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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126338
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】アンテナ取付装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20240912BHJP
   H01Q 3/04 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01Q1/12 E
H01Q3/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034646
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】523083012
【氏名又は名称】原野 猛
(71)【出願人】
【識別番号】523083023
【氏名又は名称】金 宋泰
(71)【出願人】
【識別番号】523083034
【氏名又は名称】朴 升鐸
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100133592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】原野 猛
(72)【発明者】
【氏名】金 宋泰
(72)【発明者】
【氏名】朴 升鐸
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA06
5J021DA05
5J021GA02
5J021HA05
5J021HA10
5J047AA09
5J047AB01
5J047BF04
(57)【要約】
【課題】設置場所についての制約が小さく、俯仰角の微調整が容易なアンテナ取付装置を提供する。
【解決手段】アンテナ取付装置1は、第1の連結手段6と第2の連結手段7を備える。第2の連結手段7は本体側リンク72と支持体側リンク73を備える。更に、アンテナ取付装置1は、本体側リンク72に揺動自在に支持される第1のブロックと、支持体側リンク73に揺動自在に支持される第2のブロックとねじ軸77とを備える。第1のブロックには、ねじ軸77が螺合され、第2のブロックはねじ軸77を回転自在に支持するとともに、ねじ軸77の進退を拘束する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ本体の上下方向において離隔した2個の連結点で、前記アンテナ本体に連結されて、前記アンテナ本体をアンテナ支持体に取付けるアンテナ取付装置において、
一方端が、前記アンテナ本体に、前記連結点の一方において、第1の揺動軸周りに揺動自在に支持され、他方端が前記アンテナ支持体に固定される第1の連結手段と、
一方端が、前記アンテナ本体に、前記連結点の他方において、第2の揺動軸周りに揺動自在に支持される本体側リンクと、一方端が、前記本体側リンクの他方端に、第3の揺動軸周りに揺動自在に支持され、他方端が前記アンテナ支持体に、第4の揺動軸周りに揺動自在に支持される支持体リンクとを有する第2の連結手段と、
前記本体側リンクに、第5の揺動軸周りに揺動自在に支持される第1のブロックと、
前記支持体側リンクに、第6の揺動軸周りに揺動自在に支持される第2のブロックと、
前記第1のブロック又は前記第2のブロックの何れか一方に螺合されて、当該一方の前記ブロックに対して進退するとともに、前記第1のブロック又は前記第2のブロックの何れか他方に回転自在に支持され、当該他方の前記ブロックに対する進退が拘束されるねじ軸とを備え、
前記第1ないし第6の揺動軸が互いに平行に配置されている、
アンテナ取付装置。
【請求項2】
前記第1のブロックは、前記第1のブロックを貫通するとともに、前記ねじ軸が螺合される雌ねじ穴を備え、
前記第2のブロックは、前記ねじ軸を回転自在に支持するとともに、前記ねじ軸の前記第2のブロックに対する進退を拘束する軸受けを備える、
請求項1に記載のアンテナ取付装置。
【請求項3】
前記第1のブロックは、前記ねじ軸を回転自在に支持するとともに、前記ねじ軸の前記第1のブロックに対する進退を拘束する軸受けを備え、
前記第2のブロックは、前記第2のブロックを貫通するとともに、前記ねじ軸が螺合される雌ねじ穴を備える、
請求項1に記載のアンテナ取付装置。
【請求項4】
前記第1の連結手段が、前記第2の連結手段よりも高所に配置されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ取付装置。
【請求項5】
前記第2の連結手段が、前記第1の連結手段よりも高所に配置されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ取付装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ本体をアンテナ支持体に取付けるアンテナ取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話用基地局では、複数の送受信用アンテナを設置して、移動局、つまり携帯電話装置との間で電波の送受を行っている。携帯電話用基地局では、送受信を確実にするために、アンテナの俯仰角を調整する必要がある。そのための装置に係る複数の発明が既に公開されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、アンテナ支持体に固定されるシャフト案内部材と、シャフト案内部材に進退自在に取付けられて、その先端においてアンテナ収納容器を支持するシャフトとを有する仰角調整機構を備えるアンテナ取付装置が開示されている。このアンテナ取付装置においては、シャフトをシャフト案内部材に対して進退させることによって、アンテナの俯仰角を調整することができる。
【0004】
特許文献2には、一端部がアンテナ本体に接続される本体側リンクの他端部と、一端部がアンテナ支持体に接続される支持体側リンクの他端部とを、枢支軸にて枢支連結して構成される屈伸リンク機構を備えるアンテナ取付装置が開示されている。そして、本体側リンクの他端部と支持体側リンクの他端部の枢支軸の周囲にあって互いに重複する部位には、それぞれ複数個の係合孔が穿設されている。このアンテナ取付装置においては、本体側リンクの係合孔と支持体側リンクの係合孔の組み合わせを選択して、選択された係合孔に係合ピンを挿し込むことによって、アンテナ本体を所望の取付角度で固定することができる。
【0005】
特許文献3には、ヒンジ軸を中心に回転動作することによって、支持柱に固定される固定部とアンテナが装着される装着部との間の間隔を調整できるように構成されたアンテナ支持部を備える携帯基地局設置用架台が開示されている。この携帯基地局設置用架台においては、ヒンジ軸を中心にアンテナ支持部を回転動作させることによって、アンテナの俯仰角を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-223106号公報
【特許文献2】登録実用新案第3172757号公報
【特許文献3】登録実用新案第3211758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のアンテナ取付装置においては、シャフトがアンテナ支持体の後方に突出するので、アンテナ支持体の配置が制約されるという問題がある。つまり、アンテナ支持体の後方にシャフトと干渉する物品がある場所には、アンテナ取付装置を据え付けることができないという問題がある。例えば、構造物の壁面に特許文献1に記載のアンテナ取付装置を据え付ける場合には、シャフトとの干渉を回避するために、壁面に凹みを備える必要がある。
【0008】
特許文献2に記載のアンテナ取付装置においては、選択可能なアンテナの俯仰角が係合孔の組合わせによって限定されるので、アンテナの俯仰角を微調整できないという問題がある。また、アンテナの設置後にアンテナの俯仰角する場合には、係合ピンを係合孔から引き抜いて、別の係合孔に挿し込むまでの間、アンテナの重量を一時的に支持する手段を必要とする。そのため、アンテナの設置後にアンテナの俯仰角を変更することが難しい。
【0009】
特許文献3に記載の携帯基地局設置用架台においても、アンテナの設置後にアンテナの俯仰角を変更する場合に、アンテナの重量を一時的に支持する手段を必要とする。そのため、アンテナの設置後にアンテナの俯仰角を変更することが難しい。
【0010】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、設置場所についての制約が小さく、俯仰角の微調整が容易なアンテナ取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明に係るアンテナ取付装置は、アンテナ本体の上下方向において離隔した2個の連結点で、アンテナ本体に連結されて、アンテナ本体をアンテナ支持体に取付けるアンテナ取付装置において、一方端が、アンテナ本体に、連結点の一方において、第1の揺動軸周りに揺動自在に支持され、他方端がアンテナ支持体に固定される第1の連結手段と、一方端が、アンテナ本体に、連結点の他方において、第2の揺動軸周りに揺動自在に支持される本体側リンクと、一方端が、本体側リンクの他方端に、第3の揺動軸周りに揺動自在に支持され、他方端がアンテナ支持体に、第4の揺動軸周りに揺動自在に支持される支持体リンクとを有する第2の連結手段とを備える。
そして、本発明に係るアンテナ取付装置は、本体側リンクに、第5の揺動軸周りに揺動自在に支持される第1のブロックと、支持体側リンクに、第6の揺動軸周りに揺動自在に支持される第2のブロックと、第1のブロック又は第2のブロックの何れか一方に螺合されて、当該一方のブロックに対して進退するとともに、第1のブロック又は第2のブロックの何れか他方に回転自在に支持され、当該他方のブロックに対する進退が拘束されるねじ軸とを備える。
さらに、本発明に係るアンテナ取付装置は、第1ないし第6の揺動軸が互いに平行に配置される。
【0012】
第1のブロックは、第1のブロックを貫通するとともに、ねじ軸が螺合される雌ねじ穴を備え、第2のブロックは、ねじ軸を回転自在に支持するとともに、ねじ軸の第2のブロックに対する進退を拘束する軸受けを備えるようにしても良い。
【0013】
第1のブロックは、ねじ軸を回転自在に支持するとともに、ねじ軸の第1のブロックに対する進退を拘束する軸受けを備え、第2のブロックは、第2のブロックを貫通するとともに、ねじ軸が螺合される雌ねじ穴を備えるようにしても良い。
【0014】
第1の連結手段が、第2の連結手段よりも高所に配置されても良いし、第2の連結手段が、第1の連結手段よりも高所に配置されても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るアンテナ取付装置によれば、ねじ軸を回転させるだけで、第2の連結手段を開閉させて、アンテナ本体の俯仰角を変更することができる。そのため、アンテナ本体の俯仰角の変更を容易に行うことができる。また、第2の連結手段を開閉させる間も、第2の連結手段の開閉はねじ軸によって規制されるので、第2の連結手段を開閉させる間であっても、アンテナ本体を別途支える必要がないので、アンテナ本体の俯仰角の変更を更に容易に行うことができる。また、アンテナ支持体の後方に突出する部材が存在しないので、アンテナ取付装置の据え付け場所についての制約が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ取付装置の全体構成を示す斜視図である。
図2図1に記載のアンテナ取付装置が備える第1の連結手段の構成を示す斜視図である。
図3図1に記載のアンテナ取付装置が備える第2の連結手段の構成を示す斜視図である。
図4図1に記載のアンテナ取付装置の作用を示す図であって、(A)はアンテナ本体を下向きに傾けた状態を示す図であり、(B)はアンテナ本体を引き起こした状態を示す図である。
図5】本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ取付装置の全体構成を示す斜視図である。
図6】(A)は本発明の第1と第2の実施の形態に係る第2の連結手段の構成を示す説明図であり、(B),(C)及び(D)は変形例に係る第2の連結手段の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係るアンテナ取付装置の構成と作用を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面においては、同一または同等の部分に同一の符号を付している。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ取付装置1の全体構成を示す斜視図である。図1に示すように、アンテナ取付装置1は、アンテナ本体2の上下方向において離隔した下部連結点3と上部連結点4の2点において、アンテナ本体2に連結されて、アンテナ本体2をアンテナ支持体5に取付ける装置である。また、アンテナ取付装置1は、下部連結点3においてアンテナ取付装置1に連結される第1の連結手段6と、上部連結点4においてアンテナ取付装置1に連結される第2の連結手段7とを備えている。第1の連結手段6と第2の連結手段7の詳細な構成については後述する。
【0019】
なお、アンテナ本体2は、携帯電話の基地局に設置されて、図示しない携帯電話装置との間で相互に電波の送受を行う。また、図1においては、アンテナ本体2の外形を概念的に示している。つまり、図1は実在する携帯電話用通信アンテナの具体的な形状を示すものではない。アンテナ支持体5は携帯電話の基地局に設置されて、アンテナ本体2を支持する構造物である。図1においては、鋼管製のポールをアンテナ支持体5とする例を示している。
【0020】
図2は、アンテナ取付装置1が備える第1の連結手段6の構成を示す斜視図である。図2に示すように、第1の連結手段6はアンテナ本体2(図2において図示なし)の下部連結点3に固定される固定部61と、一方端において、固定部61に連結されて第1の揺動軸X1周りに自在に揺動する本体部62を備えている。そして、本体部62の他方端にはクランプ部63が結合されている。クランプ部63は、アンテナ支持体5(図2において図示なし)をクランプして、第1の連結手段6をアンテナ支持体5に固定する部材である。
【0021】
このように、第1の連結手段6の一方端は、下部連結点3において、アンテナ本体3に、第1の揺動軸X1周りに揺動自在に連結される。そして、第1の連結手段6の他方端はアンテナ支持体5に固定される。
【0022】
図3は、アンテナ取付装置1が備える第2の連結手段7の構成を示す斜視図である。図3に示すように、第2の連結手段7はアンテナ本体2(図3において図示なし)の上部連結点4に固定される固定部71と、固定部71に連結されて第2の揺動軸X2周りに自在に揺動する本体側リンク72と、本体側リンク72に回転支持されて第3の揺動軸X3周りに自在に揺動する支持側リンク73と、支持側リンク73に回転支持されて第4の揺動軸X4周りに自在に揺動するクランプ部74を備えている。クランプ部74は、アンテナ支持体5(図3において図示なし)をクランプして、第2の連結手段7をアンテナ支持体5に固定する部材である。
【0023】
そして、図3に示すように、本体側リンク72には第1のブロック75が回転支持されていて、第5の揺動軸X5周りに自在に揺動する。支持体側リンク73には第2のブロック76が回転支持されていて、第6の揺動軸X6周りに自在に揺動する。そして、第1のブロック75にはねじ軸77が螺合する雌ねじ(図3において、図示なし)が形成されている。ねじ軸77は第1のブロック75を貫通して、第1のブロック75に対して進退する。第2のブロック76は、ねじ軸77を回転自在に支持して、ねじ軸77の進退を拘束する図示しない軸受けを備えている。
【0024】
なお、図3に示すように、第2~6の揺動軸X2~X6は互いに平行に配置されている。また、第2~6の揺動軸X2~X6は第1の揺動軸X1(図3において図示なし)に対して平行に配置されている。
【0025】
図3に示した第2の連結手段7において、ねじ軸77を第1のブロック75が備える図示しない雌ねじに対して回転させると、ねじ軸77は第1のブロック75に対して進退する。一方、ねじ軸77の第2の第2のブロック76に対する進退は、図示しない軸受けによって拘束されているので、ねじ軸77が第1のブロック75に対して進退すると、第2のブロック76は第1のブロック75に対して接近又は離隔する。なお、第2のブロック76が第1のブロック75に対して接近又は離隔する際に、第1のブロック75と第2のブロック76は、それぞれ、第5の揺動軸X5と第6の揺動軸X6の周りに揺動する。
【0026】
第2のブロック76が第1のブロック75に対して接近又は離隔すると、本体側リンク72は支持側リンク73に対して、第3の揺動軸X3周りに揺動する。その結果、クランプ部74は固定部71に対して接近又は離隔する。
【0027】
図4は、アンテナ取付装置1の作用を示す図であって、図4(A)はアンテナ本体2を下向きに傾けた状態を示す図であり、図4(B)はアンテナ本体2を引き起こした状態を示す図である。
【0028】
ねじ軸77を回して、第1のブロック75(図4において図示なし)と第2のブロック76(図4において図示なし)の間の間隔を縮める方向に、ねじ軸77を移動させると、クランプ部74と固定部71との間の距離が拡がるので、図4(A)に示すように、アンテナ本体2が傾いて、斜め下方を指向する。ねじ軸77を更に回して、第1のブロック75と第2のブロック76の間の間隔を更に縮めると、アンテナ本体2は更に傾いて、更に下方を指向する。
【0029】
ねじ軸77を逆に回して、第1のブロック75と第2のブロック76の間の間隔を拡げる方向に、ねじ軸77を移動させると、クランプ部74と固定部71との間の距離が縮まるので、図4(B)に示すように、アンテナ本体2が引き起こされて、水平方向を指向する。ねじ軸77を更に回して、第1のブロック75と第2のブロック76の間の間隔を更に拡げると、アンテナ本体2は斜め上方を指向する。
【0030】
なお、図4(A)と図4(B)に示すように、アンテナ本体2の傾きを変更する過程において、固定部61は本体部62に対して揺動する。同時に、本体側リンク72は固定部71に対して揺動し、支持体側リンク73はクランプ部74に対して揺動する。
【0031】
このように、アンテナ取付装置1によれば、ねじ軸77を回して、ねじ軸77を第1のブロック75に対して進退させることによって、アンテナ本体2の傾きを、斜め下向きと斜め上向きの間で自在に変更することができる。つまり、アンテナ本体2が俯角を取る状態から仰角を取る状態の間で、アンテナ本体2の傾きを、自在に変更することができる。
【0032】
また、アンテナ取付装置1によれば、アンテナ本体2の傾きを調整する間も、本体側リンク72の支持側リンク73に対する揺動はねじ軸77によって拘束されるので、アンテナ本体2の不意の落下を防止するために、アンテナ本体2を別途支持する必要がない。例えば、アンテナ本体2の傾きを調整する間に、作業者が自身の腕力でアンテナ本体2を支えて、アンテナ本体2の不意の落下を防止する必要がない。そのため、アンテナ本体2の傾き調整を安全かつ容易に行うことができる。
【0033】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ取付装置1の全体構成を示す斜視図である。第1の実施の形態においては、第2の連結手段7が第1の連結手段6の上方に配置される例を示したが、上下を逆にしても良い。すなわち、図5に示すように、第1の連結手段6が第2の連結手段7の上方に配置されても良い。なお、第2の実施の形態における第1の連結手段6と第2の連結手段7の構成と作用は、前述した第1の実施の形態における第1の連結手段6と第2の連結手段7の構成と作用と同じである。
【0034】
第2の実施の形態に係るアンテナ取付装置1によっても、ねじ軸77を回して、ねじ軸77を第1のブロック75(図5において図示なし)に対して進退させることによって、アンテナ本体2の傾きを、容易かつ安全に行うことができる。
【0035】
図6(A)は本発明の第1と第2の実施の形態に係る第2の連結手段7の構成を示す説明図であり、(B),(C)及び(D)は変形例に係る第2の連結手段7の構成を示す説明図である。
【0036】
前述した第1と第2の実施の形態においては、図6(A)に示す構成を有する第2の連結手段7を例示した。すなわち、本体側リンク72において第2の揺動軸X2と第5の揺動軸X5の間に第3の揺動軸X3が配置され、支持体側リンク73において第3の揺動軸X3と第4の揺動軸X4の間に第6の揺動軸X6が配置される第2の連結手段7を例示した。
【0037】
しかしながら、第2の連結手段7は、第2~6の揺動軸X2~X6が上記の通りに配置されたものには限定されない。第2の連結手段7は、図6(B)に示すように構成されていても良い。すなわち、本体側リンク72において第2の揺動軸X2と第3の揺動軸X3の間に第5の揺動軸X5が配置され、支持体側リンク73において第6の揺動軸X6と第4の揺動軸X4の間に第3の揺動軸X3が配置されても良い。
【0038】
第2の連結手段7は、図6(C)に示すように構成されていても良い。すなわち、本体側リンク72において第2の揺動軸X2と第3の揺動軸X3の間に第5の揺動軸X5が配置され、支持体側リンク73において第3の揺動軸X3と第4の揺動軸X4の間に第6の揺動軸X6が配置されても良い。
【0039】
第2の連結手段7は、図6(D)に示すように構成されていても良い。すなわち、本体側リンク72において第2の揺動軸X2と第5の揺動軸X5の間に第3の揺動軸X3が配置され、支持体側リンク73において第6の揺動軸X6と第4の揺動軸X4の間に第3の揺動軸X3が配置されても良い。
【0040】
第2の連結手段7が、図6(B),(C)及び(D)に記載の通りに構成されている場合であっても、第1と第2の実施の形態に係るアンテナ取付装置1によれば、ねじ軸77を回すことによって、アンテナ本体2の傾きを、容易かつ安全に行うことができる。
【0041】
上記の実施の形態と変形例においては、第1のブロック75に、ねじ軸77が螺合される雌ねじを備えて、第2のブロック76に、ねじ軸77を回転自在に支持して、ねじ軸77の進退を拘束する軸受けを備える例を示したが、雌ねじと軸受けの配置は逆であっても良い。すなわち、第1のブロック75に軸受けを備えて、第2のブロック76に雌ねじを備えても良い。
【0042】
以上、説明したように、上記の各実施の形態と変形例に係るアンテナ取付装置1によれば、ねじ軸77を回すだけで、アンテナ本体2の傾きを、自在に変更することができる。また、アンテナ取付装置1によれば、アンテナ本体2の傾きを調整する間も、アンテナ本体2を別途支持する必要がない。例えば、作業者が自身の腕力でアンテナ本体2を支える必要がない。そのため、アンテナ本体2の俯仰角の調整を安全かつ容易に行うことができる。また、アンテナ支持体5の後方に突出する部材がないので、つまり、アンテナ取付装置1を構成する部材の全てがアンテナ本体2とアンテナ支持体5の間に配置されるので、アンテナ支持体5の据え付け場所についての制約が小さい。
【0043】
しかしながら、上記の各実施の形態と変形例に係るアンテナ取付装置1は、本願発明に係るアンテナ取付装置の具体的構成の例示であって、本願発明の技術的範囲は上記の各実施の形態と変形例に係るアンテナ取付装置1によっては限定されない。本願発明は、特許請求の範囲に記載の技術的思想の限りにおいて、自由に、応用、変形あるいは改良して実施することができる。
【0044】
例えば、固定部61,71の形状、寸法及び機械的構成は、例示であって、図示されたものによっては、限定されない。固定部61,71は、例えば、アンテナ本体の寸法、重量あるいはその他の条件に応じて、任意に設計することができる。
【0045】
また、第1の連結手段及び第2の連結手段は、クランプ部63及びクランプ部74を備えるものには限定されない。つまり、第1の連結手段及び第2の連結手段はアンテナ支持体に、クランプ装置でもって固定される物には限定されない。第1の連結手段及び第2の連結手段をアンテナ支持体に固定する手段は任意に選択できる。
【0046】
第1の連結手段及び第2の連結手段の、その他の機械的な構成も上記において例示されたものには限定されない。第1の連結手段及び第2の連結手段の機械的・具体的構成は、任意に設計することができる。
【0047】
上記において、アンテナ本体の具体例として、携帯電話の基地局に設置されて、移動局との間で相互に電波の送受を行うアンテナ本体2を例示したが、本願発明に係るアンテナ取付装置は携帯電話の基地局に設置されるものには限定されない。本願発明に係るアンテナ取付装置に取付けられるアンテナ本体は基地局と移動局との間で相互に電波の送受を行うものには限定されない。
【0048】
なお、本願発明において「アンテナ本体」は「アンテナ支持体」と対立する概念であって、狭義のアンテナ本体、つまり、直接に電波の送受を行うアンテナ素子には限定されない。要するに「アンテナ支持体」に支持される装置であって、電波の送受を行う機能を有する装置は、本願発明における「アンテナ本体」に該当する。
【0049】
単数又は複数個のアンテナ素子、あるいは単数又は複数個のアンテナ素子と付属機器を1個の筐体あるいは枠体に取付けて構成されるユニットあるいはモジュールも本願発明における「アンテナ本体」に含まれる。例えば、特許文献1の図1に記載の「アンテナ収納容器5」と「アンテナ収納容器5」内に収納される「送・受信アンテナ素子53」と「電子機器54」を含む全体が本願発明における「アンテナ本体」に相当する。
【符号の説明】
【0050】
1 アンテナ取付装置、2 アンテナ本体、3 下部連結点、4 上部連結点、5 アンテナ支持体、6 第1の連結手段、61 固定部、62 本体部、63 クランプ部、7 第2の連結手段、71 固定部、72 本体側リンク、73 支持側リンク、74 クランプ部、75 第1のブロック、76 第2のブロック、77 ねじ軸、X1~X6 第1~第6の揺動軸


図1
図2
図3
図4
図5
図6