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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126457
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】複合型ICカード及びICタグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20240912BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G06K19/077 272
G06K19/07 230
G06K19/077 144
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034841
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】594155528
【氏名又は名称】NES株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 勝海
(57)【要約】      (修正有)
【課題】UHF帯通信及びHF帯通信が可能で、UHF帯の通信特性の最適化設計が容易な複合型ICカード及びこれに用いるICタグを提供する。
【解決手段】複合型ICカード10において、ICタグ14は、コイル20を通じてHF帯通信を行うICカード12に貼着して使用される。ICタグ14は、基材24の上面に、アンテナ32を有したUHF帯通信モジュール26と導体板28とを備える。導体板28は、アンテナ32から離間した位置に配置され、導体板28及びアンテナ32は、UHF帯通信の周波数をFuとした時に、アンテナ32及び導体板28によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされる。基材24の下面をICカード12の片方の面に当接させ、導体板28をコイル20の巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置すると、共振周波数Fpが低下し、周波数FuでのUHF帯通信が可能になる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ状に形成されたコイルを内蔵し、このコイルを通じて電磁誘導方式のHF帯通信を行うICカードの片方の面に貼着して使用され、前記ICカードに貼着された状態で電波方式のUHF帯通信を行うICタグであって、
前記ICカードの外形に収まる大きさに形成されたシート状の基材の上面に、アンテナを有したUHF帯通信モジュールと、導体板とが設けられ、
前記導体板は、前記アンテナから離間した位置に配置され、前記導体板及び前記アンテナは、前記UHF帯通信の周波数をFuとした時に、前記アンテナ及び前記導体板によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされており、
前記基材の下面を前記ICカードの片方の面に当接させ、前記導体板を前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置すると、前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記周波数Fuでの前記UHF帯通信が可能になることを特徴とするICタグ。
【請求項2】
前記アンテナと前記導体板との離間距離が0.1~3mmの範囲に設定されている請求項1記載のICタグ。
【請求項3】
前記導体板は外形が帯状に形成され、長さが25~54mmの範囲、幅が1~10mmの範囲に設定されている請求項1記載のICタグ。
【請求項4】
ループ状に形成されたコイルを内蔵し、このコイルを通じて電磁誘導方式のHF帯通信を行うICカードの片方の面に貼着して使用され、前記ICカードに貼着された状態で電波方式のUHF帯通信を行うICタグであって、
前記ICカードの外形に収まる大きさに形成された一定厚みの基材の上面に、一対のエレメントで成るアンテナを備えたUHF帯通信モジュールと、導体板とが設けられ、
前記導体板は、前記エレメントの先端部同士を短絡する位置に配置され、前記導体板及び前記アンテナは、前記UHF帯通信の周波数をFuとした時に、前記アンテナ及び前記導体板によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされており、
前記基材の下面を前記ICカード片方の面に当接させ、前記導体板を前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置すると、前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記周波数Fuでの前記UHF帯通信が可能になることを特徴とするICタグ。
【請求項5】
前記導体板は外形が帯状に形成され、長さが25~54mmの範囲、幅が1~10mmの範囲に設定されている請求項4記載のICタグ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか記載のICタグと、片方の面に前記ICタグが貼着された前記ICカードとで構成され、
前記ICタグは、前記基材の下面が前記ICカードの片方の面に当接し、前記導体板が前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置されており、
前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記UHF帯通信モジュールが前記周波数Fuでの前記UHF帯通信を行うことができることを特徴とする複合型ICカード。
【請求項7】
電磁誘導方式のHF帯通信及び電波方式のUHF帯通信を行う複合型ICカードであって、
カード状に形成された外装材の内部に、前記HF帯通信を行うためのループ状のコイルと、アンテナを備えたUHF帯通信モジュールと、導体板とが設けられ、
前記導体板は、前記アンテナから離間した位置に配置され、前記導体板及び前記アンテナは、前記UHF帯通信の周波数をFuとした時に、前記アンテナ及び前記導体板によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされており、
前記コイルと絶縁物層と前記アンテナ及び前記導体板とが順に積層され、前記導体板が前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置されており、
前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記UHF帯通信モジュールが前記周波数Fuでの前記UHF帯通信を行うことができることを特徴とする複合型ICカード。
【請求項8】
前記アンテナと前記導体板との離間距離が0.1~3mmの範囲に設定されている請求項7記載の複合型ICカード。
【請求項9】
前記導体板は外形が帯状に形成され、長さが25~54mmの範囲、幅が1~10mmの範囲に設定されている請求項8又は9記載の複合型ICカード。
【請求項10】
電磁誘導方式のHF帯通信及び電波方式のUHF帯通信を行う複合型ICカードであって、
カード状に形成された外装材の内部に、前記HF帯通信を行うためのループ状のコイルと、一対のエレメントで成るアンテナを備えたUHF帯通信モジュールと、導体板とが設けられ、
前記導体板は、前記エレメントの先端部同士を短絡する位置に配置され、前記導体板及び前記アンテナは、前記UHF帯通信の周波数をFuとした時に、前記アンテナ及び前記導体板によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされており、
前記コイルと絶縁物層と前記アンテナ及び前記導体板とが順に積層され、前記導体板が前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置されており、
前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記UHF帯通信モジュールが前記周波数Fuでの前記UHF帯通信を行うことができることを特徴とする複合型ICカード。
【請求項11】
前記導体板は外形が帯状に形成され、長さが25~54mmの範囲、幅が1~10mmの範囲に設定されている請求項10記載の複合型ICカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UHF帯通信及びHF帯通信が可能な複合型ICカードと、これに用いるICタグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば本願出願人による特許文献1に開示されているように、ループ状のコイル及び通信回路を有したHF帯通信モジュールと、アンテナ及びICチップを有したUHF帯通信モジュールと、容量板とを備えた複合型ICカードがあった。複合型ICカードのUHF帯の通信特性は、コイルに対するアンテナ及び容量板の静電結合や電磁結合の強さを調節することによって、すなわち、コイル、アンテナ及び容量板の位置関係を調節することによって設定される。
【0003】
この複合型ICカードは、例えば、HF帯通信モジュールを備えたICカードに、適宜のUHF帯通信モジュール及び独自に設計した容量板を備えたICタグを貼着することによって製作される。ICカードは、広く使用されているNFCカード(近距離通信カード)等である。
【0004】
市販のNFCカードには複数の種類があり、メーカ毎にコイルのレイアウト(大きさ、形状、配置)が異なっている。したがって、NFCカードとUHF帯通信モジュールだけで複合型ICを製作しようとすると、コイルとアンテナとの位置関係しか調節できないので、UHF帯の通信特性を幅広く可変することができず、良好なUHF帯の通信特性を得ることが難しい。しかし、さらに容量板を付加すれば、容量板のレイアウト(大きさ、形状、配置)も調節することによって、UHF帯の通信特性を幅広く可変することができ、良好なUHF帯の通信特性を得ることができる。また、様々な種類のNFCカードを使用して、複合型ICカードを製作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-91137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の複合型ICカードを設計する場合、容量板の最適な形状や大きさと、コイルに対するアンテナ及び容量板の最適な配置は、実験を行って導き出すのが効率的である。
【0007】
発明者の経験によれば、UHF帯の通信特性に特に大きく寄与するのは、コイルと容量板との位置関係である。しかし、特許文献1の図面に記載された複合型ICカードは、コイルに対する容量板の位置を変化させた時、通信特性が複雑に変化する傾向があり、最適な位置関係を導き出すためには、容量板の位置を少しずつ変化させて数多くの測定を行なう必要がある。しかも、コイルのレイアウト(大きさ、形状、配置)はICカードの種類やメーカ毎に異なるので、種類毎又はメーカ毎に、同様の実験を繰り返し行わなければならない。そのため、複合型ICカードの設計に時間が掛かるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、UHF帯通信及びHF帯通信が可能で、UHF帯の通信特性の最適化設計が容易な複合型ICカード及びこれに用いるICタグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ループ状に形成されたコイルを内蔵し、このコイルを通じて電磁誘導方式のHF帯通信を行うICカードの片方の面に貼着して使用され、前記ICカードに貼着された状態で電波方式のUHF帯通信を行うICタグであって、
前記ICカードの外形に収まる大きさに形成されたシート状の基材の上面に、アンテナを有したUHF帯通信モジュールと、導体板とが設けられ、前記導体板は、前記アンテナから離間した位置に配置され、前記導体板及び前記アンテナは、前記UHF帯通信の周波数をFuとした時に、前記アンテナ及び前記導体板によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされており、前記基材の下面を前記ICカードの片方の面に当接させ、前記導体板を前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置すると、前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記周波数Fuでの前記UHF帯通信が可能になるICタグである。
【0010】
この場合、前記アンテナと前記導体板との離間距離が0.1~3mmの範囲に設定されていることが好ましい。前記導体板は外形が帯状に形成され、長さが25~54mmの範囲、幅が1~10mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、ループ状に形成されたコイルを内蔵し、このコイルを通じて電磁誘導方式のHF帯通信を行うICカードの片方の面に貼着して使用され、前記ICカードに貼着された状態で電波方式のUHF帯通信を行うICタグであって、
前記ICカードの外形に収まる大きさに形成された一定厚みの基材の上面に、一対のエレメントで成るアンテナを備えたUHF帯通信モジュールと、導体板とが設けられ、前記導体板は、前記エレメントの先端部同士を短絡する位置に配置され、前記導体板及び前記アンテナは、前記UHF帯通信の周波数をFuとした時に、前記アンテナ及び前記導体板によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされており、前記基材の下面を前記ICカード片方の面に当接させ、前記導体板を前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置すると、前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記周波数Fuでの前記UHF帯通信が可能になるICタグである。この場合、前記導体板は外形が帯状に形成され、長さが25~54mmの範囲、幅が1~10mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、上記のいずれかのICタグと、片方の面に前記ICタグが貼着された前記ICカードとで構成され、前記ICタグは、前記基材の下面が前記ICカードの片方の面に当接し、前記導体板が前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置されており、前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記UHF帯通信モジュールが前記周波数Fuでの前記UHF帯通信を行うことができる複合型ICカードである。
【0013】
また、本発明は、電磁誘導方式のHF帯通信及び電波方式のUHF帯通信を行う複合型ICカードであって、カード状に形成された外装材の内部に、前記HF帯通信を行うためのループ状のコイルと、アンテナを備えたUHF帯通信モジュールと、導体板とが設けられ、前記導体板は、前記アンテナから離間した位置に配置され、前記導体板及び前記アンテナは、前記UHF帯通信の周波数をFuとした時に、前記アンテナ及び前記導体板によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされており、前記コイルと絶縁物層と前記アンテナ及び前記導体板とが順に積層され、前記導体板が前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置されており、前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記UHF帯通信モジュールが前記周波数Fuでの前記UHF帯通信を行うことができる複合型ICカードである。
【0014】
この場合、前記アンテナと前記導体板との離間距離が0.1~3mmの範囲に設定されていることが好ましい。また、前記導体板は外形が帯状に形成され、長さが25~54mmの範囲、幅が1~10mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、電磁誘導方式のHF帯通信及び電波方式のUHF帯通信を行う複合型ICカードであって、カード状に形成された外装材の内部に、前記HF帯通信を行うためのループ状のコイルと、一対のエレメントで成るアンテナを備えたUHF帯通信モジュールと、導体板とが設けられ、前記導体板は、前記エレメントの先端部同士を短絡する位置に配置され、前記導体板及び前記アンテナは、前記UHF帯通信の周波数をFuとした時に、前記アンテナ及び前記導体板によって形成される共振系の共振周波数FpがFp>Fuとなるようにレイアウトされており、前記コイルと絶縁物層と前記アンテナ及び前記導体板とが順に積層され、前記導体板が前記コイルの巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置されており、前記コイルが前記共振系に作用することによって前記共振周波数Fpが低下し、前記UHF帯通信モジュールが前記周波数Fuでの前記UHF帯通信を行うことができる複合型ICカードである。この場合、前記導体板は外形が帯状に形成され、長さが25~54mmの範囲、幅が1~10mmの範囲に設定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の複合型ICカードは、UHF帯通信及びHF帯通信が可能な高性能なICカードである。特に、HF帯通信用のコイルと、絶縁物層(ICタグの基材、合成樹脂製のICカードの外装材、合成樹脂製絶縁シート等)と、UHF帯通信用のアンテナ及び導体板とが順に積層され、導体板がコイルの巻回方向の2箇所に交差するように配置されるという独特な構造を備えているので、複合型ICカードを設計する時に、簡単な実験を行うことによって、UHF帯の通信特性が最良になる条件(各部材の最適な位置関係)を短時間で効率よく導き出すことができる。
【0017】
また、本発明のICタグは、市販のNFCカード等と組み合わせることによって、高性能な複合型ICカードを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の複合型ICカードの一実施形態の外観を示す斜視図(a)、分解斜視図(b)である。
図2】この実施形態の複合型ICカードを構成するICカードの内部構造を示す平面図(a)、メーカ毎のコイルのレイアウトの違いを示す模式図(b)である。
図3】この実施形態の複合型ICカードを構成するICタグ[本発明のICタグの一実施形態]の内部構造を示す平面図(a)、分解斜視図(b)である。
図4図2(a)と図3(a)を重ねた平面図である。
図5】この実施形態の複合型ICカードの試作品[A社製のICカードを用いた試作品]のUHF帯の通信特性の測定結果を示す図表である。
図6】この実施形態の複合型ICカードの試作品[B社製のICカードを用いた試作品]のUHF帯の通信特性の測定結果を示す図表である。
図7】この実施形態の複合型ICカードの試作品[A~D社製のICカードを用いた試作品]のUHF帯の通信特性の測定結果を示す図表である。
図8】試作品のUHF帯の通信特性の測定方法を示す図である。
図9図3のICタグの変形例を示す図(a)~(c)である。
図10図3のICタグの他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<<<一実施形態の複合型ICカード10>>>
以下、本発明の複合型ICカード及びこれに用いるICタグの一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態の複合型ICカード10は、HF帯通信(例えば、周波数Fh=13.56MHz)とUHF帯通信(例えば、周波数Fu=920MHz)が可能なカードであり、図1に示すように、ICカード12と、ICカード12の片方の面に貼着されたICタグ14とで構成される。ICタグ14は、本発明のICタグの一実施形態である。
【0020】
<<ICカード12の構成>>
ICカード12は、乗車カードや個人認証カードとして広く普及している略四角形のNFCカードである。外形寸法は、長手方向の寸法が約85mm、短手方向の寸法が約54mmで、合成樹脂等で形成された外装材16の内部に、HF帯通信モジュール18が内蔵されている。HF帯通信モジュール18は、図2(a)に示すように、ループ状に形成されたコイル20と、コイル20に接続されたICチップ等の通信回路22とで構成され、コイル20を通じて電磁誘導方式のHF帯通信を行う。コイル20は、外装材16の内側を大きく周回するようにレイアウトされ、通信回路22は、コイル20の内側の、中央部から偏った位置に配置されている。
【0021】
コイル20の巻数は一般的に3~6ターン程度であるが、UHF帯では内外の巻線同士が密に結合(静電結合又は電磁結合又はその両方)するため、ほぼ1ターンのループとみなすことができる。図2(b)は、A社、B社、C社及びD社製のICカード12の各コイル20を1ターンのループで表した模式図であり、メーカ毎にコイル20のレイアウトが違っていることを示している。
【0022】
<<ICタグ14の構成>>
ICタグ14は、外形が略長方形で、長辺の長さがICカード12の短辺の長さとほぼ同じ54mmに設定され、短辺の長さが長辺の1/3~1/4程度に設定されている。このICタグ14の外形は、図1に示すように、2つの短辺がICカード12の2つの長辺に沿うように貼着されることが想定されている。
【0023】
ICタグ14は、図3(a)、(b)に示すように、本体であるシート状の基材24と、基材24の上面に配置されたUHF帯通信モジュール26及び導体板28と、UHF帯通信モジュール26及び導体板28を覆う保護シート30とで構成される。
【0024】
基材24及び保護シート30は、ポリエステルフィルム等の合成樹脂シートである。例えば、ICカード12の表示やデザインが見えるように、透明又は半透明な合成樹脂シートが使用される。
【0025】
UHF通信モジュール26は、基材24の上面に形成されたアンテナ32と、内部に通信回路が形成されたICチップ34とで構成される。アンテナ32は、例えばアルミニウム等の導電体薄膜(厚さ10μm程度で幅が0.3mm前後)で形成された1辺が8mm前後の略四角形の環状体であり、アンテナ32の1辺の途中に、ICチップ34が接続されている。ICチップ34には、周波数Fuでの通信を行うための通信回路が内蔵されている。
【0026】
導体板28は、例えばアルミニウム等で成る導電体薄膜(厚さ10μm程度)、合成樹脂フィルムに極細線の金属メッシュを配した透明導電フィルム(光透過率80%程度)、又は導電性材料を混合した樹脂フィルム(例えば、透明導電性フィルム)により形成される。この導体板28は、外形が細長い帯状に形成され、アンテナ32が導体板28の長さ方向のほぼ中央部の近傍に並設されている。
【0027】
ICタグ14は、基材24上にUHF帯通信モジュール26及び導体板28を載置し、その上面に保護シート30を貼着することによって形成される。ICタグ14に組み立てた状態で、導体板28及びアンテナ32は互いに離間した位置に配置されるが、UHF帯では相互に結合する(静電結合又は電磁結合又はその両方)。
【0028】
導体板28及びアンテナ32は、導体板28及びアンテナ32によって形成される共振系の共振周波数Fpが上記の周波数Fuより高くなるようにレイアウトされる。共振周波数Fpは、アンテナ32と導体板28との離間距離や、導体板28の形状や大きさによって調節される。アンテナ32の形状や大きさによっても調節可能であるが、発明者の経験によれば、アンテナ32の形状や大きさはほぼ固定しておいて、その他のパラメータを調節するのが実践的だと思われる。
【0029】
なお、基材24は、後で裏面側がICカード12に貼着されるので、裏面に接着剤層を設け、さらに接着剤層を保護する剥離紙を付加した構成にするとよい。剥離紙は、ICタグ14をICカード12に貼着する際に剥がして除去される。
【0030】
<<複合型ICカード10の構成>>
ICタグ14がICカード12の片方の面に貼着されて複合型ICタグ10となる。この組み立て状態で、図1(a)、図4に示すように、ICタグ14は、外形がICカード12の内側に収まり、基材24の下面がICカード12の片方の面に当接し、導体板28の長さ方向の両端部が、コイル20の巻回方向の離れた2箇所に交差するように配置される。
【0031】
このように配置されると、コイル20がアンテナ32及び導体板28で成る共振系に作用する。作用するとは、コイル20がアンテナ32及び導体板28に電気的に結合する(静電結合又は電磁結合又はその両方)という意味で、コイル20が等価的に共振系の構成部材となって共振系の共振周波数Fpが低下する。
【0032】
共振周波数Fpの低下幅は、コイル20とアンテナ32及び導体板28との結合の仕方によって定まり、ICタグ14の貼着位置によって変化する。つまり、ICタグ14の貼着位置を調節することによって共振周波数Fpの低下幅を調節し、共振周波数FpをUHF帯通信の周波数Fuに合わせることによって、狙いの通信特性が実現される。
【0033】
<<複合型ICカード10の試作品を用いた実験>>
発明者は、実際に複合型ICカード10を試作し、UHF帯の通信特性に関する実験を行うことにした。ここでは、図2(b)に示すA社製、B社製、C社製及びD社製の4種類のICカード12を用意し、ICタグ14は、適宜のUHF帯通信モジュール26(アンテナ32及びICチップ34)と導体板28を用いて製作し、これらを組み合わせることによって4種類の複合型ICカードを試作した(試作品10(A)~10(D))。
【0034】
<試作品10(A)>
図5に示す試作品10(A)は、ICカード12がA社製で、導体板28は一般的なアルミニウム箔を用いて製作した。コイル20は、約85mm×約54mmの外装材16の周縁部に沿って周回する略長方形のループを描いている。導体板28は、長さが50mmで幅Wが5mmの帯状外形とした。導体板28の長さを50mmとしたのは、導体板28をコイル20の短辺と平行に配した状態で、導体板28の一対の端部がコイル20の一対の長辺に各々交差できるようにするためである。また、導体板28及びUHF帯通信モジュール26(アンテナ32及びICチップ34)を基材24上に設置する時、UHF帯通信モジュール26を導体板28の長さ方向の中央部の近傍に配置し、アンテナ32と導体板28との離間距離は0.3mmとした。
【0035】
発明者は、試作品10(A)を使用し、ICタグ14の貼着位置を変化させた時のUHF帯の通信特性の変化、具体的には、導体板28と外装材16の片方の短辺との距離Dを変化させた時のUHF帯の通信特性の変化を測定した。測定方法は、図8に示すように、リーダライタ36の出力を30dBm、920MHzに設定し、利得6dBiのリーダライタ・アンテナ36aを通じて電波を送出し、リーダライタ・アンテナ36aから距離Lの位置に配した複合型ICタグ10からの反射波を受信して受信信号強度RSSIを測定した。RSSImaxは、複合型ICカード10の床からの高さを0m~1.8mの範囲で変化させたときの最大値である。なお、リーダライタ36とリーダライタ・アンテナ36aとの間にケーブル損失2dBの同軸型ケーブルを使用したので、リーダライタ・アンテナ36aからの等価等方放射電力EIRPは34dBm(2.51W)である。距離Lは、1,2,4,8,16mとした。
【0036】
一般的なUHF帯専用のパッシブ型RFIDを同じ条件で評価した場合、距離L=16mの受信信号強度RSSImaxが-60dBm程度なので、これ以上の通信性能が実現できれば十分に実用性があると判定できる。
【0037】
試作品10(A)を用いた測定結果は、図5の下段の表の通りである。試作品10(A)の場合、RSSImaxは、D=12から15mmまでの範囲で徐々に上昇し、D=15から21mmまでの範囲で徐々に低下し、D=15mmの時に最良の値となった。そして、D=15mmの時、L=16mでRSSImax=-59dBmとなり、十分に実用性のある通信性能が得られることが確認できた。このような測定結果が得られた原因やメカニズムを詳細に説明することは難しいが、発明者は、概略、次のように分析している。
【0038】
試作品10(A)では、導体板28の2つの端部が、コイル20のP1,P2点に強く静電結合し、コイル20のインダクタンス成分が共振系の一部になったと考える。詳しく言うと、導体板28とコイル20のP1~Pa~P2の部分[インダクタンスLa]とが実質的に連結されての第一のループが形成され、導体板28とコイル20のP1~Pb~P2の部分[インダクタンスLb]とが実質的に連結されて第二のループが形成されると考えられ、この2つのループは互いに並列接続される形になる。そのため、距離Dを12mmから21mmまで変化させた時に合成インダクタンスLa//Lbが徐々に大きくなり、その影響で共振周波数Fpが徐々に低下したのだと推測している。そして、D=15mmの時、共振周波数FpがFp≒Fu(920MHz)となってRSSImaxが急激に高くなったのだと考えている。
【0039】
また、距離Dを変化させた時、Fp≒Fu(920MHz)の時にRSSImaxが急激に高くなり、FpとFuとの差が大きくなるとRSSImaxが緩やかに低下する、というシンプルな変化が見られるのは、導体板28の2つの端部とコイル20のP1,P2点とが強く静電結合していることが大きな要因になっていると考えられる。
【0040】
例えば、特許文献1の図面に記載されている複合型ICカードの場合、ICタグの容量板がICカードのコイルの内側にゆとりを持って収まっている(交差していない)ので、容量板の端部とコイルの2点の結合は、弱い静電結合と弱い電磁結合とが複合的に生じていると予想される。そうすると、コイルに対する容量板の位置を変化させた時に、静電結合及び電磁結合の強さとバランスが不規則に変化する可能性があり、これが原因で、UHF帯の通信特性が複雑に変化する傾向があるのだと考えている。したがって、容量板の最適な位置を導き出す時は、容量板を二方向(面方向)に少しずつ変化させて多くの位置で測定しなければならない。
【0041】
これに対して、試作品10(A)は、導体板28の両端部をコイル20のP1,P2点に交差させているので、導体板28の2つの端部とコイル20のP1,P2点との結合は、静電結合が非常に強くて支配的であり、コイル20に対する導体板28の位置を変化させた時、この結合の仕方がほとんど変化ないと予想され、これが原因で、UHF帯の通信特性が上記のようにシンプルに変化するのだと考えている。したがって、導体板28の最適な位置を導き出す時は、図5のように、導体板28を一方向に少しずつ変化させればよい。
【0042】
<試作品10(B)>
図6に示す試作品10(B)は、ICカード12がB社製で、導体板28は一般的なアルミニウム箔を用いて製作した。B社製の場合、コイル20の一短辺(図6における右側の短辺)が少し内側にずれた位置にあり、ループ面積がA社製よりも若干小さい。導体板28は、長さが50mmの帯状外形とし、幅Wは3,5,7mmの3通りとした。導体板28の長さを50mmとした理由は、試作品10(A)の場合と同じである。また、導体板28及びUHF帯通信モジュール26(アンテナ32及びICチップ34)を基材24上に設置する時も、試作品10(A)の場合と同様に、UHF帯通信モジュール26を導体板28の長さ方向の中央部の近傍に配置し、アンテナ32と導体板28との離間距離は0.3mmとした。
【0043】
この試作品10(B)を使用して、上述した図8に示す条件下でUHF帯の通信特性の変化を測定したところ、図6の下段の表に示すように、導体板28の幅Wを3mmにすると、距離Dを変化させた時にD=37mmでUHF帯の通信特性が最良となり(距離L=16mmでRSSImax=-59dBm)、導体板28の幅Wを5mmにすると、距離Dを変化させた時にD=22mmでUHF帯の通信特性が最良となり(距離L=16mmでRSSImax=-54dBm)、導体板28の幅Wを7mmにすると、距離Dを変化させた時にD=19mmでUHF帯の通信特性が最良となった(距離L=16mmでRSSImax=-49dBm)。
【0044】
この測定結果によれば、導体板28の幅Wが広い時ほどRSSImaxが高くなっている。これは、導体板28の2つの端部とコイル20の2点との間の静電結合の強さが変化したことが主な要因だと思われる。いずれにしても、W=3,5,7mmの全ての測定で、L=16mでRSSImax≧-59dBmというデータが得られたことから、B社製のICカード12を使用した場合、導体板28の幅Wが多少変更されても、十分に実用性のある通信性能が得られることが確認できた。
【0045】
<試作品10(C),10(D)>
上記の試作品10(A),10(B)を用いた実験の後、さらに、図7に示す試作品10(C),10(D)を用いた実験を行った。試作品10(C)は、C社製のICカード12を使用したものである。C社製の場合、コイル20の2つの長辺(図7における上側と下側の二辺)が各々内側にずれて近くなっており、ループ面積がA社製よりも若干小さい。ICタグ14は、試作品10(A),10(B)の実験で使用したものの中の、導体板28の幅Wを5mmに設定したものを使用した。また、試作品10(D)は、D社製のICカード12を使用したものである。D社製の場合、コイル20の2つの長辺と2つの短辺の両方が各々内側にずれて近くなっており、ループ面積がA~D社製の中で最も小さい。ICタグ14は、試作品10(A),10(B)の実験で使用したものの中の、導体板28の幅Wを5mmに設定したものを使用した。
【0046】
この試作品10(C),10(D)を使用し、上述した図8に示す条件下でUHF帯の通信特性の変化を測定したところ、図7の下段の表に示すように、試作品10(C)の場合、距離Dを変化させた時にD=12.5mmでUHF帯の通信特性が最良となり、距離L=16mmでRSSImax=-55dBmというデータが得られた。また、試作品10(D)の場合、距離Dを変化させた時にD=32mmでUHF帯の通信特性が最良となり、距離L=16mmでRSSImax=-57dBmというデータが得られた。
【0047】
このように、試作品10(C),10(D)においても、L=16mにおけるRSSImax≧-59dBmというデータが得られ、試作品10(A),10(B)と同様に、十分に実用性のある通信性能が得られることが確認できた。したがって、複合型ICカード10の技術的な考え方は、様々な市販のICカードに適用可能で、非常に汎用性が高いものだと言える。
【0048】
<試作品10(A)~10(D)を用いたその他の実験>
試作品10(A)~10(D)のUHF帯の通信特性について、アンテナ32と導体板28との離間距離を変化させる実験を行ったところ、少なくとも0.1~3mmの範囲で、本発明が目的とする作用効果が得られることが確認された。さらに、導体板28の幅Wを変化させる実験を行ったところ、少なくともW=1~10mmの範囲で、本発明が目的とする作用効果が得られることが確認された。
【0049】
試作品10(C),10(D)は、導体板28の長さを50mmに設定したので、導体板28の両側の先端部がコイル20の外側にはみ出ている。そこで、このはみ出ている部分を切断してUHF帯の通信特性を測定したところ、切断する前とほぼ同様の性能が得られた。したがって、導体板28の長さは、コイル20の大きさに合わせて短くすることができる。ただし、導体板28の長さが25mm未満にすると、導体板28の2つの端部をコイル20の2箇所に交差させたとしても、想定外の別の現象が複合的に発生して通信特性が低下する可能性があるので、避けた方がよい。
【0050】
また、試作品10(A)~10(D)のように、市販のNFCカード(約85mm×約54mm)にICタグ14を貼着してFu=920MHzの通信を行う場合、導体板28の長さは50mm以下にすることが好ましい。ICタグ14単体の設計(共振系の共振周波数Fpの設定等)は、50mm以下の範囲で十分に行うことができる。また、導体板28が50mm以下であれば、ICタグ14の長さをNFCカードの短辺の長さ(約54mm)より短くすることができるので、ICタグ14が適度に小形でハンドリングし易いものになり、NFCカードに貼着する時の作業負担を軽減することができる。したがって、導体板28の長さは、25~54mmの範囲にすることが好ましい。
【0051】
<<複合型ICカード10及びICタグ14の効果のまとめ>>
以上説明したように、複合型ICカード10は、UHF帯通信及びHF帯通信が可能な高性能なICカードである。特に、HF帯通信用のコイル20と、絶縁物層(ICタグ14の基材24、ICカード12の外装材16)と、UHF帯通信用のアンテナ32及び導体板28とが順に積層され、導体板28がコイル20の巻回方向の2箇所に交差するように配置されるという独特な構造を備えているので、複合型ICカード10を設計する時に、簡単な実験を行うことによって、UHF帯の通信特性が最良になる条件(各部材の最適な位置関係)を短時間で効率よく導き出すことができる。
また、ICタグ14は、市販のNFCカード(ICカード20)と組み合わせることによって、高性能な複合型ICカード10を容易に得ることができる。
【0052】
<<<その他の実施形態など>>>
なお、本発明の複合型ICカード及びICタグは、上記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、ICタグ14のUHF帯通信モジュール26(アンテナ32及びICチップ34)は、基材24の上に直接搭載しているが、図9(a)のUHF帯通信モジュール26xのように、あらかじめ小形の補助基材39の上面にアンテナ32及びICチップ34を設置しておき、補助基材39の下面を基材24の上に貼着する構造にしてもよい。また、アンテナ32の形状は特に限定されず、図9(b)に示すように、長方形や正方形のループにしたり、ループの一部を内向きに凹ませたりしてもよく、また、ICチップ34は、アンテナ32のループの少し内側に配置して接続するようにしてもよい。
【0053】
UHF帯通信モジュール26(アンテナ32及びICチップ34)と導体板28との位置関係については、図9(c)に示すように、ICチップ34が導体板28に近くなるように配置しても良いし、離れるように配置してもよい。ただし、ループ状のアンテナ32と帯状の導体板28とが一定以上の強さで電磁結合するように、アンテナ32の一部と帯状の導体板28の一部がほぼ平行に近接するように配置することが好ましい。また、導体板28は細長い帯状の外形(略長方形)であるが、本発明が目的とする作用効果が得られる範囲で、自由に変更することができる。
【0054】
また、上記のICタグ14は、導体板28とUHF帯通信モジュール26とが別体になっており、導体板28がUHF帯通信モジュール26から離間した位置に配置されている(導体板28とアンテナ34とが絶縁された構造になっている)。この構造は、上記のような実験を行う時、つまり、導体板28とアンテナ34との位置関係を変更したり、導体板28の形状や大きさを単独で変更したり、アンテナ34の形状や大きさを単独で変更したりする時に都合がよい。しかしながら、変形例のICタグ38のように、導体板とUHF帯通信モジュールとを一体に設けた構造に変更することも可能である。変形例のICタグ38は、図10に示すように、UHF帯通信モジュール40が、一対のエレメント42a,42bで構成されるアンテナ42と、ICチップ44とで構成され、導体板28は、エレメント42a,42bの先端部同士を短絡する位置に配置されている(導体板28とアンテナ42とが絶縁されていない)。ICタグ38においても、上記のICタグ14と同様の優れた通信性能を得ることができる。
【0055】
上記の複合型ICカード10は、HF帯通信用のICカード10にUHF帯通信用のICタグ14(又は38)を貼着することによって製作されるが、HF帯通信用のICカード10を製造する過程で、外装材16の内部に上記のアンテナ32(又は42)、ICチップ34(又は44)及び導体板28を設置することによって製作してもよく、各部材の位置関係を上記と同様の考え方で設計することにより、UHF帯の通信特性を容易に最適化することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 複合型ICカード
10(A),10(B),10(C),10(D) 複合型ICカードの試作品
12 ICカード
14,38 ICタグ
16 外装材
18 HF帯通信モジュール
20 コイル
24 基材
26,26x,40 UHF帯通信モジュール
28 導体板
32,42 アンテナ
42a,42b エレメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10