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特開2024-126337エレベーターシステム、情報処理装置、情報提供方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126337
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】エレベーターシステム、情報処理装置、情報提供方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/46 20060101AFI20240912BHJP
   B66B 1/50 20060101ALI20240912BHJP
   G09B 21/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B66B1/46 A
B66B1/50 A
G09B21/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034645
(22)【出願日】2023-03-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 正樹
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HB14
3F502JA53
3F502MA01
3F502MA35
(57)【要約】
【課題】利用者が視覚情報に頼ることなくかご内の呼び登録装置を認識する上で有利な技術を提供する。
【解決手段】エレベーターシステムは、複数の行先階釦と、複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を取得するセンサ装置と、複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出するように構成された圧縮空気放出装置と、接近有無情報に基づいて、圧縮空気放出装置の動作を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、接近有無情報が複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該行先階釦の近接エリアに向かって放出する行先階パターン放出動作を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかご内に設置され、押下又は接触により指定された階床への行先呼びを登録する複数の行先階釦と、
前記複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を取得するセンサ装置と、
前記複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出するように構成された圧縮空気放出装置と、
前記接近有無情報に基づいて、前記圧縮空気放出装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記接近有無情報が前記複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する行先階パターン放出動作を実行する
ように構成されるエレベーターシステム。
【請求項2】
前記圧縮空気放出装置は、前記複数の行先階釦のそれぞれに設けられた放出口から圧縮空気を放出するように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記圧縮空気放出装置は、前記複数の行先階釦の表面に記載された行先階数字に沿って設けられた放出口から圧縮空気を放出するように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記複数の行先階釦のそれぞれに対応して設置された複数の点字銘板部を更に備え、
前記圧縮空気放出装置は、前記複数の点字銘板部に形成された点字に沿って設けられた放出口から圧縮空気を放出するように構成される請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記行先階パターン放出動作を実行する場合、前記行先階パターンとは異なる開始合図パターンの圧縮空気を当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する開始合図パターン放出動作を前記行先階パターン放出動作に先立って実行する
ように構成される請求項1から請求項4の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記行先階パターン放出動作の実行中に前記行先呼びが登録された場合、前記行先階パターン放出動作を中断するとともに前記行先階パターンとは異なる登録合図パターンの圧縮空気を当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する登録合図パターン放出動作を実行する
ように構成される請求項1から請求項4の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記動作対象釦が行先呼びを登録不可な状態である場合、前記行先階パターン放出動作の実行を禁止する
ように構成される請求項1から請求項4の何れか1項に記載に記載のエレベーターシステム。
【請求項8】
前記行先階パターンは、圧縮空気の放出強さ、放出時間、放出回数、及び放出間隔の組み合わせにより構成される請求項1から請求項4の何れか1項に記載に記載のエレベーターシステム。
【請求項9】
前記行先階パターン放出動作において、前記制御装置は、
前記センサ装置が複数の前記動作対象釦に対する被検知体の接近を同時期に検知した場合、複数の前記動作対象釦のそれぞれに対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該複数の前記動作対象釦のそれぞれの近接エリアに向かって放出する
ように構成される請求項1から請求項4の何れか1項に記載に記載のエレベーターシステム。
【請求項10】
エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出する圧縮空気放出装置を用いて、前記複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供する情報処理装置であって、
前記複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を受信する受信部と、
前記接近有無情報が前記複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、前記動作対象釦の近接エリアに向かって放出するための動作指令を生成する演算部と、
前記動作指令を前記圧縮空気放出装置に送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項11】
エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供する情報提供方法であって、
前記複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を検知する検知ステップと、
前記複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知した場合、接近を検知した行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する放出ステップと、
を備える情報提供方法。
【請求項12】
エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出する圧縮空気放出装置を用いて、前記複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供することをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を受信し、
前記接近有無情報が前記複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、前記動作対象釦の近接エリアに向かって放出するための動作指令を生成し、
生成された前記動作指令を前記圧縮空気放出装置に送信する
ことをコンピュータに実行させる
ように構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、視覚障がい者が行先呼びを登録する上で好適なエレベーターシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、視覚障がい者及び聴覚障がい者が容易にボタン操作を行えるようにした呼び操作盤に関する技術が開示されている。この技術では、エレベーター利用者の指先が点字銘板に触れていることを表す識別信号が識別手段から得られると、送風機を作動させてパイプの先端開口から空気噴流を噴射させる。これにより、視覚障害に加えて聴覚障害をも有するエレベーター利用者であっても、空気噴流を感じ取って操作ボタンがある方向を認識できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-115151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、空気噴流によって操作ボタンのある方向が案内されるが、操作ボタンに対応する階床は空気噴流自体から認識することはできず、エレベーターの利用者が点字銘板に触れることにより認識する必要がある。このため、特許文献1の技術では、点字銘板を認識することが困難なエレベーター利用者が呼び登録装置に行先階を登録する場合の行先階釦の認識において、十分な対応を行うことができないという課題がある。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、利用者が視覚情報に頼ることなくかご内の呼び登録装置を認識する上で有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のエレベーターシステムは、エレベーターのかご内に設置され、押下又は接触により指定された階床への行先呼びを登録する複数の行先階釦と、複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を取得するセンサ装置と、複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出するように構成された圧縮空気放出装置と、接近有無情報に基づいて、圧縮空気放出装置の動作を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、接近有無情報が複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する行先階パターン放出動作を実行するように構成されるものである。
【0007】
また、本開示の情報処理装置は、エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出する圧縮空気放出装置を用いて、複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供する情報処理装置であって、複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を受信する受信部と、接近有無情報が複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、動作対象釦の近接エリアに向かって放出するための動作指令を生成する演算部と、動作指令を圧縮空気放出装置に送信する送信部と、を備えるものである。
【0008】
また、本開示の情報提供方法は、エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供する情報提供方法であって、複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を検知する検知ステップと、複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知した場合、接近を検知した行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する放出ステップと、を備えるものである。
【0009】
更に、本開示のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出する圧縮空気放出装置を用いて、複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供することをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、プログラムは、複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を受信し、接近有無情報が複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、動作対象釦の近接エリアに向かって放出するための動作指令を生成し、生成された動作指令を圧縮空気放出装置に送信することをコンピュータに実行させるように構成されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術によれば、利用者が視覚情報に頼ることなくかご内の呼び登録装置を認識する上で有利な技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係るエレベーターの呼び登録装置の外観を示す正面図である。
図2図1に示す複数の行先階釦のうちの5階に対応する行先階釦及びその周囲を拡大して示した模式図である。
図3図2中のA-A断面の模式図であり、行先階パターン放出動作を説明するための図である。
図4図2中の行先階釦及びその周囲をA-A断面で切断してかご内操作盤の内部構造を模式的に示した図である。
図5】制御装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。
図6】実施の形態に係る呼び登録装置の制御装置において実行される処理のフローチャートである。
図7】制御装置のハードウェア資源の変形例を示す図である。
図8】複数の行先階釦及びその周囲を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
実施の形態.
1.エレベーターの呼び登録装置の概要
図1は、本開示のエレベーターの呼び登録装置の外観を示す正面図である。本実施の形態のエレベーターシステムとしての呼び登録装置10は、エレベーターの行先呼びを利用者が登録するシステムである。呼び登録装置10は、かご内操作盤12を備える。かご内操作盤12は、エレベーターの利用者がかご内において希望する行先階を登録操作するためのものである。かご内操作盤12は例えば矩形形状を呈し、エレベーターのかご内の側面に設けられる。なお、かご内操作盤12は、障がい者の利用を対象としているため、設置高さは、例えば、車椅子利用者の視線高さ程度とされる。
【0014】
かご内操作盤12は、エレベーターによる運行サービスが提供される各行先階に対応した複数の行先階釦14と、複数の行先階釦14に対応した複数の点字銘板部16と、を備える。複数の行先階釦14は、エレベーターの利用者によって操作される。以下の説明では、エレベーターによる運行サービスが提供される階床の階番号をk階(k=1,2,...,n)と表記し、k階を行先階に指定するための行先階釦を行先階釦14(k)(k=1,2,...,n)と表記する。行先階釦14(k)のそれぞれの表面には、行先階を表す行先階数字が付されている。行先階釦14(k)が押圧または接触されることにより行先階釦14(k)に対応付けられたk階の行先呼びが、後述する行先呼び登録装置28に登録される。この操作は以下「行先呼び登録動作」と呼ばれる。エレベーターは、登録された行先呼びに基づいて、かごの運行が制御される。
【0015】
複数の点字銘板部16は、複数の行先階釦14のそれぞれの数字を点字で表した銘板である。以下の説明では、行先階釦14(k)に対応する点字銘板部を点字銘板部16(k)(k=1,2,...,n)と表記する。点字銘板部16(k)は、対応する行先階釦14(k)の近接エリア内に配置されている。なお、かご内操作盤12には、ドアの開閉釦、非常釦等の他の釦類も配置されているが、これらの釦についての説明は省略する。
【0016】
図2は、図1に示す複数の行先階釦のうちの5階に対応する行先階釦及びその周囲を拡大して示した模式図である。なお、図2では、5階(k=5)の行先階釦14(k)を例に説明するが、他の階床に対応する行先階釦14(k)についてもその構造は同様である。
【0017】
行先階釦14(k)には、圧縮空気が放出される放出口20(k)が設けられている。放出口20(k)は、後述する圧縮空気放出装置30において圧縮された圧縮空気を行先階釦14(k)の近接エリアに向けて放出するノズルとして機能する。呼び登録装置10は、圧縮空気放出装置30を制御することにより、行先階釦14(k)に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を放出口20(k)から放出する。この動作は、以下「行先階パターン放出動作」と呼ばれる。
【0018】
行先階パターンは、圧縮空気の放出強さ、放出時間、放出回数、及び放出間隔の組み合わせによって規定される。行先階パターンの一例として、例えばk階が一桁数字の階である場合、行先階パターンは、強い短めの圧縮空気として、例えば放出時間0.5秒の強空気を規定の放出間隔を開けてk回放出するパターンとされる。他の例として、例えばk階が二桁数字の階である場合、行先階パターンは、強い長めの圧縮空気として、例えば放出時間1.0秒の強空気を規定の放出間隔を開けてk階の二桁目の数字の数だけ放出し、0.2秒の間隔を置いて、放出時間0.5秒の強空気を規定の放出間隔を開けてk階の一桁目の数字の数だけ放出するパターンとされる。なお、行先階パターンは、各階床の固有のパターンであれば、圧縮空気の放出強さ、放出時間、放出間隔、及び放出回数の組み合わせの構成に限定はない。
【0019】
また、呼び登録装置10は、行先階パターン放出動作に先立って、行先階パターン放出動作の開始合図を示す開始合図パターンの圧縮空気を放出する。この動作は、以下「開始合図パターン放出動作」と呼ばれる。
【0020】
開始合図パターンは、例えば弱い長めの圧縮空気として、放出時間1.0秒の弱空気を1回放出するパターンとされる。なお、開始合図パターンは、行先階パターンと混同しない固有の放出パターンであれば、圧縮空気の放出強さ、放出時間、放出間隔、及び放出回数の組み合わせの構成に限定はない。
【0021】
さらに、呼び登録装置10は、行先階パターン放出動作の実行中に行先呼び登録動作が行われた場合、行先階パターン放出動作を中断するとともに行先呼び登録が完了したことを示す登録合図パターンの圧縮空気を放出する。この動作は、以下「登録合図パターン放出動作」と呼ばれる。
【0022】
登録合図パターンは、例えば弱い圧縮空気を放出し続けるパターンとされる。なお、登録合図パターンは、行先階パターン及び開始合図パターンと混同しない固有の放出パターンであれば、圧縮空気の放出強さ、放出時間、放出間隔、及び放出回数の組み合わせの構成に限定はない。
【0023】
行先階釦14(k)には、行先階釦14(k)の近接エリアへの被検知体の接近有無を検知する近接センサ22(k)が設けられている。ここでの被検知体は、例えば行先階釦14を操作する利用者の操作指又は手であり、近接エリアは、行先階釦14(k)又は点字銘板部16(k)への接触を試みる利用者の操作指の接近を検知可能なセンサ範囲として予め設定された範囲である。近接センサ22(k)としては、例えば赤外線センサを用いることができる。
【0024】
図3は、図2中のA-A断面の模式図であり、行先階パターン放出動作を説明するための図である。エレベーターの利用者が視覚障がい者である場合、行先階釦14(k)に表記された数字を認識することが困難なことがある。そこで、本実施の形態の呼び登録装置10は、何れかの行先階釦14(k)に利用者の操作指が接近したことを近接センサ22(k)が検知した場合に、検知された行先階釦14(k)を動作対象釦と判断するとともに、放出口20(k)から行先階釦14(k)に対応した行先階パターン放出動作を実行する。その結果、利用者は空中伝播された行先階パターンの圧縮空気の触感から当該行先階釦14(k)に対応する行先階がk階であることを認識することが容易になる。このように、本実施の形態の呼び登録装置10によれば、利用者が視覚情報に頼ることなくかご内の呼び登録装置を認識する上で有利になる。
【0025】
また、本実施の形態の呼び登録装置10は、行先階パターン放出動作に先立って開始合図パターン放出動作を実行する。これにより、エレベーターの利用者は、行先階パターンの放出開始のタイミングを認識することができるので、空中伝播される行先階パターンの圧縮空気の放出開始を見逃さずに当該行先階釦に対応する行先階を認識することが容易になる。
【0026】
さらに、本実施の形態の呼び登録装置10は、行先階パターン放出動作の実行中に行先呼び登録動作が行われた場合に登録合図パターン放出動作を実行する。視覚障がい者は、行先階釦14(k)が呼び登録によって点灯したことを認識できないおそれがある。登録合図パターン放出動作によれば、空中伝播された登録合図パターンの圧縮空気の触感から、行先呼び登録がされたことを認識することが容易になる。
【0027】
2.エレベーターの呼び登録装置10の構成
図4は、図2中の行先階釦及びその周囲をA-A断面で切断してかご内操作盤の内部構造を模式的に示した図である。
【0028】
上述したように、それぞれの行先階釦14(k)(k=1,2,...,n)には、圧縮空気が放出される放出口20(k)が設けられている。それぞれの放出口20(k)は、空気配管31(k)を介して圧縮空気放出装置30に連通されている。圧縮空気放出装置30は、例えば吸入した空気を圧縮して放出するコンプレッサである。圧縮空気放出装置30は、それぞれの空気配管31(k)の接続部に出力選択弁32(k)を備えている。出力選択弁32(k)は、空気配管31(k)の開閉状態を調整することにより、圧縮空気の種々の放出パターンを実現する。出力選択弁32(k)によって調整可能な圧縮空気のパラメータは、圧縮空気の放出強さ、放出時間、放出間隔、及び放出回数である。圧縮空気放出装置30は、制御装置40からの動作指令に従い出力選択弁32(k)を動作させることにより、行先階パターン放出動作、開始合図パターン放出動作、及び登録合図パターン放出動作を実行する。
【0029】
それぞれの近接センサ22(k)は、かご内操作盤12の内部において、例えば空気配管31(k)内に固定されている。近接センサ22(k)は、行先階釦14(k)の近接エリア内において被検知体を検知可能であれば、その設置位置及び設置方法に限定はない。それぞれの近接センサ22(k)の検知信号は、近接センサ検知装置26へ送られる。近接センサ検知装置26は、それぞれの近接センサ22(k)の検知信号に基づいて、それぞれの行先階釦14(k)の近接エリア内への被検知体の接近有無を含む接近有無情報を生成し制御装置40に送信する。つまり、近接センサ22(k)及び近接センサ検知装置26は、接近有無情報を取得するセンサ装置として機能する。
【0030】
行先呼び登録装置28は、行先階釦14(k)が押圧または接触されることにより行先階釦14(k)に対応付けられたk階の行先呼びを登録する。登録された行先呼びは、行先呼び情報として図示しないエレベーター制御装置に送られるとともに、制御装置40にも送られる。
【0031】
制御装置40は、コンピュータとしての情報処理装置の機能を備える。典型的には、制御装置40は、1つ又は複数のプロセッサ402と、プロセッサ402に結合された1つ又は複数の記憶装置404と、を備えている。記憶装置404には、プロセッサ402で実行可能な1つ又は複数のプログラムとそれに関連する種々のデータが記憶されている。1つ又は複数のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【0032】
プロセッサ402がプログラムを実行することにより、プロセッサ402による各種処理が実行される。図5は、制御装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。図5に示すように、制御装置40は、受信部42と、演算部44と、送信部46と、を備える。受信部42は、近接センサ検知装置26から送信される接近有無情報及び行先呼び登録装置28から送信される行先呼び登録情報を受信するための機能ブロックである。演算部44は、上述した行先階パターン放出動作、開始合図パターン放出動作、及び登録合図パターン放出動作の動作指令を生成するための機能ブロックである。動作指令は、行先階釦14(k)に対応する行先階放出パターン及び放出対象となる行先階釦14(k)の情報を含む。送信部46は、演算部44において生成された動作指令をかご内操作盤12の圧縮空気放出装置30に送信するための機能ブロックである。
【0033】
3.本実施の形態に係る呼び登録装置によって実行される具体的処理
次に、フローチャートを参照して、呼び登録装置10において実行される具体的処理について説明する。図6は、実施の形態に係る呼び登録装置10の制御装置40において実行される処理のフローチャートである。このフローチャートは、エレベーターの運行中に繰り返し実行される。なお、図6に示すルーチンの処理は、複数の行先階釦14(k)の識別情報を利用者に提供する情報提供方法の一部を表してもいる。
【0034】
ステップS100では、検知ステップとして、近接センサ22(k)において被検知体が検知されたかが判定される。ここでは、接近有無情報が被検知体を検知したことを含むかどうかが判定される。その結果、判定の成立が認められない場合、ステップS100の処理が繰り返し実行され、判定の成立が認められた場合、処理はステップS102に進む。
【0035】
ステップS102では、被検知体を検知した近接センサ22(k)に対応する動作対象釦としての行先階釦14(k)が行先階登録可能釦かどうか判定される。ここでは、具体的には、エレベーター制御装置から受信する情報に基づいて、行先階釦14(k)に対応するk階が乗降を許可されたサービス提供階床であるか判定される。その結果、判定の成立が認められない場合、行先階釦14(k)に対応するk階が登録不可な階床であると判断されて、処理はステップS104に進み、判定の成立が認められた場合、処理はステップS106に進む。
【0036】
ステップS104では、k階に対応する行先階パターン放出動作が禁止され、本ルーチンは終了される。ステップS106では、k階に対応する行先階パターン放出動作に先立って、当該行先階パターン放出動作を開始することを利用者に知らせるための開始合図パターン放出動作を実行する。開始合図パターン放出動作では、例えば、放出時間1.0秒の弱空気が1回放出される。ステップS106の処理が行われると、処理はステップS108に進む。
【0037】
ステップS108では、放出ステップとして、k階に対応する行先階パターン放出動作が開始される。ステップS108において行先階パターン放出動作が開始されると、処理はステップS110に進む。
【0038】
ステップS110では、受信した行先階登録情報に基づいて、行先階釦14(k)が押下されて行先階登録されたかが判定される。予め行先階情報が分かっている健常者などの場合、行先階パターン放出動作を完了せずとも、行先階登録は可能である。その結果、判定の成立が認められない場合、処理はステップS112に進み、判定の成立が認められた場合、処理はステップS114に進む。
【0039】
ステップS112では、ステップS108において開始された行先階パターン放出動作が完了したかどうかが判定される。その結果、行先階パターン放出動作が未だ完了していない場合、処理はステップS110に戻り、行先階パターン放出動作が完了した場合、本ルーチンの処理は終了される。
【0040】
ステップS114では、登録合図パターン放出動作が実行される。ここでは、登録合図パターン放出動作として予め定められた登録合図パターンの放出動作が実行される。ここでの登録合図パターンは、例えば弱空気を放出し続ける動作である。ステップS114が実行されると、処理はステップS116に進む。
【0041】
ステップS116では、接近有無情報が被検知体を検知したことを含まなくなったかどうかが判定される。その結果、判定の成立が認められない場合、利用者の操作指が未だ行先階釦14(k)の近傍にあると判断されて、ステップS114の処理に戻り、登録合図パターン放出動作が継続される。
【0042】
一方、ステップS116において判定の成立が認められた場合、利用者の操作指が行先階釦14(k)の近傍から離れたと判断されて、処理はステップS118に進む。ステップS118では、登録合図パターン放出動作が停止されて本ルーチンは終了される。
【0043】
以上の説明から明らかなように、本実施の形態の呼び登録装置10によれば、行先階釦14(k)に付された行先階表示を認識することが困難な利用者に対して、空中伝播によって行先階釦14(k)に対応する階床がk階であることを案内することができる。これにより、視覚障がい者がかご内操作盤12を操作する際の利便性を向上させることができる。
【0044】
また、視覚障がい者は、行先呼びが登録されている行先階釦14(k)が点灯していることを認識困難な場合がある。このため、視覚障がい者は、行先呼び登録動作によって行先呼び登録が既に行われている行先階釦14(k)に対して釦操作を試みることも想定される。このような場合に、行先階パターン放出動作を実行しないこととすると、視覚障がい者は、行先呼びが登録されたかを認識することができないおそれがある。本実施の形態の呼び登録装置10によれば、制御装置40は、ステップS108の処理において、行先階釦14(k)が既に行先階登録されているかどうかに依らずに行先階パターン放出動作を実行する。このような動作によれば、利用者が視覚に頼ることなくかご内の呼び登録装置を認識する上で、更なる利便性を向上させることができる。
【0045】
4.変形例
実施の形態に係る呼び登録装置10は、以下のように変形した態様を適用してもよい。
【0046】
4-1.制御装置40
図7は、制御装置40のハードウェア資源の変形例を示す図である。図7に示す例では、制御装置40は、例えばプロセッサ402、記憶装置404、及び専用ハードウェア406を含む処理回路408を備える。図7は、制御装置40が有する機能の一部を専用ハードウェア406によって実現する例を示す。制御装置40が有する機能の全部を専用ハードウェア406によって実現しても良い。専用ハードウェア406として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【0047】
情報処理装置としての制御装置40は、エレベーターが設置された施設とは異なる遠隔地のサーバ装置に設けられてもよい。他の例として、制御装置40は、クラウド上のサーバによって実現されてもよい。制御装置40が遠隔地に設けられる場合、制御装置40は、インターネット等の通信ネットワークを介して、近接センサ検知装置26、行先呼び登録装置28、及び圧縮空気放出装置30との間でデータの送信または受信を行う。
【0048】
4-2.行先階パターン放出動作
制御装置40は、ステップS100において被検知体が複数の近接センサ22によって同時期に検知された場合、被検知体が検知された近接センサ22に対応する複数の行先階釦14から同時期に行先階パターン放出動作を実施してもよい。図8は、複数の行先階釦及びその周囲を模式的に示した断面図である。この図に示す例では、隣り合う2つの行先階釦14に対応する2つの近接センサ22によって利用者の手の平を検知した場合において、これら2つの行先階釦14の放出口20から同時期に行先階パターン放出動作を実行する様子が示されている。このような動作によれば、利用者は、複数の行先階釦14の階番号を同時に認識することが可能となる。
【0049】
なお、複数の利用者の手が、異なる近接センサ22によって同時期に検知されることも想定される。このような場合であっても、被検知体が検知された近接センサ22に対応する複数の行先階釦14から同時期に行先階パターン放出動作を実施すればよい。これにより、複数の利用者のそれぞれに対して、行先階パターン放出動作を実行することが可能となる。なお、複数の利用者に健常者と視覚障がい者とが混在していたとしても行先階パターン放出動作を実施するので、健常者及び視覚障がい者の双方にとって不都合はない。
【0050】
制御装置40は、ステップS104において行先階パターン放出動作を禁止するとともに、行先階登録不可であることをアナウンス等で放置してもよい。また、ステップS104の行先階放出パターンの禁止動作は必須の動作ではない。
【0051】
4-3.登録合図パターン放出動作及び開始合図パターン放出動作
ステップS114、S116及びS118における登録合図パターン放出動作は必須ではない。また、ステップS106における開始合図パターン放出動作も必須ではない。
【0052】
4-4.放出口20
放出口20は、行先階釦14(k)を操作又は点字銘板部16(k)を触手する指に向かって圧縮空気を放出するように放出方向が調整されていれば、必ずしも行先階釦14(k)に配置されている必要はない。例えば、放出口20は、点字銘板部16(k)に配置されていてもよい。
【0053】
また、放出口20は、行先階釦14(k)の表面に記載された行先階数字のセグメント表示に沿って設けられていてもよい。このような構成によれば、利用者は、放出される圧縮空気の放出範囲から行先階釦14(k)の行先階数字を認識することが可能となる。
【0054】
また、放出口20は、点字銘板部16(k)に形成されている行先階数字を表す点字に沿って設けられていてもよい。このような構成によれば、利用者は、放出される圧縮空気の触感から行先階釦14(k)の点字表示を認識することが可能となる。
【0055】
4-5.点字銘板部16
点字銘板部16(k)の構成は必須ではない。
【0056】
4-6.近接センサ22
近接センサ22は、行先階釦14(k)又は点字銘板部16(k)に近接した利用者の指を検知可能であれば、その配置及びセンサ種類に限定はない。
【0057】
4-7.かご内操作盤
かご内操作盤12は、車椅子利用者用かご内操作盤に限らず、縦形形状を呈し、エレベーターのかご内の袖壁に設けられる点字銘板の付いた一般用操作盤も含む。
【0058】
5.その他
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0059】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0060】
(付記1)
エレベーターのかご内に設置され、押下又は接触により指定された階床への行先呼びを登録する複数の行先階釦と、
前記複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を取得するセンサ装置と、
前記複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出するように構成された圧縮空気放出装置と、
前記接近有無情報に基づいて、前記圧縮空気放出装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記接近有無情報が前記複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する行先階パターン放出動作を実行する
ように構成されるエレベーターシステム。
(付記2)
前記圧縮空気放出装置は、前記複数の行先階釦のそれぞれに設けられた放出口から圧縮空気を放出するように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記3)
前記圧縮空気放出装置は、前記複数の行先階釦の表面に記載された行先階数字に沿って設けられた放出口から圧縮空気を放出するように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記4)
前記複数の行先階釦のそれぞれに対応して設置された複数の点字銘板部を更に備え、
前記圧縮空気放出装置は、前記複数の点字銘板部に形成された点字に沿って設けられた放出口から圧縮空気を放出するように構成される付記1に記載のエレベーターシステム。
(付記5)
前記制御装置は、
前記行先階パターン放出動作を実行する場合、前記行先階パターンとは異なる開始合図パターンの圧縮空気を当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する開始合図パターン放出動作を前記行先階パターン放出動作に先立って実行する
ように構成される付記1から付記4の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
(付記6)
前記制御装置は、
前記行先階パターン放出動作の実行中に前記行先呼びが登録された場合、前記行先階パターン放出動作を中断するとともに前記行先階パターンとは異なる登録合図パターンの圧縮空気を当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する登録合図パターン放出動作を実行する
ように構成される付記1から付記5の何れか1項に記載のエレベーターシステム。
(付記7)
前記制御装置は、前記動作対象釦が行先呼びを登録不可な状態である場合、前記行先階パターン放出動作の実行を禁止する
ように構成される付記1から付記6の何れか1項に記載に記載のエレベーターシステム。
(付記8)
前記行先階パターンは、圧縮空気の放出強さ、放出時間、放出回数、及び放出間隔の組み合わせにより構成される付記1から付記7の何れか1項に記載に記載のエレベーターシステム。
(付記9)
前記行先階パターン放出動作において、前記制御装置は、
前記センサ装置が複数の前記動作対象釦に対する被検知体の接近を同時期に検知した場合、複数の前記動作対象釦のそれぞれに対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該複数の前記動作対象釦のそれぞれの近接エリアに向かって放出する
ように構成される付記1から付記8の何れか1項に記載に記載のエレベーターシステム。
(付記10)
エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出する圧縮空気放出装置を用いて、前記複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供する情報処理装置であって、
前記複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を受信する受信部と、
前記接近有無情報が前記複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、前記動作対象釦の近接エリアに向かって放出するための動作指令を生成する演算部と、
前記動作指令を前記圧縮空気放出装置に送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
(付記11)
エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供する情報提供方法であって、
前記複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を検知する検知ステップと、
前記複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知した場合、接近を検知した行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、当該動作対象釦の近接エリアに向かって放出する放出ステップと、
を備える情報提供方法。
(付記12)
エレベーターのかご内に設置された複数の行先階釦のそれぞれの近接エリアに向かって圧縮空気を放出する圧縮空気放出装置を用いて、前記複数の行先階釦の識別情報を利用者に提供することをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記複数の行先階釦のそれぞれに対する被検知体の接近有無を含む接近有無情報を受信し、
前記接近有無情報が前記複数の行先階釦のうちの何れかの行先階釦に対する被検知体の接近を検知したことを含む場合、接近を検知された行先階釦である動作対象釦に対応付けられた固有の行先階パターンの圧縮空気を、前記動作対象釦の近接エリアに向かって放出するための動作指令を生成し、
生成された前記動作指令を前記圧縮空気放出装置に送信する
ことをコンピュータに実行させる
ように構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0061】
10 呼び登録装置、 12 かご内操作盤、 14行先階釦、 16 点字銘板部、 20 放出口、 22 近接センサ、 26 近接センサ検知装置、 28 行先呼び登録装置、 30 圧縮空気放出装置、 31 空気配管、 32 出力選択弁、 40 制御装置、 42 受信部、 44 演算部、 46 送信部、 402 プロセッサ、 404 記憶装置、 406 専用ハードウェア、 408 処理回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8