(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126408
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】判別装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/59 20060101AFI20240912BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240912BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240912BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G01N21/59 M
G03G21/00 370
B41J29/38 204
B65H7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034769
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 大介
(72)【発明者】
【氏名】植村 昂紀
(72)【発明者】
【氏名】池田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】大木 誠
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 崇史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】土器屋 翔平
【テーマコード(参考)】
2C061
2G059
2H270
3F048
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HJ10
2C061HK07
2G059AA05
2G059BB10
2G059DD12
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE11
2G059GG02
2G059GG03
2G059KK01
2G059KK03
2G059MM01
2G059MM05
2G059MM14
2H270LC04
2H270LD03
2H270LD09
2H270ZC04
3F048AA01
3F048AB01
3F048AB04
3F048BA06
3F048BB09
3F048CC01
3F048DA06
3F048DB02
3F048DC13
3F048DC14
(57)【要約】
【課題】シートの種類をより高い精度で判別することができる。
【解決手段】メディアセンサー20は、複数の光源と、複数の光源の各々について、当該光源からシートに照射された光の反射光または透過光の量を示す受光量を取得する受光センサーと、複数の光源の各々について取得された受光量に基づいてシートの種類を判別する判別部とを備える。複数の光源は、シートの搬送方向に沿って配置されている。複数の光源のうち搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
前記複数の光源の各々について、当該光源からシートに照射された光の反射光または透過光の量を示す受光量を取得する受光センサーと、
前記複数の光源の各々について取得された前記受光量に基づいて前記シートの種類を判別する判別部とを備え、
前記複数の光源は、前記シートの搬送方向に沿って配置されており、
前記複数の光源のうち前記搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する、判別装置。
【請求項2】
前記シートの種類は、普通紙、再生紙、およびコート紙のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の判別装置。
【請求項3】
前記複数の光源は、前記受光センサーを中心とした同心円上に配置されている、請求項1または2に記載の判別装置。
【請求項4】
前記シートのうち前記光によって照射される照射領域が前記複数の光源間で5割以上重なる、請求項1または2に記載の判別装置。
【請求項5】
前記複数の光源は、ランバーシャン特性を有する、請求項4に記載の判別装置。
【請求項6】
前記シートの搬送速度をv、前記複数の光源の発光間隔をt、前記シートに平行な面に沿った、前記複数の光源の各々の発光点と前記受光センサーの受光面の中心との距離をr、前記複数の光源の各々の発光点と前記シートとの距離をd、前記複数の光源間の最大距離をDとした場合、前記複数の光源の各々の配置条件は、
|(D-vt)/(d2+r2/4)1/2|<0.71
の関係式を満たす、請求項5に記載の判別装置。
【請求項7】
前記判別装置は、前記複数の光源が配置される基板をさらに備え、
前記複数の光源は、前記基板の同一の基板面の上に配置されている、請求項1または2に記載の判別装置。
【請求項8】
前記複数の光源は、基準となる基準光源と、当該基準光源とは異なる1以上の他の光源とを含み、
前記判別部は、前記基準光源についての前記受光量と、前記1以上の他の光源の各々についての前記受光量との相対関係に基づいて、前記シートの種類を判別する、請求項1または2に記載の判別装置。
【請求項9】
前記複数の光源の個数が2N-1であり、かつ、前記Nは2以上の整数である場合には、前記基準光源は前記複数の光源のうち放射照度がピークとなる位置が前記搬送方向の上流側からN番目の光源であり、
前記複数の光源の個数が2Nであり、かつ、前記Nは2以上の整数である場合には、前記基準光源は前記複数の光源のうち放射照度がピークとなる位置が前記搬送方向の上流側からN番目またはN+1番目の光源である、請求項8に記載の判別装置。
【請求項10】
前記判別装置は、前記複数の光源の発光を制御する発光制御部をさらに備え、
前記発光制御部は、前記シートに対して、前記複数の光源を順番に発光させる制御を複数回実行し、
前記判別部は、前記複数回の各回について前記相対関係を算出し、前記複数回分の相対関係から得られる平均的な相対関係に基づいて前記シートの種類を判別する、請求項8に記載の判別装置。
【請求項11】
前記基準光源が発する光は赤外光である、請求項8に記載の判別装置。
【請求項12】
前記複数の光源は3以上の光源を含み、
前記複数の光源の個数が2N-1であり、かつ、前記Nは2以上の整数である場合には、前記基準光源は前記複数の光源の並びのN番目に配置されており、
前記複数の光源の個数が2Nであり、かつ、前記Nは2以上の整数である場合には、前記基準光源は前記複数の光源の並びのN番目またはN+1番目に配置されている、請求項8に記載の判別装置。
【請求項13】
前記複数の光源の各々の発光点と前記複数の光源が配置されている基板面との距離が長くなるほど、前記シートに平行な面に沿った、前記複数の光源の各々の発光点と前記受光センサーの受光面の中心との距離が短くなるように設計されている、請求項5に記載の判別装置。
【請求項14】
前記基準光源は、前記複数の光源のうち発光点と前記複数の光源が配置されている基板面との距離が最も長い光源ではなく、
前記基準光源は、前記複数の光源のうち発光点と前記基板面との距離が最も短い光源ではない、請求項8に記載の判別装置。
【請求項15】
前記基板は、前記基板面と前記シートとが平行になるように配置されている、請求項7に記載の判別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シートの種類を判別する判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、シート(記録部材)の種類によって定着条件等が異なるため、シートの種類に応じた設定が必要である。従来では、ユーザーが操作パネルからシートの種類を入力していた。近年では、センサーを用いてシートの種類を判別し設定を変更する画像形成装置が知られている。シートの種類を判別するセンサーとして、複数の光源を有し、当該複数の光源を順に発光させることによってシートに光を照射し、シートの種類と坪量とを識別するセンサーが知られている。
【0003】
特開2018-189741号公報には、複数の光源を順に発光させ、シートで反射した光の強度と、シートを透過した光の強度とに基づいてシートの種類を判別する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シートの特性(例えば、シートの厚さ、組成、および表面性等)は、シートの面内でばらつく。しかしながら、特開2018-189741号公報に開示される画像形成装置では、その点については考慮されていなかったため、シート特性の面内ばらつきの影響を受けて、シートの種類を正しく判別できない場合があった。
【0006】
本開示は、シートの種類をより高い精度で判別することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従う判別装置は、複数の光源と、複数の光源の各々について、当該光源からシートに照射された光の反射光または透過光の量を示す受光量を取得する受光センサーと、複数の光源の各々について取得された受光量に基づいてシートの種類を判別する判別部とを備える。複数の光源は、シートの搬送方向に沿って配置されている。複数の光源のうち搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する。
【0008】
好ましくは、シートの種類は、普通紙、再生紙、およびコート紙のうち少なくとも1つを含む。
【0009】
好ましくは、複数の光源は、受光センサーを中心とした同心円上に配置されている。
【0010】
好ましくは、シートのうち光によって照射される照射領域が複数の光源間で5割以上重なる。
【0011】
好ましくは、複数の光源は、ランバーシャン特性を有する。
【0012】
好ましくは、シートの搬送速度をv、複数の光源の発光間隔をt、シートに平行な面に沿った、複数の光源の各々の発光点と受光センサーの受光面の中心との距離をr、複数の光源の各々の発光点とシートとの距離をd、複数の光源間の最大距離をDとした場合、複数の光源の各々の配置条件は、
|(D-vt)/(d2+r2/4)1/2|<0.71
の関係式を満たす。
【0013】
好ましくは、判別装置は、複数の光源が配置される基板をさらに備える。複数の光源は、基板の同一の基板面の上に配置されている。
【0014】
好ましくは、複数の光源は、基準となる基準光源と、当該基準光源とは異なる1以上の他の光源とを含む。判別部は、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係に基づいて、シートの種類を判別する。
【0015】
好ましくは、複数の光源の個数が2N-1であり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、基準光源は複数の光源のうち放射照度がピークとなる位置が搬送方向の上流側からN番目の光源である。複数の光源の個数が2Nであり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、基準光源は複数の光源のうち放射照度がピークとなる位置が搬送方向の上流側からN番目またはN+1番目の光源である。
【0016】
好ましくは、判別装置は、複数の光源の発光を制御する発光制御部をさらに備える。発光制御部は、シートに対して、複数の光源を順番に発光させる制御を複数回実行する。判別部は、複数回の各回について相対関係を算出し、複数回分の相対関係から得られる平均的な相対関係に基づいてシートの種類を判別する。
【0017】
好ましくは、基準光源が発する光は赤外光である。
【0018】
好ましくは、複数の光源は3以上の光源を含む。複数の光源の個数が2N-1であり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、基準光源は複数の光源の並びのN番目に配置されている。複数の光源の個数が2Nであり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、基準光源は複数の光源の並びのN番目またはN+1番目に配置されている。
【0019】
好ましくは、複数の光源の各々の発光点と複数の光源が配置されている基板面との距離が長くなるほど、シートに平行な面に沿った、複数の光源の各々の発光点と受光センサーの受光面の中心との距離が短くなるように設計されている。
【0020】
好ましくは、基準光源は、複数の光源のうち発光点と複数の光源が配置されている基板面との距離が最も長い光源ではなく、基準光源は、複数の光源のうち発光点と基板面との距離が最も短い光源ではない。
【0021】
好ましくは、基板は、基板面とシートとが平行になるように配置されている。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、シートの種類をより高い精度で判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施の形態1における画像形成装置の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態1における画像形成装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】実施の形態1におけるメディアセンサーのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4】実施の形態1における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第1の図である。
【
図5】実施の形態1における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第2の図である。
【
図6】実施の形態1におけるメディアセンサーの判別処理の概要を示す図である。
【
図7】実施の形態1における照射領域の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態1における照射領域の他の例を示す図である。
【
図9】参考形態1における照射領域を示す図である。
【
図10】参考形態2における照射領域を示す図である。
【
図11】実施の形態2における発光制御とシートの種類判別方法とを説明するための図である。
【
図12】実施の形態3における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第1の図である。
【
図13】実施の形態3における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第2の図である。
【
図14】実施の形態4における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第1の図である。
【
図15】実施の形態4における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第2の図である。
【
図16】シートPの位置が変動しても受光センサー22により取得される光源1についての受光量と光源2についての受光量との比が変化しない、光源1と光源2との理想的な配置条件を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本開示に従う実施の形態および変形例について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0025】
以下の説明において、図中に示される矢印xは、シートPの搬送方向を示す。シートPの搬送方向は、シートPの表面に沿う方向である。以下の説明において、図中に示される矢印yは、シートPの幅方向を示す。以下の説明において、図中に示される矢印zは、シートPの表面の法線方向を示す。言い換えると、矢印zは、シートPの厚み方向を示す。矢印zの示す方向は、シートPの表面と直交している。矢印zの示す方向は、シートPの搬送方向と直交している。矢印zの示す方向を、以下では、シートPの表面に垂直な「法線方向」と称する。
【0026】
[実施の形態1]
<A.画像形成装置の構成>
図1および
図2を参照して、実施の形態1における画像形成装置の構成について説明する。
図1は、実施の形態1における画像形成装置の一例を示す図である。
図2は、実施の形態1における画像形成装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0027】
図1および
図2を参照して、画像形成装置100は、シートPに画像を形成する。シートPは、例えば、用紙である。
【0028】
画像形成装置100は、制御装置10と、給紙部15と、メディアセンサー20と、画像形成部30と、定着部40と、操作パネル50と、通信インターフェイス60とを備える。制御装置10と、給紙部15と、メディアセンサー20と、画像形成部30と、定着部40と、操作パネル50と、通信インターフェイス60とは、バス99で接続されている。
【0029】
制御装置10は、プロセッサー11、メモリー12、およびストレージ13を含む。プロセッサー11は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro-Processing Unit)などで構成される。メモリー12は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはフラッシュメモリーなどの不揮発性記憶装置で構成される。
【0030】
ストレージ13は、プログラム131を記憶する。プログラム131は、画像形成装置100を制御するためのコンピューター読取可能な命令を含む。プロセッサー11はプログラム131を実行することで、画像形成装置100の各部を制御し、本実施の形態に従う各種処理を実現する。
【0031】
プログラム131は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う画像形成装置100の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム131によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウエアによって実現されてもよい。
【0032】
給紙部15は、シートPを複数収容している。給紙部15は、シートPを1枚ずつ搬送路Rへ送り出し、シートPを画像形成部30へ供給する。
【0033】
メディアセンサー20は、本開示における「判別装置」の一例である。メディアセンサー20は、シートPに光を照射して、シートPの種類を判別する。シートPの種類は、普通紙、再生紙、およびコート紙のうち少なくとも1つを含む。
【0034】
画像形成部30は、トナーを用いてシートPに画像データに基づく画像を形成する。画像形成部30は、中間転写ベルト31と、画像形成ユニット32と、転写ローラー33とを含む。中間転写ベルト31は、複数のローラーの周りに架け渡されており、矢印35の方向に走行する。画像形成ユニット32は、中間転写ベルト31の走行方向に沿って直列に配置されている。画像形成ユニット32は、画像データに基づいて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の各色のトナー像を中間転写ベルト31上に形成する。シートPが中間転写ベルト31と転写ローラー33との間に形成されるニップ部34を通過する際に、シートPにトナー像が転写されてシートPに画像が形成される。
【0035】
定着部40は、トナー像が転写されたシートPを加熱および加圧してシートPにトナー像を定着させる。プロセッサー11は、メディアセンサー20によって判別されたシートPの種類に応じて定着部40による加熱条件および加圧条件を変更する。トナー像が定着したシートPは、トレイ83に排出される。
【0036】
操作パネル50は、入力部51と表示部52とを含む。入力部51は、ユーザーの操作を受け付け、当該操作を操作信号に変換してプロセッサー11に出力する。入力部51は、例えばタッチパッドである。表示部52は、画像形成装置100の動作ステータスや処理結果等の各種情報を表示する。表示部52は、例えば、液晶ディスプレイである。操作パネル50では、入力部51が表示部52に重ねられて配置されている。
【0037】
通信インターフェイス60は、外部装置500と情報の送受信を行う。一例として、プロセッサー11は、通信インターフェイス60を介して、外部装置500から画像データを受信する。
【0038】
<B.メディアセンサーの構成>
図3~
図5を参照して、実施の形態1におけるメディアセンサー20の構成について説明する。
【0039】
図3は、実施の形態1におけるメディアセンサーのハードウエア構成の一例を示す図である。メディアセンサー20は、制御装置210と、複数の光源と、受光センサー22とを含む。制御装置210と、複数の光源と、受光センサー22とは、バス299で接続されている。
【0040】
制御装置210は、プロセッサー211、メモリー212、およびストレージ213を含む。プロセッサー211は、例えばCPUまたはMPUなどで構成される。メモリー212は、例えばDRAMまたはSRAMなどの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ213は、例えばHDD、SSD、またはフラッシュメモリーなどの不揮発性記憶装置で構成される。
【0041】
ストレージ213は、プログラム214を記憶する。プログラム214は、メディアセンサー20を制御するためのコンピューター読取可能な命令を含む。プロセッサー211はプログラム214を実行することで、メディアセンサー20の各部を制御し、本実施の形態に従う各種処理を実現する。
【0042】
プログラム214は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従うメディアセンサー20の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム214によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウエアによって実現されてもよい。
【0043】
複数の光源は、光源1、光源2、および光源3を含む。光源1、光源2、および光源3は、反射用光源である。受光センサー22は、光源1、光源2、および光源3の各々について、当該光源からシートPに照射された光の反射光の量を示す受光量を取得する。
【0044】
図4は、実施の形態1における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第1の図である。
図5は、実施の形態1における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第2の図である。
【0045】
図4および
図5を参照して、メディアセンサー20は、光源1と、光源2と、光源3と、受光センサー22と、基板23,24と、反射部25とを含む。
【0046】
実施の形態1においては、1つの受光センサー22に対して、3個の反射用光源が設けられている。3個の反射用光源は、光源1、光源2、および光源3を含む。光源1、光源2、および光源3は、シートPの表面で反射する波長域の光を発する。光源1、光源2、および光源3は、例えばLED(Light-Emitting Diode)である。
【0047】
光源1、光源2、および光源3は、シートPの搬送方向に沿って配置されている。光源1、光源2、および光源3は、基板23の基板面231の上に配置されている。受光センサー22もまた、基板面231の上に配置されている。
【0048】
基板23は、基板面231とシートPとが平行になるように配置されている。反射用光源の発光点LPとシートPとの距離drは、3個の反射用光源で同じである。すなわち、光源1の発光点LP1とシートPとの距離d1と、光源2の発光点LP2とシートPとの距離d2と、光源3の発光点LP3とシートPとの距離d3とは、互いに同じである。なお、反射用光源の発光領域に広がりがある場合には、反射用光源の発光点LPは発光領域の中心とする。
【0049】
基板面231と反射用光源の発光点LPとの距離hr(以下、「発光点の高さhr」とも称する)は、3個の反射用光源で同じである。すなわち、基板面231と光源1の発光点LP1との距離h1と、基板面231と光源2の発光点LP2との距離h2と、基板面231と光源3の発光点LP3との距離h3とは、互いに同じである。
【0050】
3個の反射用光源は、互いに近接配置され、並べて配置されている。実施の形態1においては、3個の反射用光源の並びの中央に配置される光源2を「基準光源」とし、光源1および光源3を「1以上の他の光源」とする。基準光源は、複数の光源のうち基準となる光源である。
【0051】
光源1、光源2、および光源3は、互いに異なる波長の光を発する。基準光源である光源2が発する光は、シートPの特性(例えば、シートの厚さ、組成、および表面性等)の影響を受けにくい赤外光である。
【0052】
受光センサー22は、例えば、フォトダイオードである。受光センサー22は、光を受ける受光面22aを有する。受光センサー22は、3個の反射用光源の各々から放射されシートPの表面で反射する光の光路上に配置されている。以下の説明において、反射用光源から放射されシートPの表面で反射した光を「反射光」と称する。反射光量を規制する開口部26は、十分に大きくなるように設計されている。
【0053】
光源1、光源2、および光源3は、受光センサー22を中心とした同心円上に配置されている。したがって、シートPに平行な面に沿った、反射用光源の発光点LPと受光センサー22の受光点RPとの距離rrは、3個の反射用光源で同じである。受光点RPは、受光センサー22の受光面22aの中心である。すなわち、シートPに平行な面に沿った、光源1の発光点LP1と受光センサー22の受光点RPとの距離r1と、シートPに平行な面に沿った、光源2の発光点LP2と受光センサー22の受光点RPとの距離r2と、シートPに平行な面に沿った、光源3の発光点LP3と受光センサー22の受光点RPとの距離r3とは、互いに同じである。
【0054】
光源1、光源2、および光源3は、互いにシートPに対する放射照度がピークとなる位置が異なる。基準光源とされる光源2の放射照度がピークとなる位置は、シートPの搬送方向に沿った、光源1の放射照度がピークとなる位置と、光源3の放射照度がピークとなる位置との間である。光源1、光源2、および光源3は、搬送路Rを通過するシートPに対して、所定時間ずつ予め定められた順番で発光する。より具体的には、光源1、光源2、および光源3のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する。
【0055】
光源から放射された光はシートPの表面で拡散反射され、反射光(拡散光)が受光センサー22に入射する。受光センサー22は、光源1、光源2、および光源3の各々について、反射光の量を示す受光量を取得する。プロセッサー211は、光源1、光源2、および光源3の各々について取得された受光量に基づいてシートPの種類を判別する。
【0056】
反射部25は、3個の反射用光源の発光パワーを校正するために設けられている。反射部25は、反射用光源からの光を反射する。反射部25は、基板24の基板面241の上に配置されている。基板24は、基板面241とシートPとが平行になるように配置されている。シートPが通過していない状態で3個の反射用光源を順番に発光させた場合に受光センサー22によって取得される受光量が3個の反射用光源で同一になるように、反射部25を用いて、3個の反射用光源の発光パワーを校正しておく。これにより、受光センサー22の受光量からシートPの反射性を評価することができる。
【0057】
<C.メディアセンサーの判別処理>
図6を参照して、実施の形態1におけるメディアセンサー20の判別処理について説明する。
図6は、実施の形態1におけるメディアセンサーの判別処理の概要を示す図である。判別処理は、シートPの種類を判別する処理である。
【0058】
図6を参照して、メディアセンサー20は、発光制御部251と、光源1と、光源2と、光源3と、受光センサー22と、判別部252とを含む。発光制御部251および判別部252は、プロセッサー211がプログラム214を実行することにより実現される。
【0059】
発光制御部251は、3個の反射用光源の発光を制御する。発光制御部251は、シートPに対して、3個の反射用光源を順番に発光させる制御を1回実行する。より具体的には、発光制御部251は、シートPの通過中に、3個の反射用光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させる。
【0060】
受光センサー22は、3個の反射用光源の各々について、反射光の量を示す受光量を取得する。
【0061】
判別部252は、シートPの反射性に基づいてシートPの種類を判別する。より具体的には、判別部252は、3個の反射用光源の各々について取得された受光量に基づいてシートPの種類を判別する。シートPが通過していない状態で3個の反射用光源を順番に発光させた場合に受光センサー22によって取得される受光量が3個の反射用光源で同一になるように、3個の反射用光源の発光パワーが校正されていることから、3個の反射用光源の各々について取得された受光量は、シートPの反射性を示す指標である。
【0062】
判別部252は、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係に基づいて、シートPの種類を判別する。より具体的には、判別部252は、基準光源についての受光量に対する、1以上の他の光源の各々についての受光量の比率を、以下の式1を用いて算出する。
【0063】
Rw=Wk/Ws・・・式1
【0064】
式1における「Rw」は、基準光源についての受光量に対する、1以上の他の光源の各々についての受光量の比率を示す。式1における「Wk」は、1以上の他の光源の各々についての受光量を示す。式1における「Ws」は、基準光源についての受光量を示す。
【0065】
より具体的には、判別部252は、基準光源とされる光源2についての受光量に対する、光源1についての受光量の比率(以下、「比率Rw1」と称する)と、基準光源とされる光源2についての受光量に対する、光源3についての受光量の比率(以下、「比率Rw3」と称する)とを算出する。
【0066】
最後に、判別部252は、比率Rw1と比率Rw3とに基づいてシートPの種類を判別する。判別部252は、シートPの種類を制御装置10へ送信する。制御装置10は、シートPの種類に応じて定着部40による加熱条件および加圧条件を変更する。
【0067】
なお、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係は、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との差でもよい。
【0068】
<D.メディアセンサーによって得られる効果>
図7~
図10を参照して、実施の形態1におけるメディアセンサー20によって得られる効果について説明する。
【0069】
(D1:実施の形態1における照射領域)
図7は、実施の形態1における照射領域の一例を示す図である。照射領域は、シートPのうち光によって照射される領域を示す。照射領域は、放射照度がピークの1/10以上になる領域である。
図7に示す例では、光源1は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の最も上流側に放射照度のピークをもつ。
図7に示す例では、光源2は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の光源1に次ぐ上流側に放射照度のピークをもつ。
図7に示す例では、光源3は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の最も下流側に放射照度のピークをもつ。
【0070】
発光制御部251は、シートPの通過中に、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させる。したがって、
図7に示す例では、発光制御部251は、光源1、光源2、および光源3をこの順に発光させる。これにより、光源1、光源2、および光源3がこの順に発光する。
【0071】
図7に示すように、このような発光制御により、光源1を発光させた場合の照射領域AR1と、光源2を発光させた場合の照射領域AR2と、光源3を発光させた場合の照射領域AR3とは互いに重なる。
【0072】
図8は、実施の形態1における照射領域の他の例を示す図である。
図8に示す例では、光源3は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の最も上流側に放射照度のピークをもつ。
図8に示す例では、光源2は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の光源3に次ぐ上流側に放射照度のピークをもつ。
図8に示す例では、光源1は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の最も下流側に放射照度のピークをもつ。
【0073】
発光制御部251は、シートPの通過中に、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させる。したがって、
図8に示す例では、発光制御部251は、光源3、光源2、および光源1をこの順に発光させる。これにより、光源3、光源2、および光源1がこの順に発光する。
【0074】
図8に示すように、このような発光制御により、光源1を発光させた場合の照射領域AR1と、光源2を発光させた場合の照射領域AR2と、光源3を発光させた場合の照射領域AR3とは互いに重なる。
【0075】
図7および
図8から分かるように、実施の形態1におけるメディアセンサー20では、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光することから、複数の光源間で互いに照射領域が重なり合う。そのため、シートPの特性を測定する領域(以下、単に「測定領域」と称する)は、複数の光源間で同一領域もしくは近い領域となる。一般的に、シートPの特性はシートPの面内でばらつくため、複数の光源間で測定領域が大きく異なる場合には、正しくシートPの種類を判別できない可能性がある。しかしながら、実施の形態1におけるメディアセンサー20では、測定領域は複数の光源間で同一領域もしくは近い領域となるので、シート特性の面内ばらつきの影響を抑制することができる。そのため、実施の形態1におけるメディアセンサー20では、シートPの種類をより高い精度で判別することができる。
【0076】
(D2:参考形態における照射領域)
図9は、参考形態1における照射領域を示す図である。参考形態1は、複数の光源の発光制御が実施の形態1と異なる。より具体的には、参考形態1では、複数の光源のうちシートPの搬送方向の下流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する。
【0077】
図9に示す例では、光源1は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の最も上流側に放射照度のピークをもつ。
図9に示す例では、光源2は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の光源1に次ぐ上流側に放射照度のピークをもつ。
図9に示す例では、光源3は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の最も下流側に放射照度のピークをもつ。したがって、
図9に示す参考形態1では、光源3、光源2、および光源1がこの順に発光する。
【0078】
図9から分かるように、複数の光源のうちシートPの搬送方向の下流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光した場合、光源1を発光させた場合の照射領域AR1と、光源2を発光させた場合の照射領域AR2と、光源3を発光させた場合の照射領域AR3とは互いに重ならない。
【0079】
図10は、参考形態2における照射領域を示す図である。参考形態2は、複数の光源の放射照度がピークとなる位置が実施の形態1と異なる。より具体的には、参考形態2では、放射照度がピークとなる位置が光源1、光源2、および光源3で同じである。
【0080】
参考形態2において、光源1、光源2、および光源3をこの順に発光させた場合、
図10に示すように、光源1を発光させた場合の照射領域AR1と、光源2を発光させた場合の照射領域AR2と、光源3を発光させた場合の照射領域AR3とは互いに重ならない。
【0081】
図10には、光源1、光源2、および光源3がこの順に発光する例を示したが、放射照度がピークとなる位置が複数の光源間で同じ場合には、複数の光源の発光順に関わらず、照射領域は複数の光源間で重ならないか、重なったとしても重なり合う領域は実施の形態1と比べて小さい。
【0082】
図9および
図10から分かるように、参考形態では、照射領域は複数の光源間で重ならないか、重なったとしても重なり合う領域は実施の形態1と比べて小さい。そのため、参考形態では、測定領域の大半は複数の光源間で異なる領域となるので、シート特性の面内ばらつきの影響を受けて正しくシートPの種類を判別できない可能性がある。
【0083】
<E.光源の理想的な配置条件>
上述の通り、実施の形態1におけるメディアセンサー20では、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光することから、複数の光源間で互いに照射領域が重なり合う。
【0084】
照射領域は、複数の光源間で5割以上重なることが好ましい。複数の光源がランバーシャン特性を有する場合(略ランバーシャンの配向分布を有する場合)に、照射領域が複数の光源間で5割以上重なるための各光源の配置条件は、以下の式2によって示される。
【0085】
|(D-vt)/(d2+r2/4)1/2|<0.71・・・式2
【0086】
式2における「D」は、複数の光源間の最大距離を示す。複数の光源間の最大距離は、シートPの搬送方向に沿った、複数の光源の並びの一方の端に位置する光源の発光点と、複数の光源の並びの他方の端に位置する光源の発光点との距離である。実施の形態1においては、複数の光源間の最大距離は、光源1の発光点LP1と光源3の発光点LP3との距離Dr(
図4参照)である。
【0087】
式2における「v」は、シートPの搬送速度を示す。式2における「t」は、複数の光源の発光間隔を示す。
【0088】
式2における「d」は、複数の光源の各々の発光点LPとシートPとの距離を示す。実施の形態1においては、複数の光源の各々の発光点LPとシートPとの距離は、距離dr(
図4参照)である。
【0089】
式2における「r」は、シートPに平行な面に沿った、複数の光源の各々の発光点LPと受光センサー22の受光面22aの中心(受光点RP)との距離を示す。実施の形態1においては、シートPに平行な面に沿った、複数の光源の各々の発光点LPと受光センサー22の受光面22aの中心(受光点RP)との距離は、距離rr(
図5参照)である。
【0090】
ランバーシャン分布とは、光源の正面方向(
図4においては、図中の上下方向)に対する角度をθとしたときに、角度θの方向に出射される光の強度が、正面方向に出射される光の強度のcosθ倍となる分布をいう。光源がランバーシャン特性を有することにより、光源にレンズが不要であり、単純な構成の光源を実現することができる。
【0091】
複数の光源がランバーシャン特性を有する場合には、複数の光源の各々が式2によって示される配置条件を満たし、かつ、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させることにより、照射領域が複数の光源間で5割以上重なる。
【0092】
照射領域は、複数の光源間で8割以上重なることがより好ましい。複数の光源がランバーシャン特性を有する場合には、複数の光源の各々が以下の式3によって示される配置条件を満たし、かつ、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させることにより、照射領域が複数の光源間で8割以上重なる。
【0093】
|(D-vt)/(d2+r2/4)1/2|<0.28・・・式3
【0094】
式3における「D」、「v」、「t」、「d」、および「r」は、式2における「D」、「v」、「t」、「d」、および「r」と同じである。
【0095】
このように、実施の形態1におけるメディアセンサー20では、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光するため、照射領域が複数の光源間で重なる。そのため、実施の形態1におけるメディアセンサー20では、測定領域が複数の光源間で同一領域もしくは近い領域となるので、シート特性の面内ばらつきの影響を抑えることができる。したがって、実施の形態1におけるメディアセンサー20では、シートPの種類をより高い精度で判別することができる。
【0096】
実施の形態1において、複数の光源は受光センサー22を中心とした同心円上に配置されている。これにより、シートPの位置が法線方向に変動した場合でも、受光センサー22により取得される受光量の複数の光源間での相対値は変化しない。そのため、法線方向におけるシートPの位置変動による影響を抑制することができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0097】
実施の形態1において、複数の光源は同一の基板面231の上に配置されている。これにより、光源の発光点LPの高さhrを所望の位置に精度よく配置することができる。また、光源の発光点LPとシートPとの距離drを所望の位置に精度よく配置することができる。
【0098】
実施の形態1において、判別部252は、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係に基づいて、シートPの種類を判別する。これにより、シートPの位置が法線方向に変動した場合でも、受光センサー22により取得される受光量の複数の光源間での相対値は変化しない。そのため、法線方向におけるシートPの位置変動による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0099】
実施の形態1において、基準光源とされる光源2が発する光はシートPの特性の影響を受けにくい赤外光である。そのため、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0100】
実施の形態1において、基準光源とされる光源2は複数の光源の並びの中央に配置される。これにより、基準光源と1以上の他の光源の各々とが近接して配置される。そのため、搬送中のシートPの姿勢の変化による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0101】
実施の形態1において、基準光源とされる光源2の放射照度がピークとなる位置は、シートPの搬送方向に沿った、光源1の放射照度がピークとなる位置と、光源3の放射照度がピークとなる位置との間である。そのため、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光することで、基準光源とされる光源2は、複数の光源のうち中間のタイミングで発光する。これにより、基準光源と1以上の他の光源との発光タイミングの差をできるだけ小さくすることができる。そのため、搬送中のシートPの姿勢の変化による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0102】
[実施の形態2]
実施の形態1では、発光制御部251は、シートPに対して、複数の光源を順番に発光させる制御を1回だけ実行し、判別部252は、1回分の測定結果に基づいてシートPの種類を判別した。これに対し、実施の形態2では、発光制御部251は、シートPに対して、複数の光源を順番に発光させる制御を複数回実行し、判別部252は、複数回分の測定結果に基づいてシートPの種類を判別する。なお、実施の形態2におけるメディアセンサーは、実施の形態1におけるメディアセンサー20と同様の構成を有することから、同じ符号を付し、説明を繰り返さない。実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。
【0103】
図11は、実施の形態2における発光制御とシートの種類判別方法とを説明するための図である。
図11に示す例では、発光制御部251は、シートPに対して、複数の光源を順番に発光させる制御を4回実行する。
図11に示す例では、光源1は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の最も上流側に放射照度のピークをもつ。
図11に示す例では、光源2は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の光源1に次ぐ上流側に放射照度のピークをもつ。
図11に示す例では、光源3は、複数の光源のうちシートPの搬送方向の最も下流側に放射照度のピークをもつ。
【0104】
発光制御部251は、各回において、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させる。したがって、
図11に示す例では、発光制御部251は、光源1、光源2、および光源3をこの順に発光させる制御を4回実行する。
図11に示す照射領域群F1は、1回目の発光制御により照射された領域を示す。
図11に示す照射領域群F2は、2回目の発光制御により照射された領域を示す。
図11に示す照射領域群F3は、3回目の発光制御により照射された領域を示す。
図11に示す照射領域群F4は、4回目の発光制御により照射された領域を示す。
図11には、4回目の発光制御において光源3が発光している状態が示されている。
【0105】
このような発光制御により、各回において、光源1を発光させた場合の照射領域AR1と、光源2を発光させた場合の照射領域AR2と、光源3を発光させた場合の照射領域AR3とは互いに重なる。
【0106】
判別部252は、複数回の各回について、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係を算出する。判別部252は、複数回分の相対関係から得られる平均的な相対関係に基づいてシートPの種類を判別する。
【0107】
より具体的には、まず、判別部252は、4回分の比率Rw1の平均値(以下、「平均値Rwave1」と称する)を算出する。次いで、判別部252は、4回分の比率Rw3の平均値(以下、「平均値Rwave3」と称する)を算出する。最後に、判別部252は、平均値Rwave1と平均値Rwave3とに基づいて、シートPの種類を判別する。
【0108】
このように、実施の形態2におけるメディアセンサー20では、複数回分の相対関係から得られる平均的な相対関係に基づいてシートPの種類が判別される。そのため、シート特性の面内ばらつきの影響をより抑えることができる。したがって、実施の形態2におけるメディアセンサー20では、シートPの種類をより高い精度で判別することができる。
【0109】
[実施の形態3]
実施の形態1におけるメディアセンサー20では、1つの受光センサー22に対して、3個の反射用光源が設けられていた。実施の形態3におけるメディアセンサーでは、1つの受光センサー22に対して、3個の反射用光源と、2個の透過用光源とが設けられている。実施の形態3では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。
【0110】
図12および
図13を参照して、実施の形態3におけるメディアセンサーについて説明する。
図12は、実施の形態3における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第1の図である。
図13は、実施の形態3における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第2の図である。
【0111】
実施の形態3におけるメディアセンサー20Aは、1つの受光センサー22に対して、3個の反射用光源と2個の透過用光源とが設けられている。3個の反射用光源は、光源1、光源2、および光源3を含む。2個の透過用光源は、光源4および光源5を含む。3個の反射用光源および2個の透過用光源は、「複数の光源」の一例である。
【0112】
実施の形態3における光源1、光源2、および光源3は、実施の形態1における光源1、光源2、および光源3と同じであることから、説明を繰り返さない。光源4および光源5は、シートPを透過する波長域の光を発する。光源4および光源5は、例えばLEDである。
【0113】
光源4および光源5は、シートPの搬送方向に沿って配置されている。光源4および光源5は、基板24の基板面241の上に配置されている。受光センサー22は、基板面231の上に配置されている。
【0114】
基板24は、基板面241とシートPとが平行になるように配置されている。透過用光源の発光点LPとシートPとの距離dtは、2個の透過用光源で同じである。すなわち、光源4の発光点LP4とシートPとの距離d4と、光源5の発光点LP5とシートPとの距離d5とは、互いに同じである。なお、透過用光源の発光領域に広がりがある場合には、透過用光源の発光点LPは発光領域の中心とする。
【0115】
基板面241と透過用光源の発光点LPとの距離ht(以下、「発光点の高さht」とも称する)は、2個の透過用光源で同じである。すなわち、基板面241と光源4の発光点LP4との距離h4と、基板面241と光源5の発光点LP5との距離h5とは、互いに同じである。
【0116】
2個の透過用光源は、互いに近接配置され、並べて配置されている。光源4および光源5は、互いに異なる波長の光を発する。実施の形態3では、基準光源は、反射用光源と透過用光源とで1つずつ設けられている。3個の反射用光源における基準光源は光源2であり、光源1および光源3は3個の反射用光源における「1以上の他の光源」である。2個の透過用光源における基準光源は光源5であり、光源4は2個の透過用光源における「1以上の他の光源」である。2個の透過用光源において基準光源とされる光源5が発する光は、シートPの特性の影響を受けにくい赤外光である。
【0117】
受光センサー22は、3個の反射用光源の各々から放射されシートPの表面で反射する光の光路上、かつ、2個の透過用光源の各々から放射されシートPを透過した光の光路上に配置されている。以下の説明において、透過用光源から放射されシートPを透過した光を「透過光」と称する。透過光量を規制する開口部26は、十分に大きくなるように設計されている。
【0118】
光源4および光源5は、受光センサー22を中心とした同心円上に配置されている。したがって、シートPに平行な面に沿った、透過用光源の発光点LPと受光センサー22の受光点RPとの距離rtは、2個の透過用光源で同じである。すなわち、シートPに平行な面に沿った、光源4の発光点LP4と受光センサー22の受光点RPとの距離r4と、シートPに平行な面に沿った、光源5の発光点LP5と受光センサー22の受光点RPとの距離r5とは、互いに同じである。
【0119】
光源1、光源2、光源3、光源4、および光源5は、互いに放射照度がピークとなる位置が異なる。3個の反射用光源において基準光源とされる光源2の放射照度がピークとなる位置は、シートPの搬送方向に沿った、光源1の放射照度がピークとなる位置と、光源3の放射照度がピークとなる位置との間であることが好ましい。
【0120】
発光制御部251は、光源1、光源2、光源3、光源4、および光源5の発光を制御する。これにより、光源1、光源2、光源3、光源4、および光源5は、搬送路Rを通過するシートPに対して、所定時間ずつ予め定められた順番で発光する。より具体的には、発光制御部251は、光源1、光源2、光源3、光源4、および光源5のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させる。その結果、光源1、光源2、光源3、光源4、および光源5のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する。
【0121】
3個の反射用光源の各々から放射された光はシートPの表面で拡散反射され、反射光(拡散光)が受光センサー22に入射する。2個の透過用光源の各々から放射されシートPを透過した光は、受光センサー22に入射する。受光センサー22は、3個の反射用光源の各々について、反射光の量を示す受光量を取得し、2個の透過用光源の各々について、透過光の量を示す受光量を取得する。シートPが通過していない状態で2個の透過用光源を順番に発光させた場合に受光センサー22によって取得される受光量が2個の透過用光源で同一になるように、2個の透過用光源の発光パワーを校正しておく。これにより、受光センサー22の受光量からシートPの透過性を評価することができる。判別部252は、シートPの反射性および透過性に基づいて、シートPの種類を判別する。
【0122】
より具体的には、まず、判別部252は、上述の式1を用いて、比率Rw1と比率Rw3とを算出する。次いで、判別部252は、透過用光源に関し、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係を算出する。より具体的には、判別部252は、透過用光源に関し、基準光源についての受光量に対する、1以上の他の光源の各々についての受光量の比率を、上述の式1を用いて算出する。
【0123】
より具体的には、判別部252は、透過用光源の基準光源とされる光源5についての受光量に対する、光源4についての受光量の比率(以下、「比率Rw4」と称する)を算出する。
【0124】
次いで、判別部252は、比率Rw1と比率Rw3と比率Rw4とに基づいてシートPの種類を判別する。判別部252は、シートPの種類を制御装置10へ送信する。制御装置10は、シートPの種類に応じて定着部40による加熱条件および加圧条件を変更する。
【0125】
なお、透過用光源に関する、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係は、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との差でもよい。
【0126】
また、
図12では、図面の見やすさを考慮して、反射部25の図示を省略しているが、メディアセンサー20Aには反射部25も含まれる。
【0127】
上述の通り、実施の形態3におけるメディアセンサー20Aでは、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する。そのため、複数の光源間で互いに照射領域が重なり合う。
【0128】
照射領域は、複数の光源間で5割以上重なることが好ましい。複数の光源がランバーシャン特性を有する場合には、複数の光源の各々が上述の式2によって示される配置条件を満たし、かつ、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させることにより、照射領域が複数の光源間で5割以上重なる。
【0129】
照射領域は、複数の光源間で8割以上重なることがより好ましい。複数の光源がランバーシャン特性を有する場合には、複数の光源の各々が上述の式3によって示される配置条件を満たし、かつ、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光させることにより、照射領域が複数の光源間で8割以上重なる。
【0130】
複数の光源間の最大距離(式2および式3における「D」)は、3個の反射用光源については、光源1の発光点LP1と光源3の発光点LP3との距離Drであり、2個の透過用光源については、光源4の発光点LP4と光源5の発光点LP5との距離Dtである。
【0131】
複数の光源の各々の発光点LPとシートPとの距離(式2および式3における「d」)は、反射用光源については、距離drであり、透過用光源については、距離dtである。
【0132】
シートPに平行な面に沿った、複数の光源の各々の発光点LPと受光センサー22の受光面22aの中心(受光点RP)との距離(式2および式3における「r」)は、反射用光源については、距離rr(
図5参照)であり、透過用光源については、距離rtである。
【0133】
反射光と透過光とで測定するシートPの特性が異なる。そのため、距離Drと距離Dtとは同じでもよいが、異なっていてもよい。また、距離drと距離dtとは同じでもよいが、異なっていてもよい。また、距離rrと距離rtとは同じでもよいが、異なっていてもよい。
【0134】
なお、複数の光源がランバーシャン特性を有する場合には、反射用光源と透過用光源とのいずれにおいても、式2と式3との少なくとも一方を満たすことが好ましいが、反射用光源と透過用光源とのいずれか一方だけが式2と式3との少なくとも一方を満たすのでもよい。
【0135】
このように、実施の形態3におけるメディアセンサー20Aでは、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光するため、照射領域が複数の光源間で重なる。そのため、実施の形態3におけるメディアセンサー20Aでは、測定領域が複数の光源間で同一領域もしくは近い領域となるので、シート特性の面内ばらつきの影響を抑えることができる。したがって、実施の形態3におけるメディアセンサー20Aでは、シートPの種類をより高い精度で判別することができる。
【0136】
実施の形態3において、3個の反射用光源と2個の透過用光源とは、それぞれ受光センサー22を中心とした同心円上に配置されている。これにより、シートPの位置が法線方向に変動した場合でも、受光センサー22により取得される受光量の複数の反射用光源(または複数の透過用光源)間での相対値は変化しない。そのため、法線方向におけるシートPの位置変動による影響を抑制することができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0137】
実施の形態3において、3個の反射用光源は同一の基板面231の上に配置され、2個の透過用光源は同一の基板面241の上に配置されている。これにより、発光点LPの高さhr,htを所望の位置に精度よく配置することができる。また、光源の発光点LPとシートPとの距離dr,dtを所望の位置に精度よく配置することができる。
【0138】
実施の形態3において、判別部252は、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係に基づいて、シートPの種類を判別する。これにより、シートPの位置が法線方向に変動した場合でも、受光センサー22により取得される受光量の複数の反射用光源(または複数の透過用光源)間での相対値は変化しない。すなわち、法線方向におけるシートPの位置変動による影響を抑えることができる。したがって、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0139】
実施の形態3において、基準光源とされる光源2および光源5が発する光は、シートPの特性の影響を受けにくい赤外光である。そのため、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0140】
実施の形態3において、3個の反射用光源において基準光源とされる光源2は3個の反射用光源の並びの中央に配置される。これにより、複数の反射用光源において、基準光源と、1以上の他の光源の各々とが近接して配置される。また、2個の透過用光源において基準光源とされる光源5は、光源4と近接して配置される。そのため、搬送中のシートPの姿勢の変化による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0141】
実施の形態3において、3個の反射用光源において基準光源とされる光源2の放射照度がピークとなる位置は、シートPの搬送方向に沿った、光源1の放射照度がピークとなる位置と、光源3の放射照度がピークとなる位置との間であった。そのため、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光することで、3個の反射用光源において基準光源とされる光源2は、3個の反射用光源のうち中間のタイミングで発光する。これにより、3個の反射用光源において、基準光源と1以上の他の光源との発光タイミングの差をできるだけ小さくすることができる。そのため、搬送中のシートPの姿勢の変化による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0142】
[実施の形態4]
実施の形態1におけるメディアセンサー20では、発光点の高さは複数の光源で同じであった。実施の形態4におけるメディアセンサーでは、発光点の高さが複数の光源で異なる。実施の形態4では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。
【0143】
図14は、実施の形態4における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第1の図である。
図15は、実施の形態4における受光センサーと複数の光源との位置関係を示す第2の図である。
【0144】
実施の形態4におけるメディアセンサー20Bでは、実施の形態1と同様に、1つの受光センサー22に対して、3個の反射用光源が設けられている。3個の反射用光源は、光源1、光源2、および光源3を含む。発光点の高さが光源1、光源2、および光源3で互いに異なることと、赤外光を発する光源が光源2ではなく光源1であることとを除き、実施の形態4における光源1、光源2、および光源3は実施の形態1における光源1、光源2、および光源3と同じである。
【0145】
光源1、光源2、および光源3は、シートPの搬送方向に沿って配置されている。光源1、光源2、および光源3は、基板23の基板面231の上に互いに近接して配置されている。受光センサー22もまた、基板面231の上に配置されている。
【0146】
発光点LPの高さhrは、光源1、光源2、および光源3で互いに異なる。上述の通り、高さhrは、基板面231と反射用光源の発光点LPとの距離である。より具体的には、光源1の発光点LP1の高さh1と、光源2の発光点LP2の高さh2と、光源3の発光点LP3の高さh3とは、互いに異なる。
【0147】
高さh1、高さh2、および高さh3のうち、高さh2が最も低く、高さh3が最も高い。高さh1、高さh2、および高さh3のうち、高さh1は中間の高さである。実施の形態4においては、3個の反射用光源のうち、発光点LPの高さhrが中間の高さである光源1を「基準光源」とし、光源2および光源3を「1以上の他の光源」とする。すなわち、実施の形態4においては、基準光源は、複数の光源のうち発光点LPと複数の光源が配置されている基板面231との距離が最も長い光源ではなく、かつ、複数の光源のうち発光点LPと基板面231との距離が最も短い光源ではない。基準光源とされる光源1は、3個の反射用光源の並びの中央に配置される。
【0148】
光源1、光源2、および光源3は、互いに異なる波長の光を発する。基準光源である光源1が発する光は、シートPの特性の影響を受けにくい赤外光である。
【0149】
発光点LPの高さhrが3個の反射用光源で互いに異なる場合には、シートPの姿勢変化により、受光センサー22により取得される受光量の3個の反射用光源間での相対値が変化するので、3個の反射用光源の配置は受光センサー22を中心とする同心円配置からずらした方がよい。
【0150】
したがって、実施の形態4では、光源1、光源2、および光源3の配置は、受光センサー22を中心とする同心円配置からずれている。これにより、実施の形態4では、シートPに平行な面に沿った、反射用光源の発光点LPと受光センサー22の受光点RPとの距離rrは、3個の反射用光源で互いに異なる。すなわち、シートPに平行な面に沿った、光源1の発光点LP1と受光センサー22の受光点RPとの距離r1と、シートPに平行な面に沿った、光源2の発光点LP2と受光センサー22の受光点RPとの距離r2と、シートPに平行な面に沿った、光源3の発光点LP3と受光センサー22の受光点RPとの距離r3とは、互いに異なる。
【0151】
反射用光源の発光点LPとシートPとの距離drもまた、3個の反射用光源で互いに異なる。すなわち、光源1の発光点LP1とシートPとの距離d1と、光源2の発光点LP2とシートPとの距離d2と、光源3の発光点LP3とシートPとの距離d3とは、互いに異なる。
【0152】
図14に示す距離d0は、受光センサー22の受光点RPとシートPとの距離を示す。
【0153】
光源1、光源2、および光源3は、互いに放射照度がピークとなる位置が異なる。基準光源とされる光源1の放射照度がピークとなる位置は、シートPの搬送方向に沿った、光源2の放射照度がピークとなる位置と、光源3の放射照度がピークとなる位置との間である。光源1、光源2、および光源3は、搬送路Rを通過するシートPに対して、所定時間ずつ予め定められた順番で発光する。より具体的には、光源1、光源2、および光源3のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する。実施の形態1で説明したように、判別部252は、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係に基づいて、シートPの種類を判別する。
【0154】
図16は、シートPの位置が変動しても受光センサー22により取得される光源1についての受光量と光源2についての受光量との比が変化しない、光源1と光源2との理想的な配置条件を示すグラフである。
図16の横軸のBは、
図14に示される距離d0、距離d1、および距離r1を用いて、以下の式4で表される。
【0155】
B=2r1/(d0+d1)・・・式4
【0156】
図16の縦軸のAは、
図14に示される距離r1、距離r2、高さh1、および高さh2を用いて、以下の式5で表される。
【0157】
A=(r2-r1)/(h2-h1)・・・式5
【0158】
法線方向におけるシートPの位置が変動し、距離d0、距離d1、および距離d2が変動するときに、光源1から放射されシートPで反射されて受光センサー22により受光される受光量と、光源2から放射されシートPで反射されて受光センサー22により受光される受光量と、が相対的に変化しない、つまり2つの受光量の比が変化しない、光源1と光源2との理想的な配置条件を光線シミュレーションから求めた結果を、
図16に示す。
【0159】
シミュレーションは、以下の条件に従う。
・光源は、ランバーシャン分布である。
・発光面積は、十分に小さい。
・シートPは、完全拡散である。
・反射光量を規制する開口部26(
図4参照)は十分に大きい。
・距離d0、距離d1、および距離d2の大きさは互いに近接している。
・法線方向におけるシートPの位置の変動量は(d0+d1)/2のプラス10%からマイナス10%の範囲である。
【0160】
図16に示すグラフは、距離d0、距離d1、および距離d2を大きくする側のシートPの位置の変動シミュレーションの結果と、距離d0、距離d1、および距離d2を小さくする側のシートPの位置の変動シミュレーションの結果との平均から得られる。
【0161】
光源1および光源2を、
図16に示される配置条件を満たすように配置することで、法線方向におけるシートPの位置が変動するときに、光源1から放射されシートPで反射されて受光センサー22により受光される受光量と、光源2から放射されシートPで反射されて受光センサー22により受光される受光量とが相対的に変化しない。したがって、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0162】
図16に示される横軸のBが0.84以上の場合に、光源1と光源2とが理想的な配置条件を満たすためには、縦軸のAが負となるように光源1と光源2とを配置する。
【0163】
より具体的には、式5より、光源1の発光点LP1の高さh1が光源2の発光点LP2の高さh2よりも高い場合(h2-h1<0)に、A<0とするためには、r2-r1>0とする。すなわち、シートPに平行な面に沿った、光源1の発光点LP1と受光点RPとの距離r1は、シートPに平行な面に沿った、光源2の発光点LP2と受光点RPとの距離r2よりも短くする。
【0164】
式5より、光源2の発光点LP2の高さh2が光源1の発光点LP1の高さh1よりも高い場合(h2-h1>0)に、A<0とするためには、r2-r1<0とする。すなわち、シートPに平行な面に沿った、光源2の発光点LP2と受光点RPとの距離r2は、シートPに平行な面に沿った、光源1の発光点LP1と受光点RPとの距離r1よりも短くする。
【0165】
図16に示される横軸のBが0.84以上の場合における、光源1と光源2との配置条件は、光源1と光源3とに対しても当てはまる。すなわち、
図16に示される横軸のBが0.84以上の場合には、光源の発光点LPの高さhrが高いほど、シートPに平行な面に沿った、当該光源の発光点LPと受光点RPとの距離rrを短くする。
【0166】
図16に示される横軸のBが0.84未満の場合に、光源1と光源2とが理想的な配置条件を満たすためには、縦軸のAが正となるように光源1と光源2とを配置する。
【0167】
より具体的には、式5より、光源1の発光点LP1の高さh1が光源2の発光点LP2の高さh2よりも高い場合(h2-h1<0)に、A>0とするためには、r2-r1<0とする。すなわち、シートPに平行な面に沿った、光源1の発光点LP1と受光点RPとの距離r1は、シートPに平行な面に沿った、光源2の発光点LP2と受光点RPとの距離r2よりも長くする。
【0168】
式5より、光源2の発光点LP2の高さh2が光源1の発光点LP1の高さh1よりも高い場合(h2-h1>0)に、A>0とするためには、r2-r1>0とする。すなわち、シートPに平行な面に沿った、光源2の発光点LP2と受光点RPとの距離r2は、シートPに平行な面に沿った、光源1の発光点LP1と受光点RPとの距離r1よりも長くする。
【0169】
図16に示される横軸のBが0.84未満の場合における、光源1と光源2との配置条件は、光源1と光源3とに対しても当てはまる。すなわち、
図16に示される横軸のBが0.84未満の場合には、光源の発光点LPの高さhrが高いほど、シートPに平行な面に沿った、当該光源の発光点と受光センサー22の受光点RPとの距離rrを長くする。
【0170】
横軸のBが0.84以上であり縦軸のAが負となるように光源を配置する場合には、
図16に示される光源の理想的な配置条件は、ほぼ直線で表される。一方、横軸のBが0.84未満である場合に光源の理想的な配置条件を満たすためには、縦軸のAが正となるように光源を配置する必要がある。縦軸のAが正となる範囲では、
図16に示されるように、横軸のBが小さくなるにつれて縦軸のAの値が急激に大きくなる。縦軸のAが正となる範囲では、光源の配置の誤差で、光源の配置条件が理想的な配置条件から外れやすくなる。
【0171】
したがって、
図16の曲線によって示される配置条件のうちAが負になる配置条件(Bが0.84以上になる配置条件)を満たすように、複数の光源が配置されていることが好ましい。すなわち、複数の光源の各々の発光点LPと複数の光源が配置されている基板面との距離が長くなるほど、シートPに平行な面に沿った、複数の光源の各々の発光点LPと受光センサーの受光面22aの中心(受光点RP)との距離が短くなるように設計されていることが好ましい。
【0172】
このように、実施の形態4におけるメディアセンサー20Bでは、複数の光源のうちシートPの搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光するため、照射領域が複数の光源間で重なる。そのため、実施の形態4におけるメディアセンサー20Bでは、測定領域が複数の光源間で同一領域もしくは近い領域となるので、シート特性の面内ばらつきの影響を抑えることができる。したがって、実施の形態4におけるメディアセンサー20Bでは、シートPの種類をより高い精度で判別することができる。
【0173】
実施の形態4において、基準光源とされる光源1の発光点LP1の高さh1は、複数の光源の発光点の高さのうちの中間の高さである。これにより、光源1の発光点LP1の高さh1と光源2の発光点LP2の高さh2との差を小さくでき、かつ、光源1の発光点LP1の高さh1と光源3の発光点LP3の高さh3との差を小さくできる。そのため、各光源の発光点LPの高さhr、および/または、シートPに平行な面に沿った、発光点LPと受光センサー22の受光点RPとの距離rrが理想的な配置条件(
図16参照)から外れた場合に、法線方向におけるシートPの位置変動の影響を抑制することができる。したがって、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0174】
なお、実施の形態4では、複数の光源は複数の反射用光源を含んでいたが、複数の光源が複数の透過用光源を含む場合には、複数の透過用光源についても
図16に示される理想的な配置条件を満たすことが好ましい。
【0175】
[変形例]
実施の形態1~4における変形例について、説明する。
【0176】
(変形例1)
実施の形態1~4において、複数の反射用光源は、同一の基板面231の上に配置されていなくてもよい。実施の形態3において、複数の透過用光源は、同一の基板面241の上に配置されていなくてもよい。
【0177】
(変形例2)
実施の形態1~4において、判別部252は、基準光源についての受光量と、1以上の他の光源の各々についての受光量との相対関係を算出することなく、1以上の他の光源の各々についての受光量に基づいて、シートPの種類を判別してもよい。
【0178】
(変形例3)
実施の形態1~4において、複数の光源はランバーシャン特性を有してもよいし、ランバーシャン特性を有しなくてもよい。複数の光源がランバーシャン特性を有する場合には、光源にレンズが不要であり、単純な構成の光源を実現することができる。
【0179】
(変形例4)
実施の形態1~4において、複数の反射用光源の個数は3に限られない。実施の形態1~4において、複数の反射用光源の個数が2N-1であり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、複数の反射用光源における基準光源は複数の反射用光源の並びのN番目に配置されていることが好ましい。実施の形態1~4において、複数の反射用光源の個数が2Nであり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、複数の反射用光源における基準光源は複数の反射用光源の並びのN番目またはN+1番目に配置されていることが好ましい。
【0180】
これにより、複数の反射用光源における基準光源は、複数の反射用光源の並びのほぼ中央に配置される。これにより、複数の反射用光源において、基準光源と1以上の他の光源の各々とが近接して配置される。そのため、搬送中のシートPの姿勢の変化による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0181】
実施の形態3において、複数の透過用光源の個数は2に限られない。実施の形態3において、複数の透過用光源の個数が2N-1であり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、複数の透過用光源における基準光源は複数の透過用光源の並びのN番目に配置されていることが好ましい。実施の形態3において、複数の透過用光源の個数が2Nであり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、複数の透過用光源における基準光源は複数の透過用光源の並びのN番目またはN+1番目に配置されていることが好ましい。
【0182】
これにより、複数の透過用光源における基準光源は、複数の透過用光源の並びのほぼ中央に配置される。これにより、複数の透過用光源において、基準光源と1以上の他の光源の各々とが近接して配置される。そのため、搬送中のシートPの姿勢の変化による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0183】
(変形例5)
実施の形態1~4において、複数の反射用光源の個数は3に限られない。実施の形態1~4において、複数の反射用光源の個数が2N-1であり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、複数の反射用光源における基準光源は、複数の反射用光源のうち放射照度がピークとなる位置がシートPの搬送方向の上流側からN番目の光源であることが好ましい。実施の形態1~4において、複数の反射用光源の個数が2Nであり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、複数の反射用光源における基準光源は、複数の反射用光源のうち放射照度がピークとなる位置がシートPの搬送方向の上流側からN番目またはN+1番目の光源であることが好ましい。
【0184】
これにより、複数の反射用光源における基準光源は、複数の反射用光源のうちほぼ中間のタイミングで発光する。これにより、複数の反射用光源における、基準光源と1以上の他の光源との発光タイミングの差をできるだけ小さくすることができる。そのため、搬送中のシートPの姿勢の変化による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0185】
実施の形態3において、複数の透過用光源の個数は2に限られない。実施の形態3において、複数の透過用光源の個数が2N-1であり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、複数の透過用光源における基準光源は、複数の透過用光源のうち放射照度がピークとなる位置がシートPの搬送方向の上流側からN番目の光源であることが好ましい。実施の形態3において、複数の透過用光源の個数が2Nであり、かつ、Nは2以上の整数である場合には、複数の透過用光源における基準光源は、複数の透過用光源のうち放射照度がピークとなる位置がシートPの搬送方向の上流側からN番目またはN+1番目の光源であることが好ましい。
【0186】
これにより、複数の透過用光源における基準光源は、複数の透過用光源のうちほぼ中間のタイミングで発光する。これにより、複数の透過用光源における、基準光源と1以上の他の光源との発光タイミングの差をできるだけ小さくすることができる。そのため、搬送中のシートPの姿勢の変化による影響を抑えることができるので、高精度にシートPの種類を判別することができる。
【0187】
(変形例6)
実施の形態3と実施の形態2とを組合せてもよい。実施の形態4と実施の形態2とを組合せてもよい。
【0188】
[付記]
上述した実施の形態および変形例は、以下のような技術思想を含む。
【0189】
[構成1]
複数の光源と、
前記複数の光源の各々について、当該光源からシートに照射された光の反射光または透過光の量を示す受光量を取得する受光センサーと、
前記複数の光源の各々について取得された前記受光量に基づいて前記シートの種類を判別する判別部とを備え、
前記複数の光源は、前記シートの搬送方向に沿って配置されており、
前記複数の光源のうち前記搬送方向の上流側に放射照度のピークをもつ光源から順に発光する、判別装置。
【0190】
[構成2]
前記シートの種類は、普通紙、再生紙、およびコート紙のうち少なくとも1つを含む、構成1に記載の判別装置。
【0191】
[構成3]
前記複数の光源は、前記受光センサーを中心とした同心円上に配置されている、構成1または2に記載の判別装置。
【0192】
[構成4]
前記シートのうち前記光によって照射される照射領域が前記複数の光源間で5割以上重なる、構成1~3のいずれか1つに記載の判別装置。
【0193】
[構成5]
前記複数の光源は、ランバーシャン特性を有する、構成4に記載の判別装置。
【0194】
[構成6]
前記シートの搬送速度をv、前記複数の光源の発光間隔をt、前記シートに平行な面に沿った、前記複数の光源の各々の発光点と前記受光センサーの受光面の中心との距離をr、前記複数の光源の各々の発光点と前記シートとの距離をd、前記複数の光源間の最大距離をDとした場合、前記複数の光源の各々の配置条件は、
|(D-vt)/(d2+r2/4)1/2|<0.71
の関係式を満たす、構成5に記載の判別装置。
【0195】
[構成7]
前記判別装置は、前記複数の光源が配置される基板をさらに備え、
前記複数の光源は、前記基板の同一の基板面の上に配置されている、構成1~6のいずれか1つに記載の判別装置。
【0196】
[構成8]
前記複数の光源は、基準となる基準光源と、当該基準光源とは異なる1以上の他の光源とを含み、
前記判別部は、前記基準光源についての前記受光量と、前記1以上の他の光源の各々についての前記受光量との相対関係に基づいて、前記シートの種類を判別する、構成1~7のいずれか1つに記載の判別装置。
【0197】
[構成9]
前記複数の光源の個数が2N-1であり、かつ、前記Nは2以上の整数である場合には、前記基準光源は前記複数の光源のうち放射照度がピークとなる位置が前記搬送方向の上流側からN番目の光源であり、
前記複数の光源の個数が2Nであり、かつ、前記Nは2以上の整数である場合には、前記基準光源は前記複数の光源のうち放射照度がピークとなる位置が前記搬送方向の上流側からN番目またはN+1番目の光源である、構成8に記載の判別装置。
【0198】
[構成10]
前記判別装置は、前記複数の光源の発光を制御する発光制御部をさらに備え、
前記発光制御部は、前記シートに対して、前記複数の光源を順番に発光させる制御を複数回実行し、
前記判別部は、前記複数回の各回について前記相対関係を算出し、前記複数回分の相対関係から得られる平均的な相対関係に基づいて前記シートの種類を判別する、構成8または9に記載の判別装置。
【0199】
[構成11]
前記基準光源が発する光は赤外光である、構成8~10のいずれか1つに記載の判別装置。
【0200】
[構成12]
前記複数の光源は3以上の光源を含み、
前記複数の光源の個数が2N-1であり、かつ、前記Nは2以上の整数である場合には、前記基準光源は前記複数の光源の並びのN番目に配置されており、
前記複数の光源の個数が2Nであり、かつ、前記Nは2以上の整数である場合には、前記基準光源は前記複数の光源の並びのN番目またはN+1番目に配置されている、構成8~11のいずれか1つに記載の判別装置。
【0201】
[構成13]
前記複数の光源の各々の発光点と前記複数の光源が配置されている基板面との距離が長くなるほど、前記シートに平行な面に沿った、前記複数の光源の各々の発光点と前記受光センサーの受光面の中心との距離が短くなるように設計されている、構成5に記載の判別装置。
【0202】
[構成14]
前記基準光源は、前記複数の光源のうち発光点と前記複数の光源が配置されている基板面との距離が最も長い光源ではなく、
前記基準光源は、前記複数の光源のうち発光点と前記基板面との距離が最も短い光源ではない、構成8に記載の判別装置。
【0203】
[構成15]
前記基板は、前記基板面と前記シートとが平行になるように配置されている、構成7に記載の判別装置。
【0204】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0205】
1,2,3,4,5 光源、10,210 制御装置、11,211 プロセッサー、12,212 メモリー、13,213 ストレージ、15 給紙部、20,20A,20B メディアセンサー、22 受光センサー、22a 受光面、23,24 基板、25 反射部、26 開口部、30 画像形成部、31 中間転写ベルト、32 画像形成ユニット、33 転写ローラー、34 ニップ部、35,x,y,z 矢印、40 定着部、50 操作パネル、51 入力部、52 表示部、60 通信インターフェイス、83 トレイ、99,299 バス、100 画像形成装置、131,214 プログラム、231,241 基板面、251 発光制御部、252 判別部、500 外部装置、A 縦軸、AR1,AR2,AR3 照射領域、B 横軸、Dr,Dt,d0,d1,d2,d3,d4,d5,dr,dt,h1,h2,h3,h4,h5,hr,ht,r1,r2,r3,r4,r5,rr,rt 距離、F1,F2,F3,F4 照射領域群、LP,LP1,LP2,LP3,LP4,LP5 発光点、P シート、R 搬送路、RP 受光点、Rw1,Rw3,Rw4 比率、Rwave1,Rwave3 平均値。