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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126371
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】開閉窓および障子
(51)【国際特許分類】
   E05F 5/00 20170101AFI20240912BHJP
   E05F 11/53 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
E05F5/00 Z
E05F11/53 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034698
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝山 翔生
(72)【発明者】
【氏名】菊野 亘
(57)【要約】
【課題】枠体に対する障子の全開位置を規定できる開閉窓を提供すること。
【解決手段】開閉窓としての横すべり出し窓40は、窓枠45と、窓枠45内に配置される内障子50と、内障子50を窓枠45に対して開閉可能に連結するフリクションステー60とを備え、フリクションステー60は、内障子50の開放移動に伴って回動する回動アーム62を備え、窓枠45には、回動する回動アーム62に当接して内障子50の開放移動を規制するストッパー90が取り付けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、前記枠体内に配置される障子と、前記障子を前記枠体に対して開閉可能に連結するリンク機構とを備え、
前記リンク機構は、前記障子の開放移動に伴って回動する回動アームを備え、
前記枠体には、回動する前記回動アームに当接して前記障子の開放移動を規制するストッパーが取り付けられる
ことを特徴とする開閉窓。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉窓において、
前記ストッパーは、前記枠体の見込み面に取り付けられる
ことを特徴とする開閉窓。
【請求項3】
請求項2に記載の開閉窓において、
前記ストッパーは、前記枠体の見込み面に沿って取り付けられる平板状の取付部と、前記回動アームに当接可能な位置に配置されるように前記取付部から折曲された平板状の規制部とを有する
ことを特徴とする開閉窓。
【請求項4】
請求項3に記載の開閉窓において、
前記障子は、框体と、前記框体内に配置される面材とを備え、
前記框体は、前記枠体側に延出する延出部を有し、
前記規制部は、前記回動アーム側における前記取付部の側縁から折曲されてなると共に、前記回動アームと前記延出部との間に配置される
ことを特徴とする開閉窓。
【請求項5】
請求項1に記載の開閉窓において、
前記リンク機構を前記枠体に連結するための長尺裏板と、前記ストッパーを前記枠体に取り付けるための短尺裏板とを有し、
前記長尺裏板には、前記短尺裏板よりも長尺な切欠きが形成され、
前記短尺裏板は、前記切欠きに配置される
ことを特徴とする開閉窓。
【請求項6】
上段に請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の開閉窓が構成され且つ下段に他の窓が構成される
ことを特徴とする障子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体に対する障子の全開位置を規定するストッパーを備える開閉窓および障子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内空間を区画する仕切壁に配置される室内窓ユニットが知られている(特許文献1参照)。室内窓ユニットでは、最上段に開閉窓が配置されており、最上段よりも下段にFIX窓(固定窓)が配置されている。開閉窓は、開閉枠体(枠体)と、開閉枠体内に配置された開閉障子(障子)と、開閉障子の開口角度を任意角度で保持するフリクションステーとを備えている。開閉障子は、開閉枠体と開閉障子の上端部とを連結すると共に開閉障子の回転軸を構成する回転連結部を備えている。回転連結部は、開閉障子を開閉枠体に対して回転可能に開閉枠体の縦枠と開閉障子の上端部とを接続している。この開閉障子は、回転連結部を中心に回動開閉し且つフリクションステーで任意角度に保持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-044435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の室内窓ユニットにおける開閉窓では、開閉障子はフリクションステーによって任意角度に保持されるようになっているが、任意角度に保持された状態の開閉障子を更に開放操作すれば全開位置まで開放可能であるので、誤操作などによって全開状態とされて、開閉枠体と開閉障子との間隔が大きく開いてしまうおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、枠体に対する障子の全開位置を規定できる開閉窓および障子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開閉窓は、枠体と、前記枠体内に配置される障子と、前記障子を前記枠体に対して開閉可能に連結するリンク機構とを備え、前記リンク機構は、前記障子の開放移動に伴って回動する回動アームを備え、前記枠体には、回動する前記回動アームに当接して前記障子の開放移動を規制するストッパーが取り付けられることを特徴とする。
本発明の障子は、上段に前述した本発明の開閉窓が構成され且つ下段に他の窓が構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、枠体に対する障子の全開位置を規定できる開閉窓および障子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る開閉窓を備える障子ユニットを示す外観姿図。
図2図1に示す障子ユニットを示す縦断面図。
図3図1に示す障子ユニットを示す横断面図。
図4】前記実施形態に係る開閉窓の開放状態を示す縦断面図。
図5】前記実施形態に係る開閉窓の開放状態における要部を示す縦断面図。
図6】前記実施形態に係る開閉窓のストッパーを示す説明図。
図7】前記実施形態に係る開閉窓のストッパーの配置を示す横断面図。
図8】前記実施形態に係る開閉窓の各裏板を示す説明図。
図9】前記実施形態に係る開閉窓の変形例を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図3において、本発明の実施形態に係る開閉窓としての横すべり出し窓40を含む室内窓1(建具)は、建物の室内空間を一方側の第1空間と他方側の第2空間とに仕切る室内壁部(壁部)に設置されるものであり、壁開口部F1の上面F2に固定される上枠2と、上枠2に連結されると共に壁開口部F1の下面F3に固定される障子ユニット3とを備えている。障子ユニット3は、一対の障子4が左右に連結されてなり、一対の障子4は、上段に位置する横すべり出し窓40と、下段に位置するFIX窓70(固定窓、嵌め殺し窓)とをそれぞれ備えている。本実施形態では、一対の障子4の横すべり出し窓40のそれぞれが開閉窓を構成している。前述した障子ユニット3は、左右一対の障子4を備えるので、各障子4における横すべり出し窓40同士と、FIX窓70同士とが左右に並設される構成となる。
以下の説明において、障子ユニット3の左右方向をX軸方向とし、障子ユニット3の上下方向をY軸方向とし、障子ユニット3の見込み方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
上枠2のX軸方向の長さは、上面F2のX軸方向の長さと同じである。図2に示すように、上枠2は、上面F2にねじ止めされる長方形板状の上枠本体21と、上枠本体21のX軸方向に沿った両側縁から下方に延びる上枠対向部22とを備えて断面略コ字状に形成されている。
上枠本体21には、連結部材23が固定されている。連結部材23は、上枠本体21にねじ止めされる四角板状の連結部材本体231と、連結部材本体231の第1空間側の端縁から下方に延びる連結垂下片232とを備えている。連結垂下片232の下端側の部位には、障子4を上枠2に固定するための上框固定ねじ24が螺合される雌ねじ部232Aが設けられている。
【0011】
図2および図3に示すように、障子4は、アルミ製押出形材で形成される外側上框31、外側下框32、左右の外側縦框33および中桟34を框組みして構成される外框体35と、外側下框32、左右の外側縦框33の下部および中桟34で区画される下側の面内に配置されるガラスパネル等で四角板状に形成される面材36とを備えており、外側下框32、左右の外側縦框33の下部、中桟34および面材36によって前述したFIX窓70を構成しており、外側上框31、左右の外側縦框33の上部および中桟34で区画される面内に前述した横すべり出し窓40が設置されている。
また、一対の障子4のうちX軸方向に互いに隣接する外側縦框33同士は、図3に示すように、互いにねじ止めされることで連結される連結框として構成されており、これらの連結框における第1空間側および第2空間側の部分にはカバー部材331が装着されている。
【0012】
外側上框31、左右の外側縦框33の上部および中桟34の内周見込み面には、アルミ製押出形材で形成される上枠41、左右の縦枠42および下枠43を枠組みしてなる横すべり出し窓40の窓枠45(枠体)が取り付けられている。上枠41および下枠43は、互いに共通の枠材で形成されていると共に、互いに上下逆向きに配置されており、外側上框31および中桟34に対して係合している。また、左右の縦枠42は、互いに共通の枠材で形成されていると共に、互いに左右逆向きに配置されており、後述する長尺裏板80を介して左右の縦枠42に固定されている。縦枠42は、図7に示すように、枠見込み片部421と、枠見込み片部421の一方側の端部に連続した枠見付け片部422と、枠見込み片部421の他方側の端部から外周側(ここでは外側縦框33側)に折曲された折曲部423とを有している。なお、上枠41および下枠43は、縦枠42の枠材と概略同様に形成されているが、外側上框31や中桟34に係合するための係合爪部を更に有している点で縦枠42とは構成が異なっている。
【0013】
窓枠45内には、横すべり出し窓40における障子を構成する内障子50が配置されている。内障子50は、アルミ製押出形材で形成される内側上框51、内側下框52、左右の内側縦框53(それぞれ横すべり出し窓40における上框、下框および左右の縦框に相当する)を有する内框体55(横すべり出し窓40における框体に相当する)と、内框体55内に配置されるガラスパネル等で四角板状に形成される面材56とを框組みして構成されており、左右の内側縦框53がフリクションステー60(リンク機構)を介して左右の縦枠42に対して任意角度で保持可能であってすべり出し式に回動可能に構成されている。本実施形態では、内障子50はその上部よりも下部が第2空間側にすべり出し可能に窓枠45に連結されている。
【0014】
内側上框51、内側下框52および左右の内側縦框53(縦框)は、中空枠状にそれぞれ形成されており、面材56を保持する保持溝58が内周側に開口してそれぞれ形成されている。内側下框52は、横すべり出し窓40における戸先框を構成しており、面材56よりも第1空間側(一方側)の位置でX軸方向に沿って配置される第一操作部521と、面材56よりも第2空間側(他方側)の位置でX軸方向に沿って配置される第二操作部522とを有しており、第一操作部521や第二操作部522の操作によって内障子50をZ軸方向に開閉可能となっている。
内側上框51および内側下框52の中空部510,520には、X軸方向に沿ったビスホール59が配置されており、これらのビスホール59にネジが螺合することで、内側上框51および内側下框52に左右の内側縦框53が縦勝ちに連結されている。
左右の内側縦框53は、図7に示すように、中空部530を形成する中空枠状の縦框本体部531と、縦框本体部531からその第2空間側の見付け面に沿って外周側(縦枠42側)に延出した延出部532とを有している。縦框本体部531には、そのZ軸方向における略中央位置に保持溝58が形成されている。延出部532は、その先端部分が縦框本体部531側に湾曲して折り返された返し部を有しているが、この返し部を有せずに構成されていてもよい。
【0015】
フリクションステー60(リンク機構)は、図4に示すように、一端が縦枠42に回動可能に連結された第一回動アーム61および第二回動アーム62(回動アーム)と、第一回動アーム61および第二回動アーム62の他端が回動可能に連結されていると共に内側縦框53に固定された固定アーム63とを備えている。第一回動アーム61は、縦枠42の上部と内側縦框53の上部とを固定アーム63などを介して連結しており、第二回動アーム62は、第一回動アーム61よりも長尺に形成されていると共に第一回動アーム61よりも下方に配置されており、縦枠42の下部と、第一回動アーム61が連結する内側縦框53の前述した上部よりも下方であって内側縦框53のY軸方向における中央位置よりも上方の部分とを固定アーム63などを介して連結している。
また、図7および図8に示すように、外側縦框33と縦枠42との間には、フリクションステー60を縦枠42に連結するための長尺裏板80が配置されている。長尺裏板80は、Y軸方向に延びており、その下部には後述する短尺裏板85が配置される切欠き81が形成されている。切欠き81は、長尺裏板80の下端から短尺裏板85よりもY軸方向に長尺に形成されており、このため、切欠き81において短尺裏板85の配置をY軸方向に調整して位置決めできるようになっている。この長尺裏板80は、ねじ5によって外側縦框33にねじ止めされており、ねじ6によって縦枠42がねじ止めされている。
【0016】
前述した横すべり出し窓40において、左右の縦枠42のうち少なくとも一方には、第2空間側に傾倒するように回動する第二回動アーム62に当接して内障子50の開放移動を規制するストッパー90が取り付けられている。
ストッパー90は、図5および図6に示すように、縦枠42の枠見込み片部421における見込み面に沿って当該枠見込み片部421に取り付けられる平板状の取付部91と、第二回動アーム62に当接可能な位置に配置されるように取付部91から折曲されてX軸方向に延出した平板状の規制部92とを有して断面略L字状に形成されている。
取付部91は、略矩形状に形成されており、そのY軸方向における両端部に固定孔911が形成されている。取付部91のY軸方向に沿った一方の側縁のうちY軸方向における両端部の間に位置する部分は、他方の側縁側に若干凹んで形成されており、この部分から規制部92が折曲されている。また、規制部92は、略矩形状に形成されていると共に取付部91よりもY軸方向に短尺である。
外側縦框33と縦枠42との間であって長尺裏板80の切欠き81の部分には、ストッパー90を縦枠42に取り付けるための短尺裏板85が配置されている。短尺裏板85は、図8に示すように、矩形板状に形成されており、そのY軸方向における寸法は、ストッパー90の取付部91のY軸方向における寸法と同じ寸法である。短尺裏板85は、他のねじ5によって外側縦框33にねじ止めされていると共にねじ7によってストッパー90が縦枠42の枠見込み片部421を介してねじ止めされている。取付部91は、ねじ7によって短尺裏板85にねじ止めされることで挟持される縦枠42の枠見込み片部421における見込み面に取り付けられることとなる。
短尺裏板85は、フリクションステー60が取り付けられる長尺裏板80に対して別部材で構成されているので、ストッパー90を横すべり出し窓40に対して後付けする場合においても、長尺裏板80やフリクションステー60の配置を変えることなく、ストッパー90の位置に対応して短尺裏板85の位置を調整して配置できるので、各種寸法の横すべり出し窓に応じた位置にストッパー90を容易に後付けできる。
このストッパー90の設置状態では、図7に示すように、取付部91が内側縦框53の延出部532に対してX軸方向に間隔を隔てて配置され、規制部92は、取付部91のうち第1空間側に位置する側縁からX軸方向における内周側に延出し、Z軸方向において延出部532と第二回動アーム62との間に配置される。このように、第二回動アーム62に対して延出部532がZ軸方向に対向して配置される場合でも板状のストッパー90を設置することで、第二回動アーム62に当接可能に配置することができる。
なお、長尺裏板80および短尺裏板85は、第1空間側および第2空間側に露呈しないようにZ軸方向において枠見付け片部422と折曲部423との間に配置されている。
【0017】
以下、障子ユニット3における横すべり出し窓40の開閉動作について説明する。
開放動作は次のようにして行う。図1から図3に示すように閉鎖状態にある横すべり出し窓40の内側下框52における第一操作部521を第2空間側に押し出すか、または第二操作部522を第2空間側に引き出す。これにより、フリクションステー60の第一回動アーム61および第二回動アーム62が第2空間側に傾倒しながら回動し、内障子50はその上部よりも下部が第2空間側に突き出されながら図4に示すように開放移動する。次に、回動する第二回動アーム62のうち縦枠42に対する軸心よりも上側の部分が図5に示すようにストッパー90の規制部92の上端に当接すると、第二回動アーム62の回動は停止され、これにより、内障子50の開放移動も規制される。このように内障子50の開放移動が規制された位置が横すべり出し窓40の全開位置として規定されることとなる。このため、例えば、ストッパー90を備えない横すべり出し窓40で全開状態における下枠43と内側下框52との開き幅が大きく開放する構成のものであったとしても、この横すべり出し窓40にストッパー90を後付けすることで、全開状態における開き幅を狭めることができ、例えば全開状態でも子供が通り抜けられない程度の開き幅にし得る。
なお、開放状態にある横すべり出し窓40の内側下框52における第二操作部522を第1空間側に押し込むか、または第一操作部521を第1空間側に引き寄せることで閉鎖状態とすることで、閉鎖動作を行う。
【0018】
[変形例]
前記実施形態では、横すべり出し窓40は、図4に示すY軸方向の寸法を有しており、下枠43と内側下框52との全開状態における開き幅が所定幅となるようにストッパー90が配置されているが、例えば、図9に示すように、横すべり出し窓40が図4に示すものよりもY軸方向の寸法が小さいものである場合、ストッパー90のフリクションステー60に対する配置が同じ位置のままであると、下枠43と内側下框52との全開状態における開き幅が図4の開き幅とは異なる設定となってしまうが、図9に示す横すべり出し窓40のストッパー90を設置する場合に当該ストッパー90および短尺裏板85の位置をフリクションステー60に対して位置調整することで、下枠43と内側下框52との全開状態における開き幅を所定の開き幅に設定できる。
【0019】
前記実施形態では、ストッパー90は縦枠42の見込み面に取り付けられているが、これに限らず、例えば縦枠42の見付け面などに取り付けられてもよい。
前記実施形態では、ストッパー90は平板状の取付部91と、平板状の規制部92とで断面略L字状に形成されているが、これに限らず、配置可能であれば軸ピンなどでストッパー90を構成してもよい。
前記実施形態では、ストッパー90が取り付けられる短尺裏板85が、フリクションステー60が取り付けられる長尺裏板80とは別部材で構成されているが、これに限らず、短尺裏板85の位置を長尺裏板80の位置に対して調整する必要がない場合には短尺裏板85を長尺裏板80と一体に形成してもよい。
前記実施形態では、横すべり出し窓40を開閉窓として構成したが、このほか、縦すべり出し窓や突き出し窓などの回動開閉する各種の開閉窓で構成されてもよい。
前記実施形態では、障子4の下段にはFIX窓70が構成されているが、このほかの各種窓が構成されてもよい。また、障子4は、上下2段構成とされているが、上下3段以上の構成とされてもよく、この場合、開閉窓は最上段や2段目などの1段目よりも高い位置に設けられてもよい。
前記実施形態では、障子ユニット3は、左右一対の障子4が互いに連結されて構成されているが、このほか、一対よりも多くの障子4がX軸方向に連結されて障子ユニットを構成してもよい。
前記実施形態では、障子ユニット3を、室内窓1を構成するものとして利用したが、このほか、屋内外を仕切る建物壁に設けられる窓として利用されてもよい。
【0020】
[発明のまとめ]
(1)本発明の開閉窓は、枠体と、前記枠体内に配置される障子と、前記障子を前記枠体に対して開閉可能に連結するリンク機構とを備え、前記リンク機構は、前記障子の開放移動に伴って回動する回動アームを備え、前記枠体には、回動する前記回動アームに当接して前記障子の開放移動を規制するストッパーが取り付けられることを特徴とする。
本発明によれば、リンク機構によって枠体に連結される障子は本来の全開位置まで開放移動可能であるが、前述したストッパーを取り付けることで、障子の開放移動に伴う回動アームの回動が規制されるので、障子は本来の全開位置よりも手前の位置までに開放移動が規制されることとなる。このため、前述したストッパーを取り付けることで、障子の全開位置を規定できる。
(2)本発明の開閉窓では、前記ストッパーは、前記枠体の見込み面に取り付けられてもよい。
このような構成によれば、例えばストッパーが枠体の見付け面に取り付けられる場合よりも、外観上、ストッパーが目立ち難い配置にできて、意匠性を向上し得る。
(3)本発明の開閉窓では、前記ストッパーは、前記枠体の見込み面に沿って取り付けられる平板状の取付部と、前記回動アームに当接可能な位置に配置されるように前記取付部から折曲された平板状の規制部とを有してもよい。
このような構成によれば、前述した取付部および規制部でストッパーが構成されるので、取付部や規制部を平板状とすることで枠体の見付け方向や見込み方向におけるスリム化を図り得ると共に、平板状の取付部から折曲して規制部を形成することによって必要強度を保ち得るストッパーを構成し得る。
(4)本発明の開閉窓では、前記障子は、框体と、前記框体内に配置される面材とを備え、前記框体は、前記枠体側に延出する延出部を有し、前記規制部は、前記回動アーム側における前記取付部の側縁から折曲されてなると共に、前記回動アームと前記延出部との間に配置されてもよい。
このような構成によれば、規制部が前述したように形成されるので、框体に延出部が形成され、当該延出部に対して回動アームが見込み方向に対向して配置される場合においても、規制部が回動する回動アームに当接可能となるように、当該規制部を前記回動アームと前記延出部との間に配置でき、このため、回動アームおよび延出部の位置をズラしたり、延出部の構成を省略することなく、ストッパーを取り付けた開閉窓を容易に構成できる。
(5)本発明の開閉窓では、前記リンク機構を前記枠体に連結するための長尺裏板と、前記ストッパーを前記枠体に取り付けるための短尺裏板とを有し、前記長尺裏板には、前記短尺裏板よりも長尺な切欠きが形成され、前記短尺裏板は、前記切欠きに配置されてもよい。
このような構成によれば、前述した各裏板を用いることで、リンク機構の連結強度やストッパーの取付強度を向上でき、また、短尺裏板が長尺裏板の切欠きに配置されるので、例えば、長尺裏板と短尺裏板とが見込み方向に並設される場合と比べて、これらが設けられる見込み領域を小さくできて枠体の見込み寸法のスリム化を図り得、更に、短尺裏板が配置される切欠きは、当該短尺裏板よりも長尺なので、当該切欠きにおいて短尺裏板の位置をストッパーの位置に応じて調整し得る。
(6)本発明の障子は、上段に前述した本発明の開閉窓が構成され且つ下段に他の窓が構成されることを特徴とする。本発明の障子によれば、前述した本発明の開閉窓と作用効果を発揮し得、高い位置にある開閉窓の操作性を向上し得る。
【符号の説明】
【0021】
1…室内窓、2…上枠、21…上枠本体、22…上枠対向部、23…連結部材、231…連結部材本体、232…連結垂下片、232A…雌ねじ部、24…上框固定ねじ、3…障子ユニット、31…外側上框、32…外側下框、33…外側縦框、331…カバー部材、34…中桟、35…外框体、36…面材、4…障子(広義の障子)、40…横すべり出し窓(開閉窓)、41…上枠、42…縦枠、421…枠見込み片部、422…枠見付け片部、423…折曲部、43…下枠、45…窓枠(枠体)、5~7…ねじ、50…内障子(狭義の障子)、51…内側上框(上框)、510,520,530…中空部、52…内側下框(下框、戸先框)、521…第一操作部、522…第二操作部、53…内側縦框(縦框)、531…縦框本体部、532…延出部、55…内框体(框体)、56…面材、58…保持溝、59…ビスホール、60…フリクションステー(リンク機構)、61…第一回動アーム、62…第二回動アーム(回動アーム)、63…固定アーム、70…FIX窓(固定窓)、80…長尺裏板、81…切欠き、85…短尺裏板、90…ストッパー、91…取付部、911…固定孔、92…規制部、F1…壁開口部、F2…上面、F3…下面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9