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特開2024-126347画像読み取り装置および画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126347
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】画像読み取り装置および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/12 20060101AFI20240912BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240912BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240912BHJP
   G03B 27/62 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04N1/12
H04N1/00 002A
G03G21/00 310
G03B27/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034662
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】下永 明男
【テーマコード(参考)】
2H012
2H134
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
2H012CC11
2H134GA08
2H134GB01
2H134GB05
2H134HF06
2H134KH01
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC09
5C062AC55
5C062AE01
5C062BD01
5C072AA01
5C072BA13
5C072CA02
5C072DA02
5C072DA12
5C072DA21
5C072DA23
5C072EA04
5C072FB12
5C072NA01
5C072RA16
5C072SA03
5C072UA02
5C072UA11
5C072UA13
5C072WA02
5C072XA03
(57)【要約】
【課題】回転体の回転が行われる際に、回転体の外周面から突出する突出部の先端部の方が根元部よりも回転体の回転方向における下流側に位置する場合に比べ、回転体の外周面から突出する突出部の損傷を生じにくくする。
【解決手段】上側回転体51の外周面51Rから、弾性体400の一部が突出した状態となっており、弾性体400のこの一部によって、上側回転体51の外周面51Rから突出する突出部610が設けられている。上側回転体51のうちの、下側画像読み取り部222に対向する部分の切り替えを行って、他のモードに切り替える場合、上側回転体51は、矢印5Aで示す方向である一方向への回転を行う。上側回転体51のこの回転方向において、根元部610Bの方が先端部610Aよりも下流側に位置する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路の一方側に配置され、当該搬送経路を搬送される記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り手段と、
回転可能に設けられ、前記搬送経路を挟み前記画像読み取り手段の設置側とは反対側に配置され、一方向への回転を行う回転体と、
前記回転体の外周面から突出し、当該回転体の周方向における位置が互いに異なる根元部と先端部とを有し、当該根元部の方が当該先端部よりも当該回転体の回転方向における下流側に位置する突出部と、
を備える画像読み取り装置。
【請求項2】
予め定められた条件が満たされた場合、前記一方向とは逆方向への前記回転体への回転であって360°未満の回転が行われ、
前記逆方向への前記360°未満の前記回転体の回転が行われる際、前記画像読み取り手段の対向位置を前記突出部が通過しない、
請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記逆方向への前記360°未満の前記回転体の回転が行われる際に前記突出部が通過する経路の脇には、当該突出部に接触する部材が設けられていない、
請求項2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、
前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる場合、前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われる、
請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われる場合の当該回転体の回転角度が、360°未満となっている、
請求項4に記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、
前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる際、前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われて、当該清掃部材が当該被清掃箇所を通過し、
前記逆方向への前記回転体の回転が行われる場合、前記突出部が前記被清掃箇所の対向位置に達する前に、当該逆方向への当該回転体の回転が終了する、
請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記逆方向への前記回転体の回転が行われて前記清掃部材が前記被清掃箇所を通過する際、当該清掃部材が、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向における下流側に向かって移動する請求項6に記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、
前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる際、前記一方向とは逆方向への前記回転体への回転が行われて、当該清掃部材が当該被清掃箇所を通過し、
前記逆方向への前記回転体への回転が開始される際、当該回転体の外周面のうちの、前記被清掃箇所の対向箇所に位置する部分である対向部分と前記清掃部材の設置箇所との間の領域から外れた箇所に、前記突出部が位置する、
請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
前記逆方向への前記回転体の回転に伴い移動する前記突出部が前記被清掃箇所の対向位置に達する前に、当該逆方向への当該回転体の回転が終了する、
請求項8に記載の画像読み取り装置。
【請求項10】
前記回転体の前記外周面には、当該回転体と前記画像読み取り手段との間を前記記録媒体が通る際に当該画像読み取り手段に対向配置される対向部と、当該画像読み取り手段の校正に用いられ当該画像読み取り手段により読み取られる校正用部材と、当該画像読み取り手段の清掃を行う清掃部材とが設けられ、
前記回転体の周方向において、前記清掃部材と前記校正用部材との間に、前記対向部が設けられていない請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項11】
前記突出部が、前記画像読み取り手段の対向位置に配置されている際、当該突出部は、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向における下流側に向かうに従い当該画像読み取り手段側に次第に接近するように傾斜した状態で配置される、
請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項12】
前記突出部は、板状の弾性体により構成されている、
請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項13】
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、当該画像形成手段により記録媒体に形成された画像の読み取りを行う画像読み取り装置とを備え、当該画像読み取り装置が請求項1乃至12の何れかに記載の画像読み取り装置を含んで構成された画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラテンガラスの原稿通過面側の離隔上方に、本体部とブラシ部とを有する清掃部材を回動自在に設けた構成が開示されている。
特許文献2には、プラテンガラスとブラシ部が接触する領域よりも清掃部材の回転方向下流側に、ブラシ部と接触する板状部材を設けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-4414号公報
【特許文献2】特開2010-4415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録媒体上の画像を読み取る画像読み取り装置では、例えば、回転体とこの回転体の対向位置に配置された画像読み取り手段との間を記録媒体が通過する構成を採用することができる。また、画像読み取り装置では、回転体に、回転体の外周面から突出する突出部を設ける構成を採用することができる。
ここで、回転体の回転が行われる際に、突出部の先端部の方が根元部よりも回転体の回転方向における下流側に位置すると、突出部が、回転体の周囲に配置された部材に引っ掛かりやすくなる。この場合、突出部の損傷を招くおそれがある。
本発明の目的は、回転体の回転が行われる際に、回転体の外周面から突出する突出部の先端部の方が根元部よりも回転体の回転方向における下流側に位置する場合に比べ、回転体の外周面から突出する突出部の損傷を生じにくくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送経路の一方側に配置され、当該搬送経路を搬送される記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り手段と、回転可能に設けられ、前記搬送経路を挟み前記画像読み取り手段の設置側とは反対側に配置され、一方向への回転を行う回転体と、前記回転体の外周面から突出し、当該回転体の周方向における位置が互いに異なる根元部と先端部とを有し、当該根元部の方が当該先端部よりも当該回転体の回転方向における下流側に位置する突出部と、を備える画像読み取り装置である。
請求項2に記載の発明は、予め定められた条件が満たされた場合、前記一方向とは逆方向への前記回転体への回転であって360°未満の回転が行われ、前記逆方向への前記360°未満の前記回転体の回転が行われる際、前記画像読み取り手段の対向位置を前記突出部が通過しない、請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項3に記載の発明は、前記逆方向への前記360°未満の前記回転体の回転が行われる際に前記突出部が通過する経路の脇には、当該突出部に接触する部材が設けられていない、請求項2に記載の画像読み取り装置である。
請求項4に記載の発明は、前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる場合、前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われる、請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項5に記載の発明は、前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われる場合の当該回転体の回転角度が、360°未満となっている、請求項4に記載の画像読み取り装置である。
請求項6に記載の発明は、前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる際、前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われて、当該清掃部材が当該被清掃箇所を通過し、前記逆方向への前記回転体の回転が行われる場合、前記突出部が前記被清掃箇所の対向位置に達する前に、当該逆方向への当該回転体の回転が終了する、請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項7に記載の発明は、前記逆方向への前記回転体の回転が行われて前記清掃部材が前記被清掃箇所を通過する際、当該清掃部材が、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向における下流側に向かって移動する請求項6に記載の画像読み取り装置である。
請求項8に記載の発明は、前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる際、前記一方向とは逆方向への前記回転体への回転が行われて、当該清掃部材が当該被清掃箇所を通過し、前記逆方向への前記回転体への回転が開始される際、当該回転体の外周面のうちの、前記被清掃箇所の対向箇所に位置する部分である対向部分と前記清掃部材の設置箇所との間の領域から外れた箇所に、前記突出部が位置する、請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項9に記載の発明は、前記逆方向への前記回転体の回転に伴い移動する前記突出部が前記被清掃箇所の対向位置に達する前に、当該逆方向への当該回転体の回転が終了する、請求項8に記載の画像読み取り装置である。
請求項10に記載の発明は、前記回転体の前記外周面には、当該回転体と前記画像読み取り手段との間を前記記録媒体が通る際に当該画像読み取り手段に対向配置される対向部と、当該画像読み取り手段の校正に用いられ当該画像読み取り手段により読み取られる校正用部材と、当該画像読み取り手段の清掃を行う清掃部材とが設けられ、前記回転体の周方向において、前記清掃部材と前記校正用部材との間に、前記対向部が設けられていない請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項11に記載の発明は、前記突出部が、前記画像読み取り手段の対向位置に配置されている際、当該突出部は、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向における下流側に向かうに従い当該画像読み取り手段側に次第に接近するように傾斜した状態で配置される、請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項12に記載の発明は、前記突出部は、板状の弾性体により構成されている、請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項13に記載の発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、当該画像形成手段により記録媒体に形成された画像の読み取りを行う画像読み取り装置とを備え、当該画像読み取り装置が請求項1乃至12の何れかに記載の画像読み取り装置を含んで構成された画像形成システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、回転体の回転が行われる際に、回転体の外周面から突出する突出部の先端部の方が根元部よりも回転体の回転方向における下流側に位置する場合に比べ、回転体の外周面から突出する突出部の損傷を生じにくくすることができる。
請求項2の発明によれば、逆方向への回転体の回転が行われる際に、画像読み取り手段の対向位置を突出部が通過しないようにすることができる。
請求項3の発明によれば、逆方向への回転体の回転が行われる際に、移動する突出部に対して他の部材が接触することを生じないようにすることができる。
請求項4の発明によれば、清掃部材による被清掃箇所の清掃が行われる場合に、回転体の逆転が行われるようにすることができる。
請求項5の発明によれば、逆方向への回転体の回転が行われる際に、画像読み取り手段の対向位置を突出部が通過しないようにすることができる。
請求項6の発明によれば、逆方向への回転体の回転が行われる際に、被清掃箇所の対向位置を突出部が通過しないようにすることができる。
請求項7の発明によれば、清掃部材が、搬送手段による記録媒体の搬送方向における上流側に向かって移動する場合に比べ、被清掃箇所の汚れを低減することができる。
請求項8の発明によれば、逆方向への回転体の回転が行われて清掃部材が被清掃箇所へ向かう際に、被清掃箇所の対向位置を突出部が通過しないようにすることができる。
請求項9の発明によれば、逆方向への回転体の回転に伴い移動する突出部が、被清掃箇所の対向位置に達しないようにすることができる。
請求項10の発明によれば、清掃部材と校正用部材との間に対向部が設けられている場合に比べ、清掃部材による画像読み取り手段の清掃が行われてから、画像読み取り手段の対向位置に校正用部材が配置されるまでの間に画像読み取り手段に付着する汚れを低減できる。
請求項11の発明によれば、移動する記録媒体を画像読み取り手段が位置する側へ移動させることが可能となる。
請求項12の発明によれば、突出部に対して記録媒体からの負荷が作用した場合に、突出部を退避させることが可能となり、記録媒体の詰まりを生じさせずに、記録媒体の搬送を行えるようになる。
請求項13の発明によれば、回転体の回転が行われる際に、回転体の外周面から突出する突出部の先端部の方が根元部よりも回転体の回転方向における下流側に位置する場合に比べ、回転体の外周面から突出する突出部の損傷を生じにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成システムの全体構成を示した図である。
図2】制御部のハードウェアの構成例を示した図である。
図3】画像形成装置を説明する図である。
図4】検査装置の縦断面図であって、上側回転体の設置箇所における検査装置の縦断面図である。
図5】上側回転体および光透過部の拡大図である。
図6】上側回転体の斜め下方から上側回転体等を見た場合の状態を示した図である。
図7】上側回転体の下方から且つ図5の矢印VIIで示す方向から上側回転体を見た場合の図である。
図8】下側画像読み取り部による画像の読み取り範囲を示した図である。
図9】弾性体の変形例を示した図である。
図10】(A)~(D)は、上側回転体の回転を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、画像形成システム1の全体構成を示した図である。
本実施形態の画像形成システム1には、記録媒体の一例である用紙Pに対して画像を形成する画像形成装置100、画像形成装置100によって用紙P上に形成された画像を検査する検査装置200、検査装置200から排出された用紙Pを収容する用紙収容装置300が設けられている。
【0009】
画像形成システム1は、用紙P上に形成された画像を検査する機能を有しており、画像検査システムとして捉えることもできる。
また、検査装置200は、記録媒体の一例である用紙Pを搬送する機能を有しており、記録媒体搬送装置として捉えることができる。また、検査装置200は、用紙Pに形成された画像を読み取る機能を有しており、画像読み取り装置として捉えることもできる。
【0010】
画像形成手段として機能する画像形成装置100は、不図示のPC(Personal Computer)などから、形成される画像の元となる画像データを取得する。
画像形成装置100は、取得したこの画像データに基づき、トナーなどの材料を用いて、記録媒体の一例である用紙Pに対して画像を形成する。
なお、用紙Pに画像を形成する機構は、特に限定されない。用紙Pへの画像の形成は、例えば、電子写真方式や、インクジェット方式が用いられて行われる。
【0011】
検査装置200には、画像形成装置100から排出された用紙Pが搬送される搬送経路の一例としての用紙搬送経路Rが設けられている。
また、検査装置200には、用紙搬送経路Rに沿って用紙Pを搬送する搬送手段の一例としての複数の搬送ロール213が設けられている。本実施形態では、この複数の搬送ロール213によって、用紙Pが下流側へ搬送される。
【0012】
本実施形態では、搬送ロール213として、用紙Pの搬送方向において最も上流側に配置された上流側搬送ロール213Aが設けられている。また、用紙Pの搬送方向において最も下流側には、下流側搬送ロール213Dが設けられている。
さらに、上流側搬送ロール213Aと下流側搬送ロール213Dとの間には、第1中間搬送ロール213Bと、この第1中間搬送ロール213Bよりも下流側に配置された第2中間搬送ロール213Cとが設けられている。
【0013】
搬送ロール213の各々は、回転駆動を行う駆動ロール31Aと、この駆動ロール31Aに押し当てられこの駆動ロール31Aから駆動力を受けて回転する従動ロール31Bとにより構成されている。
従動ロール31Bは、駆動ロール31Aと従動ロール31Bとが接触する接触部にて、駆動ロール31Aから駆動力を受ける。従動ロール31Bは、駆動ロール31Aの回転に伴い、この駆動ロール31Aから駆動力を受けて回転する。
【0014】
また、検査装置200には、用紙Pに形成された画像を読み取る画像読み取り部220が設けられている。
本実施形態では、この画像読み取り部220として、画像読み取り手段の一例としての上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222が設けられている。
上側画像読み取り部221は、用紙搬送経路Rよりも上方に配置されている。上側画像読み取り部221は、用紙Pが有する2つ面のうちの一方の面の一例である上側の面に形成された画像を読み取る。
【0015】
また、下側画像読み取り部222は、用紙搬送経路Rよりも下側に配置されている。下側画像読み取り部222は、用紙Pが有する2つ面のうちの他方の面の一例である下側の面に形成された画像を読み取る。
さらに、検査装置200には、制御部240が設けられている。制御部240は、検査装置200に設けられた各部の制御を行う。
【0016】
上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222の各々には、用紙Pに光を照射する光源225、用紙Pからの反射光を受光する受光部226、用紙Pからの反射光を反射し受光部226にこの反射光を向かわせる光反射部材227が設けられている。
受光部226には、フォトダイオードなどにより構成される複数の受光素子226Aが設けられており、用紙Pからの反射光は、この複数の受光素子226Aにて受光される。
複数の受光素子226Aは、一方向に沿って並んでいる。具体的には、図1の紙面に対して直交する方向に沿って並んでいる。
言い換えると、複数の受光素子226Aは、検査装置200における用紙Pの搬送方向と直交し且つ搬送される用紙Pの厚み方向と直行する方向に沿って並んでいる。
【0017】
また、上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222の各々には、光反射部材227からの反射光を、受光部226に結像させるレンズなどの結像光学系228が設けられている。
本実施形態では、上側画像読み取り部221および下側画像読み取り部222の各々は、縮小光学系を備える画像読み取り部となっている。
また、本実施形態では、用紙搬送経路Rを挟み、下側画像読み取り部222の設置側とは反対側に、回転可能な上側回転体51が設けられている。また、用紙搬送経路Rを挟み、上側画像読み取り部221の設置側とは反対側に、回転可能な下側回転体52が設けられている。
さらに、本実施形態では、上側回転体51を回転させるための駆動源である駆動モータ(不図示)、下側回転体52を回転させるための駆動源である駆動モータ(不図示)が設けられている。
【0018】
図2は、制御部240のハードウェアの構成例を示した図である。制御部240は、コンピュータにより実現される。
制御部240は、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、情報を記憶する2次記憶部19とを有する。
2次記憶部19は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0019】
演算処理部11には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。
また、演算処理部11には、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cが設けられている。
また、演算処理部11には、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される通信部等の各部を制御するインターフェース部11eが設けられている。
【0020】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。2次記憶部19には、演算処理部11により実行されるプログラムなどの各種の情報が記憶される。
本実施形態では、演算処理部11が、ROM11cや2次記憶部19に記憶されたプログラムを読み込むことによって、検査装置200にて行われる処理が実行される。
【0021】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、検査装置200へ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、検査装置200へ提供してもよい。
【0022】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0023】
図1を参照して画像形成システム1についてさらに説明する。
用紙収容装置300には、筐体310が設けられている。また、用紙収容装置300には、用紙積載部320が設けられている。
用紙積載部320は、筐体310の内部に設置され、本実施形態では、検査装置200から順次排出されてくる用紙Pが、この用紙積載部320に積載される。
さらに、用紙収容装置300には、検査装置200から排出されてくる用紙Pをこの用紙積載部320に送り出す送り出しローラ330が設けられている。
【0024】
図3は、画像形成装置100を説明する図である。
なお、図3では、画像形成装置100の一例を示しており、画像形成装置100の装置構成は、図3に示すものに限られない。図3に示す画像形成装置100は、いわゆる電子写真方式を用いて画像を形成する装置であるが、画像形成装置100は、例えば、インクジェット方式を用いて画像を形成する装置であってもよい。
また、画像形成装置100は、電子写真方式、インクジェット方式以外の他の方式を用いて画像を形成する装置であってもよい。
【0025】
画像形成装置100には、画像形成部10、用紙搬送部20、制御部40が設けられている。
画像形成部10は、画像形成ユニット11(11Y,11M,11C,11K)と、中間転写ベルト12と、二次転写部13と、定着器14とを備える。
本実施形態では、画像形成ユニット11として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナーのそれぞれに対応した4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kが設けられている。
【0026】
4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、中間転写ベルト12の移動方向において並んで配置されており、電子写真方式によりトナー像を形成する。
4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの各々には、感光体ドラム111、帯電部112、露光部113、現像部114、一次転写部115が設けられている。
4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの各々は、YMCKの何れかの色のトナー像を形成するとともに、形成したこのトナー像を中間転写ベルト12に転写する。これにより、中間転写ベルト12上には、YMCKの各色のトナー像が重ねられたトナー像が形成される。
【0027】
感光体ドラム111は、予め定めた速度で図中矢印A方向に回転する。帯電部112は、感光体ドラム111の周面を予め定めた電位に帯電する。露光部113は、帯電した感光体ドラム111の周面に光を照射し、感光体ドラム111の周面に静電潜像を形成する。
現像部114は、感光体ドラム111の周面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。一次転写部115は、感光体ドラム111の周面に形成されたトナー像を中間転写ベルト12に転写する。
【0028】
一次転写部115には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより、感光体ドラム111の周面に形成されたトナー像が、中間転写ベルト12上に順次静電吸引される。この結果、中間転写ベルト12上には、1つに重なり合ったカラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト12は、複数のロール状部材によって支持されている。中間転写ベルト12は、図中矢印B方向に循環移動するベルト状の部材である。
【0029】
本実施形態では、ロール状部材として、不図示のモータにより駆動され中間転写ベルト12を駆動する駆動ロール121、中間転写ベルト12に対して張力を与えるテンションロール122、中間転写ベルト12を支持するアイドルロール123、およびバックアップロール132が設けられている。
【0030】
用紙搬送部20には、複数枚の用紙Pが積み重ねられた状態で収容される用紙収容部21、用紙収容部21に収容された用紙Pを取り出して搬送するピックアップロール22が設けられている。
また、用紙搬送部20には、ピックアップロール22にて取り出された用紙Pを用紙搬送経路60に沿って搬送する搬送ロール23、搬送ロール23により搬送されてきた用紙Pを二次転写部13へ案内する案内部24が設けられている。
また、用紙搬送部20には、二次転写後の用紙Pを定着器14へと搬送する搬送ベルト25が設けられている。
【0031】
二次転写部13には、中間転写ベルト12の外側の面に対し接触して配置される二次転写ロール134と、中間転写ベルト12の内側に配置され二次転写ロール134の対向電極をなすバックアップロール132とが設けられている。
また、本実施形態では、バックアップロール132に対し二次転写バイアスを印加する金属製の給電ロール133が設けられている。
二次転写部13では、中間転写ベルト12上に形成されたトナー像が、搬送されてきた用紙P上に転写される。
【0032】
定着器14は、二次転写部13よりも用紙Pの搬送方向における下流側に配置されている。定着器14には、加熱源(不図示)を有する定着ロール141、定着ロール141に対向するように設けられこの定着ロールを押圧する加圧ロール142が設けられている。
本実施形態では、定着ロール141と加圧ロール142との間に、二次転写部13を通過した用紙Pが搬送され、用紙P上の未定着のトナー像は、溶融されたうえで用紙P上に定着される。これにより、用紙P上に、トナー像からなる画像が形成される。
【0033】
また、本実施形態の画像形成装置100では、用紙Pの両面への画像の形成を行えるようになっており、用紙Pの両面への画像の形成に用いられる反転搬送経路61が設けられている。
この反転搬送経路61は、定着器14の下流側にて、用紙搬送経路60から分岐する形で設けられている。反転搬送経路61は、用紙搬送経路60との接続部2Aを始点した場合に、図中左方向へ向かい、二次転写部13よりも上流側にて、この用紙搬送経路60に合流する。
【0034】
用紙Pの両面への画像の形成が行われる場合は、一方の面に画像が形成された後の用紙Pを、接続部2Aよりも下流側まで一旦搬送する。その後、用紙Pの搬送方向を逆転し、用紙Pの搬送方向における後端部にそれまで位置していた端部を先頭として、この用紙Pを反転搬送経路61へ送り込む。
そして、この用紙Pを、反転搬送経路61を経由させて、二次転写部13へ再度供給する。
【0035】
これにより、二次転写部13では、用紙Pの他方の面に対してトナー像が転写される。その後、この用紙Pは、定着器14に向かい、定着器14では、用紙Pへのトナー像の定着が行われる。この処理により、用紙Pの両面に画像が形成される。
なお、用紙Pの両面への画像の形成の態様はこれに限られない。例えば、用紙Pの一方の面および他方の面のそれぞれに対応させて画像形成部を設け、用紙Pの面毎に設けられた画像形成部を用い、用紙Pの両面への画像形成を行ってもよい。
【0036】
図4は、検査装置200の縦断面図であって、上側回転体51の設置箇所における検査装置200の縦断面図である。
より具体的には、図4は、上側回転体51の軸方向に直交する面であって上側回転体51の一端部51Aに近い側を通る面における検査装置200の断面図を示している。
本実施形態では、回転体の一例としての上側回転体51は、軸方向における位置が互いに異なる一端部51Aおよび他端部51Bを有する。図4では、この一端部51Aに近い側に位置する鉛直面における検査装置200の断面の状態を示している。
なお、以下では、上側回転体51、下側画像読み取り部222について説明するが、下側回転体52(図1参照)、上側画像読み取り部221も、上側回転体51、下側画像読み取り部222と同様の構成を有する。
【0037】
本実施形態では、画像読み取り手段の一例としての下側画像読み取り部222は、用紙搬送経路Rの一方側である下側に配置されている。下側画像読み取り部222は、用紙搬送経路Rを搬送される用紙Pの一方の面に形成された画像を読み取る。
下側画像読み取り部222には、用紙搬送経路Rの一方側である下側に配置され用紙Pからの反射光が透過する光透過部63が設けられている。この光透過部63は、板状の部材である。光透過部63は、ガラスなどにより構成される。なお、光透過部63は、光を透過可能な材質であれば、ガラス以外の他の素材を用いてもよい。
さらに、下側画像読み取り部222には、光透過部63の周囲に配置された配置部材64が設けられている。本実施形態では、この配置部材64によって光透過部63が支持される。
【0038】
本実施形態では、用紙搬送経路Rを挟み、下側画像読み取り部222の設置側とは反対側に、上側回転体51が設けられている。上側回転体51は、回転可能な状態で設けられている。
上側回転体51は、多角形状に形成され、上側回転体51の外周面には、上側回転体51の周方向に並んだ複数の平面51Cが設けられている。
この複数の平面51Cは、上側回転体51の周方向における位置が互いに異なるように配置されている。また、この複数の平面51Cの各々は、上側回転体51の径方向における外側方向を向くように配置されている。言い換えると、この複数の平面51Cの各々は、上側回転体51の回転軸51Xが位置する側とは反対側を向くように配置されている。
【0039】
本実施形態では、複数設けられた平面51Cのうちの一部の平面51Cに対し、校正用部材の一例としての、白色の白色基準板HKが設けられている。また、本実施形態では、他の一部の平面51Cに対し、校正用部材の他の一例としての色校正板EKが設けられている。
白色基準板HKおよび色校正板EKは、長尺状に形成されるとともに上側回転体51の軸方向に沿って設けられている。色校正板EKには、例えば、色が異なる複数のカラーパッチが、上側回転体51の軸方向に並んで配置されている。
本実施形態では、用紙Pが搬送されていないときに、白色基準板HKや色校正板EKを、下側画像読み取り部222に対向させる。そして、下側画像読み取り部222による白色基準板HKや色校正板EKの読み取りが行われる。
【0040】
そして、本実施形態では、下側画像読み取り部222によるこの読み取りの結果を基に、下側画像読み取り部222の校正が行われる。
具体的には、この読み取りの結果を基に、例えば、下側画像読み取り部222による読み取りにより得られる画像データの補正に用いられる補正用パラメータの生成や、下側画像読み取り部222が画像の読み取りを行う際の読み取り条件の変更が行われる。
【0041】
さらに、本実施形態では、上側回転体51の他の一部の平面51Cに、清掃部材51Eが設けられている。清掃部材51Eは、下側画像読み取り部222の清掃を行う。
より具体的には、清掃部材51Eは、被清掃部の一例としての光透過部63に接触しながら移動し、この光透過部63の清掃を行う。
清掃部材51Eの形状や材質は、特に制限されない。清掃部材51Eは、例えば、不織布や、弾性を有する多孔質材料により構成される。
【0042】
さらに、本実施形態では、上側回転体51に、読み取り用案内面51Gが設けられている。
本実施形態では、下側画像読み取り部222による、用紙P上の画像の読み取りが行われる際、読み取り用案内面51Gは、用紙搬送経路Rの上側に位置し、用紙搬送経路Rを通る用紙Pの案内を行う。
読み取り用案内面51Gは、上側回転体51の外周面の一部として設けられている。読み取り用案内面51Gは、上側回転体51の外面に設けられた一つの平面51Cによって構成される。
【0043】
本実施形態では、下側画像読み取り部222による、用紙P上の画像の読み取りが行われる際には、この読み取り用案内面51Gが、下側画像読み取り部222に対向した状態で配置される。より具体的には、読み取り用案内面51Gは、光透過部63の対向した状態で配置される。
また、下側画像読み取り部222による、用紙P上の画像の読み取りが行われる際、読み取り用案内面51Gは、光透過部63に平行となる状態で配置される。
【0044】
本実施形態では、下側画像読み取り部222による、用紙P上の画像の読み取りが行われる際、用紙Pが、読み取り用案内面51Gと光透過部63との間を通過する。
この際、読み取り用案内面51Gと光透過部63とによって、この用紙Pの案内が行われる。さらに、本実施形態では、用紙Pが、読み取り用案内面51Gと光透過部63との間を通過する際、下側画像読み取り部222によって、この用紙Pに形成された画像の読み取りが行われる。
【0045】
また、本実施形態では、上側回転体51に、上流側案内面51Hおよび下流側案内面51Kが設けられている。この上流側案内面51Hおよび下流側案内面51Kも、上側回転体51が有する平面51Cによって構成される。
上流側案内面51Hは、読み取り用案内面51Gが光透過部63に対向した状態となっている際、用紙Pの搬送方向において、読み取り用案内面51Gの上流側に位置する。
また、上流側案内面51Hは、読み取り用案内面51Gが光透過部63に対向した状態となっている際、用紙Pの搬送方向に対して傾斜した状態で配置される。
また、読み取り用案内面51Gが光透過部63に対向している状態のとき、上流側案内面51Hは、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い光透過部63に次第に接近するように配置される。
【0046】
下流側案内面51Kは、読み取り用案内面51Gが光透過部63に対向した状態となっている際、用紙Pの搬送方向において、読み取り用案内面51Gの下流側に位置する。
また、下流側案内面51Kは、読み取り用案内面51Gが光透過部63に対向した状態となっている際、用紙Pの搬送方向に対して傾斜した状態で配置される。
また、読み取り用案内面51Gが光透過部63に対向している状態のとき、下流側案内面51Kは、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い光透過部63から次第に離れるように配置される。
【0047】
なお、本実施形態では、読み取り用案内面51G、上流側案内面51H、および、下流側案内面51Kは、一枚の板金を曲げ加工することにより形成されている。これにより、本実施形態では、読み取り用案内面51G、上流側案内面51H、および、下流側案内面51Kが、一体となっている。
また、以下で説明するが、本実施形態の上側回転体51には、下側画像読み取り部222側に向かって突出する弾性体(図4では不図示)が設けられている。
【0048】
さらに、本実施形態では、上側回転体51が有する他の一部の平面51Cによって、搬送用案内面51Mが構成されている。
本実施形態では、下側画像読み取り部222による画像の読み取りを行わずに、用紙Pを、光透過部63と上側回転体51との間を通過させる場合、この搬送用案内面51Mが光透過部63に対向した状態で配置される。
本実施形態では、搬送用案内面51Mが光透過部63に対向した状態のときにおける、搬送用案内面51Mと光透過部63との離間距離の方が、読み取り用案内面51Gが光透過部63に対向した状態のときにおける、読み取り用案内面51Gと光透過部63との離間距離よりも大きい。
【0049】
上側回転体51には、平面51Cとして、上側回転体51の回転軸51Xからの距離が互いに異なる少なくとも2つの平面51Cが設けられている。具体的には、この2つの平面51Cとして、搬送用案内面51Mと読み取り用案内面51Gとが設けられている。
本実施形態では、上記の通り、搬送用案内面51Mが光透過部63に対向した状態のときにおける、搬送用案内面51Mと光透過部63との離間距離の方が、読み取り用案内面51Gが光透過部63に対向した状態のときにおける、読み取り用案内面51Gと光透過部63との離間距離よりも大きい。
【0050】
さらに、本実施形態では、用紙搬送経路Rから退避可能に設けられた退避部53が設けられている。この退避部53は、用紙搬送経路Rよりも上側に設けられている。退避部53は、上方に向かっての移動が可能となっている。また、この退避部53は、上側回転体51の軸方向に沿って延びるように設けられている。
本実施形態では、この退避部53により、上側回転体51の軸方向における一端部51Aおよび他端部51Bが支持されている。本実施形態では、退避部53が、上方に向かって移動すると、上側回転体51が、下側画像読み取り部222から離れる方向へ移動する。
【0051】
図5は、上側回転体51および光透過部63の拡大図である。
本実施形態では、上側回転体51に、下側画像読み取り部222側に向かって突出する弾性体400が設けられている。
この弾性体400は、板状の部材により構成されている。弾性体400の材質は、特に問わないが、弾性体400の材質としては、例えば、樹脂材料が一例に挙げられる。
本実施形態では、上側回転体51の外周面のうちの特定の部分が、下側画像読み取り部222に対向する状態にある場合に、弾性体400が下側画像読み取り部222側に向かって突出する状態となる。
【0052】
言い換えると、本実施形態では、上側回転体51の外周面のうちの特定の部分が、下側画像読み取り部222に対向する状態にある場合に、弾性体400が、下側画像読み取り部222側に向かって延びる形で配置される状態となる。
より具体的には、本実施形態では、上側回転体51の外周面の一部として設けられた読み取り用案内面51Gが、下側画像読み取り部222に設けられた光透過部63に対向する状態にある場合に、弾性体400が、下側画像読み取り部222側に向かって突出する状態となる。より具体的には、弾性体400が、下側画像読み取り部222に設けられた光透過部63に向かって突出する状態となる。
【0053】
本実施形態では、上記の通り、搬送用案内面51Mと光透過部63との離間距離の方が、読み取り用案内面51Gと光透過部63との離間距離よりも大きい。
言い換えると、本実施形態では、上側回転体51の回転軸51Xと読み取り用案内面51Gとの離間距離の方が、上側回転体51の回転軸51Xと搬送用案内面51Mとの離間距離よりも大きい。
図5では、上側回転体51の回転軸51Xからの距離が大きい方の平面51Cである読み取り用案内面51Gが、下側画像読み取り部222に対向している状態を示している。
本実施形態では、読み取り用案内面51Gが、下側画像読み取り部222に対向している状態にある場合に、弾性体400が下側画像読み取り部222側に向かって突出する。
【0054】
図6は、上側回転体51の斜め下方から上側回転体51等を見た場合の状態を示した図である。
本実施形態では、上記の通り、また、図6に示すように、上側回転体51の外周面に、上側回転体51の周方向における位置が互いに異なる複数の平面51Cが設けられている。
弾性体400は、この複数の平面51Cのうちの一の平面51Cに取り付けられている。具体的には、弾性体400は、上流側案内面51Hに取り付けられている。
【0055】
本実施形態では、弾性体400の一方の面と、上流側案内面51Hとが面接触した状態で、この上流側案内面51Hへの弾性体400の取り付けが行われている。
言い換えると、本実施形態では、弾性体400の一方の面と、上側回転体51が有する一の平面51Cとが面接触した状態で、この一の平面51Cへの弾性体400の取り付けが行われている。
弾性体400は、板状に形成され、一方の面および他方の面402の2つの面を有するが、本実施形態では、この2つの面のうちの一方の面と、回転体の一の平面51Cとが面接触した状態で、この一の平面51Cへの弾性体400の取り付けが行われている。
【0056】
より具体的には、本実施形態では、弾性体400のこの一方の面と、回転体の一の平面51Cとの間に配置された両面テープ(不図示)によって、この一の平面51Cへの弾性体400の取り付けが行われている。
なお、一の平面51Cへの弾性体400の取り付けは、両面テープに限らず、ねじなどの締結部材や、接着剤などを用いて行ってもよい。
ここで、「弾性体400の一方の面と、回転体が有する一の平面51Cとが面接触した状態」とは、弾性体400の一方の面と、回転体が有する一の平面51Cとが直接接触する状態に限らず、上記の両面テープなどの他の部材を介して接触する状態も含む。
【0057】
本実施形態では、下側画像読み取り部222による画像の読み取りが行われる場合、図4にて示したように、上側回転体51の外周面に設けられた複数の平面51Cのうちの一の平面51Cである読み取り用案内面51Gが、下側画像読み取り部222に対向する。
さらに、下側画像読み取り部222による画像の読み取りが行われる場合、他の平面51Cの一例である上流側案内面51Hが、用紙Pの移動方向において読み取り用案内面51Gよりも上流側に位置する。
図6に示すように、弾性体400は、上側回転体51のこの上流側案内面51Hによって支持されている。そして、弾性体400は、図5に示すように、この上流側案内面51Hの設置箇所から下側画像読み取り部222に設けられた光透過部63に向かって突出する。
【0058】
図6に示すように、上流側案内面51Hは、上側回転体51の周方向における位置が互いに異なる一端部511および他端部512を有する。
一端部511は、読み取り用案内面51Gに近い側に位置し、他端部512は、この読み取り用案内面51Gから離れた側に位置する。上流側案内面51Hは、他端部512から一端部511に向かって延びる形で設けられている。
【0059】
下側画像読み取り部222(図6では不図示)による画像の読み取りが行われる場合は、この他端部512から一端部511に向かって延びるこの上流側案内面51Hの延長面400X(図5参照)上に、下側画像読み取り部222の光透過部63が位置する。
図5に示すように、光透過部63は、搬送される用紙Pの案内を行う案内面631を有する。本実施形態では、他端部512(図6参照)から一端部511に向かって延びる上流側案内面51Hの延長面400X上に、下側画像読み取り部222が有するこの案内面631(図5参照)が位置する。
【0060】
本実施形態では、下側画像読み取り部222による、用紙P上の画像の読み取りが行われる場合、図5に示すように、上側回転体51の外周面の一部として設けられた一の平面51Cである読み取り用案内面51Gが、下側画像読み取り部222に対向する状態となる。
本実施形態では、この読み取り用案内面51Gが、下側画像読み取り部222に対向している状態にある場合に、弾性体400が、この下側画像読み取り部222側に向かって突出する。
【0061】
また、本実施形態では、図5に示すように、弾性体400は、読み取り用案内面51Gと下側画像読み取り部222との間の間隙420内に位置する状態となる。より具体的には、弾性体400の先端部が、読み取り用案内面51Gと下側画像読み取り部222との間の間隙420内に位置する状態となる。
本実施形態では、図5に示すように、弾性体400は、下側画像読み取り部222に非接触の状態で配置され、下側画像読み取り部222との間に間隙を有する状態で配置される。
【0062】
より具体的には、弾性体400は、下側画像読み取り部222の光透過部63に非接触の状態で配置され、光透過部63との間に間隙を有する状態で配置される。
弾性体400が、光透過部63との間に間隙を有する状態で配置されると、この弾性体400を用紙Pが通過する際に弾性体400からこの用紙Pに作用する負荷が減る。この場合、弾性体400から用紙Pに作用する負荷に起因する、用紙Pの詰まりが生じにくくなる。
【0063】
光透過部63が有する面のうち、上側回転体51側を向く面は、上記の通り、搬送される用紙Pを案内する案内面631として機能する。下側画像読み取り部222は、光透過部63が設けられている箇所に、搬送される用紙Pを案内するこの案内面631を有する。
案内面631は、上側回転体51の対向位置に配置されている。また、この案内面631は、搬送される用紙Pの移動方向に沿って延びる形で配置され、用紙Pの一方の面に接触し、用紙Pの案内を行う。
本実施形態では、図5に示すように、弾性体400は、この案内面631に対して傾斜した状態で配置される。より具体的には、弾性体400は、用紙Pの移動方向における下流側に向かって進むに従いこの案内面631に次第に接近するように配置される。
【0064】
本実施形態では、下側画像読み取り部222による画像の読み取りが行われる用紙Pが、下側画像読み取り部222の光透過部63と、上側回転体51の読み取り用案内面51Gとの間を通過する際、この用紙Pが、弾性体400により案内されて、光透過部63側へ付勢される。言い換えると、用紙Pは、弾性体400により案内されて、光透過部63側へ移動する。
これにより、用紙Pの厚み方向における用紙Pの変位が小さくなり、弾性体400が設けられていない構成に比べ、下側画像読み取り部222による画像の読み取りが安定化する。
なお、本実施形態では、弾性体400と光透過部63とが非接触となるように、弾性体400が配置された場合を一例に説明したが、弾性体400と光透過部63とが接触するように弾性体400を配置してもよい。
【0065】
さらに、本実施形態では、図5に示すように、弾性体400が、用紙Pから受光部226(図1参照)に向かう反射光の光軸430の延長線432上から外れた箇所に配置されている。
本実施形態では、搬送される用紙Pのうちの、予め定められた読み取り箇所に位置する部分である被読み取り部分98の画像が、下側画像読み取り部222によって読み取られる。
本実施形態では、光源225(図1参照)からの光が用紙Pに照射されることに伴い生じる、被読み取り部分98からの反射光が、受光部226に向かう。これにより、用紙Pのうちの、この被読み取り部分98の画像が、下側画像読み取り部222によって読み取られる。
【0066】
本実施形態では、この被読み取り部分98から受光部226に向かう反射光の光軸430の延長線432上から外れた箇所に、弾性体400が設けられている。
本実施形態では、搬送される用紙Pの移動方向において、光軸430よりも上流側に、弾性体400が設けられている。言い換えると、本実施形態では、搬送されて下流側へ移動する用紙Pの移動方向における位置を比べた場合に、弾性体400が、光軸430よりも上流側に配置されている。
【0067】
ここで、弾性体400が、反射光の光軸430の延長線432上にあると、用紙Pの背後であって、用紙Pのうちの被読み取り部分98の背後に、弾性体400が位置する状態となる。
この場合、下側画像読み取り部222による被読み取り部分98の読み取りに対して、弾性体400が影響を与え、下側画像読み取り部222により得られる読み取り画像の質が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、光軸430の延長線432上から外れた箇所に、弾性体400が設けられていると、被読み取り部分98の読み取りに対する弾性体400の影響が小さくなる。
【0068】
本実施形態では、図5に示す状態から、上側回転体51の回転が行われると、弾性体400が、間隙420から外れた箇所に位置する状態となる。
より具体的には、上側回転体51が回転し、読み取り用案内面51Gが下側画像読み取り部222に対向しない状態となると、弾性体400が、間隙420から外れた箇所に位置する状態となる。
上側回転体51が回転し、例えば、搬送用案内面51Mが、下側画像読み取り部222に対向する状態となると、間隙420から外れた箇所に、弾性体400が位置する状態となる。
【0069】
図7は、上側回転体51の下方から且つ図5の矢印VIIで示す方向から上側回転体51を見た場合の図である。なお、図7では、搬送される用紙Pも併せて表示している。
本実施形態では、弾性体400は、上側回転体51の軸方向に延びる形で設けられている。
さらに、本実施形態では、搬送されて下流側へ移動する用紙Pの先端に位置する辺である先端辺82が延びる方向である辺延び方向に、上側回転体51の回転軸51Xが沿っている。
本実施形態の用紙Pは、矩形状に形成され4つの辺を有するが、本実施形態では、この4辺のうちの1つの辺である先端辺82が延びる方向である辺延び方向に、上側回転体51の回転軸51Xが沿っている。
本実施形態では、上側回転体51の軸方向に弾性体400が延びる形で、弾性体400が設けられている。
【0070】
本実施形態では、弾性体400は、用紙Pのうちの、上記の辺延び方向における全域に対して接触せず、この全域のうちの一部の領域に接触する。
言い換えると、用紙Pの移動方向および用紙Pの厚み方向の両者に対して直交する方向である用紙Pの幅方向を想定した場合に、弾性体400は、用紙Pのうちの、幅方向における全域に対して接触せず、用紙Pのうちの、幅方向における一端部84および他端部85に接触する。
より具体的には、弾性体400は、用紙Pのうちの、辺延び方向における一端部84および他端部85の両者に接触し、用紙Pのうちの、辺延び方向における中央部86には接触しない。
【0071】
なお、弾性体400を、用紙Pのうちの、辺延び方向における全域に対して接触させる態様を排除するものでなく、弾性体400を、用紙Pのうちの、辺延び方向における全域に対して接触させてもよい。
本実施形態のように、弾性体400を、用紙Pのうちの、辺延び方向における全域のうちの一部の領域に接触させる構成とすると、弾性体400から用紙Pに作用する負荷が減り、用紙Pの詰まりが生じにくくなる。
【0072】
ここで、弾性体400から用紙Pに作用する負荷が大きいと、用紙Pが移動しにくくなり、用紙Pの詰まりが生じるおそれある。
本実施形態のように、弾性体400を、用紙Pのうちの、辺延び方向における全域のうちの一部の領域に接触させる構成とすると、弾性体400から用紙Pに作用する負荷が減り、用紙Pの詰まりが生じにくくなる。
本実施形態では、用紙Pと弾性体400との接触面積を減らして、用紙Pに作用する負荷を低減させ、これにより、用紙Pの詰まりを生じにくくしている。
【0073】
図8は、下側画像読み取り部222による画像の読み取り範囲を示した図である。
本実施形態では、用紙Pが光透過部63の対向位置を通過している途中に、用紙Pのうちの辺延び方向における端部が、用紙Pの厚み方向へ変位すると、下側画像読み取り部222による読み取りにより得られる読み取り画像上にて、この端部に形成された画像が、主走査方向へ移動してしまう。
本実施形態では、図1に示したように、レンズなどの結像光学系228が設けられている。本実施形態では、図8に示すように、この結像光学系228から、次第に拡がる読み範囲内に位置する被読み取り対象物である用紙Pについての画像の読み取りを行うことになる。
【0074】
ここで、用紙Pの辺延び方向における一端部84が、破線で示すように、用紙Pの厚み方向へ変位すると、この端部に形成されている画像84Aについても、用紙Pの厚み方向へ変位する。
この場合、下側画像読み取り部222による読み取りにより得られる読み取り画像上では、この画像84Aは、主走査方向へ且つこの読み取り画像の中央部側へ移動することになる。
この場合、用紙Pに対する画像84Aの位置が変化していないにも関わらず、読み取り画像上では、この画像84Aの位置が変化することになる。この場合、下側画像読み取り部222が得る読み取り画像の質が低下する。
【0075】
本実施形態では、上記の通り、用紙Pのうちの、辺延び方向における一端部84および他端部85の両者に対して弾性体400が接触する。この場合、用紙Pの厚み方向へのこの一端部84およびこの他端部85の変位が抑制される。これにより、上記の、読み取り画像上における画像84Aの移動が抑制される。
なお、用紙Pのうちの、辺延び方向における中央部86については、読み取り範囲の中央部に位置している。この場合、この中央部86が、用紙Pの厚み方向へ移動しても、読み取り画像上では、この中央部86に形成された画像の移動が生じない、あるいは、読み取り画像上では、この中央部86に形成された画像の移動の量は小さくなる。
そこで、本実施形態では、用紙Pと弾性体400との接触面積を減らして、用紙Pに作用する負荷を低減させるにあたり、読み取り画像への影響が少ない、用紙Pの辺延び方向における中央部86に対して弾性体400が接触しない構成としている。
【0076】
図9は、弾性体400の変形例を示した図である。
上記では、図7にて示したように、弾性体400を2つ設けることで、用紙Pの辺延び方向における一端部84および他端部85のそれぞれに対して弾性体400が接触する場合を説明した。
図9にて示す変形例では、1つの弾性体400を設けるようにしつつ、用紙Pの辺延び方向における一端部84側および他端部85側のそれぞれに、弾性体400が接触する構成としている。
この変形例では、1つの弾性体400の長手方向における中央部に切り欠き404を設けることで、用紙Pの辺延び方向における中央部86に弾性体400が接触しないようしつつ、用紙Pの辺延び方向における一端部84および他端部85のそれぞれに、弾性体400が接触する構成としている。
【0077】
本実施形態では、図5に示すように、上側回転体51の外周面51Rから、弾性体400の一部が突出した状態となっており、本実施形態では、弾性体400のこの一部によって、上側回転体51の外周面51Rから突出する突出部610が設けられている。
突出部610は、突出方向における先端に位置する先端部610Aと、上側回転体51の外周面51R側に位置する根元部610Bとを有する。
【0078】
本実施形態では、上側回転体51の回転軸51Xから、突出部610の根元部610Bに向かう直線620に対して、突出部610が傾斜している。この直線620は、上側回転体51の径方向に沿っており、突出部610は、この径方向に対して傾斜している。
突出部610がこのように傾斜している結果、本実施形態では、上側回転体51の周方向における根元部610Bの位置と、上側回転体51の周方向における先端部610Aとが互いに異なることになる。
【0079】
図5では、上側回転体51の読み取り用案内面51Gが、下側画像読み取り部222に対向した状態となっている。この状態では、弾性体400の一部により構成されるこの突出部610が、下側画像読み取り部222の対向位置に配置された状態となる。
図5では、突出部610は、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い下側画像読み取り部222に設けられた光透過部63に次第に接近するように傾斜した状態で配置されている。
言い換えると、図5では、突出部610は、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い、下側画像読み取り部222に設けられた案内面631に次第に接近するように傾斜した状態で配置されている。
【0080】
上記では説明を省略したが、本実施形態では、上側回転体51は、図中矢印5Aで示す方向である一方向への回転を行う。
本実施形態では、上側回転体51のうちの、下側画像読み取り部222に対向する部分の切り替えを行って、他のモードに切り替える場合、上側回転体51は、図中矢印5Aで示す方向である一方向への回転を行う。本実施形態では、上側回転体51のこの回転方向において、根元部610Bの方が先端部610Aよりも下流側に位置する。
なお、本実施形態では、後述するように、この一方向への回転だけではなく、予め定められた条件が満たされた場合、この一方向とは逆方向への上側回転体51の回転が行われる。
【0081】
図10(A)~(D)は、上側回転体51の回転を説明する図である。
図10(A)は、図5に示した状態と同じ状態を示している。
本実施形態では、下側画像読み取り部222による、用紙P上の画像の読み取りが終了し、他のモードへの切り替えが行われる場合、図10(A)に示す状態から、一方向である時計回り方向への上側回転体51の回転が開始される。
これにより、上側回転体51の外周面51Rのうちの、読み取り用案内面51Gが設けられている箇所以外の箇所が、下側画像読み取り部222の光透過部63に対向するようになる。
言い換えると、上側回転体51の外周面51Rのうちの、読み取り用案内面51Gが設けられている箇所以外の箇所が、下側画像読み取り部222の案内面631に対向するようになる。
なお、本実施形態では、上側回転体51の回転の制御は、制御部240(図2参照)に設けられた、プロセッサの一例としてのCPU11aにより行われる。
【0082】
また、本実施形態では、予め定められた条件が満たされた場合、上記の一方向とは逆方向への上側回転体51の回転が行われる。具体的には、予め定められた条件が満たされた場合、反時計回り方向への上側回転体51の回転が行われる。
より具体的には、本実施形態では、例えば、清掃部材51Eによって、被清掃箇所である光透過部63の清掃が行われる場合に、上記の一方向とは逆方向への上側回転体51の回転が行われる。
本実施形態では、上側回転体51の外周面51Rに清掃部材51Eが設けられているが、この清掃部材51Eによる光透過部63の清掃が行われる際、逆方向への上側回転体51の回転が行われる。
【0083】
図10(B)、(C)は、上側回転体51の逆回転時の動きを示している。
本実施形態では、逆回転が行われる際には、光透過部63よりも図中左側に清掃部材51Eが位置する状態(図10(B)参照)から、逆回転が開始される。
本実施形態では、清掃部材51Eによる光透過部63の清掃が行われる場合、用紙Pの搬送方向において、光透過部63よりも上流側に清掃部材51Eが位置するようになるまで、一方向への上側回転体51の回転が行われる。そして、上側回転体51の回転が一旦停止される。
これにより、図5(B)に示すように、用紙Pの搬送方向において、光透過部63よりも上流側に清掃部材51Eが位置する状態となる。
【0084】
その後、逆方向への上側回転体51への回転が開始される。
逆方向への上側回転体51への回転が行われると、図10(B)、(C)に示すように、清掃部材51Eが、被清掃箇所である光透過部63を通過する。本実施形態では、清掃部材51Eによる光透過部63の清掃が行われる際に、このように、一方向とは逆方向への上側回転体51の回転が行われる。
本実施形態では、図10(B)に示すように、逆方向への上側回転体51への回転が開始される際、突出部610が、光透過部63の対向位置から外れた箇所に位置する。
【0085】
ここで、図10(B)において、上側回転体51の外周面51Rのうちの、被清掃箇所である光透過部63の対向箇所に位置する部分を、対向部分51Sと称する。
本実施形態では、逆方向への上側回転体51への回転が開始される際、図10(B)に示すように、上側回転体51の外周面51Rのうちの、この対向部分51Sと清掃部材51Eの設置箇所との間の領域700Rから外れた箇所に、突出部610が位置する。
これにより、清掃部材51Eが光透過部63に向かう際に、突出部610が、光透過部63の対向位置を通過しないようになる。
【0086】
図10(C)は、逆方向への上側回転体51への回転が終了し、上側回転体51が停止した状態を示している。本実施形態では、この図10(C)に示す状態となった後、上側回転体51は、上記の一方向への回転を再び行う。
本実施形態では、逆方向への上側回転体51の回転が行われる場合の上側回転体51の回転角度は、360°未満となっている。
このため、図10(C)に示すように、清掃部材51Eは、逆回転が開始される際に位置していた箇所である当初箇所700Tまで移動せずに停止する。
本実施形態では、上記の一方向への上側回転体51の回転の角度は、360°を超えるが、逆方向への上側回転体51の回転が行われる場合の上側回転体51の回転角度は、360°未満となっている。
【0087】
本実施形態では、逆方向への360°未満の上側回転体51のこの回転が行われる際、図10(B)、(C)に示すように、突出部610が、下側画像読み取り部222の対向位置を通過しないようになっている。
より具体的には、突出部610が、下側画像読み取り部222に設けられた光透過部63の対向位置を通過しないようになっている。
本実施形態では、逆方向への360°未満の上側回転体51のこの回転が行われた場合、図10(C)に示すように、突出部610は、光透過部63の対向位置よりも手前側にて停止する。
【0088】
本実施形態では、逆方向への上側回転体51の回転が行われる場合、光透過部63の対向位置に突出部610が達する前に、この逆方向への上側回転体51の回転が終了する。
本実施形態では、逆方向への上側回転体51の回転に伴い移動する突出部610が、光透過部63の対向位置に達する前に、逆方向への上側回転体51のこの回転が終了する。
本実施形態では、このように、逆方向への上側回転体51の回転に伴い移動する突出部610が、光透過部63の対向位置を通過しない。言い換えると、突出部610は、下側画像読み取り部222に設けられた案内面631の対向位置を通過しない。
【0089】
ここで、逆方向への上側回転体51の回転に伴い移動する突出部610が、光透過部63の対向位置を通過しない構成であると、突出部610の損傷等が生じにくくなる。
本実施形態では、上記の通り、弾性体400は、光透過部63との間に間隙を有する状態で配置され、突出部610が光透過部63に接触しない構成となっているが、寸法公差等に起因して、突出部610が光透過部63に接触する場合がある。
また、突出部610の長さが大きい態様も考えられ、この場合、突出部610が光透過部63に接触する。
この場合に、本実施形態のように、突出部610が、光透過部63の対向位置を通過しない構成であると、突出部610が光透過部63に接触することが避けられ、突出部610の損傷等が生じにくくなる。
【0090】
逆方向への上側回転体51の回転が行われる際には、根元部610B(図5参照)よりも先端部610Aが先頭に位置する状態で、突出部610の移動が行われることになる。
この場合に、突出部610が、光透過部63の対向位置を通過する構成であると、光透過部63から突出部610へ作用する負荷や、光透過部63の周囲に配置された配置部材64(図4参照)から突出部610へ作用する負荷によって、不具合が生じやすくなる。
具体的には、突出部610の損傷が生じたり、突出部610を構成する弾性体400が上側回転体51から離脱したりするおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、突出部610が、光透過部63の対向位置を通過しない構成であると、このような不具合が生じにくくなる。
本実施形態では、弾性体400が、光透過部63の対向位置に配置される際、上側回転体51は、上記の一方向への回転を行う。また、本実施形態では、弾性体400が、光透過部63の対向位置を通って光透過部63を通過する際にも、上側回転体51は、この一方向への回転を行う。
【0091】
本実施形態では、逆方向への上側回転体51の回転が行われて清掃部材51Eが光透過部63を通過する際、図10(B)、(C)に示すように、清掃部材51Eが、用紙Pの搬送方向における下流側に向かって移動する。
図10(B)、(C)では、矢印10Aで示す方向が、用紙Pの搬送方向を示すが、本実施形態では、清掃部材51Eは、用紙Pのこの搬送方向における下流側に向かって移動する。
【0092】
ここで、清掃部材51Eが、用紙Pの搬送方向における上流側に向かって移動する構成であると、清掃部材51Eによる清掃によって移動する埃等が、光透過部63よりも、用紙Pの搬送方向における上流側へ移動することになる。
この場合、その後に搬送される用紙Pによって、この埃等が、光透過部63へ向かい、この埃等が、光透過部63に再び付着するおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、清掃部材51Eが、用紙Pの搬送方向における下流側に向かって移動すると、埃等が、光透過部63に再び付着するという事態が生じにくくなる。
【0093】
本実施形態では、下側画像読み取り部222による、用紙P上の画像の読み取りの前に清掃が行われる場合、上記の通り、清掃部材51Eは、用紙Pの搬送方向における下流側に向かって移動する。
この場合、用紙Pの搬送方向における上流側に向かって移動した清掃部材51Eによって清掃された後の光透過部63を通じて、画像の読み取りが行われる場合に比べ、得られる読み取り画像の質が向上する。
【0094】
さらに、本実施形態では、逆方向への360°未満の上側回転体51の上記の回転が行われる際に突出部610が通過する経路の脇に、突出部610に接触する部材が設けられていない構成となっている。
本実施形態では、図10(B)にて符号10Cで示す経路が、逆方向への360°未満の上側回転体51の回転が行われる際に突出部610が通過する経路となっている。本実施形態では、この経路の脇に、この突出部610に接触する部材が設けられていない。
【0095】
逆方向への上側回転体51の回転が行われる際には、上記の通り、根元部610Bよりも先端部610Aが先頭に位置する状態で、突出部610の移動が行われることになる。
この場合に、突出部610が移動する経路の脇に、突出部610に接触する部材が存在すると、突出部610の損傷が生じたり、突出部610を構成する弾性体400が上側回転体51から離脱したりするおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、突出部610が移動する経路の脇に、突出部610に接触する部材が設けられていないと、突出部610の損傷や弾性体400の離脱を抑えられる。
【0096】
さらに、本実施形態では、図10(B)(C)に示すように、逆方向への上側回転体51の回転が行われる際の回転方向において、清掃部材51Eの上流側に、色校正板EKが設けられている。
より具体的には、本実施形態では、逆方向への上側回転体51の回転が行われる際の回転方向において、清掃部材51Eの一つ上流側に位置する平面51Cに対して、色校正板EKが設けられている。
【0097】
本実施形態では、上記の通り、上側回転体51に、複数の平面51Cが設けられている。
本実施形態では、逆方向への上側回転体51の回転が行われる際の回転方向において、清掃部材51Eよりも上流側に位置するこの複数の平面51Cのうち、清掃部材51Eに最も近い箇所に位置する平面51Cに対して、色校正板EKが取り付けられている。
言い換えると、本実施形態では、逆方向への上側回転体51の回転が行われる際の回転方向において、清掃部材51Eよりも上流側に位置する複数の平面51Cのうち、この回転方向において最も下流側に位置する平面51Cに対して、色校正板EKが取り付けられている。
【0098】
本実施形態では、色校正板EKの読み取りを行う際には、まず、図10(B)に示すように、用紙Pの搬送方向において、光透過部63よりも上流側へ、色校正板EKおよび清掃部材51Eの両者を一旦移動させる。
その後、逆方向への上側回転体51の回転を行って、色校正板EKを、光透過部63の対向位置まで移動させる。
本実施形態の構成では、色校正板EKが光透過部63の対向位置に達する直前に、清掃部材51Eによる光透過部63の清掃が行われる。言い換えると、本実施形態では、清掃部材51Eによる光透過部63の清掃の直後に、光透過部63の対向位置に色校正板EKが達する。
これにより、光透過部63の清掃が行われてから、色校正板EKが光透過部63の対向位置に達するまでの間に、光透過部63に埃等が付着する事態が生じにくくなる。
【0099】
なお、本実施形態では、色校正板EKが光透過部63の対向位置へ移動する際、上記と同様、突出部610は、光透過部63の対向位置に達することなく、光透過部63の対向位置の手前側にて停止する。
本実施形態では、色校正板EKの読み取りを行う際にも、逆方向への上側回転体51の回転角度が、360°未満となっている。これにより、突出部610が光透過部63の対向位置を通過する事態を避けられるようになる。
【0100】
また、本実施形態では、図10(B)に示すように、上側回転体51の周方向において、清掃部材51Eと色校正板EKとの間に、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mが位置しない構成となっている。
読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mは、対向部として機能し、上側回転体51と下側画像読み取り部222との間を用紙Pが通る際に下側画像読み取り部222に対向配置される。本実施形態では、上側回転体51の周方向において、清掃部材51Eと色校正板EKとの間に、この対向部が設けられていない構成となっている。
【0101】
清掃部材51Eと色校正板EKとの間に、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mが位置する構成であると、清掃部材51Eによる光透過部63の清掃後に、光透過部63の対向位置を、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mが通過することになる。
この場合、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mに付着している付着物が落下し、光透過部63が汚れるおそれがある。そして、この場合、その後に、汚れが付着した状態にある光透過部63の対向位置に、色校正板EKが位置することになる。
【0102】
本実施形態では、用紙Pを構成する繊維が、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mに付着したり、用紙Pに形成された画像を構成するトナーが、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mに付着したりする。
本実施形態では、上記の通り、用紙Pの両面に画像が形成される場合があり、この場合、用紙Pのうちの、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51M側を向く面に形成されている画像を構成するトナーが、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mに付着する。
また、上記の通り、用紙Pを構成する繊維が、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mに付着する。
【0103】
この場合、清掃部材51Eと色校正板EKとの間に、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mが位置する構成であると、清掃部材51Eによる光透過部63の清掃後に、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mに付着している付着物が、光透過部63に落下するおそれがある。
読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mに付着している付着物が、光透過部63に落下すると、汚れが付着した状態にある光透過部63の対向位置に、色校正板EKが位置することになる。
これに対し、本実施形態では、上記の通り、上側回転体51の周方向において、清掃部材51Eと色校正板EKとの間に、読み取り用案内面51Gや搬送用案内面51Mが位置しない。
【0104】
これにより、本実施形態では、光透過部63の清掃後に、光透過部63が汚れることが抑制され、汚れた状態にある光透過部63を通じて、色校正板EKの読み取りが行われることが起きにくくなる。
ここで、最も好ましい態様は、上記のように、逆方向への上側回転体51の回転が行われる際の回転方向において、清掃部材51Eよりも上流側に位置する複数の平面51Cのうちの、清掃部材51Eに最も近い箇所に位置する平面51Cに対して、色校正板EKが設けられている態様である。
この場合、清掃部材51Eよりも上流側に位置する複数の平面51Cのうちの、清掃部材51Eに最も近い箇所に位置する平面51Cよりも遠い箇所に位置する平面51Cに対して、色校正板EKが設けられる場合に比べ、光透過部63への落下物が少なくなる。
【0105】
なお、本実施形態では、色校正板EKが光透過部63の対向位置へ移動した後、逆方向への上側回転体51の回転は終了する。下側画像読み取り部222による色校正板EKの読み取りが終了すると、上側回転体51は、一方向への回転を行うようになる。
【0106】
(付記)
(((1)))
搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路の一方側に配置され、当該搬送経路を搬送される記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り手段と、
回転可能に設けられ、前記搬送経路を挟み前記画像読み取り手段の設置側とは反対側に配置され、一方向への回転を行う回転体と、
前記回転体の外周面から突出し、当該回転体の周方向における位置が互いに異なる根元部と先端部とを有し、当該根元部の方が当該先端部よりも当該回転体の回転方向における下流側に位置する突出部と、
を備える画像読み取り装置。
(((2)))
予め定められた条件が満たされた場合、前記一方向とは逆方向への前記回転体への回転であって360°未満の回転が行われ、
前記逆方向への前記360°未満の前記回転体の回転が行われる際、前記画像読み取り手段の対向位置を前記突出部が通過しない、
(((1)))に記載の画像読み取り装置。
(((3)))
前記逆方向への前記360°未満の前記回転体の回転が行われる際に前記突出部が通過する経路の脇には、当該突出部に接触する部材が設けられていない、
(((2)))に記載の画像読み取り装置。
(((4)))
前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、
前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる場合、前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われる、
(((1)))に記載の画像読み取り装置。
(((5)))
前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われる場合の当該回転体の回転角度が、360°未満となっている、
(((4)))に記載の画像読み取り装置。
(((6)))
前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、
前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる際、前記一方向とは逆方向への前記回転体の回転が行われて、当該清掃部材が当該被清掃箇所を通過し、
前記逆方向への前記回転体の回転が行われる場合、前記突出部が前記被清掃箇所の対向位置に達する前に、当該逆方向への当該回転体の回転が終了する、
(((1)))に記載の画像読み取り装置。
(((7)))
前記逆方向への前記回転体の回転が行われて前記清掃部材が前記被清掃箇所を通過する際、当該清掃部材が、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向における下流側に向かって移動する(((6)))に記載の画像読み取り装置。
(((8)))
前記回転体の外周面には、前記画像読み取り手段の被清掃箇所の清掃を行う清掃部材が設けられ、
前記清掃部材による前記被清掃箇所の清掃が行われる際、前記一方向とは逆方向への前記回転体への回転が行われて、当該清掃部材が当該被清掃箇所を通過し、
前記逆方向への前記回転体への回転が開始される際、当該回転体の外周面のうちの、前記被清掃箇所の対向箇所に位置する部分である対向部分と前記清掃部材の設置箇所との間の領域から外れた箇所に、前記突出部が位置する、
(((1)))に記載の画像読み取り装置。
(((9)))
前記逆方向への前記回転体の回転に伴い移動する前記突出部が前記被清掃箇所の対向位置に達する前に、当該逆方向への当該回転体の回転が終了する、
(((8)))に記載の画像読み取り装置。
(((10)))
前記回転体の前記外周面には、当該回転体と前記画像読み取り手段との間を前記記録媒体が通る際に当該画像読み取り手段に対向配置される対向部と、当該画像読み取り手段の校正に用いられ当該画像読み取り手段により読み取られる校正用部材と、当該画像読み取り手段の清掃を行う清掃部材とが設けられ、
前記回転体の周方向において、前記清掃部材と前記校正用部材との間に、前記対向部が設けられていない(((1)))に記載の画像読み取り装置。
(((11)))
前記突出部が、前記画像読み取り手段の対向位置に配置されている際、当該突出部は、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向における下流側に向かうに従い当該画像読み取り手段側に次第に接近するように傾斜した状態で配置される、
(((1)))乃至(((10)))の何れかに記載の画像読み取り装置。
(((12)))
前記突出部は、板状の弾性体により構成されている、
(((1)))乃至(((11)))の何れかに記載の画像読み取り装置。
(((13)))
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、当該画像形成手段により記録媒体に形成された画像の読み取りを行う画像読み取り装置とを備え、当該画像読み取り装置が(((1)))乃至(((12)))の何れかに記載の画像読み取り装置を含んで構成された画像形成システム。
【0107】
(((1)))に係る画像読み取り装置によれば、回転体の回転が行われる際に、回転体の外周面から突出する突出部の先端部の方が根元部よりも回転体の回転方向における下流側に位置する場合に比べ、回転体の外周面から突出する突出部の損傷を生じにくくすることができる。
(((2)))に係る画像読み取り装置によれば、逆方向への回転体の回転が行われる際に、画像読み取り手段の対向位置を突出部が通過しないようにすることができる。
(((3)))に係る画像読み取り装置によれば、逆方向への回転体の回転が行われる際に、移動する突出部に対して他の部材が接触することを生じないようにすることができる。
(((4)))に係る画像読み取り装置によれば、清掃部材による被清掃箇所の清掃が行われる場合に、回転体の逆転が行われるようにすることができる。
(((5)))に係る画像読み取り装置によれば、逆方向への回転体の回転が行われる際に、画像読み取り手段の対向位置を突出部が通過しないようにすることができる。
(((6)))に係る画像読み取り装置によれば、逆方向への回転体の回転が行われる際に、被清掃箇所の対向位置を突出部が通過しないようにすることができる。
(((7)))に係る画像読み取り装置によれば、清掃部材が、搬送手段による記録媒体の搬送方向における上流側に向かって移動する場合に比べ、被清掃箇所の汚れを低減することができる。
(((8)))に係る画像読み取り装置によれば、逆方向への回転体の回転が行われて清掃部材が被清掃箇所へ向かう際に、被清掃箇所の対向位置を突出部が通過しないようにすることができる。
(((9)))に係る画像読み取り装置によれば、逆方向への回転体の回転に伴い移動する突出部が、被清掃箇所の対向位置に達しないようにすることができる。
(((10)))に係る画像読み取り装置によれば、清掃部材と校正用部材との間に対向部が設けられている場合に比べ、清掃部材による画像読み取り手段の清掃が行われてから、画像読み取り手段の対向位置に校正用部材が配置されるまでの間に画像読み取り手段に付着する汚れを低減できる。
(((11)))に係る画像読み取り装置によれば、移動する記録媒体を画像読み取り手段が位置する側へ移動させることが可能となる。
(((12)))に係る画像読み取り装置によれば、突出部に対して記録媒体からの負荷が作用した場合に、突出部を退避させることが可能となり、記録媒体の詰まりを生じさせずに、記録媒体の搬送を行えるようになる。
(((13)))に係る画像形成システムによれば、回転体の回転が行われる際に、回転体の外周面から突出する突出部の先端部の方が根元部よりも回転体の回転方向における下流側に位置する場合に比べ、回転体の外周面から突出する突出部の損傷を生じにくくすることができる。
【符号の説明】
【0108】
1…画像形成システム、51…上側回転体、51C…平面、51E…清掃部材、51G…読み取り用案内面、51H…上流側案内面、51R…外周面、51S…対向部分、51X…回転軸、63…光透過部、82…先端辺、84…一端部、85…他端部、86…中央部、100…画像形成装置、200…検査装置、213…搬送ロール、222…下側画像読み取り部、226…受光部、400…弾性体、400X…延長面、420…間隙、430…光軸、432…延長線、511…一端部、512…他端部、610…突出部、610A…先端部、610B…根元部、631…案内面、700R…領域、P…用紙、R…用紙搬送経路
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