(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012647
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/342 20210101AFI20240123BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/124 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/557 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/198 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20240123BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240123BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/105
H01M50/124
H01M50/119
H01M50/121
H01M50/178
H01M50/557
H01M50/533
H01M50/211
H01M50/184 C
H01M50/186
H01M50/198
H01M50/193
H01M50/35 201
H01M50/505
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195767
(22)【出願日】2023-11-17
(62)【分割の表示】P 2021024243の分割
【原出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 泰憲
(57)【要約】
【課題】セルの異常が連鎖し難いバッテリパックを提供すること。
【解決手段】バッテリパックはモジュールを含む。モジュールは、第1セルと第2セルとを含む。第1セルは外装体と電極体と電極端子とを含む。外装体はラミネートフィルムを含む。電極端子は第1主面と第2主面とを含む。第1主面は、第2セルの方向を向いている。第2主面は、第1主面の反対面である。外装体の周縁に封止部が形成されている。封止部は、易開裂部を含む。易開裂部は、第1セルの温度および内圧の少なくとも一方が上昇した時、第1領域および第3領域に比して、開裂しやすいように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールを含み、
前記モジュールは、第1セルと第2セルとを含み、
前記第2セルは前記第1セルと隣接しており、
前記第1セルは外装体と電極体と電極端子とを含み、
前記外装体はラミネートフィルムを含み、
前記ラミネートフィルムは樹脂層と金属層とを含み、
前記外装体は前記電極体を格納しており、
前記外装体に封止部が形成されており、
前記電極端子は前記電極体と接続されており、
前記電極端子は、前記封止部を貫通して前記外装体の内部から外部に導出されており、
前記電極端子は、前記封止部を貫通する部分が平板状であり、
前記電極端子は第1主面と第2主面とを含み、
前記第1主面は、前記第2セルの方向を向いており、
前記第2主面は、前記第1主面の反対面であり、
前記封止部において前記第2主面と接する領域は、易開裂部を含み、
前記易開裂部は、前記第1セルの温度および内圧の少なくとも一方が上昇した時、前記封止部のうち前記易開裂部以外の領域に比して、開裂しやすいように構成されており、
前記第1セルの前記電極端子は、前記第2セルの電極端子に接続されており、
前記モジュールが第3セルをさらに含み、かつ前記第3セルが、前記第1セルと隣接して、前記第2セルの反対側に配置される場合、前記第2セルの前記電極端子と接続されている前記第1セルの前記電極端子は、前記第3セルの電極端子とは接続されていない、
バッテリパック。
【請求項2】
前記第1主面は粗面部を含む、
請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記樹脂層は第1熱可塑性樹脂を含み、
前記易開裂部は第2熱可塑性樹脂を含み、
前記第2熱可塑性樹脂は、前記第1熱可塑性樹脂に比して低い融点を有する、
請求項1または請求項2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
容器をさらに含み、
前記容器は、前記モジュールを格納しており、
前記容器の内部に排気ダクトが形成されており、
前記排気ダクトの内部に、前記易開裂部が配置されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記モジュールは、前記第1セルおよび前記第2セルを含む2個以上のセル群を含み、
2個以上の前記セル群の各々において、前記易開裂部が前記排気ダクトの内部に配置されている、
請求項4に記載のバッテリパック。
【請求項6】
バスバーをさらに含み、
前記バスバーが、前記第1セルの前記電極端子と、前記第2セルの前記電極端子とを接続している、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術はバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003-346768号公報(特許文献1)はラミネートセルを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単電池(セル)の外装体として、ラミネートフィルムが使用されている。ラミネートフィルムは樹脂層と金属層とを含む。樹脂層は金属層を被覆している。ラミネートフィルムは例えばパウチに加工される。パウチの周縁において、樹脂層が溶着されることにより封止部が形成される。封止部の形成により、外装体が密封される。ラミネートフィルム製の外装体を含むセルは、「ラミネートセル」とも称されている。
【0005】
2個以上のセルが電気的に接続されることにより、モジュールが形成される。モジュールにおいて、2個以上のセルは直列回路または並列回路を形成し得る。1個以上のモジュールにより、バッテリパックが形成される。
【0006】
モジュールにおいて、1個のセルに異常が発生することが想定される。例えば、1個のセルで内部短絡が発生することが想定される。内部短絡によりセルの温度が上昇し得る。さらにセルの内部でガスが発生し得る。温度上昇および内圧上昇の少なくとも一方によって、外装体の封止部が開裂し得る。封止部の開裂により、外装体からガスが噴出し得る。
【0007】
従来のラミネートセルにおいて、封止部の開裂位置はランダムであり得る。例えば、隣接するセル同士の間において、ガスが籠りやすい位置にガスが噴出する可能性がある。ガスは高温であり得る。高温のガスが籠ることにより、隣接するセルが加熱され得る。隣接するセルが加熱されることにより、異常の連鎖が発生する可能性がある。
【0008】
本技術の目的は、セルの異常が連鎖し難いバッテリパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本技術の構成および作用効果が説明される。ただし本明細書の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムは本技術の範囲を限定しない。
【0010】
〔1〕バッテリパックはモジュールを含む。モジュールは、1個以上のセルペアを含む。セルペアは第1セルと第2セルとを含む。第2セルは第1セルと隣接している。第2セルは、第1セルと電気的に接続されている。
第1セルは外装体と電極体と電極端子とを含む。外装体はラミネートフィルムを含む。ラミネートフィルムは樹脂層と金属層とを含む。樹脂層は金属層を被覆している。樹脂層は第1熱可塑性樹脂を含む。外装体は電極体を格納している。外装体の周縁に封止部が形成されている。電極端子は電極体と接続されている。電極端子は、封止部を貫通して外装体の内部から外部に導出されている。
電極端子は平板状である。電極端子は第1主面と第2主面とを含む。第1主面は、第2セルの方向を向いている。第2主面は、第1主面の反対面である。
封止部は、第1領域と第2領域と第3領域とを含む。第1領域は、第1主面と樹脂層との間に形成されている。第2領域は、第2主面と樹脂層との間に形成されている。第3領域は、樹脂層同士の間に形成されている。
第2領域は易開裂部を含む。易開裂部は、第1セルの温度および内圧の少なくとも一方が上昇した時、第1領域および第3領域に比して、開裂しやすいように構成されている。
【0011】
本技術のモジュールは、2個以上のラミネートセルを含む。2個のラミネートセルは、セルペアを構成している。セルペアは、第1セル(単に「セル」とも記される)と、第2セル(「隣接セル」とも記される)とを含む。セルペアは直列回路または並列回路を形成している。
【0012】
セルの封止部は、電極端子との関係により、第1領域、第2領域および第3領域に区分され得る。第2領域は易開裂部を含む。易開裂部は防爆弁として機能する。すなわち易開裂部は、異常時に第1領域および第3領域に比して開裂しやすい。易開裂部の開裂により、易開裂部からガスが噴出する。ガスの噴出位置が第2領域内にあることにより、セルの異常が連鎖し難いことが期待される。
【0013】
図1は、第1領域からガスが噴出した時のガスの流れを示す概略図である。
第1セル100aの電極端子30aと、第2セル100b(隣接セル)の電極端子30bとは電気的に接続されている。電極端子30aは電極端子30bと直接接続されていてもよい。バスバー150が電極端子30aと電極端子30bとを接続していてもよい。電極端子30aと電極端子30bとが接続されることにより、局所的に閉じた空間が形成され得る。第1領域13aは隣接セルと対向している。異常時に、第1領域13aからガスが噴出すると、ガスは隣接セルの方向に流れやすいと考えられる。さらにガスは閉じた空間に籠りやすいと考えられる。隣接セルが加熱されることにより、隣接セルに異常が連鎖する可能性がある。
【0014】
図2は、第3領域からガスが噴出した時のガスの流れを示す概略図である。
第3領域13cから噴出したガスは、多方向に拡散しやすい。ガスが多方向に拡散することにより、複数のセルが加熱される可能性がある。さらに、第3領域13cから噴出したガスは、電極体の格納部に向かって流れやすいと考えられる。その結果、複数のセルに異常が連鎖する可能性がある。
【0015】
図3は、第2領域からガスが噴出した時のガスの流れを示す概略図である。
第2領域13bは、第1領域13aの反対側に位置する。電極端子30aと電極端子30bとの接続により、第1領域13a側には、局所的に閉じた空間が形成されている。他方、第2領域13b側では、空間が閉じていない。第2領域13bから噴出したガスは、一方向に流れやすいと考えられる。第1領域13a側が閉じているためと考えられる。さらに第2領域13b側は、空間が閉じていないため、ガスが籠り難いと考えられる。また、第2領域13bから噴出したガスは、電極体20の格納部から離れる方向に流れやすいと考えられる。したがって、第2領域13bからガスが噴出することにより、セルの異常が連鎖し難いことが期待される。
【0016】
〔2〕上記〔1〕に記載のバッテリパックにおいて、例えば第1主面は粗面部を含んでいてもよい。
【0017】
粗面部においては、アンカー効果が発生し得る。アンカー効果は接着強度を上昇させ得る。第1領域が粗面部を含むことにより、第1領域が第2領域に比して高い接着強度を有し得る。すなわち第2領域は相対的に低い接着強度を有することになる。第2領域が相対的に低い接着強度を有することにより、第2領域に易開裂部が形成され得る。易開裂部は、例えば内圧上昇時に開裂することが期待される。
【0018】
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載のバッテリパックにおいて、易開裂部は第2熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。第2熱可塑性樹脂は、第1熱可塑性樹脂に比して低い融点を有する。
【0019】
温度上昇時、第2熱可塑性樹脂は第1熱可塑性樹脂に先行して軟化し得る。第2熱可塑性樹脂を含む易開裂部は、例えば温度上昇時に開裂することが期待される。
【0020】
〔4〕上記〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のバッテリパックは、例えば容器をさらに含んでいてもよい。容器はモジュールを格納している。容器の内部に排気ダクトが形成されている。排気ダクトの内部に易開裂部が配置されている。
【0021】
本技術においては、異常時に易開裂部からガスが噴出することが予定されている。排気ダクトの内部に易開裂部が配置されていることにより、易開裂部から噴出したガスが容器の外部へと円滑に排出され得る。
【0022】
〔5〕モジュールは、例えば2個以上のセルペアを含んでいてもよい。2個以上のセルペアの各々において、易開裂部が排気ダクトの内部に配置されていてもよい。
【0023】
バッテリパックが複数個の易開裂部を含む場合、各易開裂部が排気ダクトの内部に配置されるように、排気ダクトが配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、第1領域からガスが噴出した時のガスの流れを示す概略図である。
【
図2】
図2は、第3領域からガスが噴出した時のガスの流れを示す概略図である。
【
図3】
図3は、第2領域からガスが噴出した時のガスの流れを示す概略図である。
【
図4】
図4は、本実施形態におけるバッテリパックの概略図である。
【
図5】
図5は、本実施形態におけるバッテリパックの概略断面図である。
【
図7】
図7は、本実施形態におけるセルの第1平面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態におけるセルの第2平面図である。
【
図9】
図9は、易開裂部の第1例を示す概略断面図である。
【
図10】
図10は、易開裂部の第2例を示す概略断面図である。
【
図11】
図11は、易開裂部の第3例を示す概略断面図である。
【
図12】
図12は、易開裂部の配列の第1例を示す概念図である。
【
図13】
図13は、易開裂部の配列の第2例を示す概念図である。
【
図14】
図14は、易開裂部の配列の第3例を示す概念図である。
【
図16】
図16は、供試品の構成および釘刺し試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本技術の実施形態(本明細書においては「本実施形態」とも記される。)が説明される。ただし以下の説明は、本技術の範囲を限定しない。例えば本明細書中の作用効果についての言及は、当該作用効果を全て奏する範囲内に、本技術の範囲を限定しない。
【0026】
本明細書において、「備える、含む(comprise, include)」、「有する(have)」およびこれらの変形〔例えば「から構成される(be composed of)」、「包含する(encompass,involve)」、「含有する(contain)」、「担持する(carry, support)」、「保持する(hold)」等〕の記載は、オープンエンド形式である。オープンエンド形式は必須要素に加えて、追加要素をさらに含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。「からなる(consist of)」との記載はクローズド形式である。「実質的に…からなる(consist essentially of)」との記載はセミクローズド形式である。セミクローズド形式は、本技術の目的を阻害しない範囲で、必須要素に加えて追加要素をさらに含んでいてもよい。例えば、本技術の属する分野において通常想定される要素(例えば不可避不純物等)が、追加要素として含まれていてもよい。
【0027】
本明細書において、「…してもよい(may)、…し得る(can)」との表現は、義務的な意味「…しなければならない(must)の意味」ではなく、許容的な意味「…する可能性を有するの意味」で使用されている。本明細書において、単数形(a, an, the)は、特に断りの無い限り、複数形も含む。
【0028】
本明細書における幾何学的な用語(例えば「平行」等)は、厳密な意味に解されるべきではない。例えば「平行」は、厳密な意味での「平行」から多少ずれていてもよい。本明細書における幾何学的な用語は、例えば、設計上、作業上、製造上等の公差、誤差等を含み得る。各図中の寸法関係は、実際の寸法関係と一致しない場合がある。本技術の理解を助けるために、各図中の寸法関係(長さ、幅、厚さ等)が変更されている場合がある。さらに一部の構成が省略されている場合もある。
【0029】
各図において「積層方向」はZ軸方向に相当する。なお積層方向と鉛直方向との関係は任意である。例えば積層方向は鉛直方向と平行であってもよい。例えば積層方向は鉛直方向と直交していてもよい。
【0030】
本明細書において、例えば「95℃から140℃」および「95~140℃」等の数値範囲は、特に断りのない限り、上限値および下限値を含む。すなわち「95℃から140℃」および「95~140℃」は、「95℃以上140℃以下」の数値範囲を示す。また、数値範囲内から任意に選択された数値が、新たな上限値および下限値とされてもよい。例えば、数値範囲内の数値と、本明細書中の別の部分に記載された数値とが任意に組み合わされることにより、新たな数値範囲が設定されてもよい。
【0031】
本明細書において「異常時」は、温度上昇時および内圧上昇時の少なくとも一方を示す。「温度上昇時」は、セルの表面温度が90℃以上になることを示す。セルの表面温度は、例えば熱電対により測定され得る。内圧上昇時は、セルの内圧と外圧との差が0.1MPa以上になることを示す。内圧は内圧測定器により測定され得る。
【0032】
本明細書においては、「第1セル」および「第2セル」が「セル」と総称され得る。
【0033】
<バッテリパック>
図4は、本実施形態におけるバッテリパックの概略図である。
バッテリパック1000は任意の用途で使用され得る。バッテリパック1000は、例えば電動車両等において、主電源または動力アシスト用電源として使用されてもよい。バッテリパック1000はモジュール500を含む。バッテリパック1000は1個のモジュール500を単独で含んでいてもよい。バッテリパック1000は2個以上のモジュール500を含んでいてもよい。バッテリパック1000はモジュール500を含む限り、任意の構成をさらに含み得る。バッテリパック1000は、例えば、保護回路、保護装置、監視回路、冷却装置等をさらに含んでいてもよい。
【0034】
《容器》
バッテリパック1000は、例えば容器600をさらに含んでいてもよい。容器600は「筐体」等とも称され得る。容器600はモジュール500を格納している。容器600は、1個のモジュール500を格納していてもよい。容器600は、2個以上のモジュール500を格納していてもよい。
【0035】
容器600は任意の外形を有し得る。容器600は、例えば角形であってもよい。容器600は、例えば金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。容器600の内部に排気ダクト610が形成されていてもよい。排気ダクト610は容器600の外部に通じている。排気ダクト610は、例えば直管を含んでいてもよい。排気ダクト610は、例えばエルボを含んでいてもよい。排気ダクト610は、モジュール500から噴出したガスを容器600の外部へと導く。ガスの排気を促進するために、容器600がファン、吸引ブロア等をさらに含んでいてもよい。
【0036】
《モジュール》
図5は、本実施形態におけるバッテリパックの概略断面図である。
図5には、
図4のYZ平面に平行な断面が示されている。
図5の断面は、積層方向(Z軸方向)と平行である。
【0037】
バッテリパック1000はモジュール500を含む。モジュール500は、2個以上のセル100(単電池)がZ軸方向に積層されることにより形成されている。セル100が2個以上である限り、セル100の個数は任意である。モジュール500は、例えば2個から100個のセル100を含んでいてもよい。モジュール500は、例えば4個から50個のセル100を含んでいてもよい。モジュール500は、例えば6個から10個のセル100を含んでいてもよい。
【0038】
《セルペア》
図6は、
図5中のVI領域の拡大図である。
モジュール500は、1個以上のセルペア200を含む。セルペア200は、第1セル100aと第2セル100bとを含む。第2セル100bは第1セル100aと隣接している。第2セル100bは、第1セル100aと直接接続されていてもよい。セルペア200は、例えばバスバー150を含んでいてもよい。バスバー150は導電性を有する。バスバー150が第1セル100aと第2セル100bとを接続していてもよい。
【0039】
電極端子30bは、電極端子30aと同極性を有していてもよい。すなわち第2セル100bは、第1セル100aと並列に接続されていてもよい。電極端子30bは、電極端子30aと異極性を有していてもよい。すなわち第2セル100bは、第1セル100aと直列に接続されていてもよい。セルペア200が直列回路を形成している場合、セルペア200が並列回路を形成している場合に比して、異常が連鎖しやすい傾向がある。本実施形態においては、セルペア200が直列回路を形成している場合にも、異常の連鎖が起こり難いことが期待される。
【0040】
セルペア200が1個以上である限り、セルペア200の個数は任意である。モジュール500は、例えば1個から50個のセルペア200を含んでいてもよい。モジュール500は、例えば2個から25個のセルペア200を含んでいてもよい。モジュール500は、例えば3個から5個のセルペア200を含んでいてもよい。
【0041】
《セル》
第1セル100aおよび第2セル100bは、それぞれ独立に、任意の電池系であり得る。第1セル100aは、例えば、液系リチウムイオンセルであってもよいし、リチウムイオンポリマーセルであってもよいし、全固体リチウムイオンセルであってもよい。第1セル100aは任意の外形を有し得る。第1セル100aは、例えば扁平状であってもよい。第1セル100aは、外装体10と電極体20と電極端子30aとを含む。第2セル100bは、例えば第1セル100aと実質的に同一構造を有していてもよい。
【0042】
(外装体)
外装体10は電極体20を格納している。外装体10はパウチ状であってもよい。外装体10は密封されている。外装体10はラミネートフィルムを含む。外装体10は、例えば実質的にラミネートフィルムからなっていてもよい。ラミネートフィルムは樹脂層11と金属層12とを含む。樹脂層11は金属層12を被覆している。例えば樹脂層11は金属層12に溶着されていてもよい。樹脂層11は、金属層12の片面のみを被覆していてもよい。樹脂層11は、金属層12の両面を被覆していてもよい。すなわちラミネートフィルムは2層構造(樹脂層11/金属層12)を有していてもよいし、3層構造(樹脂層11/金属層12/樹脂層11)を有していてもよい。
【0043】
樹脂層11は、例えば1μmから100μmの厚さを有していてもよい。樹脂層11は第1熱可塑性樹脂を含む。樹脂層11は、実質的に第1熱可塑性樹脂からなっていてもよい。熱可塑性を示す限り、第1熱可塑性樹脂は任意の成分を含み得る。第1熱可塑性樹脂は、例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびアイオノマーからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。ラミネートフィルムが3層構造である場合、2個の樹脂層11は同一の熱可塑性樹脂を含んでいてもよいし、異なる熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0044】
金属層12は、例えば10μmから500μmの厚さを有していてもよい。金属層12は金属を含む。金属層12は、例えば実質的に金属からなっていてもよい。金属層12は、例えば実質的に金属箔からなっていてもよい。金属層12は、例えば金属蒸着層であってもよい。金属蒸着層は、例えば樹脂層11の表面に金属が蒸着されることにより形成され得る。金属層12は、例えばアルミニウム(Al)、Al合金等を含んでいてもよい。
【0045】
(電極体)
電極体20は正極と負極とを含む。正極は正極活物質を含む。負極は負極活物質を含む。正極および負極の各々は、例えばシート状であってもよい。電極体20は例えば積層型であってもよい。すなわち電極体20は正極と負極とが交互に積層されることにより形成されていてもよい。電極体20は例えば巻回型であってもよい。すなわち電極体20は、正極および負極を含む積層体が渦巻状に巻回されることにより形成されていてもよい。
【0046】
電極体20はセパレータをさらに含んでいてもよい。セパレータは電気絶縁性である。セパレータは正極と負極とを分離する。セパレータは、例えば多孔質膜を含んでいてもよい。電極体20は電解質をさらに含んでいてもよい。電解質は液体であってもよいし、ゲルであってもよいし、固体であってもよい。例えば、液体電解質(電解液)が電極体20に含浸されていてもよい。
【0047】
(電極端子)
第1セル100aは2個の電極端子30aを含む。一方は正極端子である。他方は負極端子である。電極端子30aは電極体20と接続されている。電極端子30aは電極体20に溶接されていてもよい。電極端子30aは平板状である。電極端子30aは、例えば金属板を含んでいてもよい。電極端子30aは、例えば0.1mmから5mmの厚さを有していてもよい。正極端子は例えばAl板等を含んでいてもよい。負極端子は例えば、銅(Cu)板等を含んでいてもよい。
【0048】
(封止部)
図7は、本実施形態におけるセルの第1平面図である。
外装体10は任意の平面形状を有し得る。外装体10は例えば矩形状であってもよい。外装体10の周縁に封止部13が形成されている。封止部13は熱溶着により形成される。封止部13は格納部15を取り囲んでいてもよい。格納部15は電極体20を格納している。
【0049】
封止部13は第1領域13aと第2領域13bと第3領域13cとを含む。第3領域13cは、樹脂層11同士の間に形成されている(
図6参照)。第3領域13cにおいては、樹脂層11同士が溶着されている。
【0050】
電極端子30は封止部13を貫通して外装体10の内部から外部に導出されている。電極端子30が封止部13を貫通する位置に、第1領域13aおよび第2領域13bが形成されている。
図7において、第1領域13aと第2領域13bとは表裏の位置関係にある。
【0051】
外装体10の輪郭線は、例えば4個の辺により構成されていてもよい。4個の辺のうち互いに対向する2個の辺に電極端子30(正極端子または負極端子)がそれぞれ配置されていてもよい。
【0052】
図8は、本実施形態におけるセルの第2平面図である。
外装体10の輪郭線は、例えば4個の辺により構成されていてもよい。4個の辺のうち、1個の辺に2個の電極端子30(正極端子および負極端子)が配置されていてもよい。
【0053】
《易開裂部》
電極端子30aは第1主面31と第2主面32とを含む(
図6参照)。第2主面32は第1主面31の反対面である。第1主面31は、隣接セル(第2セル100b)の方向を向いている。
【0054】
第1領域13aは、第1主面31と樹脂層11との間に形成されている。第1領域13aにおいては、樹脂層11が第1主面31に溶着されている。第2領域13bは、第2主面32と樹脂層11との間に形成されている。第2領域13bにおいては、樹脂層11が第2主面32に溶着されている。
【0055】
第2領域13bは易開裂部を含む。易開裂部は、異常時に、第1領域13aおよび第3領域13cに比して、開裂しやすいように構成されている。易開裂部は、セルペア200において、第1セル100aまたは第2セル100bの一方に形成されていてもよいし、第1セル100aおよび第2セル100bの両方に形成されていてもよい。すなわちセルペア200において、第1セル100aおよび第2セル100bの少なくとも一方が、易開裂部を含んでいてもよい。
【0056】
第2領域13bの全域にわたって易開裂部が配置されていてもよい。第2領域13bの一部に易開裂部が配置されていてもよい。すなわち、第2領域13bの少なくとも一部に、易開裂部が形成されていてもよい。
【0057】
易開裂部は、外装体10の内部と外部とを連絡するように延びていてもよい。易開裂部が外装体10の内部と外部とを連絡していることにより、ガス流路が円滑に形成されることが期待される。
【0058】
(粗面部)
図9は、易開裂部の第1例を示す概略断面図である。
易開裂部は任意の構成を有し得る。例えば第1主面31が粗面部rpを含んでいてもよい。例えば第1主面31は、実質的に粗面部rpからなっていてもよい。第1主面31が粗面部rpを含むことにより、第1領域13aの接着強度が上昇し得る。すなわち、第2領域13bが相対的に低い接着強度を有することになる。その結果、第2領域13bに易開裂部が形成され得る。易開裂部は、例えば圧力上昇時に開裂し得る。
【0059】
粗面部rpは表面に凹凸を含む。粗面部rpは、例えばブラスト加工により形成され得る。粗面部rpは、例えば0.1μm以上のRaを有していてもよい。粗面部rpは、例えば0.5μm以上のRaを有していてもよい。粗面部rpは、例えば10μm以下のRaを有していてもよい。本明細書の「Ra」は「JIS B 0601」において定義される「算術平均粗さ」を示す。Raはレーザ顕微鏡により測定され得る。
【0060】
例えば、第2主面32は平滑面を含んでいてもよい。例えば第2主面32は、実質的に平滑面からなっていてもよい。平滑面は、例えば0.1μm未満のRaを有していてもよい。平滑面は、例えば0.01μmから0.05μmのRaを有していてもよい。
【0061】
例えば、第1主面31および第2主面32の両方が粗面部rpを含んでいてもよい。第1主面31および第2主面32の両方が粗面部rpを含む時、例えば「第1主面のRa>第2主面のRa」の関係が満たされていてもよい。例えば第1主面31は、第2主面32に比して、2倍から100倍のRaを有していてもよい。例えば第1主面31は、第2主面32に比して、5倍から50倍のRaを有していてもよい。
【0062】
(接着強度)
第2領域13bは、例えば第1領域13aおよび第3領域13cに比して、低い接着強度を有していてもよい。第2領域13bが相対的に低い接着強度を有することにより、第2領域13bに易開裂部が形成され得る。低い接着強度を有する易開裂部は、例えば圧力上昇時に開裂し得る。
【0063】
例えば、第1領域13aおよび第3領域13cは、それぞれ独立に、5~10kgf/15mmの接着強度を有していてもよい。例えば、第2領域13bは、5kgf/15mm未満の接着強度を有していてもよい。例えば、第2領域13bは、1kgf/15mm以上の接着強度を有していてもよい。本明細書の「接着強度」は「はく離接着強さ」を示す。「はく離接着強さ」は、「JIS K 6854-2」に準拠した「はく離接着強さ試験(180°はく離)」により測定される。はく離接着強さ試験は、例えば島津製作所製の「オートグラフ(登録商標)」等により実施され得る。同装置と同等の機能を有する引張試験機が使用されてもよい。試験片が準備される。試験片は、各領域から切り出される。例えば第1領域13aから切り出された試験片は、電極端子30aの一部と、外装体10(ラミネートフィルム)の一部とを含む。外装体10の一部は、電極端子30aの一部に溶着されている。引張試験機のつかみに、電極端子30aの端部と、外装体10の端部とがそれぞれ固定される。電極端子30aから外装体10が180°の角度で引き剥がされる。つかみの移動速度は100mm/minである。力-つかみ移動距離曲線から平均はく離力(kgf)が求められる。「kgf/15mm」は、試験片の幅が15mmである時の平均はく離力を示す。
【0064】
(低融点樹脂)
例えば、易開裂部は第2熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。例えば、第2領域13bにおいて、樹脂層11が第2熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。第2熱可塑性樹脂は、第1熱可塑性樹脂に比して低い融点を有する。第2熱可塑性樹脂を含む易開裂部は、例えば温度上昇時に開裂することが期待される。異常時に早い段階で内圧が開放されることにより、例えば発熱反応が緩やかになり、ガス発生量が低減する可能性もある。さらに電極体20の発熱が緩やかになる可能性もある。
【0065】
第2領域13bにおいて、樹脂層11は、例えば第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂との混合物を含んでいてもよい。混合物は、例えば均一相を形成していてもよい。混合物は、例えば海島構造を有していてもよい。例えば第1熱可塑性樹脂が海相を形成し、かつ第2熱可塑性樹脂が島相を形成していてもよい。例えば第2熱可塑性樹脂が海相を形成し、かつ第1熱可塑性樹脂が島相を形成していてもよい。
【0066】
図10は、易開裂部の第2例を示す概略断面図である。
例えば第2領域13bにおいて、樹脂層11が多層構造を有していてもよい。すなわち樹脂層11が第1層11aと第2層11bとを含んでいてもよい。第2層11bは、第2主面32と第1層11aとの間に介在している。第2層11bは、外装体10の内部と外部とを連絡するように延びていてもよい。例えば第1層11aが第1熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。第1層11aは実質的に第1熱可塑性樹脂からなっていてもよい。例えば第2層11bが第2熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。第2層11bは実質的に第2熱可塑性樹脂からなっていてもよい。
【0067】
第1熱可塑性樹脂に比して低い融点を有する限り、第2熱可塑性樹脂は任意の成分を含み得る。第2熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン(融点:95~140℃)、ポリプロピレン(融点:160~170℃)、およびポリ塩化ビニル(融点:180℃)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。本明細書において熱可塑性樹脂の「融点」は、DSC(Differential Scanning Calorimetry)曲線における融解ピーク(吸熱ピーク)のピークトップ温度を示す。DSC曲線は、「JIS K 7121」に準拠して測定され得る。
【0068】
図11は、易開裂部の第3例を示す概略断面図である。
例えば、粗面部rpまたは低融点樹脂(第2熱可塑性樹脂)の一方により、易開裂部が形成されてもよい。例えば、粗面部rpと低融点樹脂とが組み合わされることにより、易開裂部が形成されてもよい。例えば、第1主面31が粗面部rpを含んでいてもよい。なおかつ、第2主面32側に配置される樹脂層11が、第1層11aと第2層11bとを含んでいてもよい。第2層11bが第2熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0069】
《易開裂部の配列》
図12は、易開裂部の配列の第1例を示す概念図である。
各セル100において、2個の電極端子30は、積層方向(Z軸方向)と交差する方向(Y軸方向)に、互い違いに導出されていてもよい。例えば、Y軸方向の片側に、全ての易開裂部40が集まっていてもよい。片側に全ての易開裂部40が集まっていることにより、全ての易開裂部40が排気ダクト610の内部に容易に配置され得る。すなわち排気ダクト610が単純な構造を有し得る。
【0070】
図13は、易開裂部の配列の第2例を示す概念図である。
易開裂部40は、Y軸方向の両側に、配置されていてもよい。排気ダクト610は、Y軸方向の片側のみに設けられていてもよいし、Y軸方向の両側に設けられていてもよい。全ての易開裂部40が排気ダクト610の内部に配置されていてもよい。一部の易開裂部40は、排気ダクト610の外部に配置されていてもよい。
【0071】
図14は、易開裂部の配列の第3例を示す概念図である。
例えば、全ての電極端子30とラミネートフィルムとの間に、易開裂部40が配置されていてもよい。
【0072】
なお、積層方向の末端に位置する電極端子30xは、接続する相手(セル)を有していない。積層方向の末端において、易開裂部40は、例えば隣接セルが無い側に配置されてもよい。積層方向の末端において、易開裂部40は、例えば隣接セルがある側に配置されてもよい。積層方向の末端において、易開裂部40が配置されていなくてもよい。
【実施例0073】
以下、本技術の実施例(本明細書においては「本実施例」とも記される。)が説明される。ただし以下の説明は、本技術の範囲を限定しない。
【0074】
<供試品の準備>
図15は、供試品を示す概略断面図である。
供試用のバッテリパック1000は、容器600を含む。容器600はAl製である。容器600の内部には、排気ダクト610が設けられている。容器600には、挿入孔620が形成されている。挿入孔620は1.2mmの直径を有する。
【0075】
容器600内には、モジュールが配置されている。モジュールは1個のセルペア200からなる。セルペア200は、第1セル100aと第2セル100bとバスバー150とを含む。セルペア200は直列回路を形成している。バスバー150は、第1セル100aと第2セル100bとを直列に接続している。第1セル100aおよび第2セル100bは、いずれも液系リチウムイオンセルである。外装体はAlラミネートフィルム製である。外装体は熱溶着により封止されている。外装体は電極体を格納している。電極体は積層型である。正極端子はAl板である。負極端子はCu板である。ブラスト処理により正極端子および負極端子の少なくとも一方に粗面部が形成される。
【0076】
<試験方法>
釘300が準備される。釘300は、丸釘(胴径:1.0mm)である。挿入孔620から釘300が刺し込まれる。さらに釘300が第1セル100aに刺し込まれる。釘300の刺し込みにより、第1セル100aにおいて内部短絡が発生する。第1セル100aからガスが噴出した後、30分間にわたって、第2セル100bの表面温度が測定される。
【0077】
《No.1》
図16は、供試品の構成および釘刺し試験の結果を示す。
No.1のバッテリパック1000においては、電極端子30aの粗面部rpと、電極端子30bの粗面部rpとが、互いに対向するように配置される。すなわちNo.1のバッテリパック1000においては、第2領域13bが易開裂部40を含む。
【0078】
《No.2》
No.2のバッテリパック1000においては、電極端子30aおよび電極端子30bの両方に粗面部rpが形成されない。すなわちNo.2のバッテリパック1000は、易開裂部40を含まない。全ての面で接着強度に実質的な差異がないためである。
【0079】
《No.3》
No.3のバッテリパック1000においては、電極端子30aの粗面部rpと、電極端子30bの粗面部rpとが、互いに反対方向を向くように配置される。すなわちNo.3のバッテリパック1000においては、第1領域13aが易開裂部40を含む。
【0080】
《No.4》
No.4のバッテリパック1000においては、電極端子30aおよび電極端子30bの全ての面に粗面部rpが形成される。したがってNo.4のバッテリパック1000は、易開裂部40を含まない。全ての面で接着強度に実質的な差異がないためである。
【0081】
<結果>
図16中、「発熱の連鎖」の項目において「あり」は、第1セル100aからガスが噴出した後、第2セル100bの表面温度が90℃以上に上昇したことを示す。「なし」は、第1セル100aからガスが噴出した後、30分間にわたって、第2セル100bの表面温度が90℃未満であったことを示す。
【0082】
図16中、第2領域13bが易開裂部40を含むことにより、第2セル100bに異常が連鎖し難い傾向がみられる。
【0083】
本実施形態および本実施例は、全ての点で例示である。本実施形態および本実施例は、制限的ではない。本技術の範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内における全ての変更を包含する。例えば、本実施形態および本実施例から任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも当初から予定されている。
10 外装体、11 樹脂層、11a 第1層、11b 第2層、12 金属層、13 封止部、13a 第1領域、13b 第2領域、13c 第3領域、15 格納部、20 電極体、30,30a,30b,30x 電極端子、31 第1主面、32 第2主面、40 易開裂部、100 セル、100a 第1セル、100b 第2セル、150 バスバー、200 セルペア、300 釘、500 モジュール、600 容器、610 排気ダクト、620 挿入孔、1000 バッテリパック、rp 粗面部。