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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126383
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】加工装置及び加工方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 9/00 20060101AFI20240912BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20240912BHJP
   B24B 55/06 20060101ALI20240912BHJP
   B24B 21/00 20060101ALI20240912BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B24B9/00 601H
B24B49/12
B24B55/06
B24B21/00 A
H01L21/304 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034719
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】522390489
【氏名又は名称】株式会社雄飛
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(74)【代理人】
【識別番号】100171848
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 裕美
(72)【発明者】
【氏名】小井土 享司
(72)【発明者】
【氏名】多田 信
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
3C049
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB73
3C034CA03
3C034CA04
3C034CB01
3C034DD10
3C034DD20
3C047FF09
3C047FF11
3C047FF19
3C047HH15
3C049AA03
3C049AA05
3C049AA09
3C049AA12
3C049AA13
3C049AA18
3C049AC02
3C049BA01
3C049BA09
3C049BB02
3C049BB06
3C049BB08
3C049BC02
3C049CB01
3C049CB03
3C158AA03
3C158AA05
3C158AA09
3C158AA12
3C158AA13
3C158AA18
3C158AC02
3C158BA01
3C158BA09
3C158BB02
3C158BB06
3C158BB08
3C158BC02
3C158CB01
3C158CB03
3C158DA17
5F057AA03
5F057AA37
5F057BA12
5F057BB02
5F057BB05
5F057CA09
5F057DA06
5F057DA11
5F057EB22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウェーハの端面全体を目標とする形状に精密に研磨することができる加工装置等を提供する。
【解決手段】加工装置100は、ウェーハWの端面に対して研削加工を行う砥石部材18と、ウェーハW及び砥石部材18を回転させつつ相対的に変位させる第1駆動装置10gとを有する端面研削装置10と、ウェーハWの端面に対して研磨加工を行う研磨テープと、研磨テープを移動させつつウェーハWの端面に付勢するテープ供給装置20fと、ウェーハWを回転させつつ、ウェーハW及びテープ供給装置20fを相対的に変位させる第2駆動装置20gとを有する端面研磨装置20と、ウェーハWの外縁部の接線方向からみたエッジ形状を測定する形状測定装置30とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの端面に対して研削加工を行う砥石部材と、前記ウェーハ及び前記砥石部材を回転させつつ相対的に変位させる第1駆動装置とを有する端面研削装置と、
前記ウェーハの前記端面に対して研磨加工を行う研磨テープと、前記研磨テープを移動させつつ前記ウェーハの前記端面に付勢するテープ供給装置と、前記ウェーハを回転させつつ、前記ウェーハ及び前記テープ供給装置を相対的に変位させる第2駆動装置とを有する端面研磨装置と、
前記ウェーハの外縁部の接線方向からみたエッジ形状を測定する形状測定装置と
を備える加工装置。
【請求項2】
前記テープ供給装置は、前記研磨テープの送り方向に関して互いに離間し、かつ、前記ウェーハの径方向に関して相対的に変位し、前記研磨テープを裏面からそれぞれ支持して前記ウェーハの端面に対する前記研磨テープの傾斜角度を変更する2つのローラを有する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記形状測定装置は、前記ウェーハの外縁部が配置される観察点を挟んで前記ウェーハの前記外縁部の接線方向に沿って対向して配置される照明部材とカメラとを有する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項4】
前記形状測定装置は、カメラによって得た画像から前記ウェーハの前記外縁部における縦断面の輪郭形状に関して寸法情報を得る、請求項3に記載の加工装置。
【請求項5】
前記ウェーハを洗浄する洗浄装置と、
前記端面研削装置と、前記端面研磨装置と、前記形状測定装置と、前記洗浄装置とに前記ウェーハを搬送する搬送装置とを備える、請求項1に記載の加工装置。
【請求項6】
前記端面研削装置は、前記ウェーハを支持するテーブルと、前記テーブルに対して前記ウェーハを位置決めする位置決め装置とを備える、請求項1に記載の加工装置。
【請求項7】
ウェーハの端面に対して砥石部材によって研削加工を行い、
形状測定装置によって研削後の前記ウェーハの外縁部における縦断面の輪郭形状を測定し、
研削が完了した前記ウェーハの前記端面に対して、研磨テープによって研磨加工を行う、加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ端面の研削及び研磨を行う加工装置及び加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウェーハ端面研磨装置を用いて、ウェーハの端面を研磨して不要な膜や表面荒れを除去することが行われている。例えば、従来のウェーハ端面研磨装置では、ウェーハの中心軸を回転軸として当該ウェーハを回転させ、ウェーハの厚み方向に移送している研磨テープをウェーハの端面に摺接させて、ウェーハの端面を円弧状に研磨している(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、従来のウェーハ端面研磨装置は、ウェーハを挟む位置に下可変ローラと上可変ローラとを配置し、下可変ローラと上可変ローラとの間に張架された研磨テープをウェーハの厚み方向に移送させるとともに、下可変ローラ及び上可変ローラの各々がウェーハの端面に近づく方向に移動可能に設けられている。これにより、ウェーハ端面研磨装置では、下可変ローラ及び上可変ローラを個別にウェーハに近づけることで、ウェーハの端面に対する研磨テープの傾斜角度を自在に変更し、ウェーハの端面が適切な形状になるように研磨することができる。
【0004】
しかしながら、従来のウェーハ端面研磨装置は、ウェーハ端面研削装置との連携が考慮されず、ウェーハの端面全体を目標とする形状に精密に研磨することは容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-186176号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、ウェーハの端面全体を目標とする形状に精密に研磨することができる加工装置等を提供すること目的とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る加工装置は、ウェーハの端面に対して研削加工を行う砥石部材と、ウェーハ及び砥石部材を回転させつつ相対的に変位させる第1駆動装置とを有する端面研削装置と、ウェーハの端面に対して研磨加工を行う研磨テープと、研磨テープを移動させつつウェーハの端面に付勢するテープ供給装置と、ウェーハを回転させつつ、ウェーハ及びテープ供給装置を相対的に変位させる第2駆動装置とを有する端面研磨装置と、ウェーハの外縁部の接線方向からみたエッジ形状を測定する形状測定装置とを備える。
【0008】
上記加工装置では、形状測定装置がウェーハの外縁部の接線方向からみたエッジ形状を測定するので、端面研削装置による研削後のウェーハの外縁部のエッジ形状を確認しつつ、適切なタイミングで端面研磨装置によるウェーハの端面のテープ研磨が可能になり、ウェーハの端面を目標とする形状に精密に加工することができる。
【0009】
本発明の具体的な側面では、上記加工装置において、テープ供給装置は、研磨テープの送り方向に関して互いに離間し、かつ、ウェーハの径方向に関して相対的に変位し、研磨テープを裏面からそれぞれ支持してウェーハの端面に対する研磨テープの傾斜角度を変更する2つのローラを有する。この場合、ウェーハの端面に対する研磨テープの傾斜角度を自在に変更することができ、ウェーハの端面の形状に関わらず端面を滑らかに加工することができる。
【0010】
本発明の別の側面では、形状測定装置は、ウェーハの外縁部が配置される観察点を挟んでウェーハの外縁部の接線方向に沿って対向して配置される照明部材とカメラとを有する。この場合、接線方向から加工状態を観察することができ、ウェーハの端面の形状が目的の状態か否かの判定が容易になる。
【0011】
本発明の別の側面では、形状測定装置は、カメラによって得た画像からウェーハの外縁部における縦断面の輪郭形状に関して寸法情報を得る。この場合、ウェーハの端面の輪郭判定を行うことができる。
【0012】
本発明の具体的な側面では、ウェーハを洗浄する洗浄装置と、端面研削装置と、端面研磨装置と、形状測定装置と、洗浄装置とにウェーハを搬送する搬送装置とを備える。この場合、端面研削装置又は端面研磨装置でウェーハを加工しつつ洗浄し、形状測定装置でウェーハの端面の形状測定を行うことができ、研削加工や研磨加工の効率化を図ることができる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る加工方法は、ウェーハの端面に対して砥石部材によって研削加工を行い、形状測定装置によって研削後のウェーハの外縁部における縦断面の輪郭形状を測定し、研削が完了したウェーハの端面に対して、研磨テープによって研磨加工を行う。なお、形状測定装置によって研磨後のウェーハの外縁部における縦断面の輪郭形状を測定してもよい。
【0014】
上記加工方法では、研削が完了する前のウェーハの縦断面の輪郭形状を形状測定装置によって測定するので、適切なタイミングでウェーハの端面の加工を研削からテープ研磨に切り替えることができ、ウェーハの端面を目標とする形状に精密に研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の加工装置の平面図である。
図2】(A)は、加工されるウェーハの外縁部を説明する側断面図であり、(B)は、ウェーハの外縁部に対して研削を行う工程を説明する図であり、(C)は、研削処理後のウェーハの端面を示し、(D)は、ウェーハの端面に対して研磨を行う工程を説明する図である。
図3】端面研削装置を説明する概念的な側面図である。
図4】端面研磨装置を説明する概念的な側面図である。
図5】加工ヘッドの内部構造を説明する側面図である。
図6】ローラ支持部を説明する斜視図である。
図7】(A)~(C)は、研磨加工時におけるローラ支持部や研磨テープの状態を説明する図である。
図8】(A)及び(B)は、形状測定装置を説明する概念的な側面図及び平面図である。
図9】制御装置を説明する概念的なブロック図である。
図10】ウェーハの加工方法を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る加工装置及び加工方法の一実施形態について説明する。
【0017】
図1に示すように、加工装置100は、端面研削装置10と、端面研磨装置20と、形状測定装置30と、洗浄装置40と、搬送装置50と、制御装置80とを備える。加工装置100は、制御装置80の制御下で動作する自動化された装置であり、ウェーハWの形状を計測しつつ、ウェーハWに対してエッジ研削及び研磨を行う。なお、加工装置100において、Z方向は鉛直方向であり、X方向及びYZ方向は互いに直交する水平方向である。
【0018】
図2(A)は、加工装置100による加工の対象であるウェーハWの外縁部WPを説明する側断面図である。ウェーハWは、化合物半導体のウェーハであり、例えばSiC、GaN等の化合物半導体である各種材料で形成された円板である。ウェーハWの上面Wa及び下面Wbは、平面である。ウェーハWの端面WEは、その後の工程の仕様に応じて目標とする形状に加工される。水平に置かれた研削処理前のウェーハWの端面WEは、ウェーハWの端面WEの最大径に接する仮想円CRを考えて、この仮想円CRの接線方向から見た場合、つまりY方向に沿って見た場合、半円状の輪郭を有する。このように接線方向から見た輪郭は、縦断面の輪郭形状である。つまり、図2(A)に示す端面WEの輪郭は、ウェーハWの中心を通って上面Waに垂直な縦断面に関する端面WEの断面形状に相当し、端面WEのエッジ形状と呼ぶ。
【0019】
研削処理前のウェーハWの端面WEは、図2(A)に例示するものに限らず、矩形又は直線状の輪郭として観察される円筒面状のものであってもよく、上下で面取りがなされた円筒面状のものであってもよい。
【0020】
図2(B)は、図1に示す端面研削装置10によって、ウェーハWの外縁部WPに対して研削を行う工程を説明する側断面図である。研削処理に用いられる砥石部材18は、円板状であり、外周側面に多数の溝状の研削面18rを有する。各研削面18rは、ダイヤモンド砥粒を含み研削作用を持つ砥層によって形成され、表面の砥層は、砥石部材18の本体である台金に支持されている。砥層において、ダイヤモンド砥粒は、結合材中に微細な粒子として分散し、結合材に支持されている。研削面18rは、例えば#600以上の番手の研削面である。研削面18rは、後述する研磨テープのよりも粗く設定される。砥石部材18をZ方向に平行な回転軸の周りに自転させつつ+X方向に徐々に移動させ、かつ、ウェーハWをZ方向に平行な別の回転軸の周りに自転させることで、研削面18rによってウェーハWの外縁部WPに研削面18rに対応する所望の輪郭形状を有する端面WEを形成することができる。
【0021】
以上では、砥石部材18とウェーハWとを互いに平行な中心軸の周りに回転させることで端面同士を擦り合わせ、研削面18rの断面形状をウェーハWの端面WEの反転断面形状と一致させている。これに限らず、研削面18rの姿勢や配置を3次元的に変更可能にすることで、ウェーハWの端面WEとして、研削面18rの断面形状と異なる反転断面形状を形成することができる。
【0022】
砥石部材18の外周側面に形成される多数の研削面18rは、同一形状を有するものであってもよいが、異なる形状を有するものであってもよい。多数の研削面18rが異なる形状を有する場合、その後の工程の仕様等応じて多数の研削面18rを使い分けることもできる。
【0023】
図2(C)は、研削処理後のウェーハWの端面WEを示す。研削処理後のウェーハWの端面WEは、Y方向に沿って見た場合、研削面18rの断面形状に対応する半円状の輪郭又はエッジ形状を有する。研削処理後のウェーハWの端面WEは、研削面18rが#600程度の番手の研削面である場合、光沢面ではなく、ざらついた非光沢面となっている。
【0024】
図2(D)は、図1に示す端面研磨装置20によって、ウェーハWの端面WEの研磨を行う工程を説明する側断面図である。ウェーハWの端面WEは、研磨テープPTによって研磨される。研磨処理に用いられる研磨テープPTは、Y方向に一定の幅を有し、図示の例では下側に送られる。この際、研磨テープPTの傾斜角は、ウェーハWの端面WEの研磨領域における傾斜角と一致させる。研削処理後のウェーハWの端面WEには、微細な凹凸が形成されるが、研磨処理後のウェーハWの端面WEは、鏡面状に形成され、例えば#2000の番手で2分研磨し、或いは#5000の番手で5分研磨することで、表面粗さRa=10nm程度以下の極めて滑らかな面となる。
【0025】
研磨テープPTは、大きく分類して3つの状態で端面WEを研磨する。第1状態TS1の研磨テープPTは、-Z方向に送られつつ、+X方向に付勢され、端面WEの中央部AR1を研磨する。第2状態TS2の研磨テープPTは、-Z方向と-X方向との間の方向に送られつつ、+X方向に付勢され、端面WEの上部AR2を研磨する。第2状態TS2において、研磨テープPTは、送り方向又は傾斜角度を調整でき、断面円弧状である上部AR2の各箇所にフィットさせることができる。第3状態TS3の研磨テープPTは、-Z方向と+X方向との間の方向に送られつつ、+X方向に付勢され、端面WEの下部AR3を研磨する。第3状態TS3において、研磨テープPTは、送り方向又は傾斜角度を調整でき、断面円弧状である下部AR3の各箇所にフィットさせることができる。これらの第1状態TS1,TS2,TS3を組み合わせることで、ウェーハWの端面WEが断面円弧状であっても、端面WE全体を一様に研磨することができる。
【0026】
図1に戻って、端面研削装置10は、ウェーハWに対して研削加工を行う。端面研削装置10は、ウェーハWを支持して指定された速度で回転させる支持装置11と、円盤状の砥石部材18を支持して所定速度で回転させつつ2次元的又は3次元的に移動させる砥石駆動装置12と、水をウェーハWの表面に供給する冷却装置13とを備える。支持装置11や砥石駆動装置12は、ウェーハW及び砥石部材18を回転させつつ相対的に変位させる第1駆動装置10gとして機能する。
【0027】
図3及び図1に示すように、端面研削装置10において、支持装置11は、ウェーハWを吸着して支持するテーブル11a、テーブル11a上のウェーハWを所望の速度で回転軸RX11の周りに回転させる回転機構11b、テーブル11aを回転機構11bとともに±Z方向に昇降させる昇降装置11c、位置センサー11o等を備える。図1に示すように、端面研削装置10は、支持装置11に付随して、テーブル11aに対してウェーハWを位置決めする位置決め装置16を備える。位置決め装置16は、テーブル11aに対してウェーハWをアライメントする3つの位置決め部材16aと、1つの位置決め部材16aと2つの位置決め部材16aとを進退駆動する2つの駆動装置16bとを備える。3つの位置決め部材16aは、それぞれが先端にローラを設けたロッド状の部材であり、駆動装置16bに駆動されて同期して進退する。これにより、搬送装置50から支持装置11に渡されたウェーハWをテーブル11a上で精密に位置決めして配置することができる。駆動装置16bは、制御装置80の制御下で、搬送装置50等とタイミングを調整しつつ同期して動作する。テーブル11aの上部には、帯状の窪みREが形成され、後述する搬送装置50のハンド部材51aがテーブル11a上にウェーハWを移載する動作を可能にしている。冷却装置13は、ノズル13aから水を吐出し、ウェーハWの表面に供給し冷却する。位置センサー11oは、ファイバと投光素子と受光素子とを備えるファイバセンサ11tを有し、ウェーハWをその回転角度を監視しつつ回転させ、ファイバセンサ11tによってエッジ検出を行うことで、オリフラの方向を例えば±0.03°程度以下の精度で検出する。
【0028】
位置決め装置16をテーブル11aに付随して設けることで、ウェーハWのセンタリングが比較的精密になり、ウェーハWの加工が精密になるとともに、ウェーハWの研削量が減少して研削工程の無駄を少なくすることができる。
【0029】
図3を参照して、砥石駆動装置12は、砥石部材18を回転軸RX12のまわりに所望の速度で回転させる回転機構12a、砥石部材18を±X方向に所望の速度で移動させる移動機構12b、位置センサー(不図示)等を備える。移動機構12bは、例えば定盤12p上にスライドガイド12fやモータ12gを取り付けたものであり、スライドガイド12fに支持された可動部材12h、つまり回転機構12aによって回転する砥石部材18をX方向に所望の速度で移動させることができる。ウェーハWの研削加工時には、円盤状の砥石部材18の外周側面18dに形成された溝状の研削面18r(図2(B)参照)が用いられる。
【0030】
支持装置11により、テーブル11a上のウェーハWのZ方向の高さを調整し、砥石駆動装置12により、砥石部材18のX方向の位置を調整すれば、砥石部材18の外周側面18dがウェーハWの端面WEに対して横方向において対向する状態となる。この状態で、砥石駆動装置12の回転機構12aにより砥石部材18を回転させつつ移動機構22bにより砥石部材18を+X方向に所定速度で移動させる。砥石駆動装置12の動作と並行して、冷却装置13のノズル13aから水等を吐出させつつ、支持装置11の回転機構11bによってウェーハWを所定速度で回転させることにより、ウェーハWの端面WEの全周に亘って研削加工が可能になる。
【0031】
具体的な動作例では、砥石部材18を例えば2500~3000rpmの一定回転速度で回転させる。一方、ウェーハWの回転速度については、ウェーハWの端面WEの移動速度が例えば3~10mm/Sの範囲内で、具体的には6mm/Sとなるように設定する。つまり、一般的には、砥石部材18の回転速度がウェーハWの回転速度よりもかなり高速となる。また、砥石部材18を移動機構22bにより+X方向に移動させる速度は、ウェーハWの端面WEの全周に関する研削速度に対応し、砥石部材18の研削面18rの粗さ、ウェーハWの材料の硬さ等を考慮して設定される。
【0032】
図4は、端面研磨装置20の構造を示す側面図である。端面研磨装置20は、ウェーハWの端面に対して研磨を行う。端面研磨装置20は、ウェーハWを支持して指定された速度で回転させる支持装置21と、研磨テープPTをウェーハWの端面WEに付勢しつつ下方向に送ることによって研磨を行わせる研磨テープ駆動装置22とを備える。
【0033】
図4及び図1に示すように、支持装置21は、ウェーハWを吸着して支持するテーブル21a、テーブル21a上のウェーハWを所望の速度で回転軸RX2の周りに回転させる回転機構21b、テーブル21aを回転機構21bとともに昇降させる昇降装置21c、位置センサー(不図示)等を備える。ここで、支持装置21は、ウェーハWを回転させつつ、ウェーハW等を相対的に変位させる第2駆動装置20gとして機能する。図1に示すように、端面研磨装置20は、支持装置21に付随して、テーブル21aに対してウェーハWを位置決めする位置決め装置26を備える。位置決め装置26は、テーブル21aに対してウェーハWをアライメントする3つの位置決め部材26aと、1つの位置決め部材26aと2つの位置決め部材26aとを進退駆動する2つの駆動装置26bとを備える。3つの位置決め部材26aは、それぞれが先端にローラを設けたロッド状の部材であり、駆動装置26bに駆動されて同期して進退する。これにより、搬送装置50から支持装置21に渡されたウェーハWをテーブル21a上で精密に位置決めして配置することができる。駆動装置26bは、制御装置80の制御下で、搬送装置50等とタイミングを調整しつつ同期して動作する。テーブル21aの上部には、帯状の窪みREが形成され、搬送装置50のハンド部材51aがテーブル21a上にウェーハWを移載する動作を可能にしている。冷却装置23は、ノズル23aから水を吐出し、ウェーハWの表面に供給し冷却する。
【0034】
研磨テープ駆動装置22は、ウェーハWの端面を研磨テープPTによって加工するテープ供給装置20fである加工ヘッド22a、加工ヘッド22aを所望の速度で移動させる移動機構22b、位置センサー(不図示)等を備える。ここで、移動機構22bは、ウェーハW及びテープ供給装置20fを相対的に変位させる第2駆動装置20gとして機能する。研磨テープPTは、PETその他の樹脂基材上にバインダー樹脂を介してダイヤモンドやアルミナといった研磨材粒子を固定したものである。研磨テープPTの番手又はメッシュサイズは、被研磨面を鏡面仕上げとするか、ある程度の凹凸を残した光沢面仕上げとするかといった、目的の表面粗さに合わせて選択する。
【0035】
図5に示すように、加工ヘッド22aは、テープ移送機構61、テープ姿勢調整機構62等を備える。テープ移送機構61は、テープ送りリール61a、テープ巻き取りリール61b、テンションローラ61c,61d、モータローラ61e,61f、及び抑えローラ61g,61hを備え、これらは、ベース板63に支持されている。
【0036】
テープ送りリール61aから引き出された研磨テープPTは、テンションローラ61cを介してモータローラ61e及び抑えローラ61gに挟み込まれた後、モータローラ61eの外周面で曲げられ、ローラ群62aまで搬送される。ローラ群62aに搬送された研磨テープPTは、モータローラ61fに向けて送出され、モータローラ61fの外周面で曲げられモータローラ61f及び抑えローラ61hに挟み込まれた後、テンションローラ61dを介してテープ巻き取りリール61bで巻き取られる。
【0037】
テープ姿勢調整機構62は、ベース板63に支持されており、ベース板63とともにウェーハWの端面WEに近づく方向又は遠ざかる方向(±X方向)に移動する。テープ姿勢調整機構62は、ローラ群62aと、上側移動板62bと、下側移動板62dと、ローラ支持部62fと、連係部材62g,62hと、回転部材62iとを備える。
【0038】
ローラ群62aは、第1ローラ65aと第2ローラ65bと含む。第1ローラ65aは、ローラ支持部62f等を介して、上側移動板62bに支持され、第2ローラ65bは、ローラ支持部62f等を介して、下側移動板62dに支持されている。
【0039】
図6に示すように、ローラ支持部62fは、上側移動板62bに支持された一対の上側連結板66a,66bと、下側移動板62dに支持された一対の下側連結板67a,67bとを有する。一対の上側連結板66a,66bは、連結バー67jを介して互いに平行に固定され上側移動板62bとともに一体的に移動する。一対の下側連結板67a,67bは、連結バー67jを介して互いに平行に固定され下側移動板62dとともに一体的に移動する。第1ローラ65aは、一対の上側連結板66a,66bの先端において、Y軸に平行な回転軸の周りに支持され、第2ローラ65bは、一対の下側連結板67a,67bの先端において、Y軸に平行な回転軸の周りに支持されている。第1ローラ65aと第2ローラ65bとは、両端に形成された円周溝又は小径を有し、一対の連係部材62g,62hの長孔68aによって回転可能に支持され、かつ、長孔68a内を長手方向に沿って移動可能に設けられている。背面パッド68pは、長孔68aの中間に回転可能に位置決めされた状態で設けられている。
【0040】
図5に戻って、上側移動板62bと下側移動板62dとは、先端側で±X方向に移動可能に案内され、根元端において回転部材62iに支持されている。回転部材62iは、回転板69a、長円部材69b、駆動板69cを備える。回転板69aには、長円部材69b及び駆動板69cが固定されている。長円部材69bは、上長孔69fと下長孔69gとを有し、回転板69aとともに時計方向や半時計方向に回転する。上長孔69fには、上側移動板62bの根元端に設けられた円状の上カム69iが回動自在に係合し、下長孔69gには、下側移動板62dの根元端に設けられた円状の下カム69jが回動自在に係合している。
【0041】
駆動板69cは、円弧状板部69pと、円弧状板部69pの内径側の中心から径方向に向けて直線状に延びた長板部69qとを備えている。駆動板69cは、長板部69qにおいて回転板69aに固定され、回転板69aとともに回転する。駆動板69cは、駆動部64からの駆動力によって円弧状板部69pが上方に押し上げられることで、回転部材62iをその回転軸を中心として反時計回りに回転させる。また、駆動板69cは、駆動部50からの駆動力によって円弧状板部69pが下方に押し下げられることで、回転部材62iをその回転軸を中心として時計回りに回転させる。
【0042】
加工ヘッド22aにおいて、駆動板69cの長板部69qが横方向に延び基準軸が水平軸AXに平行な状態を、基準状態とする。基準状態では、第1ローラ65aと第2ローラ65bとは、鉛直方向すなわち±Z方向に離間して対向配置される(図7(A)及び7(B)参照)。第1ローラ65a及び第2ローラ65bの間に配置された背面パッド68pは、第1ローラ65a及び第2ローラ65bの間に移送する研磨テープPTをウェーハWの端面WEに押し付けることを可能にする。
【0043】
加工ヘッド22aにおいて、駆動板69cを基準位置から反時計方向に回転させた状態を、第1傾斜状態とする。第1傾斜状態では、第1ローラ65aがウェーハWの端面WEに近づく方向に移動し、第2ローラ65bが逆方向に移動する。これにより、第1ローラ65aから第2ローラ65bに掛け渡された研磨テープPTは、±Z方向の位置を維持しつつ紙面上で右下に傾斜した状態、つまり-X方向と-Z方向との中間方向に延びる状態となり、端面WEの上部の研磨に適した状態となる(図7(C)参照)。以上で説明した第1傾斜状態は、研磨テープPTの傾斜角度が異なる複数の状態を含み、第1ローラ65a及び第2ローラ65b間に渡される研磨テープPTの傾斜角度を段階的或いは連続的に変化させることができる。
【0044】
加工ヘッド22aにおいて、駆動板69cを基準位置から時計方向に回転させた状態を、第2傾斜状態とする。第2傾斜状態では、第1ローラ65aがウェーハWの端面WEから遠ざかる方向に移動し、第2ローラ65bが逆方向に移動する。これにより、第1ローラ65aから第2ローラ65bに掛け渡された研磨テープPTは、±Z方向の位置を維持しつつ紙面上で左下に傾斜した状態、つまり+X方向と-Z方向との中間方向に延びる状態となり、端面WEの下部の研磨に適した状態となる。以上で説明した第2傾斜状態は、研磨テープPTの傾斜角度が異なる複数の状態を含み、第1ローラ65a及び第2ローラ65b間に渡される研磨テープPTの傾斜角度を段階的或いは連続的に変化させることができる。
【0045】
研磨工程は、ウェーハWの端面WEのエッジ形状に応じて決められる。研磨工程は、例えば第1研磨作業、第2研磨作業、及び第3研磨作業の順とすることができる。ここで、第1研磨作業は、加工ヘッド22aを基準状態とすることによって研磨テープPTを-Z方向に送りつつ、移動機構22bによって加工ヘッド22aを+X方向に移動させるような所定の負荷を継続的に与える。これにより、ウェーハWの端面WEを±Z方向に沿って垂直状に研磨することができる。第2研磨作業は、加工ヘッド22aを第1傾斜状態とすることによって研磨テープPTを-Z方向と-X方向との間の方向に送る。さらに、第2駆動装置20gのうち支持装置21によってウェーハWを加工ヘッド22aに対して-Z方向に所定のシフト量だけ移動させた状態とし、第2駆動装置20gのうち移動機構22bによって加工ヘッド22aを+X方向に移動させるような所定の負荷を継続的に与える。これにより、ウェーハWの端面WEの上半分を研磨することができる。この際、研磨テープPTの傾斜角度、或いは傾斜角度及びシフト量を徐々に変化させることにより、ウェーハWの端面WEの上半分がR形状を有していても、端面WEのR形状に沿って研磨を行うことができる。第3研磨作業は、加工ヘッド22aを第2傾斜状態とすることによって研磨テープPTを-Z方向と+X方向との間の方向に送る。さらに、支持装置21によってウェーハWを加工ヘッド22aに対して+Z方向に所定のシフト量だけ移動させた状態とし、移動機構22bによって加工ヘッド22aを+X方向に移動させるような所定の負荷を継続的に与える。これにより、ウェーハWの端面WEの下半分研磨することができる。この際、研磨テープPTの傾斜角度、或いは傾斜角度及びシフト量を徐々に変化させることにより、ウェーハWの端面WEの下半分がR形状を有していても、端面WEのR形状に沿って研磨を行うことができる。
【0046】
なお、研磨作業の順は、前述した順に限らず、例えば第2研磨作業と第3研磨作業とを逆にしてもよい。このような第1研磨作業、第2研磨作業、及び第3研磨作業を行う際には、支持装置21によってウェーハWを周方向に徐々に回転させて、研磨テープPTがウェーハWの端面WEに摺接する周方向位置を変えることができる。つまり、ウェーハWの端面WEの全周の研磨が可能となる。この際、オリフラ部分では、移動機構22bによって加工ヘッド22aを±Y方向に移動させつつ-X方向に徐々に移動させてもよい。
【0047】
図8に示すように、形状測定装置30は、ウェーハWの載置台31と、ウェーハWを支持して回転させる支持装置32と、ウェーハWの端面WEの接線方向からみたエッジ形状を測定する第1測定ユニット33と、ウェーハWの上面Waの法線方向からみたウェーハWの外縁部WPを撮影する第2測定ユニット34と、ウェーハWの外縁部WPを斜め上方向から撮影する撮影装置35とを備える。形状測定装置30は、制御装置80の制御下で、搬送装置50等とタイミングを調整しつつ同期して動作する。
【0048】
形状測定装置30において、ウェーハWの載置台31は、ウェーハWを支持装置32に対して位置決めして配置するものであり、支持板31a上に2つ以上の位置決めピン31bを有する。支持板31aには、帯状の窪みREが形成され、搬送装置50のハンド部材51aが支持板31a上にウェーハWを移載する動作を可能にしている。支持装置32は、ウェーハWを吸着して支持するテーブル32a、テーブル32a上のウェーハWを、回転角を監視しつつ回転軸RX3のまわりに回転させる回転機構32b、テーブル32aを回転機構32bとともに上昇させて載置台31上方の計測位置にウェーハWを配置する昇降装置32c等を備える。
【0049】
第1測定ユニット33は、照明部材33aと第1カメラ33bとを有する。照明部材33aと第1カメラ33bとは、ウェーハWの外縁部WPが配置される観察点OPを挟んで、ウェーハWの端面WEの接線方向(図中でY方向)に沿って対向して配置される。照明部材33aからは照明光L1が射出されてウェーハWの端面WEが照明され、第1カメラ33bは、端面WEを横方向から見た加工断面すなわちシルエットとして撮影することができる。つまり、シルエットの画像は、外縁部WP又は端面WEのエッジ形状の測定を可能にする。シルエットの画像は、ウェーハWの回転角を変化させつつ取得される。これにより、ウェーハWの外縁部WPの周に沿った各位置で、端面WEのエッジ形状を計測することができる。端面WEのエッジ形状については、外縁部WPの周に沿った平均値を決定することができ、目標値からの偏差を計算することもできる。
【0050】
第2測定ユニット34は、照明部材34aと第2カメラ34bとを有する。照明部材34aと第2カメラ34bとは、ウェーハWの外縁部WPが配置される観察点OPを挟んで、ウェーハWの上側の主面である上面Waの法線方向に沿って対向して配置される。照明部材34aからは照明光L2が射出されてウェーハWの外縁部WPが照明され、第2カメラ34bは、外縁部WP又は端面WEを上方向からのシルエットとして撮影することができる。図示を省略するが、第2カメラ34bに隣接して照明光源が配置されており、ウェーハWの外縁部WPの可視画像を撮影することもできる。
【0051】
撮影装置35は、第3カメラ35b及び第4カメラ35cを有する。第3カメラ35bは、端面WEの上半分を観察するためのものであり、第4カメラ35cは、端面WEの下半分を観察するためのものである。第3カメラ35bは、ウェーハWの外縁部WPが配置される観察点OPを、真上の+Z方向に対して後方の-X方向に傾けた斜め方向の位置から撮影する。より詳細には、第3カメラ35bは、ウェーハWの中心Cを通ってウェーハWの上面Waに垂直な法線を含む基準面SPに沿って、ウェーハWの上面Waの法線方向D1とウェーハWの中心Cを通って上面Waに沿って延びる半径方向D2との間に設定された傾斜方向DT1からウェーハWの外縁部WPを撮影する。第4カメラ35cは、ウェーハWの外縁部WPが配置される観察点OPを、真下の-Z方向に対して後方の-X方向に傾けた斜め方向の位置から撮影する。より詳細には、第4カメラ35cは、上記基準面SPに沿って、ウェーハWの下面Wbの法線方向D3とウェーハWの中心Cを通って下面Wbに沿って延びる半径方向D2との間に設定された傾斜方向DT2からウェーハWの外縁部WPを撮影する。以上において、図示を省略するが、第3カメラ35b又は第4カメラ34cに隣接して照明光源が配置されている。第3カメラ35b及び第4カメラ35cにより、ウェーハWの外縁部WPに沿った端面WEの全周画像を得ることができる。
【0052】
制御装置80は、コンピュータであり、端面研削装置10、端面研磨装置20、形状測定装置30、洗浄装置40、及び搬送装置50の動作を統括的に管理している。
【0053】
図9に示すように、制御装置80は、主制御装置81と、記憶装置82と、インターフェース装置83と、通信装置84とを有する。制御装置80は、通信装置84により、図1に示す端面研削装置10、端面研磨装置20等と通信する。記憶装置82には、制御装置80を動作させる基本的なプログラム上で動作するアプリケーションソフトとして、端面研削装置10の動作状態を管理するアプリケーション、端面研磨装置20の動作状態を管理するアプリケーション、形状測定装置30の動作状態を管理するアプリケーション、洗浄装置40の動作状態を管理するアプリケーション、搬送装置50の動作状態を管理するアプリケーション等を含む多数のアプリケーションが格納されている。
【0054】
制御装置80は、搬送装置50を動作させてウェーハWを端面研削装置10の支持装置11上にアライメントした状態で配置し、砥石駆動装置12を適宜動作させることで、ウェーハWの外縁部WPに所望のエッジ形状を有する端面WEを形成する。
【0055】
制御装置80は、搬送装置50を動作させてウェーハWを形状測定装置30の載置台31上にアライメントした状態で配置し、第1測定ユニット33等を適宜動作させることで、ウェーハWの外縁部WPにおける端面WEを横方向からのシルエットとして撮影した画像を取得し、この画像から端面WEの断面輪郭形状又はエッジ形状に関する情報を得ることができ、端面WEの寸法情報を計算する。この際、制御装置80は、第2測定ユニット34を適宜動作させることで、ウェーハWの端面WEを平面視のシルエットとして撮影した画像を取得し、この画像から端面WEの平面視輪郭形状を得ることができる。この画像から端面WEの輪郭情報を得ることができる。また、制御装置80は、撮影装置35を適宜動作させることで、ウェーハWの端面WEを展開した画像を取得し、この画像から端面WEの加工状態を評価する情報を得ることができる。第1測定ユニット33のよる計測に結果、ウェーハWの端面WEのエッジ形状が目標形状に対して許容以下の誤差に収まった場合、制御装置80は、ウェーハWの端面WEが目標形状であると判定する。
【0056】
制御装置80は、搬送装置50を動作させてウェーハWを端面研磨装置20の支持装置21上にアライメントした状態で配置し、研磨テープ駆動装置22を適宜動作させることで、ウェーハWの端面WEを所望の表面粗さに研磨する。この際、研削の終了段階で形状測定装置30によって取得したウェーハWの端面WEのエッジ形状のデータに基づいて端面研磨装置20を動作させる。つまり、端面WEの各部の傾斜に合わせて研磨テープPTを傾斜させ、研磨テープPTを端面WEにフィットさせ適切な研磨を実行させる。
【0057】
図10は、加工装置100の動作を説明する図である。まず、制御装置80は、搬送装置50を動作させてウェーハWを端面研削装置10に搬送し、端面研削装置10によってウェーハWの外縁部WPに対して目標形状に近く目標形状に対して若干加工量が不足する程度の形状を有する端面WEを形成させる(ステップS12)。
【0058】
次に、制御装置80は、搬送装置50を動作させ、洗浄装置40経由で、ウェーハWを形状測定装置30に搬送する。制御装置80は、形状測定装置30の第1測定ユニット33を用いて、ウェーハWの外縁部WPを横方向から観察するため、ウェーハWを回転させつつウェーハWの外縁部WPを横方向からシルエットとして撮影させる。制御装置80は、得られた画像から端面WEのエッジ形状を寸法として評価する(ステップS13)。つまり、端面WEについてエッジ形状の測定と形状確認とが行われる。制御装置80は、端面WEの形状又は寸法が仕様を満たさない場合、目標形状未達として、ステップS12に戻って外縁部WPに対して不足分に対応する研削加工を追加実施する。なお、端面WEの観察については、第1測定ユニット33を用いてエッジ形状を測定するだけでなく、撮影装置35を併用して、傾斜方向DT1,DT2から端面WEを観察してもよい。これにより、端面WEの加工状態の検出が容易になる。
【0059】
制御装置80は、ウェーハWの端面WEの形状又は寸法が仕様を満たす場合、目標形状達成として、搬送装置50を動作させてウェーハWを形状測定装置30から端面研磨装置20に移動させ、端面研磨装置20によってウェーハWの端面WEを研磨させる(ステップS14)。この際、端面研磨装置20による研磨は、形状測定装置30によって計測した研削後のウェーハWの端面WEの形状情報を参照して、研磨の諸条件を決定する。つまり、端面研磨装置20による第1研磨作業、第2研磨作業、及び第3研磨作業を組み合わせつつ、(1)ウェーハWの端面WEに対して研磨テープPTを当てる位置及びその際の傾斜、(2)送り速度や付勢力、(3)ウェーハWの回転速度等を調整する。
【0060】
次に、制御装置80は、搬送装置50を動作させ、洗浄装置40経由で、ウェーハWを形状測定装置30に搬送する。制御装置80は、形状測定装置30において、ウェーハWを回転させつつ、撮影装置35により傾斜方向DT1,DT2から端面WE全体を観察させ、端面WEの研磨状態を評価する(ステップS15)。具体的には、撮影装置35により、例えばウェーハWの外縁部WPに沿った端面WEの全周画像を取得させ、端面WEが所定以下の表面粗さ又は所定以上の鏡面度になっているか否かを判断する。
【0061】
制御装置80は、ウェーハWの端面WEの表面粗さ又は鏡面度が仕様を満たす場合、目標達成として、搬送装置50を動作させてウェーハWを形状測定装置30から供給回収部53に搬送し、加工処理済みのカセットCAに収納し、ルーチン処理を終了する。なお、ウェーハWの端面WEの表面粗さ又は鏡面度が仕様を満たさない場合、目標形状未達として、ステップS14に戻って端面WEに対する研磨を追加実施する。
【0062】
こうして得られたウェーハWに対して上面Waや下面Wbのラッピング、エッチング、ポリッシング等の工程を行った後、ウェーハWの端面WEを最終的にポリッシングする。ここで、予め加工装置100により、ラッピングの前にウェーハWの端面WEに対して研磨が行われるので、端面WEの最終的なポリッシングを迅速かつ高精度で行うことができる。
【0063】
以上で説明した実施形態の加工装置100は、ウェーハWの端面WEに対して研削加工を行う砥石部材18と、ウェーハW及び砥石部材18を回転させつつ相対的に変位させる第1駆動装置10gとを有する端面研削装置10と、ウェーハWの端面WEに対して研磨加工を行う研磨テープPTと、研磨テープPTを移動させつつウェーハWの端面WEに付勢するテープ供給装置20fと、ウェーハWを回転させつつ、ウェーハW及びテープ供給装置20fを相対的に変位させる第2駆動装置20gとを有する端面研磨装置20と、ウェーハWの外縁部WPの接線方向からみたエッジ形状を測定する形状測定装置30とを備える。
【0064】
上記加工装置では、形状測定装置30がウェーハWの外縁部WPの接線方向からみたエッジ形状を測定するので、による研削後のウェーハWの外縁部WPのエッジ形状を確認しつつ、適切なタイミングで端面研磨装置20によるウェーハWの端面WEのテープ研磨が可能になり、ウェーハWの端面WEを目標とする形状に精密に研磨することができる。
【0065】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ウェーハWの研削処理に際して、砥石駆動装置12やウェーハWの回転や移動方法は、上記実施形態で説明したものに限らず、様々な手法を用いることができる。
【0066】
加工装置100は、端面研削装置10、端面研磨装置20、形状測定装置30等が単独で組み込まれたものである必要はなく、2つ以上の端面研削装置10、端面研磨装置20等が組み込まれたものであってもよい。例えば端面研削装置10が複数存在する場合、ウェーハWの端面WEを徐々に目標形状に近づける加工が可能になる。また、例えば端面研磨装置20が複数存在する場合、ウェーハWの端面WEの平滑性を徐々に目標値に近づける加工が可能になる。
【符号の説明】
【0067】
10…端面研削装置、 11…支持装置、 11a…テーブル、 11b…回転機構、 11c…昇降装置、 10g…第1駆動装置、 11o…位置センサー、 12…砥石駆動装置、 12a…回転機構、 12b…移動機構、 13…冷却装置、 16…位置決め装置、 18…砥石部材、 18r…研削面、 20…端面研磨装置、 20g…第2駆動装置、 20f…テープ供給装置、 21…支持装置、 21a…テーブル、 21b…回転機構、 21c…昇降装置、 22…研磨テープ駆動装置、 22a…加工ヘッド、 22b…移動機構、 23…冷却装置、 26…位置決め装置、 30…形状測定装置、 31…載置台、 31a…支持板、 31b…ピン、 32…ベース板、 32…支持装置、 32a…テーブル、 32b…回転機構、 32c…昇降装置、 33a…照明部材、 34a…照明部材、 35…撮影装置、 40…洗浄装置、 50…搬送装置、 51a…ハンド部材、 53…供給回収部、 61…テープ移送機構、 61a…テープ送りリール、 61b…テープ巻き取りリール、 62…テープ姿勢調整機構、 62a…ローラ群、 62b…上側移動板、 62d…下側移動板、 62g,62h…連係部材、 62i…回転部材、 64…駆動部、69a…回転板、 69b…長円部材、 69c…駆動板、 80…制御装置、 81…主制御装置、 82…記憶装置、 83…インターフェース装置、 84…通信装置、 100…加工装置、 CA…カセット、 OP…観察点、 PT…研磨テープ、 SP…基準面、 W…ウェーハ、 WE…端面、 WP…外縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10