(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126382
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、情報処理装置、コレクションアイテム用の収容ケース及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/64 20130101AFI20240912BHJP
【FI】
G06F21/64
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034718
(22)【出願日】2023-03-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】720008911
【氏名又は名称】IPDefine株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190414
【弁理士】
【氏名又は名称】芹澤 友之
(72)【発明者】
【氏名】岡本 光弘
(72)【発明者】
【氏名】丸藻 春樹
(57)【要約】
【課題】コレクションアイテム等の有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能な情報処理方法、プログラム、情報処理装置、コレクションアイテム用の収容ケース及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理方法は、有体物に関連付けられた非代替性トークンをブロックチェーン上に発行するための発行要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップを含む。前記ブロックチェーンネットワークは、各々が前記ブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成される。前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報とに関連付けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有体物に関連付けられた非代替性トークンをブロックチェーン上に発行するための発行要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップを含む情報処理方法であって、
前記ブロックチェーンネットワークは、各々が前記ブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成され、
前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報とに関連付けられている、
情報処理方法。
【請求項2】
前記有体物は、コレクションアイテムである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記有体物は、トレーディングカードである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記非代替性トークンは、前記有体物の評価指標を示す評価指標情報に更に関連付けられ、
前記鑑定評価情報は、前記評価指標情報に基づいて決定されるものである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記非代替性トークンは、前記有体物を示す画像データに更に関連付けられている、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記鑑定評価情報は、前記有体物のグレードを示すグレード情報を含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記評価指標情報は、
前記有体物の保存状態を示す評価指標情報と、
前記有体物の初期状態を示す評価指標情報と、
を含む、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記画像データと、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ取得するステップと、
前記画像データと、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ外部に送信するステップと、
をさらに含む、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記鑑定評価情報及び前記属性情報は前記ブロックチェーン上に記録されている、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記画像データに基づいて前記評価指標情報を決定するステップと、
決定された前記評価指標情報に基づいて前記鑑定評価情報を決定するステップと、
をさらに含む、
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記非代替性トークンの所有者を前記非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関から前記有体物を所有する第一ユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップをさらに含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記非代替性トークンは、複数の非代替性トークンを有し、
前記複数の非代替性トークンの各々は、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とに関連付けられ、
前記複数の非代替性トークンの各々は、前記有体物の共有持分権を示し、
前記情報処理方法は、
前記複数の非代替性トークンの所有者を前記複数の非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関から前記有体物を共同所有する複数のユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップをさらに含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関に関連付けられた公的な電子証明書に紐づく公開鍵に基づいて、前記鑑定機関のウォレットアドレスを生成するステップをさらに含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項14】
有体物に関連付けられた非代替性トークンの所有者を第一ユーザから第二ユーザに変更するための変更要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップを含む情報処理方法であって、
前記ブロックチェーンネットワークは、各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成され、
前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報とに関連付けられている、
情報処理方法。
【請求項15】
請求項1から14のうちいずれか一項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
少なくとも一つのプロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を備えた情報処理装置であって、
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、請求項1から14のうちいずれか一項に記載の情報処理方法を実行するように構成されている、
情報処理装置。
【請求項17】
コレクションアイテムを収容するように構成されたコレクションアイテム用の収容ケースであって、
前記収容ケースの表面には、前記コレクションアイテムに関連付けられた非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報が表示され、
前記非代替性トークンは、前記コレクションアイテムの鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記コレクションアイテムの属性情報とに関連付けられている、
コレクションアイテム用の収容ケース。
【請求項18】
前記トークン識別情報は、二次元バーコードとして前記収容ケースの表面に表示されている、
請求項17に記載の収容ケース。
【請求項19】
各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成されたブロックチェーンネットワークと、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、有体物を鑑定する鑑定機関に関連付けられた鑑定機関端末とを備えた情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、
前記有体物に関連付けられた非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に発行するための発行要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報とに関連付けられている、
情報処理システム。
【請求項20】
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンの所有者を前記鑑定機関から前記有体物を所有する第一ユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第一ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録する、
請求項19に記載の情報処理システム。
【請求項21】
前記情報処理システムは、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、前記第一ユーザに関連付けられた第一端末をさらに備え、
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに送信し、
前記トークン識別情報に基づいて、前記非代替性トークンの所有者を示す情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とを前記第一端末に送信する、
請求項19に記載の情報処理システム。
【請求項22】
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンの所有者を前記第一ユーザから第二ユーザに変更するための第二変更要求を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記第二変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が第二ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録する、
請求項21に記載の情報処理システム。
【請求項23】
各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成されたブロックチェーンネットワークと、
前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、有体物を鑑定する鑑定機関に関連付けられた鑑定機関端末と、
前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、第一ユーザに関連付けられた第一端末と、
を備えた情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、
前記有体物に関連付けられた非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に発行するための発行要求を前記鑑定機関端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンの所有者を前記鑑定機関から前記第一ユーザに変更するための変更要求を前記鑑定機関端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第一ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに送信し、
前記トークン識別情報に基づいて、前記有体物に関連する情報を前記第一端末に送信し、
前記非代替性トークンの所有者を前記第一ユーザから第二ユーザに変更するための第二変更要求を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記第二変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第二ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンは、
前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、
前記有体物の属性情報と、
前記有体物を示す画像データと、
前記有体物の評価指標を示す評価指標情報と、
にそれぞれ関連付けられている、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、プログラム、情報処理装置、コレクションアイテム用の収容ケース及び情報処理システムに関する。特に、本開示は、コレクションアイテム等の有体物に関連付けられた非代替性トークンに主に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、トレーディングカード等のコレクションアイテムの二次流通が活発化している。例えば、トレーディングカードとして人気が高い一部のポケモンカード(登録商標)はトレーディングカードのマーケットプレイスにおいて数百万円の高額価格で取引されている。さらに、非特許文献1に開示されているように、トレーディングカードを金融資産に代わる新たな投資商品として扱うプラットフォーム等が近年出現してきている。また、非特許文献2に開示されているように、二次流通におけるトレーディングカードの取引の安全性を確保する上で、トレーディングカード等のコレクションアイテムを鑑定評価する鑑定機関がマーケットプレイスにおいて大きな役割を果たしている。この点において、鑑定機関によって実施されたトレーディングカードに対する鑑定評価がトレーディングカードの資産価値に与える影響は非常に大きい。特に、トレーディングカードの鑑定評価に応じてトレーディングカードの市場価格(資産価値)が大きく変動する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“希少な収集品を1,000円からコレクションできる共同保有プラットフォーム”,[online],alty株式会社,[令和5年2月23日検索],インターネット<URL: https://myalty.jp/>
【非特許文献2】“PSA Japan: PSAが日本で鑑定とグレーディング”,[online],Collectors Universe, Inc.,[令和5年2月23日検索],インターネット<URL: https://www.psacard.co.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有体物であるコレクションアイテムの鑑定評価に関する情報は、サーバに保存されたデータベース上において中央集権的に管理されているのが実情である。例えば、鑑定機関は、所定のトレーディングカードを鑑定した上で、当該所定のトレーディングカードの鑑定評価情報(例えば、カードのグレード情報)をデータベース上に登録する。その後、鑑定機関は、鑑定証明番号が表示された特殊なカード収容ケース内に所定のトレーディングカードを封入した上で、所有者に所定のトレーディングカードを返却する。所有者は、鑑定評価が管理するウェブサイト上においてカード収容ケースに表示された鑑定証明番号を入力することで、所定のトレーディングカードの属性情報や鑑定評価情報を確認することが可能となる(例えば、非特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、二次流通におけるトレーディングカードの市場価格が高騰している現状において、トレーディングカードの資産価値に大きな影響を与えるトレーディングカードの鑑定評価が中央集権的にデータベース上で管理されていることは好ましい状況とは言い難い。例えば、第三者からのサイバー攻撃によって鑑定機関のデータベースが改竄される場合も想定される。特に、データベース上に登録された各トレーディングカードのグレード情報が改竄されることが想定される。さらに、トレーディングカードを封入するカード収容ケースが偽造される場合も想定される。特に、カード収容ケースに表示された鑑定証明番号が改竄される結果、トレーディングカードの購入者は、改竄された鑑定証明番号に紐づく鑑定評価に従って当該トレーディングカードを購入してしまう可能性がある。この結果、トレーディングカードを購入した購入者や投資家は大きな経済的損害を被る可能性がある。このように、現状においてトレーディングカード等のコレクションアイテムの取引の安全性は十分に確保されているとは言い難い。
【0006】
また、トレーディングカード等のコレクションアイテムの所有権を複数の共有持分権に分割した上で、分割した複数の共有持分権を投資家に販売するプラットフォームが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、投資家は、当該プラットフォームの事業者が実際に投資対象となる実物のコレクションアイテムを所有しているかどうかを確認することは困難となる。このため、投資家は、プラットフォームの事業者の信用を前提としてコレクションアイテムの共有持分権を購入する必要がある。このように、現状においてコレクションアイテムに紐づく投資商品の取引の安全性も十分に確保されているとは言い難い。
【0007】
上記観点より、本開示は、コレクションアイテム等の有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能な情報処理方法、プログラム、情報処理装置、コレクションアイテム用の収容ケース及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、有体物に関連付けられた非代替性トークンをブロックチェーン上に発行するための発行要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップを含む。前記ブロックチェーンネットワークは、各々が前記ブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成される。前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報とに関連付けられている。
【0009】
上記方法によれば、有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報および有体物の属性情報に関連付けられた非代替性トークンがブロックチェーン上に発行される。このように、ブロックチェーン上において発行された非代替性トークンの存在によって、有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。特に、有体物の購入予定者は、当該有体物の所有者が非代替性トークンを所有していることを確認することができるため、当該所有者が当該有体物の真正の所有者であることを確認することができる。また、購入予定者は、非代替性トークンによって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、有体物の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。さらに、有体物に紐づく投資商品を購入予定の投資家は、当該投資商品を販売する事業者が非代替性トークンを所有していることを確認することができるため、当該事業者が当該有体物の真正の所有者であることを確認することができる。また、投資家は、非代替性トークンによって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、有体物の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。
【0010】
前記有体物は、コレクションアイテムであってもよい。
【0011】
上記方法によれば、非代替性トークンの存在によって、コレクションアイテムおよび当該コレクションアイテムに紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。
【0012】
前記有体物は、トレーディングカードであってもよい。
【0013】
上記方法によれば、非代替性トークンの存在によって、トレーディングカードおよび当該トレーディングカードに紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。
【0014】
前記非代替性トークンは、前記有体物の評価指標を示す評価指標情報に更に関連付けられてもよい。前記鑑定評価情報は、前記評価指標情報に基づいて決定されるものであってもよい。
【0015】
上記方法によれば、有体物の購入予定者又は有体物に紐づく投資商品を購入予定の投資家は、非代替性トークンによって示される評価指標情報を通じて、有体物の鑑定評価の妥当性を判断することができる。このように、評価指標情報によって、鑑定機関によって実施された有体物の鑑定評価の妥当性が明らかとなるため、有体物の鑑定評価の透明性及び信頼性を高めることが可能となる。したがって、有体物及びこれに紐づく投資商品の取引の安全性をさらに高めることができる。
【0016】
前記非代替性トークンは、前記有体物を示す画像データに更に関連付けられていてもよい。
【0017】
上記方法によれば、有体物の購入予定者又は有体物に紐づく投資商品を購入予定の投資家は、非代替性トークンによって示される画像データを通じて非代替性トークンが有体物に関連付けられていることを確実に把握することができる。
【0018】
前記鑑定評価情報は、前記有体物のグレードを示すグレード情報を含んでもよい。
【0019】
上記方法によれば、有体物の購入予定者又は有体物に紐づく投資商品を購入予定の投資家は、非代替性トークンによって示されるグレード情報を通じて有体物のグレードを確実に確認することができる。
【0020】
前記評価指標情報は、前記有体物の保存状態を示す評価指標情報と、前記有体物の初期状態を示す評価指標情報と、を含んでもよい。
【0021】
上記方法によれば、有体物の購入予定者又は有体物に紐づく投資商品を購入予定の投資家は、非代替性トークンによって示された有体物の保存状態(例えば、カード表面の傷や汚れ等)を示す評価指標情報と有体物の初期状態(例えば、印刷ミスや裁断誤差)を示す評価指標情報とを通じて、鑑定機関によって実施された有体物の鑑定評価の妥当性を判断することができる。このように、鑑定機関によって実施された有体物の鑑定評価の妥当性が明らかとなるため、有体物の鑑定評価の透明性を高めることが可能となる。したがって、有体物及びこれに紐づく投資商品の取引の安全性をさらに高めることができる。
【0022】
前記情報処理方法は、前記画像データと、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ取得するステップと、前記画像データと、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ外部に送信するステップと、をさらに含んでもよい。
【0023】
前記鑑定評価情報及び前記属性情報は前記ブロックチェーン上に記録されてもよい。
【0024】
上記方法によれば、鑑定評価情報及び属性情報がブロックチェーン上に記録されているため、購入予定者又は投資家は、高い耐改竄性を備えた鑑定評価情報及び属性情報を通じて、有体物の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。このように、非代替性トークンの信頼性がさらに向上するため、非代替性トークンの存在を通じた有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性がさらに向上する。
【0025】
前記情報処理方法は、前記画像データに基づいて前記評価指標情報を決定するステップと、決定された前記評価指標情報に基づいて前記鑑定評価情報を決定するステップと、をさらに含んでもよい。
【0026】
上記方法によれば、画像データに基づいて評価指標情報が決定された後に、決定された当該評指標情報に基づいて鑑定評価情報が決定される。即ち、有体物の画像データに基づいて自動的に有体物の鑑定評価が決定されるため、鑑定評価を行う鑑定人に応じて有体物の鑑定評価が大きく変動してしまう状況を好適に防止することが可能となる。このように、鑑定機関によって実施された有体物の鑑定評価の透明性及び信頼性をより向上させることが可能となる。
【0027】
前記情報処理方法は、前記非代替性トークンの所有者を前記非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関から前記有体物を所有する第一ユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップをさらに含んでもよい。
【0028】
上記方法によれば、有体物の所有者が当該有体物に紐づく非代替性トークンを保有することとなるため(即ち、非代替性トークンの所有者と有体物の所有者が互いに紐づくため)、第三者は、非代替性トークンの所有者情報を通じて有体物の真の所有者を明確に確認することが可能となる。このように、ブロックチェーン上において発行された非代替性トークンの存在によって、有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。
【0029】
前記非代替性トークンは、複数の非代替性トークンを有してもよい。前記複数の非代替性トークンの各々は、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とに関連付けられてもよい。前記複数の非代替性トークンの各々は、前記有体物の共有持分権を示してもよい。前記情報処理方法は、前記複数の非代替性トークンの所有者を前記複数の非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関から前記有体物を共同所有する複数のユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップをさらに含んでもよい。
【0030】
上記方法によれば、鑑定機関によって発行された複数の非代替性トークンの各々が有体物の共有持分権を示すため、非代替性トークンを有体物の共有持分権を示す投資商品として扱うことが可能となる。特に、投資家は、非代替性トークンによって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、有体物の鑑定評価及び属性を確実に確認することができると共に、鑑定機関により発行された非代替性トークンの存在によって自己が有体物の共有持分権を確かに有していることを確認することができる。このように、有体物の共有持分権を示す投資商品の取引の安全性を十分に確保することができる。
【0031】
前記情報処理方法は、前記非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関に関連付けられた公的な電子証明書に紐づく公開鍵に基づいて、前記鑑定機関のウォレットアドレスを生成するステップをさらに含んでもよい。
【0032】
上記方法によれば、鑑定機関のウォレットアドレスが鑑定機関に関連付けられた公的な電子証明書に紐づく公開鍵に基づいて生成されているため、当該ウォレットアドレスが鑑定機関のものであることを客観的に明らかとすることができる。
【0033】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、有体物に関連付けられた非代替性トークンの所有者を第一ユーザから第二ユーザに変更するための変更要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップを含む。前記ブロックチェーンネットワークは、各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成される。前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報とに関連付けられている。
【0034】
上記方法によれば、有体物の購入者である第二ユーザは、第一ユーザが非代替性トークンを所有していることを確認することができるため、第一ユーザが当該有体物の真正の所有者であることを確認することができる。また、第二ユーザは、非代替性トークンによって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、有体物の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。さらに、有体物の所有者が第一ユーザから第二ユーザに変更される場合において、非代替性トークンの所有者も同様に第一ユーザから第二ユーザに変更される。このように、第三者は、非代替性トークンの所有者情報に基づいて有体物の真の所有者を明確に確認することが可能となる。したがって、ブロックチェーン上において発行された非代替性トークンの存在によって、有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。
【0035】
また、上記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0036】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を備える。前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、上記情報処理方法を実行するように構成されている。
【0037】
上記によれば、有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0038】
本開示の一態様に係るコレクションアイテム用の収容ケースは、コレクションアイテムを収容するように構成されている。前記収容ケースの表面には、前記コレクションアイテムに関連付けられた非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報が表示される。前記非代替性トークンは、前記コレクションアイテムの鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記コレクションアイテムの属性情報とに関連付けられている。
【0039】
上記構成によれば、コレクションアイテム及び当該コレクションアイテムに紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能なコレクションアイテム用の収容ケースを提供することができる。特に、コレクションアイテムの所有者と非代替性トークンの所有者が一対一の関係で紐づいているため、収容ケースが偽造された場合(特に、収容ケースに表示されたトークン識別情報が改竄された場合)であっても、詐欺行為を働く販売者は、改竄されたトークン識別情報に対応する非代替性トークンの所有者を購入予定者に変更することはできない。このように、非代替性トークンの存在を通じて収容ケースの偽造によるコレクションアイテムの詐欺販売行為を好適に防止することが可能となる。
【0040】
前記トークン識別情報は、二次元バーコードとして前記収容ケースの表面に表示されていてもよい。
【0041】
上記構成によれば、コレクションアイテムの購入予定者は、スマートフォン等の携帯端末に搭載されたカメラを用いて収容ケースの表面に表示された二次元バーコードを撮像することで、当該コレクションアイテムの鑑定評価及び属性情報を確認することができる。
【0042】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成されたブロックチェーンネットワークと、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、有体物を鑑定する鑑定機関に関連付けられた鑑定機関端末とを備える。前記情報処理システムは、前記有体物に関連付けられた非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に発行するための発行要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信し、前記発行要求に応じて前記非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に記録する。前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報とに関連付けられている。
【0043】
上記構成によれば、有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報および有体物の属性情報に関連付けられた非代替性トークンがブロックチェーン上に発行される。このように、ブロックチェーン上において発行された非代替性トークンの存在によって、有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。特に、有体物の購入予定者は、当該有体物の所有者が非代替性トークンを所有していることを確認することができるため、当該所有者が当該有体物の真正の所有者であることを確認することができる。また、購入予定者は、非代替性トークンによって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、有体物の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。さらに、有体物に紐づく投資商品を購入予定の投資家は、当該投資商品を販売する事業者が非代替性トークンを所有していることを確認することができるため、当該事業者が当該有体物の真正の所有者であることを確認することができる。また、投資家は、非代替性トークンによって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、有体物の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。
【0044】
前記情報処理システムは、前記非代替性トークンの所有者を前記鑑定機関から前記有体物を所有する第一ユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信し、前記変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第一ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録してもよい。
【0045】
上記構成によれば、有体物の所有者である第一ユーザが当該有体物に紐づく非代替性トークンを保有することとなるため(即ち、非代替性トークンの所有者と有体物の所有者が互いに紐づくため)、第三者は、非代替性トークンを通じて有体物の真の所有者が第一ユーザであることを明確に確認することが可能となる。このように、ブロックチェーン上において発行された非代替性トークンの存在によって、有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。
【0046】
前記情報処理システムは、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、前記第一ユーザに関連付けられた第一端末をさらに備えてもよい。前記情報処理システムは、前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに送信し、前記トークン識別情報に基づいて、前記非代替性トークンの所有者を示す情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とを前記第一端末に送信してもよい。
【0047】
上記構成によれば、第一ユーザは、トークン識別情報を通じて有体物の鑑定評価及び属性情報を第一端末上で確認することができる。
【0048】
前記情報処理システムは、前記非代替性トークンの所有者を前記第一ユーザから第二ユーザに変更するための第二変更要求を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、前記第二変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が第二ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録してもよい。
【0049】
上記構成によれば、有体物の購入者である第二ユーザは、第一ユーザが非代替性トークンを所有していることを確認することができるため、第一ユーザが当該有体物の真正の所有者であることを確認することができる。また、第二ユーザは、非代替性トークンによって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、有体物の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。さらに、有体物の所有者が第一ユーザから第二ユーザに変更される場合において、非代替性トークンの所有者も同様に第一ユーザから第二ユーザに変更される。このように、第三者は、非代替性トークンの所有者情報に基づいて有体物の真の所有者を明確に確認することが可能となる。したがって、ブロックチェーン上において発行された非代替性トークンの存在によって、有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。
【0050】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成されたブロックチェーンネットワークと、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、有体物を鑑定する鑑定機関に関連付けられた鑑定機関端末と、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、第一ユーザに関連付けられた第一端末と、を備える。前記情報処理システムは、前記有体物に関連付けられた非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に発行するための発行要求を前記鑑定機関端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に記録し、前記非代替性トークンの所有者を前記鑑定機関から前記第一ユーザに変更するための変更要求を前記鑑定機関端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、前記変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第一ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録し、前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに送信し、前記トークン識別情報に基づいて、前記有体物に関連する情報を前記第一端末に送信し、前記非代替性トークンの所有者を前記第一ユーザから第二ユーザに変更するための第二変更要求を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、前記第二変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第二ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録する。前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報と、前記有体物を示す画像データと、前記有体物の評価指標を示す評価指標情報と、にそれぞれ関連付けられている。
【0051】
上記構成によれば、有体物及び当該有体物に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能な情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本開示の実施形態(以下、本実施形態)に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】鑑定機関端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】トレーディングカードに関連付けられたNFT(非代替性トークン)を生成する処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】トレーディングカードの評価指標を説明するための図であって、左図はトレーディングカードの表面を示し、右図はトレーディングカードの裏面を示す。
【
図6】トレーディングカードに関連付けられたNFTの構成を説明するための図である。
【
図7】収容ケースに封入されたトレーディングカードを示す概略図である。
【
図8】トレーディングカードの画像データに基づいてトレーディングカードに関連する情報を自動的に決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図であると共に、トレーディングカードとそれに紐づくNFTが一方のユーザから他方のユーザに譲渡される状況を示す図である。
【
図10】トレーディングカードに関連する情報をユーザ端末上に表示する処理と、NFTの所有者を一方のユーザから他方のユーザに変更する処理とを説明するためのシーケンス図である。
【
図11】本実施形態の変形例に係る情報処理システムの構成の一例を示す図であって、トレーディングカードに関連付けられた複数のNFTが複数のユーザに譲渡される状況を示す図である。
【
図12】各々がトレーディングカードの共有持分権を示す複数のNFTを各ユーザに譲渡する処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図13】NFT取引所データベースに保存されたNFT管理テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本実施形態に係る情報処理システム1について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、鑑定機関端末3と、ウェブサーバ12と、ユーザ端末4a,4bと、ブロックチェーンネットワーク7と、IPFS(InterPlanetary File System)10とを備える。情報処理システム1を構成するこれらの構成要素は、通信ネットワーク2を介して互いに通信可能に接続されている。特に、鑑定機関端末3及びユーザ端末4a,4bは、通信ネットワーク2を介してブロックチェーンネットワーク7に通信可能に接続されている。
【0054】
通信ネットワーク2は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、無線コアネットワークのうちの少なくとも一つによって構成されている。尚、以降の説明では、ユーザ端末4a,4bを単にユーザ端末4と総称する場合がある。ユーザ端末4aを操作するユーザ5aおよびユーザ端末4bを操作するユーザ5bも同様に単にユーザ5と総称する場合がある。
【0055】
鑑定機関端末3は、トレーディングカード等のコレクションアイテムを鑑定評価する鑑定機関6によって操作される端末(コンピュータ装置)である。即ち、鑑定機関端末3は、鑑定機関6に関連付けられた端末である。鑑定機関端末3の種類は特に限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット又はサーバ等である。本実施形態では、ユーザ5aは、自身が所有するトレーディングカード20の鑑定評価を鑑定機関6に依頼する。鑑定機関6は、トレーディングカード20の鑑定評価を行った上で、トレーディングカード20に関連付けられたNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)を発行するものとする。ここで、NFTとは、ブロックチェーン9上に記録される一意で代替不可能なトークン(非代替性トークン)を意味する。また、トレーディングカード20に関連付けられたNFTは、トレーディングカード20の所有者を対外的に示すものである。
【0056】
トレーディングカード等のコレクションアイテムの二次流通の取引が新たな投資商品として脚光を浴びている現状において、コレクションアイテムの資産価値を鑑定評価する鑑定機関6が果たす役割が大きくなっている。本実施形態の説明では、鑑定機関6による鑑定評価の対象となる有体物の一例としてトレーディングカードが挙げられているが、鑑定評価の対象となる有体物の種類は特に限定されるものではない。例えば、鑑定機関6による鑑定評価の対象となる有体物の他の一例は、中古不動産、中古車、トレーディングカード以外の他のコレクションアイテム等であってもよい。トレーディングカード以外のコレクションアイテムの一例は、おもちゃ、レトロゲーム、アンティークコイン、アート作品(絵画、版画、ポスター、置物等)、中古ブランド品(アクセサリ、腕時計、バック等)、古本(漫画や小説等)であってもよい。このように、本実施形態が対象とする有体物は、二次流通の取引対象となる有体物であれば特に限定されるものではない。その一方で、本実施形態では、デジタルアート作品等の無体物は対象外となる。
【0057】
次に、
図2を参照して、鑑定機関端末3のハードウェア構成について以下に説明する。
図2に示すように、鑑定機関端末3は、制御部30と、記憶装置31と、通信部32と、入力操作部33と、表示部34と、入出力インターフェース35とを備える。鑑定機関端末3を構成するこれらの要素は通信バス36に接続されている。
【0058】
制御部30は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、コンピュータ可読命令(プログラム)を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。各種プログラムには、本実施形態に係る一連の情報処理方法(特に、
図4、
図8及び
図12に示す一連の処理)を実行する情報処理プログラムが含まれていてもよい。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)のうちの少なくとも一つにより構成される。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。プロセッサは、記憶装置31又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。特に、プロセッサは、記憶装置31又はROMに組み込まれた情報処理プログラムをRAM上に展開することで、後述する一連の情報処理を実行してもよい。
【0059】
記憶装置31は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。通信部32は、例えば、通信ネットワーク2に接続された外部装置と通信するための有線通信モジュール及び/又は無線通信モジュールを備えている。入力操作部33は、例えば、タッチパネル、マウス、及び/又はキーボード等であって、鑑定機関6に所属する鑑定者の入力操作を受け付けると共に、鑑定者の入力操作に応じた操作信号を生成するように構成されている。表示部34は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の映像表示ディスプレイと、当該映像表示ディスプレイを駆動制御する映像表示回路とによって構成される。入出力インターフェース35は、外部装置と鑑定機関端末3との間の接続を可能とするインターフェースであって、USB規格やHDMI(登録商標)規格等の所定の通信規格に応じたインターフェースを含む。
【0060】
図1に戻ると、ウェブサーバ12は、鑑定機関6によって管理されるサーバである。ウェブサーバ12は、ユーザ端末4からのアクセス要求に応じて、鑑定評価画面をユーザ端末4のウェブブラウザに表示するためのデータ(例えば、HTMLファイル、CSSファイル、プログラムファイル等)を送信する。ここで、鑑定評価画面は、トレーディングカードの鑑定評価結果を示す。例えば、ウェブサーバ12は、トレーディングカード20の鑑定番号を示すアクセス要求をユーザ端末4aから受信した場合に、トレーディングカード20の鑑定評価結果を示す鑑定評価画面をユーザ端末4aのウェブブラウザに表示するためのデータを送信する。その後、ユーザ端末4aのウェブブラウザ上には鑑定評価画面が表示される。鑑定評価画面上には、トレーディングカード20の属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報、画像データ及び鑑定番号等が表示されてもよい。尚、これらの情報については後述する。
【0061】
ユーザ端末4a(第一端末の一例)は、ユーザ5a(第一ユーザの一例)により操作される端末である。即ち、ユーザ端末4aは、ユーザ5aに関連付けられている。ユーザ端末4b(第二端末の一例)は、ユーザ5b(第二ユーザの一例)により操作される端末である。即ち、ユーザ端末4bは、ユーザ5bに関連付けられている。本実施形態では、ユーザ端末4a,4bは同一の構成を有するものである。
【0062】
次に、
図3を参照して、ユーザ端末4のハードウェア構成について以下に説明する。
図3に示すように、ユーザ端末4は、制御部46と、記憶装置47と、通信部48と、入力操作部49と、表示部44と、撮像部45とを備える。ユーザ端末4を構成するこれらの要素は通信バス56に接続されている。本実施形態では、ユーザ端末4は、携帯型端末として説明されているが、ユーザ端末4の種類は特に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末4は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット又はウェアラブルデバイス等であってもよい。
【0063】
制御部46は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、各種プログラム等が格納されたROMやプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納されるRAM等から構成される。各種プログラムには、本実施形態に係る一連の情報処理方法(特に、
図10に示す一連の処理)を実行する情報処理プログラムが含まれていてもよい。プロセッサは、例えば、CPU、MPU及びGPUのうちの少なくとも一つにより構成される。プロセッサは、記憶装置47又はROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。特に、プロセッサは、記憶装置47又はROMに組み込まれた情報処理プログラムをRAM上に展開することで、後述する一連の情報処理を実行してもよい。
【0064】
記憶装置47は、例えば、NAND型フラッシュメモリ、HDD又はSSDである。通信部48は、通信ネットワーク2に接続された外部装置と通信するための無線通信モジュールを備えている。入力操作部49は、例えば、表示部44の映像表示ディスプレイに重ねて配置されたタッチパネルであって、ユーザ5の入力操作を受け付けると共に、ユーザ5の入力操作に応じた操作信号を生成するように構成されている。表示部44は、例えば、映像表示ディスプレイと、当該映像表示ディスプレイを駆動制御する映像表示回路とによって構成される。
【0065】
撮像部45は、ユーザ端末4の周辺環境を示す画像又は映像を撮像するように構成されている。特に、撮像部45は、ユーザ端末4の周辺環境を示す画像データ若しくは映像データを生成するように構成されており、イメージセンサ(例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等)と、イメージセンサ駆動処理回路とを備える。
【0066】
図1に戻ると、ブロックチェーンネットワーク7は、複数のノード端末8によって構成されたP2P(Peer to Peer)型ネットワーク(換言すれば、分散型ネットワーク)である。各ノード端末8は、ブロックチェーン9を保存している。各ノード端末8は、他のノード端末8に直接的又は間接的に接続されている。ブロックチェーン9は、分散型台帳技術(DLT)の一種であって、各ノード端末8に保存されたブロックチェーン9は、同一の台帳情報を有している。
【0067】
ブロックチェーン9は、分散性、改ざん困難性、永続性、透明性、スマートコントラクトの観点においてサーバに構築された中央集権的なデータベースとは異なる。ブロックチェーン9は、複数のブロックにより構成されている。各ブロックは、時間的に前後に生成されたブロックにより連結されている。各ブロックは、複数のトランザクション情報と、ブロックヘッダ情報とを有する。ブロックヘッダ情報は、タイムスタンプと、時間的に直前に生成された直前ブロックのブロックヘッダのハッシュ値と、複数トランザクションのハッシュ値とを含む。ブロックヘッダ情報は、ブロックヘッダのハッシュ値の先頭のN桁(N>1の整数)を0に設定するためのナンス値をさらに含んでもよい。
【0068】
具体的には、
図1に示すように、ブロック90bは、時間的に直前に生成されたブロック90aと、時間的に直後に生成されたブロック90cに連結されている。具体的には、ブロック90bは、複数のトランザクション情報と、ブロックヘッダ情報とを有する。ブロック90bのブロックヘッダ情報は、ブロック90aのブロックヘッダのハッシュ値と、タイムスタンプと、ブロック90bの複数トランザクションのハッシュ値とを有する。その一方で、ブロック90cは、複数のトランザクション情報と、ブロックヘッダ情報とを有する。ブロック90cのブロックヘッダ情報は、ブロック90bのブロックヘッダのハッシュ値と、タイムスタンプと、ブロック90cの複数トランザクションのハッシュ値とを有する。このように、各ブロック90a~90cは時間的に直前及び直後に生成されたブロックとブロックヘッダのハッシュ値を介して関連付けられている。このため、ブロックチェーン9では、一部のトランザクションが改竄された場合には、ブロックヘッダのハッシュ値が変更されると共に、各ブロックが前後ブロックのブロックヘッダのハッシュ値によって連鎖的に関連付けられているため、各ブロック(特に、各ブロック内のトランザクション情報)のデータ改竄が極めて困難となっている。尚、
図1では、説明の便宜上、3つのブロック90a~90cが図示されているが、ブロックチェーン9上に生成されているブロックの数は特に限定されない。
【0069】
本実施形態では、ブロックチェーンネットワーク7は、管理者不在のパブリック型のブロックチェーンネットワークであってもよいし、管理者が存在するプライベート型のブロックチェーンネットワークであってもよい。また、ブロックチェーンネットワーク7のコンセンサスアルゴリズムは、PoS(Proof of Stake)型であってもよいし、PoW(Proof of Work)型であってもよい。
【0070】
本実施形態のブロックチェーン9は、スマートコントラクトが実装されたブロックチェーンである。スマートコントラクトは、ブロックチェーン9上に記録された自動契約や自動取引を実行するためのプログラムコードである。各ノード端末8は、ブロックチェーン9上に記録(デプロイ)されたスマートコントラクトを実行すると共に、スマートコントラクトの実行結果を検証する。このように、スマートコントラクトは、仲介者を介さずにブロックチェーン9上に記録された取引内容や契約内容を自動的に実行することができる。本実施形態では、ブロックチェーン9上にNFTが発行される場合では、NFTに関連付けられたスマートコントラクト(NFTコントラクト)がブロックチェーン9に記録される。
【0071】
ブロックチェーンネットワーク7としては、イーサリアム(Ethereum)が採用されてもよいし、イーサリアム以外のスマートコントラクト実装型のブロックチェーンネットワーク(例えば、Tron、Binance Smart Chain(BSC)、Avalanche、Solana、Algorand、Astar等のL1プロジェクトやPolygon、Arbitrum、Optimism等のL2プロジェクト)が採用されてもよい。ブロックチェーンネットワーク7がイーサリアムである場合、各ノード端末8のEVM(Ethereum Virtual Machine、イーサリアム仮想マシン)が、ブロックチェーン9上にデプロイされたスマートコントラクトを実行すると共に、スマートコントラクトの実行結果を検証する。
【0072】
IPFS10は、P2Pネットワーク上で動作する分散型のストレージサービスである。本実施形態では、後述するように、トレーディングカード20の画像データ及びメタデータはIPFS10上に保存されてもよい。尚、画像データやメタデータは、IPFS10ではなく、通信ネットワーク2に接続されたデータサーバ上に保存されてもよい。
【0073】
次に、
図4を参照して、トレーディングカード20に関連付けられたNFT(換言すれば、トレーディングカード20の所有者を示すNFT)を生成する処理について以下に説明する。
図4は、トレーディングカード20に関連付けられたNFTを生成する処理を説明するためのシーケンス図である。本例では、前提条件として、トレーディングカード20を保有しているユーザ5aがトレーディングカード20の鑑定評価と、これに紐づくNFTの発行を鑑定機関6に依頼している。
【0074】
図4に示すように、ステップS10において、鑑定機関端末3(より具体的には、鑑定機関端末3の制御部30)は、鑑定機関6に所属する鑑定人の入力操作に応じて、トレーディングカード20(以下、単にカード20という。)の属性情報を取得する。より具体的には、鑑定人が入力操作部33を介してカード20の属性情報を鑑定機関端末3に入力する。カード20の属性情報は、例えば、カード20の製造時期、ブランド名、アイテム名に関する情報を含んでもよい。
【0075】
次に、ステップS11において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に応じてカード20の画像データを取得する。例えば、鑑定人は、図示しないカメラを用いてカード20を撮影する。その後、鑑定人は、カード20を示す画像データをUSBメモリ等の記憶媒体を用いて鑑定機関端末3内に取り込む。
【0076】
カメラは、入出力インターフェース35を介して鑑定機関端末3に接続されていてもよい。また、鑑定機関端末3がカメラ機能を有していてもよい。カード20の画像データは、カード20の静止画像データあってもよいし、カード20の動画像データであってもよい。動画像データの場合、カード20の表面及び裏面が少なくとも撮影されていることが好ましい。
【0077】
ステップS12において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に応じてカード20の評価指標を示す評価指標情報を取得する。より具体的には、鑑定人がカード20の状態を注意深く観察した上で、入力操作部33を介してカード20の評価指標情報を鑑定機関端末3に入力する。
【0078】
カード20の評価指標情報は、カード20の保存状態を示す評価指標情報と、カード20の初期状態を示す評価指標情報とを含んでいてもよい。カード20の保存状態を示す評価指標情報は、例えば、カード20の表面上の傷(例えば、こすり傷、引っ掻き傷、窪み、欠損等)の程度を示す情報と、カード20の表面上の汚れ又はシミの程度を示す情報と、カード20の四隅の状態を示す情報を含んでもよい(
図5参照)。カード20の四隅の状態を示す情報は、カード20の四隅が尖っていることを示す情報(換言すれば、四隅に摩耗がないことを示す情報)と、四隅が傷ついていないことを示す情報とを含んでもよい。さらに、カード20の保存情報を示す評価指標情報は、以下に示す情報をさらに含んでもよい。
・カード20の表面の光沢の程度を示す情報(換言すれば、カード20の表面の摩耗の程度を示す情報)、
・カード20のシワの程度を示す情報、
・カード20の反りやねじれの程度を示す情報、
・カード20に塗布された光沢剤の欠損(通称、ホロ抜け)を示す情報、
・カード20の変色や日焼けの程度を示す情報
【0079】
図5に示すカード20の表面側では、カード20の傷、汚れ、四隅が破線で囲まれた円形領域により示されている。また、カード20の初期状態を示す評価指標情報は、カード20の裁断状態(センタリング)の程度を示す情報、カード20の印刷状態(インク抜けやインク飛び)の程度を示す情報、カード20のピントずれの程度を示す情報等を含んでいてもよい。
図5に示すカード20の裏面側では、カード20のインク抜けが破線で囲まれた円形領域により示されている。
【0080】
例えば、
図5に示すように、カード20の左側における枠の幅W1とカード20の右側の枠の幅W2との間の寸法差が大きく、且つカード20の上側における枠の幅W3とカード20の下側の枠の幅W4との間の寸法差が大きい場合に、カード20の裁断状態(センタリング)は良くないと判断される。一方、幅W1と幅W2との間の寸法差が小さく、且つ幅W3と幅W4との間の寸法差が小さい場合では、カード20の裁断状態(センタリング)は良いと判断される。このように、カード20の裁断状態の程度を示す情報は、カード20の幅W1,W2との間の寸法差及びカード20の幅W3,W4との間の寸法差の程度に関連するセンタリング基準情報を含んでもよい。また、カード20のインク抜けやインク飛びの存在の有無に応じて、カード20の印刷状態の程度が判断される。
【0081】
次に、ステップS13において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に応じてカード20の鑑定評価を示す鑑定評価情報を取得する。より具体的には、鑑定人は、評価指標情報に基づいてカード20の鑑定評価情報を総合的に決定した上で、入力操作部33を介してカード20の鑑定評価情報を鑑定機関端末3に入力する。
【0082】
カード20の鑑定評価情報は、カード20のグレードを示すグレード情報を含んでもよい。例えば、カード20のグレードは1~10の10段階又はS,A,B,Cの4段階により分類されてもよい。この場合、カード20の最高グレードは、10若しくはSとなり、カード20の最低グレードは1又はCとなる。また、カード20が偽造されたものである場合や修復されたものである場合には、鑑定評価情報は、カード20が偽造されたことを示す情報又はカード20が修復されたことを示す情報を含んでもよい。さらに、カード20の鑑定評価情報は、カード20の鑑定額に関する情報をさらに含んでもよい。
【0083】
その後、ステップS14において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に従って、カード20に関連付けられたNFTの発行要求(発行要求トランザクション)をブロックチェーンネットワーク7に配信する。この場合、
図6に示すように、鑑定機関端末3は、カード20の画像データ43と、カード20に関連付けられた一連の情報(具体的には、鑑定番号、属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報)をIPFS10に配信する。カード20の画像データ43は、上記したように、静止画像データ又は動画像データであってもよい。カード20に関連付けられた一連の情報は、メタデータ42としてIPFS10上に保存される。ここで、カード20のメタデータ42は、鑑定機関6により発行された鑑定番号と、カード20の属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報と、画像データ43のアドレス(URL)とを含む。
【0084】
また、ブロックチェーンネットワーク7としてイーサリアムが採用される場合、NFT40はERC721規格に対応したトークンであってもよい。ステップS15において、ブロックチェーンネットワーク7は、鑑定機関端末3からNFT40の発行要求を受信した上で、当該発行要求に応じてNFT40をブロックチェーン9上に記録する。具体的には、
図6に示すように、ブロックチェーンネットワーク7を構成する各ノード端末8は、NFT40の発行要求トランザクションに応じて、NFT40に関連付けられたスマートコントラクト(NFTコントラクト)をブロックチェーン9上に記録する。NFTコントラクトに含まれるオンチェーン情報41は、コントラクトアドレスと、トークンIDと、保有者アドレス(保有者のウォレットアドレス)と、NFT生成者アドレス(NFT生成者のウォレットアドレス)と、メタデータアドレス(URI)とを含んでもよい。
【0085】
本実施形態では、鑑定機関6が発行する各NFTは、所定のコントラクトアドレスに紐づけられてもよい。即ち、NFT40のコントラクトアドレスは、鑑定機関6に紐づく独自のコントラクトアドレスであってもよい。この場合、第三者は、NFT40のコントラクトアドレスを確認することで、NFT40が鑑定機関6によって発行されたものであることを明確に認識することができる。また、この場合では、鑑定機関6が自身に紐づく独自のコントラクトアドレスを用いて新たなNFTを発行する場合に、新たなNFTのトークンIDが変更される。例えば、NFTが230番目に発行された場合、そのトークンIDは230となる。また、NFTが231番目に発行された場合、そのトークンIDは231となる。このように、コントラクトアドレスとトークンIDの組み合わせによって、各NFTはFT(Fungible Token、代替性トークン)とは異なる唯一無二のトークンとなる。また、NFT40が新規に発行される度に、NFT40のコントラクトアドレスが新たに発行されてもよい。この場合では、第三者は、NFT40のコントラクトアドレスを確認してもNFT40が鑑定機関6によって発行されたものであることを明確に認識することはできない。
【0086】
NFTの保有者アドレスは、鑑定機関6が保有するウォレットアドレスとなる。ブロックチェーンネットワーク7としてイーサリアムが採用される場合には、鑑定機関6が保有するウォレットアドレスは、0xから始まる42桁の英数字で構成される。この点において、鑑定機関端末3は、鑑定機関6に関連付けられた公的な電子証明書(例えば、法務局により発行された商業登記電子証明書)に紐づく公開鍵と、所定のハッシュ関数(例えば、SHA-256)に基づいて、鑑定機関6のウォレットアドレスを生成してもよい。この場合、鑑定機関6のウォレットアドレスが自身のものであることを客観的に明らかとすることができる。さらに、鑑定機関6は、公的な電子証明書に紐づく秘密鍵を用いて、自身が発行するトランザクションに電子署名をすることでブロックチェーン9上に記録されたデジタル資産(FT及びNFTを含む。)を移転することが可能となる。
【0087】
NFTの生成者アドレスも同様に鑑定機関6が保有するウォレットアドレスとなる。NFT40が鑑定機関6から他者に移転された場合であっても、生成者アドレスは変更されない。メタデータアドレスは、IPFS10上に保存されたメタデータを指定するためのアドレスである。メタデータアドレス(URI)が指定されることで、IPFS10からNFT40のメタデータを取得することが可能となる。
【0088】
このように、NFT40は、ブロックチェーン9上に記録されたオンチェーン情報41を有すると共に、メタデータアドレスを介してメタデータ42に直接的に関連付けられている。また、NFT40は、メタデータアドレス及びメタデータ42に含まれる画像データ43のアドレスを介して、カード20の画像データ43に間接的に関連付けられている。尚、ブロックチェーンネットワーク7としてイーサリアムが採用される場合では、NFT40に関するトランザクションにより発生する取引手数料(所謂、ガス代)を節約する観点より、NFT40はオフチェーンNFTとなっている。つまり、NFT40のメタデータ及び画像データ43は、ブロックチェーン9上に記録されずにブロックチェーン9の外部(本例では、IPFS10)に記録される。
【0089】
その一方で、NFT40は、オフチェーンNFTに限定されるものではなく、オンチェーンNFTであってもよい。即ち、NFT40のメタデータはブロックチェーン9上にオンチェーン情報として記録されてもよい。この場合、NFT40は、オンチェーン情報に含まれる画像データ43のアドレスを介してカード20の画像データ43に直接的に関連付けられる。また、メタデータのハッシュ値がブロックチェーン9上にオンチェーン情報として記録されてもよい。特に、カード20の属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報のそれぞれがブロックチェーン9上に記録されている場合では、カード20の購入予定者又は投資家は、高い耐改竄性を備えた属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報を通じて、カード20の属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報を確実に確認することが可能となる。このように、NFT40の信頼性がさらに向上するため、NFTの存在を通じたカード20及びカード20に紐づく投資商品の取引の安全性がさらに向上する。
【0090】
図4に戻り、ステップS16において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に従って、NFT40の所有者を鑑定機関6からユーザ5aに変更するための変更要求(変更要求トランザクション)をブロックチェーンネットワーク7に配信する。ここで、ユーザ5aは、ユーザ5aのウォレットアドレスに関する情報を鑑定機関6に事前に提供しているものとする。この点において、ユーザ5aのウォレットアドレスを含むユーザ5aに関する属性情報は、鑑定機関6によって管理されるデータベース上に記録されていてもよい。
【0091】
ステップS17において、ブロックチェーンネットワーク7は、鑑定機関端末3からNFT40の所有者の変更要求を受信した上で、当該変更要求に応じてNFT40の所有者がユーザ5aであることを示す情報をブロックチェーン9上に記録する。特に、ブロックチェーンネットワーク7を構成する各ノード端末8は、当該変更要求に従って、ブロックチェーン9上に記録されたNFTコントラクトを呼び出すことで、NFT40の所有者がユーザ5aであることを示す情報をブロックチェーン9上に記録する。尚、鑑定機関6は、ユーザ5aからの鑑定手数料の入金を確認後に、ステップS16の処理を実行してもよい。このように、鑑定機関6は、カード20の鑑定評価を実施すると共に、カード20の鑑定評価情報に関連付けられたNFT40を発行する。その後、鑑定機関6は、NFT40の所有者を鑑定機関6からユーザ5aに変更する。
【0092】
さらに、鑑定機関6は、NFT40を発行した後に、カード20を収容するように構成された収容ケース50内にカード20を封入する(
図7参照)。その後、鑑定機関6は、収容ケース50に封入されたカード20をユーザ5aに返却する。
図7に示すように、カード20に関連するカード情報が表示されたカード情報ラベル53がカード20と共に収容ケース50内に封入されていてもよい。収容ケース50は、例えば、透明樹脂材料により形成されてもよい。特に、カード情報ラベル53の偽造を防止する観点からカード情報ラベル53及びカード20は収容ケース50内に密封されてもよい。カード情報ラベル53には、例えば、鑑定番号と、カード20の属性情報及び鑑定評価情報と、鑑定機関情報と、二次元バーコード52が表示されてもよい。二次元バーコード52は、カード20に関連付けられたNFT40を識別するためのトークン識別情報を有してもよい。トークン識別情報は、NFT40のコントラクトアドレス及びトークンIDを含んでもよい。ユーザ5aは、ユーザ端末4aの撮像部45を用いて二次元バーコード52を撮像することで、二次元バーコード52に含まれるNFT40のトークン識別情報を取得することができる。その後、ユーザ端末4aは、トークン識別情報をブロックチェーンネットワーク7に送信することで、NFT40に関連する一連の情報(カード20の属性情報や鑑定評価情報等)をブロックチェーンネットワーク7から取得することができる(本処理に関しては
図10において詳細に説明する)。
【0093】
本実施形態によれば、カード20の鑑定評価情報(特に、グレード情報)および属性情報に関連付けられたNFT40がブロックチェーン9上に発行される。このように、ブロックチェーン9上において発行されたNFT40の存在によって、カード20及びカード20に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。また、NFT40がカード20の画像データ43に関連付けられているため、カード20の購入予定者は、画像データ43を通じてNFT40がカード20に関連付けられていることを確実に把握することができる。
【0094】
さらに、カード20の購入予定者又はカード20に紐づく投資商品を購入予定の投資家は、NFT40によって示されたカード20の保存状態(例えば、カード表面の傷や汚れ等)を示す評価指標情報とカード20の初期状態(例えば、印刷ミスや裁断誤差)を示す評価指標情報とを通じて、鑑定機関6によって実施されたカード20の鑑定評価の妥当性を判断することができる。このように、鑑定機関6によって実施されたカード20の鑑定評価の妥当性が明らかとなるため、カード20の鑑定評価の透明性及び信頼性を高めることが可能となる。したがって、カード20及びこれに紐づく投資商品の取引の安全性をさらに高めることができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、カード20及びカード20に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能な収容ケース50を提供することができる。特に、カード20の所有者とNFT40の所有者が一対一の関係で紐づいているため、収容ケース50が偽造された場合(特に、収容ケース50に表示された二次元バーコード52が改竄された場合)であっても、詐欺行為を働く販売者は、改竄されたトークン識別情報に対応するNFT40の所有者を購入予定者に変更することはできない。このように、NFT40の存在を通じて収容ケース50の偽造によるカード20の詐欺販売行為を好適に防止することが可能となる。
【0096】
尚、
図4に示すステップS10~S14の各処理の順番は特に限定されるものではない。さらに、
図4に示す例では、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に応じて、カード20の属性情報、評価指標情報および鑑定評価情報を取得しているが、鑑定機関端末3が画像データに基づいてこれらの情報を自動的に決定してもよい。この点において、
図8を参照して、カード20の各種情報を自動的に決定する処理について以下に説明する。
図8は、カード20の画像データに基づいてトレーディングカードの各種情報を自動的に決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0097】
図8に示すように、ステップS20において、鑑定機関端末3は、カード20の画像データを取得する。次に、ステップS21において、鑑定機関端末3は、取得した画像データに基づいてカード20の属性情報を特定する。例えば、鑑定機関端末3は、複数のカードの画像データの各々が複数のカードの属性情報のうちの対応する一つに関連付けられたデータベースを参照することで、画像データからカード20の属性情報を特定してもよい。または、鑑定機関端末3は、画像データに表示されたカード20の文字情報を抽出することで、カード20の属性情報を特定してもよい。
【0098】
次に、鑑定機関端末3は、画像データに基づいてカード20の評価指標情報を決定する(ステップS22)。例えば、鑑定機関端末3は、画像データと評価指標情報とが互いに関連付けられた学習モデルに基づいて、画像データから評価指標情報を自動的に決定してもよい。この場合、学習モデルの入力情報として画像データが使用される一方、学習モデルの出力情報として評価指標情報が使用される。評価指標情報は、カード20の保存状態を示す評価指標情報と、カード20の初期状態を示す評価指標情報とを含む。
【0099】
ステップS23において、鑑定機関端末3は、決定された評価指標情報に基づいてカード20の鑑定評価情報を決定する。例えば、鑑定機関端末3は、評価指標情報と鑑定評価情報とが互いに関連付けられたテーブル情報若しくは所定の演算式に基づいて、評価指標情報から鑑定評価情報を決定する。
【0100】
このように、
図8に示す処理によれば、画像データに基づいて評価指標情報が決定された後に、決定された当該評指標情報に基づいて鑑定評価情報が決定される。即ち、カード20の画像データに基づいて自動的にカード20の鑑定評価が実行されるため、鑑定評価を行う鑑定人に応じてカード20の鑑定評価が大きく変動してしまう状況を好適に防止することが可能となる。このように、鑑定機関6によって実施されたカード20の鑑定評価の透明性及び信頼性をより向上させることが可能となる。
【0101】
次に、
図9及び
図10を参照して、NFT40を通じてカード20に関連する情報をユーザ端末4a,4b上に表示する処理とNFT40の所有者をユーザ5aからユーザ5bに変更する処理とを以下に説明する。
図9は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図であると共に、カード20とNFT40がユーザ5aからユーザ5bに譲渡される状況を示す図である。
図10は、カード20に関連する情報をユーザ端末4a,4b上に表示する処理と、NFT40の所有者をユーザ5aからユーザ5bに変更する処理とを説明するためのシーケンス図である。本例では、NFT40がカード20の所有者を示すため、鑑定機関6によって鑑定評価されたカード20がユーザ5aからユーザ5bに譲渡される際に、カード20に関連付けられたNFT40も同様にユーザ5aからユーザ5bに譲渡されるものとする。さらに、ユーザ5bは、ユーザ5aからカード20を購入する際に、カード20の販売価格に相当する金額を法定通貨(例えば、日本円または米ドル)又は暗号通貨(例えば、ETHまたはERC20規格のトークン)でユーザ5aに支払うものとする。
【0102】
図10に示すように、ステップS30において、ユーザ端末4aは、NFT40を識別するためのトークン識別情報をブロックチェーンネットワーク7に送信する。トークン識別情報は、例えば、NFT40のコントラクトアドレスとトークンIDとを含む。次に、ブロックチェーンネットワーク7(特に、ブロックチェーンネットワーク7に参加しているノード端末8)は、ユーザ端末4aから受信したトークン識別情報に基づいて、ブロックチェーン9からNFT40に関連する情報(NFT40のオンチェーン情報)を特定した上で、当該NFT40に関連する情報をユーザ端末4aに送信する(ステップS31)。
【0103】
ステップS32において、ユーザ端末4aは、ブロックチェーンネットワーク7から受信したNFT40に関連する情報に基づいて、カード20に関連する情報をブラウザ上に表示する。特に、ユーザ端末4aは、NFT40に関連する情報(オンチェーン情報)に含まれるメタデータアドレス(URI)に基づいて、IPFS10からNFT40のメタデータを取得すると共に、メタデータに含まれる画像データのアドレスに基づいて、IPFS10からNFT40の画像データを取得してもよい。このように、ユーザ5aは、ユーザ端末4aのブラウザ上に表示されたカード20に関連する情報(鑑定番号、カード20の属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報、画像データ、NFT40の所有者アドレス等)を確認することが可能となる。特に、ユーザ5aは、NFT40の所有者がユーザ5aであることを確認することができる。
【0104】
ステップS33において、ユーザ端末4aは、NFT40の所有者をユーザ5aからユーザ5bに変更するための変更要求をブロックチェーンネットワーク7に配信する。ブロックチェーンネットワーク7は、ユーザ端末4aから配信された変更要求に応じて、NFT40の所有者がユーザ5bであることを示す情報をブロックチェーン9上に記録する(ステップS34)。特に、ブロックチェーンネットワーク7に参加する各ノード端末8は、当該変更要求に従って、ブロックチェーン9上に記録されたNFTコントラクトを呼び出すことで、NFT40の所有者がユーザ5bであることを示す情報をブロックチェーン9上に記録する。
【0105】
次に、ユーザ5aからカード20を購入したユーザ5bは、ユーザ端末4bを用いてNFT40に関連する情報(カード20に関連する情報)を確認する。具体的には、ステップS35において、ユーザ端末4bは、NFT40を識別するためのトークン識別情報をブロックチェーンネットワーク7に送信する。次に、ブロックチェーンネットワーク7(特に、ブロックチェーンネットワーク7に参加しているノード端末8)は、ユーザ端末4bから受信したトークン識別情報に基づいて、ブロックチェーン9からNFT40に関連する情報(NFT40のオンチェーン情報)を特定した上で、当該NFT40に関連する情報をユーザ端末4bに送信する(ステップS36)。
【0106】
ステップS37において、ユーザ端末4bは、ブロックチェーンネットワーク7から受信したNFT40に関連する情報に基づいて、カード20に関連する情報をブラウザ上に表示する。特に、ユーザ端末4bは、NFT40に関連する情報に含まれるメタデータアドレスに基づいて、IPFS10からNFT40のメタデータを取得すると共に、メタデータに含まれる画像データのアドレスに基づいて、IPFS10からNFT40の画像データを取得してもよい。このように、ユーザ5bは、ユーザ端末4bのブラウザ上に表示されたカード20に関連する情報(鑑定番号、カード20の属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報、画像データ、NFT40の所有者アドレス等)を確認することが可能となる。特に、ユーザ5bは、NFT40の所有者がユーザ5bであることを確認することができる。
【0107】
本実施形態によれば、カード20の鑑定評価を示す鑑定評価情報およびカード20の属性情報に関連付けられたNFT40がブロックチェーン9上に発行される。このように、ブロックチェーン9上において発行されたNFT40の存在によって、カード20及びカード20に紐づく投資商品の取引の安全性を十分に確保することが可能となる。特に、ユーザ5aからカード20を購入するユーザ5bは、ユーザ5aがNFT40を所有していることを確認することができるため、ユーザ5aがカード20の真正の所有者であることを確認することができる。また、ユーザ5bは、NFT40によって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、カード20の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。さらに、カード20に紐づく投資商品を購入予定の投資家は、当該投資商品を販売する事業者がNFT40を所有していることを確認することができるため、当該事業者がカード20の真正の所有者であることを確認することができる。また、投資家は、NFT40によって示される鑑定評価情報及び属性情報を通じて、カード20の鑑定評価及び属性を確実に確認することができる。
【0108】
(本実施形態の変形例)
次に、
図11から
図14を参照することで、鑑定機関6がカード20の共有持分権を示す複数のNFT400が複数のユーザに販売すると共に、複数のNFT400の取引が行われるNFT取引所として機能する例について以下に説明する。
図11は、本実施形態の変形例に係る情報処理システム100の構成の一例を示す図であると共に、カード20に関連付けられた複数のNFT400がユーザ5a,5bに譲渡される状況を示す図である。
図12は、各々がカード20の共有持分権を示す複数のNFT400を各ユーザに譲渡する処理を説明するためのシーケンス図である。
図13は、NFT取引所データベース130(
図11参照)に保存されたNFT管理テーブル250の一例を示す図である。
図14は、NFT板取引画面300の一例を示す図である。ここで、
図11に示す情報処理システム100は、NFT取引所サーバ120とNFT取引所データベース130が設けられている点で
図1に示す情報処理システム1とは相違する。
図11では、NFT400の一部の購入者(投資家)としてユーザ5a,5bが図示されているが、実際にはユーザ5a,5b以外の大勢のNFT400の投資家が存在するものとする。本変形例では、鑑定機関6がカード20の鑑定評価を行うだけでなく、カード20の共有持分権を示すNFT400を発行した上で、NFT400の取引所としても機能する点で上記した実施形態とは相違する。また、鑑定機関6は、NFT400の価値の裏付けとなるカード20を保管するカストディーとしても機能する。
【0109】
最初に、複数のNFT400を発行すると共に、発行された複数のNFT400を各ユーザに譲渡する処理について
図12を参照して以下に説明する。
図12に示すように、ステップS40において、鑑定機関端末3(より具体的には、鑑定機関端末3の制御部30)は、鑑定機関6に所属する鑑定人の入力操作に応じて、カード20の属性情報を取得する。次に、ステップS41において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に応じてカード20の画像データを取得する。
【0110】
ステップS42おいて、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に応じてカード20の評価指標を示す評価指標情報を取得する。次に、ステップS43において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に応じてカード20の鑑定評価を示す鑑定評価情報を取得する。
【0111】
その後、ステップS44において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に従って、カード20に関連付けられた複数のNFT400の発行要求(発行要求トランザクション)をブロックチェーンネットワーク7に配信する。ここで、NFT400は、
図6に示すNFT40の構造と同様に、オンチェーン情報を有すると共に、メタデータ及び画像データに直接的又は間接的に関連付けられている。この点において、複数のNFT400の各々は、共通のコントラクトアドレスを有する一方で、互いに異なるトークンIDを有する。例えば、1000個のNFT400が発行される場合では、1番目に発行されたNFT400のトークンIDは1となり、100番目に発行されたNFT400のトークンIDは100となる。また、1000個のNFT400の各々は、共通のコントラクトアドレスを有する。
【0112】
また、鑑定機関6によってカード20の資産価値が100万円であると評価された場合では、カード20の共有持分権を示す1000個のNFT400の販売価格は1000円となる。一方、NFT400の取引価格が1000円から2000円に上昇した場合では、有体物であるカード20の市場価値は200万円に上昇したことになる(2000円×1000個=200万円)。つまり、NFT400の取引価格は株価に相当する一方で、カード20の市場価値は株式を発行する株式会社の時価総額に相当する。このように、カード20の共有持分権を示すNFT400の取引所における売買を通じて、NFT400に紐づくカード20等の有体物の市場価格(市場価値)を客観的に表すことが可能となる。特に、有体物が高額である場合には有体物自体の取引の流動性は全く確保できない点で課題が存在する。その一方で、有体物の共有持分権を示すNFT400は比較的低額で取引所で売買されるため、NFT400の取引の流動性が飛躍的に向上する(即ち、NFT400の取引に参加する投資家の数が比較的に増加する)。この結果、複数のNFT400の集合体である有体物(本例ではカード20)の市場価格をより正確に反映させることが可能となる。
【0113】
本実施形態では、有体物の一例としてカード20が挙げられているが、有体物自体の価格が高額であればある程、有体物の共有持分権を示すNFT400の市場における役割は大きくなる。例えば、販売価格1億円の中古不動産の流動性は極端に低い一方で、当該中古不動産の共有持分権を示すNFT400が1万個発行される場合では、NFT400の販売価格は1万円となる。このため、取引所におけるNFT400の活発な売買を通じて1億円の中古不動産の市場価値を正確に反映させることが可能となる。有体物が中古不動産である場合には、中古不動産の鑑定評価情報は、不動産鑑定士等によって査定された中古不動産の鑑定額に関する情報や中古不動産のグレード情報を含んでもよい。また、中古不動産の評価指標情報は、中古不動産の保存状態(特に、内装、配管、設備の状態等)を示す情報と、中古不動産の初期状態(新築販売価格、現在路線価、日当たり(方角)、資産価値下落リスク要因等)を示す情報とを含んでもよい。尚、評価指標情報は、不動産鑑定士が鑑定評価の基礎として用いる種々の情報を含んでいてもよい。有体物が中古車の場合も同様である。
【0114】
次に、ステップS45において、ブロックチェーンネットワーク7は、鑑定機関端末3から複数のNFT400の発行要求を受信した上で、当該発行要求に応じて複数のNFT400をブロックチェーン9上に記録する。ステップS46において、鑑定機関端末3は、鑑定人の入力操作に従って、各NFT400の所有者を鑑定機関6から各ユーザに変更するための変更要求(変更要求トランザクション)をブロックチェーンネットワーク7に配信する。ここで、各ユーザは、自身のウォレットアドレスに関する情報を鑑定機関6に事前に提供しているものとする。この点において、ユーザのウォレットアドレスを含むユーザに関する属性情報は、鑑定機関6によって管理されるデータベース上に記録されていてもよい。
【0115】
ステップS47において、ブロックチェーンネットワーク7は、鑑定機関端末3から各NFT400の所有者の変更要求を受信した上で、当該変更要求に応じて各NFT400の所有者が各ユーザであることを示す情報をブロックチェーン9上に記録する。特に、ブロックチェーンネットワーク7を構成する各ノード端末8は、当該変更要求に従って、ブロックチェーン9上に記録された各NFTコントラクトを呼び出すことで、各NFT400の所有者が各ユーザであることを示す情報をブロックチェーン9上に記録する。尚、鑑定機関6は、各ユーザからのNFT400の販売価格に相当する金額の入金を確認した後に、ステップS46の処理を実行してもよい。このように、鑑定機関6は、カード20の鑑定評価を実施すると共に、各々がカード20の鑑定評価情報に関連付けられた複数のNFT400を発行する。その後、鑑定機関6は、各NFT400の所有者を鑑定機関6から各ユーザに変更する。
【0116】
その後、鑑定機関6からNFT400を購入した各ユーザは、鑑定機関6によって管理される取引所においてNFT400を売却することができる。また、NFT400を鑑定機関6から購入できなかったユーザは、当該取引所においてNFT400を購入することができる。本実施形態では、カード20を鑑定評価する鑑定機関6がICO(Initial Coin Offering)等と同様の手法でカード20に関連付けられた複数のNFT400を発行した上で、自身が管理する取引所においてNFT400をIEO(Initial Exchange Offering)等と同様の形で上場させることができる。尚、本変形例では、鑑定機関6が取引所を運営・管理しているが、鑑定機関6と業務提携関係にある他の事業者がNFTの取引所を運営・管理してもよい。
【0117】
鑑定機関6は、
図11に示すように、NFT取引所サーバ120とNFT取引所データベース130を保守管理する。
図13に示すように、NFT取引所データベース130には、NFT管理テーブル250が保存されてもよい。NFT管理テーブル250では、取引所の各ユーザのユーザIDと各ユーザのNFT400の保有枚数が互いに関連付けられている。例えば、ユーザ5aが自身の保有する2個のNFT400を取引所において売却する場合には、ユーザ5aは取引所によって指定された所定のウォレットアドレス宛に2個のNFT400を送信してもよい。より具体的には、ユーザ5aは、2個のNFT400の所有者をユーザ5aのウォレットドレスから取引所のウォレットアドレスに変更するためのトランザクションをブロックチェーンネットワーク7に配信してもよい。
【0118】
また、NFT取引所サーバ120は、各ユーザ端末からのアクセス要求に応じて、NFT板取引画面300を各ユーザ端末に送信する(
図14参照)。
図14には、ユーザ端末のブラウザ上に表示されたNFT板取引画面300の一例が示されている。NFT板取引画面300は、カード20の画像データが表示される画像データ表示領域320と、板取引領域330とを有する。また、NFT板取引画面300では、NFT400のコントラクトアドレスが示されている。NFT400の取引に参加する投資家は、NFT400のコントラクトアドレスを通じてNFT400に関連する情報(鑑定番号、カード20の属性情報、評価指標情報、鑑定評価情報、画像データ、NFT400の所有者アドレス等)をブロックチェーンネットワーク7から取得することができる。このように、投資家は、NFT400に関連する情報を確認することで、安心してカード20の共有持分権を示すNFT400を取引することができる。
【0119】
本実施形態の変形例によれば、鑑定機関6によって発行された複数のNFT400の各々がカード20の共有持分権を示すため、NFT400をカード20の共有持分権を示す投資商品として扱うことが可能となる。特に、NFTの購入者は、NFT400によって示されるカード20の鑑定評価情報、評価指標情報、属性情報及びNFTの所有者情報を通じて、カード20の鑑定評価、評価指標、属性を確実に確認することができると共に、自己がカード20の共有持分権を有していることを確認することができる。さらに、鑑定機関6によって運営される取引所においてNFT400の取引を行う投資家は、NFT400によって示される鑑定評価情報、評価指標情報、属性情報およびNFTの所有者情報を通じて、カード20の鑑定評価、評価指標、属性を確実に確認することができると共に、取引所(鑑定機関6)がカード20の共有持分権を有していることを確認することができる。このように、有体物の共有持分権を示す投資商品の取引の安全性を十分に確保することができる。
【0120】
尚、本変形例では、カード20の共有持分権を示す各NFT400が各ユーザに販売された上で、各NFT400が取引所において投資家により売買されているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、カード20の所有権を示す1つのNFT40が取引所を運営する事業者に販売された上で、NFT40を保有する事業者が中央集権的なデータベース上においてカード20の共有持分権を電子的に発行してもよい。この場合、NFT40の価値の裏付けとなるカード20自体は取引所を運営する事業者によって保管されてもよいし、鑑定機関6によって保管されてもよい。
【0121】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0122】
1,100:情報処理システム、2:通信ネットワーク、3:鑑定機関端末、4,4a,4b:ユーザ端末、5,5a,5b:ユーザ、6:鑑定機関、7:ブロックチェーンネットワーク、8:ノード端末、9:ブロックチェーン、10:IPFS、12:ウェブサーバ、20:トレーディングカード(カード)、30:制御部、31:記憶装置、32:通信部、33:入力操作部、34:表示部、35:入出力インターフェース、36:通信バス、40,400:NFT、46:制御部、41:オンチェーン情報、42:メタデータ、43:画像データ、44:表示部、45:撮像部、47:記憶装置、48:通信部、49:入力操作部、50:収容ケース、52:二次元バーコード、53:カード情報ラベル、90a,90b,90c:ブロック、120:取引所サーバ、130:取引所データベース、250:管理テーブル、300:板取引画面、320:画像データ表示領域、330:板取引領域
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有体物に関連付けられた非代替性トークンをブロックチェーン上に発行するための発行要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップを含む情報処理方法であって、
前記ブロックチェーンネットワークは、各々が前記ブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成され、
前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報と、前記有体物の評価指標を示す評価指標情報とに関連付けられ、
前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報は、前記非代替性トークンのメタデータとして記録され、
前記鑑定評価情報は、前記評価指標情報に基づいて決定されるものであり、
前記評価指標情報は、前記有体物の保存状態を示す評価指標情報を含む、
情報処理方法。
【請求項2】
前記有体物は、コレクションアイテムである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記有体物は、トレーディングカードである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記非代替性トークンは、前記有体物を示す画像データに更に関連付けられている、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記鑑定評価情報は、前記有体物のグレードを示すグレード情報を含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記評価指標情報は、前記有体物の初期状態を示す評価指標情報をさらに含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記画像データと、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ取得するステップと、
前記画像データと、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ外部に送信するステップと、をさらに含む、請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記鑑定評価情報及び前記属性情報は前記ブロックチェーン上に記録されている、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記画像データに基づいて前記評価指標情報を決定するステップと、
決定された前記評価指標情報に基づいて前記鑑定評価情報を決定するステップと、
をさらに含む、
請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記非代替性トークンの所有者を前記非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関から前記有体物を所有する第一ユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップをさらに含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記非代替性トークンは、複数の非代替性トークンを有し、
前記複数の非代替性トークンの各々は、前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報とに関連付けられ、
前記複数の非代替性トークンの各々は、前記有体物の共有持分権を示し、
前記情報処理方法は、
前記複数の非代替性トークンの所有者を前記複数の非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関から前記有体物を共同所有する複数のユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップをさらに含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関に関連付けられた公的な電子証明書に紐づく公開鍵に基づいて、前記鑑定機関のウォレットアドレスを生成するステップをさらに含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項13】
有体物に関連付けられた非代替性トークンの所有者を第一ユーザから第二ユーザに変更するための変更要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップを含む情報処理方法であって、
前記ブロックチェーンネットワークは、各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成され、
前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報と、前記有体物の評価指標を示す評価指標情報とに関連付けられて、
前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報は、前記非代替性トークンのメタデータとして記録され、
前記鑑定評価情報は、前記評価指標情報に基づいて決定されるものであり、
前記評価指標情報は、前記有体物の保存状態を示す評価指標情報を含む、
情報処理方法。
【請求項14】
請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
少なくとも一つのプロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を備えた情報処理装置であって、
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報処理方法を実行するように構成されている、情報処理装置。
【請求項16】
各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成されたブロックチェーンネットワークと、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、有体物を鑑定する鑑定機関に関連付けられた鑑定機関端末とを備えた情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、
前記有体物に関連付けられた非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に発行するための発行要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンは、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、前記有体物の属性情報と、前記有体物の評価指標を示す評価指標情報とに関連付けられて、
前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報は、前記非代替性トークンのメタデータとして記録され、
前記鑑定評価情報は、前記評価指標情報に基づいて決定されるものであり、
前記評価指標情報は、前記有体物の保存状態を示す評価指標情報を含む、
情報処理システム。
【請求項17】
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンの所有者を前記鑑定機関から前記有体物を所有する第一ユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第一ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録する、請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記情報処理システムは、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、前記第一ユーザに関連付けられた第一端末をさらに備え、
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに送信し、
前記トークン識別情報に基づいて、前記非代替性トークンの所有者を示す情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報とを前記第一端末に送信する、請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンの所有者を前記第一ユーザから第二ユーザに変更するための第二変更要求を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記第二変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が第二ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録する、請求項18に記載の情報処理システム。
【請求項20】
各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成されたブロックチェーンネットワークと、
前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、有体物を鑑定する鑑定機関に関連付けられた鑑定機関端末と、
前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、第一ユーザに関連付けられた第一端末と、を備えた情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、
前記有体物に関連付けられた非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に発行するための発行要求を前記鑑定機関端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンの所有者を前記鑑定機関から前記第一ユーザに変更するための変更要求を前記鑑定機関端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第一ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに送信し、
前記トークン識別情報に基づいて、前記有体物に関連する情報を前記第一端末に送信し、
前記非代替性トークンの所有者を前記第一ユーザから第二ユーザに変更するための第二変更要求を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記第二変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第二ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンは、
前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報と、
前記有体物の属性情報と、
前記有体物を示す画像データと、
前記有体物の評価指標を示す評価指標情報と、
にそれぞれ関連付けられ、
前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報は、前記非代替性トークンのメタデータとして記録され、
前記鑑定評価情報は、前記評価指標情報に基づいて決定されるものであり、
前記評価指標情報は、前記有体物の保存状態を示す評価指標情報を含む、
情報処理システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有体物の属性情報を取得するステップと、
前記有体物の保存状態を示す評価指標を含む評価指標情報を取得するステップと、
前記評価指標情報に基づいて、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報を決定するステップと、
前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ外部に送信するステップと、
前記属性情報と、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報とに関連付けられた非代替性トークンをブロックチェーン上に発行するための発行要求をブロックチェーンネットワークに配信するステップと、
を含む、コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
前記ブロックチェーンネットワークは、各々が前記ブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成され、
前記非代替性トークンが前記ブロックチェーン上に発行されると共に、前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報は、前記非代替性トークンのメタデータとして記録される、
情報処理方法。
【請求項2】
前記有体物を示す画像データを取得するステップをさらに含み、
前記評価指標情報を取得するステップは、
取得された前記画像データに基づいて前記評価指標情報を取得するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記属性情報を取得するステップは、
取得された前記画像データに基づいて前記属性情報を取得するステップを含む、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記属性情報を取得するステップは、
操作者の入力操作に応じて、前記属性情報を取得するステップを含み、
前記評価指標情報を取得するステップは、
前記操作者の入力操作に応じて、前記評価指標情報を取得するステップを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記有体物は、コレクションアイテムである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記有体物は、トレーディングカードである、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記鑑定評価情報は、前記有体物のグレードを示すグレード情報を含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記評価指標情報は、前記有体物の初期状態を示す評価指標をさらに含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記鑑定評価情報及び前記属性情報は前記ブロックチェーン上に記録されている、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記非代替性トークンの所有者を前記非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関から前記有体物を所有する第一ユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップをさらに含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記非代替性トークンは、複数の非代替性トークンを有し、
前記複数の非代替性トークンの各々は、前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報とに関連付けられ、
前記複数の非代替性トークンの各々は、前記有体物の共有持分権を示し、
前記情報処理方法は、
前記複数の非代替性トークンの所有者を前記複数の非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関から前記有体物を共同所有する複数のユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信するステップをさらに含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記非代替性トークンの発行を要求した鑑定機関に関連付けられた公的な電子証明書に紐づく公開鍵に基づいて、前記鑑定機関のウォレットアドレスを生成するステップをさらに含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項13】
請求項1から12のうちいずれか一項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
少なくとも一つのプロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するメモリと、を備えた情報処理装置であって、
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、請求項1から12のうちいずれか一項に記載の情報処理方法を実行するように構成されている、情報処理装置。
【請求項15】
各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成されたブロックチェーンネットワークと、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、有体物を鑑定する鑑定機関に関連付けられた鑑定機関端末とを備えた情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、
前記有体物の属性情報を取得し、
前記有体物の保存状態を示す評価指標を含む評価指標情報を取得し、
前記評価指標情報に基づいて、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報を決定し、
前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ外部に送信し、
前記属性情報と、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報とに関連付けられた非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に発行するための発行要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に記録し、
前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報は、前記非代替性トークンのメタデータとして記録される、
情報処理システム。
【請求項16】
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンの所有者を前記鑑定機関から前記有体物を所有する第一ユーザに変更するための変更要求を前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第一ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録する、請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記情報処理システムは、前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、前記有体物を所有する第一ユーザに関連付けられた第一端末をさらに備え、
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに送信し、
前記トークン識別情報に基づいて、前記非代替性トークンの所有者を示す情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報とを前記第一端末に送信する、請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記情報処理システムは、
前記非代替性トークンの所有者を前記第一ユーザから第二ユーザに変更するための第二変更要求を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記第二変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が第二ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録する、請求項17に記載の情報処理システム。
【請求項19】
各々がブロックチェーンを有する複数のノード端末によって構成されたブロックチェーンネットワークと、
前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、有体物を鑑定する鑑定機関に関連付けられた鑑定機関端末と、
前記ブロックチェーンネットワークに通信可能に接続され、第一ユーザに関連付けられた第一端末と、を備えた情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、
前記有体物を示す画像データを取得し、
前記有体物の属性情報を取得し、
前記有体物の保存状態を示す評価指標を含む評価指標情報を取得し、
前記評価指標情報に基づいて、前記有体物の鑑定評価を示す鑑定評価情報を決定し、
前記画像データと、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報と、前記属性情報とをそれぞれ外部に送信し、
前記画像データと、前記属性情報と、前記評価指標情報と、前記鑑定評価情報とに関連付けられた非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に発行するための発行要求を前記鑑定機関端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンの所有者を前記鑑定機関から前記第一ユーザに変更するための変更要求を前記鑑定機関端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第一ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録し、
前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに送信し、
前記トークン識別情報に基づいて、前記有体物に関連する情報を前記第一端末に送信し、
前記非代替性トークンの所有者を前記第一ユーザから第二ユーザに変更するための第二変更要求を前記第一端末から前記ブロックチェーンネットワークに配信し、
前記第二変更要求に応じて、前記非代替性トークンの所有者が前記第二ユーザであることを示す情報を前記ブロックチェーン上に記録し、
前記画像データのアドレスと、前記鑑定評価情報と、前記属性情報と、前記評価指標情報は、前記非代替性トークンのメタデータとして記録される、
情報処理システム。