操作孔433と重なる領域に設けられている。換言すれば、操作孔433は、規制部435の延長線上に位置している。これにより、操作孔433を介して収容ケース43からタンク41、42を取り外す際には、規制部435と保持部414、424との固定を解除しやすくなる。
【0032】
また、操作孔433は、規制部435の延長線上に位置する構成に限らず、図7の例に示すように、規制部435の近傍に位置しても良い。近傍とは、規制部435から操作孔433までの距離が操作孔433からタンク41、42の前後方向の中心O1までの距離よりも近いことを意味する。これによっても、操作孔433を介して収容ケース43からタンク41、42を取り外す際には、規制部435と保持部414、424との固定を解除しやすくできる。
【0033】
側壁436は、収容ケース43の左右方向の側面つまり左右側方の壁部を構成する。側壁436は、本体面432の側端部から立ち上がって形成されている。側壁436の上下方向の高さ寸法hは、タンク41、42の高さ方向の寸法の半分以下に設定されている。つまり、側壁436の上端436aは、図8に示すように、収容ケース43にタンク41、42を取り付けた状態で、タンク41、42の高さ方向の中心H1よりも下方に位置している。
【0034】
また、側壁436の内側の面436bつまりタンク41、42の側面に対向する面は、上方に向かうにつれて収容ケース43の外側に傾斜して形成されている。このため、側壁436の内側の面436bとタンク41、42の側面との隙間は、上方に向かうにつれて徐々に大きくなる。
【0035】
以上説明した実施形態によれば、洗濯機1は、洗濯機本体10と、タンク41、42と、収容ケース43と、を備える。タンク41、42は、洗濯処理剤を貯留する。収容ケース43は、洗濯機本体10から出し入れ可能に設けられ、タンク41、42が着脱可能である。そして、収容ケース43は、操作孔433を有する。操作孔433は、タンク41、42の底面41a、42aに対向する本体面432を厚み方向に貫通して形成され、タンク41、42を上方に押し上げるためのものである。
【0036】
これによれば、ユーザが手指を操作孔433の下方から通すことで、収容ケース43からタンク41、42を容易に取り外すことができる。これにより、収容ケース43から着脱するための持ち手をタンク41、42に形成する必要がなくなるため、タンク容積を十分に確保できる。
【0037】
操作孔433は、収容ケース43にタンク41、42を取り付けた状態で、タンク41、42の前後方向の中心O1よりも前方又は後方に位置している。これによれば、ユーザが手指を操作孔433から通してタンク41、42を上方に押し上げる際の作用点がタンク41、42の前後方向の中心O1よりも離れることで、てこの原理によって小さい力でタンク41、42を上方に押し上げることができる。これにより、収容ケース43からのタンク41、42の取り外しが容易になる。
【0038】
また、収容ケース43は、規制部435を有している。規制部435は、タンク41、42の水平方向の移動を規制するためのものである。操作孔433は、規制部435の近傍又は延長線上に位置している。これによれば、操作孔433を介して収容ケース43からタンク41、42を取り外す際に、規制部435によるタンク41、42の移動の規制を解除しやすくなるため、タンク41、42の取り外しを容易にできる。
【0039】
収容ケース43は、側壁436を更に有する。側壁436は、収容ケース43の左右方向の側面を構成する。そして、側壁436の上端436aは、収容ケース43にタンク41、42を取り付けた状態でタンク41、42の高さ方向の中心H1よりも下方に位置している。
【0040】
これによれば、収容ケース43の側壁436の高さがタンク41、42の高さ方向の中心H1よりも下の高さに位置するため、タンク41、42の上部の外側面が外部に露出する。これにより、ユーザがタンク41、42の外側面に触れやすくなり、収容ケース43からタンク41、42を着脱しやすくできる。また、操作孔433を介して収容ケース43からタンク41、42を押し上げた際にタンク41、42が側方に傾きやすくなるため、タンク41、42を取り外しやすくなる。
【0041】
また、側壁436の内側の面436bは、上方に向かうにつれて収容ケース43の外側に傾斜している。これによれば、タンク41、42と収容ケース43の側壁436との間隙間が上方に行くにしたがって大きく形成されるため、収容ケース43に対してタンク41、42を着脱する際の操作性を向上できる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図9を参照して説明する。この第2実施形態では、操作孔433の位置が上記第1実施形態と異なる。具体的には、本実施形態では、操作孔433は、収容ケース43にタンク41、42を取り付けた状態で、タンク41、42の左右方向の中心O2よりも側方に位置している。このような第2実施形態によれば、ユーザが手指を操作孔433から通してタンク41、42を上方に押し上げる際に、タンク41、42が左右方向に傾くことになる。これにより、収容ケース43からのタンク41、42の取り外しが容易になる。なお、操作孔433の中心が中心O2と一致しないように設けることで、操作孔433の一部が中心O2に重なるように構成しても良い。
【0043】
また、収容ケース43に洗剤タンク41及び柔軟剤タンク42のように複数のタンクを収容する場合、各タンク41、42に対応して設けられる各操作孔433は、収容ケース43にタンク41、42を取り付けた状態で、各タンク41、42の左右方向の中心O2よりも内側に位置している。これにより、操作孔433から各タンク41、42を押し上げた際に、各タンク41、42が収容ケース43の外側に向かって傾くことになる。よって、収容ケース43からの複数のタンク41、42の取り外しが容易になる。
【0044】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図10及び図11も参照して説明する。この第3実施形態では、収容ケース43の構成が上記各実施形態と異なる。具体的には、本実施形態では、収容ケース43は、図10に示すように、凸部437を更に有する。凸部437は、操作孔433に対応して設けられ、本体面432から上方に延びる筒状で形成される。凸部437は、操作孔433の周囲に設けられる。凸部437の形状は、操作孔433の形状と同一であっても良いし、異なっていても良い。図11に示すように、タンク41、42の底面41a、42aには、凹部415、425が設けられている。凹部415、425は、凸部437と嵌合可能である。
【0045】
このような第3実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、タンク41、42から収容ケース43の本体面432に洗濯処理剤が液だれしたとしても、凸部437によって洗濯処理剤が操作孔433から流れてしまうことを抑制できる。これにより、例えば収容ケース43の本体面432に付着した洗濯処理剤が洗濯機1の外槽21内に誤って入ってしまうことを防止しつつ、収容ケース43からのタンク41、42の取り外しの容易性を確保できる。更に、タンク41、42を収容ケース43に対して取り付ける際に、凹部415、425を凸部437に嵌合させることで、収容ケース43に対するタンク41、42の位置決め及び安定した取り付けを図ることができる。
【0046】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1…洗濯機、10…洗濯機本体、41、42…タンク、415、425…凹部、43…収容ケース、432…本体面、433…操作孔、435…規制部、436…側壁、437…凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11