(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126375
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】医用画像処理装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/46 20240101AFI20240912BHJP
【FI】
A61B6/03 360Z
A61B6/03 360P
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034705
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】穐山 寿美江
(72)【発明者】
【氏名】長門 優喜
(72)【発明者】
【氏名】渡部 恭子
(72)【発明者】
【氏名】山守 恭平
(72)【発明者】
【氏名】村上 友梨
(72)【発明者】
【氏名】西岡 昂彦
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA26
4C093FF41
4C093FG04
(57)【要約】
【課題】異なるモダリティ装置で撮影された画像に相当する画像を撮影すること。
【解決手段】実施形態に係る医用画像処理装置は、画像取得部と、撮影パラメータ調整部とを備える。画像取得部は、第1のモダリティ装置による撮影画像を取得する。撮影パラメータ調整部は、画像取得部により取得された第1のモダリティ装置による撮影画像を用いて、第2のモダリティ装置の撮影パラメータを調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモダリティ装置による撮影画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像を用いて、第2のモダリティ装置の撮影パラメータを調整する撮影パラメータ調整部と、
を備える医用画像処理装置。
【請求項2】
前記撮影パラメータ調整部は、前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像に相当する画像を撮影可能な前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを指定する入力操作にしたがって、前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを調整する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記撮影パラメータ調整部は、前記入力操作を受け付ける操作領域と、前記入力操作にしたがった調整後の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータに基づいて前記第2のモダリティ装置により撮影されることが推定される推定画像と、前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像とを表示しながら、前記入力操作にしたがった前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータの調整を行う、請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記操作領域は、前記第2のモダリティ装置の少なくとも1種類の撮影パラメータを調整可能な少なくとも1つのスライダーバーを含む、請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記撮影パラメータ調整部は、前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータに基づいて前記第2のモダリティ装置により撮影される撮影画像を学習した学習済みモデルを用いて、前記入力操作にしたがった調整後の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータに対応する前記推定画像を表示する、請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記撮影パラメータ調整部は、前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像に相当する画像を撮影可能な前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを推定することで、自動的に前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを調整する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記第2のモダリティ装置による撮影画像を取得する第2の画像取得部と、
前記第2のモダリティ装置による撮影画像に対応する調整前の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを取得する撮影パラメータ取得部と、を更に備え、
前記撮影パラメータ調整部は、前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像と、前記第2の画像取得部により取得された前記第2のモダリティ装置による撮影画像と、前記撮影パラメータ取得部により取得された調整前の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータとを比較し、比較結果に基づいて前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを推定する、請求項6に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記撮影パラメータ調整部は、前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像と、前記第2の画像取得部により取得された前記第2のモダリティ装置による撮影画像との類似度を判断し、前記類似度が閾値以上となったときの前記第2のモダリティ装置による撮影画像に対応する調整前の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを、前記第1のモダリティ装置による撮影画像に相当する画像を撮影可能な前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータと推定することで、前記比較結果に基づく前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータの推定を行う、請求項7に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像と、当該撮影画像に対応する前記第1のモダリティ装置の推定された撮影パラメータとの組み合わせで構成される第1マップを作成する第1マップ作成部と、
前記第2のモダリティ装置による撮影画像と、当該撮影画像に対応する調整前の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータとの組み合わせで構成される第2マップを記憶する第2マップ記憶部と、を更に備え、
前記撮影パラメータ調整部は、前記第1マップ作成部により作成された前記第1マップと、前記第2マップ記憶部により記憶された前記第2マップとを比較し、比較結果に基づいて前記第2マップ内の調整前の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを調整後の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータに変換することで、前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを推定する、請求項6に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記撮影パラメータ調整部は、前記第2マップ内の撮影パラメータを、当該撮影パラメータに対応する前記第2マップ内の撮影画像に対して前記第1マップ内の撮影画像が閾値以上の類似度を有するような当該撮影画像に対応する前記第1マップ内の撮影パラメータに置き換えることで、前記第2マップ内の調整前の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを調整後の前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータに変換する、請求項9に記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記撮影パラメータ調整部は、前記第2のモダリティ装置の複数種類の撮影パラメータ毎に、前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを推定する、請求項6に記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
前記撮影パラメータ調整部は、前記第2のモダリティ装置の前記複数種類の撮影パラメータ毎に各撮影パラメータの値を変更したときに得られる画像を学習した第2の学習済みモデルと、前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像とを比較することで、前記複数種類の撮影パラメータ毎に前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを推定する、請求項11に記載の医用画像処理装置。
【請求項13】
前記撮影パラメータ調整部は、前記複数種類の撮影パラメータのうちの1種類の撮影パラメータの値を変更しながら、前記第2の学習済みモデルから取得される前記1種類の撮影パラメータの値に対応する画像と、前記画像取得部により取得された前記第1のモダリティ装置による撮影画像とを比較して類似度を判断し、前記類似度が閾値以上となったときの値を有する前記1種類の撮影パラメータを確定することを、前記複数種類の撮影パラメータの全ての値が確定されるまで繰り返すことで、前記複数種類の撮影パラメータ毎に前記第2のモダリティ装置の撮影パラメータを推定する、請求項12に記載の医用画像処理装置。
【請求項14】
前記第1のモダリティ装置は、撮影パラメータが不明の装置であり、前記第2のモダリティ装置は、前記撮影パラメータ調整部による調整前の撮影パラメータが既知の装置である、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項15】
前記医用画像処理装置は、前記第1のモダリティ装置及び前記第2のモダリティ装置と通信可能に接続される、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項16】
前記第2のモダリティ装置は、前記第1のモダリティ装置と入れ替えて設置される装置である、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、X線コンピュータ断層(Computed Tomography)画像を撮影するX線CT装置等の医用画像を撮影するモダリティ装置では、設定された撮影パラメータにしたがって医用画像を撮影する。
【0003】
医療現場では、現在使用しているモダリティ装置に替えて新たなモダリティ装置を導入する場合がある。この場合、現在使用しているモダリティ装置で撮影された画像と同等の画像を新たに導入されるモダリティ装置で撮影することが求められることがある。
【0004】
しかしながら、従来は、異なるモダリティ装置で撮影された画像と同等の画像を撮影するための撮影パラメータを特定することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5479216号公報
【特許文献2】特許第7130449号公報
【特許文献3】特許第5637928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、異なるモダリティ装置で撮影された画像に相当する画像を撮影することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る医用画像処理装置は、画像取得部と、撮影パラメータ調整部とを備える。画像取得部は、第1のモダリティ装置による撮影画像を取得する。撮影パラメータ調整部は、画像取得部により取得された第1のモダリティ装置による撮影画像を用いて、第2のモダリティ装置の撮影パラメータを調整する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置を備えた医用画像処理システムの構成の一例を示すブロック図。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例を示すフローチャート。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例における第1のモダリティ装置による撮影画像の取得工程を説明するための説明図。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例における操作領域の表示工程、第2のモダリティ装置の推定画像の表示工程、及び第1のモダリティ装置による撮影画像の表示工程を説明するための説明図。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例における第2のモダリティ装置の推定画像の生成方法を説明するための説明図。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例における第2のモダリティ装置の撮影パラメータの調整状態を説明するための説明図。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置を備えた医用画像処理システムの構成の一例を示すブロック図。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例を示すフローチャート。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例における撮影画像の比較工程、類似度の判断工程、及び第2のモダリティ装置の撮影パラメータの推定工程を説明するための説明図。
【
図10】
図10は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置を備えた医用画像処理システムの構成の一例を示すブロック図。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例を示すフローチャート。
【
図12】
図12は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例における第1マップの作成工程を説明するための説明図。
【
図13】
図13は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例における第1マップと第2マップとの比較工程を説明するための説明図。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例における第2マップの変換工程を説明するための説明図。
【
図15】
図15は、第3の実施形態の変形例に係る医用画像処理装置の動作例における第2マップの取得工程を説明するための説明図。
【
図16】
図16は、第3の実施形態の変形例に係る医用画像処理装置の動作例における第2マップの変換工程を説明するための説明図。
【
図17】
図17は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例を示すフローチャート。
【
図18】
図18は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置の動作例に用いられる第2の学習済みモデルを説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、医用画像処理装置の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、医用画像処理システム1は、第1のモダリティ装置2と、第2のモダリティ装置3と、第1の実施形態に係る医用画像処理装置4とを備える。医用画像処理装置4は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して第1のモダリティ装置2及び第2のモダリティ装置3と相互に通信可能に接続される。
【0011】
第1のモダリティ装置2及び第2のモダリティ装置3は、例えば、医用画像としてX線CT画像を撮影する装置である。第1のモダリティ装置2は、医用画像の撮影に用いられる撮影パラメータが不明のモダリティ装置である。第2のモダリティ装置3は、後述する撮影パラメータ調整機能52による調整前の撮影パラメータが既知のモダリティ装置である。第2のモダリティ装置3は、例えば、医療現場において、第1のモダリティ装置2と入れ替えて設置されるモダリティ装置である。第1のモダリティ装置2及び第2のモダリティ装置3は、例えば、超音波画像、X線透視画像、マンモグラフィ画像、及びMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像等のCT画像以外の医用画像を撮影する装置であってもよい。
【0012】
医用画像処理装置4は、例えば、ワークステーション、医用画像管理装置、及び読影端末等であり、ネットワークNを介して接続されたシステム上に備えられている。なお、医用画像処理装置4は、オフラインの装置であってもよい。その場合、医用画像処理装置4は、可搬型の記録媒体を介して、第1のモダリティ装置2から撮影画像を取得し、第2のモダリティ装置3に、医用画像の撮影に用いられる撮影パラメータを提供してもよい。
【0013】
ここで、医用画像処理装置4と第2のモダリティ装置3とにより、クライアントサーバシステムが構成されてもよい。具体的には、医用画像処理装置4が、撮影パラメータを提供するサーバ装置に含まれる一方で、第2のモダリティ装置3が、撮影パラメータを利用するクライアント装置に含まれてもよい。
【0014】
図1に示すように、医用画像処理装置4は、処理回路5と、ネットワークインタフェース6と、入力インタフェース7と、出力インタフェース8と、記憶回路9とを備える。
【0015】
ネットワークインタフェース6は、医用画像処理装置4を第1のモダリティ装置2及び第2のモダリティ装置3と通信可能に接続するインタフェースである。ネットワークインタフェース6は、例えば、パラレル接続仕様又はシリアル接続仕様に合わせたコネクタによって構成される。ネットワークインタフェース6は、例えば、各規格に応じた通信制御を行い、電話回線を通じてネットワークに接続することで、ネットワークを介して医用画像処理装置4を第1のモダリティ装置2及び第2のモダリティ装置3に接続することができる。
【0016】
入力インタフェース7は、操作者からの各種の入力操作を受け付ける。入力インタフェース7は、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路5に出力する。例えば、入力インタフェース7は、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整するための指示を操作者から受け付ける。入力インタフェース7としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等を、適宜使用することが可能である。
【0017】
出力インタフェース8は、各種の情報を出力する。例えば、出力インタフェース8は、ディスプレイを備える。ディスプレイは、処理回路5によって生成された医用画像及び操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイとしては、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。出力インタフェース8は、スピーカを備えていてもよい。
【0018】
記憶回路9は、種々の情報を記憶する非一過性の記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、SSD(Solid State Drive)、及び集積回路記憶装置等である。記憶回路9は、例えば、医用画像処理装置4を制御する制御プログラムと、この制御プログラムの実行に用いられる各種のデータとを記憶する。記憶回路9は、HDD及びSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体、或いはRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。なお、記憶回路9は、必ずしも単一の記憶装置により実現される必要は無い。例えば、記憶回路9は、複数の記憶装置により実現されてもよい。
【0019】
処理回路5は、入力インタフェース7から出力される入力操作の電気信号に応じて、医用画像処理装置4全体の動作を制御する。例えば、処理回路5は、画像取得機能51及び撮影パラメータ調整機能52を実行する。画像取得機能51は、画像取得部の一例である。撮影パラメータ調整機能52は、撮影パラメータ調整部の一例である。
【0020】
ここで、例えば、
図1に示す処理回路5の構成要素である画像取得機能51及び撮影パラメータ調整機能52は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路9内に記録されている。処理回路5は、例えば、プロセッサである。処理回路5を構成するプロセッサは、記憶回路9から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路5は、
図1の処理回路5内に示された各機能を有することとなる。
【0021】
なお、
図1においては、画像取得機能51及び撮影パラメータ調整機能52の各処理機能が単一の処理回路5によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路5は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路5が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0022】
画像取得機能51は、第1のモダリティ装置2による撮影画像を取得する。
【0023】
撮影パラメータ調整機能52は、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像を用いて、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整する。第2のモダリティ装置3の撮影パラメータは、例えば、X線CT装置であれば、管電圧(kV)、管電流(mA)、再構成関数(FC)、フィルタ、及び造影等である。
【0024】
第1の実施形態において、撮影パラメータ調整機能52は、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを指定する入力操作にしたがって、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整する。
【0025】
具体的には、第1の実施形態において、撮影パラメータ調整機能52は、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを指定する入力操作を受け付ける操作領域と、当該入力操作にしたがった調整後の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに基づいて第2のモダリティ装置3により撮影されることが推定される推定画像と、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像とを表示しながら、当該入力操作にしたがった第2のモダリティ装置3の撮影パラメータの調整を行う。
【0026】
例えば、操作領域は、第2のモダリティ装置3の少なくとも1種類の撮影パラメータを調整可能な少なくとも1つのスライダーバーを含んでもよい。
【0027】
撮影パラメータ調整機能52は、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに基づいて第2のモダリティ装置3により撮影される撮影画像を学習した学習済みモデルを用いて、入力操作にしたがった調整後の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに対応する推定画像を表示してもよい。
【0028】
撮影パラメータ調整機能52は、調整された撮影パラメータを第2のモダリティ装置3に送信することで、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを設定してもよい。
【0029】
次に、以上のように構成された第1の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例を示すフローチャートである。なお、
図2のフローチャートに示される一連の工程は、必要に応じて繰り返される。
【0030】
先ず、
図2に示すように、画像取得機能51は、ネットワークインタフェース6を介した第1のモダリティ装置2との通信によって、第1のモダリティ装置2から、第1のモダリティ装置2による撮影画像を受信して取得する(ステップS11)。
図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例における第1のモダリティ装置2による撮影画像の取得工程を説明するための説明図である。
図3に示される例において、符号I1は、第1のモダリティ装置2による撮影画像である(以下、同様)。
図3に示される例において、第1のモダリティ装置2による撮影画像I1は、第1のモダリティ装置2の一例であるX線CT装置2によって、ファントムPを撮影した撮影画像である。
図3に示される例において、画像取得機能51は、X線CT装置2の記憶回路に記録されている撮影画像I1をX線CT装置2から受信して取得する。
【0031】
図4は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例における操作領域の表示工程、第2のモダリティ装置3の推定画像の表示工程、及び第1のモダリティ装置2による撮影画像の表示工程を説明するための説明図である。
図4に示される例において、符号I2は、第2のモダリティ装置3の推定画像である(以下、同様)。第2のモダリティ装置3の推定画像I2は、例えば、第2のモダリティ装置3の一例であるX線CT装置3によって、
図3のファントムPと同じファントムPを撮影した場合に撮影されることが推定される画像である。
【0032】
第1のモダリティ装置2による撮影画像が取得された後、
図2及び
図4に示すように、撮影パラメータ調整機能52は、スライダーバーを含む操作領域Aをディスプレイに表示させる(ステップS12)。
図4に示される例において、操作領域A内には、管電圧及び再構成関数等の第2のモダリティ装置3の複数種類の撮影パラメータを個別に調整可能な複数のスライダーバーBが表示される。
【0033】
操作領域を表示した後、
図2及び
図4に示すように、撮影パラメータ調整機能52は、スライダーバーが示す撮影パラメータ群に対応する第2のモダリティ装置3の推定画像I2を表示する(ステップS13)。
図4に示される例において、第2のモダリティ装置3の推定画像I2は、操作領域Aの上方d1に、操作領域Aと隣り合うように表示される。
【0034】
図5は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例における第2のモダリティ装置3の推定画像I2の生成方法を説明するための説明図である。
図5に示される例において、第2のモダリティ装置3の推定画像I2は、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに基づいて第2のモダリティ装置3により撮影される撮影画像を学習した第1の学習済みモデルMo1を用いて推定された画像である。すなわち、第2のモダリティ装置3の推定画像I2は、スライダーバーBにより指定された第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群と、第1のモダリティ装置2による撮影画像I1とを第1の学習済みモデルMo1に入力することによって出力された画像である。第1の学習済みモデルMo1は、例えば、敵対的生成ネットワーク(GAN)を用いて作成されたモデルである。第1の学習済みモデルMo1は、GAN以外の機械学習を用いて作成されたモデルであってもよい。
【0035】
第2のモダリティ装置3の推定画像を表示させた後、
図2及び
図4に示すように、撮影パラメータ調整機能52は、第1のモダリティ装置2による撮影画像I1をディスプレイに表示させる(ステップS14)。なお、ステップS14は、ステップS13と前後が入れ替わってよく、又は、ステップS13と同時であってもよい。
図4に示される例において、第1のモダリティ装置2による撮影画像I1は、第2のモダリティ装置3の推定画像I2と対比可能に推定画像I2の右方d2に並べて表示される。
【0036】
第1のモダリティ装置2による撮影画像を表示させた後、
図2に示すように、撮影パラメータ調整機能52は、スライダーバーが移動されたか否かを判定する(ステップS15)。
【0037】
スライダーバーが移動された場合(ステップS15:Yes)、撮影パラメータ調整機能52は、移動後のスライダーバーが示す第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群に対応する第2のモダリティ装置3の推定画像をディスプレイに表示させる(ステップS16)。一方、スライダーバーが移動されていない場合(ステップS15:No)、撮影パラメータ調整機能52は、スライダーバーの移動の有無の判定を繰り返す(ステップS15)。
【0038】
移動後のスライダーバーが示す第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群に対応する第2のモダリティ装置3の推定画像をディスプレイに表示させた後、撮影パラメータ調整機能52は、入力インタフェース7を用いた撮影パラメータ群の決定操作が行われたか否かを判定する(ステップS17)。決定操作は、例えば、操作領域Aに表示された図示しない決定ボタンを押す操作であってもよい。
【0039】
決定操作が行われた場合(ステップS17:Yes)、撮影パラメータ調整機能52は、移動後のスライダーバーで示される撮影パラメータ群を、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群に決定する(ステップS18)。一方、決定操作が行われていない場合(ステップS17:No)、撮影パラメータ調整機能52は、スライダーバーの移動の有無の判定を繰り返す(ステップS15)。
図6は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例における第2のモダリティ装置3の撮影パラメータの調整状態を説明するための説明図である。
図6に示すように、第2のモダリティ装置3の推定画像I2が第1のモダリティ装置2による撮影画像I1と同等の外観になったことを操作者が判断して決定操作を行うことで、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを、第1のモダリティ装置2による撮影画像と同等の画像を撮影し得るように調整することができる。
【0040】
以上説明したように、第1の実施形態では、画像取得機能51が、第1のモダリティ装置2による撮影画像を取得し、撮影パラメータ調整機能52が、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像を用いて、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整する。
【0041】
これにより、撮影パラメータ調整機能52により調整された撮影パラメータに基づいて、第2のモダリティ装置3が、異なるモダリティ装置2で撮影された画像に相当する画像を撮影することが可能となる。
【0042】
また、第1の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを指定する入力操作にしたがって、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整する。
【0043】
これにより、入力操作にしたがって撮影パラメータ調整機能52により調整された撮影パラメータに基づいて、第2のモダリティ装置3が、異なるモダリティ装置2で撮影された画像に相当する画像を撮影することが可能となる。
【0044】
また、第1の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、入力操作を受け付ける操作領域と、入力操作にしたがった調整後の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに基づいて第2のモダリティ装置3により撮影されることが推定される推定画像と、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像とを表示しながら、入力操作にしたがった第2のモダリティ装置3の撮影パラメータの調整を行う。
【0045】
これにより、第2のモダリティ装置3の推定画像を第1のモダリティ装置2による撮影画像と見比べながら、第2のモダリティ装置3の推定画像が第1のモダリティ装置2による撮影画像に近づくように入力操作を行うことで、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影し得るように簡便かつ適切に調整することができる。
【0046】
また、第1の実施形態では、操作領域が、第2のモダリティ装置3の少なくとも1種類の撮影パラメータを調整可能な少なくとも1つのスライダーバーを含む。
【0047】
これにより、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整するための入力操作を簡便かつ適切に行うことができる。
【0048】
また、第1の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに基づいて第2のモダリティ装置3により撮影される撮影画像を学習した第1の学習済みモデルを用いて、入力操作にしたがった調整後の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに対応する推定画像を表示する。
【0049】
これにより、第1の学習済みモデルを用いて第2のモダリティ装置3の推定画像を適切に推定することができるので、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを適切に調整することができる。
【0050】
また、第1の実施形態では、第1のモダリティ装置2が、撮影パラメータが不明の装置であり、第2のモダリティ装置3が、撮影パラメータ調整機能52による調整前の撮影パラメータが既知の装置である。
【0051】
これにより、第1のモダリティ装置2の撮影パラメータが不明の場合であっても、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影し得るように第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整することができる。
【0052】
また、第1の実施形態では、医用画像処理装置4は、第1のモダリティ装置2及び第2のモダリティ装置3と通信可能に接続されている。
【0053】
これにより、第1のモダリティ装置2による撮影画像に基づく第2のモダリティ装置3の撮影パラメータの設定を、通信を利用して迅速に行うことができる。
【0054】
また、第1の実施形態では、第2のモダリティ装置3は、第1のモダリティ装置2と入れ替えて設置される装置である。
【0055】
これにより、入れ替え後のモダリティ装置3により、入れ替え前のモダリティ装置2に相当する画像を撮影することが可能となる。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを自動で調整する第2の実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。これまでは、撮影パラメータ調整機能52が、操作者の入力操作にしたがって第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整する例について説明した。
【0057】
これに対して、第2の実施形態において、撮影パラメータ調整機能52は、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定することで、自動的に第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整するように構成されている。
【0058】
図7は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置4を備えた医用画像処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。具体的には、
図7に示すように、第2の実施形態において、医用画像処理装置4の処理回路5は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、第2の画像取得機能53と、撮影パラメータ取得機能54とを備える。第2の画像取得機能53は、第2の画像取得部の一例である。撮影パラメータ取得機能54は、撮影パラメータ取得部の一例である。
【0059】
第2の画像取得機能53は、第2のモダリティ装置3による撮影画像を取得する。
【0060】
撮影パラメータ取得機能54は、第2のモダリティ装置3による撮影画像に対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを取得する。
【0061】
撮影パラメータ調整機能52は、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像と、第2の画像取得機能53により取得された第2のモダリティ装置3による撮影画像と、撮影パラメータ取得機能54により取得された調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータとを比較する。そして、撮影パラメータ調整機能52は、第1のモダリティ装置2による撮影画像と、第2のモダリティ装置3による撮影画像と、調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータとの比較結果に基づいて、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定することで、自動的に第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整する。撮影パラメータ調整機能52は、例えば、推定によって調整された第2のモダリティ装置3の撮影パラメータをディスプレイに表示することで、操作者に第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを提示する。
【0062】
より具体的には、撮影パラメータ調整機能52は、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像と、第2の画像取得機能53により取得された第2のモダリティ装置3による撮影画像との類似度を判断する。そして、撮影パラメータ調整機能52は、類似度が閾値以上となったときの第2のモダリティ装置3による撮影画像に対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータと推定する。これにより、撮影パラメータ調整機能52は、比較結果に基づく第2のモダリティ装置3の撮影パラメータの推定を行う。
【0063】
次に、第2の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例を示すフローチャートである。なお、
図8のフローチャートに示される一連の工程は、必要に応じて繰り返される。
【0064】
図8に示すように、第2の実施形態において、先ず、画像取得機能51は、
図2のステップS1と同様に、第1のモダリティ装置2から、第1のモダリティ装置2による撮影画像を受信して取得する(ステップS21)。
図9は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例における撮影画像の比較工程、類似度の判断工程、及び第2のモダリティ装置3の撮影パラメータの決定工程を説明するための説明図である。
図9に示される例において、第1のモダリティ装置2による撮影画像I1は、X線CT装置2によってファントムPを撮影した撮影画像である。画像取得機能51は、X線CT装置2の記憶回路に記録されている撮影画像I1をX線CT装置2から受信して取得する。また、
図9に示される例において、符号I3は、第2のモダリティ装置3による撮影画像である(以下、同様)。第2のモダリティ装置3による撮影画像I3は、例えば、第2のモダリティ装置3の一例であるX線CT装置3によって、ファントムPを撮影した撮影画像である。第2のモダリティ装置3による撮影画像I3は、ファントムPの撮像画像以外にも、臨床画像及び解析結果等の撮影画像に基づく画像を含んでもよい。
【0065】
第1のモダリティ装置2による撮影画像が取得された後、
図8に示すように、第2の画像取得機能53は、第2のモダリティ装置3による撮影画像I3(
図9参照)を複数取得し、撮影パラメータ取得機能54は、当該複数の撮影画像I3のそれぞれに対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群を取得する。すなわち、第2の画像取得機能53及び撮影パラメータ取得機能54は、第2のモダリティ装置3による撮影画像I3と、当該撮影画像I3に対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群とを複数組取得する(ステップS22)。例えば、第2のモダリティ装置3は、予め、第2のモダリティ装置3による撮影画像I3と、当該撮影画像I3に対応する撮影パラメータ群との複数の組み合わせを、第2のモダリティ装置3の記憶回路に記憶させておく。そして、第2の画像取得機能53及び撮影パラメータ取得機能54は、ネットワークインタフェース6を介した第2のモダリティ装置3との通信によって、第2のモダリティ装置3の記憶回路から、第2のモダリティ装置3による撮影画像I3と、当該撮影画像I3に対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群とを複数組受信して取得する。
【0066】
第2のモダリティ装置3による撮影画像I3と、当該撮影画像I3に対応する第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群とが複数組取得された後、
図8に示すように、撮影パラメータ調整機能52は、取得された複数の第2のモダリティ装置3による撮影画像I3のうちの任意の1つの撮影画像I3を選択する(ステップS23)。
【0067】
第2のモダリティ装置3による撮影画像I3を1つ選択した後、
図9に示すように、撮影パラメータ調整機能52は、選択された第2のモダリティ装置3による撮影画像I3を、第1のモダリティ装置2による撮影画像I1と比較する(ステップS24)。
【0068】
そして、撮影パラメータ調整機能52は、比較された撮影画像I1,I3の類似度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS25)。類似度は、例えば、撮影画像のRGBの画素値の差分が小さいほど大きい。類似度の閾値は、RGBの画素値の差分の閾値であってもよい。
【0069】
比較された撮影画像I1,I3の類似度が閾値以上である場合(ステップS25:Yes)、撮影パラメータ調整機能52は、ステップS23において選択された第2のモダリティ装置3による撮影画像I3に対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群を、第1のモダリティ装置2による撮影画像I1に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群と推定する(ステップS26)。撮影パラメータ調整機能52は、推定された第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群をディスプレイに表示させてもよい。なお、閾値以上の類似度を有する第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群が複数存在する場合、撮影パラメータ調整機能52は、類似度が最も大きい撮影パラメータ群を、第1のモダリティ装置2による撮影画像I1に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータ群と推定してもよい。
【0070】
一方、比較された撮影画像I1,I3の類似度が閾値以上でない場合(ステップS25:No)、
図8に示すように、撮影パラメータ調整機能52は、第2のモダリティ装置3による撮影画像I3の選択を変更して(ステップS27)、ステップS24以降の処理を繰り返す。
【0071】
以上説明したように、第2の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定することで、自動的に第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整する。
【0072】
これにより、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整するための操作負担を軽減することができる。
【0073】
また、第2の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像と、第2の画像取得機能53により取得された第2のモダリティ装置3による撮影画像と、撮影パラメータ取得機能54により取得された調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータとを比較する。そして、撮影パラメータ調整機能52は、比較結果に基づいて、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する。
【0074】
これにより、第1のモダリティ装置2による撮影画像と、第2のモダリティ装置3による撮影画像と、調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータとの比較結果に基づいて、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを適切に推定することができる。
【0075】
また、第2の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像と、第2の画像取得機能53により取得された第2のモダリティ装置3による撮影画像との類似度を判断する。そして、撮影パラメータ調整機能52は、類似度が閾値以上となったときの第2のモダリティ装置3による撮影画像に対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータと推定する。
【0076】
これにより、第1のモダリティ装置2による撮影画像と、第2のモダリティ装置3による撮影画像との類似度に基づいて、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを簡便かつ適切に推定することができる。
【0077】
(第3の実施形態)
次に、マップを用いて第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整する第3の実施形態について、第1実施形態及び第2実施形態との差異を中心に説明する。
【0078】
第2の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、第1のモダリティ装置2による撮影画像と、第2のモダリティ装置3による撮影画像と、当該撮影画像に対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータとの比較結果に基づいて、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する例について説明した。
【0079】
これに対して、第3の実施形態において、撮影パラメータ調整機能52は、撮影画像と撮影パラメータとの組み合わせで構成されたマップを用いて、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定するように構成されている。
【0080】
図10は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置4を備えた医用画像処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。具体的には、
図10に示すように、第3の実施形態において、医用画像処理装置4の処理回路5は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、第1マップ作成機能55を備える。第1マップ作成機能55は、第1マップ作成部の一例である。
【0081】
第1マップ作成機能55は、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像と当該撮影画像に対応する第1のモダリティ装置2の推定された撮影パラメータとの組み合わせで構成される第1マップを作成する。
【0082】
第2マップ記憶部の一例である記憶回路9は、第2のモダリティ装置3による撮影画像と、当該撮影画像に対応する調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータとの組み合わせで構成される第2マップを記憶している。第2マップは、例えば、ルールベース型の人工知能(AI)を用いて予め作成されて記憶回路9に記憶されている。第2マップは、第2のモダリティ装置3及び医用画像処理装置4のいずれによって作成されたものであってもよい。
【0083】
撮影パラメータ調整機能52は、第1マップ作成機能55により作成された第1マップと、記憶回路9に記憶された第2マップとを比較する。そして、撮影パラメータ調整機能52は、第1マップと第2マップとの比較結果に基づいて、第2マップ内の調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整後の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに変換することで、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する。
【0084】
より具体的には、撮影パラメータ調整機能52は、第2マップ内の撮影パラメータを、当該撮影パラメータに対応する第2マップ内の撮影画像に対して第1マップ内の撮影画像が閾値以上の類似度を有するような当該撮影画像に対応する第1マップ内の撮影パラメータに置き換えることで、第2マップ内の調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整後の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに変換する。
【0085】
次に、第3の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例について説明する。
図11は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例を示すフローチャートである。なお、
図11に示されるフローチャートは、必要に応じて繰り返される。
【0086】
図11に示すように、第3の実施形態において、先ず、画像取得機能51は、
図2のステップS11と同様に、第1のモダリティ装置2から、第1のモダリティ装置2による撮影画像を受信して取得する(ステップS31)。
【0087】
第1のモダリティ装置2による撮影画像が取得された後、第1マップ作成機能55は、第1マップを作成する。例えば、第1マップ作成機能55は、第1のモダリティ装置2による撮影画像に基づいて第1のモダリティ装置2の撮影パラメータを推論することを学習した学習済みモデルに、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像を入力することで、第1のモダリティ装置2の撮影パラメータを推定する。そして、第1マップ作成機能55は、第1のモダリティ装置2による撮影画像と、推定された第1のモダリティ装置2の撮影パラメータとを対応付けることで、第1マップを作成する。
【0088】
図12は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例における第1マップの取得工程を説明するための説明図である。
図12に示すように、第1マップM1は、撮影パラメータ群と撮影画像(例えば、撮影パラメータ群#11と撮影画像#11)が対応付けられた情報である。
図12に示される例において第1マップM1内の撮影画像は、ファントムを撮影した画像である。第1マップM1内の撮影画像は、撮影画像を撮影パラメータ群と対応付けるための識別情報が付されていてもよい。第1マップM1内の撮影パラメータ群は、撮影パラメータ群を撮影画像と対応付けるための識別情報が付されていてもよい。
【0089】
第1マップが作成された後、
図11に示すように、撮影パラメータ調整機能52は、記憶回路9から第2マップを読み出し、読み出された第2マップを第1マップと比較する(ステップS33)。
【0090】
図13は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例における第1マップと第2マップとの比較工程を説明するための説明図である。
図13に示すように、第2マップM2は、撮影パラメータ群と撮影画像(例えば、撮影パラメータ群#21と撮影画像#21)が対応付けられた情報である。第2マップM2内の撮影画像は、撮影画像を撮影パラメータ群と対応付けるための識別情報が付されていてもよい。第2マップM2内の撮影パラメータ群は、撮影パラメータ群を撮影画像と対応付けるための識別情報が付されていてもよい。
【0091】
第1マップと第2マップとの比較結果に基づいて、撮影パラメータ群は、第2マップ内の撮影パラメータ群を、対応する第2マップ内の撮影画像に対して閾値以上の類似度を有する第1マップ内の撮影画像に対応する第1マップ内の撮影パラメータ群に置き換える(ステップS34)。第2マップ内の撮影パラメータ群を置き換えることで、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定することができる。
【0092】
図14は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例における第2マップの変換工程を説明するための説明図である。
図14に示される例において、第2マップM2’内の撮影パラメータ群は、
図13に示される変換前の第2マップM2内の撮影パラメータ群を、撮影画像の外観の類似度が高い第1マップM1内の撮影パラメータ群に置き換えている。例えば、
図14の第2マップM2’内の撮影パラメータ群#13は、
図13の第2マップM2内の撮影パラメータ群#21を、撮影画像#21の外観の類似度が高い第1マップM1内の撮影画像#13に対応する撮影パラメータ群#13に置き換えたものである。
【0093】
以上説明したように、第3の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、第1マップと第2マップとの比較結果に基づいて、第2マップ内の調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整後の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに変換することで、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する。
【0094】
これにより、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを適切に推定することができる。
【0095】
また、第3の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、第2マップ内の撮影パラメータを、当該撮影パラメータに対応する第2マップ内の撮影画像に対して第1マップ内の撮影画像が閾値以上の類似度を有するような当該撮影画像に対応する第1マップ内の撮影パラメータに置き換えることで、第2マップ内の調整前の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを調整後の第2のモダリティ装置3の撮影パラメータに変換する。
【0096】
これにより、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータをより適切に推定することができる。
【0097】
(第3の実施形態の変形例)
図15は、第3の実施形態の変形例に係る医用画像処理装置4の動作例における第1マップと第2マップとの比較工程を説明するための説明図である。
図16は、第3の実施形態の変形例に係る医用画像処理装置4の動作例における第2マップの変換工程を説明するための説明図である。
【0098】
図12及び
図13では、第2マップ内の撮像画像との類似度が高い撮像画像が第1マップ内で全て網羅されている例について説明した。これに対して、
図15に示される第2マップM2内には、
図12の第1マップM1内に該当する撮像画像が存在しない撮像画像#23、#27、#210が存在する。このような撮像画像に対応する撮影パラメータ群#23、#27については、
図16に示すように、例えばAI等を用いて推定された撮影パラメータ群#231、#271、#2101に置き換えることもできる。
【0099】
(第4の実施形態)
次に、第2のモダリティ装置3の複数種類の撮影パラメータ毎に、第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する第4の実施形態について、第1乃至第3の実施形態との差異を中心に説明する。なお、第4の実施形態における医用画像処理装置4の基本構成は、
図1と同様である。
【0100】
第4の実施形態において、撮影パラメータ調整機能52は、第2のモダリティ装置3の複数種類の撮影パラメータ毎に、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する。
【0101】
具体的には、第4の実施形態において、記憶回路9には、第2のモダリティ装置3の複数種類の撮影パラメータ毎に各撮影パラメータの値を変更したときに得られる画像を学習した第2の学習済みモデルが記憶されている。第2の学習済みモデルは、例えばGAN等の機械学習を用いて学習されたモデルである。撮影パラメータ調整機能52は、記憶回路9に記憶された第2の学習済みモデルと、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像とを比較することで、複数種類の撮影パラメータ毎に、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する。
【0102】
より具体的には、第4の実施形態において、撮影パラメータ調整機能52は、複数種類の撮影パラメータのうちの1種類の撮影パラメータの値を変更しながら、第2の学習済みモデルから取得される1種類の撮影パラメータの値に対応する画像と、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像とを比較して類似度を判断する。そして、撮影パラメータ調整機能52は、類似度が閾値以上となったときの値を有する1種類の撮影パラメータを確定することを、複数種類の撮影パラメータの全ての値が確定されるまで繰り返す。これにより、撮影パラメータ調整機能52は、複数種類の撮影パラメータ毎に、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する。
【0103】
次に、第4の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例について説明する。
図17は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例を示すフローチャートである。
【0104】
図17に示すように、第4の実施形態において、先ず、画像取得機能51は、
図2のステップS1と同様に、第1のモダリティ装置2から、第1のモダリティ装置2による撮影画像を受信して取得する(ステップS41)。
【0105】
第1のモダリティ装置2による撮影画像が取得された後、撮影パラメータ調整機能52は、記憶回路9に記憶された第2の学習済みモデルから、1種類の撮影パラメータを選択する(ステップS42)。
【0106】
図18は、第4の実施形態に係る医用画像処理装置4の動作例に用いられる第2の学習済みモデルを説明するための説明図である。
図18に示される例において、第2の学習済みモデルMo2は、撮影パラメータの1つである管電圧(kV)の値を変更したときに推定される画像と、他の種類の撮影パラメータである再構成関数(FC)の値を変更したときに推定される画像とをそれぞれ学習したモデルである。
図18に示される例では、管電圧(kV)を変更すると、推定される画像の濃淡が変更される。また、再構成関数(FC)が変更されると、推定される画像の色味が変更される。例えば、ステップS42において、撮影パラメータ調整機能52は、第2の学習済みモデルMo2から、1種類の撮影パラメータとして管電圧(kV)を選択する。
【0107】
1種類の撮影パラメータを選択した後、撮影パラメータ調整機能52は、選択された撮影パラメータの値を選択する(ステップS43)。最初は、撮影パラメータ調整機能52は、選択された撮影パラメータの初期値を選択する。
図18に示される例において、撮影パラメータ調整機能52は、管電圧(kV)の初期値を選択する。
【0108】
選択された撮影パラメータの値を選択した後、撮影パラメータ調整機能52は、第2の学習済みモデルから、選択された値の撮影パラメータに対応する画像を取得する(ステップS44)。最初は、撮影パラメータ調整機能52は、第2の学習済みモデルから、選択された撮影パラメータの初期値に対応する画像を取得する。
図18に示される例において、撮影パラメータ調整機能52は、管電圧(kV)の初期値に対応する画像(推定画像)を取得する。
【0109】
第2の学習済みモデルから選択された値の撮影パラメータに対応する画像を取得した後、撮影パラメータ調整機能52は、第2の学習済みモデルから取得された画像を、第1のモダリティ装置2による撮影画像と比較する(ステップS45)。
【0110】
そして、撮影パラメータ調整機能52は、第1のモダリティ装置2による撮影画像と第2の学習済みモデルから取得された画像との類似度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS46)。
【0111】
類似度が閾値以上である場合(ステップS46:Yes)、撮影パラメータ調整機能52は、現在選択されている値を有する撮影パラメータを、選択された種類の撮影パラメータに確定する(ステップS47)。一方、類似度が閾値以上でない場合(ステップS46:No)、撮影パラメータ調整機能52は、1種類の撮影パラメータの値の選択を変更したうえで(ステップS49)、ステップS44以降の処理を繰り返す。
【0112】
現在選択されている値を有する撮影パラメータを、選択された種類の撮影パラメータに確定した後、撮影パラメータ調整機能52は、全種類の撮影パラメータが確定されたか否かを判定する(ステップS48)。
【0113】
全種類の撮影パラメータが確定された場合(ステップS48:Yes)、撮影パラメータ調整機能52は、処理を終了する。一方、全種類の撮影パラメータが確定されていない場合(ステップS48:No)、撮影パラメータ調整機能52は、撮影パラメータの種類の選択を変更したうえで(ステップS410)、ステップS43以降の処理を繰り返す。
図18に示される例において、撮影パラメータ調整機能52は、管電圧(kV)が確定された後に再構成関数(FC)を選択し、再構成関数を確定する処理に移行する。
【0114】
以上説明したように、第4の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、記憶回路9に記憶された第2の学習済みモデルと、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像とを比較することで、複数種類の撮影パラメータ毎に、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する。
【0115】
これにより、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを適切かつ効率的に推定することができる。
【0116】
また、第4の実施形態では、撮影パラメータ調整機能52が、複数種類の撮影パラメータのうちの1種類の撮影パラメータの値を変更しながら、第2の学習済みモデルから取得される1種類の撮影パラメータの値に対応する画像と、画像取得機能51により取得された第1のモダリティ装置2による撮影画像とを比較して類似度を判断する。そして、撮影パラメータ調整機能52は、類似度が閾値以上となったときの値を有する1種類の撮影パラメータを確定することを、複数種類の撮影パラメータの全ての値が確定されるまで繰り返すことで、複数種類の撮影パラメータ毎に、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータを推定する。
【0117】
これにより、第1のモダリティ装置2による撮影画像に相当する画像を撮影可能な第2のモダリティ装置3の撮影パラメータをより適切かつ効率的に推定することができる。
【0118】
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成して構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、プロセッサは、プロセッサ単一の回路として構成されている場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて、1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合して、その機能を実現するようにしてもよい。
【0119】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、異なるモダリティ装置で撮影された画像に相当する画像を撮影することができる。
【0120】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置及び方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置及び方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0121】
2 第1のモダリティ装置
3 第2のモダリティ装置
4 医用画像処理装置
51 画像取得機能
52 撮影パラメータ調整機能
53 第2の画像取得機能
54 撮影パラメータ取得機能
55 第1マップ作成機能
9 記憶回路
Mo1 第1の学習済みモデル
Mo2 第2の学習済みモデル
A 操作領域
B スライダーバー
I1 第1のモダリティ装置による撮影画像
I2 第2のモダリティ装置の推定画像
I3 第2のモダリティ装置による撮影画像